JP5188314B2 - 生体高分子検査装置及びその方法 - Google Patents

生体高分子検査装置及びその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5188314B2
JP5188314B2 JP2008201329A JP2008201329A JP5188314B2 JP 5188314 B2 JP5188314 B2 JP 5188314B2 JP 2008201329 A JP2008201329 A JP 2008201329A JP 2008201329 A JP2008201329 A JP 2008201329A JP 5188314 B2 JP5188314 B2 JP 5188314B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capsule
biopolymer
motomeko
unit
reagent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008201329A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010035471A (ja
Inventor
岡本英明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2008201329A priority Critical patent/JP5188314B2/ja
Priority to US12/534,027 priority patent/US8293475B2/en
Publication of JP2010035471A publication Critical patent/JP2010035471A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5188314B2 publication Critical patent/JP5188314B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L7/00Heating or cooling apparatus; Heat insulating devices
    • B01L7/52Heating or cooling apparatus; Heat insulating devices with provision for submitting samples to a predetermined sequence of different temperatures, e.g. for treating nucleic acid samples
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F33/00Other mixers; Mixing plants; Combinations of mixers
    • B01F33/30Micromixers
    • B01F33/301Micromixers using specific means for arranging the streams to be mixed, e.g. channel geometries or dispositions
    • B01F33/3011Micromixers using specific means for arranging the streams to be mixed, e.g. channel geometries or dispositions using a sheathing stream of a fluid surrounding a central stream of a different fluid, e.g. for reducing the cross-section of the central stream or to produce droplets from the central stream
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2200/00Solutions for specific problems relating to chemical or physical laboratory apparatus
    • B01L2200/06Fluid handling related problems
    • B01L2200/0673Handling of plugs of fluid surrounded by immiscible fluid
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2300/00Additional constructional details
    • B01L2300/08Geometry, shape and general structure
    • B01L2300/0809Geometry, shape and general structure rectangular shaped
    • B01L2300/0812Bands; Tapes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L2400/00Moving or stopping fluids
    • B01L2400/04Moving fluids with specific forces or mechanical means
    • B01L2400/0475Moving fluids with specific forces or mechanical means specific mechanical means and fluid pressure
    • B01L2400/0487Moving fluids with specific forces or mechanical means specific mechanical means and fluid pressure fluid pressure, pneumatics
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01LCHEMICAL OR PHYSICAL LABORATORY APPARATUS FOR GENERAL USE
    • B01L3/00Containers or dishes for laboratory use, e.g. laboratory glassware; Droppers
    • B01L3/50Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes
    • B01L3/502Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes with fluid transport, e.g. in multi-compartment structures
    • B01L3/5027Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes with fluid transport, e.g. in multi-compartment structures by integrated microfluidic structures, i.e. dimensions of channels and chambers are such that surface tension forces are important, e.g. lab-on-a-chip
    • B01L3/502769Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes with fluid transport, e.g. in multi-compartment structures by integrated microfluidic structures, i.e. dimensions of channels and chambers are such that surface tension forces are important, e.g. lab-on-a-chip characterised by multiphase flow arrangements
    • B01L3/502784Containers for the purpose of retaining a material to be analysed, e.g. test tubes with fluid transport, e.g. in multi-compartment structures by integrated microfluidic structures, i.e. dimensions of channels and chambers are such that surface tension forces are important, e.g. lab-on-a-chip characterised by multiphase flow arrangements specially adapted for droplet or plug flow, e.g. digital microfluidics

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Clinical Laboratory Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明はカプセルを用いて標的となる、遺伝子などをはじめとする生体高分子を増幅して検査する装置及びその方法に関するものである。
DNAを増幅する際に、通常プラスチック製の反応容器を用いて、そこに標的DNAを所定の酵素と反応させる。この場合では、反応容器としてウェルプレートなどを使用すると、試料の分注に時間がかかるうえ、増幅反応及び増幅の結果の検出に広いスペースを確保する必要があるという課題があった。この課題を解決する方法として、標的DNAと増幅反応用試料とをカプセルに内包しカプセル内でDNAを増幅する方法が提案されている。
特許文献1には、DNA等の増幅反応をカプセル内で行わせることが記載されているが、増幅反応を終えたカプセル内の増幅したDNA等を測定するために、当該試料を遠心分離や毛細管による吸引法などでカプセルから取り出さなければならない。その後当該試料を電気泳動、高速液体クロマトグラファイー、酵素免疫測定法などで増幅等の結果を測定する。
しかしながら、増幅反応をカプセルに閉じ込めて行っても、増幅反応の結果を測定するという重要な工程は、従来と同じように、ポリプロピレン等製の反応チューブに入れて行っている。つまり、特許文献1の方法では、従来と較べてカプセルからポリプロピレン等製の反応チューブに移す工程をさらに加えなければならないため、全工程はより複雑化する。増幅反応用試料をカプセル化することは、むしろ試料の分注にかかる以上に手間をかけることになる。
また、大量の増幅産物を効率的に測定するためには、ウェルプレートのような装置を用いることになるため、特許文献1が解決しようとする課題である省スペース化は結局解決されていない。
さらに、カプセルに内包された増幅されたDNAを外部に取り出す場合、取り扱いを誤ると大気中にDNAが飛散したり、近接部分に付着したり、空気中に浮遊したりすることにより別の検査の対象となるDNAの検査がコンタミネーションを受ける可能性がある。
一方、遺伝子などの生体高分子検査システムにおいては異なる検体を大量にかつ迅速に処理することが要求される。異なるDNA等を含む検体を1つのシステム内で扱うにはコンタミネーションに注意しなければならない。検体と混合する試薬類は検査の内容によって複数種類要求されることがあり、迅速に扱うことが要求される。
特開平10−313861
したがって、異なる検体を連続または一括して処理可能であり、更にコンタミネーションに対する対策及び複数の試薬の使用に対する対策が充分に為された、増幅された生体高分子の検査装置及び方法の提供が本発明の課題である。
本発明は、前記のように従来技術と全く異なる発想で、コンタミネーション対策を施しつつ、多検体に対する対応及び複数試薬の使用への対応を実現した、生体高分子検査装置を提供することを目的とする。また、本発明は、コンタミネーションを防止することができる生体高分子の検査方法の提供も目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明にかかる生体高分子検査装置は、液中で標的生体高分子及び試薬をカプセル皮膜で密封しカプセルを成形するカプセル成形手段と、前記カプセルに付着する液滴を除去する液滴除去手段と、前記液滴が除去された前記カプセルを搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で増幅する増幅反応手段と、増幅された前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で検出する検出手段とを備えたことを特徴とする。
さらに、本発明にかかる生体高分子の検査方法は、液中で標的生体高分子及び試薬をカプセル皮膜で密封しカプセルを成形するステップと、前記カプセルに付着する液滴を除去するステップと、前記液滴が除去された前記カプセルを搬送するステップと、前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で増幅するステップと、増幅された前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で検出するステップとを含むことを特徴とする。
本発明の生体高分子検査装置及びその検査方法によれば、検査対象となるDNAなどをはじめとする生体高分子をカプセルに内包し、当該カプセル内で増幅させたのちに標的生体高分子の検出を行ない、最後に当該生体高分子を廃却することができる。そのため、大気中に当該DNAをはじめとする生体高分子の飛散を防止することができる。また、次の検査対象の生体高分子と混じることはなく、実験汚染(コンタミネーション)を防止し安定した検査結果を得ることができる。
本発明を詳細に説明する為に、以下に発明を実施する為の最良の形態を示す。なお、個々に開示する実施形態は、本発明である生体高分子検査装置及びその検査方法が実際に用いられる例であり、これに限定されるものではない。
本発明は、標的生体高分子及び試薬をカプセル皮膜で密封しカプセルを成形するカプセル成形手段と、前記カプセルを搬送する搬送手段と、前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で増幅する増幅反応手段と、増幅された前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で検出する検出手段とを備えた生体高分子検査装置である。
ここで、標的生体高分子をカプセルに内包した状態でとは、標的生体高分子がカプセル内に密封されてから、増幅手段で増幅され、検出手段で検出されるまでの間一度もカプセルから取り出されることのないことを意味する。
図1は、本発明の第1実施形態の模式図である。以下順を追って本発明の第1実施形態を説明する。
(カプセル成形手段)
本発明の第1の実施形態において、生体高分子検査装置1のカプセル成形手段は、カプセル成形部2と、カプセル成形ノズル部115と、冷却流路8とを含んでなる。前記増幅反応手段は、温度調整部20からなる。前記検出手段は、少なくとも生体高分子の増幅を検出する増幅検出部4と、熱溶融解析を行う溶融検出部5とのいずれかを含んでなる。前記搬送手段は搬送ベルト24及び25(図2)からなる。また、本発明の第1実施形態のカプセル成形部2は、カプセル流路100と、ノズル連結口116と、冷却液流路連結口103a、103bとからなる。
図1に示すように、カプセルの成形に必要な冷却液7を提供するために、カプセル成形部2と前記冷却流路8と、冷却液流路連結口103aと103bとで密封した循環流路を構成する。冷却液はカプセル成形部2と冷却流路8とで構成する密封循環流路を逆時計周りで流動するため、カプセル成形部2と冷却流路8との間で、循環流路の下流にある冷却流路連結口103bに冷却液7を制御する制御弁22を設けることができる。また、冷却流路連結口103aと制御弁22との間に冷却液を循環させるポンプ23をさらに含むことが、好ましい。
冷却液7は基本的に循環させて繰り返し使用しているが、成形したカプセル表面に付着して除去される分、長期間の連続使用により除々に減ってくる。冷却液7は装置内のメインタンク(不図示)に保持し、常に残量を検知している。残量が第1の所定レベル以下になったらユーザに冷却液の追加または交換を促し、さらに第2の所定レベル以下になった時点でユーザへ警告するとともに装置の動作を停止させる構成となっている。また、カプセル成形部2にある冷却液7を一時的に貯蔵するサブタンク(不図示)を有すること、当該サブタンクとの間に制御弁(不図示)が設けられていることは、本発明のより好ましい形態である。
当該カプセル流路100は、受部19と、冷却液遮断手段である開閉部材21と搬送手段連結口101とを含んでなる。受部19は、冷却液7の中で落下してくるカプセル18を受け止める役割を果たすため、そのカプセル18に対して傷を付けない材料で構成させることがこのましく、本発明では、特にメッシュから構成されることが好ましい。また、受部19がカプセル18を受けるまで冷却液遮断手段である開閉部材21は閉じられ、カプセル流路100にある冷却液をせき止める。開閉部材21は、金属などの耐熱性の部材によって構成されることが好ましい。なお、本発明の冷却液遮断手段は少なくとも後述する廃棄手段の上流に配置されることが好ましい。
カプセル成形ノズル部115は、第1ノズル15と第2ノズル17とからなる。第1ノズル15は、試薬流路29と、生体高分子である検体9を供給する検体流路13と合流してなる共通流路14につながっている。試薬流路29は、各試薬格納部10a、10b、10c、10dにそれぞれ連結する4本の分岐流路を有し、複数種類の前記試薬を選択できる試薬切替部30と接続している。検体導入部(不図示)は検体流路13の上流に配置されている。第2ノズル17は、カプセルの皮膜となる皮膜液12を吐出するために、第1ノズル15と中心軸を同じにして構成される。
本発明では、生体高分子であるDNA等が導入時若しくはカプセル成形時に、流路の内壁面等にくっついたりすることがないように、少なくともカプセル成形ノズル部115の全ての流路の内壁面(内表面)に検体9の付着を防止する処理を施すことが好ましい。特に共通流路14の内表面に付着防止処理を施すことが好ましい。具体的には、マイナスに帯電させることが好ましい。これは、検体中に含まれる生体高分子、たとえばDNAがマイナスに帯電しているため、同じくマイナスに帯電している流路内壁面と反発する原理を利用し、DNA等を流路内に残留させないためのものである。
第1ノズル15をマイナスに帯電させるには当該ノズルをPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で形成し、金属と接触させる方法等がある。若しくはあらかじめマイナスに帯電させたPTFEを使用して当該ノズルを組み立てることもできる。また、第2ノズル17も前記方法で帯電させることが好ましい。同様に本発明のカプセル成形部2の内壁面もマイナスに帯電させることが好ましい。
カプセルの皮膜は、多糖類(具体的にはカードラン及び/又はアガロース)又はタンパク質であって、これらは生体への適合性が非常に高く、光透過性もある。カプセル18は、製造時に、カプセルの寸法や内容量を正確にコントロールすることにより、均一なカプセルを提供することができる。また、本発明のカプセル18は、耐熱性及び物理的強度が高いことを特徴とする。
カプセルの皮膜は、多糖類又はタンパク質を主成分とする。本発明に使用する多糖類としては、カードラン、アガロース、ジェランガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。またタンパク質としては、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等の加熱若しくは冷却又は2価以上の金属塩の添加によってゲル化する性質を有するものが挙げられる。しかしながら、多糖類、たんぱく質は、これらに限定されるものではない。前記の多糖類及びタンパク質は、生体への適合性が非常に高く、また光透過性も高いため、本発明のカプセル18の皮膜を形成するのに適している。
カプセルの皮膜を形成する成分中、前記の多糖類又はタンパク質は、それ自体1種のみ又は2種以上の混合物として使用しても、あるいはゲル化剤又は水溶性の多価アルコール若しくはその水溶性誘導体等のその他の添加物と組合わせて使用してもよい。ここでゲル化剤とは、2価以上の金属イオン含有化合物をいい、例えば、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、塩化マンガン、塩化アルミニウム等が挙げられる。また、水溶性の多価アルコール若しくはその水溶性誘導体等の他の添加物としては、例えば、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビット、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、酸化エチレン−酸化プロピレン共重合体、オリゴサッカライド、シュガーエステル、グリセリド、ソルビタンエステル類等が挙げられる。
標的生体高分子は、PCR増幅反応における鋳型となる鋳型核酸が挙げられる。鋳型核酸は、例えば、生物から抽出したDNA、伝達RNA、人工的に合成したDNA又はRNA等が挙げられる。生物から抽出したDNAの場合、その塩基成分は、一般にアデニン、シトシン、グアニン及びチミンから成り、また生物から抽出したRNAの場合、アデニン、シトシン、グアニン及びウラシルから成るが、人工的に合成した核酸の場合、ポリメラーゼが認識することができれば、前記以外の塩基を有する核酸を含んでいてもよい。
プライマーとは、十数個〜数十個の塩基から成る一本鎖DNAフラグメント(天然又は非天然起源のオリゴヌクレオチド)である。このようなプライマーは、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法に従ってDNAを増幅する際に必須の要素であって、かつDNAポリメラーゼによる合成開始反応点を規定するために必要である。前記合成開始反応点は、任意に選択でき、そのようなプライマーは、共にカプセル内に含まれるDNAポリメラーゼが認識して反応に供せられる化合物であればよく、鋳型核酸に対して、相補的な塩基配列を有する。
本発明の第1実施態様において使用する基質は、カプセル18内においてPCR法によりDNAを合成するために必要な要素である。すなわち、このような基質は、DNAを増幅する場合、その塩基成分(アデニン、シトシン、グアニン及びチミンの4種)と糖(2-デオキシ-D-リボース)から成る4種のモノヌクレオチド(すなわち、デオキシアデノシン5'―三リン酸、デオキシシチジン5'―三リン酸、デオキシグアノシン5'―三リン酸及びデオキシチミジン5'―三リン酸)(一般に、これら4種のモノヌクレオチドを総称して、「dNTPs」という。)であり、前記の基質に加えて、デオキシイノシン5'―三リン酸等も含んでよい。
RNAを合成する場合に必要な基質は、塩基成分(アデニン、シトシン、グアニン及びウラシルの4種)と糖(リボース)から成る4種のモノヌクレオチドであり得る。
カプセル18内において、PCRを利用して、鋳型DNAからDNAフラグメントを増幅させる場合には、DNAポリメラーゼが必要である。また、カプセル18内において鋳型RNAからcDNAを合成する場合には、DNAポリメラーゼ以外に逆転写酵素も包含しているか、又は逆転写酵素の活性も有するDNAポリメラーゼを包含していなければならない。この場合、先ず、逆転写酵素が作用する温度において一定時間加温してcDNAを合成し、その後、増幅が必要であればPCR反応を行う。
カプセル18内では、中にRNAポリメラーゼも含有させることにより、前記で合成されたDNA又はcDNAを転写して所望のRNAを合成することもできる。すなわち、第1の実施形態のカプセル18は、所望の核酸を生成するのに必要なポリメラーゼ1種又はそれ以上を含み得る。
第1の実施形態において、カプセル1個の中に包含される各生体高分子合成材料の好ましい量は、生体高分子合成材料の合計使用量を100μLとして、鋳型核酸1〜1010本、プライマー10〜100pモル、基質0.1〜0.4mM、及びポリメラーゼ0.1〜0.4Uである。ここで、ポリメラーゼについての単位(U)は、75℃活性測定条件において、M13mp18ssDNAとそのプライマーを基質として30分間に10nモルのdNTPsを酸不溶性沈殿物に取り込む酸素量を1Uとする。
(搬送手段)
本発明の目的は、コンタミネーションを受けることなく増幅後の生体高分子を測定することにあるため、成形されたカプセル18を破壊せずに増幅反応手段に、そして増幅された生体高分子を含むカプセルを破壊せずに検出手段に搬送する必要がある。よって、本発明の第1実施形態の搬送手段は、カプセル成形部2にあるカプセル流路100の搬送手段連結口101に連結されることによって、当該カプセル成形部2から成形されるカプセルを直ちに増幅反応手段及び検出手段に搬送することができる。
本発明では、カプセル18の皮膜に傷を与えず、密封されている生体高分子を外に漏らすことがない搬送手段であれば、いずれの手段であっても用いることができる。例えば、接触型又は非接触型の搬送方法がある。接触型の搬送方法は、搬送ベルト、ロボットハンドやピンセット状のものなどでカプセルと接触して移動させ、所定の位置に搬送することが好ましい。
一方、非接触方法として、冷却液等を利用した液流、空気圧、及びカプセル内に磁性粒子を内包させ外部から磁力を作用させる磁石等の誘導手段によって、カプセルを所定の位置に搬送することが好ましい。さらに、カプセル自体の重力による落下(流路を縦型、斜めに構成、搬送時のみ流路を傾ける、など)を利用してカプセルを所定の位置に搬送することも好ましい。本実施形態では、図2のような搬送ベルト24を用いる。
本発明は、図2に示すような搬送ベルト24と25とを用いることが好ましい。当該搬送ベルトの構成を上から見ると図2のようになる。当該搬送ベルトは冷却流路8の内側で対向する1対の構成であり、駆動伝達ベルト27を介してモータ26の出力を搬送ベルト24に伝達し、従動ベルト25は搬送ベルト24のプーリから駆動伝達機構(不図示)を介して駆動されている。また、搬送ベルト24と従動ベルト25との間隔はカプセル18の外径よりも若干小さく形成され、カプセル18を挟み込んだ状態で搬送する。
本発明において、成形されたカプセル18は、開閉部材21に向けて図1に示すように傾斜している受部19に到達した後、開かれている開閉部材21を通り、搬送ベルト24と従動ベルト25との方向に自重で転がることができる。また、当該カプセル18が受部19に固着しても、当該カプセル18が転がるように受部19の周辺に振動手段を加えることが好ましい。
本発明では、廃棄手段を搬送ベルト24の先に備えることが好ましい。第1実施形態では、廃棄手段の具体例として廃却部31が搬送ベルト24の先(前記冷却遮断手段の下流)に配置される。また、前記検出手段を通過したカプセル18は、搬送ベルト24で廃却部31へ搬送され、廃却部31に収められる。所定個数のカプセル18に到達したら廃却部31の蓋を閉じ、空の廃却部31と取り替える。廃却部31の入口には光学センサが配置され、廃却部31に入っていくカプセル18を計数し、所定個数に到達した時点で自動蓋駆動機構(不図示)により蓋が閉じられる。蓋は廃却部31の凹部に対して係合する凸部をそなえ、この凸部が簡単に外れないような係合量に設計されている。
検査済みカプセル18が廃却部31からこぼれるのを防止するために、前記凹凸の係合に加えて、若しくは替わる方法として蓋と廃却部31の一部を接着若しくは熱溶着してはがれないようにしてもよい。
(増幅反応手段)
本発明の第1実施形態の増幅反応手段は、増幅反応部3からなる。増幅反応部3は、生体高分子をカプセル内で増幅させるための手段である。生体高分子の増幅反応には、温度を調節する必要があるため、本実施形態では、温度調整部20としてペルチェ素子を設けることによって温度を調整する。また、カプセル18に付着している冷却液を増幅反応部3のペルチェ素子で加熱して蒸発させてもよい。
本実施形態において、カプセル18に付着した冷却液を除去する液滴除去部28を増幅反応部の上流の位置に設けることが好ましい。液滴除去部28は送風手段、加振手段などで構成してもよい。カプセルの表面から完全に冷却液7がなくなるまで送風する必要はなく、搬送やその後の検査工程に影響のない状態になればよい。また、送風手段や加振手段だけではなくヒータ、たとえば、温度調整部20のペルチェ素子によって冷却液7を蒸発させてもよい。
例えばPCRのように、用いる増幅方法によっては温度変化の調整が必要となる場合がある。その際には、図1に示されたように、冷却液配管8aが温度調整部20のペルチェ素子の下面に接触したり、しなかったりすることでペルチェ素子の温度を制御することで、カプセル18をPCRが要求する温度の変化環境におくことができる。また、開閉部材21が閉じられている場合は、冷却水7が検査手段に流入することはないのでカプセルを成形していないときでも冷却水7を循環させることが可能である。
増幅反応においては、温度変化を必要とするPCR法以外に、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法等のような温度変化を必要としない方法も例として、挙げられる。LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法によって、増幅反応を行う場合には、増幅反応部において温度を一定に維持させるために、温度調整部20のペルチェ素子若しくは冷却液7を調整して所定の温度に維持させることができる。
(検出手段)
本発明の第1実施形態の検出手段は、少なくとも生体高分子の増幅を検出する増幅検出部4と、熱溶融解析を行う溶融検出部5とからなる。第1実施形態では、増幅されたカプセル内の生体高分子が前記搬送手段によって、直ちに前記検出手段に運ばれ、増幅直後の状態で増幅の結果を検出することができるように、当該検出手段が前記搬送手段の上部に設けられることが好ましい。具体的には、図1に示すような搬送手段である搬送ベルト24及び25(図2)の上部に、搬送方向の中流及び下流に設けられることが好ましい。
このように配置によって、増幅反応手段で増幅された生体高分子を含んでいるカプセルが搬送ベルト24によって、増幅検出部4と、溶融検出部5とからなる検出手段に運ばれ、カプセル内にある増幅直後の生体高分子を検出することができる。
また、増幅検出部4は、増幅された生体高分子をリアルタイムで検出するために、図1に示すような搬送ベルト24を挟んで温度調整部20であるペルチェ素子に対して装置鉛直方向上部に配置されるとよい。つまり、増幅検出部4と、カプセル18と、搬送ベルト24と、温度調整部20であるペルチェ素子とが、上から下へこの順に配置されることが好ましい。このような配置によって、進行中の増幅反応における生体高分子の変化を検出することができる。
増幅検出部4は、励起光照射部及び蛍光検出部を含んだ光学系からなる増幅検出部であることが好ましい。カプセル18内の増幅された生体高分子は蛍光標識物質によって標識されているため、前記光学系からなる増幅検出部4によって検出されることができる。本発明では、例えば2本鎖DNAと結合したときに励起光を照射すると前記蛍光を発光するインターカレーター、具体的に例えばSYBR Green Iを使用することが好ましい。
なお、本発明における蛍光検出はインターカレーター法に限定されるものではなく、例えばTaqManプローブ法によって蛍光をモニターしてもよい。これは蛍光材とクエンチャーで修飾したプローブを用いるもので、伸長時にクエンチャーの作用がなくなると発せられる蛍光を検出するものである。
本発明は、前記のように、増幅検出部4と増幅反応部3(温度調整部20)とを前記搬送ベルト24を挟んで上下に配置することが好ましい。前記増幅反応手段において、例えば、PCRサイクルによる増幅反応を実行しながら励起光をカプセル18に照射すると、形成された2本鎖の本数に応じてカプセル18内部から発せられる蛍光が変化する。このため、増幅検出部4によって蛍光量を測定し、その蛍光量から形成された2本鎖DNAの量を算出することができる。
本発明の検出手段には、増幅検出部4とともに溶融検出部5を含むことが好ましく、溶融検出部5を増幅検出部4の下流に設けることが好ましい。具体的には、図1のように増幅されて生体高分子を増幅検出部4で検出後、前記搬送ベルト24によって溶融検出部5に運ぶ。溶融検出部5では、カプセル18を加熱しながらその蛍光を検出する。温度変化に対する蛍光量変化の遷移曲線、すなわち蛍光量と温度の波形を微分し、温度変化の特異点(Tm)を特定することにより、標的生体高分子であるDNAの種類を決定することができる。
本発明にかかる生体高分子の検査方法は、標的生体高分子及び試薬をカプセル皮膜で密封しカプセルを成形するステップと、前記カプセルを搬送するステップと、前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で増幅反応するステップと、増幅された前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で検出するステップとを含むことを特徴とする。以下、標的生体高分子及び試薬をカプセル皮膜で密封しカプセルを成形するステップについて説明する。前記カプセルの成形するステップは、カプセル成形ノズル部115で行う。
図1に示すように、標的生体高分子である検体9の増幅に適した試薬を試薬格納部10から決める。決まったカプセル化したい試薬を試薬切替部30の4本分岐流路から選択する。加圧手段(不図示)により選択された試薬が検体流路13を通り共通流路14に流れる。所定量の試薬を流したら流路切換手段30を駆動して4本のどれにも連通しない状態にする。
抽出手段(不図示)によって血液や尿から取り出された生体高分子、例えばDNA溶液をDNA検査装置の検体導入部(不図示)から投入する。DNA溶液は加圧手段(不図示)で検体流路13を通り、カプセル成形部2に向かって流れ、前記試薬と共通流路14で混合体として合流する。これと同期して第1ノズル15の外側の第2ノズル17に加圧手段(不図示)によって皮膜液12が供給される。第2ノズル17に供給された皮膜液12が第2ノズル17の先端方向へ流れていき、その先端で、前記試薬と検体9との混合体は図1に示すようなカプセル18の中心部に密封される。
ここで使用する試薬10は標的生体高分子であるDNA等を増幅させるための酵素、dNTP、蛍光標識、プライマーなどで構成される試薬であればよく、またそれが液体であってもよいしカプセルに内包されていてもよい。また、皮膜液の主成分は、生体高分子及び試薬を密封し、増幅時に温度に耐え、検出手段による検出を阻害しないものであればよい。本発明は特にゼラチン若しくは寒天等であることが好ましい。また、本発明で使用する試薬は液体でもよく、カプセル化されているものでもよい。この場合では、カプセル化された試薬をあらかじめ検査装置に収容しておき、カプセル成形部に供給し、カプセルの中にカプセル化された試薬を内包する構成である。
カプセル成形部2と冷却流路8と構成した密封循環流路に、冷却液7が制御弁22を開くことによってメインタンク(不図示)から供給され循環路を満たす。そこに、皮膜液12に包まれ密封された試薬10と検体9が第2ノズル17の先端から滴下すると図1に示すような層構造のカプセルが形成される。周囲に満たされた冷却液7によって冷却されながら落下し、第2ノズル17に備えられる加振手段(不図示)で1つずつ分離したカプセル18が成形される。カプセル18はそのまま落下し、メッシュ状に構成された受部19で止まる。
カプセル18が成形されるまでの冷却液7は受部19を介して冷却流路8を流れて第2ノズル17先端に戻るように循環している。カプセルが成形され、受部19に到達すると、制御弁22を閉じることによって、カプセル流路100を有するカプセル成形部2に充満されている冷却液7が冷却流路8を経由して前記サブタンク(不図示)に戻される。カプセル成形部2に冷却液がなくなると、開閉部材21が開かれる。
次いで、前記カプセルを搬送するステップである。受部19は冷却遮断手段である開閉部材21に向けて図1に示すように傾斜しているため、開閉部材21が開かれると、カプセル18は搬送ベルト24及び25(図2)の方向に自重で転がる。このときカプセル18が受部19に固着しても転がるように受部19周辺に振動手段を加えてもよい。開閉部材21を通過すると次に液滴除去部28に到達する。この時点ではまだカプセル18の表面は冷却液7で濡れた状態になっているので、液滴除去部28に配置された送風手段(不図示)からの風を当てて冷却液7を除去する。
乾燥されたカプセル18は、増幅反応部3まで搬送されて増幅反応が行われる。カプセル18が所定位置に搬送されると、その存在を光学センサ(不図示)によって検出され、モータ26(図2)の駆動を停止し搬送ベルト24を停止させる。よって、カプセル18は温度調整部20であるペルチェ素子の上に配置される。ここでペルチェ素子を所定温度に制御し、PCRの温度サイクルを実施してカプセル18内の生体高分子、例えばDNA等を増幅させる。
増幅された前記標的生体高分子を検出するステップには、増幅検出部4による増幅の検出と溶融検出部5による標的生体高分子の溶融検出が含まれることが好ましい。また、増幅検出部4による増幅反応のリルタイムの検出のために、増幅検出部4を増幅反応部3にセットし、温度調整部20であるペルチェ素子の上に配置することができる。PCRサイクルを実行しながら励起光をカプセル18に照射すると、形成された2本鎖の本数に応じてカプセル18内部から発せられる蛍光が変化するので、蛍光検出部4によって蛍光量を測定し、その蛍光量から形成された2本鎖DNAの量を算出することができる。
PCRが所定サイクル終了すると搬送ベルト24が駆動され、カプセル18は溶融検出部5に搬送される。溶融検出部5ではカプセル18を加熱しながら、そこから得られる蛍光を検出する。前述のように、蛍光量と温度の波形を微分し、温度変化の特異点(Tm)を特定することにより、カプセル18内の標的DNAの種類を決定する。最後に、搬送ベルト24により溶融検出部5で検出したカプセルが廃却部31に搬送される。第1実施形態において、カプセル18は、搬送ベルト24によって、自動的に増幅反応手段及び検出手段に運ばれ、最終的に廃却部31に搬送される。すなわち、検出するステップ後、カプセルを廃却するステップをさらに含んでなる。
以上、標的生体高分子及び試薬をカプセルに密封しカプセルの成形するステップと、前記カプセルを搬送するステップと、前記標的生体高分子を増幅反応するステップと、増幅された前記標的生体高分子を検出するステップとを通じて、1つのカプセル18を成形から検出後の廃却までの第1実施形態を説明した。
しかしながら、本発明は1つのカプセルに限らず複数のカプセルを同時にまた順に成形、増幅そして検出することができる。たとえば、所定時間経過後、試薬切替部30を次にカプセル化したい試薬に接続し2つ目の試薬を検体と合流させる。この間、1つ目の試薬及び検体はカプセル化され、続いて2つ目のカプセル18も成形される。同様にして3、4つ目のカプセル18を成形する。このように前記カプセル成形手段は任意の独立したカプセルの複数個を成形することができる。
具体的には、1つ目のカプセル18の成形後制御弁22を閉じて冷却液7をせき止めると同時にノズルからの吐出を停止する。冷却液7が受部19周辺からなくなったら冷却液ポンプ23を停止し開閉部材21を開放し、カプセル18は搬送ベルト24、従動ベルト25により右方へ搬送される。2つ目のカプセルを成形する前に開閉部材21を閉じ、次に制御弁22を開放し冷却液ポンプ23を駆動し、成形流路100を冷却液7で満たしてから第1ノズル14と第2ノズル17とからの吐出を再開させる。1つ目と同様にして2つ目のカプセルが成形された後に右方へ搬送される。同様に3つ目そして4つ目のカプセルが本発明の生体高分子検査装置で自動的に成形され、検出される。
本発明の第2実施形態では、4個のカプセルを連続的に(同時に)検査する方法を説明する。第2実施形態では、前記カプセルを搬送する搬送手段と第1実施形態の搬送手段と相違が有する以外、他の手段は同じである。具体的には、第2実施形態の生体高分子検査装置と、第1実施形態の生体高分子検査装置との相違は受部19である。
図3は、本発明の第2実施形態の概念図である。第2実施形態では、カプセル18を受けるのが表面に凹凸で形成された凹凸搬送ベルト33からなる受部32である。凹凸搬送ベルト33は駆動手段(不図示)で回転される。その回転スピードは、カプセル18の成形速度に合せて可変に制御される。
第2実施形態において、標的生体高分子及び試薬をカプセルに密封しカプセルを成形するステップと、カプセルを搬送するステップが第1実施形態とは異なり、これ以外のステップは第1実施形態と同様である。
まず、標的生体高分子及び試薬をカプセルに密封しカプセルの成形するステップは以下のように行われる。第2ノズル17に間欠振動を加えることによって、独立した球状カプセル18がノズルから連続して吐出される。これによって、独立したカプセルを連続的に成形させることができる。
次いで、前記カプセルを搬送するステップは以下のように行われる。1つ目のカプセル18が球状になって落下して受部32に到達すると、凹部33aに着地する。2つ目のカプセル18は、凹凸搬送ベルト33が回転されることによって、1つ目が収容された元の位置に着地するようになっている。
図4は、第2実施形態で示す4つの独立したカプセルが収容された状態を示すものである。4つの独立したカプセルが成形された後に、制御弁22が閉じられ冷却液7がせき止められる。凹凸搬送ベルト33の両脇にすき間があるため冷却液7は受部32を通過して冷却流路8に流れていく。冷却液7が受部32を通過した後(所定時間経過後若しくは冷却液が通過したことを検出後)、開閉部材21が開かれる。
開閉部材21が開かれるとカプセル18a〜dは、受部32から離れ、搬送ベルト24まで形成された傾斜部34に沿って転がり、搬送ベルト24、従動ベルト25に到達し、そこから先はこの2本のベルトによって、第1実施形態同様に、液滴除去部28と増幅反応部3と増幅検出部4と溶融検出部5とに搬送される。
本発明の生体高分子検査装置において、独立した球状のカプセルではなく、任意の複数個のカプセルが連なった連結体カプセルが必要な場合、第2ノズル17には間欠振動手段を加えずに落下させればよい。本発明の第3実施形態は、連結体カプセルの成形を示す実施形態で、図5を図6はその概念図である。第3実施形態の生体高分子装置と、第2実施形態の生体高分子検査装置との相違は、受部のみである。第3実施形態の受部37は、開閉部材21に向けて傾斜するように設置される。この場合、カプセル列の最後まで吐出し終わった時点で振動手段を加えることにより図5、6のような任意の複数個の連結体カプセルを形成することができる。
第3実施形態も第2実施形態と同様、標的生体高分子及び試薬をカプセルに密封しカプセルを成形するステップと、前記カプセルを搬送するステップが異なり、これ以外の他のステップは第1実施形態と同様である。連結体カプセル35が受部37に到達すると、冷却液7を引き上げ、開閉部材21を開いて、連結体カプセル35が自重によって搬送ベルト24、従動ベルト25に到達する。そこから先はこの2本のベルトによって第1実施形態と同様に液滴除去部28と、増幅反応部3と、増幅検出部4と、溶融検出部5と、に順次搬送される。
本発明の第4の実施形態として、カプセルが成形され、反応が終了した後に新たな試薬を追加して、再度反応をさせたい場合はいったんカプセルを分解し、新たな試薬を内包させて再度カプセル化することも可能である。例えば、PCR反応で得られた核酸を精製する必要がある場合、PCR反応時の高温環境を避けるため、PCRが終わるまでは精製用の試薬をカプセルに内包しないで、PCR終了後に精製用試薬を追加して再度カプセルを成形する構成である。
図1に示すとおり、6はカプセル収納部であり、カプセル取出口38は増幅部3、熱融解解析部5の下流側に配置されている。カプセル取出口38は開閉部材があってもよい。ただ、カプセル化されているので溶液の蒸発、飛散の心配がないため開閉部材のない開放状態であっても問題はない。搬送ベルト24および従動ベルト25で取出口38の直下まで搬送されたカプセル18を挟持手段(不図示)で挟んで上方に引き上げてカプセル収納部6に運ぶ。
カプセル収納部6には扉41がそなえられ、挟持したカプセル18は扉41が開放されるとカプセル収納部6に投入される。カプセル収納部6は流路39、弁40を介して検体流路9と合流し、内部に圧縮手段をそなえてカプセルをつぶして内容物を流路に流出させる。カプセル収納部6の内壁は検体流路9と同様にマイナスに帯電して標的DNAが付着しないようになっている。
放出された内容物は弁40を開放すると流路39を介して検体流路9に流れる。このとき試薬流路から追加したい試薬、第2ノズル17から皮膜液を同時に流すことによりカプセル18が成形される。よって、カプセル18成形されてから増幅反応部3と、増幅検出部4と、溶融検出部5と、廃却部31とまでカプセル状態を維持されるので外部に核酸が飛散することがない。
後述するように、カプセル18を分解するとカプセル分解部に水を流して割れたカプセル皮膜を検体流路に9の方に流し洗浄することで、カプセル化して廃却すればよい。この間、カプセル収納部6は外界と遮断されているのでDNAが外部に飛散することはない。
本発明の第5実施形態は、異なる複数の生体高分子検体の混合を防ぐための実施形態である。図7は第5実施形態の模式図である。図7に示すように、本発明の第5実施形態は、第1実施形態のカプセル成形ノズル部115を着脱可能なピペットチップ部120に変える以外は、本発明第1実施形態と同様の装置を用いる。これによって、検体9と接触する部分は交換可能にすることができる。
本第5実施形態は、ピペットチップ部120が第1実施形態のカプセル成形ノズル部115に替わり、カプセル成形部2のピペットチップ装着部57(第1実施形態では、ノズル連結口に相当)に装着されることでカプセル成形手段を構成する。
ピペットチップ部120は少なくともチップ43及びチップ45からなり、カプセル成形部2に着脱可能である。チップ43とチップ45とはチップ保持部46に圧入により取り付けられている。チップ保持部46には空気を吸引する吸引路47(a)と47(b)とが設けられ、弁52(a)と52(b)とを介してポンプ48に接続されている。チップ43は弁52(a)に、チップ45は52(b)にそれぞれ対応し、各チップの吸引、吐出を個別に制御できるように構成されている。チップ43は検体と試薬を、チップ45はゼラチンや寒天などカプセルの皮膜となりうる材料を保持する。そのため、チップの材質はそれぞれ保持すべき内容に対して影響を与えないものであればよい。また、第5実施形態において、チップ43とチップ45とは検体9と接触する部分であり、交換可能にするため、たとえば、プラスチックなどの使い捨てできる素材で構成された部材であることが好ましい。また、試薬と接触する部分も交換可能であることが好ましい。
図7において、DNA溶液を保持するDNA溶液保持部49と、複数の試薬を保持する試薬保存部50が開示されている。DNA溶液保持部49は開口した容器となっているが、開閉可能な蓋が配置されてもよい。また、その材質はチップ43等と同様で、使い捨ての部材であることが好ましい。ここで用いるDNA溶液は、抽出手段(不図示)によって血液や尿から取り出された生体高分子であるDNAを含んだ溶液である。
試薬保存部50には、4種類の試薬が格納され、それぞれに独立して開閉可能な扉51をもつ。試薬の長期保存を可能にするために、通常扉51は閉じられている。図7では便宜上DNA溶液保持部49及び試薬保持部50は図中右上に記載しているが、任意位置に配置可能であり、縮尺は生体高分子検査装置1とは異なる状態で記載している。
図7と図8(a)、(b)を用いて第5実施形態を説明する。図8(a)は試薬及びDNA溶液を吸引した状態を示す。まず図8(a)のようにチップ43を保持部46に取り付け、駆動手段(不図示)によりチップ43を図7の試薬保存部50の扉51と対向する位置まで移動させた後、チップ43の先端部を試薬保存部50内に挿入する。次に弁52aのみ開放してポンプ48を駆動して吸引路47a経由でチップ43内に試薬を吸引する。
次にチップ43を図7の検体保持部49と対向する位置まで移動させた後、チップ43の先端を検体保持部49内に挿入し、弁52aのみ開放してポンプ48を駆動して吸引路47a経由でチップ43内の検体であるDNA溶液を吸引する。吸引した後、検体保持部49からチップを引き離す。
本実施形態において、チップ43に試薬、DNA溶液の順に吸引されるが、当該試薬はチップ43の後端から加圧して供給してもよい。この場合では、試薬保持部51に吸引路47aから分岐した試薬供給路が設けられている。
次に図8(b)のようにチップ43の外側に新たなチップ45を保持部46に装着し、カプセル皮膜液保持部54まで移動させた後、チップ45を図7のカプセル皮膜液保持部73内に挿入する。弁52bのみを開放してポンプ48を駆動して吸引路47b経由でチップ45内にカプセル皮膜液を吸引する。図8(b)はカプセル皮膜液を吸引した状態を示す。カプセルの皮膜液も試薬と同様に吸引ではなく後端から加圧して供給する方式を用いてもよい。
試薬、DNA溶液、及び皮膜液をピペットチップ内に保持したら、チップ43とチップ45とをカプセル成形部2のピペットチップ装着部57へ取り付け、冷却液7内に3つの液を吐出する。第1実施形態と同様に試薬と検体9とを中心に内包したカプセルがカプセル流路100内の冷却液中を下方へ移動していく。その後のカプセルは第1実施形態と同様で増幅反応部3と、増幅検出部4と、溶融検出部5とを経由して廃却部31に送られる。
一回の操作で単一の試薬を扱う第5実施形態に対して、本発明の第6実施形態は一回の操作で複数の試薬を扱う。図9は、複数の試薬を扱う第6実施形態の概念図である。第6実施形態において、チップを三重に取り付けられることが好ましい。試薬保持用チップ70の外側若しくは内側にDNA溶液用チップ71が装着される構成であり、本実施例ではDNA溶液用チップ71は外側に装着される構成を示す。
第6実施形態の実施は、第5実施形態同様、図9(a)に示すようにチップ70を先ず取り付ける。この後、吸引する試薬をチップ70先端に接触させ、弁69aのみを開放し、ポンプ48を駆動して吸引路68a経由でチップ70内を負圧にすることで、試薬は吸引される。図9(a)は4つの試薬を吸引した状態を示すもので、下から第1、第2、第3、第4の試薬53、54、55、56である。図9(b)に示すように、チップ71を取り付けている弁69bのみ開放してポンプ48を駆動して吸引路68b経由でチップ71内に試薬は吸引される。図9(c)に示すように、チップ72を取り付けている弁69cのみ開放してポンプ48を駆動して吸引路68c経由でチップ72内に試薬は吸引される。
試薬とDNA溶液とカプセルの皮膜とを保持しているチップを、第5実施形態同様に、カプセル成形部2のピペットチップ装着部57へ突入させ、冷却液7内に3つの液を吐出する。第1実施形態と同様に試薬と検体溶液を中心に内包したカプセルがカプセル流路100内の冷却液中を下方へ移動していく。その後のカプセルは第1実施形態と同様で増幅反応部3と、増幅検出部4と、溶融検出部5とを経由して廃却部31に送られる。
複数の試薬別のカプセルを作るときは、4つの試薬液を順に吐出すると第1、第2、第3、及び第4の試薬と検体とそれぞれを内包されたカプセルができる。カプセル成形時にチップ70、71、72に間欠振動を加えると個別のカプセルが形成され、間欠振動を加えなければ複数のカプセルが連なった連続体カプセルが形成される。
検体に含まれていないDNAがカプセルに混入することを防ぐために、検体ごとに未使用のピペットチップを用いることが好ましい。第5実施形態及び第6実施形態では、1つの検体の検査が終了したら、少なくともDNA溶液と接触したチップを保持体46から外すことができるため、次の検体では未使用のチップを装着する。チップの着脱は分注機で見られるのと同様に、装着は圧入、取り外しはピペットチップを押し出すイジェクト機構を用いる。
本実施形態において、カプセルの成形法は多重ノズルを用いた滴下法を適用しているが、ゼラチン皮膜シートを用いたロータリー方式による製法も適用することができる。具体的には、カプセル成形部及び冷却液流路を2つの回転する金型に代表されるロータリー方式に置き換えればよい。
本発明の目的である、コンタミネーション対策として第1実施形態のように、生体高分子であるDNAを反発させるためにカプセル成形ノズル部115の内壁をマイナス帯電させる構造をとっている。一方第5実施形態及び第6実施形態では、検体9と接触する部分を交換可能にするために、検体ごとにピペットチップを交換する方法を用いる。
そこで、本発明の第7実施形態として、検体と接触する部分である第1実施形態のカプセル成形ノズル部115流路を洗浄する洗浄手段をさらに含んでなる実施形態を説明する。検体導入部に1つ目の検体を流し終えたら、次の検体を投入する前に流路を洗浄する。すなわち投入する検体と検体との間にカプセル成形ノズル部115を洗浄することによって検体間のコンタミネーションをより防止する構成である。洗浄に用いる溶液は検体や試薬と同様、最終的にはカプセルに内包されて廃却される。
したがって洗浄後の溶液に含まれるDNAが装置内及び大気中に放出されることはない。流路洗浄に用いる溶液はDNA除去液として市販されているDNA−OFF(タカラバイオ社製の製品名)やDNA分解酵素などが挙げられる。この他にもDNAを流路から除去できるものであれば選択することができる。こうした溶液の次に念のために純水を投入してもよい。これもカプセルに内包して廃却すればDNAが装置内及び大気中に放出されることはない。この溶液に蛍光剤を混合し、本発明の検出手段でその蛍光を検出することによって生体高分子の検査の区切りをマーキングすることもできる。
したがって、検体と接触する部分を洗浄する手段を有することで、本発明にかかる生体高分子検査装置は、標的生体高分子及び試薬をカプセル皮膜で密封しカプセルを成形するカプセル成形手段と、カプセルを搬送する搬送手段と、標的生体高分子を増幅する増幅反応手段と、増幅された標的生体高分子を検出する検出手段とからなる、標的生体高分子がコンタミネーションを受けない装置を提供することができる。
本発明の第8実施形態は、異なる複数種類の生体高分子をサンプルごとに保存したい要望に答えるため、所定の期間、例えば増幅及び検出が終わるタイミングで交換することができる、着脱可能なカートリッジを備えてなる生体高分子検査装置である。
具体的には、斜視図として図11に示されているカートリッジ58を備えている生体高分子検査装置が例として挙げられる。図10はカートリッジ58を備えた生体高分子検査装置に取り付けた状態の要部断面図を示している。以下は本発明の第8態様であるカートリッジを備えた生体高分子検査装置を説明する。
まず、カプセル成形手段において、本発明の第1実施態様と異なり、カプセル流路100は、受部19と開閉部材21と搬送手段連結口101とを有せず、図10のように接続部60を有する。また、本発明の第1実施形態における冷却流路8と異なり、冷却液7を循環させるポンプ65とポンプ66とを有する。その他の構成、たとえば、生体高分子を含むカプセルを成形するためのカプセル成形ノズル部115等は第1実施形態と同様である。
本発明の第8実施形態において、カートリッジ58は、接続部60に嵌合するカプセル導入部61と、カプセルを搬送する搬送流路59と、廃却部59aと、カートリッジの上部に設けられている開口部110とからなる。カプセル導入部61には、開閉可能なカバー62を備えてなる。カートリッジ58がカプセル流路100の接続部60に取り付けられると、当該接続部60に押されて前記カバー62が図10のように開き、カプセル流路100が搬送流路59とつながる。カバー62はカートリッジ58単体では点線62aの位置にあって流路59を閉じている。
搬送流路59の内径は、図11の点線で示すように、カプセル18単体の外径よりも若干大きく形成され、カプセル18を1つずつ通過させることができる。また、同図の点線で示されているように、当該搬送流路59の右側にある終端に少なくとも1以上のカプセル18を格納することができるカプセル18の廃却部59aがあり、これらの構成がカートリッジとして一体化されることが好ましい。廃却部の上部には、開口部110が設けられ、そこに弾性部材である密閉部材63が配置されている。
また、密閉部材63が、針によって貫通される部材であることが好ましい。また、この針が装置内の流路の一部を構成するように中空構造を有していると好ましい。この場合、カートリッジを昇降させる機構(不図示)によって、図10における先端に穴が形成されている針64と、カートリッジ58とを機械的に貫通させる構成であってもよい。カートリッジ58が装置に取り付けられることで、第1実施形態と同様に、カートリッジ58の上部に増幅反応部3と増幅検出部4と溶融検出部5とが配置される。カートリッジ58は、針64が密閉部材63を貫通することでカプセル流路100と冷却流路8との間に固定される。
第8実施形態において、カプセル18に含まれている生体高分子を増幅し、検出するために、カプセル18をカートリッジ58内の搬送流路59中、増幅反応手段と検出手段とに対応した所定の場所に一時的に固定させる必要がある。そのために、カートリッジ58の内側の底部に突起67が形成されることが好ましい。突起67が冷却液等の搬送手段で運ばれたカプセル18をそこで停止させる役目を果たしている。搬送されてくるカプセル18はいったんここで止まるように、突起67部分の搬送流路59はカプセル18の外径よりも若干狭くなることが好ましい。
本発明の第8実施形態は、標的生体高分子及び試薬をカプセル皮膜で密封しカプセルを成形するステップと、前記カプセルを搬送するステップと、前記標的生体高分子を増幅反応するステップと、増幅された前記標的生体高分子を検出するステップとを含むことを特徴とする。
以下本発明の第8実施形態の構成にしたがって、成形されたカプセル18が増幅反応手段及び検出手段と対応する所定の位置に運ばれる各ステップを説明する。なお、カプセル18の成形は本発明の第1実施形態と同様で、第1ノズル15から検体と試薬を、第2ノズル17からカプセル皮膜を吐出することにより成形される。
本発明の第8実施形態において、カートリッジ58のカプセル導入部61がカプセル流路100の接続部60と嵌合することと、針64が密閉部材63を貫通することとで、新たな冷却液7の第2循環流路が構成される。当該第2循環流路は、カプセル流路100と、カートリッジ58と、針64と、ポンプ65と、制御弁22とからなる。接続部60を経由する冷却液7はカートリッジ58内の搬送流路59と、針64と、ポンプ65とを経由して循環する。
一方、第1実施形態のように従来の第1循環流路は、カプセル成形部2と、ポンプ66を含んでなる冷却流路8とからなる。図10に示すとおり、第2循環流路と第1循環流路とは一部が重なることになっている。
第8実施形態において、第2循環流路に制御弁22を経由してポンプ66によって供給される冷却液は第2循環流路を満たすことができる。そこに、第1実施形態と同様に、第1ノズル15から検体と試薬を、第2ノズル17からカプセル皮膜を吐出することにより成形されたカプセルは、冷却液に満たされた第2循環流路に入り、カプセル流路100の底部に到達する。
カプセル18をカートリッジ58内で搬送する駆動源として冷却液7を用い、冷却液7の流れによってカプセル18は、第1実施形態と同様に増幅反応部3と、増幅検出部4と、溶融検出部5とに順次搬送される。第8実施形態では、突起67は増幅反応部3と、増幅検出部4と、溶融検出部5とに対応する場所に搬送されてきたカプセル18を挟んで止めることができる。カートリッジ58では、カプセル18を破壊せずに増幅反応部3に運んで増幅反応させ、破壊せずにカプセルに内包した状態で検出手段に運んで検出することができる。
カプセル18が突起67を乗り越えて増幅反応手段及び検出手段に搬送されるためには、冷却液7の流量を変動させればよい。たとえば、増幅反応及び各種検出が終われば、冷却液の流量を大きくして流し続けると、カプセル18が弾性変形して突起67の部分を乗り越えて先に搬送される。また、カプセル18が次の突起67まで搬送した後、冷却液7の流量を止めることによって、カプセル18は次の突起67に捕らえられ留まることになる。
カプセル18は増幅、検出を終了すると廃却部59aに搬送され検査は終了する。カプセル18が廃却部59aに送られると、弁22を閉じてカートリッジ58内の冷却液7の流入が停止される。その後、ポンプ65を所定時間駆動してカートリッジ58内に残っている冷却液7を針64経由で排出した後、昇降機構(不図示)で針64をカートリッジ58から離脱させる。
これで生体高分子検査装置からカートリッジ58を取り外すことができる。カートリッジ58を図10の右方へ引き抜くとカバー62が点線62aの位置に戻り搬送流路59を閉じる。搬送流路59は外部から遮断されるため廃却部59aに収容された検査後のカプセルが外に容易に出ることはない。他の標的生体高分子に対してコンタミネーションの影響を与えることはない。
本発明の第1実施形態の概念図である。 本発明の第1実施形態の搬送手段の概念図である。 本発明の第2実施形態の概念図である。 本発明の第2実施形態で示す4つの独立したカプセルが収容された状態の模式図である。 本発明の第3実施形態の概念図である。 本発明の第3実施形態の概念図である。 本発明の第5実施形態の概念図である。 本発明の第5実施形態の概念図である 複数の試薬を扱う本発明の第6実施形態の概念図である。 カートリッジ58を備えた生体高分子検査装置に取り付けた状態の要部断面図である。 本発明のカートリッジの模式図である。
符号の説明
1 生体高分子検査装置、
2 カプセル成形部、
3 増幅反応部、
4 増幅検出部、
5 溶融検出部、
6 カプセル収納部
7 冷却液
8 冷却流路
9 検体
10 試薬格納部
12 皮膜液
13 検体流路
14 共通流路
15 第1ノズル
17 第2ノズル
18 カプセル
19、37 受部
20 温度調整部
21 開閉部材
22、41 制御弁
23、48 ポンプ
24 搬送ベルト
25 従動ベルト
26 モータ
27 駆動伝達ベルト
28 液滴除去部
29 試薬流路
30 試薬切替部
31 廃却部
32 受部
33 凹凸搬送ベルト
34 傾斜部
35 連結体カプセル
38 カプセル取出口
39 流路
43、45 チップ
46 チップ保持部
47(a)(b) 吸引路
49 DNA溶液保持部
50 試薬保存部
100 カプセル流路
103(a)(b) 冷却液流路連結口
115 カプセル成形ノズル部
116 ノズル連結口

Claims (22)

  1. 液中で標的生体高分子及び試薬をカプセル皮膜で密封しカプセルを成形するカプセル成形手段と、前記カプセルに付着する液滴を除去する液滴除去手段と、前記液滴が除去された前記カプセルを搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で増幅する増幅反応手段と、増幅された前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で検出する検出手段とを備えた生体高分子検査装置。
  2. 前記成形したカプセルを液により流す第一の流路と、
    前記搬送手段により前記カプセルが搬送される第二の流路とを有し、
    該第一の流路と該第二の流路とが開閉部材を介して連結されており、
    前記第二の流路には、前記増幅、および前記検出が順次に行われるように前記増幅手段、および前記検出手段がそれぞれ配置され、さらに前記検出手段よりも前記第一の流路側に前記カプセルに付着する液滴を除去する液滴除去手段が配置されている
    請求項1に記載の生体高分子検査装置。
  3. カプセルを廃棄する廃棄手段が前記搬送手段の先に配置されている請求項1又は2に記載の生体高分子検査装置。
  4. 前記搬送手段は、搬送ベルトを含んでなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の生体高分子検査装置。
  5. 前記搬送手段は、前記生体高分子検査装置から着脱可能なカートリッジとして構成されている請求項1又は2に記載の生体高分子検査装置。
  6. 前記増幅反応手段が、温度調整部からなる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の生体高分子検査装置。
  7. 前記温度調整部が、ペルチェ素子である請求項に記載の生体高分子検査装置。
  8. 前記検出手段が、少なくとも生体高分子の増幅を検出する増幅検出部と、熱溶融解析を行う溶融検出部とのいずれかを含んでなる請求項1ないし7のいずれか1項に記載の生体高分子検査装置。
  9. 前記カプセル成形手段は、カプセル成形部と、カプセル成形ノズル部と、冷却液を流すための冷却流路とを含んでなる請求項1ないし8のいずれか1項に記載の生体高分子検査装置。
  10. 前記カプセル成形手段が、さらに振動を加える振動手段を含んでなる請求項1ないし9のいずれか1項に記載の生体高分子検査装置。
  11. 前記カプセル成形ノズル部が、前記試薬を複数種類から選択できる試薬切替部を含んでなる請求項に記載の生体高分子検査装置。
  12. 前記カプセル成形ノズル部が、試薬流路と検体を供給する検体流路と、前記試薬流路と前記検体流路とが合流してなる共通流路をさらに含んでなる請求項9又は11に記載の生体高分子検査装置。
  13. 前記共通流路の内表面に、検体の付着を防止する処理が施されている請求項12に記載の生体高分子検査装置。
  14. 前記カプセル成形ノズル部において、前記検体と接触する部分が交換可能である請求項13に記載の生体高分子検査装置。
  15. 前記カプセル成形ノズル部において、前記検体と接触する部分を洗浄する洗浄手段をさらに含んでなる請求項13又は14に記載の生体高分子検査装置。
  16. 液中で標的生体高分子及び試薬をカプセル皮膜で密封しカプセルを成形するステップと、
    前記カプセルに付着する液滴を除去するステップと、
    前記液滴が除去された前記カプセルを搬送するステップと、
    前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で増幅反応するステップと、
    増幅された前記標的生体高分子を前記カプセルに内包した状態で検出するステップと
    を含むことを特徴とする生体高分子検査方法。
  17. 前記検出するステップ後、前記カプセルを廃却するステップをさらに含んでなる請求項16に記載の生体高分子検査方法。
  18. 前記搬送するステップが、カプセルを自動的に前記増幅反応するステップを実行する増幅反応手段及び前記検出するステップを実行する検出手段に運ぶ請求項16又は17に記載の生体高分子検査方法。
  19. 前記増幅反応するステップが、前記カプセルを破壊せずに前記カプセルに含まれる標的生体高分子を増幅反応させる請求項16ないし18のいずれか1項に記載の生体高分子検査方法。
  20. 前記検出するステップが、前記カプセルを破壊せずに前記カプセルに含まれる増幅され標的生体高分子を検出する請求項16ないし19のいずれか1項に記載の生体高分子検査方法。
  21. 前記カプセルを成形するステップが、少なくとも1つの独立したカプセルを成形するステップである請求項16ないし20のいずれか1項に記載の生体高分子検査方法。
  22. 前記カプセルを成形するステップが、任意の独立したカプセルの複数個若しくは任意の複数個の連結体カプセルのいずれかを成形するステップである請求項16ないし21のいずれか1項に記載の生体高分子検査方法。
JP2008201329A 2008-08-04 2008-08-04 生体高分子検査装置及びその方法 Expired - Fee Related JP5188314B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008201329A JP5188314B2 (ja) 2008-08-04 2008-08-04 生体高分子検査装置及びその方法
US12/534,027 US8293475B2 (en) 2008-08-04 2009-07-31 Apparatus and method for examining nucleic acid using capsule

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008201329A JP5188314B2 (ja) 2008-08-04 2008-08-04 生体高分子検査装置及びその方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010035471A JP2010035471A (ja) 2010-02-18
JP5188314B2 true JP5188314B2 (ja) 2013-04-24

Family

ID=41608748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008201329A Expired - Fee Related JP5188314B2 (ja) 2008-08-04 2008-08-04 生体高分子検査装置及びその方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8293475B2 (ja)
JP (1) JP5188314B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2502674A1 (en) * 2011-03-22 2012-09-26 Koninklijke Philips Electronics N.V. Method for performing molecular reactions by using immiscible intermediate fluids
US9778150B2 (en) 2013-04-03 2017-10-03 United Technologies Corporation Dynamic method of obtaining a sample of materials
CN111378557B (zh) 2018-12-26 2023-06-06 财团法人工业技术研究院 用于产生液珠的管状结构及液珠产生方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5955341A (ja) * 1982-09-24 1984-03-30 Nippon Carbide Ind Co Ltd 継目なし充てんカプセル製造装置
JPH05200275A (ja) * 1991-05-29 1993-08-10 Freunt Ind Co Ltd シームレスカプセル製造装置
JP4102459B2 (ja) * 1997-05-14 2008-06-18 森下仁丹株式会社 生体高分子を合成するシームレスカプセルおよびその製造方法
US6586176B1 (en) * 1998-08-07 2003-07-01 Cellay, Llc Gel microdrops in genetic analysis
IL158128A0 (en) * 2001-04-03 2004-03-28 Biocept Inc Methods and gel compositions for encapsulating living cells and organic molecules
CN1656234B (zh) * 2002-03-20 2012-02-01 创新生物公司 包囊化核酸扩增反应混合物的微胶囊及其作为反应隔间进行平行反应的用途
CA3171720C (en) * 2002-12-26 2024-01-09 Meso Scale Technologies, Llc. Methods for conducting electrochemiluminescence measurements
US7041481B2 (en) * 2003-03-14 2006-05-09 The Regents Of The University Of California Chemical amplification based on fluid partitioning
US20070003975A1 (en) * 2003-05-02 2007-01-04 Canon Kabushiki Kaisha Structured construct and producing method therefor
US7968287B2 (en) 2004-10-08 2011-06-28 Medical Research Council Harvard University In vitro evolution in microfluidic systems
JP2006223124A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Toray Ind Inc 酵素またはタンパク質を包埋させたマイクロカプセルの製造方法およびその利用方法
US7629124B2 (en) * 2006-06-30 2009-12-08 Canon U.S. Life Sciences, Inc. Real-time PCR in micro-channels
WO2008005241A2 (en) * 2006-06-30 2008-01-10 Canon U.S. Life Sciences, Inc. Systems and methods for monitoring the amplification and dissociation behavior of dna molecules

Also Published As

Publication number Publication date
US8293475B2 (en) 2012-10-23
US20100028897A1 (en) 2010-02-04
JP2010035471A (ja) 2010-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102740976B (zh) 取样-应答微流体盒
US20220186325A1 (en) Systems for sample analysis
JP5298718B2 (ja) 生体試料反応用チップに反応液を充填する遠心装置
JP2016506238A (ja) デバイスおよび装置
WO2006046433A1 (ja) 遺伝子検査用マイクロリアクタ
WO2005116202A1 (ja) 反応容器、反応測定装置、および液回転処理装置
US20090129198A1 (en) Intra-microchannel mixing method and apparatus
JP4936235B2 (ja) 発光測定装置の試薬開封機構および試薬開封機構における開封針制御方法
JP5188314B2 (ja) 生体高分子検査装置及びその方法
CN108136394B (zh) 用于细胞检测的试剂盒
US11478791B2 (en) Flow control and processing cartridge
JP2009121984A (ja) マイクロ流路内泡除去方法及びマイクロ流路内溶解分散方法
JP2007135504A (ja) 増幅部位にビーズを保持する核酸検査用マイクロリアクタ
AU2017338675B2 (en) Analysis system and method for testing a sample
JP2008151773A (ja) マイクロ流路内混合方法
JP2017042101A (ja) 核酸増幅装置用カートリッジ
US10604792B2 (en) Method and analysis system for testing a sample
US20210187509A1 (en) Method and analysis system for testing a sample
TW202413917A (zh) 使用熱密封閥進行生物檢定之系統及方法
NZ752616B2 (en) Analysis system and method for testing a sample
JP2017042103A (ja) 核酸増幅反応容器
JP2017042099A (ja) 核酸増幅装置
JP2017042100A (ja) 核酸増幅装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110112

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110802

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120711

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5188314

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees