JP5195928B2 - 放射線断層撮影装置における較正データの収集方法 - Google Patents

放射線断層撮影装置における較正データの収集方法 Download PDF

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Description

この発明は、放射線をイメージングする放射線断層撮影装置における較正データの収集方法に関し、特に、ブロック状の放射線検出器をリング状に配列した放射線断層撮影装置における較正データの収集方法に関する。
医療分野において、被検体に投与されて関心部位に局在した放射性薬剤から放出された消滅放射線対(例えばγ線)を検出し、被検体の関心部位における放射性薬剤分布の断層画像を得る放射線断層撮影装置(ECT:Emission Computed Tomography)に使用されている。ECTには、主なものとして、PET(Positron Emission Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置などが挙げられる。
PET装置を例にとって説明する。PET装置は、ブロック状の放射線検出器をリング状に配列した検出器リングを有する。この検出器リングは、被検体を包囲するために設けられているものであり、被検体を透過してきた放射線を検出できる構成となっている。
このようなPET装置の検出器リングに配備される放射線検出器には、分解効率を高めるため、放射線検出器に設けられたシンチレータの深さ方向の位置弁別が可能な構成となっているものがしばしば搭載される。まずは、従来のPET装置の構成について説明する。図10に示すように、従来のPET装置50は、被検体を導入する導入孔を備えたガントリ51と、ガントリ51の内部に、放射線を検出するブロック状の放射線検出器52を導入孔を囲むように配列して形成された検出器リング53と、検出器リング53を囲むように設けられた支持部材54とを有している。そして、放射線検出器52の各々について、その支持部材54の介在する位置にブリーダ回路を備えたブリーダユニット55が設けられており、これが支持部材54と放射線検出器52とを連結している。
PET装置は、放射性薬剤より放射される消滅放射線対を測定する。すなわち、被検体Mの内部から放射される消滅放射線対は、進行方向が180°反対方向となっている放射線のペアである。
この様なPET装置50を用いるには、まず、画像の補正に用いる感度ムラを取得する。具体的には、消滅放射線対の発生源である円筒型のファントムをガントリ51の内部に挿入して、検出器リング53に消滅放射線対を検出させる(例えば、特許文献1参照)。このとき、消滅放射線対は、ファントム全体から均一に放射されるにもかかわらず、検出器リング53は、必ずしも消滅放射線対がファントム全体から均一に放射されているという結果を出力するわけではない。検出器リング53を構成する放射線検出素子の各々の間で放射線の検出感度がバラツいているからである。したがって、この時点で得られたガントリ51内部の消滅放射線対分布をイメージングした画像に何らかの偽像が写りこむ場合があり、これは、検出器リング53が固有に有する消滅放射線対の検出感度のムラなのである。
被検体が写りこんだ放射線断層画像にもこの偽像が重畳する。しかし、放射線断層画像に、この偽像を打ち消すような画像処理を行えば、放射線断層画像に写りこんでいる感度のムラがキャンセルされ、被検体のみが写りこんだ鮮明な放射線断層画像が取得できる。すなわち、被検体の断層撮影を行う前に、予め放射線源となっているファントムを検出器リング53に挿入し、検出感度のムラが測定される。
特開平10−2965号公報
しかしながら、従来の構成によれば、以下のような問題点がある。
すなわち、従来の構成によれば、検出器リング53を幅広なものとすると、これに挿入させるファントムを調整することが困難となるという問題点がある。近年において、被検体の全身を覆う程度に検出器リング53が幅広となっている放射線断層撮影装置が開発されつつある。この様な放射線断層撮影装置が固有に有する感度ムラを打ち消すためには、検出器リング53の有する貫通孔を塞ぐのに十分な細長状で巨大なファントムが必要となる。
ファントムは、検出器リング53に挿入される前に、前準備が行われる。すなわち、ファントムは、溶液が充填された容器となっており、まずその内部に溶液が満たされる。次に、放射性物質を加え、溶液を攪拌する。検出器リング53が幅広となるほどファントムを満たすための溶液の量は多くなり、溶液を攪拌するのも容易ではない。前準備が終了したファントムを検出器リング53に挿入する作業も煩雑である。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、検出器リング53が幅広となっても、確実に較正データが収集できる放射線断層撮影装置における較正データの収集方法を提供することにある。
本発明は、上述の目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る放射線断層撮影装置における較正データの収集方法は、放射線を検出する放射線検出素子が環状に配列された単位検出リングと、2つの異なる放射線検出素子が同時に放射線を検出した回数である同時イベント数を計数する同時計数手段と、同時イベント数を基に較正データを生成する較正データ生成手段とを備え、複数の単位検出リングがそれらの中心軸を共有するようにして積層されることにより構成された検出器リングを備えた放射線断層撮影装置における較正データの収集方法において、消滅放射線対を照射するファントムを検出器リングの有する内穴の内部で移動させながら、同時イベント数が取得され、検出器リングの伸びる方向を延伸方向としたとき、ファントムが検出器リングに対して移動する方向は、延伸方向に沿っており、延伸方向におけるファントムの長さは、延伸方向における検出器リングの長さよりも短いことを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明は、消滅放射線対を照射するファントムを検出器リングの有する内穴を通過するように移動させながら、同時イベント数を取得する。この様に構成することで、ファントムの幅を検出器リングの幅以上とする必要がなく、確実に較正データが収集できる。また、ファントムは、消滅放射線対を検出器リングに向けて均一に照射するような形状となっている。しかしながら、実際の消滅放射線対の照射特性は、ファントムの位置によって若干異なっている。ファントムを検出器リングに移動させない従来構成では、検出器リングの位置に依存して入射する消滅放射線対の照射特性が異なるので、較正データにファントムの消滅放射線対の照射ムラが重畳してしまう。本発明によれば、ファントムは、検出器リングに移動されるので、較正データにおいて、ファントムが有する消滅放射線対の照射ムラは、ボカされるので、検出器リングには、その位置によらず一様な特性で以って消滅放射線対が照射されたと見なせ、より偽像除去に適した較正データを取得することができる。
本発明に係る較正データの収集方法は、検出器リングがファントムよりも延伸方向に伸びている場合でも適応することができる。
また、上述のファントムの移動は、ファントムを移動させるファントム移動手段と、ファントム移動手段を制御するファントム制御手段とによって実現されればより望ましい。
[作用・効果]この構成は、ファントムの移動における具体的な態様を示したものである。すなわち、この構成によれば、ファントムを移動させる為の各手段を備えるので、より忠実にファントムを移動させる構成を提供することができる。
また、上述のファントムは、検出器リングに対して往復移動すればより望ましい。
[作用・効果]この構成によれば、十分に長いあいだファントムを検出器リングに存在させることができるので、較正データ取得に用いる同時イベント数を増加させることができる。また、ファントムの動き方がより複雑なものとなるので、ファントムが有する消滅放射線対の照射ムラは、検出器リングにおいて更にボカされ、より偽像除去に適した較正データを取得することができる。また、ファントムに含まれる消滅放射線対は、検出器リングにファントムをセットした時点が最も強く、次第に減衰していく。この構成によれば、ファントムが検出器リングを往復することになるので、検出器リングに、より一様な特性で以って消滅放射線対が照射されたと見なすことができるようになる。
また、上述のファントムの速度は、移動の開始時に最も速く、ファントムが移動するにつれ、次第に遅くなればより望ましい。
[作用・効果]この構成によれば、検出器リングに、より一様な特性で以って消滅放射線対が照射されたと見なすことができるようになる。ファントムに含まれる消滅放射線対は、検出器リングにファントムをセットした時点が最も強く、次第に減衰していくのであるから、単位時間あたり検出器リングに照射される消滅放射線対の線量は、ファントムの移動開始位置と移動終了位置とで異なっている。この構成によれば、ファントムの速度を調節することで、ファントムの移動開始位置において検出器リングに照射される消滅放射線対の線量を減少させ、逆に、ファントムの移動終了位置において検出器リングに照射される消滅放射線対の線量を増加させる構成とすることができる。
また、上述の同時計数手段は、延伸方向における2つの放射線検出素子間の距離が所定の長さ以下となっているときのみ同時イベント数を計数し、ファントムの延伸方向における長さは、所定の長さよりも長ければより望ましい。
[作用・効果]この構成によれば、同時イベント数のデータ処理を大幅に軽減することができる。すなわち、同時計数手段は、延伸方向における2つの放射線検出素子間の距離が所定の長さ以下となっているときのみ同時イベント数を計数する。2つの放射線検出素子が延伸方向にあまりに離れすぎている場合、この様な放射線検出素子間の同時イベント数を計数することは、同時計数手段の負担を増大させてしまうので、この様な計数は行わない構成としているのである。さらに、ファントムの延伸方向における長さは、所定の長さよりも長くなっている。つまり、同時計数を行う2つの放射線検出素子間については、確実に消滅放射線対が照射される構成となっているのである。
本発明は、消滅放射線対を照射するファントムを検出器リングの有する内穴を通過するように移動させながら、同時イベント数を取得する。この様に構成することで、ファントムの幅を検出器リングの幅以上とする必要がなく、確実に較正データが収集できる。また、検出器リングには、その位置によらず一様な特性で以って消滅放射線対が照射されたと見なせ、より偽像除去に適した較正データを取得することができる。
また、同時イベント数のデータ処理を大幅に軽減する構成を採用することができる。すなわち、同時計数手段は、延伸方向における2つの放射線検出素子間の距離が所定の長さ以下となっているときのみ同時イベント数を計数する。しかも、同時計数を行う2つの放射線検出素子間については、確実に消滅放射線対が照射されるように、ファントムの延伸方向における長さは、所定の長さよりも長くなっている。
実施例1に係る放射線断層撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る放射線検出器の構成を説明する斜視図である。 実施例1に係る検出器リングの構成を説明する図である。 実施例1に係るオリジナルマップの取得方法について説明する断面図である。 実施例1に係るオリジナルマップの取得方法について説明する断面図である。 実施例1に係る断層画像の取得方法について説明する断面図である。 実施例1に係る断層画像の取得方法について説明する断面図である。 実施例1に係る断層画像の取得方法について説明する断面図である。 本発明の1変形例に係る構成を説明する図である。 従来の放射線断層撮影装置の構成を説明する一部破断面図である。
符号の説明
9 放射線断層撮影装置
12 検出器リング
12b 単位検出リング
15 天板移動機構(ファントム移動手段)
16 天板移動制御部(ファントム移動制御手段)
21 同時計数部(同時計数手段)
26 較正データ生成部(較正データ生成手段)
41 ファントム
以下、本発明に係る放射線断層撮影装置における較正データの収集方法の最良の形態について説明する。なお、以下に説明するγ線は、本発明の放射線の一例である。
<放射線断層撮影装置の全体構成>
以下、本発明に係る放射線断層撮影装置の実施例を図面を参照しながら説明する。図1は、実施例1に係る放射線断層撮影装置の構成を説明する機能ブロック図である。実施例1に係る放射線断層撮影装置9は、図1に示すように、被検体Mを仰臥させる天板10と、被検体Mを包囲する貫通穴を有するガントリ11を有している。天板10は、ガントリ11の開口を貫通するように備えられているとともに、ガントリ11の開口の伸びる方向に沿って進退自在となっている。この様な天板10の摺動は、天板移動機構15によって実現される。天板移動機構15は、天板移動制御部16によって制御される。
ガントリ11の内部には、被検体Mから放射される消滅γ線対を検出する検出器リング12が備えられている。この検出器リング12は、被検体Mの体軸方向z(本発明の延伸方向に相当する。)に伸びた筒状であり、その長さは、1m〜1.8mである。すなわち、検出器リング12は、被検体Mの少なくとも胴体部分を完全に覆う事ができる程度まで伸びている。クロック19は、検出器リング12に時間情報を送出する。検出器リング12から出力される検出データは、γ線をどの時点で取得されたかという時刻情報が付与され、後述のフィルタ部20に入力されることになる。
検出器リング12は、ブロック状の放射線検出器1がリング状に配列されて構成される。放射線検出器1における1つあたりの幅は、約5cmであったとすると、検出器リング12に放射線検出器1は、z方向に約20個〜36個配列されていることになる。この放射線検出器1の構成について簡単に説明する。図2は、実施例1に係る放射線検出器の構成を説明する斜視図である。放射線検出器1は、図2に示すように放射線を蛍光に変換するシンチレータ2と、蛍光を検出する光検出器3とを備えている。そして、シンチレータ2と光検出器3との介在する位置には、蛍光を授受するライトガイド4が備えられている。
シンチレータ2は、シンチレータ結晶が2次元的に配列されて構成されている。シンチレータ結晶は、Lu2(1−X)2XSiO(以下、LYSOとよぶ)によって構成されている。そして、光検出器3は、どのシンチレータ結晶が蛍光を発したかという蛍光発生位置を特定することができるようになっているとともに、蛍光の強度や、蛍光の発生した時刻をも特定することができる。また、実施例1の構成のシンチレータ2は、採用しうる態様の例示にすぎない。したがって、本発明の構成は、これに限られるものではない。
検出器リング12の構成について説明する。図3は、実施例1に係る検出器リングの構成を説明する図である。放射線検出器1は、検出器リング12において仮想円(正確には、正n角形)に沿って並べられている。すると、シンチレータ結晶も仮想円(正確には、正n角形)に沿って並べられ、図3(a)に示すような単位検出リング12bを構成する。単位検出リング12bは、z方向について同一位置に存するとともに、円環に沿って配列されたシンチレータ結晶C(放射線検出素子)で構成される。すなわち、単位検出リング12bは、シンチレータ結晶が一列に並んだものであり、仮想円に沿って並べられた放射線検出器1とは独立した概念である。そして、図3(b)に示すように、この単位検出リング12bがz方向に連接されて検出器リング12が構成されるのである。単位検出リング12bの中心には、貫通孔が設けられており、単位検出リング12bの有する貫通孔が連結するように単位検出リング12bが配列され、検出器リング12が構成されていると捉えることもできる。
実施例1によれば、100個前後の放射線検出器1が円環状に配列することで検出器リング12が形成されるため、z方向から貫通穴12aを見たとき、貫通穴12aは、例えば正100角形となっている。この場合、複数の単位検出リング12bは、各々の中心軸を共有して連結されており、貫通穴12aは、100角柱の形状となっている。
なお、実施例1に係る放射線断層撮影装置9は、図1に示すように、被検体Mの断層画像を取得するための各部が更に設けられている。具体的には、放射線断層撮影装置9は、検出器リング12で検出された検出データのうち、有効なデータを抽出するフィルタ部20と、フィルタ部20にて有効とみなされたデータを受信し、消滅γ線対の同時計数を行う同時計数部21と、同時計数部21にて消滅γ線対であると判断された2つのγ線検出データから検出器リング12におけるγ線の入射位置を弁別するLOR特定部22と、検出データを記憶するデータ記憶部23と、被検体Mの断層画像を形成するマッピング部24と、被検体Mの断層画像に較正を加える較正部25とを備えている。較正部25は、較正データ記憶部34に記憶されたオリジナルマップを参照して断層画像に写りこんだ偽像を除去する。なお、計数対象領域設定部33を設けた意義については、後述のものとする。また、MRD記憶部37は、後述のMRDを記憶するものである。入力部38は、術者の操作を入力させるもので、例えば、MRDの変更を受け付ける。
上述の同時計数部は、本発明の同時計数手段に相当し、較正データ生成部は、本発明の較正データ生成手段に相当する。また、天板移動機構は、本発明のファントム移動手段に相当し、天板移動制御部は、ファントム移動制御手段に相当する。
そしてさらに、実施例1に係る放射線断層撮影装置9は、各部を統括的に制御する主制御部35と、放射線断層画像を表示する表示部36とを備えている。この主制御部35は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することにより、フィルタ部20,同時計数部21,LOR特定部22,データ記憶部23,およびマッピング部24,較正部25とを実現している。なお、上述の各部はそれらを担当する制御装置に分割されて実現されてもよい。
<オリジナルマップの取得>
次に、較正データ記憶部34にて記憶されているオリジナルマップの取得方法について説明する。オリジナルマップは、検出器リング12が固有に有する消滅放射線対の検出感度のムラ等をマッピングしたマッピングデータである。オリジナルマップを作成するには、まず、放射線を照射するファントム41を準備する。このファントム41は、天板10に載置できる程度の幅を有し、z方向に延伸した円柱状である。ファントム41のz方向の長さについては、本実施例の特徴的な構成であり、後述のものとする。
ファントム41は、ガントリ11の開口の形状に倣った円筒状であり、溶液を充填する中空を有している。ファントム41の検出器リング12に対する移動の方向は、ファントム41の延伸方向と一致している。まず、ファントム41の中空に溶液が満たされた後、放射性物質を加える。放射性物質の種類としては、消滅γ線対が発生する陽電子を放出する核種が選択される。より具体的には、被検体Mに注射される放射性薬剤に使用されているものと同一の核種としたほうが望ましい。溶液で満たされたファントム41に放射性物質を加えて、ファントム41の中空を密閉した後、ファントム41をシェイクする。この様にすることで、ファントム41全体から均一に消滅γ線対が放射されるようになる。
そして、ファントム41を天板10に取り付ける。この場合、天板10上に配置すると天板10の減弱を受けるため、ファントム取り付け治具などを用いてファントムから放出されたガンマ線が直接検出器に到達する収集系が望ましい。そして、ファントム41のz方向の長さは、検出器リング12のそれよりも短くなっている。天板移動機構15は、ファントム41を搭載した状態の天板10を摺動させる。すると、図4(a)に示すように、ファントム41の先方端41aは、検出器リング12の1端に存する単位検出リング12cを通過する。この時点がファントム41の初期位置である。
放射線断層撮影装置9は、ファントム41が上述の初期位置の状態から較正データの収集を行う。検出器リング12で得られた検出データ(シンチレータ結晶が発した蛍光に関するデータ)は、フィルタ部20に送出される。フィルタ部20は、計数対象領域Rに存するシンチレータ結晶で得られた検出データのみを同時計数部21にパスし、それ以外の検出データを廃棄する。この様にすることで、同時計数部21において、無駄な演算を省略することができ、複雑な同時計数演算を大幅に簡略化することができる。初期位置における計数対象領域Rは、単位検出リング12cに属するシンチレータ結晶のみであり、具体的には、図4(a)における斜線部である。
なお、計数対象領域Rは、計数対象領域設定部33が設定したものであり、フィルタ部20は、逐次、最新の計数対象領域Rを計数対象領域設定部33から読み出す。
同時計数部21では、所定の時間的な幅を有するタイムウィンドウの中に、異なる2つのシンチレータ結晶から由来する検出データが収まった場合、これを消滅γ線対によるものであるとし、この回数をカウントする。これが、同時イベント数である。この同時性の判断は、クロック19が検出データに付与した時刻情報が使用される。
LOR特定部22においては、消滅γ線対の出射された方向を割り出す。すなわち、同時計数部21によって同時と見なされた検出データには、どのシンチレータ結晶が蛍光を発したかという位置的な情報も含まれている。LOR特定部22では、この2つのシンチレータ結晶を結ぶ線分であるLOR(Line of Response)を割り出し、LORと、これに対応する同時イベント数をデータ記憶部23に送出する。
上述のような放射線の検出を行いながら天板10が摺動される。すると、それに伴って、ファントム41と検出器リング12との相対位置が初期位置から変更されるとともに計数対象領域Rの変更がなされる。すなわち、ファントム41が初期位置からz方向における単位検出リング12bの幅分だけ移動すると、計数対象領域Rには、単位検出リング12cに隣接した単位検出リング12bの領域が追加される。すなわち、計数対象領域設定部33には、天板移動制御部16より天板10の移動状況を示すデータが送られて来ており、計数対象領域設定部33は、このデータを基に計数対象領域Rを拡張する。
以降、計数対象領域設定部33は、ファントム41が検出器リング12に完全に覆われた図4(b)の状態の状態となるまで、ファントム41が単位検出リング12bの幅分だけ移動する毎に、単一の単位検出リング12bを新たに追加し、z方向に計数対象領域Rを拡張する。言い換えれば、ファントム41に対向しているシンチレータ結晶は、計数対象領域Rに存することになる。図4(b)において、計数対象領域Rは、シンチレータ結晶8個分の幅となっている。この8という数字は、後述のMRDに1を加えることで得られるものである。
図4(b)の状態からファントム41が単位検出リング12bの幅分だけ移動すると、計数対象領域設定部33は、これ以上、計数対象領域Rを拡張することをせずに、今度は、ファントム41に追従するように計数対象領域Rをシフトさせる。すなわち、計数対象領域設定部33は単位検出リング12cを計数対象領域Rから外すとともに、ファントム41の先方端41a側に位置する単一の単位検出リング12bを新たに追加するように計数対象領域Rを再設定する。計数対象領域設定部33は、ファントム41が単位検出リング12bの幅分だけ移動する毎に計数対象領域Rをシフトさせる。そして、図5(a)においては、ファントム41が検出器リング12の中間に位置している状態を示している。計数対象領域Rはz方向について言えば、常に、ファントム41の先方端41a,後方端41bに挟まれた区画に存している。
以降、ファントム41の移動に伴い、後方端41bの後方に位置することとなった単位検出リング12bは、次々と計数対象領域Rから外され、やがて、図5(b)に示すように、ファントム41の後方端41bは、検出器リング12の1端に存する単位検出リング12dに位置する。この状態がファントム41の移動の終了位置となる。
この様にして、ファントム41を初期位置から終了位置まで移動させる間に、検出器リング12が有するシンチレータ結晶は、必ず計数対象領域Rに含まれていたことになり、全てのシンチレータ結晶について同時計数がなされることになる。
データ記憶部23には、LORと、これに対応する同時イベント数が記憶されている。マッピング部24は、このデータを組み立てて、検出器リング12の内部を可視化したオリジナルマップを取得する。ファントム41は、均一に消滅放射線対を放射することから、単純に考えれば、オリジナルマップには何ら偽像は現れないと予想される。しかし、実際は、必ずしもそうなるとは限らず、シンチレータ結晶の各々の間における感度ムラなどの影響により、オリジナルマップには、何らかの偽像が現れる。
偽像の要因としては、上述の感度ムラの外、次のようなものがある。例えば、放射線検出器1は、シンチレータ2の側辺に位置するシンチレータ結晶においては、シンチレータの中央に位置するそれよりも放射線を検出し難い特性があり、それに起因した偽像が現れる。この様な偽像をもたらす要因は、断面内ブロック形状因子と呼ばれる。また、これとは別に、LORの長さが長いほど、LOR幅が狭いほどγ線の検出感度は低下する性質に起因して別の偽像が生じる。この様な偽像をもたらす要因は、動径方向幾何学因子と呼ばれる。
また、上述の因子とは別の因子としては、結晶干渉因子がある。シンチレータ結晶に斜めにガンマ線が入射する場合や、深さ方向の情報を持つDOI検出器の場合、ファントム41に近い側のシンチレータ結晶では検出されずに通過し、その近隣即ちファントム41から遠い結晶で検出される場合がある。この場合において、ファントム41に遠い側のシンチレータ結晶の検出感度は、近い側のそれよりも低くなり、偽像が生じる。これが結晶干渉因子である。オリジナルマップには、これら因子に由来する偽像も現れている。
較正データは、オリジナルマップを基に較正データ生成部26において作成され、較正データ記憶部34で記憶される。この較正データを仮にオリジナルマップに作用させると、オリジナルマップが有する偽像はキャンセルされることになる。
<放射線断層撮影装置の動作>
次に、実施例1に係る放射線断層撮影装置9の動作について説明する。実施例1に係る放射線断層撮影装置9で検査を行うには、まず、放射線薬剤を予め注射投薬された被検体Mを天板10に載置する。そして、天板10を摺動させ、被検体Mをガントリ11の開口に導入する。この時点より、被検体Mから発せられる消滅γ線対が検出される。
消滅放射線対を検出する場合において、重要な概念である最大リング差(MRD)について説明する。LORの本来の意味は、互いに異なるシンチレータ結晶を結ぶ線分である。図6に示すように、シンチレータ結晶C8について注目すると、非常に多くのLORを考えることができる。しかし、全てのLORが断層画像の取得に必要なわけではない。例えば図6におけるLOR100gは、シンチレータ結晶C8とシンチレータ結晶Drとを結ぶものである。両シンチレータ結晶は、互いにz方向に離れ過ぎており、γ線は、斜め方向からシンチレータ結晶に入射する。このようなγ線を検出することは難しく、LOR100gにおける同時計数を行っても、さほど断層画像の鮮明化に寄与しない。と同時に、同時計数の計算を単純なものとしなければならず、LORの数を抑制する観点から、LOR100gについては、始めから計数しなくても良いという発想が得られる。
つまり、シンチレータ結晶C8が有するLORを考える場合、z方向において、シンチレータ結晶C8の近傍に位置するシンチレータ結晶のみを考慮すればよい。例えば、シンチレータ結晶C8が有するLORを考える場合、シンチレータ結晶C8にとってz方向におけるの距離が7個以下となっているシンチレータ結晶について考えるとする。この7という数字は、同時計数の際、考慮に入れるLORの個数を調整するものであり、MRD(Maximum ring difference)と呼ばれる。すなわち、MRDを7とした場合、考慮に入れるLORは、LOR1g〜LOR15gであり、より一般的に言い換えれば、シンチレータ結晶15個分(MRD×2+1個分)の幅を有する領域に属するシンチレータ結晶のいずれかとシンチレータ結晶C8とを結ぶLORのみが、シンチレータ結晶C8に関するLORである。
この様なLORの選抜は、フィルタ部20によって行われる。2つのシンチレータ結晶が同時にγ線を検出したとき、フィルタ部20は、2つのシンチレータ結晶のz方向の離間距離がMRD以下のとき、2つのシンチレータ結晶の検出データを同時計数部21にパスし、離間距離がMRDよりも大きいとき、検出データを破棄する。
フィルタ部20は、検出データを同時計数部21,LOR特定部22,データ記憶部23,マッピング部24に送出する。これらの動作については、上述と同様であるので、説明を省略する。マッピング部24で組み立てられた被検体Mの断層画像は、較正部25に出力される。較正部25では、較正データ記憶部34に記憶されている較正データに基づいて、被検体Mの断層像に重畳している偽像を除去するデータ処理が行われる。こうして得られた完成画像は、表示部36にて表示される。これをもって、実施例1の構成に係る放射線断層撮影装置9を用いた検査は終了となる。
<ファントムの長さについて>
次に、実施例1の構成において特徴的なファントム41の長さについて説明する。ファントム41の長さは、図5(a)を用いて説明したように、計数対象領域Rの最大長さと密接に関係している。そこで、実施例1の構成において、ふさわしい計数対象領域Rの最大長さが決定されれば、自ずとファントム41の長さが決定されることになる。
被検体Mを検査するとき、同時計数に用いられるLORは、フィルタ部20によって選抜される。一方、較正データを取得する場合においても、計数対象領域Rを指定することでLORが選抜される。そこで、被検体Mの検査時におけるLORの選抜と、較正データを取得する時のLORの選抜とを一致させれば、較正データの取得は、最も効果的なものとなる。
これらの事情を踏まえてファントム41の長さの設定について説明する。まず、検出器リング12の1端に存する単位検出リング12cについて考える。図7は、実施例1の構成に係る検出器リングの1端に存する単位検出リングにおけるLORのを説明する模式図である。単位検出リング12cから単位検出リング7個分(MRD分)離れた単位検出リングを単位検出リング12eとする。図7(a)を参照すれば分かるように、単位検出リング12cに属するシンチレータ結晶C8が有するLORのうち、検査に用いられるLORは、[シンチレータ結晶C8,および単位検出リング12cからz方向に1個〜7個分離れた単位検出リングの各々を結ぶ]LOR1g〜LOR7gの7種類と、[シンチレータ結晶C8,および単位検出リング12cに属するシンチレータ結晶D8とを結ぶ]LOR8gの1種類とを加えた8種類である。
一方、図7(a)中の領域K1は、較正データを取得する際にファントム41が一時期に占有していた領域である。ファントム41は、単位検出リングの幅の8倍の長さ以上となっているので、LOR1g〜LOR8gの全ては領域K1を通過することになる。領域K1にファントム41が位置していることがあるとすれば、ファントム41からLOR1g〜LOR8gに沿った消滅γ線対が確実に照射されることになる。なお、単位検出リングの幅の8倍の長さ(MRD+1個分の単位検出リング12bの幅)は、本発明の所定の長さに相当する。
次に、検出器リング12の他端に存する単位検出リング12dについて考える。単位検出リング12dから単位検出リング7個分離れた単位検出リングを単位検出リング12fとする。図7(b)を参照すれば分かるように、単位検出リング12dに属するシンチレータ結晶C8が有するLORのうち、検査に用いられるLORは、[シンチレータ結晶C8,および単位検出リング12dからz方向に1個〜7個分離れた単位検出リングとの各々を結ぶ]LOR9g〜LOR15gの7種類と、[シンチレータ結晶C8,および単位検出リング12dに属するシンチレータ結晶D8とを結ぶ]LOR8gの1種類とを加えた8種類である。
一方、図7(b)中の領域K2は、較正データを取得する際にファントム41が一時期に占有していた領域である。ファントム41は、単位検出リングの幅の8倍の長さ以上となっているので、LOR8g〜LOR15gの全ては領域K2を通過することになる。領域K2にファントム41が位置していることがあるとすれば、ファントム41から確実にLOR8g〜LOR15gに沿った消滅γ線対が照射されることになる。
続いて、検出器リング12の中央部に位置するシンチレータ結晶について説明する。この場合は、上述の図7(a)と図7(b)とを組み合わせた概念図で理解できる。図8は、実施例1の構成に係る検出器リングの中央部に存する単位検出リングにおけるLORを説明する模式図である。すなわち、図8(a)に示すように、シンチレータ結晶C8が有するLORのうち、検査に用いられるLORは、(1)シンチレータ結晶C8,および、これの左側(検出器リング12の他端側)に位置するとともにシンチレータ結晶C8からz方向に1個〜7個分離れた単位検出リングとの各々を結ぶLOR1g〜LOR8gの7種類と、(2)シンチレータ結晶C8とこれが属する単位検出リングとを結ぶLOR8gの1種類と、(3)シンチレータ結晶C8と、これの右側(検出器リング12の一端側)に位置するとともにシンチレータ結晶C8からz方向に1個〜7個分離れた単位検出リングとの各々の間を結ぶLOR9g〜LOR15gの7種類とを合計した全15種類である。図8(a)における領域K1は、較正データを取得する際にファントム41が一時期に占有していた領域である。つまり(1)、(2)で説明した8種類のLOR1g〜LOR8gについて言えば、ファントム41から、これらのLORに沿った消滅γ線対が確実に照射されることになる。
また、図8(b)における領域K2は、較正データを取得する際にファントム41が一時期に占有していた領域である。つまり(3)で説明した7種類のLOR9g〜LOR15gについて言えば、ファントム41から確実に、これらのLORに沿った消滅γ線対が照射されることになる。
なお、シンチレータ結晶C8が図7で示された検出器リング12c,検出器リング12dの近傍に位置している場合、LOR1g〜LOR15gのうちのいくつかを引くことができなくなる。この場合については、図8を用いて説明することができる。すなわち、シンチレータ結晶C8が検出器リング12の右端の近傍に位置している場合、図8(a)において、シンチレータ結晶C8の右側に位置する検出器リングのいくつかを削除して考えればよいだけである。また、シンチレータ結晶C8が検出器リング12の左端の近傍に位置している場合、図8(b)の場合は、シンチレータ結晶C8の左側に位置する検出器リングのいくつかを削除して考えればよいだけである。この様に、シンチレータ結晶C8が検出器リング12の一端近傍に位置している場合においてもファントム41から検査に用いられるLORに沿った消滅γ線対が確実に照射されることに変わりはない。
この様に、いずれの場合においても、検査に用いられるLORの全てについて、較正データが取得されているので、検査中に得られる検出データに重畳する偽像は、確実に取り除かれる。
以上のように、実施例1の構成は、消滅γ線対を照射するファントム41を検出器リング12の有する内穴を通過するように移動させながら、同時イベント数を取得する。この様に構成することで、ファントム41の幅を検出器リング12の幅以上とする必要がなく、確実に較正データが収集できる。また、ファントム41は、消滅γ線対を検出器リング12に向けて均一に照射するような形状となっている。しかしながら、実際の消滅γ線対の照射特性は、ファントム41内部の線源の均一性が悪い場合、ファントム41の位置によって若干異なってしまう場合がある。ファントム41を検出器リング12に移動させない従来構成では、検出器リング12の位置に依存して入射する消滅γ線対の照射特性が異なるので、較正データにファントム41の消滅γ線対の照射ムラが重畳してしまう。実施例1の構成によれば、ファントム41は、検出器リング12に移動されるので、較正データにおいて、ファントム41が有する消滅γ線対の照射ムラは、ボカされるので、検出器リング12には、その位置によらず一様な特性で以って消滅γ線対が照射されたと見なせ、より偽像除去に適した較正データを取得することができる。なお、検出器リング12の有する内穴がファントム41よりも短い場合、長い場合のどちらにおいても、ファントム41を検出器リング12に対して移動させれば、ファントム41の消滅γ線対の照射ムラを消去することができることに変わりはない。
また、この構成によれば、同時イベント数のデータ処理を大幅に軽減することができる。すなわち、同時計数部21は、z方向における2つのシンチレータ結晶間の距離が所定の長さ(計数対象領域Rの最大長さ)以下となっているときのみ同時イベント数を計数する。2つのシンチレータ結晶がz方向にあまりに離れすぎている場合、この様なシンチレータ結晶間の同時イベント数を計数することは、同時計数部21の負担を増大させてしまうので、この様な計数は行わない構成としているのである。さらに、ファントム41のz方向における長さは、所定の長さよりも長くなっている。つまり、同時計数を行う2つのシンチレータ結晶間については、確実に消滅γ線対が照射される構成となっているのである。
本発明は、上記構成に限られるものではなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述の実施例における放射線検出器1は、単一層のシンチレータ結晶層を備えていた。しかし、本発明はこれに限らない。すなわち、図9(a)のように、多層の結晶層を有する放射線検出器1を用いることもできる。この様にすることで、放射線検出器1におけるγ線の検出感度、入射位置の弁別能が強化される。図9(a)の例によれば、シンチレータ結晶が二次元的に配列された結晶層がライトガイド4から積み上がるように4層設けられている構成となっているが、層数はこれに限られない。本変形例におけるオリジナルマップの取得動作、および被検体Mの断層画像の生成動作については、実施例1の説明の大半を援用することができる。具体的な変更点としては、実施例1の構成からLORが増加されていることにある。すなわち、例えば、図9(b)におけるシンチレータ結晶C8についてのLORを考えるときに、図8(a)におけるLOR15gに相当するLORは、(1)シンチレータ結晶C8と最上層の結晶層とを結ぶLOR15h,(2)シンチレータ結晶C8と第2層の結晶層とを結ぶLOR15i,(3)シンチレータ結晶C8と第3層の結晶層とを結ぶLOR15j,および(4)シンチレータ結晶C8と第4層の結晶層とを結ぶLOR15kの四種類に分裂する。フィルタ部20は、4層を区別せずに検出データを後段の各部にパスし、LOR特定部22においては、4層を区別してデータ処理を行う。
(2)上述の実施例においては、ファントム41は、一方向に移動するのみであったが、本発明はこの構成に限られない。すなわち、ファントム41は、図4(a)の状態から、いったん図5(b)のように移動し、そこから折り返して図4(a)の状態となるように移動してもよい。すなわち、ファントム41が検出器リング12の内部を往復移動されながらオリジナルマップを生成してもよい。本変形例に係る効果は、以下の通りである。ファントム41は使用前にシェイクされ、消滅γ線対を検出器リング12に向けて均一に照射するような形状となっている。しかしながら、実際の消滅γ線対の照射特性は、ファントム41の位置によって若干異なっている。ファントム41を検出器リング12に移動させない従来構成では、検出器リング12の位置に依存して入射する消滅γ線対の照射特性が異なるので、較正データにファントム41の消滅γ線対の照射ムラが重畳してしまう。本変形例によれば、ファントム41は、検出器リング12に移動されるので、較正データにおいて、ファントム41が有する消滅γ線対の照射ムラは、ボカされるので、検出器リング12には、その位置によらず一様な特性で以って消滅γ線対が照射されたと見なせ、より偽像除去に適した較正データを取得することができる。
(3)また、上述の実施例においては、ファントム41の速度について特に言及はなかったが、オリジナルマップの取得時において、移動の開始時にファントム41の速度を最も速くし、ファントム41が移動するにつれ、これを次第に遅くする構成とすることもできる。このような構成によれば、検出器リング12に、より一様な特性で以って消滅γ線対が照射されたと見なすことができるようになる。ファントム41に含まれる消滅γ線対は、検出器リング12にファントム41をセットした時点が最も強く、物理的半減期によって次第に減衰していくのであるから、単位時間あたり検出器リング12に照射される消滅γ線対の線量は、ファントム41の移動開始位置と移動終了位置とで異なっている。この構成によれば、ファントム41の速度を調節することで、ファントム41の移動開始位置において検出器リング12に照射される消滅γ線対の線量を減少させ、逆に、ファントム41の移動終了位置において検出器リング12に照射される消滅γ線対の線量を増加させる構成とすることができる。
(4)上述した実施例のいうシンチレータ結晶は、LYSOで構成されていたが、本発明においては、その代わりに、GSO(GdSiO)などのほかの材料でシンチレータ結晶を構成してもよい。本変形例によれば、より安価な放射線検出器が提供できる放射線検出器の製造方法が提供できる。
(5)上述した実施例において、蛍光検出器は、光電子増倍管で構成されていたが、本発明はこれに限らない。光電子増倍管に代わって、フォトダイオードやアバランシェフォトダイオードや半導体検出器などを用いてもよい。
(6)上述した実施例において、天板が摺動自在となっていたが、本発明はこれに限らず、たとえば、天板は固定であり、ガントリ11が摺動する構成としてもよい。
以上のように、本発明は、医用の放射線断層撮影装置に適している。

Claims (5)

  1. 放射線を検出する放射線検出素子が環状に配列された単位検出リングと、2つの異なる放射線検出素子が同時に放射線を検出した回数である同時イベント数を計数する同時計数手段と、前記同時イベント数を基に較正データを生成する較正データ生成手段とを備え、複数の単位検出リングがそれらの中心軸を共有するようにして積層されることにより構成された検出器リングを備えた放射線断層撮影装置における較正データの収集方法において、
    消滅放射線対を照射するファントムを前記検出器リングの有する内穴の内部で移動させながら、前記同時イベント数が取得され
    前記検出器リングの伸びる方向を延伸方向としたとき、
    前記ファントムが前記検出器リングに対して移動する方向は、前記延伸方向に沿っており、
    前記延伸方向における前記ファントムの長さは、前記延伸方向における前記検出器リングの長さよりも短いことを特徴とする放射線断層撮影装置における較正データの収集方法。
  2. 請求項1に記載の放射線断層撮影装置における較正データの収集方法において、
    前記ファントムの移動は、前記ファントムを移動させるファントム移動手段と、前記ファントム移動手段を制御するファントム制御手段とによって実現されることを特徴とする放射線断層撮影装置における較正データの収集方法。
  3. 請求項1または請項2に記載の放射線断層撮影装置における較正データの収集方法において、
    前記ファントムは、前記検出器リングに対して往復移動することを特徴とする放射線断層撮影装置における較正データの収集方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の放射線断層撮影装置における較正データの収集方法において、
    前記ファントムの速度は、移動の開始時に最も速く、前記ファントムが移動するにつれ、次第に遅くなることを特徴とする放射線断層撮影装置における較正データの収集方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射線断層撮影装置における較正データの収集方法において、
    前記同時計数手段は、前記延伸方向における2つの放射線検出素子間の距離が所定の長さ以下となっているときのみ同時イベント数を計数し、
    前記ファントムの前記延伸方向における長さは、前記所定の長さよりも長いことを特徴とする放射線断層撮影装置における較正データの収集方法。
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