JP5189722B2 - サンプル中の標的微生物検出のための組成物および方法 - Google Patents

サンプル中の標的微生物検出のための組成物および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5189722B2
JP5189722B2 JP2002522531A JP2002522531A JP5189722B2 JP 5189722 B2 JP5189722 B2 JP 5189722B2 JP 2002522531 A JP2002522531 A JP 2002522531A JP 2002522531 A JP2002522531 A JP 2002522531A JP 5189722 B2 JP5189722 B2 JP 5189722B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amido
methylcoumarin
alanine
medium
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002522531A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004507252A5 (ja
JP2004507252A (ja
Inventor
デビッド タウンセンド,
Original Assignee
バイオコントロール システムズ,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=22859237&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP5189722(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by バイオコントロール システムズ,インコーポレイティド filed Critical バイオコントロール システムズ,インコーポレイティド
Publication of JP2004507252A publication Critical patent/JP2004507252A/ja
Publication of JP2004507252A5 publication Critical patent/JP2004507252A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5189722B2 publication Critical patent/JP5189722B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/02Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving viable microorganisms
    • C12Q1/04Determining presence or kind of microorganism; Use of selective media for testing antibiotics or bacteriocides; Compositions containing a chemical indicator therefor
    • C12Q1/045Culture media therefor

Description

【0001】
(技術的分野)
本発明は、一般的に、サンプル中の標的微生物を検出する組成物および方法に関連する。特に、本発明は、条件付きで検出可能なマーカーおよび標的微生物の検出を提供する酵素基質を含む組成物およびその使用方法に関連する。
【0002】
(本発明の背景)
試験サンプル中において特定の型の微生物を検出する診断テストの開発は、いくつかの因子のために非常に遅くそして困難な過程である。最初に、特定の微生物に関する診断テストを開発するためには、高度に敏感であり、そして容易に認識可能である様式でそれを検出する方法を同定しなければならない。一般的に、これは、標的微生物と生化学的に相互作用して測定可能なシグナルを生成する検出分子を増殖培地中に組み込むことによって達成される。最良の型のシグナルは、増殖培地の色の変化を引き起こすものである。2番目に、シグナルは、試験サンプルの細胞間質と反応して擬陽性反応を引き起こしてはならない。試験サンプルが生きているかまたはかつて生きていた存在(例えば、食品)から得られた場合には、そのような存在は標的微生物と多くの同じ生化学的プロセスを有しているので、これは特に問題である。最後に、ほとんどの試験体、例えば生の食品は、食物1グラムあたり事実上何億もの異なった型の微生物が混入し得る。結果として、有用な診断テストは、標的微生物に関して高い選択性を有さなければならない。これは、一般的には、増殖培地に抗菌剤の「カクテル」を加えて、非標的微生物の増殖および検出を抑制することによって、または大部分の非標的微生物によって認識されない検出分子を選択することによって達成される。
【0003】
微生物増殖指示薬は、通常、標的微生物によって産生された代謝副産物と化学的に反応して、培地中の色の変化を引き起こす。微生物増殖に伴うpH変化の存在下で色が変化する化学物質の例は、アニリンブルー、フェノールレッド、ブロモクレゾールブルー、およびニュートラルレッドを含む。例えば、Gibson、米国特許第4,140,580号は、酵母によって産生される酸性代謝老廃物の存在下で色が変化する化学物質、アニリンブルーを使用する。
【0004】
色素産生または蛍光産生基質を加水分解して検出可能なシグナルを産生する酵素触媒が、多くの微生物診断適用において使用されてきた。
【0005】
この検出方法論の1つの例は、標的微生物の様々な酵素の存在に関する試験を利用する。例えば、TownsendおよびChenは、1995年6月7日に提出された米国申請第08/484,593号(これは、本明細書中で参考として援用される)において、食品における細菌混入を検出する方法および組成物を記載している。この増殖培地は、多様な微生物種からの細菌酵素(例えばホスファターゼ、β−グルコシダーゼ、およびL−アラニン−アミノペプチダーゼ)を検出することによって、サンプル中の細菌混入を検出する。放出された蛍光部分は、同一の発光波長を有する検出可能なシグナルを示す。この手順は、多様な微生物からの異なる細菌酵素活性を合わせて、より広い酵素活性スペクトルをつくり出すことを利用する。広がったスペクトルは、試験サンプル中の総細菌の検出を可能にする。
【0006】
Koumuraらは、米国特許第4,591,554号において、放出されたウンベリフェロン誘導体の量に基づいて微生物を検出および数を決定する、4−メチルウンベリフェリル誘導体蛍光発生分析の使用を記載する。その方法によって、10,000cfu/mlを超過する微生物を、サンプル溶液をウンベリフェロン誘導体に接触させて放出された蛍光ウンベリフェロン誘導体の量を測定することによって決定し得る。Koumuraの特許において、放出される酵素の量を増加させるために、細胞溶解が必要である。他の場合には、混合物のpH調製および不溶性細胞を除去するための混合物の遠心分離が、インキュベーションの最後に必要である。
【0007】
Edbergらは、米国特許第4,925,789号において、標的微生物によって特異的に加水分解される、非代謝性検出可能部分に共有結合した栄養素部分を含む栄養素指示薬としての酵素基質の使用を記載する。Edbergの特許において、栄養素指示薬は、増殖培地中に主要な栄養源として存在することによって、標的微生物によってのみ加水分解されるように特異的に選択される。非標的微生物は、この系では検出されず、そして抗菌剤の添加によって抑制される。
【0008】
前述の戦略は有用であるが、全ての型の検出に特に適当であるわけではなく、特に感受性増強のために抗菌剤を避けることが望ましい場合には適切ではない。例えば、ほとんどの抗菌剤は広いスペクトルの微生物に対して有効であるように設計されている。結果として、診断テストにおけるこれら薬剤の使用は、多くの場合標的微生物の増殖および検出に負の影響を与え、このことは試験の感受性の低下を引き起こし得る。さらに、全ての非標的増殖を抑制するのに有効な抗菌剤カクテルは非常に少数であり、試験の特異性の低下を引き起こす。それに加えて、高度に選択的な検出分子の使用はこれらの障害を克服し得るが、そのような検出分子はまれである。
【0009】
かなり多数の具体的な微生物を検出することが有用であり得るので、議論の目的のみのために述べる原型例は、細菌種Campylobacterである。Campylobacter種は、グラム陰性、オキシダーゼ陽性、湾曲またはらせん桿状細菌である。Campylobacterは、主に鳥肉産物由来の食中毒の主要な原因であり、そして胃腸疾患の大発生における発生率は上昇しているようである。米国農務省(The United States Department of Agriculture)は、鳥肉肉洗浄水サンプルにおけるCampylobacterの検出および定量の方法を開発することによって、鳥肉肉産物におけるCampylobacter混入のレベルを抑制する努力を先導する。現在最も広く使用されている手順において(United States Department of Agriculture ARS、Poultry Microbiological Safety Research Unit、鳥肉肉洗浄液からのCampylobacter種の計測方法、2000年3月15日;Sternら、J.Food Prot.55:663−666、1992およびSternら、J.Food Prot.55:514−517、1992(これらは、全体が参考として援用される)も参照のこと)、400mlの緩衝化リン酸水(BPW)を、生の鶏の死体を含む強力なプラスチック袋に加える。袋をねじり、そして内容物を2分間攪拌して、鶏表面からあらゆるCampylobacterをBPWへ放出させる。洗浄後、少なくとも40mlの洗浄液を滅菌容器へ移し、そしてCampylobacterの存在に関して試験するまで氷上で保つ。Campylobacterを定量するために、0.25mlの洗浄水のアリコートを、寒天に基づく培地(これらは、Campy−Line寒天またはCampy CEFEX寒天のいずれかであり、レシピはUnited States Department of Agriculture ARS、Poultry Microbiological Safety Research Unitから入手可能であり;Hardy Diagnostics、Santa Maria、CAからも入手可能である)の4つのプレートに展開する。次に、洗浄水の0.1mlのアリコートを、2つのさらなる培地のプレートに展開する。これら6つのプレートを、次いで42℃の微好気性インキュベーターに置き、そして48時間インキュベートする。典型的なCampylobacter種に類似の得られるコロニーを、顕微鏡で観察して細胞の形および細胞運動性の存在を視覚化する。典型的なコンマ形状の細胞を、最終的にスライド凝集テストにかけて、Campylobacterの存在を確認する。
【0010】
この方法は、広く受け入れられているが、多くの不利な点を有しており、その最も重要なものは、その方法は、プレートで増殖している生物が、実際にCampylobacterであることを確認するために、多くの複雑な工程を必要とすることである。ほとんどの微生物検出アッセイと同様、これらの工程は行なうのが非常に高価であり、行なうのに高度に訓練された微生物学者の技術が必要であり、そして通常の研究室体制で行ない得る試験の数を有意に制限する。結果として、仕事を時間どおりに完了するために試験を行なう技術者によって便宜上の手段がつくられ、それは高度に誤ったデータを生じ得、従って調製された食物の質に影響を与える。従って、Campylobacterの検出のための改善された試験の必要性が存在する。もし確認工程を単純化し得、試験結果をより短い、より経費効率のよい方式で得られるなら、製造会社が真のCampylobacterの濃度に関してより正確な情報とともに製品を販売することが可能である。明らかに、これは製造会社によって有意な労働および経費の節約を意味し、そしてより安全な食物を提供することによって消費者の利益にもなる。
【0011】
本発明は、他の関連する利点を提供しながら、当該分野における前述の困難を解決する。
【0012】
(本発明の要旨)
本発明の1つの局面において、サンプル中の標的微生物を検出する組成物が提供され、この組成物は条件付きで検出可能なマーカーを含み、ここでこのマーカーは生存能力のある微生物と接触した場合に検出可能なシグナルを提供し得、そして、この組成物は、実質上標的化合物に存在しない酵素の基質を含む。1つの実施形態において、標的微生物は細菌、酵母、カビ、真菌、原生動物、またはウイルスである。特定の実施形態において、細菌はSalmonella listeria、E.coli OH157、Campylobacter、Staphylococcus aerus、Cryptsporidium、またはGiardiaである。
【0013】
様々な実施形態において、条件付きで検出可能なマーカーは、色の変化によって検出可能である。関連する実施形態において、色の変化は、テトラゾリウムレッドの生化学的還元によって生成される。なおさらなる実施形態において、この基質は、基質に結合したシグナル部分を含み、このシグナル部分は、実質上全ての非標的微生物によって切断される場合に、検出可能なシグナルを提供し得る。
【0014】
なおさらなる実施形態において、この酵素はL−アラニン−アミノペプチダーゼのようなアミノペプチダーゼである。関連する実施形態において、この基質はL−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA、L−アラニン−7−アミド−4−トリフルオロ−メチルクマリン TFA、L−アラニル−L−アラニル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン、またはL−アラニル−L−アラニル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFAである。
【0015】
他の実施形態において、非標的微生物は、実質上全ての非Campylobacter種を含む。一方、なおさらなる実施形態において組成物はさらに標的微生物のために増殖支持培地を含む。さらなる実施形態において、増殖支持培地は、標的微生物の増殖を適当に支持するために、全ての必要な栄養素および増殖条件を含む。またさらなる実施形態において、増殖支持培地は、非標的微生物の増殖を抑制するために抗生物質を含む。
【0016】
別の局面において、サンプル中の生存可能な微生物を検出する培地が提供され、この培地は、アミノペプチダーゼの基質、条件付きで検出可能なマーカーを含み、ここで、当該マーカーは生存可能な微生物と接触した場合に検出可能なシグナルを提供し得、このシグナル部分はこの基質に連結され、このシグナル部分は上記のアミノペプチダーゼによって微生物から切断されたときに検出可能なシグナルを提供し、そしてこの培地は、標的微生物および非標的微生物のための増殖支持培地を含む。
【0017】
培地の特定の実施形態において、このアミノペプチダーゼはL−アラニンアミノペプチダーゼである。一方、さらなる実施形態において、このシグナル部分はオルト−ニトロフェニル、4−メチルウンベリフェロン、パラ−ニトロアニリド、4−メトキシ−β−ナフチルアミド、または7−アミド−4−メチルクマリンである。さらに、特定の実施形態は、N−o−アセチル−リジン−7−アミド−4−メチルクマリン酢酸塩;N−アセチル−L−フェニルアラニル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン;β−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA;D−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA;L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA;L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA;L−アラニン−7−アミド−4−トリフルオロ−メチルクマリン TFA;L−アラニル−L−アラニル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン;L−アラニル−L−アラニル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA;D−アラニル−L−ロイシル−L−リジン−7−アミド−4−メチルクマリン塩;L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;L−アルギニル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリントリ塩酸塩(trihydrochloride);L−アスパラギン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA;L−アスパラギン酸−b−(7−アミド−4−メチルクマリン);N−α−ベンゾイル−DL−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン;N−α−ベンゾイル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン;N−ベンゾイル−L−フェニルアラニル−L−バリル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン;S−ベンジルーL−システイン−7−アミド−4−メチルクマリン;N−BOC−L−フェニルアラニル−L−セリル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン酢酸塩;N−BOC−L−バニル−グリシル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;N−BOC−L−バニル−L−ロイシル−L−リジン−7−アミド−4−メチルクマリン塩;N−α−CBZ−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;N−CBZ−グリシルグリシル−L−ロイシン−7−アミド−4−メチルクマリン;N−CBZ−グリシル−L−プロリン−7−アミド−4−メチルクマリン;N−CBZ−グリシル−L−プロリル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン;N−β−CBZ−L−リジン−7−アミド−4−メチルクマリン;N−CBZ−L−フェニルアラニル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;N−CBZ−L−プロリル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;L−シトルリン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;L−シトルリン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩 TFA;D−グルタミン酸−γ−(7−アミド−4−メチルクマリン);L−グルタミン酸−α−(7−アミド−4−メチルクマリン);L−グルタミン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;グルタリル−グリシル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;グルタリル−グリシルグリシル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン;グルタリル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン;グリシン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;グリシル−L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;グリシル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩;グリシルグリシン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;グリシル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン;グリシル−L−プロリン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;L−ヒスチジン−7−アミド−4−メチルクマリン;L−イソロイシン−7−アミド−4−メチルクマリン;L−イソロイシン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA;L−ロイシン−7−アミド−4−メチルクマリン;L−ロイシン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;L−ロイシル−1−バルビル−1−チロシン−7−アミド−4−メチルクマリン(L−Leucyl−1−valvyl−1−tyrosine−7−amido−4−methylcoumarin);L−リジン−7−アミド−4−メチルクマリン酢酸塩;L−メチオニン−7−アミド−4−メチルクマリン酢酸塩;L−オルニチン−7−アミド−4−メチルクマリン炭酸塩;L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA;L−プロリン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;L−プロリル−L−フェニルアラニル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩;L−ピログルタミン酸−7−アミド−4−メチルクマリン;L−セリン−7−アミド−4−メチルクマリン塩酸塩;L−セリル−L−チロシン−7−アミド−4−メチルクマリン水和物;またはL−チロシン−7−アミド−4−メチルクマリンから選択される酵素基質を提供する。
【0018】
様々な実施形態において、シグナル部分および基質間の結合は、ペプチド結合である。さらなる実施形態において、シグナル部分は蛍光部分であり、そして蛍光部分は蛍光シグナルを提供し得るが、または色素発生部分であり、そして色素発生部分は可視、紫外、または赤外スペクトルでシグナルを提供し得る。
【0019】
さらに別の局面において、サンプル中の生存可能な標的微生物を検出する方法が提供され、この方法は、前述の組成物を含有する培地を提供する工程、標的微生物の存在について試験するためのサンプルをこの培地に播種する工程、この標的微生物の増殖に適切な条件下でこの播種した培地をインキュベートする工程、ここで、この酵素基質は、実質的に全ての日標的微生物由来の酵素による作用を受けることができ、検出可能なシグナルを生成し、そしてこの方法は、条件付きで検出可能なマーカーおよびこの酵素基質により生成されるシグナルの間の差異を比較する工程を包含し、このようにして、検出可能なシグナルの非存在および減少がこの使用中における標的微生物の存在を示す。
【0020】
本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明を参照すると明らかになる。それに加えて、特定の手順または組成物(例えば色素、基質、酵素、細菌、酵母、カビ、ウイルス、プラスミド等)をより詳細に記載する参考文献が以下に示され、これらに参考文献は本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0021】
(本発明の詳細な説明)
本発明を述べる前に、後に使用するある用語の定義を述べることが、その理解を助け得る。
【0022】
本明細書中で使用される場合、「条件付きで検出可能なマーカー」とは、サンプル中の生存可能な微生物によって反応した場合に、測定可能な変化(例えば色の変化)を受ける分子をいう。従って、「条件付きで検出可能」である条件とは、生存能力の条件をさす。そのような分子は、当該分野でバイタル色素(Vital Dye)と通常呼称され、酸化還元色素(リザズリン、XTT、MTT等)のような、実質上生存可能な細胞によってのみ作用を受ける色素またはマーカーをいう。そのような色素のリストは、当該分野で入手可能である(例えばSigma Chemical カタログ2000−2001、1836頁、2000、St.Louis,MO、またはMolecular Probes カタログ2000−2001、Eugene,ORを参照のこと)。1つの実施形態において、色素の生化学的活性を用いて、サンプル中の微生物の濃度を検出または測定する。別の実施形態において、この特異的な色素は特異的な色素はテトラゾリウムレッドであり;本明細書中で開示されるように、この色素はCampylobacter種によって還元されることが示され、そしてほとんどの微生物によって還元されることが当業者によって周知である。バイタル色素(vital dye)とは、生存可能性を決定するために使用し得るあらゆる色素である。
【0023】
本明細書中で使用される場合、「酵素基質」とは、酵素が作用する分子をいう。酵素反応は通常、1つまたはそれ以上の共有結合の加水分解を含む。1つの局面において、この基質は結合した栄養素部分および検出可能部分を含む。微生物酵素によって加水分解されることによって、この基質は、分離した検出可能部分を培地中に放出する。別の局面において、天然基質の酵素産物は、別の検出可能部分によって検出可能である。好ましい実施形態において、この酵素基質は表IIIに列挙した基質の群から選択される。このリストは、まだ発見されていないあらゆる酵素基質、当業者によって後に同定されそしてこのリストに含まれ得る基質を除外することを意味しない。特定の実施形態において、この酵素基質はL−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリンである。
【0024】
本明細書中で使用される場合、「培地」とは、その中または上で微生物が増殖および生殖し得る環境、代表的には液体または固体をいう。これは標的微生物の検出可能な増殖を提供するために当業者によって構築された環境である。培地の組成は、標的微生物の性質によって変わり得るが、一般的に、成分の有効濃度を含む。この成分としては、アミノ酸、ビタミン、炭水化物、窒素原、脂質、脂肪酸、無機物、微量元素、および抗菌剤をが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0025】
本明細書中で使用される場合、「栄養素部分」とは、少なくとも非標的微生物の栄養素または代謝源である分子または物質をいい、アミノ酸(例えばアラニン、ロイシン、アルギニン、バリン等)、炭素源(例えばD−グルコース、D−フルクトース、D−ラクトース等)、無機物(例えば硫酸塩、リン酸塩、カルシウム等)が挙げられるがこれに限定されない。本発明の1つの好ましい実施態様において、酵素基質の栄養素部分はアミノ酸である。
【0026】
本明細書中で使用される場合、「検出可能部分」とは、栄養素部分と関連したものであるか、または別々の実体として存在し得る分子または物質をいう。検出可能部分は、栄養素部分と関連している(例えば共有結合している)場合には、検出可能なシグナルを生じも産生もしない。しかし、微生物由来の酵素が基質を加水分解する場合、検出可能部分は放出され、そして検出可能なシグナルを生じるか、または生成し得る。好ましい実施態様において、検出可能部分は、好ましくは可視波長範囲(あるいは紫外または赤外スペクトルで)色の変化を生じる色原体、または外部のエネルギー源によって適当に励起された場合に蛍光を発生する蛍光原(fluorogen)である。検出可能部分の例としては、オルト−ニトロフェニル、4−メチルウンベリフェロン、パラ−ニトロアニリド、4−メトキシ−β−ナフチルアミド、7−アミド−4−メチルクマリンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0027】
本明細書中で使用される場合、「検出可能シグナル」とは、当業者に公知の物理的手段、化学的手段、または生物学的手段によって観察可能または測定可能な、培地またはサンプル中の特徴的な変化をいう。そのような検出可能シグナルを、視覚手段、触覚手段、または嗅覚手段によってアッセイし得る。例えば、特定の波長の可視光もしくは不可視光または電磁波の放射または吸収、電気伝導性、気体の放出、あるいは匂いにおける変化が検出される。検出可能シグナルはまた、固体、液体およびガスの間のような物理的状態の変化であり得る。代表的には、検出可能シグナルは視覚的に測定される。好ましい実施態様において、検出可能シグナルは、培地の色または蛍光放射の変化を含む。
【0028】
本明細書中で使用される場合、「サンプル」とは、食品、ヒトまたは動物の試験サンプル、医薬品または美容用品、土壌、水、空気または他の環境供給源、または標的生物が検出される任意の他の供給源から取得した成分をいう。試験サンプルを、当業者に公知の技術を用いて供給源から取得し得る。好ましい実施態様において、試験サンプルは鳥肉洗浄水サンプルである。
【0029】
本明細書中で使用される場合、「標的微生物」とは、任意の生存可能な単細胞微生物をいう。その検出は、特定の試験サンプルの質、安全性または他の規格を決定するために必要である。これらの標的微生物としては、細菌、酵母、カビ、真菌、寄生生物、およびウイルスが挙げられるが、これらに限定される必要はない。好ましい実施態様において、標的微生物はCampylobacter種である。
【0030】
本明細書中で使用される場合、「非標的微生物」とは、標的微生物でない、培地中で増殖および検出可能である、実質的に全ての生存可能な単細胞微生物をいう。
【0031】
本明細書中で使用される場合、「成分の有効濃度」とは、標的微生物の増殖および生殖を可能にするかまたは促進する範囲内の栄養素または抗菌剤の量をいう。すなわち、標的微生物が培地に適合する、代謝を続ける、または生殖に必要な成分を合成し、そして続いて生殖することを可能にする量である。
【0032】
本明細書中で使用される場合、「アミノ酸」、「ビタミン」、「炭水化物」、「窒素源」、「脂質」、「脂肪酸」、「無機物」、「微量元素」、および「抗菌剤」という用語は、有機または無機にかかわらず、当業者によって各カテゴリーに分類される全ての分子、化合物、および物質を含んでいう。これらのカテゴリーの組み合わせは、標的微生物の生命を維持するのに必要な、または助けとなり得る任意の物質を含むように意図される。
【0033】
本明細書中で使用される場合、「標的微生物の推定検出」という用語は、一般的に受け入れられている標準培養手順と比較して測定した場合、その培地が標的微生物の感受性の高い(すなわち、少なくとも50%の)検出を可能にするという事実をいう。
【0034】
本明細書中で使用される場合、「実質的に」という用語は、培地中で増殖および生殖可能な特定の微生物の少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、および100%をいう。
【0035】
「有効量の栄養素」という用語は、標的微生物の増殖および生殖を可能にするかまたは促進する範囲内の栄養素の量である。すなわち、標的微生物または他の生物が培地に適合する、代謝を続ける、または生殖に必要な成分を合成する、そして続いて生殖することを可能にする量である。
【0036】
「培地」という用語は、微生物が増殖および生殖するのを可能にするのに必要な、全ての、または実質的に全ての栄養素を含む、固体、粉末、または液体混合物を意味する。本発明は、滅菌された培地および滅菌されていない培地の両方を含む。
【0037】
「標的微生物」という用語は、その存在または欠如を検出することが求められる微生物をいう。
【0038】
「アミノペプチダーゼ」という用語は、その酵素活性が、酵素基質または複数の酵素基質の共有結合したペプチド結合を加水分解し得る酵素をいう。本発明の好ましい実施態様において、1つまたはそれ以上のアミノペプチダーゼの酵素活性を使用して、サンプル中の酵母およびカビの濃度を検出または測定する。1つの好ましい実施態様において、アミノペプチダーゼ酵素はアラニンアミノペプチダーゼである。
【0039】
本明細書中で使用される場合、「液化」という用語は、実質的に液体形態の物質状態をいうが、これはまた、少なくとも10%の液体含量を有する固体物質の微粉化サンプルまたはホモジナイズしたサンプルを含むように意味する。液化培地は、寒天に基づく培地で見出されるようなゲル化培地とは異なる。
【0040】
本明細書中で使用される場合、「細菌」とは、全ての細菌形態を含んで、当該分野で使用される用語を含むように意味する(Bergeys Manual of Systematic Bacteriology、Lippincott、Williams、およびWilkins、1989を参照のこと)。
【0041】
本明細書中で使用される場合、「酵母」という用語は、代表的には無性生殖する単細胞真菌をいう。酵母は、試験サンプル中に存在するまたは集合的に共存する以下の生物の1つ以上の種を含む。例えば、酵母は表Iに列挙されるもの、ならびにTibor DeakおよびLarry Beuchat、Handbook of Food Spoilage Yeasts、3−11頁、124−25頁(1996)ならびにJames,M.Jay、Modern Food Microbiology、第4版、26−35頁(1992)(これらはそれぞれ本明細書中で参考として援用される)に記載されるものを含む。「酵母」という用語はまた、例えば試験サンプル中に見出される酵母の大群をいう。この用語は、任意の所定の数のこれらの種を意味するように限定されず、そしてまだ発見されていないが後で当業者によって同定され、そしてこの定義に含まれ得る種を除外することを意味しない。
【0042】
【表1】
Figure 0005189722
本明細書中で使用される場合、「カビ」という用語は、真菌をいう。例えば、カビは、試験サンプル中に存在するまたは集合的に共存する以下の微生物の1つ以上の種を含む:Aspergillus、Penicillin等。この用語は、任意の所定の数のこれら種を意味するように限定されず、そしてまだ発見されていないが後で当業者によって同定され、そしてこの属に含まれ得る種を除外することを意味しない。カビは表IIで列挙されるものおよびModern Food Microbiology、第4版、前出に記載または引用されたものを含む。
【0043】
【表2】
Figure 0005189722
種々の実施態様において、微生物のアミノペプチダーゼとしては、アラニンアミノペプチダーゼが挙げられるがこれに限定されない。特定の実施態様において、ペプチダーゼ基質は、表IIIに列挙されるアミノペプチダーゼ蛍光発生基質の群から選択される。このリストは、色素発生アミノペプチダーゼ基質(例えばp−ニトロアニリン(p−nitroanline)タグ化種)を含む他の公知の酵素基質、およびまだ発見されていないが当業者によって後に同定され、そしてこのリストに含まれるアミノペプチダーゼ基質を除外しないことが理解される。
【0044】
表III
AMC(7−アミド−4−メチルクマリン)アミノペプチダーゼ基質
N−o−アセチル−リシン−7−アミド−4−メチルクマリンアセテート
N−アセチル−L−フェニルアラニル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン
β−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA
D−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA
L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA
L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA
L−アラニン−7−アミド−4−トリフルオロ−メチルクマリン TFA
L−アラニル−L−アラニル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン
L−アラニル−L−アラニル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA
D−アラニル−L−ロイシル−L−リジン−7−アミド−4−メチルクマリン塩
L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
L−アルギニル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリントリヒドロクロリド
L−アスパラギン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA
L−アスパラギン酸−β−(7−アミド−4−メチルクマリン)
N−α−ベンゾイル−DL−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン
N−α−ベンゾイル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン
N−ベンゾイル−L−フェニルアラニル−L−バリル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン
S−ベンジル−L−システイン−7−アミド−4−メチルクマリン
N−BOC−L−フェニルアラニル−L−セリル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリンアセテート
N−BOC−L−バニル−グリシル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
N−BOC−L−バニル−L−ロイシル−L−リジン−7−アミド−4−メチルクマリン塩
N−α−CBZ−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
N−CBZ−グリシルグリシル−L−ロイシン−7−アミド−4−メチルクマリン
N−CBZ−グリシル−L−プロリン−7−アミド−4−メチルクマリン
N−CBZ−グリシル−L−プロリル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン
N−β−CBZ−L−リシン−7−アミド−4−メチルクマリン
N−CBZ−L−フェニルアラニル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
N−CBZ−L−プロリル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
L−シトルリン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
L−シトルリン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド TFA
D−グルタミン酸−γ−(7−アミド−4−メチルクマリン)
L−グルタミン酸−α−(7−アミド−4−メチルクマリン)
L−グルタミン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
グルタリル−グリシル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
グルタリル−グリシルグリシル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン
グルタリル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン
グリシン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
グリシル−L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
グリシル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩
グリシルグリシン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
グリシル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン
グリシル−L−プロリン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
L−ヒスチジン−7−アミド−4−メチルクマリン
L−イソロイシン−7−アミド−4−メチルクマリン
L−イソロイシン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA
L−ロイシン−7−アミド−4−メチルクマリン
L−ロイシン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
L−ロイシル−1−バリル−1−チロシン−7−アミド−4−メチルクマリン(L−Leucyl−1−valvyl−1−tyrosine−7−amido−4−methylcoumarin)
L−リシン−7−アミド−4−メチルクマリンアセテート
L−メチオニン−7−アミド−4−メチルクマリンアセテート
L−オルニチン−7−アミド−4−メチルクマリンカーボネート
L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA
L−プロリン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
L−プロリル−L−フェニルアラニル−L−アルギニン−7−アミド−4−メチルクマリン塩
L−ピログルタミン酸−7−アミド−4−メチルクマリン
L−セリン−7−アミド−4−メチルクマリンヒドロクロリド
L−セリル−L−チロシン−7−アミド−4−メチルクマリン水和物
L−チロシン−7−アミド−4−メチルクマリン
1つの局面において、本発明は、サンプル中の標的微生物を検出するための培地を提供する。好ましい実施態様において、この培地は、酵素基質(例えばアミノペプチダーゼ)、条件付きで検出可能なマーカー、および増殖支持培地を含む。
【0045】
本発明の前に、開発中の微生物診断テストの特異性を増強するために、微生物学者は2つの戦略のうち1つを使用した。最も普及している方法は、抗菌剤を使用して非標的微生物の増殖および検出を抑制することである。2番目は、より普及していない方法であるが、標的微生物自身に対する特異的で、高度に選択的な指示薬を使用することである。残念ながら、実際には、検出される各微生物に関してそのような指示薬を見出すことは非常に困難であるので、この戦略は非常に限られた適用可能性を有する。本明細書中で開示された発明によって、培地中で増殖および検出し得る標的微生物および非標的微生物についての推定指示薬、続いて実質的に非標的微生物によってのみ反応される確認指示薬を利用する、さらに広く適用可能なアプローチが明らかにされる。そのような戦略は広い適用可能性を有する。上記で記載したように、当該分野における迅速な必要性に起因して、細菌Campylobacterを原型的な例として本明細書中で使用する。しかし、当業者は、一般的なスキームを全ての微生物に拡張し得ることを容易に判断する。
【0046】
酵素L−アラニンアミノペプチダーゼは、グラム陰性菌に普遍的に存在すると考えられていた。以前の研究は、細菌増殖培地に直接適当な酵素基質を組み込むことによってこの酵素の活性を測定することを、サンプル中のグラム陰性菌の濃度を特異的に検出および定量するために使用し得るとさえ示唆した。驚くべきことに、Campylobacter種は、標準的な生化学的アッセイにおいてこの酵素活性を発現しない。本発明は、標的微生物(例えばCampylobacter種)の推定検出を、条件付きで検出可能なマーカー(例えば色素テトラゾリウムレッド)を含む適当な培地中で比色定量的に達成し得ること、およびその正体を、実質的に全ての非標的微生物に存在することが知られている酵素活性(例えばL−アラニンアミノペプチダーゼ)の非存在によって確認することを含む。
【0047】
従って、サンプル中のCampylobacter種の検出を特異的に例示する、標的微生物を検出するための培地が開示される。特定の好ましい実施態様において、この培地は、Campylobacter種の推定検出のための条件付きで検出可能なマーカー、およびその非存在がCampylobacter種の存在を確認するCampylobacter種で発現していない酵素についての検出可能な酵素基質を使用することによって有効な結果を提供する。さらに、これらの標的生物の十分な増殖を可能にするために、緩衝液成分、炭水化物、アミノ酸、微量元素、塩、および増殖刺激剤が培地中に提供され、その結果、Campylobacter種によるテトラゾリウムレッドの生化学的還元および非Campylobacter種によるL−アラニンアミノペプチダーゼ基質の加水分解に起因する、サンプル中の検出可能なシグナルがより効果的に観察される。さらに好ましい実施態様において、特定の非Campylobacter種の増殖を抑制するために、抗菌剤、例えばポリミキシンB、バンコマイシン、シクロヘキシミド、リファンピシン、アンホテリシンB(酵母およびカビについて)、セファペラゾン(cephaperazone)等を、必要に応じて培地に加える。
【0048】
原型的サンプル、Campylobacterに関して、この種は、色素テトラゾリウムレッドを生化学的に還元して非常に強い赤色の産生を引き起こすことが示された。Campy Line寒天は、寒天に基づくCampylobacter選択寒天としてUSDAによって開発され、そしてテトラゾリウムレッドを含んで、48時間のインキュベーション時間後にCampylobacterコロニーおよび非Campylobacterコロニーを赤色に染色する。この寒天における非標的(すなわち非Campylobacter)細菌の抑制は、生成の間に培地中に取り込まれる抗生物質の使用によってのみ達成される。例えばJanet E.L.Corry、International Journal of Food Microbiology 26:43−76、1995を参照のこと。非標的生物の抑制はそれほど正確ではないので、この培地上でCampylobacter種の存在を確認するために補助的反応がまだ必要である。実際、多くの微生物検出方法と同様、Campylobacterを検出するための全ての存在する方法は、非標的増殖を抑制するために増殖培地中の抗生物質の存在、および推定Campylobacterコロニーの正体を確認するための複雑な補助的反応の絶対的な必要性を有する。
【0049】
複雑な確認工程を回避するための1つの方法は、増殖培地中で直接非Campylobacter生物とCampylobacter種を(例えば比色定量的に)区別する方法を発見することである。これを行なうために、Campylobacter種は加水分解できないが実質的に全ての非Campylobacter生物は加水分解できる検出可能部分を含む酵素基質を、増殖培地へ組み込む必要がある。1つの例示的な例は、酵素L−アラニンアミノペプチダーゼによって加水分解されてこの役割を満たす、酵素基質L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリンである。
【0050】
本発明によって、微生物診断テストの開発が直面する問題および争点は顕著に縮小された。これは、標的微生物に関する推定陽性および確認陽性指示薬を含む増殖培地に直接検出スキームを組み込むことによって達成される。推定指示薬は標的微生物および培地中で増殖可能なあらゆる非標的微生物によって反応して測定可能なシグナルの産生を引き起こす。確認指示薬は実質上非標的微生物によってのみ反応して異なる検出可能なシグナルを生ずる。この指示薬からのシグナルの欠如が、標的微生物の存在を示す。実施されたそのような検出スキームの例を、鳥肉洗浄水サンプルにおけるCampylobacter種の検出に関して下に記載する。しかし、本発明をあらゆるそのような微生物に対して拡張し得る。ここで標的微生物は、サンプル中に存在するであろう非標的微生物に対して特定の酵素が実質上より少ない。
【0051】
推定および確認工程を直接増殖培地中で組み合せることによって、移動工程、補助試験、抗菌剤のカクテル、または栄養素指示薬の使用の必要無しに、当該分野において初めて、サンプル中の標的微生物の存在を高度の感受性および選択性で検出し得る。本発明において推定試験は、培地中で増殖し得る実質上全ての微生物によって生化学的に変化し得る一般化指示薬であり、そして確認試験は、非標的微生物に存在する、ある独特な代謝活性の標的微生物における欠如である。このアプローチを、サンプル中のCampylobacter種の検出に関して、その色素テトラゾリウムレッドを還元する能力およびアミノペプチダーゼ基質L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリンを加水分解できないことによって実施した。本明細書中で開示されるように、これらの化学物質を適当な増殖培地中に組込み得、その開発は当業者に周知である。
【0052】
Campylobacter種のテトラゾリウムレッドを赤色分子に生化学的に還元する能力はよく文献に記載されている。しかし、Campylobacter種はL−アラニンアミノペプチダーゼ活性を発現する能力を欠くという予期しない発見までは、複雑な一連の確認工程を行なわなければ、これらの赤色産生微生物が実際Campylobacterであることを確認することは不可能であった。当該分野では、L−アラニンアミノペプチダーゼ活性は、グラム陰性桿状細菌に普遍的に存在するといわれ、そして従ってCampylobacter種に存在することが予期されたので、Campylobacter種がこの酵素活性を発現する能力を欠くことは予期されていなかった。従って、この推定/確認酵素スクリーニングを適用し得る、他の微生物検出システムの同様の機能欠如分析。
【0053】
従って、本発明の様々な局面は、条件付きで検出可能なマーカーと反応する能力による、Campylobacter種の推定検出のための組成物培地を特色とする。1つの実施形態において、マーカーは色素テトラゾリウムレッドであり、これら生物の正体は酵素活性の欠如によって確認される。1つの実施形態において、酵素はL−アラニンアミノペプチダーゼである。Campylobacter種の推定検出は、培地中の赤色の発現によって達成され、それは蛍光の欠如によって確認される。
【0054】
好ましい実施形態において、Campylobacter種と反応可能な、少なくとも1つの条件付きで検出可能なマーカーが、Campylobacter種では見出されないが、培地中で増殖および生殖可能な非Campylobacter種でよくある酵素によって加水分解される少なくとも1つの酵素基質とともに増殖培地に含まれる。好ましい実施形態において、条件付きで検出可能なマーカーおよび加水分解された酵素基質によって産生されるシグナルは異なる。あある実施形態において、条件付きで検出可能なマーカーはテトラゾリウムレッドである。さらなる実施形態において、酵素基質はL−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリンである。好ましい実施形態において、培地は、テトラゾリウムレッドおよびL−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリンの存在下でCampylobacter種の生存可能性および特異的濃縮を提供するために、有効な量の生物学的緩衝液、炭水化物、ビタミン、アミノ酸、元素、塩、増殖刺激剤、および選択的薬剤を含む。それに加えて、現在好ましいL−アラニンアミノペプチダーゼ基質はL−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリンであるが、これはこの酵素に関する他の公知の色素発生、蛍光発生または他の検出可能な基質、およびまだ発見されていないが後にこの基質の適当な代替物であるとして当業者によって同定される基質を除外しないことが理解される。
【0055】
本発明はまた、試験サンプル中でCampylobacter種を検出する方法を提供する。培地に試験サンプルを植え付け、そしてCampylobacter種の増殖に適当な条件下である時間、12から60および18から52の範囲の全ての整数を含んで、好ましくは12から60時間、そしてより好ましくは18から52時間、インキュベートする。産生物、例えば生化学的に還元されたテトラゾリウムレッドおよび加水分解されたL−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリンからの蛍光の欠如は、試験サンプルにおけるCampylobacter種の確認された存在を示す。
【0056】
好ましい実施形態において、培地は粉末形式からなる。粉末は好ましくは、試験サンプルを培地に植え付ける前に滅菌希釈剤で液化される。インキュベーションを微好気性で、42℃で行ない得る。
【0057】
別の好ましい実施形態において、その方法はゲル化培地を使用する。好ましい培地はテトラゾリウム(または関連化合物)およびL−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン(または関連物質)を含む寒天培地である。
【0058】
さらに別の局面において、本発明は試験サンプル中のCampylobacter種の数を定量する方法を提供する。この局面において、本発明は、サンプルを問題の培地と接触させること、サンプルおよび培地混合物を容器に入れること、サンプルおよび培地混合物をインキュベートすること、検出可能な特徴的シグナルの量および質を観察すること、および検出可能な特徴的シグナルの量を最確数値と比較することによって、サンプル中のCampylobacter種の量を計測する方法である。この定量化手順は、変化した特徴の量および質、好ましくは色の変化および/または蛍光の変化を比較して、試験サンプル中のCampylobacter種の最確数を統計学的に決定することを含む。そのような統計学的決定は、当業者に公知の方法論によって行われる。最確数(MPN)技術は、確率統計に基づく。あらゆる型のMPN分析からの結果は、ある数の生物が試験サンプル中に存在する場合に最も起こり得る一連の陽性結果が起こる頻度に直接関連する。
【0059】
本発明の組成物は、好ましくはマルチウェルマイクロタイタープレートでアッセイを行なうのに使用する培地に好ましくは加える。好ましい実施形態において、本発明を、Croteauらによって米国特許第5,985,594号において記載された、またはCroteauらによって米国特許第5,700,655号において記載された装置と共に使用する。これらはそれぞれこれによって参考文献に組み込まれる。そのような技術を組み込んだアッセイ装置は、SimPlate(登録商標)(BioControl Systems,Inc.、Bellevue、WA)の商品名で市販されている。定量化工程は、好ましくは環境サンプルまたは生物学的サンプルを本発明の液化培地に提供すること、サンプルおよび培地の混合物をCroteauらによって記載された装置に置くまたは分配すること、サンプルをインキュベートすること、検出部分特徴の量および質を検出すること、および任意で特徴的シグナルの量を最確数値と比較することを含む。好ましくは、インキュベーション工程を、上記で記載した培地または他の特定の微生物に適当な好ましい温度および時間を用いて、微好気性(microaerophillic)インキュベーターで48から52時間、42℃で行なう。
【0060】
本発明の培地および方法を用いて、試験サンプル中のCampylobacter濃度を、現在利用可能な方法より簡単かつ迅速に決定し得る。
【0061】
様々な実施形態において、液体サンプル中に存在する標的微生物の数を、液体サンプルを上記で記載した培地と混合すること、培地を含む液体サンプルをインキュベーションのために適当な容器に入れること、液体サンプルおよび培地混合物をインキュベートすること、検出可能な特徴的シグナルの量および質を観察すること、および検出可能な特徴的シグナルの量および質を最確数値と比較することによって定量化し得る。この定量化工程は、変化した特徴の量および質、好ましくは色の変化を、濃度および特徴的変化が、細菌濃度が公知のサンプルと関連づけられたサンプルから得た最確数値に対して比較することを特色とする。例えばCompendium of Methods for the Microbiological Examination of Foods、第3版、VanderzantおよびSplittstoesser編、1992を参照のこと。最確数技術は、他の方法の検出限界以下の細菌濃度を推定することを可能にする。最確数は、サンプルの1つまたはそれ以上の希釈液において結果が陽性または陰性と報告される反応から推定される。その方法は、全てのサンプルが陽性結果を提供することを必要とせず、そして通常各希釈の少なくとも3つのサンプルを必要とする。多くの最確数表が利用可能である。1つのそのようなシリーズがde Man、Eur.J.Appl.Microbiol.1:67(1975)によって提供され、本明細書中で参考文献に組み込まれる。最確数の推定を、Thomas、J.Am.Water Works Assoc.34:572(1942)によって以下のように報告された一般式を用いて行ない得る:
MPN/g=P/(NT)
ここでPは陽性チューブの数、Nは全ての陰性チューブ中のサンプル全体の量、およびTは全てのチューブ中のサンプル全体の量である。量はグラムで報告される。
【0062】
(実施例)
(実施例1)
(鳥肉洗浄サンプル中のCampylobacterの検出)
全部で20の鳥肉洗浄水サンプルをカナダの鳥肉工場から回収した。各洗浄水サンプルの1mlのアリコートを、色素テトラゾリウムレッドおよびアミノペプチダーゼ基質L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリンを含む9mlの培地サンプルに加えた。各10mlの混合物をBioControl Systems,Inc.からも販売されているSimPlate装置へ移し、そして42℃の微好気性(5%Oおよび10%CO)インキュベーターへ置いた。各洗浄水サンプルの1mlのアリコートをまた、4つのCampy Line 寒天プレートに画線した(プレートあたり0.25ml)。これらのプレートをまた、42℃の微好気性インキュベーターに置いた。全ての試験を48時間インキュベートした。
【0063】
SimPlateを48時間後にインキュベーターから取り出し、そして赤いウェル(Campylobacter疑陽性)の数を各プレートで数えた。次に、移動式(366nm)UV光を各赤いウェルに照らし、蛍光をチェックした。各推定陽性ウェルにおける蛍光の欠如は、Campylobacterの確認陽性と考えられた。各プレートの確認陽性ウェルの数を、製造会社によって提供されたSimPlate Conversion Tableを用いて、洗浄水サンプル1mlあたりの生物の数へ変換した。
【0064】
Campy Line 寒天プレートを、48時間後にインキュベーターから取り出し、そしてプレートの各洗浄水セットに関して赤いコロニーの数を数えた。Campylobacterと疑われるコロニーをAHBプレートに画線し、そして42℃の微好気性インキュベーターで一晩インキュベートした。AHBプレートに増殖した隔離集団に、免疫沈降反応を行ってCampylobacter種の存在を確認した。確認Campylobacter隔離集団を、プレートの各セットで計測し、そして洗浄水サンプル1mlあたりのコロニー形成ユニット(CFU)数として表した。この研究の結果を下に示す。
【0065】
【表3】
Figure 0005189722
(実施例II)
(鳥肉洗浄サンプルにおけるCampylobacterのCampy−Cefex寒天検出と発明方法の関連)
Campy−Line寒天プレートのかわりにCampy−Cefex寒天プレートを利用した以外は、アッセイを上記のように行なった。上記のように行なった162の鳥肉洗浄液を比較した。Campy−Cefex寒天アッセイを、United States Department of Agriculture ARS、Poultry Microbiological Safety Research Unit、鳥肉洗浄液からのCampylobacter種の計測方法、2000年3月15日によって記載されたように行ない、そして続く凝集アッセイによってCampylobacter陽性を確認した。この比較の結果を図1に図示する。図の検討から認識され得るように、データは高度に相関しており、そして標準的な方法によって必要とされる困難な工程なしに、より速い時間で同様の結果を得るための、本発明のアッセイの有用性を示す。
【0066】
前述から、本発明の特定の実施形態が本明細書中で説明の目的で記載されたが、様々な修飾が本発明の意図および範囲から離れることなくなされ得ることが認識される。さらに、出版物、雑誌記事、特許、および特許出願を含む、本明細書中で述べられた全ての参考文献が、これによって全体として参考文献に組み込まれる。従って、本発明は添付の請求による以外は制限されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、Campylobacterの標準的なCampy−Cefex Agar計測と比較した本発明の方法の相関関係を示すグラフである。発明アッセイに供した162個の鳥肉洗浄サンプルと、産業およびUSDAに認められたCampy−Cefex Agar試験を用いて同じサンプルについて得た結果とを比較して、この比較を行なった。

Claims (9)

  1. サンプル中のCampylobacterを検出するための組成物であって、
    Campylobacter標的微生物を特異的に濃縮するための増殖を支援する培地であって、非標的微生物の増殖を抑制するための抗生物質を含む、培地、
    該サンプル中の生存可能な微生物により反応された場合に色が変化する、条件付きで検出可能なマーカー、および
    L−アラニンアミノペプチダーゼに対する基質
    を含み、
    L−アラニンアミノペプチダーゼは、該Campylobacter標的微生物には存在せず
    該基質は、シグナル部分を含み、該シグナル部分は、非標的微生物によって切断された場合に、検出可能シグナルを提供し得、
    該条件付きで検出可能なマーカーと、該L−アラニンアミノペプチダーゼに対する基質とは、同じ分子ではない、
    組成物。
  2. 前記条件付きで検出可能なマーカーが、テトラゾリウムレッドを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 請求項に記載の組成物であって、ここで前記L−アラニンアミノペプチダーゼに対する基質が、L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA、L−アラニン−7−アミド−4−トリフルオロ−メチルクマリン TFA、L−アラニル−L−アラニル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリンおよびL−アラニル−L−アラニル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFAからなる群から選択される、組成物。
  4. 前記L−アラニンアミノペプチダーゼに対する基質がL−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリンである、請求項に記載の組成物。
  5. 請求項1に記載の組成物であって、ここで前記増殖を支援する培地が、前記標的微生物の増殖を適切に支持するための全ての必要な栄養素および増殖条件を含む、組成物。
  6. サンプル中の生存可能な微生物を検出するための培地であって、
    a)L−アラニンアミノペプチダーゼに対する基質であって、該L−アラニンアミノペプチダーゼは標的微生物には存在しない、L−アラニンアミノペプチダーゼに対する基質;
    b)該サンプル中の生存可能な微生物により反応された場合に色が変化する、条件付きで検出可能なマーカーであって、該色の変化が、該条件付きで検出可能なマーカーの生化学的還元によって生じる、条件付きで検出可能なマーカー;
    c)該L−アラニンアミノペプチダーゼの基質に連結されたシグナル部分であって、該部分は、該L−アラニンアミノペプチダーゼによって該サンプル中の非標的微生物から切断された場合に、検出可能シグナルを提供する、シグナル部分;および
    d)Campylobacterを特異的に濃縮するための増殖を支援する培地であって、非標的微生物の増殖を抑制するための抗生物質を含む、培地
    を含み、
    該標的微生物はCampylobacterであり、そして、該条件付きで検出可能なマーカーと、該L−アラニンアミノペプチダーゼに対する基質とは、同じ分子ではない、
    培地。
  7. 前記L−アラニンアミノペプチダーゼの基質が、L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン、L−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFA、L−アラニン−7−アミド−4−トリフルオロ−メチルクマリン TFA、L−アラニル−L−アラニル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリンおよびL−アラニル−L−アラニル−L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリン TFAからなる群から選択される、請求項に記載の培地。
  8. 前記L−アラニンアミノペプチダーゼの基質がL−アラニン−7−アミド−4−メチルクマリンである、請求項に記載の培地。
  9. サンプル中のCampylobacterを検出するための方法であって、
    a)請求項1に記載の組成物を含む培地を提供する工程;
    b)該培地にCampylobacterの存在について試験すべきサンプルを接種する工程;
    c)Campylobacterの増殖に適した条件下で該接種した培地を培養する工程;および
    d)前記条件付で検出可能なマーカーの生化学的還元によって生じる色の変化と、前記L−アラニンアミノペプチダーゼの基質からの前記シグナル部分の切断によって生じる検出可能シグナルとの間の差を比較する工程であって、該条件付きで検出可能なマーカーと、該L−アラニンアミノペプチダーゼに対する基質とは、同じ分子ではない、工程;
    を包含し、それによって、該検出可能シグナルの非存在または減少が、該サンプルにおけるCampylobacterの存在を示す、方法。
JP2002522531A 2000-08-28 2001-08-27 サンプル中の標的微生物検出のための組成物および方法 Expired - Lifetime JP5189722B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US22895600P 2000-08-28 2000-08-28
US60/228,956 2000-08-28
PCT/US2001/026706 WO2002018625A2 (en) 2000-08-28 2001-08-27 Compositions and methods for detecting target microorganisms in a sample

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004507252A JP2004507252A (ja) 2004-03-11
JP2004507252A5 JP2004507252A5 (ja) 2008-10-16
JP5189722B2 true JP5189722B2 (ja) 2013-04-24

Family

ID=22859237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002522531A Expired - Lifetime JP5189722B2 (ja) 2000-08-28 2001-08-27 サンプル中の標的微生物検出のための組成物および方法

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP1352083B2 (ja)
JP (1) JP5189722B2 (ja)
AT (1) ATE307896T1 (ja)
AU (2) AU2001286822B2 (ja)
BR (1) BRPI0113540B8 (ja)
CA (1) CA2419254C (ja)
DE (1) DE60114459T3 (ja)
MX (1) MXPA03001538A (ja)
NZ (1) NZ524033A (ja)
WO (1) WO2002018625A2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7416854B2 (en) * 2004-01-22 2008-08-26 Promega Corporation Luminogenic and nonluminogenic multiplex assay
JP2006025608A (ja) * 2004-07-12 2006-02-02 Chisso Corp 微生物培地
US20150293012A1 (en) * 2012-11-09 2015-10-15 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Receptacle and system for optically analyzing a sample without optical lenses
CN103436589A (zh) * 2013-09-11 2013-12-11 中国检验检疫科学研究院 鉴别革兰氏阴性和阳性菌的培养基及使用方法
JP6417866B2 (ja) * 2014-11-06 2018-11-07 Jnc株式会社 カンピロバクター検出用培地
CN107881121B (zh) * 2017-12-15 2021-11-09 北京工商大学 一株控制水果采后病害的酿酒酵母by23及其制备与使用方法
DE102020134931B4 (de) 2020-12-24 2023-01-12 Daniel Neuburger Biologischer Sensor zur Überprüfung der Konformität eines Produktes zu vordefinierten Nutzungsumgebungsparametern

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2659982B1 (fr) 1990-03-23 1995-10-20 Serbio Utilisation de substrats chromogenes dans la determination de candida.
FR2671100B1 (fr) 1990-12-28 1993-03-05 Bio Merieux Procede d'analyse bacteriologique, et milieu de detection des bacteries genre salmonella.
FR2671561B1 (fr) 1991-01-16 1993-03-26 Bio Merieux Procede et milieu d'identification de bacteries du genre listeria.
US6387650B1 (en) * 1995-06-07 2002-05-14 Biocontrol Systems, Inc. Method and composition for detecting bacterial contamination in food products
US5854011A (en) * 1996-12-19 1998-12-29 Idexx Laboratories Incorporated Method and components for the detection of yeasts and/or molds in a sample

Also Published As

Publication number Publication date
DE60114459D1 (de) 2005-12-01
WO2002018625A2 (en) 2002-03-07
NZ524033A (en) 2008-06-30
EP1352083B2 (en) 2013-12-25
CA2419254C (en) 2011-07-19
EP1352083B1 (en) 2005-10-26
AU2001286822B2 (en) 2007-01-04
MXPA03001538A (es) 2004-05-04
BRPI0113540B1 (pt) 2018-09-11
ATE307896T1 (de) 2005-11-15
DE60114459T2 (de) 2006-07-13
AU8682201A (en) 2002-03-13
WO2002018625A3 (en) 2003-07-17
JP2004507252A (ja) 2004-03-11
BRPI0113540B8 (pt) 2021-07-27
BR0113540A (pt) 2004-02-03
CA2419254A1 (en) 2002-03-07
EP1352083A2 (en) 2003-10-15
DE60114459T3 (de) 2014-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4282762B2 (ja) 食品中細菌汚染検出方法および組成物
AU2003283484B2 (en) Method for detecting and counting micro-organisms in a sample
US20080160555A1 (en) Detecting a Microorganism Strain in a Liquid Sample
US8404460B2 (en) Method for detecting and/or identifying Clostridium difficile
KR101747347B1 (ko) 바실러스 세레우스 그룹으로부터 박테리아를 검출하는 방법
JP4083980B2 (ja) リステリア属病原性細菌検出用培養培地およびこの細菌の同定方法
JP5189722B2 (ja) サンプル中の標的微生物検出のための組成物および方法
US10612068B2 (en) Culture medium containing a spore germination inhibiting or delaying compound
WO1996014432A2 (en) Medium for detecting target microbes in a sample
AU2006263725B2 (en) Reaction medium for Vibrio bacteria
AU2001286822A1 (en) Compositions and methods for detecting target microorganisms in a sample
US7560246B2 (en) Compositions and methods for detecting target microorganisms in a sample
WO1994021816A1 (en) Test kits and methods for rapidly testing for contamination by microorganisms
JP3941870B2 (ja) リステリア・モノサイトゲネスの同定法と反応性媒質
JP2011500097A (ja) リステリア・モノサイトゲネスの存在を確認するための生化学的試験
CA1219201A (en) Microorganism detection test
JP2015504684A (ja) アゾレダクターゼ活性による微生物のインビトロ検出

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080819

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130125

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5189722

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term