JP5188073B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形時のモールドデポジットが改善され、またシート成形時の目やにの発生が低減された熱可塑性樹脂組成物および成形体に関する。
ポリフェニレンエーテルは機械的性質・電気的性質及び耐熱性が優れており、しかも寸法安定性に優れるため幅広い用途で使用されているが、単独では成形加工性に劣っており、これを改良するためにポリスチレンを配合することが広く知られている。しかしながら、耐熱性や耐薬品性が低下するという課題があった。
ポリフェニレンエーテルの流動性を改良する技術として、液晶ポリエステルを配合する技術(例えば、特許文献1参照。)が提案されているが、耐衝撃性、耐薬品性、流動性の観点において十分ではなく、アミン類で変性したポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルを配合する技術(例えば、特許文献2参照。)も提案されているが、耐衝撃性、耐薬品性、流動性、耐熱性、難燃性バランスにおいて十分なものではなかった。さらに、ポリフェニレンエ−テルと液晶ポリマーのモルフォロジーを規定したブレンド(例えば、特許文献3参照。)が提案されているが、耐衝撃性、耐薬品性、流動性のバランスにおいては十分ではなかった。
しかしながら、これらの技術では、射出成形する際のモールドデポジットの抑制レベルが十分とは言えず、金型を頻繁に掃除する必要性があり、生産性を低下させていた。また、シート成形時においても目やに発生を抑えるには十分とは言えず、目やにがシートに付着するなどして外観が悪化する部分が生じるなど生産性の低下の原因となっていた。
一方、ポリカーボネートやポリブチレンテレフタレートと液晶ポリエステルにリン酸金属塩、亜リン酸金属塩を添加することで液晶ポリエステルを繊維状に存在させるという技術(例えば、特許文献4参照。)が開示されているが、これらの組み合わせの場合は、エステル結合をもつ樹脂同士であるため相溶性が高く、ポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルのような相溶性の低い組み合わせで生じたようなモールドデポジット等の課題が生じていなかった。
モールドデポジットと目やには、いずれもロングランの生産性に影響するものであり、これを改善又は低減することは産業上極めて重要であり、ポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルのアロイにおけるその改善技術が待望されているのが現状であった。
特開昭56−115357号公報 特開平6−322258号公報 国際公開第99/02607号パンフレット 国際公開第98/23430号パンフレット
本発明の課題は、電気・電子部品等の精密成形品に好適であり、上述した技術では達成し得なかった、射出成形時のモールドデポジット(以下、MDと略す)が改善され、またシート成形時の目やにの発生が低減された熱可塑性樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる成形体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ポリフェニレンエーテル、液晶ポリエステル、リン化合物を含む樹脂組成物であって、リン化合物が、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸金属塩類、亜リン酸金属塩類、次亜リン酸金属塩類、およびそれらの分子内および/又は分子間縮合物よりなる群から選ばれる1種以上であって、ポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルの合計100質量部に対し、0.1〜5質量部含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が、これら特性に優れた熱可塑性樹脂組成物及び成形体を得るために有効であることを見出し、本発明に到達した。
次に、本発明の理解を容易にするために、本発明の基本的特徴及び好ましい諸態様を列挙する。
(1)(A)ポリフェニレンエーテル、(B)液晶ポリエステルおよび(C)リン化合物からなる樹脂組成物であって、(C)成分が、リン酸金属塩類、亜リン酸金属塩類、次亜リン酸金属塩類、およびそれらの分子内および/又は分子間縮合物よりなる群から選ばれる1種以上であり、前記金属は周期律表第1族及び第2族、マンガン、亜鉛及びアルミニウムよりなる群から選ばれる金属であって、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、0.1〜5質量部含まれることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(2)(C)成分が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、0.3〜1.5質量部含まれる上記(1)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
)(C)成分が、リン酸金属塩類、亜リン酸金属塩類及び次亜リン酸金属塩類よりなる群から選ばれる1種以上であり、水和物を含有する上記(1)又は(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
)更に、(D)シラン化合物を含む上記(1)〜()に記載の熱可塑性樹脂組成物。
)(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(D)成分0.05〜5質量部を含む上記()に記載の熱可塑性樹脂組成物。
)(D)成分が、アミノ基、ウレイド基、エポキシ基、イソシアネート基、およびメルカプト基よりなる群から選ばれる1種以上の官能基を含有する上記()、()に記載の熱可塑性樹脂組成物。
)(A)成分50〜99質量部および(B)成分1〜50質量部からなる上記(1)〜()に記載の熱可塑性樹脂組成物。
)上記(1)〜()に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる射出成形体。
)上記(1)〜()に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるシート。
本発明の樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる成形体は、射出成形時のモールドデポジットが改善され、またシート成形時の目やにの発生が低減されている。MDが改善されることにより、成形時の金型の掃除頻度を減らすことができ、またMD成分が成形体へ付着した不良品を減らすことができ、生産効率を向上することができる。
次に本発明に使用することのできる各成分について詳しく述べる。
(A)成分のポリフェニレンエーテルとは、下記式(1)の構造単位からなる、ホモ重合体及び/または共重合体である。
Figure 0005188073
〔式中、Oは酸素原子、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てている)を表わす。〕
ポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52−17880号公報に記載されてあるような2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体や2−メチル−6−ブチルフェノールとの共重合体)のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。ポリフェニレンエーテルとして2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体を使用する場合の各単量体ユニットの比率は、ポリフェニレンエーテル共重合体全量を100質量%としたときに、約80〜約90質量%の2,6−ジメチルフェノールと、約10〜約20質量%の2,3,6−トリメチルフェノールからなる共重合体が特に好ましい。
これらの中でも特に好ましいポリフェニレンエーテルとしては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、またはこれらの混合物である。
ポリフェニレンエーテルの製造方法は公知の方法で得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第3306874号明細書、同第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、特開昭50−51197号公報、特公昭52−17880号公報及び同63−152628号公報等に記載された製造方法が挙げられる。
ポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/c:0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.15〜0.70dl/gの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.60dl/gの範囲、より好ましくは0.40〜0.55dl/gの範囲である。
ポリフェニレンエーテルは、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルをブレンドしたものであっても構わない。例えば、還元粘度0.45dl/g以下のポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物、還元粘度0.40dl/g以下の低分子量ポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物が挙げられるが、もちろん、これらに限定されることはない。
また、ポリフェニレンエーテルは、全部又は一部が変性されたポリフェニレンエーテルであっても構わない。
ここでいう変性されたポリフェニレンエーテルとしては、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテル等が挙げられる。
該変性されたポリフェニレンエーテルの製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で100℃以上、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の範囲の温度でポリフェニレンエーテルを溶融させることなく変性化合物と反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以上360℃以下の範囲の温度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の温度で、ポリフェニレンエーテルと変性化合物を溶液中で反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)及び(2)の方法が好ましい。
次に分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物について具体的に説明する。
分子内に炭素−炭素二重結合とカルボン酸基、酸無水物基を同時に有する変性化合物としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が良好で、フマル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。
また、これら不飽和ジカルボン酸のカルボキシル基の、1個または2個のカルボキシル基がエステルになっているものも使用可能である。
分子内に炭素−炭素二重結合とグリシジル基を同時に有する変性化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、エポキシ化天然油脂等が挙げられる。
これらの中でグリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレートが特に好ましい。
分子内に炭素−炭素二重結合と水酸基を同時に有する変性化合物としては、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オールなどの一般式C2n−3OH(nは正の整数)の不飽和アルコール、一般式C2n−5OH、C2n−7OH(nは正の整数)等の不飽和アルコール等が挙げられる。
上述した変性化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の変性化合物の添加量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5質量部である。
ラジカル開始剤を用いて変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の好ましいラジカル開始剤の量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して0.001〜1質量部である。
また、変性されたポリフェニレンエーテル中の変性化合物の付加率は、0.01〜5質量%が好ましい。より好ましくは0.1〜3質量%である。
該変性されたポリフェニレンエーテル中には、未反応の変性化合物及び/または、変性化合物の重合体が残存していても構わない。
また、ポリフェニレンエーテルの安定化の為に公知となっている各種安定剤も好適に使用することができる。安定剤の例としては、ヒンダードフェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等の有機安定剤であり、これらの好ましい配合量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して5質量部未満である。
更に、ポリフェニレンエーテルに添加することが可能な公知の添加剤等もポリフェニレンエーテル100質量部に対して10質量部未満の量で添加しても構わない
(B)成分の液晶ポリエステルとは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルで、公知のものを使用できる。例えば、p−ヒドロキシ安息香酸およびポリエチレンテレフタレートを主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸および4,4′−ジヒドロキシビフェニルならびにテレフタル酸を主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステルが挙げられ、特に制限はない。本発明で使用される液晶ポリエステルとしては、下記構造単位(イ)、(ロ)、および必要に応じて(ハ)および/または(ニ)からなるものが好ましく用いられる。
Figure 0005188073
Figure 0005188073
Figure 0005188073
Figure 0005188073

ここで、構造単位(イ)、(ロ)はそれぞれ、p−ヒドロキシ安息香酸から生成したポリエステルの構造単位と、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸から生成した構造単位である。構造単位(イ)、(ロ)を使用することで、優れた耐熱性、流動性や剛性などの機械的特性のバランスに優れた本発明の熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。上記構造単位(ハ)、(ニ)中のXは、下記式よりそれぞれ任意に1種あるいは2種以上選択することができる。
Figure 0005188073
構造単位(ハ)において好ましいのは、エチレングリコール、ハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ビスフェノールAそれぞれから生成した構造単位であり、さらに好ましいのは、エチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンであり、特に好ましいのは、エチレングリコール、4,4′−ジヒドロキシビフェニルである。構造単位(ニ)において好ましいのは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ジカルボキシナフタレンそれぞれから生成した構造単位であり、さらに好ましいのは、テレフタル酸、イソフタル酸である。
構造単位(ハ)および構造単位(ニ)は、上記に挙げた構造単位を少なくとも1種あるいは2種以上を有することができる。具体的には、2種以上有する場合、構造式(ハ)においては、1)エチレングリコールから生成した構造単位/ハイドロキノンから生成した構造単位、2)エチレングリコールから生成した構造単位/4,4′−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、3)ハイドロキノンから生成した構造単位/4,4′−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、などを挙げることができる。
また、構造単位(ニ)においては、1)テレフタル酸から生成した構造単位/イソフタル酸から生成した構造単位、2)テレフタル酸から生成した構造単位/2,6−ジカルボキシナフタレンから生成した構造単位、などを挙げることができる。ここでテレフタル酸量は2成分中、好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。テレフタル酸量を2成分中40質量%以上とすることで、比較的に流動性、耐熱性が良好な樹脂組成物となる。液晶ポリエステル中の構造単位(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の使用分割は特に限定されない。ただし、構造単位(ハ)と(ニ)は基本的にほぼ等モル量となる。
また、構造単位(ハ)、(ニ)からなる下記構造単位(ホ)を、液晶ポリエステル中の構造単位として使用することもできる。具体的には、1)エチレングリコールとテレフタル酸から生成した構造単位、2)ハイドロキノンとテレフタル酸から生成した構造単位、3)4,4′−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸から生成した構造単位、4)4,4′−ジヒドロキシビフェニルとイソフタル酸から生成した構造単位、5)ビスフェノールAとテレフタル酸から生成した構造単位、などを挙げることができる。
Figure 0005188073
液晶ポリエステルには、必要に応じて本発明の特徴と効果を損なわない程度の少量の範囲で、他の芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸から生成する構造単位を導入することができる。液晶ポリエステルの溶融時での液晶状態を示し始める温度(以下、液晶開始温度という)は、好ましくは150〜350℃、さらに好ましくは180〜320℃である。液晶開始温度をこの範囲にすることは、得られる樹脂組成物を好ましい色調と耐熱性と成形加工性バランスの良いものとする。
液晶ポリエステルの25℃、1MHzにおける誘電正接(tanδ)は、好ましくは0.03以下であり、さらに好ましくは0.025以下である。この誘電正接の値が小さければ小さいほど、誘電損失は小さくなり、この樹脂組成物を電気・電子部品の原料として用いる時、発生する電気的ノイズが抑制され好ましい。特に25℃、高周波数領域下、すなわち1〜10GHz領域において、誘電正接(tanδ)は、好ましくは0.03以下であり、さらに好ましくは0.025以下である。
液晶ポリエステルの見かけの溶融粘度(液晶開始温度+30℃でずり速度100/秒)は、好ましくは10〜3,000Pa・s、さらに好ましくは10〜2,000Pa・s、特に好ましくは10〜1,000Pa・sである。見かけの溶融粘度をこの範囲にすることは、得られる組成物の流動性を好ましいものとする。
ポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルの好ましい配合比は、ポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルの合計100質量部としたとき、ポリフェニレンエーテル50〜99質量部、液晶ポリエステル1〜50質量部である。より好ましくはポリフェニレンエーテル60〜99質量部、液晶ポリエステル1〜40質量部、さらに好ましくはポリフェニレンエーテル80〜99質量部、液晶ポリエステル1〜20質量部である。
ポリフェニレンエーテルが連続相、液晶ポリエステルが分散相を形成することが好ましい。ポリフェニレンエーテルが連続相を形成することにより、成形品の表面外観に優れ、ペレット作成時に異形ペレット(長いペレットなど)が形成し難くなる。これらモルフォロジーについては、例えば透過型顕微鏡を用いて観察することにより容易に判断することができる。
(C)成分としてのリン化合物は、1)リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、およびそれらの分子内および/又は分子間縮合物、2)リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、およびそれらの分子内および/又は分子間縮合物の金属塩類から選ばれる1種以上である。
前記1)のリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、およびそれらの分子内および/又は分子間縮合物とは、例えばリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロ亜リン酸、二亜リン酸を挙げることができる。
前記2)リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、およびそれらの分子内および/又は分子間縮合物の金属塩類とは、前記1)のリン化合物と周期律表第1族及び第2族、マンガン、亜鉛、アルミニウムとの塩を挙げることができる。
より好ましいリン化合物は、リン酸金属塩類、亜リン酸金属塩類あるいは次亜リン酸金属塩類、およびそれらの分子内および/又は分子間縮合物から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸から選ばれるリン化合物と、周期律表第1族及び第2族、マンガン、亜鉛、アルミニウムから選ばれる金属との塩、およびそれらの分子内および/又は分子間縮合物である。特に好ましくは、リン酸、亜リン酸および次亜リン酸から選ばれるリン化合物と周期律表第1族及び第2族から選ばれる金属とからなる金属塩であり、例えば、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カルシウムが挙げられ、これらの無水塩、水和物が挙げられる。これらの中でもリン酸三ナトリウムがもっとも好ましい。
また、これらリン酸金属塩類、亜リン酸金属塩類あるいは次亜リン酸金属塩類から選ばれる1種以上は、面衝撃性とイオンコンタミ防止の観点から、水和物を含有することがより好ましく、水和物と無水塩の混合物でも構わない。また、樹脂組成物を溶融混練したり、成形加工したりする過程において、水和物の一部または全部が無水塩になっても構わない。
(C)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、0.1〜5質量部になるように配合する必要がある。MDや目やにの観点から、0.1質量部以上であり、高温成形時のシルバーストリークを抑制する観点から、5質量部以下である。好ましくは0.3〜1.5質量部、より好ましくは0.5〜1.2質量部、さらに好ましくは0.7〜1.2質量部である。
必要に応じて(D)シラン化合物を含有していても構わない。ここでいうシラン化合物は、官能基含有シラン化合物のことであり、中でも、アミノ基、ウレイド基、エポキシ基、イソシアネート基およびメルカプト基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を含有するシラン化合物が好ましい。シラン化合物は、通常、これらの官能基のうちのいずれか1種を分子中に含有するものであればよいが、場合によっては、これらの官能基の2種以上を分子中に含有するものであっても良い。また、官能基の数は1つのみでも2つ以上でも構わない。官能基を2つ以上含む場合は、1種の官能基を2つ以上含んでいても構わないし、2種以上の官能基をそれぞれ1つずつ含んでいても構わないし、1種の官能基を1つ、それ以外の官能基を2つ以上含んでいても構わない。もちろん、2種以上の官能基をそれぞれ2つ以上含んでいても構わない。
好ましいシラン化合物としては、前記のような官能基を分子中に含有するアルコキシシランである。
具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、などのアミノ基を含有するシラン化合物;γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルメチルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルメチルトリエトキシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基を含有するシラン化合物;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランなどのエポキシ基を含有するシラン化合物;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリクロロシランなどのイソシアネート基を含有するシラン化合物;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、β−メルカプトエチルトリメトキシシラン、β−メルカプトエチルトリエトキシシラン、β−メルカプトエチルジメトキシシランなどのメルカプト基を含有するシラン化合物;が挙げられる。
シラン化合物の好ましい含有量は、ポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルの合計100質量部に対して、層剥離の点から0.05質量部以上であり、また成形時のシルバー発生の点から5質量部以下含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜3質量部、さらに好ましくは0.2〜1質量部である。
シラン化合物の添加方法に特に制限はないが、好ましい添加方法はポリフェニレンエーテルと同時に添加する方法である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、I価、II価、III価またはIV価の金属元素を含有する化合物を含有していても構わない。I価、II価、III価またはIV価の金属元素を含有する化合物とは、金属を含有する無機化合物または有機化合物であり、本質的に金属元素を主たる構成成分とする化合物である。I価、II価、III価またはIV価をとりうる金属元素の具体例として、Li、Na、K、Zn、Cd、Sn、Cu、Ni、Pd、Co、Fe、Ru、Mn、Pb、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Ti、Ge、Sbが挙げられる。中でもZn、Mg、Ti、Pb、Cd、Sn、Sb、Ni、Al、Ge元素が好ましく、さらにはZn、Mg、Ti元素が好ましい。ダート衝撃性を大きく向上させる観点から、I価、II価、III価またはIV価の金属元素がZn元素および/またはMg元素であることが特に好ましい。
具体例としては、上記金属元素の酸化物、水酸化物、アルコキサイド塩、脂肪族カルボン酸塩、酢酸塩が好ましい。さらに、好ましい酸化物の例としては、ZnO、MgO、TiO4、TiO、PbO、CdO、SnO、SbO、Sb、NiO、Al、GeOなどが挙げられる。また、好ましい水酸化物の例としては、Zn(OH)、Mg(OH)、Ti(OH)、Ti(OH)、Pb(OH)、Cd(OH)、Sn(OH)、Sb(OH)、Sb(OH)、Ni(OH)、Al(OH)、Ge(OH)が挙げられる。また好ましいアルコキサイド塩の例としては、Ti(OPr)、Ti(OBu)が挙げられる。また好ましい脂肪族カルボン酸塩の例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸チタニウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドニウム、ステアリン酸すず、ステアリン酸アンチモン、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸ゲルマニウムが挙げられる。中でも特に好ましい具体例は、ZnO、Mg(OH)、Ti(OPr)、Ti(OBu)、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、が挙げられる。
I価、II価、III価またはIV価の金属元素を含有する化合物の好ましい含有量としては、ポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルの合計100質量部に対して、ダート衝撃性の点から0.1質量部以上、10質量部以下であり、0.1〜5質量部がより好ましく、さらに0.2〜3質量部が好ましい。
I価、II価、III価またはIV価の金属元素を含有する化合物の添加方法に特に制限はないが、好ましい添加方法はポリフェニレンエーテルと同時に添加する方法である。
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物はスチレン系重合体を含んでいてもよい。スチレン系重合体とは、ホモポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−ゴム質重合体−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)が挙げられる。スチレン系重合体を含むことで、耐候性を向上することができる。スチレン系重合体の好ましい配合量としては、ポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルの合計100質量部に対し、50質量部未満の量である。これらスチレン系重合体の添加方法に特に制限はないが、ポリフェニレンエーテル成分と同時に添加されることが好ましい。
熱可塑性樹脂組成物はエラストマーをさらに含有することができる。好ましいエラストマーとしては、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体が挙げられる。
芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」とは、当該ブロック100質量%のうち、少なくとも50質量%以上が芳香族ビニル化合物単位であることを指す。より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」に関しても同様で、当該ブロック100質量%のうち少なくとも50質量%以上が共役ジエン化合物単位であることを指す。より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
この場合、例えば芳香族ビニル化合物ブロック中にランダムに少量の共役ジエン化合物もしくは他の化合物が結合されているブロックの場合であっても、該ブロックの50質量%が芳香族ビニル化合物単位より形成されていれば、芳香族ビニル化合物を主体とするブロック共重合体とみなす。また、共役ジエン化合物の場合においても同様である。
芳香族ビニル化合物の具体例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンが挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが特に好ましい。
共役ジエン化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3−ペンタジエンが挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
ブロック共重合体の共役ジエン化合物ブロック部分のミクロ構造は1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量の合計量5〜80%が好ましく、さらには10〜50%が好ましく、15〜40%が最も好ましい。
ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロック[A]と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック[B]が、A−B型、A−B−A型、A−B−A−B型から選ばれる結合形式を有するブロック共重合体である事が好ましく、これらの混合物であっても構わない。これらの中でもA−B型、A−B−A型、又はこれらの混合物がより好ましく、A−B−A型がもっとも好ましい。
また、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体は、水素添加されたブロック共重合体であることがより好ましい。水素添加されたブロック共重合体とは、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体を水素添加処理することにより、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの脂肪族二重結合の水素添加率を0を越えて100%の範囲で制御したものをいう。該水素添加されたブロック共重合体の好ましい水素添加率は80%以上であり、最も好ましくは98%以上である。
これらブロック共重合体は水素添加されていないブロック共重合体と水素添加されたブロック共重合体の混合物としても問題なく使用可能である。
また、これら芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体は、本発明の趣旨に反しない限り、結合形式の異なるもの、芳香族ビニル化合物種の異なるもの、共役ジエン化合物種の異なるもの、1,2−結合ビニル含有量もしくは1,2−結合ビニル含有量と3,4−結合ビニル含有量の異なるもの、芳香族ビニル化合物成分含有量の異なるもの等を混合して用いても構わない。
また、ブロック共重合体は、全部又は一部が変性されたブロック共重合体であっても構わない。
ここでいう変性されたブロック共重合体とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたブロック共重合体を指す。
該変性されたブロック共重合体の製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でブロック共重合体の軟化点温度以上250℃以下の範囲の温度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶液中で反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶融させることなく反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)の方法が好ましく、更には(1)の中でもラジカル開始剤存在下で行う方法が最も好ましい。
ここでいう分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物とは、変性されたポリフェニレンエーテルについて述べた変性化合物と同じものが使用できる。
エラストマーの配合量としては、ポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルの合計量100質量部に対し、50質量部未満であることが好ましい。これらエラストマーの添加方法に特に制限はないが、ポリフェニレンエーテルと同時に添加されることが好ましい。
さらに難燃剤を添加することができる。難燃剤としては、ケイ素化合物、環状窒素化合物、あるいはリン系難燃剤が好ましい。
ケイ素化合物の例としては、シリコーン、籠状シルセスキオキサンまたはその部分開裂構造体、シリカが挙げられる。
シリコーンは、オルガノシロキサンポリマーのことで、直鎖構造のもの、架橋構造のもの、あるいはそれらがある割合で構成された構造のものでもよく、又、単独あるいはそれらの混合物でもよい。難燃性、流動性の観点から、直鎖構造のものがより好ましい。また難燃性、耐衝撃性の観点から、分子内の末端基あるいは側鎖基として官能基を有するものが好ましい。官能基は特にエポキシ基、アミノ基が好ましい。具体的には、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のシリコーンオイル、変性シリコーンオイル、シリコーンパウダー、信越化学工業株式会社製のストレートシリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、非反応性シリコーンオイル、シリコーンパウダーKMPシリーズなどを用いることができる。液体状、固体状いずれのものも用いることができる。液体状のものは、25℃における粘度が、10〜10,000(mm/s)が好ましく、100〜8,000(mm/s)がより好ましく、500〜3,000(mm/s)が特により好ましい。固体のものは、平均粒径が0.1〜100μmが好ましく、0.5〜30μmがより好ましく、0.5〜5μmが特により好ましい。このシリコーンは、ポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルの合計100質量部に対して、難燃効果の点から0.1質量部以上であり、また剛性低下の点から10質量部以下の割合で含有されていることが好ましく、0.3〜5質量部がさらに好ましく、0.5〜2質量部が特により好ましい。
環状窒素化合物とは、窒素元素を含有する環状の有機化合物である。具体的にはメラミン誘導体である、メラミン、メレム、メロンが好ましく用いられる。中でも揮発性の観点から、メレム、メロンが好ましい。
リン系難燃剤としては、赤燐、リン酸エステル化合物、亜リン酸エステル化合物、フォスファゼン化合物等が挙げられる。これらの中で、難燃レベルと環境の観点から赤燐または有機リン化合物が好ましく、中でもリン酸エステル化合物がより好ましい。リン酸エステル化合物としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのモノ有機リン化合物や有機リン化合物オリゴマーが挙げられるが、有機リン化合物オリゴマーが特に好ましい。
有機リン化合物オリゴマーの特に好ましい例としては、下記式(2)で表される化合物群より選ばれるものを挙げることができる。
Figure 0005188073
(式中、Q、Q、Q、Qは、炭素数1から6の アルキル基または水素を表し、nは1以上の整数、m、m、m、mは0から3の整数を示し、Xは以下の式(3)のいずれかから選択される。)
Figure 0005188073
(式中、S、S、Sはメチル基または水素を表す。n、n、nは0から2の整数を示す。)
具体的には、大八化学社製のCR−741、CR−747、CR−733Sなどが好適である。
これらのリン系難燃剤の配合量としては、ポリフェニレンエーテルと液晶ポリエステルの合計100質量部に対して、難燃性の点から0.1質量部以上であり、また耐熱性の点から10質量部以下の割合で含有されていることが好ましく、さらに好ましくは1〜8質量部、特により好ましくは3〜5質量部である。
上記した成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を添加しても構わない。
付加的成分の例を以下に挙げる。
無機充填材(ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、タルク、カオリン、マイカ、ゾノトライト等)、導電性付与材(導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブ等)、可塑剤(オイル、低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)及び、帯電防止剤、各種過酸化物、硫化亜鉛、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤等である。
熱可塑性樹脂組成物を得るための具体的な加工機械としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサーが挙げられるが、中でも二軸押出機が好ましい。
好ましい製造方法は、上流側供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリフェニレンエーテル、液晶ポリエステルおよびリン化合物を供給して溶融混練する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
熱可塑性樹脂組成物を製造するための好ましい温度は、250〜350℃の範囲の中から任意に選ぶことができる。中でも250〜330℃の範囲がより好ましい。
このようにして得られる熱可塑性樹脂組成物は、公知の種々の方法、例えば、射出成形により各種部品の成形体として成形できる。例えば、パソコン、ハードディスクDVDドライブレコーダー、デジタルビデオカメラ、携帯型デジタル音楽プレーヤー、携帯電話などのデジタル家電製品に使用されるハードディスクの内部部品や各種コンピューターおよびその周辺機器等の内部部品、ICトレー材料、各種ディスクプレーヤー等のシャーシー、キャビネット等の電気・電子部品、リレーブロック材料等に代表されるオートバイ・自動車の電装部品、自動車用耐熱部品あるいは事務機器用耐熱部品に好適である。中でも精密成形が必要とされるハードディスクの内部部品として好適に使用される。
ハードディスクの内部部品としては例えばブラケット、ラッチ、コウム、スポイラー、ブッシュ、マウントプレート、フックなどが挙げられる。
自動車用耐熱部品は例えば、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウウォッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、点火装置ケースなどの部品、ホイールキャップ、ランプソケット、ランプハウジング、ランプエクステンション、ランプリフレクターが好適である。
また、事務機器用耐熱部品は、例えば、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品に好適である。
また、熱可塑性樹脂組成物は、例えば、押出しシート成形によりシートに成形することもできる。ここで言うシートとは、厚みが0.001〜2.0mmのものであり、これらシートの製造方法としては、例えば、押出しチューブラー法(場合によってはインフレーション法とも呼ばれる)、Tダイ押出し法が挙げられる。
こうして得られたシートは、難燃性や電気特性が要求される用途に好適に使用でき、例えば、プリント基板材料、プリント基板周辺部品、プリント基板製造用剥離フィルム、半導体パッケージ、データ系磁気テープ、APS写真フィルム、フィルムコンデンサー、モーターやトランスなどの絶縁材料、自動車用シートセンサー、ワイヤーケーブルの絶縁テープ、TABテープ、発電機スロットライナ層間絶縁材料、トナーアジテーター、リチウムイオン電池などの絶縁ワッシャーに好適である。
以下、本発明を実施例及び比較例により、更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例に示されたものに限定されるものではない。
(使用した原料)
(1)ポリフェニレンエーテル(以下、PPEと略記)
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
還元粘度:0.42dl/g、(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)
(2)液晶ポリエステル(以下、LCPと略記)
LCP−1:窒素雰囲気下において、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、ハイドロキノン、テレフタル酸、無水酢酸を仕込み、加熱溶融し、重縮合することにより、以下の理論構造式を有する液晶ポリエステルを得た。なお組成の成分比はモル比を表す。
Figure 0005188073
LCP−2:窒素雰囲気下において、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、無水酢酸を仕込み、加熱溶融し、重縮合することにより、以下の理論構造式を有する液晶ポリエステルを得た。なお、組成の成分比はモル比を表す。
Figure 0005188073
(3)リン化合物
(3−1)リン酸三ナトリウム・12水和物(以下、P−1と略記)
商品名:工業用リン酸三ナトリウム(結晶)(太平化学産業社製)
(3−2)リン酸三ナトリウム(以下、P−2と略記)
商品名:工業用リン酸三ナトリウム(無水)(太平化学産業社製)
(3−3)メタリン酸ナトリウム(以下、P−3と略記)
商品名:ヘキサメタリン酸ソーダ(太平化学産業社製)
(4)シラン化合物(以下、Si−1と略記)
N−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]エチレンジアミン
商品名:KBM−602(信越化学工業社製)
(5)酸化亜鉛(以下、ZnOと略記)
商品名:銀嶺A(登録商標)(東邦亜鉛社製)
(評価方法)
以下に、評価方法について述べる。
<モールドデポジット(MD)>
実施例および比較例で得られた樹脂組成物ペレットを、乾燥機を用いて120℃で3時間乾燥し、射出成形機[IS−80EPN:東芝機械社製]を用いて、射出速度700mm/秒、保圧60MPa、射出+保圧時間10秒、冷却時間15秒、金型温度90℃、溶融樹脂温度320℃に設定し、90×50×2.5mmの平板成形片を成形した。10000ショット成形した後、金型のキャビティプレート面を目視で確認し、MDを評価した。ほとんど付着物のないものを◎、全体の面積の約10%未満の割合で付着しているものを○、同様に約10%以上約30%未満のものを△、約30%以上のものを×とした。
<モールドデポジット(MD)洗浄性>
上記同様にMDを評価した金型の付着物を、メタノールを染み込ませた布で拭き取り洗浄した。その際に、付着物が容易に拭き取れたものを○、容易に拭き取れなかったものを×とした。
<シルバー>
上記で成形した90×50×2.5mmの平板成形片を目視で確認し、シルバーの有無を確認した。100枚について確認し、シルバーが見られた成形品の数を評価した。
<面衝撃性>
上記で成形した90×50×2.5mmの平板成形片を用いて、落錘グラフィックインパクトテスター[東洋精機社製]を用い、23℃、50RH%の条件下で、ホルダ径φ40mm、ストライカー径12.7mm、ストライカー重量6.5kgを使用し、高さ100cmから衝撃試験を行い、全吸収エネルギーおよび延性破壊した数を測定した。測定は10枚の試験片を使用し、全吸収エネルギーはその平均値を測定値とした。
<目やにの発生状況>
実施例および比較例で得られた樹脂組成物ペレットを、乾燥機を用いて120℃で3時間乾燥し、シリンダーの温度300℃、Tダイス(幅:40cm、クリアランス:0.8mm)の温度305℃に設定したスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、スクリュー回転数40rpm、吐出量6kg/h、引き取り速度2.0m/minで押出しシート成形を行った。1時間運転し、目やにの発生状況を観察した。運転開始から30分までの間に目やにが発生したものを×、30分から1時間までの間に目やにが発生したものを△、1時間後に発生していないものを○とした。
<イオンコンタミ性>
実施例3および実施例4で得られた樹脂組成物ペレット10gを、70℃の精製水10g中に30分間浸漬した。ペレットを濾別し、精製水中に溶出したナトリウムイオン濃度、リン酸イオン濃度をイオンクロマトグラフを用いて測定した。
[実施例1〜11、比較例1〜3]
押出機上流側から1番目のバレルに上流側供給口を有し、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=44(バレル数:11)の二軸押出機[ZSK−40:コペリオン社製(ドイツ)]を用いて、上流側供給口からダイまでを290℃に設定し、スクリュー回転数300rpm、吐出量60kg/hで、表1記載の割合となるように、上流側供給口よりPPE、ZnO、Si−1、LCPおよびリン化合物を供給して溶融混練し樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物を、MD、MD洗浄性、シルバー、面衝撃性、目やにの発生状況を評価した。物性値を組成と共に表1に併記した。
また、実施例3および実施例4についてはイオンコンタミ性を評価した。実施例3のナトリウムイオンは3.6ppm、リン酸イオンは5.0ppmであった。一方、実施例4のナトリウムイオンは160ppm、リン酸イオンは210ppmであった。
Figure 0005188073
[実施例12および実施例13]
実施例1と同様の押出機を用いて、表2記載の割合となるように、上流側供給口よりPPE、Si−1、LCPおよびリン化合物を供給して溶融混練し樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物を、MD、シルバー、目やにの発生状況を評価した。物性値を組成と共に表2に併記した。
Figure 0005188073
本発明の熱可塑性樹脂組成物、および該樹脂組成物からなる成形体は、電気・電子部品、OA部品、車両部品、機械部品などの幅広い分野に使用することができ、とりわけ、精密成形が必要とされる電気・電子部品に好適に使用できる。

Claims (9)

  1. (A)ポリフェニレンエーテル、(B)液晶ポリエステルおよび(C)リン化合物からなる樹脂組成物であって、(C)成分が、リン酸金属塩類、亜リン酸金属塩類、次亜リン酸金属塩類、およびそれらの分子内および/又は分子間縮合物よりなる群から選ばれる1種以上であり、前記金属は周期律表第1族及び第2族、マンガン、亜鉛及びアルミニウムよりなる群から選ばれる金属であって、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、0.1〜5質量部含まれることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. (C)成分が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し、0.3〜1.5質量部含まれる請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. (C)成分が、リン酸金属塩類、亜リン酸金属塩類及び次亜リン酸金属塩類よりなる群から選ばれる1種以上であり、水和物を含有する請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 更に、(D)シラン化合物を含む請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. (A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(D)成分0.05〜5質量部を含む請求項4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. (D)成分が、アミノ基、ウレイド基、エポキシ基、イソシアネート基、およびメルカプト基よりなる群から選ばれる1種以上の官能基を含有する請求項またはに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. (A)成分50〜99質量部および(B)成分1〜50質量部からなる請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる射出成形体。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなるシート。
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