JP5190977B2 - 芳香族性化合物の位置選択的置換方法 - Google Patents
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発明の概要:
すなわち、本発明は、要約すると、以下の特徴を有する。
R1は、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアルケニル基、置換又は未置換のジアルキルアミノ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換のアリールアルキル基、置換又は未置換のトリアルキルシリルアルキル基、置換又は未置換の、環内に1つもしくは複数のN、O又はSを含んでもよい、5〜7員の複素環基、或いは、下記の式II:
[ThCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[(TMP)2Cu(CN)]2-・2Li+、
[(NiPr2)2Cu(CN)]2-・2Li+、
[MeCu(CN)(NiPr2)]2-・2Li+、
[MeCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[nBuCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[tBuCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[TMSMCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[PhCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[(TMP)3Cu]2-・2Li+、
[MeCu(TMP)2]2-・2Li+、及び
[Me2Cu(TMP)]2-・2Li+
(式中、Thはチエニルを表し、TMPは2,2,6,6-テトラメチルピペリジノを表し、NiPr2はジイソプロピルアミノを表し、Meはメチルを表し、nBuはn-ブチルを表し、tBuはt-ブチルを表し、TMSMはトリメチルシリルメチルを表し、Phはフェニルを表す)によって表される錯体からなる群から選択される。
[ThCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[(TMP)2Cu(CN)]2-・2Li+、
[(NiPr2)2Cu(CN)]2-・2Li+、
[MeCu(CN)(NiPr2)]2-・2Li+、
[MeCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[nBuCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[tBuCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[TMSMCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[PhCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[(TMP)3Cu]2-・2Li+、
[MeCu(TMP)2]2-・2Li+、及び
[Me2Cu(TMP)]2-・2Li+
(ここで、Th、TMP、NiPr2、Me、nBu、tBu、TMSM及びPhは上記と同義である)からなる群から選択される。
本明細書中で使用する用語のいくつかを以下に説明するが、しかし、これらの用語は、当技術分野で一般的に使用されかつ理解されている最も広義の意味で使用されるものとする。
下記の式I:
R1の基は、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアルケニル基、置換又は未置換のジアルキルアミノ基、置換又は未置換のアリール基、置換又は未置換のアリールアルキル基、置換又は未置換のトリアルキルシリルアルキル基、置換又は未置換の、環内に1つもしくは複数のN、O又はSを含んでもよい、5〜7員の複素環基、或いは、下記の式II:
R2の基は、本発明の銅アート錯体にとって重要な基であり、置換又は未置換のジアルキルアミノ基、或いは、上記の式IIの前記環状二級アミン基である。これらの配位子は、芳香族性化合物の位置選択的置換基導入反応の際に、該化合物の選択的メタル化(水素-銅交換反応)を引き起こす脱プロトン化のために重要な役割を果たし、メタル化と同時に該化合物の水素原子を引き抜いて該錯体から脱離する。したがって、R2の基は、銅アート錯体の配位子のなかでもルイス塩基性の高い、すなわち電子供与性の大きい塩基であることが好ましく、上記のように、芳香族性化合物の電子供与性又は電子吸引性置換基のオルト位又は隣接位(又はα位)の水素原子を引き抜くことができる基であればその種類は制限されない。
R3の基は、シアノ基、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアルケニル基、
置換又は未置換のジアルキルアミノ基、又は式IIの上記環状二級アミン基である。
アルキル基の例は、C1〜C20(炭素数1〜20を表す)、好ましくはC1〜C8、又はC2〜C6、より好ましくはC1〜C4アルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、これらのすべての異性体(光学異性体及び幾何異性体を含む)などを含む。
本発明の好適な銅アート錯体は、式Iにおいて下記のR1、R2及びR3を配位子として含むことができる。
R1が、メチル、エチル、n−プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ジエチルアミノ、ジ(n-プロピル)アミノ、ジ(i-プロピル)アミノ、ジ(n-ブチル)アミノ、ジ(i-ブチル)アミノ、ジ(t-ブチル)アミノ、チエニル、トリメチルシリルメチル、フェニル、2,2,6,6-テトラメチルピペリジノ、或いは2,2,6,6-テトラエチルピペリジノ基であり、
R2が、ジエチルアミノ、ジ(n-プロピル)アミノ、ジ(i-プロピル)アミノ、ジ(n-ブチル)アミノ、ジ(i-ブチル)アミノ、ジ(t-ブチル)アミノ、又は2,2,6,6-テトラメチル-もしくはテトラエチル-ピペリジノ基であり、及び、
R3が、シアノ基、メチル、エチル、n−プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ジエチルアミノ、ジ(n-プロピル)アミノ、ジ(i-プロピル)アミノ、ジ(n-ブチル)アミノ、ジ(i-ブチル)アミノ、ジ(t-ブチル)アミノ、2,2,6,6-テトラメチルピペリジノ、又は2,2,6,6-テトラエチルピペリジノ基である。
[ThCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[(TMP)2Cu(CN)]2-・2Li+、
[(NiPr2)2Cu(CN)]2-・2Li、
[MeCu(CN)(NiPr2)]2-・2Li+、
[MeCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[nBuCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[tBuCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[TMSMCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[PhCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[(TMP)3Cu]2-・2Li+、
[MeCu(TMP)2]2-・2Li+、及び
[Me2Cu(TMP)]2-・2Li+
(式中、Thはチエニルを表し、TMPは2,2,6,6-テトラメチルピペリジノを表し、NiPr2はジイソプロピルアミノを表し、Meはメチルを表し、nBuはn-ブチルを表し、tBuはt-ブチルを表し、TMSMはトリメチルシリルメチルを表し、Phはフェニルを表す)によって表される錯体からなる群から選択される。
本発明の銅アート錯体は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒中、ハロゲン化銅(I)(ここで、ハロゲンはCl、Br又はI、好ましくはIである)又はシアン化銅(I)と、R1Li及び/又はR3Li及び/又はR2Li(ここで、R1、R2及びR3は、上記と同義である)を単独で又は組み合わせて、同時に又は逐次的に、低温(例えば-78℃〜約0℃)で約30分反応させることによって作製することができる。
例えば、[nBuCu(CN)(TMP)]2-・2Li+については、シアン化第一銅(CuCN)と、1当量のnBuLiを反応せてnBuCuCNLiを合成したのち、1当量の(TMP)Liとさらに反応させてnBuCu(CN)(TMP)Li2を合成することができる。
作製した銅アート錯体は、作製後すぐに、芳香族性化合物のメタル化反応に使用されるのが好ましい。
該錯体の分析は、1H-NMRスペクトル、Ramanスペクトル、in situ FTIRスペクトルなどを用いて行うことができる(内山真伸, 薬学雑誌2002, 122(1):29-46)。例えば1H-NMRスペクトルによる分析では、本発明の錯体は、その配位子のメチル基シグナルの化学シフトが高磁場シフトするので、その生成を確認できる。
本発明の銅アート錯体は、単環又は多環(もしくは縮合環)芳香族化合物、或いは含窒素芳香複素環化合物、からなる芳香族性化合物の位置選択的メタル化のために使用され、中間体として得られた芳香族銅アート錯体はついで、種々の親電子剤との反応に使用される。
すなわち、本発明は、上記定義の銅アート錯体と、電子供与性基又は電子吸引性基を有する単環もしくは多環芳香族化合物、及び含窒素芳香複素環化合物、からなる群から選択される芳香族性化合物とを反応させて、
(a)該芳香族性化合物が単環もしくは多環芳香族化合物である場合、その該電子供与性基又は電子吸引性基に対してオルト位又は隣接位の炭素原子に、或いは、
(b)該芳香族性化合物が含窒素芳香複素環化合物である場合、複素環を構成する環内窒素原子に対して隣接位の炭素原子に、
該銅アート錯体由来の基である-[Cu(R1)(R3)]2-・2Li+(ここで、R1及びR3は上記と同義である)を結合させて、芳香族銅アート錯体を生成し、さらにその生成物と親電子剤とを反応させて、該銅アート錯体由来の基に代えて該親電子剤由来の親電子性基を、該オルト位又は隣接位の炭素原子に導入することを含む、該芳香族性化合物に位置選択的に置換基を導入するための方法を提供する。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されないものとする。
以下に記載した種々の銅アート錯体をアルゴン(Ar)雰囲気下で合成した。なお、式中、Thはチエニルを表し、TMPは2,2,6,6-テトラメチルピペリジノを表し、NiPr2はジイソプロピルアミノを表し、Meはメチルを表し、nBuはn-ブチルを表し、tBuはt-ブチルを表し、TMSMはトリメチルシリルメチルを表し、Phはフェニルを表す。また、(TMP)Li溶液は、Ar 雰囲気下、TMP(0.34 mL,2.0 mmol)の脱水THF3 mL溶液にn-BuLi(2.44 M n-ヘキサン溶液0.82 mL, 2.0 mmol)を-78℃において滴下し、氷冷下30分間攪拌することによって作製した。[nBuCu(CN)(TMP)]2-・2Li+は、テトラヒドロフラン(THF)溶媒(5 ml)中、0℃で30分、シアン化第一銅(CuCN)(183 mg)と、1当量のnBuLi(2.44 M n-ヘキサン溶液0.81 mL)を反応せてnBuCuCNLiを合成したのち、同じ温度で30分、1当量の(TMP)Li(テトラヒドロフラン(THF)溶媒5.0 mL)と反応させてnBuCu(CN)(TMP)Li2を合成した。なお、(TMP)Liは、TMPとnBuLiから合成した。
また、錯体の生成は、1H-NMRスペクトルのメチル基の化学シフトの高磁場シフトに基づいて確認した。
Ar雰囲気下、N,N-ジイソプロピルベンズアミド1当量に対し、銅アート錯体MeCu(TMP)(CN)Li22当量を反応して芳香族銅アート錯体を得た後、ヨウ素(I2)、重水(D2O)、ヨードメタン(MeI)及び臭化アリル(allyl bromide)を反応させることにより、各々、90〜100%の高収率でオルト位に置換基が導入された目的化合物を得た。生成物の単離は、飽和NH4Cl-Na2S2O3水溶液に注ぎ、酢酸エチルにて抽出し、溶媒留去後、シリカゲルクロマトグラフィーにて精製することによって行った。目的化合物の2-ヨード−N,N−ジイソプロピルベンズアミドは、白色固体として得られ、次の分析値を有した。
400MHz 1H-NMR (CDCl3/TMS)δ(ppm): 7.81 (dd, 1H, J = 7.9 Hz, 0.8 Hz), 7.35 (td, 1H, J = 7.5 Hz, 1.2 Hz), 7.14 (dd, 1H, J = 7.5 Hz, 1.2 Hz), 7.02 (td, 1H, J = 7.1 Hz, 1.6 Hz), 3.46-3.63 (m, 2H), 1.56-1.61 (m, 6H), 1.26-1.28 (m, 3H), 1.06-1.08 (m, 3H); m/z (EI) 331 (M+)
さらにまた、上記の芳香族銅アート錯体をニトロベンゼンによる酸化を行うことにより、2-メチル-N,N-ジイソプロピルベンズアミドを収率96%で得た。また上記の芳香族銅アート錯体を酸素による酸化を行うことにより2-ヒドロキシ-N,N-ジイソプロピルベンズアミド(収率15〜78%)、及びN,N-ジイソプロピルベンズアミドの二量体(収率12〜31%)を得た。
Ar雰囲気下、シアノベンゼン1当量に対し、表1に示した種々の銅アート錯体1.1当量又は2当量を、THF溶媒(15 ml)中、0℃で3時間反応して芳香族銅アート錯体を得た後、その反応混合液にヨウ素(7.0当量)を添加し、室温で16時間反応させることにより、シアノベンゼンのオルト位にヨウ素原子が導入された1-シアノ-2-ヨードベンゼンを得た。各々の錯体を用いたときの目的化合物の収率は、表1に示した。
Ar雰囲気下、シアノベンゼン、1,3-ジメトキシベンゼン、N,N-ジイソプロピルベンズアミド及びメトキシベンゼン各1当量に対し、銅アート錯体(TMP)2CuCNLi21.1当量又は2当量を、THF溶媒(15 ml)中、0℃で3時間反応して芳香族銅アート錯体を得た後、その反応混合液にヨウ素(7.0当量)を添加し、室温で16時間反応させることにより、各芳香族化合物のオルト位にヨウ素原子が導入された目的化合物を表2に示した収率で得た。
Ar雰囲気下、表3に示した芳香族性化合物各1当量に対し、銅アート錯体MeCu(TMP)CNLi22当量を、THF溶媒(15 ml)中、0℃で3時間反応して芳香族銅アート錯体を得た後、その反応混合液にヨウ素(7.0当量)を添加し、0℃又は-78℃で3時間反応させることにより、芳香族性化合物(#1〜#8)のオルト位に、又は芳香族性化合物(#9〜#10)の窒素原子に対し隣接位に、ヨウ素原子が導入された化合物が表3に示した収率で得られた。また、化合物No.10の芳香族銅アート錯体を重水(D2O)で処理したときには、窒素原子に対し隣接位の水素原子が100%重水素化された化合物が得られた。
Claims (6)
- 下記の式I:
R1は、メチル、エチル、n−プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ジエチルアミノ、ジ(n-プロピル)アミノ、ジ(i-プロピル)アミノ、ジ(n-ブチル)アミノ、ジ(i-ブチル)アミノ、ジ(t-ブチル)アミノ、チエニル、トリメチルシリルメチル、フェニル、又は2,2,6,6-テトラメチルピペリジノ基であり、
R2は、ジ(i-プロピル)アミノ又は2,2,6,6-テトラメチルピペリジノ基であり、
R3は、シアノ、メチル、エチル、n−プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ジエチルアミノ、ジ(n-プロピル)アミノ、ジ(i-プロピル)アミノ、ジ(n-ブチル)アミノ、ジ(i-ブチル)アミノ、ジ(t-ブチル)アミノ、又は2,2,6,6-テトラメチルピペリジノ基である]
によって表される、ただし[(NiPr2)2Cu(CN)]2-・2Li+ 及び[( t Bu)(N i Pr 2 )Cu(CN)] 2- ・2Li + (式中、N i Pr 2 はジイソプロピルアミノを表し、 t Buはt-ブチルを表す)を除く、銅アート錯体。 - 下記の式:
[ThCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[(TMP)2Cu(CN)]2-・2Li+、
[MeCu(CN)(NiPr2)]2-・2Li+、
[MeCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[nBuCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[tBuCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[TMSMCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[PhCu(CN)(TMP)]2-・2Li+、
[(TMP)3Cu]2-・2Li+、
[MeCu(TMP)2]2-・2Li+、及び
[Me2Cu(TMP)]2-・2Li+
(式中、Thはチエニルを表し、TMPは2,2,6,6-テトラメチルピペリジノを表し、NiPr2はジイソプロピルアミノを表し、Meはメチルを表し、nBuはn-ブチルを表し、tBuはt-ブチルを表し、TMSMはトリメチルシリルメチルを表し、Phはフェニルを表す)によって表される錯体からなる群から選択される、請求項1に記載の銅アート錯体。 - 請求項1に記載の銅アート錯体、請求項2に記載の銅アート錯体、 [(NiPr2)2Cu(CN)]2-・2Li+の銅アート錯体、並びに[( t Bu)(N i Pr 2 )Cu(CN)] 2- ・2Li + の銅アート錯体からなる群から選択される銅アート錯体と、電子供与性基又は電子吸引性基を有する単環もしくは多環芳香族化合物、及び含窒素芳香複素環化合物、からなる群から選択される芳香族性化合物とを反応させて、該芳香族性化合物が単環もしくは多環芳香族化合物である場合、その該電子供与性基又は電子吸引性基に対してオルト位又は隣接位の炭素原子に、或いは該芳香族性化合物が含窒素芳香複素環化合物である場合、複素環を構成する環内窒素原子に対して隣接位の炭素原子に、該銅アート錯体由来の基である-[Cu(R1)(R3)]2-・2Li+(ここで、R1及びR3は上記と同義である)を結合させて、芳香族銅アート錯体を生成し、さらにその生成物と親電子剤とを反応させて、該銅アート錯体由来の基に代えて該親電子剤由来の親電子性基を、該オルト位又は隣接位の炭素原子に導入することを含む、該芳香族性化合物に位置選択的に置換基を導入するための方法。
- 請求項1に記載の銅アート錯体、請求項2に記載の銅アート錯体、[(NiPr2)2Cu(CN)]2-・2Li+の銅アート錯体、並びに[( t Bu)(N i Pr 2 )Cu(CN)] 2- ・2Li + の銅アート錯体からなる群から選択される銅アート錯体と、電子供与性基又は電子吸引性基を有する単環もしくは多環芳香族化合物、及び含窒素芳香複素環化合物、からなる群から選択される芳香族性化合物とを反応させて、該芳香族性化合物が単環もしくは多環芳香族化合物である場合、その該電子供与性基又は電子吸引性基に対してオルト位又は隣接位の炭素原子に、或いは該芳香族性化合物が含窒素芳香複素環化合物である場合、複素環を構成する環内窒素原子に対して隣接位の炭素原子に、該銅アート錯体由来の基である-[Cu(R1)(R3)]2-・2Li+(ここで、R1及びR3は上記と同義である)を結合させて、芳香族銅アート錯体を生成し、さらにその生成物と酸素分子とを反応させて、該銅アート錯体由来の基に代えて水酸基を該オルト位又は隣接位の炭素原子に導入するか、或いは該オルト位又は隣接位の炭素原子を介して該芳香族性化合物同士のカップリングを起こすか、或いは該オルト位又は隣接位の炭素原子に配位子カップリングを起こすことを含む、該芳香族性化合物に位置選択的に置換基を導入するための方法。
- 前記電子供与性基又は電子吸引性基が、シアノ、ハロゲン、モノ-、ジ-又はトリ-ハロゲン化アルキル、アミド、N-(モノもしくはジアルキル)アミノカルボニル、モノ-又はジ-アルキルアミノ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、カルボキシル、ホルミル、スルホニル、ニトロ、アミノ又は四級アミノ基である、請求項3又は4に記載の方法。
- 前記親電子剤が、ハロゲン分子、ハロゲン化アリル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化シリル、ハロゲン化アリール、酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル、アルデヒド、ケトン、ラクトン、エポキシ、ジエン、イソシアネート、チオイソシアネート、重水又はα,β-不飽和カルボニル化合物である、請求項3又は4に記載の方法。
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