JP5194780B2 - 定着ベルトの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、定着ベルトの製造方法に関する。
乾式トナーを用いる電子写真方式の画像形成装置において、トナー像を加熱および加圧することにより記録媒体表面に定着する定着装置には、従来、金属の芯金の外周面にトナー離型層を設け、前記芯金の内部に加熱用のハロゲンヒーターを有する定着ロールが用いられていた。
これに対して、電磁誘導を用いた加熱方式の定着装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電磁誘導によって発生する渦電流による発熱を利用する加熱方式では、ハロゲンヒーターを用いた加熱方式より熱効率が良く消費電力を少なく出来る。
また、電磁誘導を用いた加熱方式のベルト定着装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。前記ベルト定着装置に用いられるベルトは、内周側の基材に低熱伝導性基材を用いている為、回転体内周側への放熱が少なく、さらに熱効率が優れている。
一方、電磁誘導を用いた加熱方式のベルト定着装置であって、用いられるベルトとして、ポリイミド基材上に無電解メッキにより金属接着層(Ni層)を形成した後、金属発熱層(Cu層)を電解メッキ法を用いて形成したものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
上記の無端状ベルトが用いられる定着装置では、無端状ベルトを大きな曲率で曲げ回すことによって、該無端状ベルトを限られたスペース内に配置することが出来る。また、定着ベルトとしての無端状ベルトを大きな曲率で曲げ回すことによって、無端状ベルトと該無端状ベルトに押圧される加圧部材とで挟持される領域に送り込まれた記録媒体を、無端状ベルトから良好に剥離することが出来る。
一方、無端状ベルトを大きな曲率で曲げ回すとひずみが発生するが、該ひずみの繰り返しによって生じる割れや永久変形を防止する手段として、ベルトの発熱層に塑性加工(圧延)法を用いて形成された金属層(Cu層)を用いる方法が知られている。
尚、既存の技術ではベルトの発熱層に必要な金属層(Cu層)の膜厚(例えば10μm程度)の無端状ベルトを塑性加工(圧延)法を用いて形成することは不可能である。よって、積層体の金属母材を金属複合材料とすることにより、塑性加工(圧延)法を用いて金属層(Cu層)形成している。
塑性加工(圧延)法を用いて金属層(Cu層)を形成した無端状ベルトを用いた例として、発熱体を前記無端状ベルト(定着ベルト)の内部に配置したベルト定着装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。該ベルト定着装置に用いられる定着ベルトは、基層(第1層)とその外側に設けられた複数の金属層(第2層)を有し、第2層が第1層よりも大きい熱伝導率の金属材料で構成されている。
また、電磁誘導を用いた加熱方式のベルト定着装置において、用いられるベルトの発熱層が、効率良く電磁誘導発熱を行うことを目的として磁性金属層と非磁性金属層から構成される定着ベルトを用いることが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特公平5−9027号公報 特公平7−114276号公報 特開2004−70155号公報 特開2003−233260号公報 特開2003−223063号公報
ところで、基材上に無電解メッキにより金属接着層(Ni層)を形成した後、金属発熱層(Cu層)を電解メッキ法を用いて形成した無端状ベルト(定着ベルト)では、大きな曲率で曲げ回すことによって、接着力が低下し界面剥離を起こすことがあった。
また、上記界面剥離を防止する手段として、各金属層を相互拡散させ接合層を形成することが有効である。しかし、相互拡散は合金層であるので硬くて脆い層となり脆性割れを生じるという問題があることが、本発明者らの鋭意検討により判明した。
本発明は、上記の様な事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを容易に製造することができる定着ベルトの製造方法を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により達成される
即ち、請求項に係る発明は、少なくとも2層以上の金属層を積層した積層体に、下記式(1)で示される拡散面積が8.8×10μm以上6.8×10μm以下との条件を満たす第1の熱処理を施して接合層を形成する第1の熱処理工程と、接合された前記積層体に塑性加工を施して無端ベルト状に形成する加工工程と、前記金属層上に弾性層または樹脂層を形成する表面層形成工程と、を有することを特徴とする定着ベルトの製造方法である。
・式(1) A=D×exp(−Q/N kT)×t
[上記式(1)中、Aは拡散面積を表し、Dは拡散振動数(cm/sec)を表し、Qは自己拡散の活性化エネルギー(kcal/mol)を表し、Nはアボガドロ数(6.02×1023(/mol))を表し、kはボルツマン定数(1.3806503×10−23(J/K):但し1J=0.239cal)を表し、Tは熱処理の温度(K)を表し、tは熱処理の時間を表す。]
請求項に係る発明は、前記加工工程が、接合された前記積層体に第1の塑性加工を施す第1の加工工程と、第1の加工工程の後に、前記式(1)で示される拡散面積が8.8×10μm以上6.8×10μm以下との条件を満たす第2の熱処理を施す第2の熱処理工程と、第2の熱処理工程の後に、第2の塑性加工を施す第2の加工工程と、を有することを特徴とする請求項に記載の定着ベルトの製造方法である。
請求項に係る発明は、前記加工工程の後に、前記式(1)で示される拡散面積が3.5×10−4μm以上8.8×10μm以下との条件を満たす第3の熱処理を施す第3の熱処理工程を有することを特徴とする請求項に記載の定着ベルトの製造方法である。
請求項に係る発明は、少なくとも2層以上の金属層を積層した積層体に、下記処理条件(1−1)および処理条件(1−2)を満たす第1の熱処理を施して接合層を形成する第1の熱処理工程と、接合された前記積層体に塑性加工を施して無端ベルト状に形成する加工工程と、前記金属層上に弾性層または樹脂層を形成する表面層形成工程と、を有することを特徴とする定着ベルトの製造方法である。
・処理条件(1−1) 処理温度:800℃以上1000℃以下
・処理条件(1−2) 処理時間:30分以上60分以下
請求項に係る発明は、前記加工工程が、接合された前記積層体に第1の塑性加工を施す第1の加工工程と、第1の加工工程の後に、下記処理条件(2−1)および処理条件(2−2)を満たす第2の熱処理を施す第2の熱処理工程と、第2の熱処理工程の後に、第2の塑性加工を施す第2の加工工程と、を有することを特徴とする請求項に記載の定着ベルトの製造方法である。
・処理条件(2−1) 処理温度:800℃以上1000℃以下
・処理条件(2−2) 処理時間:30分以上60分以下
請求項に係る発明は、前記加工工程の後に、下記処理条件(3−1)および処理条件(3−2)を満たす第3の熱処理を施す第3の熱処理工程を有することを特徴とする請求項に記載の定着ベルトの製造方法である。
・処理条件(3−1) 処理温度:500℃以上800℃以下
・処理条件(3−2) 処理時間:10分以上30分以下
請求項に係る発明によれば、拡散面積を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
請求項に係る発明によれば、拡散面積を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
請求項に係る発明によれば、拡散面積を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
請求項に係る発明によれば、熱処理条件を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
請求項に係る発明によれば、熱処理条件を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
請求項に係る発明によれば、熱処理条件を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
<定着ベルト>
以下、好ましい態様である第1の実施形態に係る定着ベルトについて、図を用いて詳細に説明する。図1は、第1の実施形態に係る定着ベルトの構成を示す模式断面図であり、5層構成定着ベルトについて示したものである。
図1に示されるように、定着ベルト10は、内周側から順に、ベース金属層(基材)10a、金属層(発熱層)10b、中間金属層(保護層)10c、耐熱性弾性層10dおよび耐熱性樹脂層(離型層)10eをこの順に設けた5層構成を有している。また、ベース金属層10aと金属層10b、金属層10bと中間金属層10cはそれぞれ、拡散接合されてなる接合層101および102を介して形成されている。
基材であるベース金属層10aは、特に制約されるものではないが、定着ベルトの強度保持を目的として、機械的な強度が高い金属材料を用いることが好ましく、具体的には、ステンレス等の機械的な強度が高い合金材料が用いられる。ベース金属層10aの膜厚としては、5μm以上100μm以下であることが好ましい。
ここで、前記ステンレスとしては、クロム含有量が18質量%以上20質量%以下、ニッケル含有量が9質量%以上13質量%以下、マンガン含有量が2質量%以下、シリカ含有量が1質量%以下、りん含有量が0.45質量%以下、硫黄含有量が0.03質量%以下、カーボン含有量が0.03質量%以下であり、残部が鉄より成るステンレス合金であることが好ましい。
従来、ベース金属層10aに用いられるステンレスとしては、JIS規格(JIS G4304(2005)、JIS G4305(2005)等)に記載されているように、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系、フェライト系、マルテンサイト系等の各種ステンレスが用いられていた。
しかし、これらステンレスを定着ベルトの基材に使用する場合、繰り返し曲げ変形に対する疲労強度の更なる向上が望まれていた。
ステンレス合金において、クロムを18質量%以上20質量%以下含有することにより、Fe中にCrを固溶させFe−Cr合金が形成され、固溶強化の効果で繰り返し曲げ変形に対する疲労強度を向上させることができる。
また、ニッケルを9質量%以上13質量%以下含有することにより、Fe中にNiを固溶させFe−Ni合金が形成され、固溶強化の効果で繰り返し曲げ変形に対する疲労強度を向上させることができる。
また、マンガンの含有量を2質量%以下とすることにより、Fe−Cr−Ni合金中にMnを固溶させFe−Cr−Ni−Mn合金が形成され、塑性加工の際の硬化度合いが和らげられ、加工硬化による脆化を防ぎ繰り返し曲げ変形に対する疲労強度を向上させることができる。
また、シリカの含有量を1質量%以下と、りんの含有量を0.45質量%以下と、硫黄の含有量を0.03質量%以下とすることにより、結晶粒界に析出し結晶粒界を硬く脆くさせる不純物の含有量を低減することができる。
また、カーボンの含有量を0.03質量%以下とすることにより、Feと反応して硬く脆いセメンタイト(FeC)を生成し、マトリックス全体を脆化させるCの含有量を低減することができる。
特に、定着ベルト10を大きな曲率で曲げ回す(より具体的には、定着ベルト10かかる繰り返し歪み幅が0.7以上の)定着装置においては、前記定着ベルト10に曲げ変形による大きなひずみが生じる。そのため、基材であるベース金属層10aに上記ステンレスを用いることが特に好ましい。
発熱層である金属層10bは、特に制約されるものではないが、電磁誘導加熱によって有効に発熱出来るとの観点から、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、ベリリュウム、アンチモン、ステンレスまたはこれらの合金の金属材料が好ましい。金属層10bの膜厚としては、1μm以上15μm以下であることが好ましく、また固有抵抗値が2.7×10−8Ωcm以下であることが好ましい。
保護層である中間金属層10cは、特に制約されるものではないが、発熱層である金属層10bの保護を目的として、機械的な強度が高い金属材料を用いることが好ましく、具体的には、前記ベース金属層10aに記載のステンレス等の機械的な強度が高い合金材料が用いられる。中間金属層10cの膜厚としては、5μm以上100μm以下であることが好ましい。
また、ベース金属層10aと金属層10b、金属層10bと中間金属層10cはそれぞれ、拡散接合されてなる接合層101および102を介して形成されており、接合層101および102の厚さは0.01μm以上0.1μm以下に制御されている。尚、上記接合層101および102の厚さは、更に0.02μm以上0.08μm以下であることがより好ましく、0.03μm以上0.07μm以下であることが特に好ましい。
ここで、上記接合層101および102の厚さを測定する方法としては、ベルト10を樹脂包埋法(エポキシ樹脂で包埋した後、ミクロトームとダイヤモンドカッターで薄片に加工)を利用して切片サンプルを準備し、その切片サンプルを日本電子社製透過電子顕微鏡(TEM)にて観察して測定する方法が挙げられる。
本明細書に記載の値は、上記方法により測定したものである。
耐熱性弾性層10dは、特に制約されるものではないが、例えば、優れた弾性と耐熱性が得られる等の観点から、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムを用いることが好ましい。
離型層である耐熱性樹脂層10eは、特に制約されるものではないが、例えば、優れた表面離型性が得られる等の観点から、フッ素樹脂、シリコーン樹脂またはポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
<定着ベルトの製造方法>
次いで、好ましい態様である第2の実施形態に係る定着ベルトの製造方法について詳細に説明する。前記第1の実施形態に係る定着ベルトは、以下に示す第2〜第7の実施形態に係る定着ベルトの製造方法によって製造することができる。
−第2の実施形態に係る定着ベルトの製造方法−
第2の実施形態に係る定着ベルトの製造方法は、ベース金属層10a、金属層10bおよび中間金属層10cの3層の金属層に必要な金属板を準備し、それぞれの接着面を研磨により酸化被膜を除去した後、冷間状態で圧延加工を行い、冷間圧接する。次いで、この積層体に、第1の熱処理を施して接合層101および102を形成する第1の熱処理工程を施すことでそれぞれの金属板を強固に接着し、必要な厚さの多層積層板を製作する。次に、接合された前記積層体(多層積層板)に深絞法、へら絞り法、プレス法、回転塑性加工法等の塑性加工を施して、無端ベルト状に形成する加工工程を行う。最後に前記3層の金属層上に耐熱性弾性層10dおよび耐熱性樹脂層10eを形成する表面層形成工程を行うことにより定着ベルトが製造される。
尚、上記第1の熱処理工程においては、下記式(1)で示される拡散面積が8.8×10μm以上6.8×10μm以下との条件で熱処理が行われる。
・式(1) A=D×exp(−Q/N kT)×t
[上記式(1)中、Aは拡散面積を表し、Dは(各材料に固有の)拡散振動数(cm/sec)を表し、Qは(各材料に固有の)自己拡散の活性化エネルギー(kcal/mol)を表し、Nはアボガドロ数(6.02×1023(/mol))を表し、kはボルツマン定数(1.3806503×10−23(J/K):但し1J=0.239cal)を表し、Tは熱処理の温度(K)を表し、tは熱処理の時間を表す。]
尚、上記第1の熱処理工程における拡散面積は、更に3.0×10μm以上5.0×10μm以下であることがより好ましく、5.0×10μm以上3.0×10μm以下であることが特に好ましい。
上記拡散面積は、文献値等により算出することができる。尚、本明細書においては、上記拡散振動数および自己拡散の活性化エネルギーは、「金属便覧、P167、表1・18」より引用した。例えば、Ag(活性化エネルギー44.27、拡散振動数0.04)、Cu(活性化エネルギー49.56、拡散振動数0.62)、SUS(δFe)(活性化エネルギー57.0、拡散振動数1.9)である。
また、前記耐熱性弾性層10dの形成方法としては、リング塗布法、浸漬塗布法、注入成型法、スパイラル法等が適応される。前記耐熱性樹脂層10eの形成方法としては、静電粉体塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、遠心製膜法、スパイラル法等が適応される。
ここで、上記耐熱性弾性層10dおよび耐熱性樹脂層10eをスパイラル法にて形成する場合についてより詳細に説明する。
スパイラル法としては、両端を保持された塗布対象物(即ち金属層)を回転させて、上部から塗布液を線状に垂下しながら、塗布液を垂下する塗布装置を平行移動させることで、螺旋状に塗布液を塗布していく方法が挙げられる。さらに、その線状に垂下された塗布液を、前記塗布装置に合わせて平行移動するブレードで押し潰し、形成されていない場所の無いように均していくフローコート法が挙げられる。これらスパイラル法においては、垂下された塗布液の境界部分やブレードの離液部分において、境界線が螺旋状に残る。
スパイラル法によって複数の層を形成する場合、各層における前記境界部分が重なる部分においては表面うねりの凹凸が最大凸部となる。該凸部を有する定着ベルトを組み込んで定着装置を使用した場合、前記凸部から最表面の層(即ち耐熱性樹脂層10e)の剥れが生じる可能性があり、ベルト耐久性上更なる改善が求められていた。また、最表面の層の成膜時においても、欠陥発生の可能性があった。
そこで、スパイラル法によって複数の層を形成する場合、各層における前記境界線と境界線との間隔(スパイラルピッチ)に差異を設け、且つその各層のスパイラルピッチの最小公倍数が、定着する記録媒体の幅以上となるよう設定することが好ましい。
即ち、耐熱性弾性層のスパイラルピッチをA、耐熱性樹脂層のスパイラルピッチをBとした場合、AとBとの最小公倍数が、定着する記録媒体の幅Xより大きくなるよう、塗布条件である回転数と移動速度とを設定して塗布を行なうことが好ましい。
−第3の実施形態に係る定着ベルトの製造方法−
また、前記第2の実施形態に係る定着ベルトの製造方法においては、前記加工工程において、接合された前記積層体に第1の塑性加工を施す第1の加工工程と、第1の加工工程の後に、前記式(1)で示される拡散面積が8.8×10μm以上6.8×10μm以下との条件を満たす第2の熱処理を施す第2の熱処理工程と、第2の熱処理工程の後に、第2の塑性加工を施す第2の加工工程と、を実施することができる。
尚、上記第2の熱処理工程における拡散面積は、更に3.0×10μm以上5.0×10μm以下であることがより好ましく、5.0×10μm以上3.0×10μm以下であることが特に好ましい。
−第4の実施形態に係る定着ベルトの製造方法−
また、前記第2の実施形態に係る定着ベルトの製造方法においては、前記加工工程の後に、前記式(1)で示される拡散面積が3.5×10−4μm以上8.8×10μm以下との条件を満たす第3の熱処理を施す第3の熱処理工程を実施することができる。
尚、上記第3の熱処理工程における拡散面積は、更に5.0×10−4μm以上5.0×10μm以下であることがより好ましく、1.0×10−3μm以上2.0×10μm以下であることが特に好ましい。
−第5の実施形態に係る定着ベルトの製造方法−
第5の実施形態に係る定着ベルトの製造方法は、ベース金属層10a、金属層10bおよび中間金属層10cの3層の金属層に必要な金属板を準備し、それぞれの接着面を研磨により酸化被膜を除去した後、冷間状態で圧延加工を行い、冷間圧接する。次いで、この積層体に、第1の熱処理を施して接合層101および102を形成する第1の熱処理工程を施すことでそれぞれの金属板を強固に接着し、必要な厚さの多層積層板を製作する。次に、接合された前記積層体(多層積層板)に深絞法、へら絞り法、プレス法、回転塑性加工法等の塑性加工を施して、無端ベルト状に形成する加工工程を行う。最後に前記3層の金属層上に耐熱性弾性層10dおよび耐熱性樹脂層10eを形成する表面層形成工程を行うことにより定着ベルトが製造される。
尚、上記第1の熱処理工程においては、下記処理条件(1−1)および(1−2)を満たすよう熱処理が行われる。、
・処理条件(1−1) 処理温度:800℃以上1000℃以下
・処理条件(1−2) 処理時間:30分以上60分以下
尚、上記処理条件(1−1)(処理温度)は、更に850℃以上950℃以下であることがより好ましく、870℃以上930℃以下であることが特に好ましい。また、上記処理条件(1−2)(処理時間)は、更に35分以上55分以下であることがより好ましく、40分以上50分以下であることが特に好ましい。
また、前記耐熱性弾性層10dや耐熱性樹脂層10eの形成方法等については、前記第2の実施形態に係る定着ベルトの製造方法に記載した方法等をそのまま採用することができる。
−第6の実施形態に係る定着ベルトの製造方法−
また、前記第5の実施形態に係る定着ベルトの製造方法においては、前記加工工程において、接合された前記積層体に第1の塑性加工を施す第1の加工工程と、第1の加工工程の後に、下記処理条件(2−1)および(2−2)を満たす第2の熱処理を施す第2の熱処理工程と、第2の熱処理工程の後に、第2の塑性加工を施す第2の加工工程と、を実施することができる。
・処理条件(2−1) 処理温度:800℃以上1000℃以下
・処理条件(2−2) 処理時間:30分以上60分以下
尚、上記処理条件(2−1)(処理温度)は、更に850℃以上950℃以下であることがより好ましく、870℃以上930℃以下であることが特に好ましい。また、上記処理条件(2−2)(処理時間)は、更に35分以上55分以下であることがより好ましく、40分以上50分以下であることが特に好ましい。
−第7の実施形態に係る定着ベルトの製造方法−
また、前記第5の実施形態に係る定着ベルトの製造方法においては、前記加工工程の後に、下記処理条件(3−1)および(3−2)を満たす第3の熱処理を施す第3の熱処理工程を実施することができる。
・処理条件(3−1) 処理温度:500℃以上800℃以下
・処理条件(3−2) 処理時間:10分以上30分以下
尚、上記処理条件(3−1)(処理温度)は、更に550℃以上750℃以下であることがより好ましく、600℃以上700℃以下であることが特に好ましい。また、上記処理条件(3−2)(処理時間)は、更に15分以上25分以下であることがより好ましく、17分以上23分以下であることが特に好ましい。
<定着装置>
−第8の実施形態に係る定着装置−
次に、前記第1の実施形態に係る定着ベルトを用いた第8の実施形態に係る定着装置について、以下に図面を用いて詳細に説明する。
図2は、第8の実施形態に係る定着装置の構成について示した模式断面図である。
第8の実施形態に係る定着装置20は、3層の金属層を含む第1の実施形態に係る定着ベルト10と、該定着ベルト10の外周面に接触する加圧ローラ11と、定着ベルト10の内周面に接触し前記加圧ローラ11と対抗する位置に配置される定着パッド12と、該定着パッド12を支持する支持部材13と、定着ベルト10の外周面側に非接触の状態で、前記金属層に渦電流を発生させて前記定着ベルト10の外周面を発熱させる電磁誘導コイル14と、該電磁誘導コイル14を支持するコイル支持部材15と、を備える。
加圧ローラ11は、不図示の駆動源により矢印R方向に回転可能である。また、定着ベルト10と加圧ローラ11とは、記録媒体16が挿通可能なように接触しており、加圧ローラ11の矢印R方向への回転に伴い、定着ベルト10は従動回転可能である。定着ベルト10の内周面には、前記接触部で定着ベルト10の外周面と接触している加圧ローラ11の表面を押圧するように、定着パッド12が配置されている。また、定着パッド12は、定着ベルト10の内周面に設けられた支持部材13により固定されている。
一方、定着ベルト10の外周面側には、電磁誘導コイル14が非接触の状態で設けられ、該電磁誘導コイル14はコイル支持部材15により固定されている。電磁誘導コイル14は不図示の電源に接続せれており、電磁誘導コイル14に交流電流が流された際に、電磁誘導コイル14周辺に定着ベルト10外周面と直行する磁界を発生させることができる。なお、前記磁界は、不図示の励起回路により、定着ベルト10に含まれる金属層中に渦電流を発生させることができるように変動するものである。
定着装置20による画像定着の動作について説明する。
加圧ローラ11の矢印R方向への回転に伴い、定着ベルト10が従動回転し、電磁誘導コイル14により発生した磁界に曝される。この際、電磁誘導コイル14周辺の定着ベルト10中の金属層には渦電流が発生し、定着ベルト10の外周面が定着可能な温度まで加熱される。
このようにして加熱された定着ベルト10は、加圧ローラ11との接触部まで移動する。一方、不図示の搬送手段により矢印P方向へと、未定着トナー像17が表面に設けられた記録媒体16が搬送される。記録媒体16が前記接触部を通過した際に、未定着トナー像17は定着ベルト10により加熱され記録媒体16表面に定着される。このようにして画像18が表面に形成された記録媒体16は、不図示の搬送手段により矢印P方向へと搬送され。定着装置20から排出される。
また、前記接触部において定着処理を終え、外周面の表面温度が低下した定着ベルト10は、次の定着処理に備えて再度加熱されるために、電磁誘導コイル14方向へと回転する。
尚、電磁誘導コイル14と定着ベルト10との距離は、特に制約されるものではないが、力率を高めるために電磁誘導コイル14と定着ベルト10の発熱層(金属層)との結合係数を大きくする観点からは、非接触で5mm以内に設定することが好ましい。
−第9の実施形態に係る定着装置−
次に、第9の実施形態に係る定着装置について、以下に図面を用いて詳細に説明する。図3は、第9の実施形態に係る定着装置の構成について示した模式断面図である。
尚、第9の実施形態に係る定着装置20は、定着ベルト10の内周面に接し、電磁誘導により発熱する加熱補助部材26が、支持部材28およびバネ部材28Bによって支持された状態で設けられていること以外は、前記第8の実施形態に係る定着装置の構成をそのまま採用することができる。そのため、以下においては加熱補助部材26、支持部材28およびバネ部材28B以外の説明は省略する。
まず、支持部材28について説明する。支持部材28は、例えば金属材料、樹脂材料等により構成される。
一方、バネ部材28Bは、加熱補助部材26と支持部材28との連結部材であり、加熱補助部材26を直接支持するものである。バネ部材28Bは、加熱補助部材26にその幅方向両端部にて連結されている。
また、バネ部材28Bは、例えば湾曲した板バネ(例えば金属製)で構成される。このバネ部材28Bにより、加熱補助部材26は支持されると共に、定着ベルト10が偏心して回転し定着ベルト10が半径方向へ変位しても、その変位に対して追従し、定着ベルト10の内周面に接触状態が維持される。
次に、加熱補助部材26について説明する。加熱補助部材26は、定着ベルト10の内周面に倣った形状に構成され、定着ベルト10内周面に接すると共に電磁誘導コイル14に定着ベルト10を介して対向して配置されている。また、加熱補助部材26は、前記のとおり、バネ部材28Bにより支持部材28と非接触で定着ベルト10を円筒形状に維持させつつ、非押圧で定着ベルト10の内周面に接して配置されている。
加熱補助部材26の材料としては、金属が好適に用いられる。
また、加熱補助部材26の定着ベルト10と接触する側の表面には、円弧状の凹部が形成されていることが好ましい。例えば、球状の研磨剤(より具体的には、微粉アルミナ研磨剤JIS粒度#320、最大粒径86μmなどが好適に用いられる)を用いたブラスト処理により、円弧状の凹部を形成することができる。該凹部を形成することで、潤滑剤を効果的に保持することができ、定着ベルト10との摩擦抵抗が低減される。
前記潤滑剤としては、耐熱性があり、動粘度240mm/s以上330mm/s以下(JIS−Z8803)のオイルで構成される潤滑剤が好ましい。市販品としては、例えば信越化学工業製X−22−9446オイルが挙げられる。
動粘度が330mm/s以下の潤滑剤を使用することにより、潤滑剤のせん断力が抑制され、摩擦力が低減できると共に潤滑剤膜厚が抑制され、凹部内での流動性を確保することができ、潤滑剤の固着(いわゆる焦げ付き)の発生が良好に抑制される。一方、動粘度240mm/s以上の潤滑剤を使用することにより、潤滑剤のせん断力に対する耐久性が得られ、凹部内に潤滑剤が良好に留まり、摩擦抵抗を良好に低減することができる。また、低粘度潤滑剤において生じやすい泡の発生を効果的に抑制し、熱伝導の低下が抑制される。
(加圧ローラ)
ここで、上記第8および第9の実施形態に係る定着装置において好適に用いられる加圧ローラ11について説明する。
前記加圧ローラ11としては、従来公知のものを使用することができるが、図4(A)および図4(B)に示されるように、弾性層112と、弾性層112の表面に被覆され当該弾性層112よりも弾性率の高い材質で形成された表面層113を有し、弾性層112の膜厚が軸方向中央部が厚く両端部が薄い構成であり、且つ表面層113が前記定着ベルト10表面に対して略平行であることが好ましい。
図4(A)および図4(B)に示した加圧ローラ11は、SUS製のパイプ(円筒体)を基材111として、基材111に弾性層112と、さらにはその外周面に弾性層112よりも体積弾性率が高い材質で形成された表面層113とが被覆されている。ここで、表面層113は、体積弾性率が弾性層112の体積弾性率よりも大きく、ポアソン比が弾性層112のポアソン比よりも小さいことが好ましい。そのため、表面層113が樹脂で形成されていることが好ましく、特にフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等で形成されていることが好ましい。弾性層112は、柔軟性と耐熱性の点からシリコーンゴムが好ましい。また、基材111は、中央部の外径が両端部の外径よりも小さく形成されていることが好ましい。
ここで、長手方向中央部の外径が60mm、長手方向両端部の外形が62mm、長さ350mmの基材111に、長手方向中央部の厚さ3mm、長手方向両端部の厚さ2mmのシリコーンゴムからなる弾性層112と、厚さ100μmのPFAからなる表面層113とを積層した加圧ローラ11を作製し、画像形成装置(富士ゼロックス製、Docu Print C620)の加圧ローラ11として装着し、J紙を500枚流した後に画質を調査した結果、波打ち状のゆがみが発生しないことが確認された。
一方、外径が60mm(中央部と両端部での外径の差はなし)、長さ350mmの基材に、長手方向の厚さ3mmのシリコーンゴムからなる弾性層と、厚さ100μmのPFAからなる表面層とを積層し、表面層外径は長手方向にストレートに構成されている加圧ローラを使用した場合は、7枚の波打ち状のゆがみがランダムに発生することが確認された。
加圧ローラ11を上記の構成とすることで、定着ベルト10に波打ち状のゆがみやしわが発生が抑制される。それにより、高い定着性と均一かつ適度な光沢性とを有する高品質な定着画像を長期に亘り維持することが可能となる。
<画像形成装置>
−第10の実施形態に係る画像形成装置−
図5は、前述の第8または第9の実施形態に係る定着装置を備える第10の実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。図5に示される画像形成装置はフルカラー画像を形成するロータリー現像方式を採用したものであり、大きく、カラートナー像を形成するためのカラートナー像形成装置(符号32〜46)と、このカラートナー像を記録媒体表面に定着する、定着装置20とに分けられ、両者が搬送装置49により連結されている。
上記カラートナー像形成装置では、まず、読み取り対象である原稿31に、照明32により光を照射し、反射した光をカラースキャナ33により読み取る。読み取られた信号は、画像処理装置(画像信号形成装置)34に送られ、イエローY、マゼンタM、シアンCおよびブラックKの各色に色分解されて、露光を制御する画像信号が、露光装置(潜像形成手段)である光学系36に送られる。
光学系36では、各色成分ごとにレーザーダイオード35が発光し、有機感光体(像保持体)38表面に、各色成分ごとの像様の光Xが照射される。一方、有機感光体38は、矢印A方向に回転しながら、まず、表面が帯電器37により帯電されたのち、既述の光学系36による露光が行われ、現像器(現像手段)39〜42による現像に供される。
例えば、イエローY色を例にとると、画像処理装置34によりイエローY色成分に色分解された光が、光学系36により有機感光体38表面に照射される。有機感光体38表面は予め帯電器37により帯電しており、光の照射を受けた部位が逆極に帯電して、潜像を形成する。そして、イエロー現像器39により、イエローY色のカラートナーで有機感光体38表面の潜像が現像される。さらに、有機感光体38が矢印A方向に回転して、中間転写ベルト(中間転写体)43表面に、転写コロトロン44の静電引力により転写される。転写後の有機感光体38は、矢印A方向への更なる回転により表面が帯電器37により帯電され、次色の画像形成に備える。
イエローY色に引き続き、マゼンタM、シアンCおよびブラックKの各色についても上記に記載の操作が行われ、マゼンタ現像器40、シアン現像器41およびブラック現像器42により順次潜像が現像され、中間転写ベルト43に積層される。中間転写ベルト43は、各色の転写時には、有機感光体38の回転に連れて矢印B方向に回転し、転写が終了すると逆方向に回転して元の位置に戻って、次の色が転写される時には、その前に転写されたカラートナー像の上に積層される。そして、全4色が積層されると、矢印B方向にそのまま回転し、転写ロール(2次転写装置)45,46に挟まれた転写領域に送られる。該転写領域には、画像を形成しようとする記録媒体である記録媒体16が、中間転写ベルト43と面で接触した状態で挿通され.転写ロール(転写手段)45,46の静電的な作用により、記録媒体16表面に、積層されたカラートナー像が転写される。
カラートナー像が転写された記録媒体16は、搬送装置49によって定着装置20に搬送され、前述の通り未定着トナー像が記録媒体上に定着され、画像が形成される。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
≪ベース金属層に用いるステンレスの組成による比較≫
まず、ベース金属層10aに用いるステンレスの組成による比較を行った。
<参考例1>
[発熱層/ベース金属層]
ベース金属層用のステンレス板として、下記表1に記載の組成であるステンレス板(厚さ0.4mm)を準備した。また、発熱層(金属層)用の金属板として銅板(厚さ0.1mm)を準備した。
それぞれの板材の接着面を研磨し酸化被膜を除去した後、冷間状態で圧延加工することでそれぞれの金属板を接着し、厚み0.5mmの2層積層板を製作した。
さらにこの2層積層板に、窒素雰囲気下において処理温度900℃、処理時間60分の条件にて熱処理を施した。次に、この多層積層板をプレス・深絞り加工にて円筒容器状に成型した後、回転塑性加工法にて、2層積層の金属無端状ベルトを製作した(内径30mm、長さ370mm、肉厚55μm)。
<参考例2〜10および参考比較例1〜7>
上記参考例1において、ベース金属層用のステンレス板として、それぞれ下記表1に記載の組成であるステンレス板を用いた以外、参考例1に記載の方法により無端状ベルトを製作した。
上記参考例1〜10および参考比較例1〜7より得た無端状ベルトを、図5に示す画像形成装置(富士ゼロックス製、Docu Print C620)の定着ベルトとして装着し、設定温度を180℃に設定して以下の評価試験を行った。
(1)定着領域の歪み
以下の方法により、定着領域の歪みについて評価した。
定着ベルト上へ歪みゲージを貼り付け、歪み信号をモニターしながら、この歪みゲージを定着領域を通過させることにより、定着領域の歪みを測定した。
(2)発熱特性
以下の方法により、発熱特性について評価した。
上記画像形成装置を用いて、定着ベルトを電磁誘導加熱した状態で、連続200時間空回転させる電磁誘導発熱空回転耐久評価を実施した。定着ベルト表面の温度を測定し、設定温度(180℃)の維持性を観察した。
(3)ベルト割れ
以下の方法により、ベルトの割れ(クラック)について評価した。
上記画像形成装置を用いて、定着ベルトを電磁誘導加熱した状態で、連続200時間空回転させる電磁誘導発熱空回転耐久評価を実施した。定着ベルト表面の温度を周方向3箇所、軸方向4箇所で測定し、温度変化により、ベルトの割れ(クラック)の場所を検出した。
結果を下記表1に示す。
Figure 0005194780
≪接合層の厚さによる比較≫
<実施例1、実施例4および比較例1−1、比較例1−2、比較例1−3、比較例4>
[発熱層/ベース金属層]
発熱層およびベース金属層用の金属板として、下記表2に記載の金属板(何れも厚み1.0mm)を準備した。それぞれの板材の接着面を研磨し酸化被膜を除去した後、冷間状態で圧延加工することでそれぞれの金属板を接着し、厚み0.4mmの2層積層板を製作した(積層加工)。
さらにこの2層積層板に、窒素雰囲気下において下記表2に記載の処理条件にて熱処理(アニール(1))を施した。次に、この多層積層板をプレス・深絞り加工にて円筒容器状に成型した後、回転塑性加工法(スピン加工(1))にて、内径30mm、長さ370mm、肉厚50μmの2層積層の金属無端状ベルトを得た。
[耐熱性弾性層]
発熱層の表面にJISタイプAで規定される硬度が35°となるように調整された液状シリコーンゴム(KE1940−35、液状シリコーンゴム35°品、信越化学工業社製)を膜厚が200μmとなるように塗布し、乾燥させることにより、乾燥状態の液状シリコーンゴムを得た。
[耐熱性樹脂層]
上記の乾燥状態の液状シリコーンゴム(耐熱性弾性層)の表面にPFAディスパージョン(500CL、三井・デュポンフロロケミカル社製)を膜厚30μmとなるように塗布し、380℃で焼成することにより、シリコーンゴムからなる耐熱性弾性層とPFAからなる耐熱性樹脂層とを形成し、定着ベルトを得た。
<実施例2−1、実施例2−2、実施例5−1、実施例5−2>
[発熱層/ベース金属層]
発熱層およびベース金属層用の金属板として、下記表2に記載の金属板(何れも厚み1.0mm)を準備した。それぞれの板材の接着面を研磨し酸化被膜を除去した後、冷間状態で圧延加工することでそれぞれの金属板を接着し、厚み0.4mmの2層積層板を製作した(積層加工)。
さらにこの2層積層板に、窒素雰囲気下において下記表2に記載の処理条件にて熱処理(アニール(1))を施した。次に、この多層積層板をプレス・深絞り加工にて円筒容器状に成型した後、回転塑性加工法(スピン加工(1))にて、無端ベルト状に成形した。
次いで、この2層積層板に、窒素雰囲気下において下記表2に記載の処理条件にて熱処理(アニール(2))を施した。更に、回転塑性加工法(スピン加工(2))にて、内径30mm、長さ370mm、肉厚50μmの2層積層の金属無端状ベルトを得た。
[耐熱性弾性層/耐熱性樹脂層]
発熱層の表面に、前記実施例1に記載の方法により耐熱性弾性層および耐熱性樹脂層を形成し、定着ベルトを得た。
<実施例3−1、実施例3−2>
[発熱層/ベース金属層]
発熱層およびベース金属層用の金属板として、下記表2に記載の金属板(何れも厚み1.0mm)を準備した。それぞれの板材の接着面を研磨し酸化被膜を除去した後、冷間状態で圧延加工することでそれぞれの金属板を接着し、厚み0.4mmの2層積層板を製作した(積層加工)。
さらにこの2層積層板に、窒素雰囲気下において下記表2に記載の処理条件にて熱処理(アニール(1))を施した。次に、この多層積層板をプレス・深絞り加工にて円筒容器状に成型した後、回転塑性加工法(スピン加工(1))にて、内径30mm、長さ370mm、肉厚50μmの2層積層の金属無端状ベルトを得た。
最後に、上記無端状ベルトに、窒素雰囲気下において下記表2に記載の処理条件にて熱処理(アニール(3))を施した。
[耐熱性弾性層/耐熱性樹脂層]
発熱層の表面に、前記実施例1に記載の方法により耐熱性弾性層および耐熱性樹脂層を形成し、定着ベルトを得た。
<実施例6、実施例8および比較例6、比較例8>
[中間金属層/発熱層/ベース金属層]
中間金属層、発熱層およびベース金属層用の金属板として、下記表2に記載の金属板(何れも厚み1.0mm)を準備した。それぞれの板材の接着面を研磨し酸化被膜を除去した後、冷間状態で圧延加工することでそれぞれの金属板を接着し、厚み0.4mmの3層積層板を製作した(積層加工)。
さらにこの3層積層板に、窒素雰囲気下において下記表2に記載の処理条件にて熱処理(アニール(1))を施した。次に、この多層積層板をプレス・深絞り加工にて円筒容器状に成型した後、回転塑性加工法(スピン加工(1))にて、内径30mm、長さ370mm、肉厚50μmの3層積層の金属無端状ベルトを得た。
[耐熱性弾性層/耐熱性樹脂層]
発熱層の表面に、前記実施例1に記載の方法により耐熱性弾性層および耐熱性樹脂層を形成し、定着ベルトを得た。
<実施例9および比較例9>
[中間金属層/発熱層/ベース金属層]
中間金属層、発熱層およびベース金属層用の金属板として、下記表2に記載の金属板(何れも厚み1.0mm)を準備した。それぞれの板材の接着面を研磨し酸化被膜を除去した後、冷間状態で圧延加工することでそれぞれの金属板を接着し、厚み0.4mmの3層積層板を製作した(積層加工)。
さらにこの3層積層板に、窒素雰囲気下において下記表2に記載の処理条件にて熱処理(アニール(1))を施した。次に、この多層積層板をプレス・深絞り加工にて円筒容器状に成型した後、回転塑性加工法(スピン加工(1))にて、無端ベルト状に成形した。
次いで、この3層積層板に、窒素雰囲気下において下記表2に記載の処理条件にて熱処理(アニール(2))を施した。更に、回転塑性加工法(スピン加工(2))にて、内径30mm、長さ370mm、肉厚50μmの2層積層の金属無端状ベルトを得た。
[耐熱性弾性層/耐熱性樹脂層]
発熱層の表面に、前記実施例1に記載の方法により耐熱性弾性層および耐熱性樹脂層を形成し、定着ベルトを得た。
<実施例7、実施例10および比較例7、比較例10>
[中間金属層/発熱層/ベース金属層]
中間金属層、発熱層およびベース金属層用の金属板として、下記表2に記載の金属板(何れも厚み1.0mm)を準備した。それぞれの板材の接着面を研磨し酸化被膜を除去した後、冷間状態で圧延加工することでそれぞれの金属板を接着し、厚み0.4mmの3層積層板を製作した(積層加工)。
さらにこの3層積層板に、窒素雰囲気下において下記表2に記載の処理条件にて熱処理(アニール(1))を施した。次に、この多層積層板をプレス・深絞り加工にて円筒容器状に成型した後、回転塑性加工法(スピン加工(1))にて、内径30mm、長さ370mm、肉厚50μmの3層積層の金属無端状ベルトを得た。
最後に、上記無端状ベルトに、窒素雰囲気下において下記表2に記載の処理条件にて熱処理(アニール(3))を施した。
[耐熱性弾性層/耐熱性樹脂層]
発熱層の表面に、前記実施例1に記載の方法により耐熱性弾性層および耐熱性樹脂層を形成し、定着ベルトを得た。
<比較例11>
外径30mmの円筒形ステンレス型表面に、市販のポリイミド前駆体溶液(UワニスS、宇部興産社製)を浸漬法にて塗布することにより、塗布膜を形成した。次に、この塗布膜を100℃で30分間乾燥させることにより、前記塗布膜中の溶剤を揮発させた後、380℃で30分間焼成しイミド化させることにより、膜厚60μmのポリイミド皮膜を形成した。冷却後、ステンレス型表面からポリイミド皮膜を剥離することにより、内径30mm、膜厚75μm、長さ370mmのポリイミド製の耐熱性基体を得た。
次に、この耐熱性基体の外周面に金属層として、膜厚が0.3μmの無電解Cuメッキ膜を形成し、このメッキ膜を電極として膜厚が10μmの電解Cuメッキ膜を形成した。さらに、その表面に前記実施例1に記載の方法により耐熱性弾性層および耐熱性樹脂層を形成し、定着ベルトを得た。
<比較例12>
比較例1に示す定着ベルトにおいて、膜厚が0.3μmの無電解Cuメッキ膜を膜厚が0.3μmの無電解Niメッキ膜に、膜厚が10μmの電解Cuメッキ膜を膜厚が15μmの電解ニッケルメッキ膜に変更したこと以外は、比較例1に記載の方法により定着ベルトを得た。
=評価=
(i)接合層の厚み
上記実施例および比較例にて得られた定着ベルトの中間金属層/発熱層/ベース金属層において拡散接合によって形成された接合層の厚さを、前述の方法により透過電子顕微鏡(TEM)にて観察し、測定した。
(ii)発熱特性
まず、以下のようにして加圧ロールを準備した。内面に接着用プライマーを塗布した外径50mm、長さ340mm、厚さ30μmのフッ素樹脂チューブと金属製の中空芯金コアを成形金型内にセットし、フッ素樹脂チューブとコア間に液状発泡シリコーンゴム(層厚:2mm)を注入後、加熱処理(150℃、2hrs)によりシリコーンゴムを加硫、発泡させゴム弾性を有した加圧ロールを作製した。
図2に示す定着装置20を備え付けた画像形成装置(富士ゼロックス製、Docu Print C620)に、上記加圧ロールおよび前記実施例および比較例にて得た定着ベルトを装着した。次いで、この画像形成装置を用いて、定着ベルトを電磁誘導加熱した状態で、連続400時間空回転させる電磁誘導発熱空回転耐久評価を実施し、(1)初期の発熱特性(設定温度(180℃)到達までの時間)、(2)経時の発熱特性(発熱不良発生までの時間、発熱層クラック・層間クラックの発生の有無)について評価した。
以上の結果を、下記表3に示す。
Figure 0005194780
Figure 0005194780
以下に、本発明の好ましい態様を示す
発明の定着ベルトの製造方法は、
> 少なくとも2層以上の金属層を積層した積層体に、下記式(1)で示される拡散面積が8.8×10μm以上6.8×10μm以下との条件を満たす第1の熱処理を施して接合層を形成する第1の熱処理工程と、接合された前記積層体に塑性加工を施して無端ベルト状に形成する加工工程と、前記金属層上に弾性層または樹脂層を形成する表面層形成工程と、を有する定着ベルトの製造方法である。該構成とすることにより、拡散面積を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
・式(1) A=D×exp(−Q/N kT)×t
[上記式(1)中、Aは拡散面積を表し、Dは拡散振動数(cm/sec)を表し、Qは自己拡散の活性化エネルギー(kcal/mol)を表し、Nはアボガドロ数(6.02×1023(/mol))を表し、kはボルツマン定数(1.3806503×10−23(J/K):但し1J=0.239cal)を表し、Tは熱処理の温度(K)を表し、tは熱処理の時間を表す。]
> 前記加工工程が、接合された前記積層体に第1の塑性加工を施す第1の加工工程と、第1の加工工程の後に、前記式(1)で示される拡散面積が8.8×10μm以上6.8×10μm以下との条件を満たす第2の熱処理を施す第2の熱処理工程と、第2の熱処理工程の後に、第2の塑性加工を施す第2の加工工程と、を有する前記<>に記載の定着ベルトの製造方法である。該構成とすることにより、拡散面積を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
> 前記加工工程の後に、前記式(1)で示される拡散面積が3.5×10−4μm以上8.8×10μm以下との条件を満たす第3の熱処理を施す第3の熱処理工程を有する前記<>に記載の定着ベルトの製造方法である。該構成とすることにより、拡散面積を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
> 少なくとも2層以上の金属層を積層した積層体に、下記処理条件(1−1)および処理条件(1−2)を満たす第1の熱処理を施して接合層を形成する第1の熱処理工程と、接合された前記積層体に塑性加工を施して無端ベルト状に形成する加工工程と、前記金属層上に弾性層または樹脂層を形成する表面層形成工程と、を有する定着ベルトの製造方法である。該構成とすることにより、熱処理条件を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
・処理条件(1−1) 処理温度:800℃以上1000℃以下
・処理条件(1−2) 処理時間:30分以上60分以下
> 前記加工工程が、接合された前記積層体に第1の塑性加工を施す第1の加工工程と、第1の加工工程の後に、下記処理条件(2−1)および処理条件(2−2)を満たす第2の熱処理を施す第2の熱処理工程と、第2の熱処理工程の後に、第2の塑性加工を施す第2の加工工程と、を有する前記<>に記載の定着ベルトの製造方法である。該構成とすることにより、熱処理条件を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
・処理条件(2−1) 処理温度:800℃以上1000℃以下
・処理条件(2−2) 処理時間:30分以上60分以下
> 前記加工工程の後に、下記処理条件(3−1)および処理条件(3−2)を満たす第3の熱処理を施す第3の熱処理工程を有する前記<>記載の定着ベルトの製造方法である。該構成とすることにより、熱処理条件を考慮しない場合に比べ、界面における剥離の防止および脆性割れの防止を両立した定着ベルトを、容易に製造することができる。
・処理条件(3−1) 処理温度:500℃以上800℃以下
・処理条件(3−2) 処理時間:10分以上30分以下
> 前記金属層は、いずれの層も、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシュウム、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、ベリリュウム、アンチモン、ステンレス、およびこれらの合金から選ばれる少なくとも1種が含有されてなる前記<>〜<>の何れか1項に記載の定着ベルトの製造方法である。該構成とすることにより、用いる金属を考慮しない場合に比べ、外周面を良好に加熱し得る定着ベルトを、容易に製造することができる。
第1の実施形態に係る定着ベルトの構成を示す概略断面図である。 第8の実施形態に係る定着装置の構成を示す概略構成図である。 第9の実施形態に係る定着装置の構成を示す概略構成図である。 (A)は第8または第9の実施形態に係る定着装置に用いられる加圧ロールの軸方向からの断面を示す概略断面図であり、(B)は(A)の径方向からの断面を示す概略断面図である。 第10の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。
符号の説明
10 定着ベルト
10a ベース金属層
10b 金属層(発熱層)
10c 中間金属層
10d 耐熱性弾性層
10e 耐熱性樹脂層
11 加圧ローラ
12 定着パッド
13 支持部材
14 電磁誘導コイル
15 コイル支持部材
16 記録媒体
17 未定着トナー像
18 画像
20 定着装置
26 加熱補助部材
28 支持部材
28B バネ部材
31 原稿
32 照明
33 カラースキャナ
34 画像処理装置
35 レーザーダイオード
36 光学系
37 帯電器
38 有機感光体
39 イエロー現像器
40 マゼンタ現像器
41 シアン現像器
42 ブラック現像器
43 中間転写ベルト
44 転写コロトロン
45、46 転写ロール
49 搬送装置
111 基材
112 弾性層
113 表面層

Claims (6)

  1. 少なくとも2層以上の金属層を積層した積層体に、下記式(1)で示される拡散面積が8.8×10μm以上6.8×10μm以下との条件を満たす第1の熱処理を施して接合層を形成する第1の熱処理工程と、
    接合された前記積層体に塑性加工を施して無端ベルト状に形成する加工工程と、
    前記金属層上に弾性層または樹脂層を形成する表面層形成工程と、を有することを特徴とする定着ベルトの製造方法。
    ・式(1) A=D×exp(−Q/N kT)×t
    [上記式(1)中、Aは拡散面積を表し、Dは拡散振動数(cm/sec)を表し、Qは自己拡散の活性化エネルギー(kcal/mol)を表し、Nはアボガドロ数(6.02×1023(/mol))を表し、kはボルツマン定数(1.3806503×10−23(J/K):但し1J=0.239cal)を表し、Tは熱処理の温度(K)を表し、tは熱処理の時間を表す。]
  2. 前記加工工程が、接合された前記積層体に第1の塑性加工を施す第1の加工工程と、
    第1の加工工程の後に、前記式(1)で示される拡散面積が8.8×10μm以上6.8×10μm以下との条件を満たす第2の熱処理を施す第2の熱処理工程と、
    第2の熱処理工程の後に、第2の塑性加工を施す第2の加工工程と、を有することを特徴とする請求項に記載の定着ベルトの製造方法。
  3. 前記加工工程の後に、前記式(1)で示される拡散面積が3.5×10−4μm以上8.8×10μm以下との条件を満たす第3の熱処理を施す第3の熱処理工程を有することを特徴とする請求項に記載の定着ベルトの製造方法。
  4. 少なくとも2層以上の金属層を積層した積層体に、下記処理条件(1−1)および処理条件(1−2)を満たす第1の熱処理を施して接合層を形成する第1の熱処理工程と、
    接合された前記積層体に塑性加工を施して無端ベルト状に形成する加工工程と、
    前記金属層上に弾性層または樹脂層を形成する表面層形成工程と、を有することを特徴とする定着ベルトの製造方法。
    ・処理条件(1−1) 処理温度:800℃以上1000℃以下
    ・処理条件(1−2) 処理時間:30分以上60分以下
  5. 前記加工工程が、接合された前記積層体に第1の塑性加工を施す第1の加工工程と、
    第1の加工工程の後に、下記処理条件(2−1)および処理条件(2−2)を満たす第2の熱処理を施す第2の熱処理工程と、
    第2の熱処理工程の後に、第2の塑性加工を施す第2の加工工程と、を有することを特徴とする請求項に記載の定着ベルトの製造方法。
    ・処理条件(2−1) 処理温度:800℃以上1000℃以下
    ・処理条件(2−2) 処理時間:30分以上60分以下
  6. 前記加工工程の後に、下記処理条件(3−1)および処理条件(3−2)を満たす第3の熱処理を施す第3の熱処理工程を有することを特徴とする請求項に記載の定着ベルトの製造方法。
    ・処理条件(3−1) 処理温度:500℃以上800℃以下
    ・処理条件(3−2) 処理時間:10分以上30分以下
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