以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成の一例を示す側面図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能等の機能を兼ね備えたものである。画像形成装置1は、画像形成部100、原稿読取部4及び給紙部5を備えた装置本体2と、この装置本体2の上部に設置された原稿押えを兼用する原稿搬送機構3と、装置本体2の下部に設置された給紙部5と、装置本体2の一側辺部に設置されたフィニッシャ(本発明に係る後処理機器)の一例)6とからなる。
原稿搬送機構3は、原稿載置部301と、搬入ローラ対等を備えた搬入駆動部302と、搬送ローラ対303と、排出ローラ対304と、排紙台305と、原稿の有無を検出する原稿検出スイッチ306とを備え、原稿載置部301に載置された原稿を自動的に一枚ずつコンタクトガラス402に接触させつつ搬送し、原稿の露光走査後に排紙台305に排出するものである。
原稿読取部4は、光学的に取得した原稿の画像から画像データを生成するスキャナ部(図略)等からなり、その上面にコンタクトガラス401とコンタクトガラス402とを備える。そして、原稿読取部4は、コンタクトガラス401上に載置された原稿、あるいは原稿搬送機構3によってコンタクトガラス402に接するようにして搬送される原稿から得られた画像データをスキャナ部で読み取って、後述するメイン制御部10(図2参照)に出力する。
給紙部5は、サイズ、縦横向きの種類毎の用紙が収納される給紙カセット501,502および手挿し給紙部503を備える。また、給紙部5は、給紙カセット501,502から画像形成部100へ用紙を搬送する搬送路504と、手挿し給紙部503から画像形成部100へ用紙を搬送する搬送路505とを備える。各給紙カセット501,502および手挿し給紙部503は、収納されている用紙(記録紙)を取り出すためのピックアップローラ506,507,508と、用紙を1枚ずつ搬送路に送り出す給紙ローラ対509,510,511とを備える。
搬送路504は、用紙を搬送する搬送ローラ対512,513と、画像形成部100の手前で搬送されてくる用紙を所定位置に待機させるためのレジストローラ対514とを備える。また、搬送路505は、レジストローラ対514の上流側で搬送路504と合流している。
画像形成部100は、回転可能に支持されたドラム状の感光体101と、この感光体101の周囲に配設された帯電部102と、現像部103と、クリーニング部104と、レーザ走査ユニット105と、転写ローラ106と、定着ローラ対107とを備えている。帯電部102は、感光体101の表面を所定電位に均一に帯電させるものである。レーザ走査ユニット105は、メイン制御部10(図2参照)から送信された画像データに基づきレーザービームを感光体101の表面に照射し、感光体101表面に静電潜像を形成するものである。
また、現像部103は、静電潜像にトナーを付着させて画像を顕在化させるものであり、転写ローラ106は、顕在化したトナー像を用紙に転写するものであり、定着ローラ対107は、用紙に転写されたトナー像を定着させるものである。また、クリーニング部104は、画像転写後に感光体101の表面に残留しているトナーを清掃するものである。
また、装置本体2の上部には、用紙排出部108が設けられ、定着ローラ対107から搬送されてきた用紙が、排出ローラ対109により搬送され、用紙排出部108に排出される。また、排出ローラ対110は、定着ローラ対107から搬送されてきた用紙をフィニッシャ6に排出するもので、メイン制御部10からの制御信号に応じて駆動される排出分岐ガイド111により、用紙の排出方向を排出ローラ対109側と排出ローラ対110側とに切り換え可能になっている。
また、記録紙の両面に画像を形成する場合は、画像形成部100で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出ローラ対109にニップされた状態とする。この状態で排出ローラ対109を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って画像形成部100の上流域に再度搬送し、画像形成部100により他方の面に画像を形成した後、記録紙を用紙排出部108に排出、又はフィニッシャ6に搬送する。
装置本体2から排出された記録紙は、フィニッシャ6において、パンチ処理、ステイプル処理及びソート処理等が行われる。これらの処理を終えた記録紙は、排出トレイ(排出部)61に排出されるようになっている。排出トレイ61の上部には、記録紙束の上下又は中間に挿入するための記録紙(インサートペーパ)が載置されるインサートトレイ(載置部)62と、このインサートトレイ62に載置された記録紙の挿入先となる記録紙束が載置される記録紙束載置トレイ(載置部)63と、記録紙束載置トレイ63に載置された記録紙束から抜き出されて廃棄の対象となる記録紙が収容される廃紙トレイ(排出部)64とが設けられている。
フィニッシャ6の搬入口601には、装置本体2の排出ローラ対110によって搬送されてきた記録紙と、インサートトレイ62から搬送されてきた記録紙と、記録紙束載置トレイ63から搬送されてきた記録紙とが搬入される。
インサートトレイ62に載置されているインサートペーパは、給紙ローラ621〜624によって搬入口601まで搬送される。記録紙束載置トレイ63に載置された記録紙束をなす記録紙は、給紙ローラ625、623、624によって搬入口601まで搬送される。
フィニッシャ6では、上記の排出ローラ対110、給紙ローラ621〜625のそれぞれの回転駆動を制御することによって、装置本体2から排出される記録紙と、インサートトレイ62に載置されているインサートペーパと、記録紙束載置トレイ63に載置された記録紙束をなす記録紙とのいずれかを選択的に、搬入口601に搬送させることができるようになっている。なお、搬入口601を通過した記録紙は、搬送ローラ680によって搬送される。
搬入口601の記録紙搬送方向下流側には、搬送路切換機構602が設けられている。搬送路切換機構602は、ソレノイド等によって駆動され、搬入口601から続く用紙搬送路を、廃紙トレイ64に繋がる用紙搬送路640と、排出トレイ61に繋がる用紙搬送路610とのいずれかに分岐するものである。なお、廃紙トレイ64に繋がる用紙搬送路640側に搬送された記録紙は搬送ローラ631によって廃紙トレイ64に排出され、排出トレイ61に繋がる用紙搬送路610側に搬送された記録紙は搬送ローラ611によって排出トレイ61に排出されるようになっている。
搬送路切換機構603は、搬入口601から続く用紙搬送路を、排出トレイ61に繋がる用紙搬送路610と、ステイプル処理等を行うための機構650に続く用紙搬送路612とのいずれかに分岐するものである。
搬入口601を通過した記録紙を排出トレイ61に排出する場合は、搬送路切換機構602は用紙搬送路640側を遮断し、搬送路切換機構603は用紙搬送路612を遮断して、記録紙を排出トレイ61側に案内する。また、搬入口601を通過した記録紙を廃紙トレイ64に排出する場合は、搬送路切換機構602は用紙搬送路610側を遮断して、記録紙を廃紙トレイ64側に案内する。なお、搬入口601を通過した記録紙を機構650側に搬送させる場合は、搬送路切換機構602は用紙搬送路640側を遮断し、搬送路切換機構603は用紙搬送路610を遮断して、記録紙を機構650側に案内する。
上述した排出ローラ対110、給紙ローラ621〜625、搬送ローラ680及び611の回転駆動制御と、搬送路切換機構602、603の切換制御とにより、装置本体2から搬送されてきた記録紙と、インサートトレイ62に載置されているインサートペーパと、記録紙束載置トレイ63に載置された記録紙束をなす記録紙とを、排出トレイ61又は廃紙トレイ64に自在に振り分けることができるようになっている。
図2は、画像形成装置1の電気的な構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、装置本体2には、装置全体の動作制御を司るメイン制御部10が備えられている。このメイン制御部10は、図略のCPU(Central Processing Unit:中央演算処理部)に、そのCPUの動作を規定するプログラムを格納するROM(Read Only Memory)やデータを一時的に保管する機能や作業領域としての機能を有するRAM(Random Access Memory)、並びに一時的にデータを保管するRAM等の記憶部などの周辺装置を有して構成されており、露光ランプ41及びCCD42等からなる原稿画像の読み取りが可能な原稿読取部4と、画像形成部100とが接続されている。また、メイン制御部10には、原稿読取部4で読み取られた文書データが一時的に保存される等の作業領域として使用されたり文書データを保存したりする記憶部71とが接続されている。
画像処理部73は、原稿読取部4による原稿読み取り時には、原稿読取部4から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像に変換し、画質を向上させる画像処理を施した後、圧縮画像に変換する。この圧縮画像は記憶部71に書き込まれる。メイン制御部10は、記憶部71に書き込まれた圧縮画像を、文書管理の対象となるファイルデータとして記憶部71に格納する。また、登録文書のプリントアウト時には、記憶部71又はネットワーク上の各コンピュータから、プリントアウト対象のファイルデータ(圧縮画像)が記憶部71に書き出され、画像処理部73は、当該圧縮されたファイルデータを伸張処理し、出力状態に応じた画像処理を施し、例えばレーザ露光の場合には、レーザ信号にアナログ変調する。このアナログ変調された信号に基づいて画像形成部100でプリントアウトが行われる。
原稿搬送機構3は、装置本体2内の用紙搬送路に設けられている搬送ローラ及びその駆動部からなり、給紙部5から給紙された記録紙を画像形成部100まで搬送し、画像形成を終えた記録紙を用紙排出部108又はフィニッシャ6に搬送する。
また、メイン制御部10は、装置本体2が実行可能な各機能を制御するスキャナコントローラ、ファクシミリコントローラ、プリンタコントローラ、コピーコントローラ、ネットワークコントローラ及びフィニッシャコントローラとして機能する。
スキャナコントローラは、原稿読取部4の動作に必要な各部の動作制御を行うものである。ファクシミリコントローラは、ファクシミリ動作に必要な各部の動作制御を行うものであり、ファクシミリ通信に必要なデータの調整を行うファクシミリ通信部74を制御する。ファクシミリ通信部74には、データ送受信相手である相手先ファクシミリとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)が備えられている。コピーコントローラは、コピー動作に必要な各部の動作制御を行うものである。
プリンタコントローラは、プリンタ動作に必要な各部の動作制御を行うものである。このプリンタコントローラには、複数の信号線を用いて同時に数ビットまとめてデータを送るパラレル伝送で外部機器と接続するパラレルI/F部75と、単一の信号線を用いて1ビットずつ順次データを送るシリアル伝送で外部機器と接続するシリアルI/F部76とが接続されている。
ネットワークコントローラは、本画像形成装置1とネットワーク上のコンピュータ等との間で行われるデータ送受信を制御するものである。ネットワークコントローラは、ネットワークI/F部77を介して外部とデータを送受信させる。
フィニッシャコントローラ17は、操作パネル部78の操作キー部781に入力された指示に従って、フィニッシャ6のフィニッシャ制御部60に制御指示を送出し、装置本体2から排出される記録紙と、インサートトレイ62に載置されているインサートペーパと、記録紙束載置トレイ63(図1参照)に載置された記録紙束をなす記録紙とを、排出トレイ61又は廃紙トレイ64に自在に振り分けて搬送させる制御を行う。
また、操作者から各種の操作指示が入力される操作パネル部78が装置本体2に備えられており、この操作パネル部78もメイン制御部10によって制御される。操作キー部781は、操作者によって印刷実行指示が入力されるスタートキーや、印刷部数等を入力するためのテンキー等からなる。ユーザが当該操作キー部781を操作することで、後述する記録紙束の再構成処理の際に必要となる、記録紙束の部数、各記録紙束の頁数、各記録紙束における削除頁又は取り換え頁等の数値が入力される。表示部782は、各種複写動作の操作ガイド情報等を表示し、各種設定入力用にタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等からなる。
フィニッシャ6もメイン制御部10によって制御される。フィニッシャ6では、フィニッシャ制御部60がメイン制御部10から受け取った制御信号に従って、フィニッシャ6の各部が動作制御される。フィニッシャ制御部60には、搬入口601付近の記録紙を搬送する搬送ローラ680を駆動する搬送ローラ駆動部6800と、インサートトレイ62からのインサートペーパ又は記録紙束載置トレイ63からの記録紙を給送する給紙ローラ622〜624を駆動する給紙ローラ駆動部6220と、インサートトレイ62からインサートペーパを給紙する給紙ローラ621を駆動するインサート用給紙ローラ駆動部6200と、記録紙束載置トレイ63に載置された記録紙を搬送する給紙ローラ625を駆動する記録紙束搬送ローラ駆動部6300と、排出トレイ61に記録紙を搬送する搬送ローラ611を駆動する排出用搬送ローラ駆動部6100と、廃紙トレイ64に記録紙を搬送する搬送ローラ631を駆動する廃紙搬送ローラ駆動部6400とが接続されている。これら各駆動部は、装置本体2のフィニッシャコントローラからの制御信号に基づいて、フィニッシャ6側のフィニッシャ制御部60によって動作制御される。
また、搬送路切換機構602及び603を駆動する切換機構駆動部6020も、装置本体2のフィニッシャコントローラからの制御信号に基づいて、フィニッシャ6側のフィニッシャ制御部60によって動作制御される。
なお、フィニッシャ6側に操作部を設け、このフィニッシャ6側の操作部から、ユーザによって、記録紙束の再構成処理の際に必要となる記録紙束の部数、各記録紙束の頁数、各記録紙束における削除頁又は取り換え頁等の数値が入力され、この入力された内容に基づいて、フィニッシャ制御部60が制御するようにしてもよい。
サブ制御部90は、図略のCPU(Central Processing Unit:中央演算処理部)に、そのCPUの動作を規定するプログラムを格納するROM(Read Only Memory)やデータを一時的に保管する機能や作業領域としての機能を有するRAM(Random Access Memory)、並びにデータを一時的に保管するRAM等の記憶部などの周辺装置を有して構成されている。
サブ制御部90は、メイン制御部10に比して回路規模が小さく、メイン制御部10との間で通信可能に構成されている。サブ制御部90は、主に、後述するスリープモードに設定されているときにも必要な処理を実行するものである。
コントローラ80は、当該画像形成装置1と外部機器との間のインターフェースとして機能するとともに、原稿読取部4、画像形成部100、メイン制御部10、サブ制御部90及び操作パネル部78等の当該画像形成装置1の各部への電力供給のオンオフを切り替える機能を有する。コントローラ80は、後述するように前記モード切替部としての機能を有する。
次に、本実施形態の特徴部分について説明する。
本実施形態の画像形成装置1は、外部機器から当該画像形成装置1に画像データが入力されたり、操作パネル部78により画像形成指示などが行われたりすると速やかに動作が実行可能なスタンバイ状態となるように、当該画像形成装置1の各部に予め定められた電力が供給される通常モードの他に、スリープモードが設けられている。スリープモードは、例えば操作パネル部78に設けられているスリープモード設定ボタン7811(図2参照)が操作された場合や、当該画像形成装置1に対して所定時間何も操作されなかった場合等に通常モードから切り替えられるモードであり、前記通常モードのときに比して電力が供給される対象の数が少なく、当該画像形成装置1の各部のうち一部に対してのみ電力が供給されるモードである。スリープモードでは、サブ制御部90及び操作パネル部78への電力供給は継続され、メイン制御部10や画像形成部100等、図2の破線で囲まれた領域に含まれる各部への電力供給は遮断される。
そして、本実施形態では、このスリープモードに設定されている時間に応じて、該スリープモードから通常モードに移行したときのフィニッシャ6を含む各部のイニシャル動作の要否判断を行うようにしている。本実施形態で行われるイニシャル動作は、前記各部に搭載されているモータ等の駆動部や該駆動部により駆動されるローラ等の被駆動部について動作確認を行うものであり、例えばフィニッシャ6におけるイニシャル動作としては、給紙ローラ621〜625、搬送ローラ680,611,631の回転動作、搬送路切換機構602,603の切換動作等が含まれ、原稿搬送機構3におけるイニシャル動作としては、搬入駆動部302、搬送ローラ対303及び排出ローラ対304の回転動作等が含まれる。
また、これらの他、給紙部5のピックアップローラ506〜508及び給紙ローラ対509〜511の回転動作、搬送路504の搬送ローラ対512,513及びレジストローラ対514の回転動作、画像形成部100の感光体101、転写ローラ106及び定着ローラ対107の回転動作、排出ローラ対109,110の回転動作等も前記イニシャル動作に含まれる。
このような機能を達成するべく、コントローラ80は、モード切替部81を機能的に有し、サブ制御部90は、モード検出部91と、計時部92と、計時時間情報送信部93とを機能的に有し、メイン制御部10は、計時時間情報受信部11と、判断部12と、イニシャル動作指示部13とを機能的に有する。
モード切替部81は、当該画像形成装置1のモードを前記通常モードとスリープモードとの間で切り替えるものである。すなわち、モード切替部81は、操作パネル部78に備えられた図略のスリープモード設定ボタン7811が操作されたときや、当該画像形成装置1に対して所定時間何も操作がなされなかったとき、或いは、例えばパーソナルコンピュータやファクシミリ装置等の外部機器から画像データが所定時間送信されてこなかったときに、当該画像形成装置1の電力供給モードを通常モードからスリープモードに切り替える一方、スリープモードの設定中に原稿給送部5の回動操作や操作パネル部78に対して何らかの操作が行われたり、例えばパーソナルコンピュータやファクシミリ装置等の外部機器から画像データが送信されてきたりすると、当該画像形成装置1の電力供給モードをスリープモードから通常モードに切り替える。
モード検出部91は、メイン制御部10に供給されている電源電圧が印加される電力端子の電圧を所定の周期で監視することにより画像形成装置1の現在の電力供給モードを検出するものである。すなわち、モード検出部91は、前記電力端子の電圧が予め定められた閾値より大きいときには、メイン制御部10に電力供給が行われており、当該画像形成装置1の電力供給モードが通常モードに設定されているものと検出する一方、前記電力端子の電圧が予め定められた閾値以下のときには、メイン制御部10に電力供給が遮断されており、当該画像形成装置1の電力供給モードがスリープモードに設定されているものと検出する。
計時部92は、前記モード検出部91により当該画像形成装置1の電力供給モードがスリープモードに設定されているものと検出されている時間の計測動作を行うものであり、当該画像形成装置1の電力供給モードがスリープモードに移行すると計時動作を開始し、当該画像形成装置1の電力供給モードが通常モードに移行すると前記計時動作を終了する。
計時時間情報送信部93は、前記モード検出部91により当該画像形成装置1の電力供給モードが通常モードに切り替わったことが検出されると、計時部92により計測された時間情報(以下、計時時間情報という)をメイン制御部10に送信するものである。
計時時間情報受信部11は、前記モード切替部81により前記スリープモードから通常モードに切り替えられたときに、サブ制御部90(計時時間情報送信部93)から送信される前記計時時間情報を受信するものである。
判断部12は、前記計時時間情報受信部11により受信された計時時間情報に基づき、スリープモードに設定されていた間の経過時間が予め定められた閾値より短いか否かを判断するものである。前記閾値としては、例えば画像形成装置1内の各部に搭載された駆動部及び被駆動部の動作に悪影響を及ぼすような気温や湿度等の周囲環境の変化によって動作不良が生じる虞が少ないと考えられる時間、例えば8時間程度の時間が設定される。
イニシャル動作指示部13は、スリープモードに設定されていた時間が前記閾値以上のとき、時間の経過に伴う環境変化の影響に起因する各部の動作不良が発生している可能性が高いときには、当該画像形成装置1に備えられる各部に、画像形成動作を実行するためのイニシャル動作を実行させる一方、前記計時部92により計測された時間が前記閾値より小さいとき、時間の経過に伴う環境変化の影響に起因する各部の動作不良が発生している可能性が低い場合には、前記各部にイニシャル動作を実行させないものである。
図3は、前記モード切替に伴ってメイン制御部10とサブ制御部90とで行われる処理を示すフローチャートである。
図3に示すように、サブ制御部90のモード検出部91は、コントローラ80により当該画像形成装置1のモードが通常モードからスリープモードに切り替えられたことを、メイン制御部10における前記電力端子の電圧変化により検出すると(ステップ♯1でYES)、サブ制御部90の計時部92は、計時動作を開始する(ステップ♯2)。
次に、前記モード検出部91は、コントローラ80により当該画像形成装置1の電力供給モードがスリープモードから通常モードに切り替えられたことを、メイン制御部10における前記電力端子の電圧変化により検出すると(ステップ♯3でYES)、前記計時部92は、前記計時動作を終了し(ステップ♯4)、サブ制御部90の計時時間情報送信部93は、該計時動作で得られた計時時間の情報(計時時間情報)をメイン制御部10に送信する(ステップ♯5)。
一方、メイン制御部10は、起動すると(ステップ♯11でYES)、該メイン制御部10の計時時間情報受信部11は、前記計時時間情報をサブ制御部90から受信するまで待機する(ステップ♯12でNO)。そして、前記計時時間情報受信部11は、前記計時時間情報をサブ制御部90から受信すると(ステップ♯12でYES)、メイン制御部10の判断部12は、該計時時間情報が示す計時時間(スリープモードに設定されていた時間)が予め定められた閾値以上であるか否かを判断する(ステップ♯13)。
前記判断部12は、前記計時時間が前記閾値以上である、すなわち時間の経過に伴う環境変化の影響に起因する各部の動作不良が発生している可能性が高いと判断したときには(ステップ♯13でYES)、メイン制御部10のイニシャル動作指示部13は、当該画像形成装置1に備えられる各部に前記イニシャル動作を実行させる一方(ステップ♯14)、前記判断部12が前記計時時間が前記閾値より小さい、すなわち時間の経過に伴う環境変化の影響に起因する各部の動作不良が発生している可能性が低いと判断したときには(ステップ♯13でNO)、前記イニシャル動作指示部13は、ステップ♯14のイニシャル動作指示処理を実行しないで一連の処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、スリープモードに設定されている時間を計測し、前記計測時間が前記閾値より短い場合には前記イニシャル動作を実施しないようにしたので、必要性が低いときのイニシャル動作を実施しない分、従来のように、スリープモードから通常モードに移行すると必ずイニシャル動作を実施する構成に比して、イニシャル動作の実施頻度を抑制することができる。特に、フィニッシャ6では、多数のモータやローラが搭載されており、イニシャル動作時には、これらの部材に生じる振動、部材同士の摺接や衝突等によって比較的大きな動作音を発生するから、フィニッシャ6におけるイニシャル動作の実施が不要と考えられる場合には、該イニシャル動作を実施しないようにすることで、イニシャル動作の実施に起因して発生する動作音によってユーザに不快感を抱かせる機会を低減することができる。
また、前記計測時間が前記閾値以上の場合にはイニシャル動作を実施するようにしたので、時間の経過に伴う環境変化の影響による前記駆動部及び被駆動部の動作不良の有無を事前に確認することができる。
そして、前記サブ制御部90と前記スリープモードとを備えたので、画像形成装置1の省電力化を図ることができる。
なお、本件は、前記実施形態に代えて、又は前記実施形態に加えて次のような変形形態も採用可能である。
[1]前記実施形態では、サブ制御部90は、メイン制御部10の電力端子の電圧変化によりモードの切替を検出するようにしたが、この形態に限らず、通常モードからスリープモードに移行するときに、メイン制御部10からサブ制御部90にその旨の通知が行われるようにしてもよい。また、これとは別に、モード切替部81のモード信号を監視することでモードを検出するようにしてもよい。
[2]前記実施形態では、スリープモードに設定されていた時間が予め定められた時間より短いか否かの判断をメイン制御部10で行うようにしたが、サブ制御部90で行うようにしてもよい。この場合、サブ制御部90は、その判断結果を示す情報をメイン制御部10に送信し、メイン制御部10は、その情報にしたがってイニシャル動作の要否を判断する。