JP5190732B2 - 櫛付きキャップ - Google Patents

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Description

本発明は、容器体に収納された白髪染め液、ヘアマニキュア、ヘアカラーさらには整髪料等の内容液を、容器体から頭髪に直接塗布すべく構成した櫛付きキャップに関するものである。
スクイズ性を有する容器体やエアゾール式の容器体にキャップとして組付けられ、容器体の白髪染め液やヘアマニキュア等の内容液を、直接頭髪に塗布することができるようにした櫛付きキャップが知られているが、この種の櫛付きキャップは、列設された複数の櫛歯片に、容器体に収納された内容液を、櫛歯片間に吐出する吐出口を開設した構成となっていて、適量の内容液を櫛歯片間に吐出した状態で、櫛付きキャップで頭髪を梳くことにより、そのまま内容液を頭髪に塗布するものとなっている。
この櫛付きキャップにあっては、容器体の内容液を直接頭髪に塗布することができるので、頭髪に対する内容液の簡単で素早い塗布を得ることができると云う利点がある反面、櫛歯片間に吐出された内容液が、そのままの状態で頭髪に塗布されるので、内容液の頭髪に対する塗布状態が斑となり易く、また櫛歯片間に吐出されて塊状となった内容液が、そのまま櫛歯片間から垂れ落ちする場合がある、と云う不都合があった。
この不都合を解消する従来技術として、隣接する他の櫛歯片に対向する櫛歯面に、二条の凹溝を縦方向に形成し、この凹溝内に吐出された内容液を位置させると共に、過剰な内容液を貯留するように、構成したものがある。
特開2003−259911号公報
上記従来技術にあっては、櫛歯片間に吐出した内容液の少なくとも一部を、凹溝内に位置させることにより、吐出された内容液の櫛歯片に対する接触面積を大きくし、これにより内容液の不正な垂れ落ちの発生を、効果的に防止する、と云う利点がある。
しかしながら、上記した従来技術にあっては、凹溝は内容液を貯留する作用を発揮するものであるので、吐出された内容液の一部が、この凹溝内に残留する可能性が高く、このため内容液の無駄が発生し易いと共に、凹溝内に残留した内容液の乾燥固化により、梳き作用が不良となったり、汚れの発生が激しくなる、と云う問題があった。
また、隣り合った櫛歯片に形成された凹溝は、互いに対向した位置関係にあるので、単に隣り合った櫛歯片間隔を、部分的に拡げるだけであり、このため梳き動作により櫛歯片間を通過する頭髪に対して、梳き方向に直交する方向への力を作用させることがほとんどない。それゆえ、頭髪に対して、従来と同じ程度の梳き力しか作用させることができず、このためを頭髪に付着させた内容液を、頭髪全体に塗り拡げる作用が充分ではない、と云う問題があった。
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、頭髪の梳き動作時に、頭髪に対して、梳き方向に直交する方向への充分な押圧力を作用させることができるようにすることを技術的課題とし、もって頭髪に付着させた内容液の、広い範囲への均等な塗布を達成することを目的とする。
本発明の櫛付きキャップは、白髪染め液、ヘアマニキュア、ヘアカラーさらには整髪料等の内容液を収納する容器体の口筒部に密に組付いて、等間隔に列設した複数の櫛歯片から、内容液を吐出可能としたものである。
櫛歯片は、その上部に、容器体内の内容液を櫛歯片間に吐出する吐出口を開設すると共に、上部を先細にして梳き方向に幅広となっている。かつ、この櫛歯片は、梳き方向に波打つ波板状に構成されている。
隣合って対向した各櫛歯片は、その対向した櫛歯面の山部を相手側の谷部に対向させ、その櫛歯面の谷部を相手側の山部に対向させて、相互に略平行となるように列設し、隣り合った櫛歯片の相対向した櫛歯面の間隔を,この櫛歯面の山部の頂部が、梳き方向から見て、ほとんど重なる程度とされている。
各櫛歯片の櫛歯面は、平坦面ではなく波打ち面となっているので、当然のこととして、平坦な面である場合に比べて、単位幅範囲における面積が大きくなり、その分、櫛歯片間に吐出された内容液の付着面積が大きくなる。
このため、櫛歯片間に吐出された内容液の、櫛歯片に対する付着力が大きくなり、妄りな流動変位が起き難くなるので、吐出した内容液の垂れ落ちとか、櫛歯片の根元部への垂れ下がりと云う、不良状態が起こり難くなる。
また、各櫛歯片の櫛歯面は、梳き方向に波打つ面となっており、かつ対向した櫛歯面は平行となっているので、頭髪は凹凸に従って、梳き方向に直交する横方向に、強制的に押圧変位させられながら梳かれることになり、このため頭髪には充分な梳き力が作用することになる。さらに、隣り合った櫛歯片の相対向した櫛歯面の間隔を、この櫛歯面の山部の頂部が、梳き方向から見て、ほとんど重なる程度となっているので、櫛歯片間を通過する頭髪が、確実に蛇行変位しながら移動することになる。
本発明の別の構成は、容器体の口筒部に密に組付く組付き筒の上端から、内鍔状の頂壁を介して、上端を頂板で塞いだ起立筒を設け、頂板に、梳き方向に直交する左右方向に沿って複数の櫛歯片を起立姿勢で列設し、この櫛歯片に、上部に形成した吐出口に連通すると共に、頂板の下面に開口する吐出路を形成した、ことにある。
複数の櫛歯片を、頂板上に起立姿勢で設けたもの、すなわち縦型櫛歯片付きキャップとしたものにあっては、各櫛歯片が起立姿勢もしくは垂下姿勢となる内容液吐出時もしくは塗布使用時であっても、櫛歯片間に吐出された内容液は、各櫛歯片間に不動に保持された状態が維持される。
また、本発明の別の構成は、櫛歯面の波打ちを、一つの山部と一つの谷部の組合せとした、ことにある。
櫛歯面の波打ちを、一つの山部と一つの谷部の組合せとしたものにあっては、一つの櫛歯面に凹部と凸部との組合せを形成することができると共に、この凹凸をなだらかで大きなものとすることができる。
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明にあっては、櫛歯片間に吐出された内容液の垂れ落ちとか、櫛歯片の根元部への垂れ下がりと云う、不良状態が起こり難くなるので、内容液により手元とか周囲を汚すことなく、これにより頭髪に対する内容液の塗布を、好ましい状態のまま、簡単に行うことができる。
また、頭髪を、充分な梳き力を作用させながら梳くことができるので、頭髪に付着させた内容液を、広い範囲に均等に塗布することができ、これにより内容液の良好な塗布動作を得ることができる。さらに、隣り合った櫛歯片の相対向した櫛歯面の間隔を、該櫛歯面の山部の頂部が、梳き方向から見て、ほとんど重なる程度としたので、櫛歯片間を通過する頭髪が、確実に蛇行変位しながら移動することになり、梳かれる頭髪に対する内容液の塗布を、より万遍なく達成することができる。
複数の櫛歯片を、頂板上に起立姿勢で設けたものにあっては、櫛歯片間に吐出された内容液を不動に保持する状態が維持されるので、内容液を櫛歯片間に吐出した状態での安定した取扱いを得ることができ、これにより頭髪に対する内容液の塗布動作を、安心して行うことができる。
櫛歯面の波打ちを、一つの山部と一つの谷部の組合せとしたものにあっては、凹凸をなだらかで大きなものとすることができるので、頭髪に対して凹凸が大きな抵抗を与えることがなく、これにより円滑な梳き動作を、無理なく得ることができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の櫛付きキャップ1は、スクイズ性を有する胴部13を持つ容器体12やエアゾール式の容器体の口筒部14に密に組付けられるもので、容器体12の口筒部14に、螺合して密に組付く組付き筒2の上端に、内鍔状の頂壁3を介して、上端を頂板6で塞いで内部を中空部5とした起立筒4を設け、頂板6の上面に、梳き方向に直交する左右方向に沿って、複数の櫛歯片7を起立姿勢で列設し、この櫛歯片7に、上部に左右方向に開口して形成した吐出口10に連通すると共に、頂板6の下面に開口する、すなわち中空部5に開放する吐出路9を形成して構成されている。
櫛歯片7は、上部を先細にして梳き方向に幅広となっており、かつ梳き方向に波打つ波板状となっており、隣合った各櫛歯片7は、その向き合った櫛歯面8を平行に対向させている。
すなわち、隣合った櫛歯片7は、その櫛歯面8の山部8aを相手側の谷部に対向させ、その櫛歯面8の谷部を相手側の山部8aに対向させている。
そして、隣合った櫛歯片7の間隔は、梳き方向から見て、対向した櫛歯面8の山部8aの頂部が、ほとんど重なる程度に設定されており、これにより隣合った櫛歯片7の間に形成される頭髪梳き通路は、ほとんど直線部分のない、蛇行した通路となる。
対向した櫛歯面8間に吐出された内容液Nは、図5に示すように、両櫛歯片7間に挟まれた状態で、平行した凹凸面である櫛歯面8に付着して位置することになるので、両櫛歯片7に対して、幅の割には大きな面積で付着することになり、これにより吐出された内容液Nの、重力による垂れ落ちおよび垂れ下がりの発生を、確実に防止する。
また、両櫛歯片7間を梳き移動する頭髪は、櫛歯面8の山部8aにより、梳き方向に直交する横方向に強制的に押し込まれるので、この部分で効果的に梳かれることになり、付着した内容液Nは確実に押し広げられることになる。
なお、列設された櫛歯片7の両側に、櫛歯片7と同じ構造で設けられた枠櫛歯片11は、櫛歯片7を機械的に保護すると共に、側端に位置した櫛歯片7から吐出された内容液Nを保持するように作用する。
図示実施例の場合、各枠櫛歯片11の上部に透孔が開設されているが、これは合成樹脂製櫛付きキャップ1全体を、射出成形により一体成形する際に、吐出口10を、一本の型ピンで成形するためのものである。
また、吐出口10は、上記した実施例に限定されず、櫛歯面8に開口していれば良く、例えば、吐出口10から上の櫛歯面8に、型抜きのための凹部が形成されるものでも構わないことは、云うまでもない。
本発明の一実施形態例を容器体に組付けた、全体正面図である。 図1の実施形態例の、半縦断拡大正面図である。 図1の実施形態例の、拡大側面図である。 図1の実施形態例の、拡大平面図である。 図1の実施形態例の、櫛歯片列の拡大平面図である。
符号の説明
1 ; 櫛付きキャップ
2 ; 組付き筒
3 ; 頂壁
4 ; 起立筒
5 ; 中空部
6 ; 頂板
7 ; 櫛歯片
8 ; 櫛歯面
8a; 山部
9 ; 吐出路
10; 吐出口
11; 枠櫛歯片
12; 容器体
13; 胴部
14; 口筒部
N ; 内容液

Claims (3)

  1. 内容液を収納する容器体の口筒部に密に組付いて、等間隔に列設した複数の櫛歯片から、前記内容液を吐出可能とした櫛付きキャップであって、前記櫛歯片を、その上部に、前記内容液を櫛歯片間に吐出する吐出口を開設すると共に、上部を先細にして梳き方向に幅広であり、梳き方向に波打つ波板状に構成し、該各櫛歯片を、その相対向した櫛歯面の山部を相手側の谷部に対向させ、その櫛歯面の谷部を相手側の山部に対向させて平行にして列設し、前記隣り合った櫛歯片の相対向した櫛歯面の間隔を、該櫛歯面の山部の頂部が、梳き方向から見て、ほとんど重なる程度とした櫛付きキャップ。
  2. 容器体の口筒部に密に組付く組付き筒の上端から、内鍔状の頂壁を介して、上端を頂板で塞いだ起立筒を設け、前記頂板に、梳き方向に直交する左右方向に沿って複数の櫛歯片を起立姿勢で列設し、該櫛歯片に、上部に形成した吐出口に連通すると共に、前記頂板の下面に開口する吐出路を形成した請求項1に記載の櫛付きキャップ。
  3. 櫛歯面の波打ちを、一つの山部と一つの谷部の組合せとした請求項1または2記載の櫛付きキャップ。
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