JP5190988B2 - 短繊維補強土の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、土と固化材に短繊維を混合せしめ、土の粒子と短繊維を絡み合わせることにより、土の強度、靭性、耐浸食性を向上した短繊維補強土に関する。より詳細には、本発明は、短繊維補強土の製造方法に関する。
土と固化材に短繊維を混合することにより、土の強度、靭性、耐浸食性が向上することは公知である。従来技術において、現地土を原位置にて短繊維と混合する装置は既に提案されているが、土と短繊維を均一に混合する技術は確立されていない。
また、特許文献1には、最適含水比を有する土砂を三次元的に分散、撹拌しながら、繊維材料を少量ずつ混入させる方法が開示されている。しかし、特許文献1に係る技術では、使用する土の性質により短繊維が流動体の一部に偏在し、或いは、流体内で短繊維が塊となってしまうという問題が存在する。
また、短繊維補強土を構成する固化材の添加量について、確定的な組成は未だに提案されておらず、固化材添加量を決定するには、現場の作業者の「勘」に頼っているのが実情である。短繊維添加量についても同様である。
さらに、短繊維補強土には、各種の添加剤、例えば粘度及び/又は粒度を調整するために粉末状の粘土鉱物(特殊粘土鉱物:カオリン系鉱物等)を添加する場合があるが、係る添加剤についても、適正な配合というものは、定まっていない。
そのため、短繊維補強土の実用的な組成を確定したいと言う要請があっても、係る要請に応えることは不可能であった。
その他の従来技術として、例えば、短繊維を土に対して0.1重量%〜2重量%だけ混合して、土壌表面を被覆する事により土壌表面の流体浸食を防止する技術が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、係る従来技術(特許文献2)は、固化材及び水を添加した場合に短繊維が偏在してしまうという不都合や、短繊維が塊になってしまうという不都合を解消するものではない。
特開平05−112941号公報 特開平06−306834号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、固化材や添加剤の適正な組成を求めることと、短繊維が偏在し或いは塊となってしまうという不都合を解消できる技術の提供を目的としている。
本発明に係る短繊維補強土(請求項1の短繊維補強土)の製造方法は、土(例えば、作業現場における原位置土)を採取して粘性を測定する工程(S3)を有し、該工程(S3)により測定された粘性が高い場合(S5)には、土と水とをスラリー状となるまで混練し(S6)、スラリー状となった土と水との混合物に固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維を添加して混練し(S7)、前記測定された粘性が高くない場合(S11)には、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維とを混合し(S12)、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維との混合物に水を添加して混練する(S13)ことを特徴としている。
また、本発明に係る短繊維補強土(請求項1の短繊維補強土)の製造方法は、土(例えば、作業現場における原位置土)を採取して粘性を測定する工程(S3)を有し、該工程(S3)により測定された粘性が第1の閾値よりも低い場合には、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維とを混合し(S18)、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維との混合物に水を添加して混練し(S17)、前記測定された粘性が第1の閾値以上であるが第2の閾値(第1の閾値<第2の閾値)以下であれば、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤とを混合し(S15)、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤の混合物に短繊維を添加して混合し(S16)、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維との混合物に水を添加して混練し(S17)、前記測定された粘性が第2の閾値よりも大きければ、土と水とをスラリー状となるまで混練し(S19)、スラリー状となった土と水との混合物に固化材と粘度及び/又は粒度調整剤とを添加して混練し(S20)、土と水と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤の混合物に短繊維を添加して混練する(S21)ことを特徴としている。
本発明の短繊維補強土(請求項1の短繊維補強土)の製造方法の実施に際して、土と水と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維とを有する短繊維補強土は、ポンプ(5)及び圧送用ホース(6)を介して施工現場に圧送するのが好ましい。
そして、圧送用ホース(6)の先端に設置した合流管(BT)で、前記短繊維補強土に団粒剤と圧縮空気を混入し、合流管(BT)の先端に設置した先端ホース(HE)を介し、吹付ノズル(7)から噴射するのが好ましい。
但し、短繊維補強土(8)の搬送は、ポンプ圧送に限定されるものではない。ベルトコンベアやバックホー(10)で搬送することも可能である。
発明者の実験では、上述する構成を具備する本発明の短繊維補強土によれば、短繊維補強土の強度における指針である0.2N/mm以上の強度を発現する事が出来る。
また、短繊維は土の3重量%未満であるため、短繊維の量が多過ぎてしまうことはない。そのため、混練方法を工夫する事により、短繊維補強土(8)に水を加えて流体状となった際に、当該流体状の短繊維補強土(8)内で短繊維同士が絡まり合うことや、塊を形成してしまうことを防止する事が出来る。
さらに、粘度及び/又は粒度調整剤は土に対して2重量%〜30重量%にしたので、粘度及び/又は粒度調整剤添加量が少な過ぎて、粘性が低く、材料分離により水だけが排出されてしまうことを防止できる。そして、粘度及び/又は粒度調整剤添加量が多過ぎて、粘性が高くなり過ぎ、搬送コストが高騰化したり、搬送そのものが困難となることが防止できる。
そして、本発明の短繊維補強土の製造方法では、土の粘性が高い場合には、最初に土と水のみを混練してスラリー状にして、スラリー状となった土と水との混合物に短繊維を添加して、さらにミキサ等により混練するので、短繊維が偏在したり、塊になることが防止される。
一方、土の粘性が高くない場合には、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維をミキサ等により空練りして、短繊維が均一に混合された段階で水を添加するので、短繊維の偏在や、塊となることが防止される。
ここで、水を加えない空練りを行う段階では、土の粘性が高くないので、短繊維の偏在や固まりとなる心配はない。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1及び図2は、堤防裏のり面に本発明に係る短繊維混合補強土(被覆用土質材料)を被覆する態様を示している。
図1において、プラントで製造された短繊維補強土8は、圧送ポンプ5を介装した圧送用ホース6によって、施工箇所近傍まで圧送され、圧送用ホース6の先端に設置された合流管BTに送流される。ここで、プラント9は、短繊維と土と各種材料とを混練して、短繊維補強土8を製造する機能を有している。
一方、エアーコンプレッサーCpから送られる圧縮空気と、団粒剤供給ポンプP1から送られる団粒剤とは、それぞれ圧送ホースH1、H2により合流管BTに送られ、合流管BTの中で短繊維補強土8とミキシングされながら、合流管BTに接続された先端ホースHEに送られる。そして、短繊維補強土8は、先端ホースHEに接続された吹付ノズル7の先端から空気圧で噴出され、施工箇所に所定の厚さだけ被覆される。
図2は、図1のポンプ圧送方式に代えて、バックホーによる搬出方式の態様を示している。この場合には、本発明の短繊維補強土8はプラント9で団粒剤の全数量を混合する。
本発明の短繊維補強土8を施工箇所に被覆する方法は、被覆手段に限定されず、ポンプ圧送方式や、バックホーによる搬出方式以外にも、各種油圧ショベル等掘削・運搬用重機による撒出しや、人力による被覆もできる。
図1、図2で示す本発明の短繊維補強土8について、より詳細に説明する。
係る短繊維補強土8は、土と、固化材(例えばセメント)と、短繊維と、粘度及び/又は粒度調整剤(以下、「PP」と標記する)と、水の混合物である。
PPとは、粘度及び/又は粒度を調整するために添加される粉末状の特殊粘土鉱物(例えば、カオリン系特殊粘土鉱物)であり、多孔質のものを意味している。
短繊維補強土8を被覆したのり面は、切断されていない連続した繊維を包含した補強土(連続繊維補強土)ほどの強度は有さないが、植生基材を吹き付けたのり面に比較して、高い強度を有する。
そして、短繊維補強土8は、固化材を所定量だけ添加することにより、少なくとも0.2N/mm(許容値)以上の圧縮強度を発現するように、配合されている。
先ず図3を参照して、固化材添加量と短繊維補強土における強度との関係を説明する。
図3で説明する実験は、短繊維補強土について、0.6N/mm以上の圧縮強度(安全率を3に設定)を発現する配合を求めるために行われた。
図3は、セメント添加量(横軸:ベースである土に対するセメントの重量%:S×%)と、セメント添加後、7日経過した時点における短繊維補強土の1軸圧縮強度(縦軸:N/mm)との関係を示している。
固化材としては、セメントを選択している。
ベースとなる土は、砂を粒度調整することにより作成しており、粘土シルト分30%程度を含有している。
図3から明らかな様に、セメント添加量が2%で0.2N/mm(許容値)以上の強度を発現しており、セメント添加量が5%で0.6N/mm(安全率3)以上の強度を発現している。
従って、短繊維補強土のセメント添加量は、2重量%以上であるのが好ましく、より好適には5重量%以上が好ましい。
但し、係る数値は、上述した実験条件下で求められた条件であり、土質如何によっては、セメント添加量を、上述した範囲外にするべき場合が存在する。
次に、図4、図5を参照して、短繊維添加量と、短繊維補強土の圧縮強度との関係について説明する。
図4は、実験に用いたロット(No.1〜No.8)の各々における短繊維添加量(土に対する混入比率:S×%)及び圧縮強度(N/mm)を示している。なお、ロットNo1については、明確な実験結果を得られていない。
図5は、横軸に短繊維添加量(土に対する混入比率:S×%)、縦軸に圧縮強度(N/mm)を示している。
図4、図5で結果を示す実験では、ベースとなる土、PP、固化材(セメント)の配合比は一定で、短繊維の添加量のみを変動させた。
ここで、図示の実施形態或いは実験においては、短繊維に分散材(油)を塗付して切断した短繊維と、短繊維を乾燥してから分散材(油)を塗付して切断した短繊維とが使用された。
分散材(油)を短繊維に塗布することにより、短繊維補強土中で、短繊維同士が絡まりあって、塊を形成してしまう事を防止するためである。
図4において、短繊維混入率0.1%の4つのロット(No2、No5〜No8)では、圧縮強度は、0.57N/mm〜1.03N/mmであり、バラツキが大きい。
短繊維混入率0.2%であるロットNo3の圧縮強度が0.82N/mmであり、短繊維混入率0.4%のロットNo4の圧縮強度が0.90N/mmとなっている。ロットNo.3とロットNo.4の圧縮強度は、何れも、0.57N/mm〜1.03N/mm の範囲内に入っており、短繊維混合率と圧縮強度との相関は見られなかった。
図5においても、同様に、短繊維混合率と圧縮強度との相関が見られない。
すなわち、図4、図5から、短繊維混入率を0.1%〜0.4%に変化しても、圧縮強度には影響は見られなかった。
ここで短繊維添加量は、ベースとなる土の3重量%未満とするべきである。
短繊維添加量をベースとなる土の3重量%以上にすると、短繊維の量が多過ぎてしまい、混練方法の如何にかかわらず、短繊維補強土に水を加えて流体状となった際に、当該流体状の短繊維補強土内で短繊維同士が絡まり合ってしまい、塊を形成する恐れが存在するからである。
短繊維補強土8は、水と混練してスラリー状にせしめ、スラリー状の短繊維補強土8をポンプ5(図1参照)を用いて吹き付ける。ここで、スラリー状の短繊維補強土の粘性が高すぎると、ポンプ5で搬送する事が出来なくなる。一方、スラリー状の短繊維補強土の粘性が低すぎると、材料が分離してしまう。従って、スラリー状の短繊維補強土の粘性は、適正な数値に保持されるべきである。
係る観点より、PPの添加について、図6を参照して説明する。
図6で結果示す実験を行うに際しては、上述した土と水の量を一定にして、PPの添加量を変動させて、JIS規格「フレッシュコンクリートに関する基準モルタルフロー試験」に従って、その混合物(土と水とPPとの混合物)の粘性(フロー値:mm)を測定した。
図6は、横軸にPPの混入率(土に対する重量%:S×%)を示し、縦軸に、「フレッシュコンクリートに関する基準モルタルフロー試験」で測定されたフロー値を示している。すなわち、図6では、PP添加量と粘性との特性を示している。
図6において左側の領域、すなわちPP添加量が少ない領域では、プロットが分散しており、明確な特性が出ていない。
係る実験結果(PP添加量が少ない領域ではプロットが分散して、明確な特性が出ないという実験結果)は、PP添加量が少ないと、粘性が低く、材料分離により水だけが排出されてしまい、フロー値(粘性)が安定しないことを示している。
一方、PP添加量が多い領域、すなわち図6における右側の領域では、フロー値(粘性)が安定し、フロー値が低く(粘性が高く)なる傾向が示されている。
ここで、短繊維補強土をポンプ5(図1参照)により圧送するときに、粘性が低すぎると圧送過程で材料が分離してしまい、所定の性能を発揮できない。また、粘性が高すぎると作業性が低下し、圧送用ホース6の大径化による搬送コストの高騰化を招き、或いは、圧送用ホースが詰まり搬送そのものが困難となる。
図6において、PPの混入率(S×%)が2%未満では、フロー値がばらつき、材料分離の懸念がある。フロー値は、2%以上になると一定の傾向が見られ、5%程度を最大として10%程度までは急激に下がり(粘性が高くなり)、その後低下率は減少し、図6の実線で示す領域よりもPP混入率を増加しても大きく変化しなくなる。すなわち、それ以上PP添加量を増加しても、その効果があまり顕在化しないことになる。
図6を参照し、且つ、上述した結果を考慮した結果、発明者は、PP添加量は、ベースとなる土の2重量%〜30重量%の範囲が好適であると判断した。さらに好適には、PP添加量は、ベースとなる土の2重量%〜10重量%の範囲である。
換言すれば、PP添加量が少な過ぎると(例えば、ベースとなる土の2重量%未満であると)、フロー値が安定せず、材料分離の恐れがある。一方、PP添加量が多過ぎると(例えば、ベースとなる土の30重量%を超えてしまうと)、PP添加量を増加しても粘性に対する影響は少なくなり、PP消費量増加分の施工コストが高騰化してしまう。また、必要以上に材料の粘性が高くなると、作業性が低下し、材料の搬送が困難になる。
ここで、図6はサンプル採取の土に対する実験結果であり、採取する土の性質や条件によってPP添加量の好適な範囲が異なることが考えられる。そのため、実際の施工に際しては、使用する土に対してJIS規格「フレッシュコンクリートに関する基準モルタルフロー試験」を実行し、その試験結果(フロー値)から、図6の特性を参照して、PP添加量を決定するのが好ましい。
次に、図7を参照して、本発明の短繊維補強土8の製造方法(短繊維補強土8を混練する方法)の実施形態について説明する。
図7は、ベースとなる土、例えば施工現場の原位置土の粘性を計測し、計測された粘性により、2種類の混練方法を使い分けている。
図7のステップS1では、ベースとなる土の含水比を計測し、含水比に応じた水の投入量を決定する。
次のステップS2では、土の粒度分布調査を行い、粒度調整剤の投入量を決定する。
ステップS3では、土の粘土を計測し、粘性が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS4)。
ここで、土の粘性が低い場合は、土、固化材、PPを混ぜても、粘性は高くならない。そのため、短繊維をミキサに投入して土、固化材、PPと混合しても、短繊維が偏在することはなく、塊になることもない。
他方、土の粘性が高い場合は、土と短繊維を混ぜた段階で、短繊維が塊となり、或いは、一部に偏在してしまう。そのため、土の粘性が高い場合、最初にミキサに土と水とを投入して、スラリー状の流体とする。係るスラリー状の流体であれば、短繊維を投入しても、短繊維が一部に偏在してしまうことはなく、或いは、短繊維が塊となってしまうこともない。
ステップS4において、計測された土の粘性が所定値未満であれば(ステップS4がNO)、土の粘度は大きくないと判断し(ステップS11)、土、粒度調整剤、固化材および短繊維をプラント9の図示しないミキサに投入して空練りを行う(ステップS12)。
空練りした後、ミキサに水を加え、全体がスラリー状になるように混合し(ステップS13)、ステップS8に進む。
一方、粘性が所定値以上であれば(ステップS4がYES)、土の粘度は大きいと判断し(ステップS5)、土と水とをベースマシン4のミキサに投入してスラリー状に混合する(ステップS6)。そして、粒度調整剤、固化材および短繊維をミキサに投入して混合し(ステップS7)、ステップS8に進む。
ステップS8では、混合されてスラリー状となった短繊維補強土8を、プラント9から施工領域近傍(図1、図2参照)まで、圧送ポンプ5を介装した圧送用ホースによって圧送する。
そして、先端ホースHE手前に設置した合流管BTで団粒剤と圧縮エアーを混入し(ステップS9)、合流管BT内でミキシングされた短繊維補強土8を先端の吹付ノズル7より施工箇所の法面へ吹き付けるのである。
ステップS4において、土の粘性が高いか低いかを判断するための所定値(閾値)については、土の組成や粘性、施工条件、その他により、ケース・バイ・ケースで定められるべきである。
換言すれば、土の組成や粘性、施工条件、その他の条件を特定しない限り、係る所定値(閾値)は、具体的に特定する事は出来ない。
図7は、図1の態様で短繊維補強土を製造して、堤防裏のり面に吹き付ける場合を説明しているが、図2で説明した態様で短繊維補強土を製造する場合についても、図7の短繊維補強土の製造方法を実施することが出来る。
次に、図8を参照して、本発明の短繊維補強土の製造方法(短繊維補強土を混練する方法)について、別の実施形態を説明する。図8の実施形態では、使用する土の粘性を計測し、計測された粘性を3種類に分けて、3種類の混練方法を使い分けている。
図8では、図7のステップS3〜ステップS8に対応する工程のみが示されている。換言すれば、図8の実施形態では、図7のステップS1〜S3(土の粘度計測)と同一の工程を実施しており、そして、図7のステップS9と同一の工程を実施する。
図8において、ステップS14では、計測された土の粘性が、第1の閾値と第2の閾値との間であるか、第1の閾値未満であるか、或いは、第2の閾値を超えているかを判断する。
ここで、第1の閾値と第2の閾値との間には、「第1の閾値<第2の閾値」の関係がある。
第1の閾値、第2の閾値については、現位置土の組成や粘性、施工条件、その他により、ケース・バイ・ケースで定められるべきである。換言すれば、現位置土の組成や粘性、施工条件、その他の条件を特定しない限り、第1の閾値と第2の閾値を具体的に特定する事は不可能である。
土の粘性が第1の閾値と第2の閾値との間であれば(ステップS14がYES)、ステップS15に進む。
ステップS15では、土、固化材、粒度調整剤を図示しないミキサに投入し、水を加えないで空練りを行う。さらに短繊維を投入し、混合して、空練りを行う(ステップS16)。
そしてステップS17では、水をミキサに投入し混合する。
換言すれば、ステップS15、S16の場合(土の粘性が第1の閾値と第2の閾値との間にある場合)には、次に述べるステップS18の場合(土の粘性が第1の閾値未満の場合)に比較すれば、短繊維が絡まり合う可能性が若干存在する。そのため、最初から短繊維を混合せず、短繊維以外の材料を混合し空練りを行い、次に短繊維を混合して空練りを行い、最後に水を加えて、混合している。
土の粘性が第1の閾値未満であれば(ステップS14で「粘性<第1の閾値」の場合)、粘性が非常に低いので、短繊維を混合して撹拌しても、短繊維が混合物中で偏在することはなく、或いは、塊を形成してしまうことはない。
そのため、ステップS18においては、ステップS15とは異なり、土、固化材、粒度調整剤と同時に、短繊維をミキサに投入し、空練りを行う。そしてステップS17に進み、水をミキサに投入し混合する。
計測された土の粘性が第2の閾値を超えていれば(ステップS14で「第2の閾値<粘性」の場合)、短繊維を土と混ぜて空練りした後に水を加えて混練すると、短繊維が混合物中で偏在し、或いは、塊を形成してしまう。
そのため、ステップS19では、先ず土、水をミキサに投入し、混合してスラリー化する。次にステップS20において、固化材、粒度調整剤をミキサに投入し、混合する。
そして、ステップS21において、短繊維をミキサに投入して混合する。最初に水と土とを十分に混練してスラリー化することによって、短繊維を混合しても、絡み合うこと無く、スラリー中に均一に分散するのである。
その後、ステップS8に進み、ポンプで圧送する。
ステップS8以降は、図7のステップS9以降と同一工程を実施する。
図1で示す態様であっても、図2で示す態様であっても、図8の方法を実施することが出来る。
図8で示す実施形態によるその他の構成及び作用効果については、図7の実施形態と同様である。
図示の実施形態によれば、固化材は土に対して2重量%以上であり、係る短繊維補強土の強度における指針である0.2N/mm以上の強度を発現する事が出来る。そして、固化材を土に対して5重量%以上添加すれば、係る指針の強度に対して、さらに安全率3となる強度(0.6N/mm以上)を発現する事が出来る。
また、短繊維は土の3重量%未満であるため、短繊維の量が多過ぎてしまうことはない。
さらに、PP添加量を土に対して2重量%〜30重量%、さらに好適には2重量%〜10重量%にしたので、材料分離により水だけが排出されてしまうことや、粘性が高くなり過ぎて、搬送不能になってしてしまうことが防止される。
また、図7、図8の方法を実施すれば、土の粘性に対応した混練方法を選択することにより、短繊維補強土8内で短繊維同士が絡まり合うことや、塊を形成してしまうことを防止する事が出来る。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
本発明の短繊維補強土を施工領域に吹き付ける一態様を模式的に示す図。 短繊維補強土を施工領域に吹き付ける態様であって、図1とは異なる態様を模式的に示す図。 本発明の実施形態に係る短繊維補強土のセメント添加量と圧縮強度との関係を示す図。 本発明の実施形態に係る短繊維補強土の短繊維添加量と圧縮強度との関係を示す図。 本発明の実施形態に係る短繊維補強土の短繊維添加量と圧縮強度との関係であって、図4とは異なる実験データを示す図。 本発明の実施形態に係る短繊維補強土のPP添加量とフロー値との関係を示す図。 本発明の実施形態に係る短繊維補強土の製造方法を示すフローチャート。 本発明の実施形態に係る短繊維補強土の製造方法であって、図7とは異なる実施形態を示すフローチャート。
符号の説明
1・・・堤体
2・・・河川側
3・・・地盤
5・・・圧送ポンプ
6・・・圧送用ホース
7・・・吹き付けノズル
8・・・短繊維補強土
9・・・プラント

Claims (2)

  1. 土を採取して粘性を測定する工程(S3)を有し、該工程(S3)により測定された粘性が高い場合(S5)には、土と水とをスラリー状となるまで混練し(S6)、スラリー状となった土と水との混合物に固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維を添加して混練し(S7)、前記測定された粘性が高くない場合(S11)には、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維とを混合し(S12)、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維との混合物に水を添加して混練する(S13)ことを特徴とする短繊維補強土の製造方法。
  2. 土を採取して粘性を測定する工程(S3)を有し、該工程(S3)により測定された粘性が第1の閾値よりも低い場合には、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維とを混合し(S18)、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維との混合物に水を添加して混練し(S17)、前記測定された粘性が第1の閾値以上であるが第2の閾値以下であれば、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤とを混合し(S15)、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤の混合物に短繊維を添加して混合し(S16)、土と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤と短繊維との混合物に水を添加して混練し(S17)、前記測定された粘性が第2の閾値よりも大きければ、土と水とをスラリー状となるまで混練し(S19)、スラリー状となった土と水との混合物に固化材と粘度及び/又は粒度調整剤とを添加して混練し(S20)、土と水と固化材と粘度及び/又は粒度調整剤の混合物に短繊維を添加して混練する(S21)ことを特徴とする短繊維補強土の製造方法。
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