JP5186066B2 - 気液混合ガスの気液分離装置 - Google Patents
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Description
そこで、ブローバイガスの流速にかかわらず、ブローバイガスに含まれるオイルミストをより確実に捕捉できるようにすることが求められている。
よって、例えばブローバイガスの流速が速いときには、整流プレートの傾斜角を大きくすることで、ブローバイガスの流れを整流プレートで邪魔して、ブローバイガスの流速を遅くすると共に、内壁部内におけるブローバイガスの旋回数を増やすことができる。
これにより、ブローバイガスの内壁部内での滞留時間を調整できるので、エンジンが高負荷で運転されている場合のようにブローバイガスの流速が速い場合であっても、ブローバイガスに含まれるオイルミストを確実に捕捉できるようになる。
図1は、実施の形態にかかる気液分離装置10が設けられたエンジン1周りの概略図である。
図2の(a)は、気液分離装置10の一部を切り欠いて示した斜視図であり、(b)は、(a)の気液分離装置10を面Aで切断した断面を模式的に示す図である。
内壁部12の上端12aは、外壁部11の上端を封止する上壁部13に全周に亘って隙間無く接続して封止されており、上壁部13から下方に延びる内壁部12の延出長L1は、外壁部11の延出長L2よりも短い長さに設定されている。
気液分離装置10内の上部側には、軸方向から見てリング状の空間S1が、外壁部11と内壁部12の間に形成されており、配管4aの流入口4a1からリング状の空間S1内に流入したブローバイガスが、図1に示すように、空間S1内を内壁部12の外周に沿って中心軸X周りに旋回するように流れながら、円錐部14側の下方に移動するようになっている。
そのため、空間S1内を円錐部14側の下方に移動したブローバイガスは、内壁部12の下端12b側の開口122から空間S2内に流入し、空間S2内を下から上に通流したのちに、ブローバイガス排出口4b1から配管4bに排出されるようになっている。
また、空間S2内の下部側には、空間S2内を下から上に向かって通流するブローバイガスを整流するための整流機構20が設けられている。
枠体21は、内壁部12の内周12c(図2の(b)参照)に略整合する外径で形成されており、内壁部12の内周12cに、着脱自在に固定されている。
受圧部223は、平面視において略矩形形状の板状部材であり、配管4aから流入したブローバイガスの通流方向に交差して設けられている。
そのため、エンジン1からのブローバイガスが、配管4aから空間S1内に流入していないときや、配管4aから空間S1内に流入している場合であっても、ブローバイガスから受圧部223が受ける押圧力がスプリング16の引っ張り力よりも小さいときには、回動部材22は、受圧部223を配管4aの最も近くに配置させた初期位置P1に配置されている。
この回動部材22の中心軸X周りの角度位置は、ブローバイガスから受圧部223が受ける押圧力と、スプリング16による引っ張り力とが釣り合う位置に決定される。
なお、以下の説明において、整流プレート23a〜23dを特に区別しない場合には、整流プレート23と表記する。
図5は、回動部材22が高負荷位置P2(図2の(b)参照)にある場合を説明する図であって、(a)は、係止部241と、貫通孔246の傾斜面246a、246bとの位置関係を説明する図であり、(b)は、整流プレート23aを中心軸Xの径方向から見た場合における整流プレート23aの中心軸Xに対する傾斜角を説明する図であり、(c)は、整流機構20における各整流プレート23a〜23dの傾きを説明する図である。
そのため、回動部材22の回動可能な範囲を広く取るために、係合部245の貫通孔246には、傾斜面246a、246bが設けられている。
ここで、図3の(d)に示す係合部245(軸Y1上で係止部241に係合している係合部245)の場合について説明をすると、貫通孔246の傾斜面246a、246bは、係合部245の厚み方向における中心を通り、軸Y1に直交する線分Z1と、軸Y1との交点を挟んで対称に設けられており、線分Z1から離れるにつれて開口径が広がるように軸Y1に対して所定角度傾斜している。
整流プレート23a〜23dは、それぞれ同じ外形を有しており、中心軸X周りの周方向で4つ設けられている。
そして、整流プレート23a〜23dの一端23a1〜23d1側は、他端23a2〜23d2側よりも、内壁部12のブローバイガス排出口4b1(図1参照)が設けられた上方側に位置している。例えば、整流プレート23aの場合には、図4の(b)に示すように、一端23a1の方が他端23a2側よりも、上方側に位置している。
これにより、内壁部12内に流入したブローバイガスが、各整流プレート23a〜23dの間を通過すると、上方から見て反時計回り方向の旋回流が、内壁部12内に形成される。
これにより、整流プレート23a〜23dは、取付部243の軸Y1または軸Y2周りの回動に連動して軸Y1または軸Y2周りに揺動し、中心軸Xに対する傾斜角が変化するようになっている。
図6は、内壁部12内に形成される旋回流を説明する図であって、(a)は、気液分離装置10内に流入するブローバイガスの流速が遅い場合の旋回流を示す図であり、(b)は、ブローバイガスの流速が速い場合の旋回流を示す図である。
さらに、内壁部12内には上方から見て反時計回り方向の旋回流が、整流プレート23により形成される。
さらに、内壁部12内には上方から見て反時計回り方向の旋回流が、整流プレート23により形成されるが、整流プレート23の中心軸Xに対する傾きが大きいので、内壁部12内に形成される旋回流の旋回回数は、係止部241が初期位置にある場合よりも多くなる。
よって、ブローバイガスは、よりゆっくりとした流速で、より多くの回数、旋回するので、内壁部12内に設けられたフィルタにより多くのオイルミストが捕捉されるようになる。
併せて、ブローバイガスが整流プレート23に当たるときのエネルギー(圧力)でも、オイルミストの液状化が促進される。
よって、エンジンが高負荷で運転されている場合のように、気液分離装置10内に流入するブローバイガスの流速が速くなっても、オイルミストを捕捉できる。
また、ブローバイガスの流速が遅い場合には、整流プレート23の中心軸Xに対する傾きが小さくなって、内壁部12内におけるブローバイガスの流れが大きく妨げられない。よって、クランク室からのブローバイガスの排出が妨げられて、ピストンに負荷を与えてしまうことがない。
よって、空間S1と空間S2の両方をオイルミストの捕捉に確実に利用しているので、オイルミストをより捕捉できるようになる。
実施の形態における外壁部11と、図示しない開閉バルブを備えるオイル排出口15が設けられた円錐部14とで、発明における密閉容器を構成する。
よって、例えばブローバイガスの流速が速いときには、中心軸Xに対する整流プレートの傾斜角を大きくすることで、ブローバイガスの中心軸Xに沿って配管4bに向かう流れを邪魔して、ブローバイガスの流速を遅くすると共に、内壁部12内におけるブローバイガスの旋回数を増やすことができる。
これにより、内壁部12内を他端12b側からブローバイガス排出口4b1が設けられた一端12a側に向けて通流するブローバイガスの、内壁部12(空間S2)内での滞留時間を調整できるので、エンジンが高負荷で運転されている場合のようにブローバイガスの流速が速い場合であっても、ブローバイガスの内壁部12の内周12cや、内壁部12内に設けたフィルタ(図示せず)との接触機会を増大させて、ブローバイガスに含まれるオイルミストを、気液分離装置10内に確実に捕捉できるようになる。
よって、ディーゼルターボエンジンのようにブローバイガスに含まれるオイルミストの量が多い場合や、エンジンを高負荷で運転してブローバイガスの流量が増大している場合に、オイルが付着して配管を詰まらせることや、付着したオイルが配管の接続部や配管とゴムホースとの接続部などから漏出することを好適に防止できる。
さらに、吸気側にインタクーラが設けられている場合には、インタクーラを詰まらせてエンジントルクを低下させてしまうことも好適に防止できる。
これにより、内壁部12内の空間S2内に、中心軸X周りに旋回する旋回流を確実に形成できる。
これにより、整流プレート23a〜23dの中心軸Xに対する傾斜角を、ブローバイガスの流速に応じて適宜変更できる。
このように構成することで、回動部材22の中心軸X周りの角度位置を、空間S1内に流入するブローバイガスの流速(圧力)に応じて変化させることができる。
このように構成すると、回動部材22の中心軸X周りの回動を、整流プレート23a〜23dの軸(揺動軸)Y1またはY2周りの揺動に好適に変換できる。
このように構成すると、回動部材22の中心軸X周りの回動可能な範囲を広くとることができるので、整流プレート23a〜23dの軸(揺動軸)Y1またはY2周りの揺動可能な範囲(中心軸Xに対する傾斜角の範囲)も大きくとることができる。
2 エアクリーナ
3、4(4a、4b) 配管
4a1 流入口
4b1 ブローバイガス排出口
10 気液分離装置
11 外壁部
12 内壁部
121 スリット孔
13 上壁部
14 円錐部
15 オイル排出口
16 スプリング
20 整流機構
21 枠体
211、212 枠部
213 連結部
214、216 梁部
215、217、218 支持部
22 回動部材
221 軸部
222 腕部
223 受圧部
23(23a〜23d) 整流プレート
231 固定部
24 リンク機構
241 係止部
242 リンク部材
243 取付部
244 連結部
245 係合部
246 貫通孔
246a、246b 傾斜面
X 中心軸
Y1 回動軸
Claims (4)
- 両端が封止された筒状の外壁部の内側に円筒状の内壁部が設けられ、前記内壁部の一端が、前記外壁部の一端と接合した共有壁部で封止された密閉容器と、
前記外壁部の前記一端側に接線方向から連通し、前記内壁部と前記外壁部との間に気液混合ガスを流入させる流入管と、
前記共有壁部の前記内壁部内に開口した排出管と、を備える気液混合ガスの気液分離装置において、
前記内壁部内に旋回流を形成する整流プレートを設けると共に、
前記内壁部の中心線に対する前記整流プレートの傾斜角を、前記流入管から流入する気液混合ガスの流速に応じて変化させる駆動機構を設けたことを特徴とする気液混合ガスの気液分離装置。 - 前記駆動機構は、
前記整流プレートの前記中心線に対する傾斜角を、前記気液混合ガスの流速が速くなるほどより大きくすることを特徴とする
請求項1に記載の気液混合ガスの気液分離装置。 - 前記整流プレートは、前記内壁部内で前記中心線周りに複数設けられており、
前記整流プレートの各々は、前記中心線の軸方向から見て、隣接する整流プレートと端部同士が重なるように配置されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気液混合ガスの気液分離装置。
- 前記整流プレートは、前記中心線に直交する揺動軸周りに揺動可能に設けられており、
前記駆動機構は、
前記密閉容器内に流入する気液混合ガスの流速に応じて前記中心線周りに回動して角度位置が変化する回動部材と、
前記回動部材の前記中心線周りの回動を、前記整流プレートの前記揺動軸周りの揺動に変換するリンク機構と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の気液混合ガスの気液分離装置。
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