JP5194250B2 - Rna分解酵素活性を有するタンパク質及びその利用 - Google Patents
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Description
NUCLEASES, Edited by Linn, S. M. and Roberts, R. J., Cold Spring Harbor Laboratory (1982)
以下の特徴;
(a)配列番号:1及び配列番号:4のいずれかに記載のアミノ酸配列又はこれらのアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、付加及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含む。
を有し、RNAを切断する活性を有する、タンパク質が提供される。
(b)チトクロームCヘム結合モチーフCxxCHを有する。
を有することができる。また、本発明のタンパク質は、以下の特徴;
(c)PPRモチーフを備える天然タンパク質のC末端領域に備えられるアミノ酸配列又はこれらの配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、付加及び/又は挿入されたアミノ酸配列である。
を有することもできる。
(a)配列番号:1及び配列番号:4のいずれかに記載のアミノ酸配列又はこれらのアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、付加及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含む。
を有し、RNAを切断する活性を有することができる。
本タンパク質は、1又は2以上の特徴を有するアミノ酸配列を備えることができる。本タンパク質が備えることができる一つのアミノ酸配列は、配列番号:1に記載の配列とすることができる。配列番号:1に記載のアミノ酸配列は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana、ecotype columbia)の機能未知タンパク質遺伝子at2g02980(MATDB:http://mips.gsf.de/proj/thal/db/index.html)がコードするPPRモチーフを有する603アミノ酸からなるタンパク質(PPRタンパク質)(配列番号:3)の一部からなる配列である。具体的には、配列番号:3に記載のアミノ酸配列のC末端側の第495位〜第603位の109個のアミノ酸からなる配列である。PPRタンパク質は、RNAプロセッシングに関連していると考えられているが、そのC末端領域がRNase活性を有することは本出願前において確認されていない。
1987)が挙げられる。また、自然界においても、塩基配列の変異によりコードするタンパク質のアミノ酸配列が変異することは起こり得る。
RK, et al: Science 230: 1350, 1985、Saiki
RK,et al: Science 239: 487, 1988)を利用する方法が挙げられる。すなわち、配列番号:2に記載されるDNA若しくはその一部又はこれらの相補鎖をプローブとして、あるいは、こうしたタンパク質のゲノムDNAの塩基配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドをプライマーとして、シロイヌナズナや他の植物から、ハイブリダイゼーションによってDNAを単離し、該タンパク質を取得することは当業者において通常行い得ることである。
SDS、0.5×SSCの条件またはこれと同等のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を指す。よりストリンジェンシーの高い条件、例えば、6M 尿素、0.4%
SDS、0.1×SSCの条件下では、より相同性の高いDNAを単離できると期待される。なお、高い相同性とは、アミノ酸配列全体で少なくとも50%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の配列の同一性を意味するものとする。なお、アミノ酸配列や塩基配列の同一性は、BLAST等を用いて決定できる。
Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-2268, 1990、Proc
Natl Acad Sci USA 90: 5873, 1993,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)、PSI-BLAST(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/等);FASTA(http://www.ebi.ac.uk/fasta33/)及び等を用いることができる。なかでも、BLAST及びPSI-BLASTを好ましく用いることができる。
MultiAlin:http://prodes.toulouse.inra.fr/multalin/multalin.html; mkdom/xdom:
http://prodes.toulouse.inra.fr/prodom/xdom/等各種の手法を採用することができる。コンセンサス配列が得られたなら、コンセンサス配列において高度に保存されているアミノ酸を維持するような改変配列や予測される活性部位や結合部位におけるアミノ酸をこれらの部位における相互作用を強めるように変異させた改変配列を得ることができる。例えば、こうしたコンセンサス配列の一例としては、HMMERマトリックスを利用してシロイヌナズナ85種のPPRタンパク質ファミリーのマルチプルアライメントから得られたもの(C末端側のDYWモチーフ)が開示されている(図1及び配列番号:6)(The Plant Cell,
Vol. 16, 2089-2103, August 2004、Fig.2)。図1において、保存されているアミノ酸は大文字で示され、特によく保存されているアミノ酸は太字で示されている。
本タンパク質は、天然タンパク質又はその一部であるときには、自然界において保持される植物などの生物体又はそのタンパク質が局在するオルガネラ画分から、タンパク質を抽出し、分離精製等することによっても得ることができる。また、本タンパク質が天然タンパク質の全部又は一部であっても、非天然のタンパク質であっても、化学的又は遺伝子工学的に得ることもできる。遺伝子工学的手法によって得る場合には、本タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて無細胞的にあるいはこのポリヌクレオチドを適当な宿主に導入して形質転換体を作出し、当該形質転換体の宿主内又は宿主外で発現させるようにすることができる。
本発明のRNA分解酵素のスクリーニング方法は、配列番号:1及び配列番号:4に記載のアミノ酸配列のいずれか又はこれらの配列において1若しくは複数個のアミノ酸が置換、欠失、付加及び/又は挿入されたアミノ酸配列を有するタンパク質を準備する工程と、前記準備したタンパク質についてRNA切断活性の有無を検出する工程と、を備えることができる。このスクリーニング方法によれば、RNA切断活性を有するタンパク質(RNA分解酵素)を効率的に得ることができる。また、前記タンパク質の準備工程は、配列番号:1及び配列番号:4のいずれかに記載のアミノ酸配列を問い合わせ配列としてホモロジー検索を行って得られる所定値以下のE値を有するアミノ酸配列又はこれらの改変配列を備えるタンパク質を準備する工程とすることもできる。配列番号:1及び配列番号:4に記載のアミノ酸配列は、酵素活性が確認されたDYW配列であるため、これらの配列を問い合わせ配列とすることで同等活性のあるアミノ酸配列を効率的に抽出することができる。さらに、本発明のRNA分解酵素のスクリーニング方法においては、配列番号:6に記載のアミノ酸配列を問い合わせ配列としてホモロジー検索を行って所定値以下のE値を有するアミノ酸配列を抽出するようにしてもよい。配列番号:6に記載の配列は、DYWモチーフのコンセンサス配列であるから、この配列と所定値以下のE値を有するアミノ酸配列を有するタンパク質をRNA切断活性のスクリーニング対象とすることが可能である。さらに、チトクロームCヘム結合モチーフを有するアミノ酸配列を準備するようにするとより一層効果的にRNA分解酵素をスクリーニングすることができる。
本分析キットは、本タンパク質をキット構成に含めることができる。キットに含められるタンパク質は、どういった形態で含められていてもよいが、例えば、保存性等を考慮して凍結乾燥体として含められていることが好ましい。また、本分析キットには、その他のRNase、DNase等、核酸の分離精製、分析等に必要な酵素や試薬を含められていてもよい。
本ポリヌクレオチドは、本タンパク質をコードする領域を有することができる。本タンパク質をコードするポリヌクレオチドの塩基配列としては、例えば、配列番号:2及び配列番号:5が挙げられる。ポリヌクレオチドにおける塩基配列は、本タンパク質をコードしている以上コドン用法は特に限定されない。
本形質転換体は、本ポリヌクレオチドを、本タンパク質を発現可能に保持する形質転換体とすることができる。本形質転換体は、大腸菌や乳酸菌などの原核細胞のほか、酵母、植物培養細胞及び植物体を宿主とすることができる。植物体としては、植物個体、その植物個体を構成しうる全ての種類、形態の細胞、植物固体の一部である組織や器官ならびに生殖細胞を含んでいる。また、植物個体の一部としては、その繁殖媒体(種子、根茎、果実、切穂等)も包含する。
本処理方法は、タンパク質を用いてRNAを切断する工程を備えることができる。この処理方法は、RNAを切断し、RNAを断片化することができる。この切断工程によれば、例えば、試験管内においてRNA断片を生成させて、当該RNAの機能探索のための材料を得ることができる。また、塩基特異的にRNAを切断するため、生じたRNA断片を分析することで切断対象となったRNAの構造等を推測することもできる。
(シロイヌナズナからのゲノムDNAの調製)
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana, ecotype Columbia)をムラシゲ・スクーク培地(2%ショ糖、0.5% Gellangamを含む)で3週間培養した。培養した植物の緑葉(0.5 g)をフェノール/クロロホルム抽出した後、エタノールを加えてDNAを不溶化した。回収したDNAを100 μlのTE液(10 mM トリス・塩酸 (pH 8.0)、1mM EDTA)に溶解し、10ユニットのRNase A(DNase-free、タカラバイオ社)を加えて、37℃で30分反応させた。その後、反応液を再度フェノール/クロロホルム抽出した後、エタノール沈殿によりDNAを回収した。10 μgのDNAが得られた。
シロイヌナズナからのゲノムDNAの調製は上記の実施例1に記載されている方法により行った。シロイヌナズナゲノム情報データベース(MATDB:
http://mips.gsf.de/proj/thal/db/index.html)に掲載されている配列情報を参照し、DYWモチーフを持つタンパク質遺伝子at2g02980の当該DYWモチーフに相当するDNA配列を増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマー(02980DYW-F、02980_m-R;配列番号:8、9に記載)を調製した。オリゴヌクレオチドプライマーのフォワードプライマーである02980DYW-F、リバースプライマーである02980_m-Rの5'側にはそれぞれEco
RI、SalI配列を付加した。EcoRIとSalI配列は得られたクローンを制限酵素処理で挿入配列を切り出すのに利用できるように組み入れた。
をDNA 伸長酵素として用い、PCRすることによって増幅した。その結果、339塩基対のDNA断片の増幅が確認できた。得られたDNA断片は、pBAD/Thio-TOPO ベクター(Invitrogen社)を用いて、クローニングした。クローニングするために必要なDNA断片の3'末端突出アデノシンは、DNA断片を0.1
ユニット TaKaRa Ex-Taq(タカラバイオ社)と2.5 mM ATPで70℃、10分間反応することで付加した。クローン化したDYWモチーフをコードするDNA配列を決定し、上記データベース上においてDYWモチーフに相当するDNA配列と相同な配列(配列番号:2)であることを確認し、プラスミドpTrx_DYWと命名した。
得られたプラスミドpTrx_DYWをEscherichia coli LMG194株(Invitrogen社)に形質転換した。この大腸菌をアンピシリンが100 μg/mlの濃度で存在する0.2%グルコースを含むRM培地4,000 ml(1リットル培地を含む2リットル三角フラスコ、計4本)中で、37℃で培養した。培養液の濁度が波長600 nmでの吸光度が0.5に達した時に、誘導物質であるL-アラビノースを最終濃度が0.2%になるように添加し、さらに4時間培養を行った。遠心による集菌後、菌体を1 mg/mlのリゾチームを含む200 mlのバッファーA(50 mM トリス・塩酸 pH 8.0、500 mM KCl、2
mM imidazole、10 mM MgCl2、0.5% Triton X100、10% グリセロール)に懸濁し、超音波破砕と凍結溶解により菌体を破壊した。15,000 x g、20分間の遠心分離後に、上清を粗抽出液として回収した。この粗抽出液をバッファーAで平衡化したニッケルカラム樹脂(ProBond A、Invitrogen社)を充填したカラムに供した。
mM imidazoleを含むバッファーAで十分に洗浄した後、200
mM imidazoleを含むバッファーAで目的タンパク質を溶出する二段階濃度勾配により行った。得られた組み換えタンパク質をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により確認したところ、30 kDaのタンパク質として検出された。これをT-DYWタンパク質と命名した(配列番号:10)。なお、このタンパク質は、配列番号:1に記載のアミノ酸配列を備えるとともに、N末端側に溶解性を高めるためのチオレドキンのアミノ酸配列、C末端側にヒスチジンタグ配列を備える融合タンパク質である。RM培地1リットルあたり、600 μgのT-DYWタンパク質が得られた。T-DYWタンパク質を含む精製画分1 mlを1リットルのバッファー E(20 mM トリス・塩酸 pH 7.9、60
mM KCl、12.5 mM MgCl2、0.1 mM EDTA、17% グリセロール、2 mM DTT)で透析した後、T-DYWタンパク質の精製標品とした。
基質RNAとして、シロイヌナズナ葉緑体ndhB遺伝子の開始コドンから500塩基のRNAを用いた。基質RNAとして用いるRNAをNB500と命名した(配列番号:11)。NB500を合成するためのDNA断片は、オリゴヌクレオチドプライマーndhB-FとndhB-R(配列番号12、13に記載)を用いて、上記のシロイヌナズナゲノムDNA 10
ngを鋳型DNAとして含む50 μlの反応液を95℃ 30秒、60℃ 30秒、72℃ 30秒の25サイクルでPrime
Star (タカラバイオ 社) をDNA 伸長酵素として用い、PCRすることによって増幅した。ndhB-Fプライマーの5'末端側には基質RNAを試験管内で合成するためのT7 プロモータ配列を、ndhB-Rプライマーの5'末端側には3'→5'エクソヌクレアーゼによる非特異的な分解を防ぐためのステムループ構造を形成する塩基配列をそれぞれ付加した。得られたDNA断片は、アガロースゲルで展開後、ゲルから切り出すことによって精製した。精製DNA断片を鋳型にNTP mix(10 nmol GTP、CTP、ATP、0.5 nmol UTP)、4 μl [32P] α-UTP (GE ヘルスケア社、3000 Ci/mmol)、T7 RNA polymerase(タカラバイオ社)を含む20μlの反応液を37℃ 60分間反応させることで、基質RNAを合成した。基質RNAはフェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿後、全量を6 M 尿素を含む変性6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動で展開し、X線フィルムで60秒間感光させることによって、32P標識RNAを検出した。32P標識RNAをゲルから切り出し、200 μlのゲル溶出液(0.3 M 酢酸ナトリウム、2.5 mM EDTA、0.01% SDS)中に、4℃で12時間浸し、RNAをゲルから溶出した。溶出したRNAのうち、1 μlの放射活性を測定し、合成したRNAの総量を算出した。エタノール沈殿後、8,250 cpm/μl (1 fmol/μl)になるように、RNAを超純水に溶解した。この調製方法で通常、8,250 cpm/μlのRNAが約50 μl得られる。
T-DYWタンパク質存在下もしくは非存在下でのRNAの分解活性を調べた。50 mM EDTA を含む反応液(10 mM トリス・塩酸 pH 7.9、30
mM KCl、6 mM MgCl2、2
mM DTT、8% グリセロール、0.0067% of
Triton X-100)20 μl中に上記の1 fmolの基質RNA(NB500)と50 ng〜1.5 μgのT-DYWタンパク質を混合し、25℃で30分間反応した。反応後にフェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿により、NB500 RNAを抽出した。RNAは6 M尿素を含む変性6%ポリアクリルアミドゲルで展開し、電気泳動後にゲルを乾燥させた。ゲル中のRNAの放射活性をバイオイメージングアナライザーBAS2000(フジフィルム社)で測定した。その結果を以下の図3に示す。
多くのRNA分解酵素は、そのRNA分解活性に二価金属イオンを必要とする。T-DYW精製標本中に含まれる二価金属イオンのRNA分解活性における影響を検証するために、EDTAを添加して、T-DYWタンパク質のRNA分解活性を測定した。0〜200
mM EDTAを含む反応溶液20 μl中に1 fmolのNB500 RNAと50
ngのT-DYWタンパク質を混合し、25℃で30分間反応した。反応後のRNA抽出、電気泳動、検出は実施例1に記載したのと同様の方法で行った。結果を図4に示す。
T1(Ambion 社)を用いて、同様の実験を行った。その結果、RNase T1はEDTA未添加で最大のRNA分解活性を示し、高濃度のEDTA存在下でもRNA分解活性を示した(図4右)。また、T-DYWとRNase T1では、RNA分解中間産物のパターンが異なることから、両タンパク質のRNA分解における認識塩基は異なることが明らかである。RNase T1はRNA中のシトシン残基の3'側を切断することが既に明らかになっている。
T-DYWタンパク質の核酸切断活性をRNA、一本鎖DNA、二本鎖DNAを基質に用いて測定した。32P 標識二本鎖DNAは、プライマーndhB-F、ndhB-Rと鋳型DNAであるNB500 DNAを用い、dNTP mix(10 nmol dATP、dGTP、TTP、0.5 nmol dCTP)、4 μl
[32P] α-dCTP (GE ヘルスケア社、3000 Ci/mmol)、Ex-Taq(タカラバイオ社)を含む溶液でPCR反応を行うことにより調製した。PCR反応は実施例1と同様に行った。得られたDNA断片は変性6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動による展開後、ゲルからDNAを溶出させることによって精製した。一本鎖DNAは二本鎖DNAを90℃で3分間処理した後に、急冷することによって調製した。T-DYWタンパク質とNB500 RNA (RNA)、一本鎖NB500 DNA (ssDNA)、二本鎖NB500 DNA(dsDNA)を混合し、実施例1 と同様の条件で、それぞれの基質核酸への切断活性を調べた。結果を図5に示す。
I(RNase-free、タカラバイオ社)を用いて、酵素活性の核酸特異性を調べた。その結果、RNase T1はRNA、DNase IはDNAのみへの切断活性を呈したことから、T-DYWタンパク質はRNA特異的な核酸分解活性を呈することが明らかである。
T-DYWタンパク質によって分解されたRNAの分解中間産物は、明瞭なバンドとして検出できる(図5)。これは既知RNaseであるRNase T1、RNaseAなどのRNAを内部で切断するエンドヌクレアーゼで観察される現象である。そこで、T-DYWタンパク質によって切断されるRNA残基の特性を検証するために、切断されたRNAの5'末端をプライマー伸長法により決定した。10 fmolの未標識ndhB RNAと1 μgのT-DYWタンパク質を用いて、実施例1 と同様の条件で反応した後、反応液からRNAを抽出した。
Film社)で測定した。その結果を以下の図6に示す。
まず、イネ (Oryza
sativa, Nipponbare)からのDNA調製を実施例1と同様に行った。次に、調製したイネのゲノムDNAを鋳型に、イネゲノム情報データベース(http://www.tigr.org/tdb/e2k1/osa1/overview.shtml)に掲載されている配列情報を参照し、シロイヌナズナのタンパク質 (AT2980(At2g02980)中のDYWモチーフの配列(配列番号:1)と高い相同性を示すモチーフを持つタンパク質遺伝子Os5g30710のDNA配列を増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマー(Os5g30710-F、Os5g30710-R; 配列番号:15,16に記載)を調製した。Os5g30710を含むDNA断片の増幅(配列番号:17)、pBAD/Thio-TOPOベクター(Invitrogen社)へのクローニングは、実施例1に記載したT-DYWタンパク質遺伝子のクローニングと同様に行い、得られたプラスミドをpTrx-osDYWと命名した。このプラスミドpTrx-osDYWを用い、イネ由来のタンパク質T-osDYWを調製した(配列番号:18)。組み換えタンパク質の調製は、実施例1に記載した方法と同様に行った。
T-DYW、T-osDYWタンパク質は、そのアミノ酸配列中に金属配位モチーフ、CxxCH、を持つ(C、システイン;H、ヒスチジン;x、任意のアミノ酸)。このモチーフのRNA分解における働きを検証するために、以下の方法で、変異T-DYWタンパク質、T-DYW_Mタンパク質、を調製した。変異はT-DYWタンパク質中のアミノ酸配列CxxCHを、GxxGH(G、グリシン)に置換することによって行った。以下に詳細な調製法を示す。
配列番号:10,14,18,19,23:融合タンパク質
配列番号:17,22:融合タンパク質をコードするDNA
Claims (14)
- 以下の特徴;
配列番号1、配列番号4及び配列番号6のいずれかに記載のアミノ酸配列、又はこれらのアミノ酸配列において、そのC末端におけるDYW又はDFWモチーフ(下線部aの部位)、チトクロームCヘム結合モチーフCxxCH(下線部bの部位)を含む以下の共通アミノ酸配列;
Glu x Gly Tyr x Pro x x x x x Val x x x x
1 5 10 15
x x Glu Glu x x Lys Glu x x Leu x x His Ser Glu
20 25 30
Lys Leu Ala x Ala Phe Gly Leu x x Thr x x x x x
35 40 45
x x x x x x x x Ile Arg x x Lys Asn Leu Arg
50 55 60
x Cys x x Cys His b x x x Lys x Ile Ser Lys x x
65 70 75 80
X Arg Glu x x x Arg Asp x x Arg Phe His His Phe x
85 90 95
x Gly x Cys Ser Cys x Asp Tyr Trp a
100 105
を有し、前記共通アミノ酸配列以外のアミノ酸において1以上10個以下のアミノ酸が置換、欠失、付加及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含み、
RNAを切断する活性を有する、タンパク質。 - 前記タンパク質は、単子葉植物及び双子葉植物のいずれかのタンパク質である、請求項1に記載のタンパク質。
- 前記RNA切断活性はエンド型である、請求項1又は2に記載のタンパク質。
- 前記RNA切断活性は塩基特異的である、請求項1〜3のいずれかに記載のタンパク質。
- 前記RNA切断活性は、アデニン塩基を有するリボヌクレオチドの5’側を部位特異的に切断する活性である、請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質。
- RNA分解酵素のスクリーニング方法であって、
配列番号1、配列番号4及び配列番号6のいずれかに記載のアミノ酸配列又はこれらのアミノ酸配列において、そのC末端におけるDYW又はDFWモチーフ(下線部aの部位)、チトクロームCヘム結合モチーフCxxCH(下線部bの部位)を含む以下の共通アミノ酸配列;
Glu x Gly Tyr x Pro x x x x x Val x x x x
1 5 10 15
x x Glu Glu x x Lys Glu x x Leu x x His Ser Glu
20 25 30
Lys Leu Ala x Ala Phe Gly Leu x x Thr x x x x x
35 40 45
x x x x x x x x Ile Arg x x Lys Asn Leu Arg
50 55 60
x Cys x x Cys His b x x x Lys x Ile Ser Lys x x
65 70 75 80
X Arg Glu x x x Arg Asp x x Arg Phe His His Phe x
85 90 95
x Gly x Cys Ser Cys x Asp Tyr Trp a
100 105
を有し、前記共通アミノ酸配列以外のアミノ酸において1以上10個以下のアミノ酸が置換、欠失、付加及び/又は挿入されたアミノ酸配列を有するタンパク質を準備する工程と、
前記準備したタンパク質についてRNA切断活性の有無を検出する工程と、
を備える、方法。 - RNA分解酵素の製造方法であって、
配列番号1、配列番号4及び配列番号6のいずれかに記載のアミノ酸配列、又はこれらのアミノ酸配列において、そのC末端におけるDYW又はDFWモチーフ(下線部aの部位)、チトクロームCヘム結合モチーフCxxCH(下線部bの部位)を含む以下の共通アミノ酸配列;
Glu x Gly Tyr x Pro x x x x x Val x x x x
1 5 10 15
x x Glu Glu x x Lys Glu x x Leu x x His Ser Glu
20 25 30
Lys Leu Ala x Ala Phe Gly Leu x x Thr x x x x x
35 40 45
x x x x x x x x Ile Arg x x Lys Asn Leu Arg
50 55 60
x Cys x x Cys His b x x x Lys x Ile Ser Lys x x
65 70 75 80
X Arg Glu x x x Arg Asp x x Arg Phe His His Phe x
85 90 95
x Gly x Cys Ser Cys x Asp Tyr Trp a
100 105
を有し、前記共通アミノ酸配列以外のアミノ酸において1以上10個以下のアミノ酸が置換、欠失、付加及び/又は挿入されたアミノ酸配列を有し、かつRNA切断活性を有するタンパク質を製造することを特徴とする、方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のタンパク質を含む、核酸分析キット。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のタンパク質をコードする、ポリヌクレオチド。
- 請求項9に記載のポリヌクレオチドを、請求項1〜5のいずれかに記載のタンパク質を発現可能に保持する、非ヒト形質転換体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のタンパク質を用いてRNAを切断する工程を備える、核酸の処理方法。
- 核酸を分離精製する工程を備える、請求項11に記載の方法。
- RNAを抽出する工程を備える、請求項11に記載の方法。
- RNA切断後のRNA断片を検出する工程を備える、請求項11に記載の方法。
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