JP5187547B2 - ブラスト加工用研磨材及びその製造法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に記載されるものは、不定形なエッジが形成されているため切削力が強く金属の表面を傷つけてしまうという欠点がある。
(1)ガラス転移温度が25℃以下のアクリル系樹脂マトリクス中に予め疎水処理された砥粒が分散し、その形状が略球形状であるブラスト加工用研磨材。
(2)平均粒子径が0.01〜2mmであり、含まれる砥粒の平均粒子径が0.1〜400μmである上記(1)記載のブラスト加工用研磨材。
(3)前記アクリル系樹脂が架橋されている、上記(1)又は(2)記載のブラスト加工用研磨材。
(5)砥粒が、予め疎水処理されたものである上記(4)記載のブラスト加工用研磨材の製造法
アクリル系樹脂としては、アクリル系の単量体を重合して得られるものであれば特に制限はない。
メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、
アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。これらは、単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
他の単量体を併用する場合、アクリル系の単量体を主成分として用い、ガラス転移温度が25℃以下となるように使用する。
これらの中で、アクリル酸アルキルエステルが良好な鏡面を形成できる点で好ましい。なかでも、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルが、その効果が高く、より好ましい。
なお平均粒子径はレーザ散乱回析法により測定することができる。
本発明において略球形状とは、真球状か又は真球状に近い滑らかな外観形状である。鋭利な砥粒が表面に一部突出している場合も含まれる。電子顕微鏡写真で撮影した際のその写真は、典型的には図1に示すような球状である。
上記のブラスト加工用研磨材の製造法としては、アクリル系単量体を砥粒の存在下で懸濁重合する手法が好ましい方法として挙げられる。
この方法では、一般に、分散剤を含む水性媒体中に有機過酸化物等の触媒を溶解したアクリル系単量体を分散してラジカルを発生させて重合を行なう。
難溶性無機塩として、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等が使用できる。
有機分散剤として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等が使用できる。
疎水処理剤としては、ステアリン酸、シラン化合物、ワセリン等が挙げられる。
疎水処理剤による処理方法としては、湿式法、乾式法等を用いることができる。
実施例1
撹拌翼つき4リットルフラスコに、蒸留水2375g、分散剤としてポリビニルアルコール13g及びリン酸3カルシウム12gを仕込み、窒素置換し、300回転/分で撹拌しながら、アクリル系単量体としてブチルアクリレート468g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12g、疎水処理として予めシランカップリング処理をした炭化珪素粉末(昭和電工(株)製、商品名GC−6000、平均粒子径2μm)120g、有機過酸化物としてラウリルパーオキサイド(ラウロイルパーオキサイド)0.78g及びt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト0.47gの混合液を添加し、次いで蒸留水100gを追加添加して3分間撹拌した後、窒素置換を継続しながら、1時間かけて60℃まで昇温し、そのまま5時間保温した。
得られた懸濁重合液スラリーを小型遠心分離器で分離し、水洗した後、50℃で12時間乾燥して、球状のブラスト加工用研磨材を得た。
得られた研磨材の平均粒子径は、600μm、ガラス転移温度は−50℃であった。
ポリビニルアルコールを24gに変更した以外は実施例1と同様の方法で懸濁重合を行った。得られた研磨材は球状で、平均粒子径は、250μm、ガラス転移温度は−49℃であった。
ブチルアクリレートをエチルアクリレートに変更した以外は実施例1と同様の方法で懸濁重合を行った。得られた研磨材は球状で、平均粒子径は、550μm、ガラス転移温度は−21℃であった。
炭化珪素粉末をシランカップリング未処理に変更した以外は、実施例1と同様の方法で懸濁重合を行った。得られた研磨材は球状で、その平均粒子径は、350μm、ガラス転移温度は−50℃であった。
ブチルアクリレート468g、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12gを、ブチルアクリレート94g、スチレン374gに変更した以外は実施例1と同様の方法で懸濁重合を行った。得られた研磨材は球状で、平均粒子径は、650μm、ガラス転移温度は50℃であった。
〈樹脂粒子径〉
得られた研磨材粒子を、レーザ散乱回析法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター製、製品名LS13320)で樹脂粒子径を測定した。
得られた研磨材粒子を、示差走査熱量計(パーキンエルマー製、製品名DSC7)でガラス転移温度を測定した。
ブラスト加工機(田端機械工業製、製品名エアブラストCSB2―S)を用いて金型に90秒間研磨材を噴射させた後の金型表面を目視観察することにより比較した。金型表面に機械加工時の筋痕ない場合を○、筋痕がある場合を×とした。
光沢度と同様に金型に研磨材を4時間連続噴射後の研磨材を、顕微鏡を使用して、表面の状態を観察して比較した。初期状態と同様の物を○、割れがある場合を×とした。
これに対し、本発明になるブラスト加工用研磨材は、一般的なブラスト加工機により、大型で複雑な凹面を有する金属金型の内壁や金属製各種自動車部品の光沢仕上を行うことができ、研磨性、耐久性にも優れることが明らかである。
2 樹脂マトリクス
3 砥粒
Claims (5)
- ガラス転移温度が25℃以下のアクリル系樹脂マトリクス中に予め疎水処理された砥粒が分散し、その形状が略球形状であるブラスト加工用研磨材。
- 平均粒子径が0.01〜2mmであり、含まれる砥粒の平均粒子径が0.1〜400μmである請求項1記載のブラスト加工用研磨材。
- 前記アクリル系樹脂が架橋されている、請求項1又は2記載のブラスト加工用研磨材。
- アクリル系単量体を、砥粒の存在下で懸濁重合させ請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のブラスト加工用研磨材を製造することを特徴とするブラスト加工用研磨材の製造法。
- 砥粒が、予め疎水処理されたものである請求項4記載のブラスト加工用研磨材の製造法。
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