JP5188594B2 - 投射光学系、及びそれを有する投射型表示装置 - Google Patents

投射光学系、及びそれを有する投射型表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像投射機器に用いる結像光学系に関するものであり、例えば透過/反射型の液晶パネルや米テキサスインスツルメンツ社のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)又はソニー株式会社のグレーティングライトバルブ(GLV)等の画像表示素子によって、画素毎に対応して変調された照明光束をスクリーン等に投射するための投射光学系、及びそれを有する投射型表示装置に好適なものである。
近年、DLPや液晶パネル等の画像表示素子を用い、スクリーン等に拡大投射する画像投射機器が提供されている。画像表示素子を光源光束により照明し、そこで変調された透過光又は反射光を、投影光学系により投射する。
以下本発明にて画像投射機器と記すのは機器外に投射するフロントプロジェクタである。
まず、画像投射機器の投射仰角について説明する。
ここでは投射光学系は、一般的な共軸屈折レンズ系を前提としている。周知のように共軸レンズ系は中心に一本の回転対称軸(所謂レンズの光軸)を共有する。当該機器に於いて画像表示素子の画面中心と、その投射画像の画面中心を結ぶ、所謂主光線が、共軸レンズ系の光軸に対してなす角度を投射仰角(又は単に仰角)とする。投射仰角の定義される平面をメリディオナル平面とする。一般に鉛直方向に平行な平面である。また、機器を天井吊りにして機器より低い位置に投射する場合は俯角である。本発明の技術は俯角に関しても実質的に同様なので仰角で代表する。
またこのとき設計上の共軸レンズ系の最大画角(最軸外像高)は、投射画像の上部の両角(隅)へ至る光線である。
一般的な、共軸屈折レンズ系による画像投射機器に於いて、投射仰角は多くの場合固定(変更できない)である。そのため当該機器を使用する場合、配置上の制限があった。即ち、投射画面サイズを決めると投射距離が概ね(ズームで調整が可能だが)決まる。投射仰角が一定のため、投射距離と同時に画面の高さ方向の位置も決まる。そのため、所望する投射画像のサイズと位置に合わせて、機器の設置場所を調整すれば良いが、それは余り容易ではなかった。
例えば投射された画像の位置を上下するために、投射機器の端部を上下してこれを傾け、仰角を変更する。即ち、像面に対する光軸の角度を所定の状態から傾ける。すると投射画像に台形歪みが発生する。一部の機器では、画像表示素子上で逆の歪みを与え、この歪みを補正する機能を持つ。しかしながら、該方法では、画像表示素子上の画像を敢えて部分的に縮小表示するので、画像表示素子本来の持つ解像力の一部を損なう。これは、近年強まる画像高精細化の要求から余り好ましくない。
一方、共軸屈折レンズ系を用いる一部の機器ではレンズシフトと呼ばれる投射角調整機構を有するものがある。それは、下記に説明するような問題を有する。
周知のように共軸屈折レンズ系は、光軸を中心に設計上の回転対称な円形の良像範囲(イメージサークル)を有する。一般に、光軸付近(軸上)が最も結像性能が高く、光軸から離れる周辺部(軸外〜最軸外)ほど性能は低い。通常、カメラなどの撮像レンズでは、主に軸上を中心とした範囲を使用する。ところが、画像投射機器の投射レンズの場合は、光軸から外れた部分(軸外領域)を主として使用する。この理由は軸上を中心に使用すると投射仰角が小さくなるからである。
仰角を最大にするには、物体側で画像表示素子の下端の両角(かど)部がイメージサークルに内接し、同上辺が光軸に一致する配置を用いる。即ち、レンズのイメージサークルの丁度半分(半画角)しか使用しない。
仰角を更に大きくするにはイメージサークルを大きく(画角を広く)設計し、画面内に光軸を含まないところまで画像表示素子をシフトさせる。即ち、画面全域で軸外領域だけを使用する構成である。この様子を図9に示す。しかし、光軸から離れるほど結像性能は低くなる。画角の大きなレンズは設計製造も難しくなる。また、性能の良い軸上部分を全く使用しないのは無駄である。従って、最大仰角の事実上の限度は半画角時で、一般に10〜15°程度である。
このレンズシフト機構では、画像表示素子と共軸レンズ系の位置関係をメリディオナル面内にてシフトさせる。先に記した仰角最大(画像が最も高い位置)状態から、画像表示素子の中心が光軸に近づくように相対的に平行シフトさせる。素子の中心に光軸が一致する(水平)までシフトさせれば、画像の投射高さは下がる。この操作で水平方向へ投射している状態までの範囲において投射画像の高さを連続可変できる。通常、実際に的に動くのはレンズの方である。
ところが前述のように最大仰角が半画角なので、この方法での可変範囲は、水平〜最大仰角までの間を可変できるに留まる。これは、仰角が固定の機器の画像高さと同じところから画像を下へ下げられるだけである。
一方で、最近軸外し光学系を利用し、光学系全体の小型化を図った結像系が種々提案されている。軸外し光学系では、構成面を自由形状の非回転対称非球面、所謂自由曲面にすることで、十分収差が補正された光学系が構築可能である。例えば、特許文献1にその設計法が、特許文献2、3にはその設計例が、それぞれ開示されている。
また、これを利用した画像投射機器が提案されている。共軸屈折レンズ系に自由曲面反射面を組み合わせたものや、光学系全てを自由曲面反射面で構成したものなどである。
これらの光学系の特徴として、
・光路の配置自由度が高い、
反射面のみで構成した光学系の場合、
・原理的に色収差が出ない、
共軸屈折レンズ系のように全ての面が対向していないため、
・各面間の繰り返し反射が起こりにくい、
・即ちゴースト、フレアが発生しにくい、
等の特徴がある。
該曲面反射光学系を利用した投射光学系(一部は非球面レンズなどの屈折光学素子も併用)の特許としては、特許文献4(ミノルタ)、5(ミノルタ)、6(日照技研)等に開示されている。
これらの構成をフロントプロジェクタに用いれば、例えば40°を超えるような大きな投射仰角も良好な性能で設計することができる。
本来共軸屈折レンズ系を用いた投射系の仰角は、10〜15°程度で低い。そこで高い位置に投射しようとすると、機器をスクリーンから遠ざける必要がある。すると、投射画面が不必要に大きくなることがある。また、投射機器が鑑賞者に近づいてきて邪魔であるとか、熱排気や騒音などの問題が生ずる。一方で、機器を傾けて投射位置を上げると、台形歪みが出て、これを電気的に補正すると画質が劣化する。レンズシフトによる調整機構を有する場合でも、最大の投射仰角は先の10〜15°程度を超えるものではない。また、このときの仰角調整範囲も該最大仰角から、0°(水平)投射までの範囲で変えられるにとどまる。即ち、低い範囲で変えられるだけである。
一方で、反射面を利用した投射光学系であれば、例えば40°を超える高い投射仰角でも台形歪みを出さないものが実現可能である。また、軸外し自由曲面反射光学系は共軸光学系に比較して近距離高倍率(ワイド)な構成が採り易い。近距離で大画面投射であるため、機器を前後に僅かな距離だけ移動すれば、画面サイズが大きく変化する。この効果を利用すればズーム機構がなくとも画面サイズ調整が容易に出来る。
特開平9−005650号公報 特開平8−292371号公報 特開平8−292372号公報 特開2001−215412号公報 特開2001−215612号公報 国際公開番号WO97/01787号公報
しかしながら、このような高仰角投射可能な投射機器には以下のような問題がある。本来投射仰角が大きいことが災いし、上記機器の前後移動に伴い画像の高さも大きく上下移動することである。同様に、フォーカシングに対しても画面が上下移動する。共軸系の場合も同様の現象は生じているが、仰角が小さいため目立たなかった。
本発明の投射光学系は、画像表示素子により変調された光束を投射面に投射する投射光学系であって、前記光束の投射角度を調整する投射角度調整機構と、前記投射面に対するフォーカス調整を行うフォーカス調整機構を有し、前記投射光学系は回転非対称な反射面を含み、前記画像表示素子の中心から投射画像の中心へ至る光線を基準光軸とし、該基準光軸を通る光線が前記投射面に対して斜めに入射するように前記光束を投射する光学系であって、前記投射角度調整機構は、前記フォーカス調整機構によるフォーカス調整と同期連動して、前記投射面における前記投射画像の高さを一定に保つように、前記光束の投射角度を調整することを特徴としている。
簡単な機構で高仰角でありながら投射画像高さ調整が可能になり、またフォーカス調整や投射面変更による画像高さの変動を調整できる投射光学系を提供することが可能となる。
本発明の参考例の投射光学系要部概略図 本発明の参考例の投射光学系の全有効範囲光路概観図 本発明の参考例の投射光学系下方向シフトの概観図 本発明の参考例の投射光学系上方向シフトの概略図 本発明の参考例の機能説明図 本発明の参考例の投射光学系の概観図 本発明の第1実施例の動作機能説明図 本発明の第2実施例の動作機能説明図 屈折系による投射結像系の従来例
反射面を利用した軸外し投射光学系に於いては、様々なメリットが明らかでありながらも先に述べた問題が残る。そこで、それらの問題点を解決すると共に、新たなる効果をもたらす方法を考案した。その手段として、反射光学系に対して、共軸レンズ系で用いられているレンズシフトの考え方を導入する。反射光学系に適用することにより、共軸屈折系の場合よりも大きな効果を得ることができる。本実施例および参考例に記載した軸外し投射光学系は、自由曲面反射面(回転非対称な反射面)で構成された投射光学系であり、好ましくは反射面のみで形成されていることが望ましいが、複数の自由曲面反射面の(光路上の)両側又は片側にレンズ等の屈折光学素子や回折光学素子等を有していても構わない。
以下、本実施例および参考例の軸外し投射光学系について述べる。
反射面の軸外し投射光学系には、本来軸上/軸外の概念がないので、設計に際して予め高い投射仰角を中心使用範囲として設定することが可能である。該光学系に対しては、例えそれが共軸系の半画角としては設計が不可能なほど大きな角度であっても、多くの場合、好適な性能に設計可能という特質を有している。
仮にある投射仰角に対して光学系を設計し、これを基準の投射仰角の状態であると定義する。次に各反射面上の有効域サイズを、メリディオナル面内に対応する上下両方向に1次元的に所定の大きさだけ延長拡大したものを設計する。或いは、予めその画像表示素子のサイズをメリディオナル方向上下に所定の面積だけ延長拡大した仮の画像表示素子を設定して、これに対して光学系を設計する方法もある。
有効域の拡大分は、光学系自体の大きさや、構成する各ミラーの機械的干渉を考慮し、また画像表示位置の調整可能量を考慮して決める。調整可能範囲は広い方が良いが、必要以上に広くても実質的に殆ど使用しないのでは、光学系も大きくなり無駄である。実用的には投射仰角が45°前後の場合、投射画面のメリディオナル方向の辺の長さに対して上下各20〜30%増し程度が妥当である。
画像表示素子と投射光学系の位置関係は、当初は基準の位置(例えば調整範囲の中央付近)にあり、必要に応じて光学系を全体でメリディオナル方向に相対的に移動する。この移動により投射画像の上下方向位置は設定した範囲に応じて移動し、例えば画面縦方向サイズの30%の調整が可能になる。
このような軸外し反射系によるシフト機構は、その効果に於いて共軸レンズ系のそれより優れた特徴がある。それは、本来共軸レンズ系では実現不可能な大きな投射仰角に投射可能であって、そこを中心に上下に画像高さ位置が調整できることである。該光学系の場合、元来軸上/軸外の区別がないので、標準の投射仰角を屈折系に於ける軸上のように扱い、そこから更に大きな仰角を与える方向に調整可能な設計ができる。
但し、仰角を際限なく大きくしても良いわけではないことには注意しなければならない。像面で光軸に垂直な方向の結像性能は良くても、像面へ大きな入射角を持つ画角では、メリディオナル方向に於ける実質的な解像度は像面への入射角θに依存して損なわれる。像面上でのスポットサイズ(又は最小錯乱円径)は、入射角θのとき1/COSθ倍だけ大きくなるからである。また、鑑賞者に届く光束はスクリーンによる拡散反射成分である。そのため拡散性が極端に少ない(鏡面に近い平滑な)スクリーンの場合、入射角度が大きくなる画面の上端部など(下から投射する場合)で、画面が暗く見えることもある。これはスクリーン上端部に入射する光束が、殆ど散乱されずにほぼ正反射され上方へ逃げてしまうからである。
しかしながら、本発明の方法であれば、光学系全体を一体として画像表示素子に対して相対的にシフトさせるだけで済むので機構が簡単である。また、該光学系はミラーの相対位置関係の変位誤差に弱いので、ミラーを個別に動かさずに済むことは結像性能を十分発揮させる上でも好適である。
また、本件の投射光学系のフォーカシング機構は、例えば光学系全体を画像表示素子に対して繰り出す方法が適している。このような全体繰り出しの場合、上記のシフト機構と方向が異なるだけなので機構的に共通の構成を採り易い。しかしながら、勿論一部の反射面だけを動かしてフォーカシングする部分系フォーカシングの構成であっても、本発明の適用は問題なく、効果も変わらない。
詳細は後述するが上記のように機器を前後させて画面サイズを調整するときやフォーカシングを行う際に画面が上下に移動する。このとき該投射仰角調整機構と同期連動されると新たな効果が得られる。
先述のように、近距離高倍率(ワイド)であって、且つ高仰角投影が可能な投射機器の場合、機器本体を像面に対し前後させて画面サイズの調整したり、フォーカシング操作をすると画像高さの上下移動が発生する。ここで軸外し反射光学系のシフトによる投射画像の高さ調整機構により、これを再調整して実質的に相殺することができる。
また、この画面サイズ調整のための投射機器の前後移動によって発生する、投射画像高さ上下移動に同調させて、画像高さ調整を行う方法もある。この場合には、画像サイズ調整操作による画像高さの変動を相殺するように光学系シフト機構が連動する。この結果、画像サイズ調整操作を行っても画像の高さ位置を一定に保つことが可能である。
画面高さを一定に保つ場合でも画面中心高さを維持する場合や、画面の上端、下端の高さを固定するということなども任意に可能である。更に、敢えて画像高さの変化を所望の範囲で許容する、例えば緩やかに変化するようにする、曲線を含む所望の軌跡を辿るように変化する、などの方法もある。
更に、フォーカシング操作によって投射画像高さが上下に移動するのに同調して、前述の光学系シフトによる画像高さ調整を行う方法もある。この場合には、フォーカシング操作による画像高さの変化を相殺するように光学系シフトが連動する。この結果、フォーカス操作を行っても、画像の高さを一定に保つことが可能である。
フォーカシング時に於いても、画面高さを一定に保つ場合でも画面中心高さを維持する場合や、画面の上端、下端の高さを固定するということなども任意に可能である。更に、敢えて画像高さの変化を所望の範囲で許容する、例えば緩やかに変化するようにする、曲線を含む所望の軌跡を辿るように変化する、などの方法もある。
次に、本発明の実施例および参考例について具体的に説明するために、まず基準光軸、グローバル座標系、ローカル座標系の3つの項目について定義し説明する。
本発明で対象とする光学系は軸外しの反射光学系である(又はこれを含む)ため反射光学系を構成する各面は共通の光軸を持っていない。本発明の実施例および参考例においては、まず、画像表示素子中心から投射画像中心へ至る光線を基準と考え、この光線を基準光軸と定義する。基準光軸は実施例および参考例の図中では特に他の光線と明確に分けて描画されていない。
次に、光学系全体に対して定義されるグローバル座標系(グローバル座標は大文字XYZで表現する)を考える。各実施例および参考例の図中に記載したXYZ座標系の軸が同図の光学系全体に対して定義されたグローバル座標系の向きである。尚、座標系は右手系とする。実施例および参考例の図示の方向にも因るが、本発明何れの実施例および参考例でも前記基準光軸は必ずYZ面内に存在する。グローバル原点は、物体平面と前記基準光軸の交点と定義する。また、グローバル原点は物体面である画像表示素子の中心に位置する。
光学系を構成する第m面の面形状を表現する方法として、グローバル座標系を用いて第m面の形状を表記するのは分かりにくい。そこで各面毎にローカル座標系による表記を導入する。第m−1面のローカル原点から第m面までの所定の間隔分(ローカル原点間隔)だけ進んだ点を第m面のローカル原点とする。このように各面毎にローカル座標系(ローカル座標は小文字xyzで表現する)を設定する。物体平面(又は像平面)ではグローバル原点とその面のローカル原点は一致する。
図1の参考例(詳細は後述)の図のみローカル座標系を、各ミラー面上に一致させて表示している(他の図では省略)。
ローカル座標系も右手系である。また、面のティルトも各面に対応するローカル座標系をティルトさせることにより表現することとする。第m面に対応するローカル座標系のYZ面内でのティルト角はグローバル座標系のZ軸に対して反時計回り方向を正とした角度θm[単位°以下省略]で表す。よって、当然のことながら本発明の実施例および参考例では各面のローカル座標の原点は全てYZ平面上にある。XZおよびXY面内での面の偏心はない。グローバル座標、ローカル座標共に、YZ、yz平面が光学系のメリディオナル断面である。
本発明の光学系は少なくとも回転非対称な非球面反射面を1面以上有し、その形状は各面ローカル座標系に於いてxy面内の位置をパラメータとする関数にて、z方向高さ(面のSag量)を与える形式で表現される。
先の基準光軸の各面に於ける通過点は、その面のローカル座標系の原点の位置とは無関係である。また、各面のローカル原点は必ずしもその面の光線有効領域内にあるとも限らない。
図6に示すのは、本発明の参考例および第1、第2実施例の画像投影機器の光学系を含む、装置使用時の全体図である。本実施例および参考例は画像表示素子上に表示された画像をスクリーンに拡大投射する投射光学系である。この例の場合、基準状態に於ける投射仰角は40°である。
参考例
図1に示すのは本発明の参考例を示す図である。
図1に於いて、画像表示素子の裏側に不図示の照明光学系があり該素子を裏側から照明する。本図ではRGBの3色の光路全ては記載せずG光路以外は省略しているが、RBの光路はGの光路と共役である。色合成プリズムにより合成されたRGB光束は、図1に於いて第1ミラー〜第5ミラーの自由曲面反射ミラーにより構成された投射光学系によりスクリーンへ投射される。最も画像表示素子側に位置するのが第1ミラーであり、光束の進む方向に順次第2ミラー〜第5ミラーという順序で番号が割り当てられている。
図2に示すのは、本発明の参考例および第1、第2実施例による光学系の設計上の有効部の全てを光束が通過する様子を表示したものである。図2では、画像表示素子が上下調整範囲の中央にあるときの光束を黒い実線の光線で示す。また同図中、該光束の上下に点線の光線で示されている光束がある。これは、画像表示素子と投射光学系が相対的に上又は下にシフトしているときに、上下それぞれに拡大された有効部を光束が通過する様子を同時に示している。ここでは、画像表示素子の縦方向サイズの30%に相当する大きさだけ上下に有効部を大きく設定して設計している。
図3に示すのは画像表示素子に対して、光学系を下方向にシフトさせた場合である。薄く重ねて描かれているのは、光学系をシフトさせなかった場合の光路である。このシフトにより、投射画像は上方向に最大で縦辺の30%分シフトできる。
図4に示すのは画像表示素子に対して、光学系を上方向にシフトさせた場合である。薄く重ねて描かれているのは、光学系をシフトさせなかった場合の光路である。このシフトにより、投射画像は下方向に最大で縦辺の30%分シフトできる。
高倍率な投射であるため、投射画像を30%シフトさせるための光学系の移動量は、図3、4からも分かるように、画像のシフト量からすれば非常に僅かな距離で済む。従って、機構的にも大がかりなものは必要ない。
図5に示すのは、光学系を上にそれぞれシフトしたときの、投射画像の高さの変化の様子を模式的に示したものである。この図に示すように投射画像の高さは、光学系の上下のシフトにより、本来の高仰角投射された高い位置から更に、上下に30%移動することができる。
本発明は、以上記してきた原理に従い、光学系全体を画像表示素子面とほぼ平行な方向にシフトさせることにより、投射画像高さを単独で所望の高さに調整するものである。
また、図示しないが、本発明の参考例および第1、第2実施例に於いて、フォーカシングは軸外し反射光学系全体をグローバル系にてZ軸方向に微小シフトさせることで行うことができる。
更に付け加えれば、画像表示素子に対して光学系全体を水平方向にシフトさせることで投射された画像の高さではなく、水平方向の位置を変更することが可能である。この場合は、軸外し反射光学系の各ミラーの有効領域は水平方向に拡大されていることが必要である。
第1実施例
図7に示すのは本発明の第1実施例を示す図である。
以下、第1実施例について説明する。
本実施例は、光学系の構成、及びそのシフトによる画像高さ調整原理機構に関しては基本的に上記の参考例と同一である。よって、重複する詳細な図の説明は省略する。本実施例ではその使用上の工夫により新たな効果を発現するものである。
まず、投射機器は実際のスクリーンの有る位置A’に対して、面Aにフォーカスの合った状態にあった。そして、次に実際のスクリーン位置に投射画像のフォーカスを合わせようと、光学系を繰り出し、A’面にフォーカスを合わせた。
このとき従来であれば、画像の高さは、図の太い点線で示された位置に下がってしまう。しかしながら、本発明では、光学系のフォーカシングのための繰り出しに同期連動して、光学系が下方向へシフト(図3に示すのと同様)するため投射画像は上方向へシフトする。これらの動作を同期させて実行させることにより、フォーカス調整にて投射画像が上下に移動するのを相殺することができる。即ち所定の範囲でフォーカス調整を行っても投射画像の高さはほぼ固定されたままでフォーカスが合って行くという効果が得られる。
本実施例に於いてはフォーカス調整のための光学系のZ軸方向シフトと、投射画像高さの調整のための光学系のY軸方向シフトは所定の相対位置関係を保ちながら連動する必要がある。これらは機械的なカムや案内溝のガイドに従って連動する構成でもよい。または、それぞれを電動で動く構成にして、連動の仕方は、投射距離などの条件に応じてそれぞれ最適な所定のプログラムされた軌跡に従うように構成することも可能である。
また、図7では投射画像高さを維持する方法に於いて、画面中心を常に一定の高さに保つ例を示している。しかしながら、必ずしも画面中心高さを固定する場合だけでなく、他に以下に示すような場合もある。例えば、画面の下端を常に同じ高さに維持する、又は画面の上端を常に同じ高さに維持するという方法である。画面内の任意の箇所を同じ高さに維持する方法もある。更に、必要に応じて画面の高さを、敢えて変化させるという方法もある。この場合は当然ながら、従来フォーカシング時に生じていた画面高さ変動とは別なる、所望の高さ変化を作為的に施すものである。具体的には、本来フォーカシングにより急激に画面高さが変化するのを緩やかな変化に変える、曲線的に高さが変化するようにするなど用途により様々な適用が考えられる。
第2実施例
図8に示すのは本発明の第2実施例を示す図である。
以下、第2実施例について説明する。
本実施例は、光学系の構成、及びそのシフトによる画像高さ調整原理機構に関しては基本的に上記の参考例と同一である。よって、重複する詳細な図の説明は省略する。本実施例ではその使用上の工夫により新たな効果を発現するものである。
まず、投射機器はスクリーンに対してフォーカスの合った状態にあった。このときの投射画像のサイズはCである。そして、次にスクリーン上の投射画像のサイズをDへ縮小しようと投射機器をスクリーンに近づけた。光学系を繰り出しフォーカスを合わせると、画面サイズはDへと変化した(縮小された)。
このとき従来であれば、画像の高さは、図の太い点線で示された位置に下がってしまう。しかしながら、本発明では、光学系のフォーカシングのための繰り出しに同期連動して、光学系が下方向へシフト(図3に示すのと同様)するため投射画像は上方向へシフトする。これらの動作を同期させて実行させることにより、画面サイズの調整にて投射画像が上下に移動するのを相殺することができる。即ち所定の範囲で投射機器を前後させて画面サイズを変更してもフォーカスを合わせると投射画像の高さはほぼ一定の高さに保たれると言う効果が得られる。
本実施例に於いては、フォーカス調整のための光学系のZ軸方向シフトと、投射画像高さの調整のための光学系のY軸方向シフトは所定の相対位置関係を保ちながら連動する必要がある。これらは機械的なカムや案内溝のガイドに従って連動する構成でもよい。
または、それぞれを電動で動く構成にして、連動の仕方は、投射距離などの条件に応じてそれぞれ最適な所定のプログラムされた軌跡に従うように構成することも可能である。
これらを更に進めた構成として投射機器を前後させたとき、スクリーンに対して自動的に合焦する、オートフォーカスを内蔵すると更に便利である。このとき、オートフォーカスに同期連動して、画像高さ調整機構が動作するようにする。この構成では、機器本体を前後方向にスライドさせるとオートフォーカスがスクリーンへの合焦状態を維持し、同時に画像高さを一定に保ちながら、画面サイズが変化する(調整できる)。
また、図8では投射画像高さを維持する方法に於いて、画面中心を常に一定の高さに保つ例を示している。しかしながら、必ずしも画面中心高さを固定する場合だけでなく、他に以下に示すような場合もある。例えば、画面の下端を常に同じ高さに維持する、又は画面の上端を常に同じ高さに維持するという方法である。画面内の任意の箇所を同じ高さに維持する方法もある。更に、必要に応じて画面の高さを、敢えて変化させるという方法もある。この場合は当然ながら、従来フォーカシング時に生じていた画面高さ変動とは別なる、所望の高さ変化を作為的に施すものである。具体的には、本来フォーカシングにより急激に画面高さが変化するのを緩やかな変化に変える、曲線的に高さが変化するようにするなど用途により様々な適用が考えられる。
本実施例によれば、近距離高倍率で且つ高仰角な投射を可能にする軸外し反射面投射光学系に於いて、簡単な機構で高仰角でありながら投射画像高さ調整が可能になり、またフォーカス調整や投射面変更による画像高さの変動を調整でき、更には前者と連動してどのような投射条件に於いても画像内の所望の箇所の高さを一定に保つことが可能になる。又は、画面の高さを所望の通りに変化させることが可能である。また、高仰角で近距離高倍率な投射が可能な、軸外し反射面光学系による画像投射光学系に於いて、画像表示素子に対して、光学系を相対的にシフトさせることで、投射仰角を調整可能とした投射光学系。更に、高仰角投射の弊害である、フォーカシング時や、投射距離変化時の画像の上下移動を相殺、またはこれらに連動して画像の高さを所望の範囲内に保持する、または所望の変化の仕方をさせる、などが可能となる。
また、本実施例の投射光学系は、勿論投射型表示装置に適用することが可能である。たとえば、光源と、光源からの光で画像表示素子(1つであっても複数であっても良い)を照明する照明光学系と、照明された画像表示素子からの光をスクリーン等に投射する、前述のような投射光学系とを備える構成とすれば良い。ここで、画像表示素子は、透過型液晶パネルであっても、反射型液晶パネルであっても、DMD等の微小ミラーデバイスであっても構わない。ここで、画像表示素子が複数ある場合には、それらの画像表示素子からの出射した光(の光路)を合成する色合成光学系が、偏光ビームスプリッタ−を有していることが望ましい。さらには、画像表示素子は無く、レーザー光源からの光を画像表示素子を介さずに投射光学系に導いても構わない。その際はレーザー光源から発する光自体を、画像信号に基づいて変調することにより画像を形成することができる。さらに、このレーザー光源からの光を画像表示素子等を介さずに投射光学系に導く場合には、レーザー光源からの光を2次元的に走査する走査光学系を設けることが望ましい。

Claims (4)

  1. 画像表示素子により変調された光束を投射面に投射する投射光学系であって、
    前記光束の投射角度を調整する投射角度調整機構と、
    前記投射面に対するフォーカス調整を行うフォーカス調整機構を有し
    前記投射光学系は回転非対称な反射面を含み、前記画像表示素子の中心から投射画像の中心へ至る光線を基準光軸とし、該基準光軸を通る光線が前記投射面に対して斜めに入射するように前記光束を投射する光学系であって、
    前記投射角度調整機構は、前記フォーカス調整機構によるフォーカス調整と同期連動して、前記投射面における前記投射画像の高さを一定に保つように、前記光束の投射角度を調整することを特徴とする投射光学系。
  2. 前記フォーカス調整機構は、前記投射面と前記投射光学系距離が変化した際に、オートフォーカス動作を行い、
    前記投射角度調整機構は、前記オートフォーカス動作同期して、前記投射画像の高さを一定に保つように前記投射角度を調整することを特徴とする請求項1に記載の投射光学系。
  3. 前記投射光学系は、複数の反射面により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の投射光学系。
  4. 少なくとも1つの画像表示素子と、前記少なくとも1つの画像表示素子からの光を投射する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投射光学系とを有することを特徴とする投射型表示装置。
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