JP5190159B1 - 医薬 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ピタバスタチン又はその塩のラクトン体生成が抑制された固形製剤を用いた医薬品を提供する。
本発明の医薬品は、次の成分(A)及び(B):
(A)ピタバスタチン又はその塩;
(B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上;
を含有し、かつ、水分含量が2.9質量%以下である固形製剤を、気密包装体に収容してなることを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、ピタバスタチン又はその塩のラクトン体生成が抑制された固形製剤及び当該固形製剤を用いた医薬品に関する。
いわゆるスタチン類の一種であるピタバスタチンカルシウム(化学名:(+)-monocalcium bis{(3R,5S,6E)-7-[2-cyclopropyl-4-(4-fluorophenyl)-3-quinolyl]-3,5-dihydroxy-6-heptenoate})等のピタバスタチン又はその塩は、優れたHMG−CoA還元酵素阻害活性を有し、高脂血症治療剤、高コレステロール血症治療剤等の有効成分として有用であることが知られている(特許文献1)。
上記スタチン類の共通骨格であるジヒドロキシカルボン酸骨格は、脱水縮合反応により分子内で環化し、HMG−CoA還元酵素阻害活性の低いラクトン体を生成することが知られている。医薬品製剤中でのラクトン体の生成は、医薬品の有効性の低下や医薬品間での有効性の不均一性の原因ともなり得る。そのため、ピタバスタチンを含むスタチン類の医薬品製剤中での安定性を向上させる試みが従来より種々なされているが、その多くはスタチン類のpH環境に対する検討であり、具体的には低pH環境下におけるジヒドロキシカルボン酸骨格の不安定性を考慮して炭酸カルシウム等の塩基性物質を配合してスタチン類のpH環境を塩基性にする、というものである(特許文献2、3)。
また、特許文献4には、ピタバスタチンカルシウムの結晶性形態Aを乾燥させると、水分が4%以下でアモルファス化して結晶性が低下すること、及びアモルファス化したピタバスタチンカルシウムは保存中の安定性が極めて悪くなることが記載されている。さらに、非特許文献1には、「有効成分の各種条件下における安定性」の項において、低湿度条件下(60℃、30%RH)において水分減少とともに類縁物質の増加が認められた旨、記載されている。
特開平1−279866号公報 特許第2774037号明細書 特許第3276962号明細書 特表2007−516952号公報 国際公開第WO2007/52592号パンフレット
「リバロ錠1mg、リバロ錠2mg、リバロ錠4mg」インタビューフォーム、2012年6月
しかしながら、特許文献4及び非特許文献1には、ピタバスタチンカルシウムと特定の高い吸湿性を有する崩壊剤とを含有する固形製剤における、吸湿(水分の上昇)に伴う不安定性については一切記載されていない。
ところで、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウムなどのカルメロース又はその塩、クロスポビドン、結晶セルロースといった医薬品添加物はいずれも極めて高い吸湿性を有する。そのため固形製剤に配合した場合、吸湿して膨潤する・毛管作用により製剤内部に導水するといった作用を発揮し、固形製剤に良好な崩壊性を付与するため、崩壊剤等として利用されている。
固形製剤の崩壊性の向上は、有効成分の放出と薬効発揮をより確実にし、ひいては固形製剤の品質の向上につながるというメリットがある。また、良好な崩壊性を特徴とする固形製剤の一種である口腔内崩壊型の固形製剤においては、水無しに服用できるため場所・時間等を問わず服用でき、服用コンプライアンスの向上につながるというメリットもある。
このようなメリットを考慮して、本発明者はピタバスタチン又はその塩を含有する崩壊性が良好な固形製剤を得るため、カルメロース又はその塩、クロスポビドン、結晶セルロースといった崩壊剤とピタバスタチン又はその塩とを混合したところ、経時的に多量のラクトン体が生成することが判明した。
従って、本発明は、ピタバスタチン又はその塩と、カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上とを含有する、ラクトン体生成の抑制された固形製剤、及び当該固形製剤を用いた医薬品を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決するにあたり、まずピタバスタチン又はその塩と、カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上との混合時におけるラクトン体生成の原因・メカニズムにつき鋭意検討したところ、驚くべきことに、混合物中の水分含量とラクトン体量の間に相関があり、水分含量が増加するに従い脱水縮合物であるラクトン体の生成量が増加することが明らかとなった。一方において、特許文献5記載の「製剤の各種条件下における安定性」の項においては、現在販売中の「リバロ錠」の苛酷試験(湿度:25℃、60%RH又は85%RH)での安定性につき“規格範囲内”あるいは“溶出率低下”とされているのみである。これらのことから、上記した崩壊剤との共存によるラクトン体生成の原因・メカニズムは、現在販売中の「リバロ錠」には配合されていない上記特定の崩壊剤の有する高い吸湿性に起因することが示唆された。そして、固形製剤の水分含量を一定値以下とすることによって、ピタバスタチン又はその塩由来のラクトン体生成が抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)ピタバスタチン又はその塩;
(B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上;
を含有し、かつ、水分含量が2.9質量%以下である固形製剤を、気密包装体に収容してなる医薬品を提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)ピタバスタチン又はその塩;
(B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上;
を含有し、かつ、水分含量が2.9質量%以下である固形製剤を提供するものである。
本発明の固形製剤は、ピタバスタチン又はその塩由来のラクトン体生成が抑制され、しかも崩壊性に優れる。したがって、本発明の固形製剤は、有効成分の安定性が良好であるのみならず有効成分の放出と薬効発揮が確実であるから、品質に優れる。
また、本発明の医薬品は、本発明の固形製剤が気密保存可能な包装体にて包装され包装体内への水分の侵入が妨げられるため、長期間に渡って包装体内部の固形製剤の水分含量が安定的に保たれ、固形製剤中のピタバスタチン又はその塩由来のラクトン体生成が長期間に渡って抑制され、有用である。
本発明において「ピタバスタチン又はその塩(以下、「成分(A)」とも称する)」には、ピタバスタチンそのもののほか、ピタバスタチンの薬学上許容される塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;フェネチルアミン塩等の有機アミン塩;アンモニウム塩等)、更にはピタバスタチン又はその薬学上許容される塩と、水、アルコール等との溶媒和物も含まれる。本発明においては、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明においては、ピタバスタチンカルシウム(化学名:(+)-monocalcium bis{(3R,5S,6E)-7-[2-cyclopropyl-4-(4-fluorophenyl)-3-quinolyl]-3,5-dihydroxy-6-heptenoate})が好ましい。
ピタバスタチン又はその塩は公知の化合物であり、例えば、特開平1−279866号公報、米国特許第5856336号明細書等に記載の方法により製造することができる。
本発明において、固形製剤における成分(A)の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて適宜検討して決定することができるが、例えば、1投与単位当たり、成分(A)をピタバスタチンカルシウム換算で0.1〜16mg、より好適には0.5〜12mg、さらに好適には1〜8mg、特に好適には1〜4mg含有する固形製剤が好ましい。
本発明においては、成分(A)を固形製剤全質量に対して、ピタバスタチンカルシウム換算で0.1〜10質量%含有する固形製剤が好ましく、0.2〜5質量%含有する固形製剤がより好ましく、0.5〜4質量%含有する固形製剤が特に好ましい。
本発明において、「カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上(以下、「成分(B)」とも称する)」には、カルメロース、カルメロースの薬学上許容される塩、カルメロースやその薬学上許容される塩の架橋重合物、クロスポビドン及び結晶セルロースが包含される。本発明においては、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明において、固形製剤における成分(B)の含有量は特に限定されず、固形製剤の崩壊性に応じて適宜検討して決定することができる。本発明においては、成分(B)を固形製剤全質量に対して合計で0.1〜85質量%含有する固形製剤が好ましく、0.5〜70質量%含有する固形製剤がより好ましく、1〜60質量%含有する固形製剤が特に好ましい。また、成分(B)をピタバスタチンカルシウム換算した成分(A)1質量部に対しては、合計で0.1〜90質量部含有する固形製剤が好ましく、0.5〜75質量部含有する固形製剤がより好ましく、1〜65質量部含有する固形製剤が特に好ましい。
本発明において、「カルメロース及びその塩」には、カルメロースそのもののほか、カルメロースの薬学上許容される塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等)、さらにはカルメロースやその薬学上許容される塩の架橋重合物(クロスカルメロース)も包含される。具体的には例えば、カルメロース、カルメロースカリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。本発明においては、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、カルメロース及びその塩として分子量、塩の種類等の異なるいずれのものを用いてもよいが、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウムが好ましく、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウムが特に好ましい。
本発明において、カルメロース及びその塩としては市販品を用いてもよく、具体的には例えば、NS−300、ECG−505(以上、五徳薬品社製)、サンローズ(日本製紙ケミカル社製)、セロゲン(三栄源エフ・エフ・アイ社製)、セロゲンシリーズ(第一工業製薬社製)、Ac−Di−Sol(旭化成ケミカルズ社製)、キッコレートND−2HS(ニチリン化学工業社製)等が挙げられる。
本発明において、固形製剤におけるカルメロース及びその塩の含有量は特に限定されず、固形製剤の崩壊性に応じて適宜検討して決定することができる。本発明においては、カルメロース及びその塩を固形製剤全質量に対して合計で0.01〜25質量%含有する固形製剤が好ましく、0.1〜20質量%含有する固形製剤がより好ましく、0.5〜15質量%含有する固形製剤が特に好ましい。また、ピタバスタチンカルシウム換算した成分(A)1質量部に対しては、カルメロース及びその塩を合計で0.01〜30質量部含有する固形製剤が好ましく、0.1〜25質量部含有する固形製剤がより好ましく、0.5〜20質量部含有する固形製剤が特に好ましい。
本発明に用いられるクロスポビドンは特に限定されず、分子量等の異なるいずれのクロスポビドンを用いてもよく、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、クロスポビドンとしては市販品を用いてもよく、具体的には例えば、クロスポビドン(五協産業社製)、コリドンCL−F、コリドンCL−M、コリドンCL−SF(以上、BASF社製)、ポリプラスドンXL、ポリプラスドンXL−10、ポリプラスドンINF−10(以上、アイエスピー・ジャパン社製)等が挙げられる。
本発明において、固形製剤におけるクロスポビドンの含有量は特に限定されず、固形製剤の崩壊性に応じて適宜検討して決定することができる。本発明においては、クロスポビドンを固形製剤全質量に対して0.1〜25質量%含有する固形製剤が好ましく、0.5〜20質量%含有する固形製剤がより好ましく、1〜15質量%含有する固形製剤が特に好ましい。また、ピタバスタチンカルシウム換算した成分(A)1質量部に対しては、クロスポビドンを0.1〜30質量部含有する固形製剤が好ましく、0.5〜25質量部含有する固形製剤がより好ましく、1〜20質量部含有する固形製剤が特に好ましい。
本発明に用いられる結晶セルロースは特に限定されず、分子量、粒径等の異なるいずれの結晶セルロースを用いてもよく、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、結晶セルロースとしては市販品を用いてもよく、具体的には例えば、セオラスUFグレード、セオラスKGグレード、セオラスPHグレード(以上、旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
本発明において、固形製剤における結晶セルロースの含有量は特に限定されず、固形製剤の崩壊性に応じて適宜検討して決定することができる。本発明においては、結晶セルロースを固形製剤全質量に対して0.1〜80質量%含有する固形製剤が好ましく、0.5〜65質量%含有する固形製剤がより好ましく、1〜50質量%含有する固形製剤が特に好ましい。また、ピタバスタチンカルシウム換算した成分(A)1質量部に対しては、結晶セルロースを0.1〜85質量部含有する固形製剤が好ましく、0.5〜70質量部含有する固形製剤がより好ましく、1〜55質量部含有する固形製剤が特に好ましい。
本発明の固形製剤は、ラクトン体の生成を抑制するため水分含量が固形製剤全質量に対し2.9質量%以下である必要があるが、ラクトン体の生成抑制の観点から2.1質量%以下であるのがより好ましく、1.9質量%以下であるのが特に好ましい。
なお、後掲の試験例3に記載の通り、本発明の固形製剤の水分含量を1.5質量%以上とした場合、ラクトン体とは別の分解物である5−ケト体の生成を抑制できる。5−ケト体は、特許文献5記載の通りピタバスタチン又はその塩を光に曝すことによって生じる光分解物であることが知られているが、水分との関係についてこれまでに報告はない。
従って、水分含量が1.5〜2.9質量%(好適には1.5〜2.1質量%、特に好適には1.5〜1.9質量%)である本発明の固形製剤は、ラクトン体の生成が抑制され、また、5−ケト体の生成も抑制されるため、固形製剤中のピタバスタチンの安定性が特に良好であるという優れた効果を有する。
また、別の観点から、本発明は、ピタバスタチン又はその塩を含有し、かつ、水分含量が1.5質量%以上である固形製剤、好適には、次の成分(A)及び(B):
(A)ピタバスタチン又はその塩;
(B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上;
を含有し、かつ、水分含量が1.5質量%以上である固形製剤を提供するものである。
なお、本発明の固形製剤の水分含量は、カールフィッシャー法により測定される。具体的には、第十六改正日本薬局方の水分測定法(カールフィッシャー法)に準拠し、容量滴定法又は電量滴定法を適宜選択して行えばよい。
本発明は、成分(A)と、成分(B)を含有する固形製剤の水分含量を調整することによって、成分(A)由来のラクトン体生成を抑制することを一つの特徴とする。ここで、固形製剤の水分含量を調整する手段としては、加湿手段と乾燥手段とが挙げられ、これらの手段を適宜組み合わせることにより本発明に係る水分含量に調整すればよい。
加湿手段としては、例えば、湿式造粒操作において練合液として含水溶媒を用いる手段等が挙げられる。
乾燥手段としては、例えば、乾燥装置を用いる手段や乾燥剤を用いる手段が挙げられる。ここで、乾燥装置としては、医薬品や食品の分野で通常使用されているものを用いることができ、具体的には例えば、箱型乾燥機、流動層乾燥機、噴霧乾燥機、凍結乾燥機、真空乾燥機、高周波乾燥機等を挙げることができる。また、乾燥剤としては、医薬品や食品の分野で通常使用されているものを用いることができ、具体的には例えば、シリカゲル、シリカアルミナゲル(例えば、アロフェン)、天然ゼオライト、合成ゼオライト(例えば、モレキュラーシーブ)、生石灰(酸化カルシウム)、ベントナイトクレイ(例えば、モンモリロナイト)、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び酸化マグネシウムから選択される1種以上が挙げられ、これらと活性炭を混合したものであってもよい。本発明においては、固形製剤の水分含量の調整の容易さから、乾燥装置を用いる方法が好ましい。
なお、これらの加湿手段や乾燥手段は、固形製剤の製造途中に行ってもよいし、固形製剤の製造後に行ってもよいが、固形製剤中の水分含量を正確に調整するため、少なくとも固形製剤の製造後に行うのが好ましい。
本発明において固形製剤は、その具体的形態(剤形)に応じて、上記成分以外に当該技術分野において通常用いられている添加剤を含有していてもよい。当該添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤(成分(B)を除く)、結合剤、滑沢剤、着色剤、可塑剤、フィルム形成剤、難水溶性高分子物質、抗酸化剤、矯味剤、甘味剤、pH調整剤、界面活性剤、香料等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することが可能である。なお、各添加剤の使用量は適宜決定することができる。
賦形剤としては、例えば、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、二酸化ケイ素、無水硫酸ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、塩化ナトリウム、含水無晶形酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、硫酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、酸化マグネシウム等の無機系賦形剤;アメ粉、デンプン(コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン等)、果糖、カラメル、カンテン、キシリトール、パラフィン、ショ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、白糖、ブドウ糖、プルラン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、マルチトール、還元麦芽糖水アメ、粉末還元麦芽糖水アメ、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、トレハロース、還元パラチノース、マルトース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、クエン酸カルシウム等の有機系賦形剤等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
崩壊剤としては、例えば、デンプン、ショ糖脂肪酸エステル、ゼラチン、炭酸水素ナトリウム、デキストリン、デヒドロ酢酸及びその塩、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
結合剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、デンプン(コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン等)、デキストリン、プルラン、アラビアゴム、カンテン、ゼラチン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
着色剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、褐色酸化鉄、カラメル、黒酸化鉄、酸化チタン、三二酸化鉄、タール色素、アルミニウムレーキ色素、銅クロロフィリンナトリウム等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
可塑剤としては、例えば、グリセリン、ゴマ油、ソルビトール、ヒマシ油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル)、ポリエチレングリコール[例えば、マクロゴール400(オキシエチレン単位の重合度nが7〜9:以下、「n」は重合度を示す)、マクロゴール600(nが11〜13)、マクロゴール1500(nが5〜6と、nが28〜36との等量混合物)、マクロゴール4000(nが59〜84)、マクロゴール6000(nが165〜210)]等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
フィルム形成剤としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース;アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸又はその塩;カラギーナン;キサンタンガム;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)等のヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等のヒドロキシアルキルセルロースフタレート;プルラン;ポリ酢酸ビニル;ポリ酢酸ビニルフタレート;ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
難水溶性高分子物質としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エリソルビン酸、酢酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、天然ビタミンE、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
矯味剤としては、例えば、リモネン、ピネン、カンフェン、サイメン、シネオール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、メントール、テルピネオール、ロジノール、ボルネオール、イソボルネオール、メントン、カンフル、オイゲノール、シンゼイラノール等のテルペン;トウヒ油、オレンジ油、ハッカ油、樟脳白油、ユーカリ油、テレピン油、レモン油、ショウキョウ油、チョウジ油、ケイヒ油、ラベンダー油、ウイキョウ油、カミツレ油、シソ油、スペアミント油等のテルペンを含有する精油(以下、テルペン及びテルペンを含有する精油をまとめて「テルペン類」と称する。);アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸及びこれらの塩等の酸味剤等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、テルペン類が好ましく、メントールがより好ましく、l−メントールが特に好ましい。
甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、ステビア、スクラロース、グリチルリチン酸、ソーマチン、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、スクラロースが好ましい。
本発明において、固形製剤のpHは特に限定されるものではないが、4以上、好ましくは4〜13、より好ましくは5〜12、更に好ましくは6〜11、特に好ましくは7〜11である。なお、本明細書において、固形製剤のpHとは、固形製剤1投与単位を精製水4mLに溶解又は分散して得られる液のpHを、第十六改正日本薬局方に記載のpH測定法に従って測定される値を意味する。
本発明において、固形製剤は、第十六改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法にしたがって、種々の剤形にすることができる。剤形は特に限定されず、第十六改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形、具体的には例えば錠剤(口腔内崩壊型錠剤、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠等を含む。)、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口投与用固形製剤や口腔用錠剤(トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠、ガム剤等を含む。)、坐剤、膣錠、膣用坐剤等の非経口投与用固形製剤が挙げられるが、経口投与用固形製剤が好ましい。なお、これらの固形製剤は必要に応じてフィルム、糖衣等でコーティングされていてもよい。
本発明において固形製剤の剤形としては、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤が好ましく、錠剤がより好ましく、口腔内崩壊型錠剤が特に好ましい。固形製剤の剤形が口腔内崩壊型錠剤である場合においては、錠剤が口腔内で速やかに崩壊するため服用が容易となり、引いては服用コンプライアンスの向上につながるという優れた効果を有する。
なお、本発明において、口腔内崩壊型錠剤の、口腔内での崩壊時間(健常人の口腔内の唾液で固形製剤が完全に崩壊するまでの時間)は特に限定されず、固形製剤の剤形、大きさ等によって異なるが、例えば、90秒以内、好ましくは60秒以内、特に好ましくは30秒以内である。
本発明において、固形製剤は、その剤形に応じて第十六改正日本薬局方等に記載の公知の方法により、製造することができる。
具体的には例えば、本発明の好適な剤形である口腔内崩壊型錠剤(以下、「OD錠」と称する。)の場合、成分(A)と、成分(B)と、所望により添加剤等を用いて直接圧縮成形する方法;成分(A)と、成分(B)と、所望により添加剤等を混合し、板状圧縮成形又はスラッグ錠に圧縮成形した後、粉砕し、所望により添加剤等を混合し、乾燥状態の混合物を圧縮成形する方法;成分(A)と、成分(B)と、所望により添加剤等を混合後、適当な方法で造粒し、乾燥状態の混合物を圧縮成形する方法等により製造できる。
また、本発明のOD錠は、成分(A)と、成分(B)とを含有する懸濁液や溶液をブリスターポケット等の鋳型に充填し、凍結乾燥し、乾燥凝固する方法により製造できる。なお、前記懸濁液や溶液には、更にゼラチン、デキストラン、アルギン酸やアルギン酸の塩、糖アルコール(エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等)、グリシン等を含有せしめることができる。
更に、本発明のOD錠は、成分(A)と、成分(B)と、糖類及び糖アルコールから選ばれる少なくとも1種を含有する混合物を水やアルコール水溶液等で湿潤して低圧で成形する方法、いわゆる湿式打錠することにより製造できる。
また、本発明のOD錠は、乳糖水和物、マンニトール、ブドウ糖水和物、白糖やキシリトール等の成形性の低い糖類及びマルトース、マルチトール、ソルビトールや、乳糖、果糖等のオリゴ糖等の成形性の高い糖類を用いて造粒物を製し、次いで造粒物を打錠する方法により製造できる。なお、当該方法においては、成分(A)や、成分(B)は前記造粒物中に含有せしめてもよいし、造粒物を製した後に混合してもよいが、前記造粒物中に含有せしめたものが好ましい。
さらに、本発明のOD錠は、成分(A)や他の添加剤の融点や分解点よりも低い、キシリトール、トレハロース、マルトース、ソルビトール、エリスリトール、グルコース、マルチトール、マンニトール、白糖、乳糖水和物等の相対的低融点糖類を用いて、成分(A)と、成分(B)と、所望により他の添加剤との溶融固化物を製造し、次いで溶融固化物を打錠する方法により製造できる。なお、当該方法においては、成分(A)及び成分(B)は前記溶融固化物中に含有せしめてもよいし、溶融固化物を製した後に混合してもよいが、溶融固化物中に含有せしめたものが好ましい。
また、本発明は、上記の固形製剤が気密包装体に収容してなる医薬品を提供するものである。固形製剤を気密包装体に収容することにより、包装体外からの水分の侵入が妨げられる結果、包装体内部に存在する固形製剤の水分含量が長期間に渡って安定的に保たれ、結果として固形製剤中の成分(A)由来のラクトン体生成が長期間に渡って抑制される。
本発明の「医薬品」は、気密包装体の内部において固形製剤が2.9質量%以下の水分含量であればよい。すなわち、気密包装体から固形製剤を取り出した直後において、その水分含量が2.9質量%以下であればよく、例えば、気密包装体にて収容する前において固形製剤の水分含量が2.9質量%以上であっても、乾燥剤を同封する等の手段により気密包装体の内部において固形製剤の水分含量が2.9質量%以下となっていれば(すなわち、気密包装体から固形製剤を取り出した直後において、その水分含量が2.9質量%以下となっていれば)本発明の「医薬品」に包含される。
本発明において「気密包装体」とは、通常の取扱い、運搬又は保存等の状態において、水分の包装体外からの実質的な侵入を抑制し得る包装を意味し、第十六改正日本薬局方 通則に定義される「気密容器」及び「密封容器」を包含する概念である。当該包装体としては、定形、不定形のいずれのものも用いることができ、具体的には例えば、ビン包装、SP(Strip Package)包装、PTP(Press Through Package)包装、ピロー包装、スティック包装等が挙げられる。本発明においては、さらにこれらを複数組み合わせたものであってもよく、具体的には例えば、固形製剤をまずPTP包装にて包装し、これをさらにピロー包装にて包装する形態が挙げられる。
気密包装体の包装材料(素材)としては、防湿性を発揮し得るものであれば特に限定されず、医薬品や食品の分野で、水分に弱い内容物の防湿等を目的として用いられる材料を適宜用いることができる。
ビン包装に用いられるビン本体の材料としては例えば、ガラス、プラスチック(ポリエステル、ポリエチレン(低密度(LDPE)、高密度(HDPE)を含む)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン等)、金属(アルミニウム)等が挙げられる。また、栓や蓋の材料としては例えば、プラスチック(ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン等)、金属(アルミニウム)等が挙げられる。ビン包装するに際しては、例えば、本発明の固形製剤を、市販のビン内に適当な数量格納し、次いで、適当な栓や蓋で封をすればよい。なお、ビンは、格納する固形製剤の数量に応じた大きさのものを適宜選択すればよく、ビンの容量としては、例えば、10〜500mL程度であり、14〜400mLが好ましく、24〜350mLがより好ましい。ビン包装の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)がより好ましく、高密度ポリエチレン(HDPE)が特に好ましい。
また、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装等に用いられる包装材料としては例えば、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリエステル(PET)、グルコース変性PET(PET−G)、二軸延伸ナイロン(ONy、PA)、セロハン、紙、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、無延伸ポリプロピレン(CPP、IPP)、アイオノマー樹脂(IO)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、二軸延伸ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリ塩化ビニル(PVC)、環状ポリオレフィン(COC)、無延伸ナイロン(CNy)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、硬質塩化ビニル(VSC)等の樹脂や、アルミニウム箔(AL)のような金属箔等が挙げられ、これらの2種以上を適宜組み合わせた多層構造としてもよい。斯かる多層構造としては例えば、PVCとPVDCを積層したもの(PVC/PVDC。以下、同様に省略して表記する。)、PVC/PVDC/PE/PVC、PVC/PVDC/PE/PVDC/PVC、CPP/COC/CPP、PVC/AL、CPP/AL、CPP/CPP/CPP等が挙げられる。斯かる多層構造を形成する方法としては、押出しラミネート、ドライラミネート、共押出しラミネート、サーマルラミネート、ウェットラミネート、ノンソルベントラミネート、ヒートラミネート等の公知のラミネート方法が挙げられる。SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装等に用いられる包装材料としては、ポリ塩化ビニル、アルミニウム箔が好ましい。
PTP包装の形態としては、公知の方法で樹脂シート等に所望数成形したポケットに、本発明の固形製剤を1個又は1投与単位ずつ格納し、次いでアルミニウム箔等の金属箔を構成材料とするシートをフタ材として用いて蓋をすることが挙げられる。なお、ポケットを形成するシートとしてもアルミニウム箔を構成材料とするシートを用いた、いわゆる両面アルミPTP包装としてもよい。本発明においては、防湿性を高める観点から、PTP包装をさらにピロー包装(例えば、アルミピロー包装など)により包装するのが好ましい。
SP包装やピロー包装、スティック包装の形態としては、公知の方法で樹脂シートやアルミニウム箔を構成材料とするシート等を用いて、固形製剤を1個又は1投与単位ずつ包装することが挙げられる。本発明においては、防湿性を高める観点から、アルミニウム箔を構成材料とするシートを用いるのが好ましい。
なお、本発明の医薬品における、固形製剤の包装体内部での占有率(容積率)は、包装体がビン包装の場合、通常、25〜90%であり、28〜75%が好ましく、30〜50%がより好ましい。また、包装体がSP包装、PTP包装、ピロー包装、スティック包装の場合、通常、30〜98%であり、40〜95%が好ましく、45〜93%がより好ましく、50〜90%が特に好ましい。なお、この場合において、占有率とは、包装体内部の容積に対する固形製剤の占有率を意味するものであり、包装体内部に格納した固形製剤の破損防止のための詰め物や中栓等は、空間占有率を算出するに際して考慮されるものではない。
本発明においては、気密包装体として市販の包装体をそのまま用いてもよく、また市販の包装材料を加工して用いてもよい。このような市販品としては例えば、ビン包装の包装体としては、Z−シリーズ(以上、阪神化成工業社製)等が挙げられる。また、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装用の包装材料としては、スミライトVSS、スミライトVSL、スミライトNS、スミライトFCL(以上、住友ベークライト社製)、TASシリーズ(大成化工社製)、PTP用ビニホイル、PTP用スーパーホイル(以上、三菱樹脂社製)、ニッパクアルミ箔(日本製箔社製)、アルミ箔銀無地(大和化学工業社製)等が挙げられる。
本発明において、固形製剤を気密包装体に収容する方法は特に限定されるものではなく、包装体内への固形製剤の投入等の適当な手段により、固形製剤を包装体内に配置することで達成できる。この場合において、包装体内に固形製剤とともに乾燥剤(例えば、円柱状(錠剤型)のものやシート状のもの)を投入する手段を用いてもよいが、固形製剤の水分含量が経時的に低下し過ぎるのを避けるため、固形製剤の水分含量をあらかじめ2.9質量%以下に調整のうえ、乾燥剤は投入しないのが好ましい。
本発明の固形製剤は、HMG−CoA還元酵素阻害活性を有するピタバスタチン又はその塩をその構成成分として含有することから、例えば、高脂血症治療剤、高コレステロール血症治療剤、家族性高コレステロール血症治療剤等として利用できる。また、医薬組成物の服用経路としては、経口及び非経口が挙げられ、経口投与が好ましい。さらに、医薬組成物は、1日につき1〜4回程度に分けて、食前、食間、食後、就寝前等に服用することができる。
前述の実施形態に関し、本発明は以下の医薬品及び固形製剤を開示する。
〔1−1〕次の成分(A)及び(B):
(A)ピタバスタチン又はその塩;
(B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上;
を含有し、かつ、水分含量が2.9質量%以下である固形製剤を、気密包装体に収容してなる医薬品。
〔1−2〕固形製剤の水分含量が、好ましくは2.1質量%以下、更に好ましくは1.9質量%以下である、上記〔1−1〕記載の医薬品。
〔1−3〕固形製剤の水分含量が、好ましくは1.5〜2.9質量%、より好ましくは1.5〜2.1質量%、更に好ましくは1.5〜1.9質量%である、上記〔1−1〕記載の医薬品。
〔1−4〕固形製剤中の(A)ピタバスタチン又はその塩の含有量が、1投与単位当たり、ピタバスタチンカルシウム換算で、好ましくは0.1〜16mg、より好ましくは0.5〜12mg、更に好ましくは1〜8mg、更に好ましくは1〜4mg含有する、上記〔1−1〕〜〔1−3〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−5〕固形製剤中の(A)ピタバスタチン又はその塩の含有量が、固形製剤全質量に対して、ピタバスタチンカルシウム換算で、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%、更に好ましくは0.5〜4質量%である、上記〔1−1〕〜〔1−3〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−6〕固形製剤中の(B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上の合計含有量が、固形製剤全質量に対して、好ましくは0.1〜85質量%、より好ましくは0.5〜70質量%、更に好ましくは1〜60質量%である、上記〔1−1〕〜〔1−5〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−7〕固形製剤中の(B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上の合計含有量が、ピタバスタチンカルシウム換算したピタバスタチン又はその塩1質量部に対して、好ましくは0.1〜90質量%、より好ましくは0.5〜75質量%、更に好ましくは1〜65質量%である、上記〔1−1〕〜〔1−5〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−8〕固形製剤中の(B)カルメロース及びその塩の合計含有量が、固形製剤全質量に対して、好ましくは0.01〜25質量%、より好ましくは0.1〜20質量%、更に好ましくは0.5〜15質量%である、上記〔1−1〕〜〔1−7〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−9〕固形製剤中の(B)カルメロース及びその塩の合計含有量が、ピタバスタチンカルシウム換算したピタバスタチン又はその塩1質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜25質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%である、上記〔1−1〕〜〔1−7〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−10〕固形製剤中のクロスポビドンの含有量が、固形製剤全質量に対して、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%である、上記〔1−1〕〜〔1−9〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−11〕固形製剤中のクロスポビドンの含有量が、ピタバスタチンカルシウム換算したピタバスタチン又はその塩1質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜25質量%、更に好ましくは1〜20質量%である、上記〔1−1〕〜〔1−9〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−12〕固形製剤中の結晶セルロースの含有量が、固形製剤全質量に対して、好ましくは0.1〜80質量%、より好ましくは0.5〜65質量%、更に好ましくは1〜50質量%である、上記〔1−1〕〜〔1−11〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−13〕固形製剤中の結晶セルロースの含有量が、ピタバスタチンカルシウム換算したピタバスタチン又はその塩1質量部に対して、好ましくは0.1〜85質量%、より好ましくは0.5〜70質量%、更に好ましくは1〜55質量%である、上記〔1−1〕〜〔1−11〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−14〕固形製剤のpHが、好ましくは4以上、より好ましくは4〜13、更に好ましくは5〜12、更に好ましくは6〜11、更に好ましくは7〜11である、上記〔1−1〕〜〔1−13〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−15〕気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、上記〔1−1〕〜〔1−14〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔1−16〕固形製剤が錠剤である、上記〔1−1〕〜〔1−15〕のいずれか一に記載の医薬品。
〔2−1〕次の成分(A)及び(B):
(A)ピタバスタチン又はその塩;
(B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上;
を含有し、かつ、水分含量が2.9質量%以下である固形製剤。
〔2−2〕水分含量が、好ましくは2.1質量%以下、更に好ましくは1.9質量%以下である、上記〔2−1〕記載の固形製剤。
〔2−3〕水分含量が、好ましくは1.5〜2.9質量%、より好ましくは1.5〜2.1質量%、更に好ましくは1.5〜1.9質量%である、上記〔2−1〕記載の固形製剤。
〔2−4〕(A)ピタバスタチン又はその塩の含有量が、1投与単位当たり、ピタバスタチンカルシウム換算で、好ましくは0.1〜16mg、より好ましくは0.5〜12mg、更に好ましくは1〜8mg、更に好ましくは1〜4mg含有する、上記〔2−1〕〜〔2−3〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔2−5〕(A)ピタバスタチン又はその塩の含有量が、固形製剤全質量に対して、ピタバスタチンカルシウム換算で、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%、更に好ましくは0.5〜4質量%である、上記〔2−1〕〜〔2−3〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔2−6〕(B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上の合計含有量が、固形製剤全質量に対して、好ましくは0.1〜85質量%、より好ましくは0.5〜70質量%、更に好ましくは1〜60質量%である、上記〔2−1〕〜〔2−5〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔2−7〕(B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上の合計含有量が、ピタバスタチンカルシウム換算したピタバスタチン又はその塩1質量部に対して、好ましくは0.1〜90質量%、より好ましくは0.5〜75質量%、更に好ましくは1〜65質量%である、上記〔2−1〕〜〔2−5〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔2−8〕(B)カルメロース及びその塩の合計含有量が、固形製剤全質量に対して、好ましくは0.01〜25質量%、より好ましくは0.1〜20質量%、更に好ましくは0.5〜15質量%である、上記〔2−1〕〜〔2−7〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔2−9〕(B)カルメロース及びその塩の合計含有量が、ピタバスタチンカルシウム換算したピタバスタチン又はその塩1質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜25質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%である、上記〔2−1〕〜〔2−7〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔2−10〕クロスポビドンの含有量が、固形製剤全質量に対して、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%である、上記〔2−1〕〜〔2−9〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔2−11〕クロスポビドンの含有量が、ピタバスタチンカルシウム換算したピタバスタチン又はその塩1質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは0.5〜25質量%、更に好ましくは1〜20質量%である、上記〔2−1〕〜〔2−9〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔2−12〕結晶セルロースの含有量が、固形製剤全質量に対して、好ましくは0.1〜80質量%、より好ましくは0.5〜65質量%、更に好ましくは1〜50質量%である、上記〔2−1〕〜〔2−11〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔2−13〕結晶セルロースの含有量が、ピタバスタチンカルシウム換算したピタバスタチン又はその塩1質量部に対して、好ましくは0.1〜85質量%、より好ましくは0.5〜70質量%、更に好ましくは1〜55質量%である、上記〔1−1〕〜〔1−11〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔2−14〕pHが、好ましくは4以上、より好ましくは4〜13、更に好ましくは5〜12、更に好ましくは6〜11、更に好ましくは7〜11である、上記〔1−1〕〜〔1−13〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔2−15〕固形製剤が錠剤である、上記〔2−1〕〜〔2−14〕のいずれか一に記載の固形製剤。
〔3−1〕次の成分(A)及び(B):
(A)ピタバスタチン又はその塩;
(B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上;
を含有し、かつ、水分含量が1.5質量%以上である固形製剤。
〔3−2〕水分含量が、好ましくは1.5〜2.9質量%、より好ましくは1.5〜2.1質量%、更に好ましくは1.5〜1.9質量%である、上記〔3−1〕記載の固形製剤。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
[試験例1]高い吸湿性を有する崩壊剤との共存によるラクトン体生成の確認
高い吸湿性を有する崩壊剤との共存下におけるピタバスタチン又はその塩由来のラクトン体生成を確認するため、以下の混合物1〜4を調製してポリエチレン製の袋及びアルミ袋に入れ70℃で3日間保存し、混合物調製直後及び70℃、3日保存後の混合物中のラクトン体の生成率を評価した。ラクトン体の生成率は、各混合物につき、HPLC装置(WATERS製2695)を用いて、ピタバスタチン及びその分解物に由来する総ピーク面積に対する面積百分率として測定した。なお、参考のため、ピタバスタチンカルシウムのみ別途70℃、3日保存した場合のラクトン体の生成率も同様に評価した。
また、ラクトン体の生成と混合物中の水分含量の相関の有無を確認するため、混合物1〜4について、70℃、3日保存後の水分含量を測定した。
水分含量は、第十六改正日本薬局方の水分測定法(カールフィッシャー法)に準拠して、容量滴定法により測定した。結果を表1に示す。
<混合物1>
ピタバスタチンカルシウム1質量部と、クロスポビドン(BASF社製:商品名 コリドンCL−SF)10質量部とを混合し、混合物1を調製した。
<混合物2>
ピタバスタチンカルシウム1質量部と、カルメロースカルシウム(五徳薬品社製:商品名 ECG−505)10質量部とを混合し、混合物2を調製した。
<混合物3>
ピタバスタチンカルシウム1質量部と、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ社製:商品名 セオラスUF−711)10質量部とを混合し、混合物3を調製した。
<混合物4>
ピタバスタチンカルシウム1質量部と、カルメロースナトリウム(第一工業製薬社製:商品名 セロゲンP−815C)10質量部とを混合し、混合物4を調製した。
Figure 0005190159
表1記載の試験結果から、各混合物中の水分含量とラクトン体の生成率との間に相関があり、水分含量が増加するに従って、ラクトン体量が増加することが明らかとなった。そして、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、結晶セルロース、カルメロースナトリウムはいずれも高い吸湿性を有することから、ラクトン体の生成はこうした崩壊剤の有する高い吸湿性に起因し、共存する崩壊剤が吸湿してピタバスタチンが水分に曝される結果、ラクトン体が生成するものと推察された。
[試験例2]ラクトン体の生成抑制試験
下記の方法により製造した口腔内崩壊型錠剤の水分含量を、真空乾燥にて表3に示す各水分含量に調整した(なお、水分含量の測定方法は下記の通り)。その後、水分含量の調整された各錠剤(100錠)を、予めポケット部分を成形した樹脂シート(住友ベークライト社製:商品名 スミライトVSS−1202−R)のポケット部分に入れ、次いでPTP用アルミ箔(大和化学工業社製:商品名 アルミ箔銀無地)で蓋をしてPTP包装し、得られたPTP包装体を更にアルミラミネート袋(生産日本社製:商品名 ラミジップALシリーズ)でアルミピロー包装した。こうして得られた包装体を40℃、75%相対湿度の条件下で2ヵ月間保存し、錠剤調製直後、1ヶ月保存後及び2ヶ月保存後の、錠剤中のラクトン体の生成率を評価した。ラクトン体の生成率は、各錠剤につき、HPLC装置(SHIMADZU製LC−20シリーズ)を用いて、ピタバスタチン及びその分解物に由来する総ピーク面積に対する面積百分率として測定した。
また、錠剤中の水分含量は、第十六改正日本薬局方の水分測定法(カールフィッシャー法)に準拠して、容量滴定法により測定した。
<口腔内崩壊型錠剤の製造>
常法に従い、下記表2記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する口腔内崩壊型錠剤を製造した。
すなわち、表2中、ピタバスタチンカルシウムから酸化チタンまでの成分を用い、湿式造粒法にて顆粒を製造した。
得られた顆粒、及び表2中キシリトール以下の成分を混合し、打錠することにより、1錠当たり120mgの口腔内崩壊型錠剤を製造した。
Figure 0005190159
結果を表3に示す。
Figure 0005190159
表3に示す試験結果から、錠剤の水分含量が2.9質量%以下である場合にラクトン体の生成が顕著に抑制されることが明らかとなった。特に、錠剤の水分含量が2.1質量%以下である場合、40℃、75%相対湿度の条件下で2ヶ月保存後においてもラクトン体の生成率は低く抑えられていた。なお、気密包装(PTP包装、アルミピロー包装)によって包装体外からの水分の侵入が妨げられた結果、40℃、75%相対湿度の条件下で2ヶ月保存後においても各錠剤中の水分含量に変化は認められなかった。
以上の試験結果から、ピタバスタチン又はその塩と、カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上を含有し、かつ、水分含量が2.9質量%以下である固形製剤においてはラクトン体生成が抑制されることが明らかとなった。また、当該固形製剤が気密包装体に収容されてなる医薬品は水分含量が安定的に維持される結果長期に渡ってラクトン体生成が抑制されることも明らかとなった。
[試験例3]5−ケト体の生成抑制試験
試験例2と同一の方法により、種々の水分含量の口腔内崩壊型錠剤をPTP包装、次いでアルミピロー包装して得られた包装体を40℃、75%相対湿度の条件下で2ヶ月間保存し、錠剤調製直後、1ヶ月保存後及び2ヶ月保存後の、錠剤中の5−ケト体の生成率を評価した。5−ケト体の生成率は、各錠剤につき、HPLC装置(SHIMADZU製LC−20シリーズ)を用いて、ピタバスタチン及びその分解物に由来する総ピーク面積に対する面積百分率として測定した。
結果を表4に示す。
Figure 0005190159
表4に示す試験結果から、錠剤の水分含量が1.5質量%以上である場合において5−ケト体の生成が顕著に抑制されることが明らかとなった。なお、気密包装(PTP包装、アルミピロー包装)によって包装体内外の水分の移動が妨げられた結果、40℃、75%相対湿度の条件下で2ヶ月保存後においても各錠剤中の水分含量に変化は認められなかった。
以上の試験結果から、ピタバスタチン又はその塩と、カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上を含有し、かつ、水分含量が1.5質量%以上である固形製剤においては5−ケト体生成が抑制されることが明らかとなった。
[製造例1]
試験例2と同様の方法により、下記表5中、処方例2記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する口腔内崩壊型錠剤を製造し、箱型乾燥機にて水分含量2.5質量%程度まで乾燥した後、高密度ポリエチレン製のビン(ボトル)に収容して製造例1の医薬品を得る。
[製造例2]
試験例2と同様の方法により、下記表5中、処方例3記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する口腔内崩壊型錠剤を製造し、流動層乾燥機にて水分含量2.4質量%程度まで乾燥した後、予めポケット部分を成形した樹脂シート(住友ベークライト社製:商品名 スミライトVSS−1202)のポケット部分に入れ、次いでPTP用アルミ箔(大和化学工業社製:商品名 アルミ箔銀無地)で蓋をしてPTP包装する。得られたPTP包装体3シート(1シート当たり口腔内崩壊型錠剤を10錠収容する)をさらにアルミピロー包装して製造例2の医薬品を得る。
[製造例3]
試験例2と同様の方法により、下記表5中、処方例4記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する口腔内崩壊型錠剤を製造し、乾燥剤(シリカゲル)と共に1日保存することで水分含量を2.3質量%程度まで乾燥した後、予めポケット部分を成形した樹脂シート(住友ベークライト社製:商品名 スミライトVSS−1104)のポケット部分に入れ、次いでPTP用アルミ箔(大和化学工業社製:商品名 アルミ箔銀無地)で蓋をしてPTP包装する。得られたPTP包装体2シート(1シート当たり口腔内崩壊型錠剤を12錠収容する)をアルミピロー包装して製造例3の医薬品を得る。
[製造例4]
試験例2と同様の方法により、下記表5中、処方例5記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する口腔内崩壊型錠剤を製造し、箱型乾燥機にて水分含量1.8質量%程度まで乾燥した後、予めポケット部分を成形した樹脂シート(住友ベークライト社製:商品名 スミライトVSL−4501)のポケット部分に入れ、次いでPTP用アルミ箔(大和化学工業社製:商品名 アルミ箔銀無地)で蓋をしてPTP包装する。得られたPTP包装体3シート(1シート当たり口腔内崩壊型錠剤を10錠収容する)をさらにアルミピロー包装して製造例4の医薬品を得る。
[製造例5]
試験例2と同様の方法により、下記表5中、処方例6記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する口腔内崩壊型錠剤を製造し、高周波乾燥機にて水分含量1.6質量%程度まで乾燥した後、ガラスビンに収容して製造例5の医薬品を得る。
[製造例6]
試験例2と同様の方法により、下記表5中、処方例7記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する口腔内崩壊型錠剤を製造し、乾燥剤(合成ゼオライト)と共に1日保存することで水分含量を2.2質量%程度まで乾燥した後、ストリップ包装用アルミ箔(日産化工社製)にてSP包装して製造例6の医薬品を得る。
Figure 0005190159
[製造例7]
常法により、下記表6中、処方例8記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する錠剤を製造し、流動層乾燥機にて水分含量2.3質量%程度まで乾燥した後、予めポケット部分を成形した樹脂シート(住友ベークライト社製:商品名 スミライトVSS−1202)のポケット部分に入れ、次いでPTP用アルミ箔(大和化学工業社製:商品名 アルミ箔銀無地)で蓋をしてPTP包装する。得られたPTP包装体3シート(1シート当たり錠剤を10錠収容する)をさらにアルミピロー包装して製造例7の医薬品を得る。
[製造例8]
常法により、下記表6中、処方例9記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する錠剤を製造し、乾燥剤(シリカゲル)と共に1日保存することで水分含量を1.8質量%程度まで乾燥した後、予めポケット部分を成形した樹脂シート(住友ベークライト社製:商品名 スミライトVSS−1104)のポケット部分に入れ、次いでPTP用アルミ箔(大和化学工業社製:商品名 アルミ箔銀無地)で蓋をしてPTP包装する。得られたPTP包装体2シート(1シート当たり錠剤を12錠収容する)をアルミピロー包装して製造例8の医薬品を得る。
[製造例9]
常法により、下記表6中、処方例10記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する錠剤を製造し、箱型乾燥機にて水分含量1.5質量%程度まで乾燥した後、予めポケット部分を成形した樹脂シート(住友ベークライト社製:商品名 スミライトVSL−4501)のポケット部分に入れ、次いでPTP用アルミ箔(大和化学工業社製:商品名 アルミ箔銀無地)で蓋をしてPTP包装する。得られたPTP包装体3シート(1シート当たり錠剤を10錠収容する)をさらにアルミピロー包装して製造例9の医薬品を得る。
[製造例10]
常法により、下記表6中、処方例11記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する錠剤を製造し、高周波乾燥機にて水分含量2.6質量%程度まで乾燥した後、ガラスビンに収容して製造例10の医薬品を得る。
[製造例11]
常法により、下記表6中、処方例12記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する錠剤を製造し、乾燥剤(合成ゼオライト)と共に1日保存することで水分含量2.1質量%程度まで乾燥した後、ストリップ包装用アルミ箔(日産化工社製)にてSP包装して製造例11の医薬品を得る。
[製造例12]
常法により、下記表6中、処方例13記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する錠剤を製造し、箱型乾燥機にて水分含量1.9質量%程度まで乾燥した後、低密度ポリエチレン製のビン(ボトル)に収容して製造例12の医薬品を得る。
Figure 0005190159
[製造例13]
常法により、下記表7中、処方例14記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する錠剤を製造し、高周波乾燥機にて水分含量2.7質量%程度まで乾燥した後、ガラスビンに収容して製造例13の医薬品を得る。
[製造例14]
常法により、下記表7中、処方例15記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する錠剤を製造し、乾燥剤(合成ゼオライト)と共に1日保存することで水分含量2.5質量%程度まで乾燥した後、ストリップ包装用アルミ箔(日産化工社製)にてSP包装して製造例14の医薬品を得る。
[製造例15]
常法により、下記表7中、処方例16記載の成分及び分量(mg)を1錠中に含有する錠剤を製造し、箱型乾燥機にて水分含量2.0質量%程度まで乾燥した後、低密度ポリエチレン製のビン(ボトル)に収容して製造例15の医薬品を得る。
Figure 0005190159
本発明によれば、ピタバスタチン又はその塩のラクトン体生成が抑制されることから、有効成分の安定性が良好な医薬を提供することができ、医薬品産業等において利用できる。

Claims (9)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)ピタバスタチン又はその塩;
    (B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上;
    を含有し、かつ、水分含量が2.9質量%以下である固形製剤が、気密包装体に収容してなる医薬品。
  2. 固形製剤の水分含量が1.5〜2.9質量%である、請求項1記載の医薬品。
  3. 気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2記載の医薬品。
  4. ピタバスタチン又はその塩を、固形製剤の投与単位当たりピタバスタチンカルシウム換算で0.1〜16mg含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬品。
  5. 固形製剤が錠剤である、請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬品。
  6. 次の成分(A)及び(B):
    (A)ピタバスタチン又はその塩;
    (B)カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースよりなる群から選ばれる1種以上;
    を含有し、かつ、水分含量が2.9質量%以下である固形製剤。
  7. 水分含量が1.5〜2.9質量%である、請求項6記載の固形製剤。
  8. ピタバスタチン又はその塩を投与単位当たりピタバスタチンカルシウム換算で0.1〜16mg含有する、請求項6又は7記載の固形製剤。
  9. 固形製剤が錠剤である、請求項6〜8のいずれか1項記載の固形製剤。
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