JP5191425B2 - 風車用騒音低減システム - Google Patents

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Description

本発明は、風車用騒音低減システムに係り、特に、能動制御により風車からの騒音を低減する風車用騒音低減システムに関する。
近年、世界的に温暖化対策の必要性が叫ばれている中で、我が国は京都議定書の削減目標の達成が危ぶまれ、温室効果ガスの削減対策は、喫緊の課題である。特に事務所ビルや商業施設等の民生業務部門から排出されるCO2は増加しており、削減に向けた対策を早急に強化する必要がある。その対策の一つとして、大型の風力発電装置の設置が急速に増えており、今後も多数の設置が予定されている。
このような状況の中で、大型風車から発生する低周波音や20Hz以下の超低周波音が健康や精神的な被害の原因とされ、問題視されている。
そこで、翼の形状を工夫したり、翼を傾けることで支柱と翼との間で発生する渦の発生を少なくしたり、発電機のギアをなくしたりするなど、多くの開発が行われている。例えば、風の力を受けて回転するブレードの騒音を測定し、測定された騒音の値によりブレードのピッチ角を制御する風車装置が知られている(特許文献1)。
特開2004−293527号公報
しかしながら、上記の翼を傾ける技術では、翼を傾けることにより、発電効率を低下させてしまう、という問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、風力による発電効率を低下させずに、風車からの騒音を低減することができる風車用騒音低減システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明に係る風車用騒音低減システムは、風の力を受けて回転する複数の翼と、前記翼が取り付けられたナセルと、前記翼及び前記ナセルを支持し、かつ、鉛直方向に伸びる柱状のタワーとを備え、前記風の向きに応じて前記翼の回転軸方向を変化させる風車の、前記翼より外側に配置され、前記風車と反対側に制御音を放音するスピーカと、前記翼より外側であって前記スピーカに対応して該スピーカより前記風車側の位置に配置され、かつ、前記風車からの騒音を集音し、集音した騒音に対応する音響信号を出力するマイクロホンと、前記風車の翼の回転軸方向に応じて、前記音響信号から、前記スピーカに対して前記風車と反対側における前記騒音を低減するための低減信号を生成する生成手段と、前記生成手段で生成された低減信号を前記スピーカに入力する入力手段とを含んで構成されている。
本発明によれば、風車の翼より外側であってスピーカに対応してスピーカより風車側の位置に配置されたマイクロホンによって、風車からの騒音を集音し、集音した騒音に対応する音響信号を出力する。生成手段によって、風車の翼の回転軸方向に応じて、音響信号から、スピーカに対して風車と反対側における騒音を低減するための低減信号を生成する。
そして、入力手段によって、生成手段で生成された低減信号をスピーカに入力し、風車の翼より外側に配置されたスピーカによって、風車と反対側に制御音を放音する。
このように、風車の翼の回転軸方向に応じて、騒音を低減するための低減信号を生成して、制御音をスピーカから放音させることにより、能動制御により騒音を低減することができるため、風力による発電効率を低下させずに、風車からの騒音を低減することができる。
本発明のスピーカは、翼より外側に複数配置され、マイクロホンは、翼より外側に複数のスピーカに対応して複数配置され、生成手段は、風車の翼の回転軸方向に応じて、複数のマイクロホンの各々からの音響信号から、対応するスピーカに対して風車と反対側における騒音を低減するための低減信号を各々生成し、入力手段は、生成手段で生成された低減信号の各々を、対応するスピーカに各々入力することができる。これによって、風車から放射される騒音を広い範囲で低減することができる。
上記の風車用騒音低減システムは、翼の回転軸方向を検出する方向検出手段を更に含むことができる。
上記の生成手段は、風車の翼の回転軸方向の各々に対して予め求められた低減信号の生成方法に基づいて、風車の翼の回転軸方向に応じて、音響信号から、スピーカに対して風車と反対側における騒音を低減するための低減信号を生成することができる。これによって、風車の翼の回転軸方向に応じて低減信号を生成して、風車の翼の回転軸方向が変化しても、騒音を低減することができる。
上記の生成手段は、風車の翼の回転軸方向の各々に対して予め求められたフィルタ係数に基づいて、風車の翼の回転軸方向に対するフィルタ係数が設定された逆フィルタを用いて、音響信号に対してフィルタリング処理を行うことにより、低減信号を生成することができる。これによって、風車の翼の回転軸方向に応じて低減信号を生成して、風車の翼の回転軸方向が変化しても、騒音を低減することができる。
上記の風車は、翼によって駆動され、発電を行う発電機を更に備えることができる。これによって、風力による発電効率を低下させずに、発電することができる。
以上説明したように、本発明の風車用騒音低減システムによれば、風車の翼の回転軸方向に応じて、騒音を低減するための低減信号を生成して、制御音をスピーカから放音させることにより、能動制御により騒音を低減することができるため、風力による発電効率を低下させずに、風車からの騒音を低減することができる、という効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態に係る風力発電システムの構成を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る風力発電システムの騒音低減装置の構成を示すブロック図である。 風車からの騒音の分析結果を示すグラフである。 風車の翼とタワーとの間に騒音源が位置する様子を示すイメージ図である。 本発明の第2の実施の形態に係る風力発電システムのセンサマイク及びスピーカを設置した様子を示すイメージ図である。 本発明の第2の実施の形態に係る風力発電システムの騒音低減装置の構成を示すブロック図である。 制御回路及びフィルタ演算回路の構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。風力により発電を行う風力発電システムに本発明を適用した場合を例に説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る風力発電システム10は、風力発電を行う風車12と、風車12の翼より外側のスピーカ16の近傍に設けられ、かつ、風車12からの騒音を集音し、集音した騒音に対応する音響信号を出力するセンサマイク14と、風車12の外側に設けられ、かつ、制御点(騒音低減エリア)に向けて放音するスピーカ16と、制御点に設けられ、かつ、フィードバックするための制御点マイク18と、センサマイク14及び制御点マイク18からの入力に基づいて、騒音を低減するようにスピーカ16から制御音を放音させる騒音低減装置20とを備えている。
風車12は、風の力を受けて回転する複数の翼22と、翼22が取り付けられたナセル24と、翼22及びナセル24を支持し、かつ、鉛直方向に伸びる柱状のタワー26と、翼22によって駆動され、発電を行う発電機(図示省略)と、風の向きや風速に応じて翼22の回転軸方向(風車方向)を変化させる方向変更機構(図示省略)とを備えている。翼22は例えば3枚であり、また、発電機は、ナセル24の内部に設けられている。方向変更機構は、常に風向や風速を感知しながら、最適な発電効率となるように、ナセル24の長さ方向を変更して、翼22の回転軸方向を変化させる。
センサマイク14は、風車12の翼22より外側であって、スピーカ16の位置に対応してスピーカ16より風車側の位置に設けられ、例えば、スピーカ16と風車12との間に設けられている。また、センサマイク14は、ポールなどの上部に設置され、所定の高さとなる位置に設置されている。なお、翼22より外側とは、風車方向に応じて変化する翼22の軌跡より外側(タワー26と反対側)であることを示す。
スピーカ16は、風車12の翼22より外側であって、風車12と制御点との間に配置されている。スピーカ16は、騒音低減装置20によって低減対象となる騒音の周波数帯域の最大周波数(例えば100Hz)以下の周波数帯域の制御音を、制御点に向けて放音するように制御される。
図2に示すように、騒音低減装置20は、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器62と、D/A変換器62から出力された信号を増幅してスピーカ16に入力するパワーアンプ42と、センサマイク14からの音響信号を増幅するマイクアンプ44と、マイクアンプ44から出力される信号に対して、逆フィルタリングをかけて低減信号を生成してD/A変換器62に出力する生成手段としての逆フィルタDSP46と、制御点マイク18からの音響信号を増幅するマイクアンプ48と、風車12に設けられた、風車方向(翼22の回転軸方向あるいはナセル24の長さ方向)を検出するための風車方向検出部50からの出力に基づいて、逆フィルタDSP46の逆フィルタを切り替える逆フィルタ切替部52と、マイクアンプ44、48からの音響信号に基づいて風車方向毎の逆フィルタのフィルタ係数を演算して逆フィルタDSP46に設定する逆フィルタ演算部54と、を備えている。陽解法制御の場合、制御点マイク18は、逆フィルタを演算するためにインパルス応答を計測する時に必要となるが、制御時は不要であることを明記しておく。また、騒音低減装置20から逆フィルタ演算部54及びマイクアンプ48が取り外し可能な構成となっている場合には、制御時には、逆フィルタ演算部54及びマイクアンプ48は不要である。ここでいう陽解法とは、騒音源から制御点マイク18へ直接到達する経路のインパルス応答と、騒音源からの騒音がセンサマイク14で集音され、騒音低減装置20を介してスピーカ16から放音されて制御点マイク18へ到達する経路のインパルス応答とを事前に計測し、数値計算によりフィルタ係数を演算する方法である。
風車方向検出部50は、風車12の制御回路(図示省略)から風車方向を検出している。なお、パワーアンプ42が、本発明の入力手段の一例である。
逆フィルタDSP46は、マイクアンプ44から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器56と、風車方向毎のフィルタ係数が設定された時不変の逆フィルタ58と、低減対象の所定の周波数帯域(例えば、100Hz以下)の信号を通過させるようにフィルタリングを行うバンドパスフィルタ60とを備えている。逆フィルタ58のフィルタ係数は、風車方向毎に、逆フィルタ演算部54によって例えば陽解法によって算出される。逆フィルタ58は、A/D変換器56から出力された信号に対して、検出された風車方向に対応するフィルタ係数が設定された逆フィルタを用いたフィルタリング処理を行うことにより、スピーカ16より外側において同振幅かつ逆相となる信号が出力される。なお、A/D変換器56の前段と、D/A変換器62の後段とには、アンチエイリアス用のローパスフィルタ(図示省略)が設けられている。
逆フィルタ演算部54は、360°の風車方向を例えば8分割した8方向毎にフィルタ係数を算出して、逆フィルタ58内のメモリ(図示省略)に記憶させる。
逆フィルタ切替部52は、風車方向検出部50によって検出された風車方向を含む上記8方向の何れかに対応するフィルタ係数を用いるように、逆フィルタ58に設定されるフィルタ係数を切り替える。
ここで、低減対象の風車からの騒音について説明する。
風車からの発生騒音は以下の表1に示すように主に4つ存在する。
Figure 0005191425
ただし、Fは周波数(Hz)であり、m=1,2,3・・・である。また、nは翼回転数(rpm)であり、Zは翼の枚数である。
第1に、発電機を高速に回すためにローターと発電機との間にギアが使われる場合には、ナセル内の発電機から機械音が発生する。これに対し、風車のナセルにおいて、ギアを使わないことにより、発生音は聴感上ほとんど気にならないレベルになる。
第2に、大型風車の翼の先端は、相対速度が200km/h以上にもなることから、翼の風切音として、主に高音域で「シュー」という音が発生する。これに対し、翼の形状を工夫することによってかなり静かになる。また、高音域の音は、風車の近傍では気になるが、風車から数100m離れると空気吸収減衰により減衰するので、聴感上は気にならないレベルになる。
第3に、翼がタワーを横切るタイミングで、空力干渉騒音が発生する。翼とタワーとの間がこの騒音の騒音源であると考えられる。アップウインドウ型では、ダウンウインドウ型よりも発生騒音が小さいことから、最近では、アップウインドウ型の風車が主流になりつつある。ただし、アップウインドウ型でもこの騒音が全く発生しないというわけではなく、低音域の音が発生している。この低音域の音は、空気吸収減衰しにくく、遠距離においてもあまり音が低減しないため、騒音問題になりやすい。
第4に、翼の回転により空気に衝撃を与えることによって、超低周波音が発生する。大型風車の場合の基本周波数は1Hz以下になり、その倍音成分も発生する。ただし、聴感的には聞こえないとされる20Hz以下の超低周数波音であるため、騒音問題になりにくい。
以上のことから、聴感上問題となりやすく、対策が困難な騒音は、翼がタワーを横切る時に発生する空力干渉騒音であり、本発明では、この騒音を低減対象とする。
また、大型風車からの発生騒音の特徴について説明する。直径約70mの翼を持つ2000KW級の大型風車から発生する騒音を、水平距離で約30m離れた地面上の場所において低周波騒音計で録音した。録音結果を分析し、AP(オールパス)、及び中心周波数20〜40Hzの1/3オクターブバンド中心周波数のみを取り出すと、図3に示す分析結果が得られた。
上記図3の波形から、特に、25、31.5、40Hz付近のレベルが、約1秒毎に変動していることが分かる。例えば、25Hz帯域では、1秒毎に65dB前後のほぼ同じようなレベルが繰り返されている。このときの風車は、ほぼ定常運転状態で回転数はほぼ一定であり、1回転に3秒かかっている。翼が支柱を交差する時間間隔は約1秒となり、レベル波形の時間変動の周期と一致していることが分かる。
次に、風車12からの騒音の騒音源の位置について説明する。低減対象の騒音の騒音源は、図4に示すように、翼22とタワー26との間に位置する。風向きが一定で変わらない場合には、騒音の騒音源の位置は固定されるが、風車12の方向変更機構は、風向や風速を感知しながら、常に最適な発電効率となるようにナセル24の向きを変えることから、風車方向の変化に応じて、低減対象の騒音源の位置が時間とともに変動する。
そこで、逆フィルタ演算部54は、風車方向毎に、逆フィルタ58のフィルタ係数w(t)を、例えば陽解法によって、以下のように算出する。
まず、センサマイク14に入る騒音源からの騒音x(t)と、騒音源から制御点に到達し制御点マイク18により集音された騒音ys(t)との相互相関関数hs(t)を測定する。また、センサマイク14に入る騒音源からの騒音x(t)と、逆フィルタのフィルタ係数をw(t)=δ(t)としてスピーカ16から放音される制御音yc(t)との間の相互相関関数hc(t)を測定する(相互相関法によるインパルスh(t)の測定)。
そして、hs(t)、hc(t)の伝達関数をHs(ω)、Hc(ω)として、逆フィルタのフィルタ係数w(t)を、以下の(1)式によって算出する。
Figure 0005191425
ここで、F−1は逆フーリエ変換を示す。
次に、第1の実施の形態に係る風力発電システム10の動作について説明する。まず、制御点に制御点マイク18が設置され、風車方向が8方向の各々であるときに、逆フィルタ演算部54によって、センサマイク14からの音響信号と、制御点マイク18からの音響信号とに基づいて、陽解法に従って、風車方向の各々に対する逆フィルタのフィルタ係数を演算し、逆フィルタ58のメモリに記憶させる。
各風車方向に対する逆フィルタのフィルタ係数が記憶されると、風車方向検出部50によって風車12の風車方向を検出し、騒音低減装置20の逆フィルタ切替部52によって、逆フィルタDSP46に対して、検出された風車方向に対応する逆フィルタのフィルタ係数を設定するように切り替える。
そして、風車12の翼22とタワー26との間の騒音源から放射された騒音は、センサマイク14で集音され、マイクアンプ44で音響信号が増幅されて、逆フィルタDSP46に入力される。そして、逆フィルタDSP46の逆フィルタ58は、A/D変換器56から入力されたデジタル信号と、設定されたフィルタ係数とを用いて、デジタルフィルタリング処理を行う。
このとき、逆フィルタ58を通すことで、信号の波形が整形されると共に時間移動され、入力信号を逆相にした低減信号が生成されるため、低減信号に基づいてスピーカ16から放音された制御音により、減音効果を得ることができる。
逆フィルタ58でフィルタリング処理された低減信号は、バンドパスフィルタ60に入力され、所定の周波数帯域(例えば100Hz以下)の信号のみが通過し、通過した信号は、D/A変換器62に入力され、D/A変換されて、パワーアンプ42を介して、スピーカ16に出力される。そして、フィルタリング処理された信号に対応する音波、即ち、騒音の逆相波であり、かつ、所定の周波数帯域の音波が、制御音としてスピーカ16から制御点に向けて放音される。従って、制御点において、風車12の騒音源からの騒音が、スピーカ16からの制御音により打ち消される。
風向きが変わり、風車方向(翼22の回転軸方向)が変化すると、風車方向検出部50によって変化後の風車方向が検出され、逆フィルタ切替部52によって、逆フィルタDSP46に対して、検出された変化後の風車方向に対応する逆フィルタのフィルタ係数を設定するように切り替える。そして、上述したように、スピーカ16から制御音が放音され、制御点において、風車12の騒音源からの騒音が、スピーカ16からの制御音により打ち消される。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る風力発電システムによれば、風車方向に応じたフィルタ係数を用いてフィルタリング処理を行って、騒音を低減するための低減信号を生成して、制御音をスピーカから放音させることにより、低周波音の低減に効果的なアクティブ騒音低減技術を用いて騒音を低減することができるため、風力による発電効率を低下させずに、風車からの騒音を低減することができる。
また、風車からの騒音源の位置の変化に対応して騒音を低減できるため、従来の能動制御で風車からの騒音を低減する場合に比べて、スピーカを風車のタワーから比較的近くに設置することができる。これにより、スピーカの個数が少なくて済むため、システムの規模及びコストを抑えることができる。
また、風車の翼を傾けるなどの従来の騒音低減手法と比較すると、発電効率を下げずに風車からの騒音を低減することができる。
また、風車方向に応じて逆フィルタのフィルタ係数を切り替えれば、風車方向の変化に対応することができるため、簡易な処理で、風車からの騒音を低減することができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、センサマイクが複数設けられている点と、スピーカが複数設けられている点と、風車を中心に全方位の騒音を低減している点とが、第1の実施の形態と主に異なっている。
第2の実施の形態に係る風力発電システムでは、図5に示すように、風車12の翼22より外側に、風車12を囲むようにして複数のスピーカ216が配置されている。また、風車12の翼22より外側に、複数のスピーカ216の各々に対応して、スピーカ216より風車12側に複数のセンサマイク214が設けられている。例えば、複数のスピーカ216と風車12との間の各々に、複数のセンサマイク214が配置されている。
複数のスピーカ216の各々は、たとえば等間隔で設置され、設置間隔dは、以下の式で示されるように低減対象となる騒音の周波数帯域の最大周波数fの音の波長λの1/2以下とする。
d≦λ/2
例えば、f=100Hzの場合、λ/2=1.7mであるため、1.7m間隔で複数のスピーカ216を設置すればよい。また、風車12を中心として半径aとなる円状に複数のスピーカ216を設置する場合には、以下の式で示されるn個以上配置すればよい。
n=2πa/(λ/2)
複数のスピーカ216の各々に対して、当該スピーカ216から風車12と反対側であって、かつ、放音方向に、制御点を決定し、その制御点の各々に制御点マイク18が設置される。
騒音低減装置220は、各センサマイク214からの入力に基づいて、騒音を低減するように各スピーカ216から放音させる複数の制御回路250を備え、一対のセンサマイク214及びスピーカ216が、騒音低減装置220の何れかの制御回路250に接続されている。
図6に示すように、騒音低減装置220は、センサマイク214及びスピーカ216の各ペアに接続された複数の制御回路250と、風車方向検出部50からの出力に基づいて、各制御回路250の逆フィルタのフィルタ係数を切り替える逆フィルタ切替部252とを備えている。
図7に示すように、各制御回路250は、D/A変換器62と、パワーアンプ42と、マイクアンプ44と、逆フィルタDSP46とを備えている。複数の制御回路250の逆フィルタDSP46が、生成手段の一例であり、複数の制御回路250のパワーアンプ42が、入力手段の一例である。
逆フィルタDSP46の逆フィルタ58は、逆フィルタ切替部252によって、設定される逆フィルタのフィルタ係数が切り替えられる。
各制御回路250には、逆フィルタ58のフィルタ係数を演算するためのフィルタ演算回路256が接続される。フィルタ演算回路256は、マイクアンプ48と、逆フィルタ演算部54とを備えている。マイクアンプ48は、制御点マイク18に接続され、逆フィルタ演算部54は、制御回路250のマイクアンプ44及び逆フィルタ58と、マイクアンプ48とに接続される。逆フィルタ演算部54は、接続された制御回路250のマイクアンプ44からの音響信号と、設置された制御点マイク18及びマイクアンプ48からの音響信号とに基づいて、風車方向毎の逆フィルタのフィルタ係数を演算して、接続された制御回路250の逆フィルタ58のメモリに記憶させる。
陽解法制御の場合、制御点マイク18及びフィルタ演算回路256は、制御回路250に対して逆フィルタを演算するためにインパルス応答を計測する時に必要となるが、制御時は不要であることを明記しておく。また、他の制御回路250について逆フィルタを演算する時にも、制御点マイク18及びフィルタ演算回路256は不要である。
次に、第2の実施の形態に係る風力発電システムの動作について説明する。まず、計測対象の制御点に制御点マイク18が設置されると共に、計測対象の制御点に対応するスピーカ216に接続されている制御回路250に、フィルタ演算回路256が接続される。そして、風車方向が8方向の各々であるときに、逆フィルタ演算部54によって、計測対象の制御回路250に対して、センサマイク214のマイクアンプ44からの音響信号と、制御点マイク18のマイクアンプ48からの音響信号とに基づいて、陽解法に従って、風車方向の各々に対する逆フィルタのフィルタ係数を演算し、計測対象の制御回路250の逆フィルタ58のメモリに記憶させる。同様に、他の制御回路250の各々についても、順次、フィルタ演算回路256を接続して、風車方向の各々に対する逆フィルタのフィルタ係数を演算して、逆フィルタ58のメモリに記憶させる。
これによって、複数の制御回路250の逆フィルタ58の各々に、風車方向の各々に対する逆フィルタのフィルタ係数が各々記憶される。
各風車方向に対する逆フィルタのフィルタ係数が、各制御回路250の逆フィルタ58に記憶されると、風車方向検出部50によって風車12の風車方向を検出し、騒音低減装置220の逆フィルタ切替部252によって、各制御回路250の逆フィルタDSP46の各逆フィルタ58に対して、検出された風車方向に対応する逆フィルタのフィルタ係数を設定するように切り替える。
そして、各制御回路250が以下のように動作する。まず、センサマイク214からの音響信号をマイクアンプ44により増幅した信号を、逆フィルタDSP46に出力する。そして、逆フィルタDSP46の逆フィルタ58は、A/D変換器56から入力されたデジタル信号と、設定されたフィルタ係数とを用いて、デジタルフィルタリング処理を行う。逆フィルタ58でフィルタリング処理された低減信号は、バンドパスフィルタ60に各々入力され、所定の周波数帯域の信号のみが通過し、通過した信号は、D/A変換器62に各々入力され、D/A変換されて、パワーアンプ42を介して、スピーカ216に出力される。
上記のように、各制御回路250が動作することにより、フィルタリング処理された信号に対応する音波、即ち、騒音の逆相波であり、かつ、所定の周波数帯域の音波が、制御音として複数のスピーカ216から、対応する制御点に向けて各々放音される。従って、広い範囲において、風車12の騒音源からの騒音が、複数のスピーカ216からの制御音により打ち消される。
また、風向きが変わり、風車方向(翼22の回転軸方向)が変化すると、風車方向検出部50によって風車方向が検出され、逆フィルタ切替部252によって、各制御回路250の逆フィルタDSP46の逆フィルタ58に対して、検出された風車方向に対応する逆フィルタのフィルタ係数を各々設定するように切り替える。そして、上述したように、スピーカ216の各々から制御音が放音され、広い範囲において、風車12の騒音源からの騒音が、複数のスピーカ216からの制御音により打ち消される。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る風力発電システムによれば、風車方向に対応する逆フィルタのフィルタ係数を用いて騒音を低減するための低減信号を各々生成して、制御音を複数のスピーカから放音させることにより、能動制御により騒音を低減することができるため、風力による発電効率を低下させずに、風車からの騒音を広い範囲で低減することができる。
また、風車からの騒音源の位置の変化に対応して騒音を低減できるため、従来の能動制御で風車からの騒音を低減する場合に比べて、スピーカを風車のタワーから比較的近くに設置することができる。これにより、スピーカの個数が少なくて済むため、システムの規模及びコストを抑えることができる。
なお、上記の実施の形態では、風車を中心に全方位に対して、騒音を低減する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、複数のエリアを含む一部の方位に対して、騒音を低減するように構成してもよい。この場合には、複数のエリアの各々に対して、スピーカを設置し、各スピーカに対する低減信号を、それぞれの制御回路において、逆フィルタを用いたフィルタリング処理により生成すればよい。
また、上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、陽解法に代表される固定逆フィルタ法を用いて、逆フィルタのフィルタ係数を予め算出して、逆フィルタDSPに記憶しておく場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、filtered−X LMS法に代表される適応フィルタ法を用いて、逆フィルタのフィルタ係数をリアルタイムに算出するようにしてもよい。この場合には、制御点に対して制御点マイクを常時設定しておき、制御点マイクからの音響信号を用いて、リアルタイムに、風車方向に対応する逆フィルタのフィルタ係数を算出して、逆フィルタDSPに設定するようにすればよい。上記の第2の実施の形態においては、複数のフィルタ演算回路及び複数の制御点マイクを、複数の制御回路に対して設ければよい。
10 風力発電システム
12 風車
14、214 センサマイク
16、216 スピーカ
18 制御点マイク
20、220 騒音低減装置
22 翼
24 ナセル
26 タワー
42 パワーアンプ
46 逆フィルタDSP
50 風車方向検出部
52、252 逆フィルタ切替部
54 逆フィルタ演算部
58 逆フィルタ
250 制御回路
252 逆フィルタ切替部
256 フィルタ演算回路

Claims (6)

  1. 風の力を受けて回転する複数の翼と、前記翼が取り付けられたナセルと、前記翼及び前記ナセルを支持し、かつ、鉛直方向に伸びる柱状のタワーとを備え、前記風の向きに応じて前記翼の回転軸方向を変化させる風車の、前記翼より外側に配置され、前記風車と反対側に制御音を放音するスピーカと、
    前記翼より外側であって前記スピーカに対応して該スピーカより前記風車側の位置に配置され、かつ、前記風車からの騒音を集音し、集音した騒音に対応する音響信号を出力するマイクロホンと、
    前記風車の翼の回転軸方向に応じて、前記音響信号から、前記スピーカに対して前記風車と反対側における前記騒音を低減するための低減信号を生成する生成手段と、
    前記生成手段で生成された低減信号を前記スピーカに入力する入力手段と、
    を含む風車用騒音低減システム。
  2. 前記スピーカは、前記翼より外側に複数配置され、
    前記マイクロホンは、前記翼より外側に前記複数のスピーカに対応して複数配置され、
    前記生成手段は、前記風車の翼の回転軸方向に応じて、前記複数のマイクロホンの各々からの音響信号から、対応するスピーカに対して前記風車と反対側における前記騒音を低減するための低減信号を各々生成し、
    前記入力手段は、前記生成手段で生成された低減信号の各々を、対応するスピーカに各々入力する請求項1記載の風車用騒音低減システム。
  3. 前記翼の回転軸方向を検出する方向検出手段を更に含む請求項1又は2記載の風車用騒音低減システム。
  4. 前記生成手段は、前記風車の翼の回転軸方向の各々に対して予め求められた前記低減信号の生成方法に基づいて、前記風車の翼の回転軸方向に応じて、前記音響信号から、前記スピーカに対して前記風車と反対側における前記騒音を低減するための低減信号を生成する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の風車騒音低減システム。
  5. 前記生成手段は、前記風車の翼の回転軸方向の各々に対して予め求められたフィルタ係数に基づいて、前記風車の翼の回転軸方向に対するフィルタ係数が設定された逆フィルタを用いて、前記音響信号に対してフィルタリング処理を行うことにより、前記低減信号を生成する請求項4記載の風車騒音低減システム。
  6. 前記風車は、翼によって駆動され、発電を行う発電機を更に備えた請求項1〜請求項5の何れか1項記載の風車騒音低減システム。
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