JP2014221028A - 二本鎖デオキシリボ核酸にニックを導入する方法及びニッキング酵素活性を有するタンパク質 - Google Patents

二本鎖デオキシリボ核酸にニックを導入する方法及びニッキング酵素活性を有するタンパク質 Download PDF

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Abstract

【課題】二本鎖デオキシリボ核酸の塩基配列中の特定の部位にニックを導入する方法を提供する。【解決手段】ニッキング酵素活性を有するタンパク質を用いて二本鎖デオキシリボ核酸の所定の部位にニックを導入する方法であって、前記二本鎖デオキシリボ核酸の塩基配列中に存するチミン/グアニン(T/G)ミスマッチ部位、及び/又は、前記二本鎖デオキシリボ核酸中に存する特定の塩基配列中の部位、に前記ニックを導入することを特徴とする方法。【選択図】なし

Description

本発明は、二本鎖デオキシリボ核酸にニックを導入する方法及びニッキング酵素活性を有するタンパク質に関する。より詳しくは、二本鎖デオキシリボ核酸の塩基配列中の特定の部位にニックを導入する方法に関する。
ヌクレアーゼ(Nuclease)は、核酸の糖とリン酸の間のホスホジエステル結合を加水分解してヌクレオチドとする酵素である。ヌクレアーゼは、分解の形式により、エンドヌクレアーゼとエキソヌクレアーゼに分類できる。
エキソヌクレアーゼ(Exonuclease)は、核酸配列の外側(exo−)から、すなわち核酸の5´末端または3´末端から削るように分解する。一方エンドヌクレアーゼ(Endonuclease)は、核酸配列の内部(endo−)で核酸を切断する酵素である。制限酵素は、代表的なエンドヌクレアーゼである。
分子生物学または生化学等の発展により、DNAが遺伝子を司る本体であることが明らかになって以来、ヌクレアーゼは、遺伝子操作等の遺伝子工学技術において幅広く用いられている。
ニッキング酵素(Nicking enzymeあるいはNicking endonuclease)は、二本鎖DNAのうち一方の鎖だけホスホジエステル結合が切断されたニックを生じさせるエンドヌクレアーゼである。
ニッキング酵素によって生じる通常のニック(3´−ヒドロキシ、5´−リン酸)は、さまざまな酵素反応の基点となるため、ニッキング酵素はDNAの加工に用いられている。
例えば、ニッキング酵素を用いて二本鎖DNAの片方にニックを形成させ、生じたニックをプライミングサイトとして、鎖置換型DNAポリメラーゼにより、15塩基程度の短い核酸を恒温増幅する方法が知られている(非特許文献1参照)。また、この方法の改良技術として、鎖置換型DNAポリメラーゼとニッキング酵素を用いて、21塩基以上の核酸を恒温増幅する方法も開発されている(特許文献1参照)。
本発明者らは、ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1株からニッキング酵素を単離している(特許文献2参照)。特許文献2には、このニッキング酵素が、二本鎖DNAの塩基配列中に存するチミン/グアニン(T/G)ミスマッチ部位のうち、チミンの5´側及び3´側の塩基が所定の塩基となっている部位のみにニックを導入することが記載されている(当該文献請求項2参照)。
また、本発明者らは、ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1株から単離されたニッキング酵素が、プラスミド(pBR322)のclosed circularをopen circularにするニッキング活性を有していることを明らかにしている(特許文献3参照)。なお、特許文献3では、ニッキング酵素が認識し切断する塩基配列(認識配列)は明らかにされていない。
特開2008−136451号公報 特開2013−5791号公報 特開2013−5792号公報
Jeffrey Van Ness,et al.,(2003)"Isothermal reactions for the amplification of oligonucleotides" Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.100,No.8,4504−4509
遺伝子工学技術では、目的の遺伝子操作を効率的に行うため、制限酵素のような、二本鎖DNA中の特定の塩基配列を認識して切断するヌクレアーゼが求められている。
上記課題解決のため、本発明は、ニッキング酵素活性を有するタンパク質を用いて二本鎖デオキシリボ核酸の所定の部位にニックを導入する方法であって、前記二本鎖デオキシリボ核酸の塩基配列中に存するチミン/グアニン(T/G)ミスマッチ部位、及び/又は、前記二本鎖デオキシリボ核酸中に存する配列番号1に記載の塩基配列中の部位、に特異的に前記ニックを導入することを特徴とする方法を提供する。
この方法では、塩基配列中にT/Gミスマッチを有する二本鎖デオキシリボ核酸と、前記タンパク質と、を接触させて、T/Gミスマッチのチミン(T)の5´側に前記ニックを導入することが可能である。また、塩基配列中にミスマッチを有さない二本鎖デオキシリボ核酸(特にはプラスミド)と、前記タンパク質と、を接触させて、前記二本鎖デオキシリボ核酸(特にはプラスミド)中に存する配列番号1に記載の塩基配列中の部位に前記ニックを導入することも可能である。
この方法において、前記タンパク質は、ロドコッカス属(Rhodococcus. sp)細菌由来とできる。また、前記ロドコッカス属細菌は、ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)、ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)、ロドコッカス ピリジノボランス(Rhodococcus pyridinovorans)、ロドコッカス オパカス(Rhodococcus opacus)、ロドコッカス ジョスティ(Rhodococcus jostii)、ロドコッカス イムテケンシス(Rhodococcus imtechensis)及びロドコッカス エクイ(Rhodococcus equi)のいずれかとできる。
特に、前記タンパク質は、以下の(A)、(B)又は(C)のタンパク質とすることができる。
(A)配列番号2記載のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(B)配列番号2記載のアミノ酸配列と同一性が80%以上のアミノ酸配列からなり、かつニッキング酵素活性を有するタンパク質。
(C)配列番号2記載のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列を含み、かつニッキング酵素活性を有するタンパク質。
また、本発明は、二本鎖デオキシリボ核酸の塩基配列中に存するチミン/グアニン(T/G)ミスマッチ部位、及び、二本鎖デオキシリボ核酸中に存する配列番号1に記載の塩基配列中の部位、に特異的にニックを導入するニッキング酵素活性を有するタンパク質も提供する。
本発明において、「ニッキング酵素活性」とは、特定の配列を有する二本鎖デオキシリボ核酸の片方の鎖のみを切断するエンドヌクレアーゼ活性を意味する。また、「エンドヌクレアーゼ活性」とは、核酸配列の内部(endo−)で核酸を切断する酵素活性を意味する。
本発明により、二本鎖デオキシリボ核酸の塩基配列中の特定の部位にニックを導入する方法が提供される。
無細胞タンパク質合成系により得たRrhJ1IIヌクレアーゼのニッキング酵素活性を示す図である。 プラスミドpRR01の構造を示す模式図である。 大腸菌発現系により得たRrhJ1IIヌクレアーゼのSDS−PAGE(A)及びHis−tag特異的抗体を用いたウェスタンブロッティング(B)の結果を示す図である。 大腸菌発現系により得たRrhJ1IIヌクレアーゼのニッキング酵素活性を示す図である。 RrhJ1IIヌクレアーゼの閉環状pBR322に対するニッキング酵素活性を示す図である。 RrhJ1IIヌクレアーゼの認識配列の解析結果を示す図である。 RrhJ1IIヌクレアーゼのミスマッチ塩基対に対する認識特異性の解析結果を示す図である。 さまざまなロドコッカス属細菌の産生するヌクレアーゼのホモロジー解析結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
発明者らは、ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1株から単離されたニッキング酵素RrhJ1II(配列番号2)の二本酸DNA切断活性を詳細に検討した結果、ニッキング酵素RrhJ1II(RrhJ1IIヌクレアーゼ)が、二本鎖DNAの塩基配列中に存する全てのチミン/グアニン(T/G)ミスマッチ部位、及び/又は、二本鎖DNA中に存する配列番号1に記載の塩基配列中の部位、に特異的にニックを導入することを見い出した(後述する実施例参照)。
ニッキング酵素RrhJ1IIは、二本鎖DNAの塩基配列中のT/Gミスマッチを、T/Gミスマッチの5´側及び3´側の塩基がアデニン(A),グアニン、チミン及びシトシン(C)のいずれであるかを問わず、切断した。従って、RrhJ1IIを用いたニック導入方法によれば、二本鎖DNAの塩基配列中に存する全てのチミン/グアニン(T/G)ミスマッチ部位に特異的にニックを導入できる。
また、ニッキング酵素RrhJ1IIは、ミスマッチを有さないプラスミド(pBR322)中に存する配列番号1に記載の塩基配列を認識して切断し、該プラスミドのclosed circularをopen circularにした。従って、RrhJ1IIを用いたニック導入方法によれば、ミスマッチを有さない二本鎖DNAについても、その塩基配列中に存する配列番号1に記載の塩基配列中に特異的にニックを導入できる。
二本鎖DNAの切断は、ニッキング酵素と二本鎖DNAとを適当な溶液中で接触させ反応させることにより行うことができる。DNA量、酵素量、反応温度、反応溶液の組成及び反応時間などの条件は、公知技術に基づいて適宜設定できる。
ニッキング酵素と接触させる二本鎖DNAは、ミスマッチを有するものであっても有しないものであってもよく、配列番号1に記載の塩基配列を含むものであっても含まないものであってもよいが、二本鎖DNAの塩基配列中にT/Gミスマッチが存在する場合には、全てのT/GミスマッチのTの5´側にニックが導入される。同時に、二本鎖DNAの塩基配列中にミスマッチを有さない配列番号1に記載の塩基配列が存在する場合には、該塩基配列中にニックが導入される。
本発明に係るニック導入方法で用いるニッキング酵素は、RrhJ1II(配列番号2)に限定されず、RrhJ1IIと同様に、二本鎖DNAの塩基配列中に存する全てのT/Gミスマッチ部位、及び/又は、二本鎖DNA中に存する配列番号1に記載の塩基配列中の部位、に特異的にニックを導入する活性(以下「RrhJ1IIニッキング酵素活性」という)を有するタンパク質であればよい。
RrhJ1IIニッキング活性を有するタンパク質は、候補タンパク質を二本鎖DNAと接触させ、反応後のDNAの分子量またはDNA断片数を測定することにより得ることができる。当業者であれば、二本鎖DNA量、候補タンパク質量、反応温度、反応溶液の組成及び反応時間などの条件を適宜設定することができる。反応後のDNAの分子量は、例えばアガロース電気泳動によって測定できる。反応前のDNAの分子量と反応後のDNAの分子量、または反応前のDNAの断片数と反応後のDNA断片数とを比較することで、候補タンパク質についてRrhJ1IIニッキング酵素活性の有無を評価できる。
本発明に係るニック導入方法で用いられ得るニッキング酵素としては、以下の(A)、(B)又は(C)のタンパク質が挙げられる。
(A)配列番号2記載のアミノ酸配列を含むタンパク質。
(B)配列番号2記載のアミノ酸配列と同一性(相同性)が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上のアミノ酸配列からなり、かつRrhJ1IIニッキング酵素活性を有するタンパク質。
(C)配列番号2記載のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつRrhJ1IIニッキング酵素活性を有するタンパク質。
具体的には、以下の(i)〜(v)のアミノ酸配列を含むタンパク質が挙げられる。
(i)配列番号2記載のアミノ酸配列において、1〜20個(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列。
(ii)配列番号2記載のアミノ酸配列の1〜20個(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列。
(iii)配列番号2記載のアミノ酸配列に1〜20個(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列。
(iv)配列番号2記載のアミノ酸配列に1〜20個(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列。
(v)上記(i)〜(iv)を組み合わせたアミノ酸配列。
上記(ii)におけるアミノ酸置換は、類似するアミノ酸残基間の保存的置換が好ましい。例えばアミノ酸は、その側鎖の性質に基づいて、疎水性アミノ酸(A,I,L,M,F,P,W,Y,V)、親水性アミノ酸(R,D,N,C,E,Q,G,H,K,S,T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G,A,V,L,I,P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(S,T,Y)、硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(C,M)、カルボン酸及びアミド含有側鎖を有するアミノ酸(D,N,E,Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ酸(R,K,H)、芳香族含有側鎖を有するアミノ酸(H,F,Y,W)に分類される。各群に分類されたアミノ酸は、相互に置換したときに、当該ポリペプチドの活性が維持される可能性が高いことが知られており、そのようなアミノ酸相互の置換が好ましい。例えば、グリシンとプロリン、グリシンとアラニンまたはバリン、ロイシンとイソロイシン、グルタミン酸とグルタミン、アスパラギン酸とアスパラギン、システインとスレオニン、スレオニンとセリン又はアラニン、リジンとアルギニン間での置換を挙げることができる。
さらに、本発明に係るニック導入方法で用いられ得るニッキング酵素として、ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)、ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)、ロドコッカス ピリジノボランス(Rhodococcus pyridinovorans)、ロドコッカス オパカス(Rhodococcus opacus)、ロドコッカス ジョスティ(Rhodococcus jostii)、ロドコッカス イムテケンシス(Rhodococcus imtechensis)及びロドコッカス エクイ(Rhodococcus equi)などのロドコッカス属細菌由来のタンパク質も挙げられる。
より具体的には、ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J1,ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)PR4(NBRC 100887),SK121,ロドコッカス ピリジノボランス(Rhodococcus pyridinovorans)AK37,ロドコッカス オパカス(Rhodococcus opacus)B4,ロドコッカス ジョスティ(Rhodococcus jostii)RHA1,ロドコッカス イムテケンシス(Rhodococcus imtechensis),ロドコッカス エクイ(Rhodococcus equi)103S,ATCC33707,ロドコッカス スピーシーズ(Rhodococcus sp.)DK17,JVH1,P14等由来のタンパク質が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。以下は本発明の例示であって本発明を限定する趣旨ではない。本明細書において「%」は、「w/v」を意味するものとする。
[実施例1:無細胞タンパク質合成系によるRrhJ1IIヌクレアーゼの生産]
(1)無細胞タンパク質合成系の鋳型DNAの作製
参考例1〜3で調製したプラスミドpBRrhJ1IIのORF1をターゲットとして、N末端にHis−tag、C末端にStrept−tagが付加するよう、配列番号3、4に示すプライマーを設計して一次PCRを行った。
反応液組成
鋳型DNA(pBRrhJ1II) 1μl
10×ExTaq Buffer(タカラバイオ社)10μl
30μM プライマーHIS(配列番号3) 1μl
30μM プライマーSTREP(配列番号4) 1μl
2.5mM dNTP 8μl
DMSO 10μl
滅菌水 68μl
ExTaq DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社) 1μl
総量 100μl
温度サイクル
94℃:60秒、50℃:60秒および72℃:60秒の反応を30サイクル。
その後、転写開始シグナルを付加するために配列番号5、6に示すプライマーを設計し、一次PCR産物を鋳型として二次PCRを行った。
反応液組成
鋳型DNA(一次PCR産物) 1μl
10×ExTaq Buffer(タカラバイオ社)10μl
30μM プライマーNH(配列番号5) 1μl
30μM プライマーCS(配列番号6) 1μl
2.5mM dNTP 8μl
DMSO 10μl
滅菌水 68μl
ExTaq DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社) 1μl
総量 100μl
温度サイクル:94℃:60秒、50℃:60秒および72℃:60秒の反応を30サイクル。
二次PCRにて得られたDNA断片を鋳型DNAとして、EasyXpress Protein Synthesis Kit(QIAGEN社製)を用い、添付のマニュアルにしたがってタンパク質の翻訳を行い、クルードライセートを得た。
得られたクルードライセート中に発現したタンパク質を、Ni−NTA Magnetic Agarose Beads(QIAGEN社製)とStrep−tactin Magnetic Beads(QIAGEN社製)を用いて精製した。
精製したサンプルをウェスタンブロッティングに供した後、Penta−His HRP Conjugate Kit(QIAGEN社製)またはStrep−tag Antibody(QIAGEN社製)を用いた化学発光法にてタンパク質を検出した。
(2)ニッキング酵素活性の確認
(1)で調製した無細胞タンパク質合成系精製サンプルを用いて、ニッキング酵素活性を調べた。
基質としてpBR322プラスミド0.25μgを使用し、無細胞タンパク質合成系精製サンプルをNEB4緩衝液(New England BioLab社)とともに加え、37℃で2時間インキュベートした。サンプリングした反応液はフェノール処理を行い、電気泳動に供した。用いた基質DNAは、RrhJ1IIヌクレアーゼによりニックが入ると約9kbの位置にバンドが出現する。
結果を図1に示す。図中、「M」は分子量マーカーを示す。「1」は無細胞タンパク質合成系精製サンプルを添加して行った実験結果を、「NC」は添加しないで行った実験結果を示す。「1」では、約9kbの位置に、ニックが入った基質DNAのバンドが出現し、RrhJ1IIヌクレアーゼがニッキング酵素活性を有することが確認された。
[実施例2:大腸菌組換体によるRrhJ1IIヌクレアーゼの生産]
(1)RrhJ1IIヌクレアーゼ発現ベクターの構築
RrhJ1IIヌクレアーゼを得るために、参考例1で得られたJ1菌染色体DNAを鋳型として使用し、以下に示す反応液組成およびプライマーを用いてPCRを行った。この際、RrhJ1IIヌクレアーゼをHis−tag融合タンパクとして発現させるため、RrhJ1IIヌクレアーゼ遺伝子上流にSD配列とHis−tag配列を付加した。
反応液組成
鋳型DNA(J1菌染色体DNA) 1μl
2×PCR Buffer KOD FX(東洋紡) 25μl
10μMプライマーN(配列番号7) 1.5μl
10μMプライマーC(配列番号8) 1.5μl
2mM dNTP 10μl
KOD FX DNAポリメラーゼ(東洋紡) 1μl
総量 50μl
温度サイクル:94℃:120秒、98℃:10秒および68℃:1分の反応を30サイクル。
反応終了後、反応液5μlを1%アガロースゲルにおける電気泳動に供し、約0.5kbのPCR産物の検出を行った。PCR産物を確認した後、反応液からPCR産物をDNA/RNA extaction Kit(VIOGENE社)で精製した。
得られたPCR産物を、制限酵素EcoRIとHindIIIで切断した。制限酵素処理を行ったPCR産物を1%アガロースゲルにおける電気泳動に供し、約0.5kb付近のバンドを回収した。
回収したPCR産物をベクターpUC18のEcoRI−HindIII部位に連結し、プラスミドを作製した。得られたプラスミドをpRR01と名づけた。図2は、プラスミドpRR01の構造を示す模式図である。
プラスミドpRR01で大腸菌JM109を形質転換し、100μg/mlアンピシリン、1mM IPTG,50μg/ml X−galを含むLB寒天培地上でコロニーを形成させた。得られた白色のコロニーを100μg/mlアンピシリンを含むLB液体培地に植菌し、37℃で一晩培養した後Mini Plus Plasmid DNA Extraction kit(VIOGENE社)を使用してプラスミドを回収し、EcoRI−HindIIIによる切断とシークエンス解析を行って目的のDNA断片が挿入されていることを確認した。
(2)精製酵素の調製
(1)で作製したRrhJ1IIヌクレアーゼ発現ベクターを含む大腸菌組換体(JM109/pRR01)を、100μg/mlアンピシリンを含むLB液体培地10mlで37℃,5時間培養した後、1mlを100μg/mlアンピシリン、1mM IPTGを含むLB液体培地100ml、1本に植菌し、37℃,18時間培養した。
培養液を遠心分離によって回収し、回収した菌体を破砕用緩衝液(組成 20mM Sodium Phosphate,0.5M NaCl,20mM イミダゾール、10% グリセロール、pH7.4)に懸濁した後4℃で10分間超音波による破砕を行った。破砕液を遠心分離し、得られた上清を無細胞抽出液とした。
無細胞抽出液をHis−tag精製カラム(His Trap HP:GE Healthcare)を用いて精製した。精製タンパク質はElution Buffer(0.5M NaCl,0.5M イミダゾール、20mM Sodium Phosphate,10%グリセロール、pH7.4)にて溶出し、2つのフラクションに分画してフラクション1、フラクション2とした。
得られた精製サンプルをSDS−PAGEおよびHis−tag特異的抗体(GE Healthcare)を用いたウェスタンブロッティングに供し、目的タンパク質が精製されていることを確認した。SDS−PAGEの結果を図3Aに、ウェスタンブロッティングの結果を図3Bに示す。図中、A,Bの「1」は分子量マーカー(BioRad Prestained Standard Broad)、「4」はポジティヴコントロール(His×6融合タンパク質、12kDa)である。SDS−PAGEの結果、フラクション1(A「2」)とフラクション2(A「3」)で約25kDa付近にバンドが出現し、His−tag特異的抗体を用いたウェスタンブロッティングにより、目的タンパク質であることを確認した(B「2」「3」)。
[実施例3:酵素活性の解析]
(1)ニッキング酵素活性の確認
実施例2で調製した精製酵素を用いて、RrhJ1IIヌクレアーゼの活性を調べた。
基質としてpBR322プラスミド43.8ngを使用し、精製酵素を緩衝液L、M、H、A、BまたはS(すべてニッポンジーン社)とともに加え、37℃で1時間インキュベートした。サンプリングした反応液はフェノール処理を行い、電気泳動に供した。用いた基質DNAは、RrhJ1IIヌクレアーゼによりニックが入ると約9kbの位置にバンドが出現する。
結果を図4に示す。図中、「M」は分子量マーカーを示し、「−」は酵素を添加しないで行った実験結果を示す。電気泳動の結果、酵素を添加したサンプル(「L」、「M」、「H」、「A」、「B」、「S」)はいずれも約9kbの位置にバンドが出現した。この結果より、RrhJ1IIヌクレアーゼが、ニッキング酵素活性を有していることが確認された。
(2)ミスマッチを有さない二本鎖DNAに対するニッキング酵素活性と認識配列の解析
閉環状pBR322を基質として、10mM Tris−HCl (pH7.5)、10mM MgCl2、0.1mg/ml BSAを含む20μlの反応液で、37℃で90分間酵素反応を行った。反応後のサンプルを、アガロースゲルを用いて分離した。
結果を図5に示す。図中「M」は分子量マーカー、「‐」は酵素無添加、「+」は酵素添加のサンプルを示す。閉環状のpBR322は開環状へと変換し、RrhJ1IIヌクレアーゼはミスマッチをもたない二本鎖DNAに対してニッキング酵素活性を示した。
さらに、ニッキング酵素活性の塩基配列特異性を明らかにするため、pBR322の塩基配列上の異なる部分配列(50bp)を有するオリゴDNAを合成し、オリゴDNAを基質として酵素反応を行った。オリゴDNAのうちの片方の鎖の5´末端をビオチンで標識し、10mM Tris−HCl(pH7.5)、10mM MgCl2、5mM MnCl2、0.1mg/ml BSAを含む10μlの反応液で、37℃で18時間酵素反応を行った。反応後のサンプルを、変性ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動した後、化学発光法を用いて検出した。
結果を図6に示す。図B中「M」は分子量マーカー(20mer)、「‐」は酵素無添加、「+」は酵素添加のサンプルを示す。Aに示すオリゴDNA1は、Bに示すように切断されて20mer以上のDNA断片が生成した。また、Aに示すオリゴDNA2は、Bに示すように切断されて20merDNA断片が生成した。この結果から、RrhJ1IIヌクレアーゼは、オリゴDNA1及びオリゴDNA2の共通配列である配列番号1の塩基配列を認識して切断すると考えられた。さらに、生成したDNA断片のサイズから、RrhJ1IIヌクレアーゼは、配列番号1の塩基配列中の「CAG」で示す3塩基を含む配列を認識してその近傍を切断している可能性が示唆された。
(3)ミスマッチ塩基対の認識特異性の解析
40merと29merの一本鎖DNAをアニーリングさせて、T/Gミスマッチを1ヶ所持つ一本鎖突出の基質を調製した。基質は、T/Gミスマッチの5´側の塩基をA、G、T、Cの4種類としたもの、3´側の塩基をA、G、T、Cの4種類としたものの合計16種類を作成した。
10mM Tris−HCl (pH7.5)、10mM MgCl2、5mM MnCl2、0.1mg/ml BSAを含む20μlの反応液で、37℃で一晩酵素反応を行った。反応生成物をDNA/RNA分析用マイクロチップ電気泳動装置MultiNA(Shimadzu MCE−202)を用いて解析した。
結果を図7に示す。図中「M」は分子量マーカー(20mer)、「‐」は酵素無添加、「+」は酵素添加のサンプル、「P」は20merの一本鎖DNAを示す。T/Gミスマッチの5´側及び3´側に位置する塩基を変化させた16種類の基質すべてから、T/Gミスマッチ部位で切断された20merのDNA断片が生成した。この結果から、RrhJ1IIヌクレアーゼは、T/Gミスマッチを含む3塩基対に対して認識特異性を示さず、全てのT/Gミスマッチを切断することが明らかとなった。
[参考例1:J1菌染色体DNAの調製]
ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1株を100mlのMYKG培地中、30℃にて72時間振盪培養した。
培養後、集菌し、集菌された菌体をSaline−EDTA溶液(0.1M EDTA,0.15M NaCl(pH8.0))4mlに懸濁した。懸濁液にリゾチーム40mgを加えて37℃で1〜2時間振盪した後、−20℃で凍結した。
次に、10mlのTris−SDS液(1%SDS,0.1M NaCl,0.1M Tris−HCl(pH9.0))を穏やかに振盪しながら加え、さらにプロテイナーゼK(10mg/ml)を10μl加えて37℃で1時間振盪した。
次に、等量のTE(10mM Tris−HCl,1mM EDTA(pH8.0))飽和フェノールを加え、攪拌後、遠心した。上層を採取し、2倍量のエタノールを加えた後、ガラス棒でDNAを巻き取り、90%,80%,70%のエタノールで順次フェノールを取り除いた。
次に、DNAを3mlのTE緩衝液に溶解させ、リボヌクレアーゼA溶液(100℃,15分間の加熱処理済)を10μg/mlになるように加え、37℃で30分間振盪した。さらに、プロテイナーゼKを加え37℃で30分間振盪した後、等量のTE飽和フェノールを加えて遠心し、上層と下層に分離させた。
上層についてこの操作を2回繰り返した後、同量のクロロホルム(4%イソアミルアルコール含有)を加え、同様の抽出操作を繰り返した。その後、上層に2倍量のエタノールを加え、ガラス棒でDNAを巻き取り回収し、染色体DNA標品を得た。
[参考例2:RrhJ1IIヌクレアーゼ遺伝子のPCR]
RrhJ1IIヌクレアーゼ遺伝子をPCRで増幅するためのプライマーを以下の方法で設計した。図8はロドコッカス属細菌の産生するヌクレアーゼのアミノ酸ホモロジー解析結果を示す。図中でホモロジー解析を行ったヌクレアーゼとその由来は以下のとおりである。
A:DNA mismatch endonuclease Vsr(Rhodococcus equi ATCC33707)
B:NaeI very short patch repair endonuclease(Rhodococcus erythropolis SK121)
C:Very short patch repair protein(Rhodococcus jostii RHA1)
D:DNA mismatch endonuclease (Rhodococcus erythropolis PR4)
E:DNA mismatch endonuclease(Rhodococcus opacus B4)
特に保存されている2つの領域を選んで配列番号9、10のデジェネレイトプライマーを設計し、参考例1で調製したJ1菌ゲノムDNAを鋳型としてデジェネレイトPCRを以下の条件で実施した。その結果、約350bのバンドの増幅が確認された。
反応液組成
鋳型DNA(J1菌染色体DNA,参考例1) 1μl
10×Ex Buffer(タカラバイオ社) 10μl
150μMプライマーDG−01(配列番号9) 1μl
150μMプライマーDG−02(配列番号10) 1μl
2.5mM dNTP 8μl
DMSO 10μl
滅菌水 18μl
ExTaq DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社) 1μl
総量 50μl
温度サイクル:94℃:30秒、65℃:30秒および72℃:1分の反応を30サイクル。
次に、増幅された配列のダイレクトシークエンシングをPCRで使用したプライマーを用いて実施した。その結果、配列番号11に示す配列が得られ、ホモロジー検索の結果、前述のエンドヌクレアーゼとの相同性が認められた。
[参考例3:RrhJ1IIヌクレアーゼ遺伝子のクローニング]
(1)ゲノミックサザンハイブリダイゼーション
ApaLI,BamHI,ClaI,Eco52I,EcoT14I,KpnI,MluI,NcoI,NotI,PvuI,SacI,XbaI,XhoIそれぞれで消化したJ1菌ゲノムDNAに対し、後述の方法で調製したRrhJ1IIのプローブを用いてサザンハイブリダイゼーションを行ったところ、Eco52Iで消化した断片から、約1.2kbの単一シグナルが得られた。
なお、RrhJ1IIのプローブは以下のようにして調製した。参考例2で調製したPCR産物をGFX PCR DNA band and Gel Band Purification kit(GEヘルスケア バイオサイエンス社)を用いて精製した。精製したPCR産物に対してAlkPhos Direct Labeling kit(GEヘルスケア バイオサイエンス社)を用い、添付のマニュアルにしたがってラベリングを行い、RrhJ1IIのプローブとした。
(2)コロニーハイブリダイゼーション
J1菌ゲノムDNAを制限酵素Eco52Iで分解して0.7%アガロースゲル電気泳動で分離し、ゲルからGFX PCR DNA band and Gel Band Purification kit(GEヘルスケア バイオサイエンス社)を使用して約1.2kbの断片を回収した。得られた断片は、pBluescriptII SK(+)ベクター(Stratagene社製)にDNA ligation kit<Mighty mix>(タカラバイオ社製)を用いて連結した。反応条件は以下の通りである。
反応液組成:
ligation mighty mix(タカラバイオ社製) 5μl
J1菌ゲノムDNA/Eco52I切断断片 4μl
pBluescriptII SK(+)/Eco52I切断断片 1μl
総量 10μl
反応:16℃,1時間
上記ライゲーション産物の全量を、後述の方法で調製した大腸菌JM109株コンピテントセル200μlに加え、0℃で30分放置した。続いて、前述コンピテントセルに42℃で45秒間ヒートショックを与え、0℃で2分間冷却した。
その後、SOC培地(20mMグルコース、2%バクトトリプトン、0.5%バクトイーストエキス、10mM NaCl,2.5mM KCl,1mM MgSO4,1mM MgCl2)を1ml添加し、37℃にて1時間振盪培養した。培養後の培養液を200μlずつ、LB AIXプレート(100μg/lアンピシリン、100μM IPTG,50μg/l X−galを含むLB寒天培地)に塗布し、37℃で一晩放置した。
プレート上に生育した白色の組換コロニーを新しいLB AIXプレートに、プレート1枚に付き94個、プレート10枚分単離した。各プレートにはインサートを含まないpBluescriptII SK(+)で形質転換したJM109株を2コロニー/プレート植菌した。コロニー単離したプレートを37℃で一晩放置した後、Hybond−N+(GEヘルスケア バイオサイエンス社)膜にコロニーを写し取り、上記(1)で調製したRrhJ1IIのプローブを用いてコロニーハイブリダイゼーションを行った。
検出されたコロニーを培養して得られた培養液を集菌後、QIAprep miniprep kit(QIAGEN社製)を用いて組換えプラスミドを回収した。キャピラリーDNAシーケンサーCEQ2000(ベックマン・コールター社製)を用いて、添付のマニュアルに従って、プラスミド中にクローニングされているゲノムDNA断片の塩基配列を解析した。
その結果、配列番号12に示される塩基配列が得られた。配列番号12に示される塩基配列中に、配列番号2のアミノ酸配列をコードする450bpのオープンリーディングフレーム(ORF1)を見出した。このORF1がコードするアミノ酸配列は、図8中に示したA〜Eのロドコッカス属細菌由来エンドヌクレアーゼに対して87%〜89%の相同性を持っていることから、ORF1はエンドヌクレアーゼをコードしていることが推定されたため、ORF1のコードするエンドヌクレアーゼをRrhJ1IIヌクレアーゼと命名した。また、ORF1を含むプラスミドをpBRrhJ1IIと命名した。
なお、大腸菌JM109株のコンピテントセルは以下の方法で調製した。大腸菌JM109株をLB培地1mlに接種し、37℃で5時間好気的に前培養した。次に、前培養液0.4mlをSOB培地40ml(2%バクトトリプトン、0.5%バクトイーストエキス、10mM NaCl,2.5mM KCl,1mM MgSO4,1mM MgCl2)に加え、18℃で20時間培養した。
得られた培養物を遠心分離(3,700×g,10分間、4℃)により集菌した後、冷TF溶液(20mM PIPES−KOH(pH6.0),200mM KCl,10mM CaCl2,40mM MnCl2)を13ml加え、0℃で10分間放置し、再度遠心分離(3,700×g,10分間、4℃)して上清を除いた。得られた大腸菌菌体を冷TF溶液3.2mlに懸濁し、0.22mlのジメチルスルホキシドを加え、0℃で10分間放置した後、液体窒素を用いて凍結したものをコンピテントセルとした。
本発明に係るニック導入方法によれば、二本鎖DNAの塩基配列中の特定の部位にニックを導入できる。従って、本発明に係るニック導入方法は、遺伝子工学の分野で有用であり、鎖置換型恒温核酸増幅や、染色体DNAの蛍光標識による可視化、生体内遺伝子ターゲティングのための相同組換えを誘発するための一本鎖DNA切断反応などに利用できる。

Claims (7)

  1. ニッキング酵素活性を有するタンパク質を用いて二本鎖デオキシリボ核酸の所定の部位にニックを導入する方法であって、
    前記二本鎖デオキシリボ核酸の塩基配列中に存するチミン/グアニン(T/G)ミスマッチ部位、及び/又は、
    前記二本鎖デオキシリボ核酸中に存する配列番号1に記載の塩基配列中の部位、
    に前記ニックを導入することを特徴とする方法。
  2. 前記タンパク質が、ロドコッカス属(Rhodococcus. sp)細菌由来である請求項1記載の方法。
  3. 前記ロドコッカス属細菌が、ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)、ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)、ロドコッカス ピリジノボランス(Rhodococcus pyridinovorans)、ロドコッカス オパカス(Rhodococcus opacus)、ロドコッカス ジョスティ(Rhodococcus jostii)、ロドコッカス イムテケンシス(Rhodococcus imtechensis)及びロドコッカス エクイ(Rhodococcus equi)のいずれかである請求項2記載の方法。
  4. 前記タンパク質が、以下の(A)、(B)又は(C)のタンパク質である請求項3記載の方法。
    (A)配列番号2記載のアミノ酸配列を含むタンパク質。
    (B)配列番号2記載のアミノ酸配列と同一性が80%以上のアミノ酸配列からなるタンパク質。
    (C)配列番号2記載のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、付加もしくは挿入されたアミノ酸配列を含む、タンパク質。
  5. 塩基配列中にT/Gミスマッチを有する二本鎖デオキシリボ核酸と、前記タンパク質と、を接触させて、
    T/Gミスマッチのチミン(T)の5´側に前記ニックを導入する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 塩基配列中にミスマッチを有さないプラスミドと、前記タンパク質と、を接触させて、
    前記プラスミド中に存する配列番号1に記載の塩基配列中の部位に前記ニックを導入する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 二本鎖デオキシリボ核酸の塩基配列中に存するチミン/グアニン(T/G)ミスマッチ部位、及び、
    二本鎖デオキシリボ核酸中に存する配列番号1に記載の塩基配列中の部位、
    にニックを導入するニッキング酵素活性を有するタンパク質。
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