JP5186066B2 - 気液混合ガスの気液分離装置 - Google Patents

気液混合ガスの気液分離装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5186066B2
JP5186066B2 JP2010044119A JP2010044119A JP5186066B2 JP 5186066 B2 JP5186066 B2 JP 5186066B2 JP 2010044119 A JP2010044119 A JP 2010044119A JP 2010044119 A JP2010044119 A JP 2010044119A JP 5186066 B2 JP5186066 B2 JP 5186066B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
wall portion
blow
liquid
rectifying plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010044119A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011179396A (ja
Inventor
浩二 石川
裕之 湯原
久芳 長谷川
清貴 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Ltd filed Critical JATCO Ltd
Priority to JP2010044119A priority Critical patent/JP5186066B2/ja
Publication of JP2011179396A publication Critical patent/JP2011179396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5186066B2 publication Critical patent/JP5186066B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、気液混合ガスの気液分離装置に関する。
車両用のエンジンでは、ブローバイガス(未燃焼ガス)が、ピストンとシリンダとの隙間を通って、燃焼室の下部に位置するクランクケース内に漏出する。この漏出したブローバイガスがクランクケース内に留まると、クランクケース内の圧力が高くなってピストンの動きに対して負荷となるので、これを防止するために、クランクケースからブローバイガスを排出させて、エンジンの吸気側に戻すための回路(配管)が設けられている。
しかし、ブローバイガスは、エンジンオイルのミスト(オイルミスト)が多く含まれた気液混合ガスであり、ブローバイガスをそのままエンジンの吸気側に戻すと、配管の途中にオイルが付着することがある。
特に、ディーゼルターボエンジンのようにブローバイガスに含まれるオイルミストの量が多い場合や、エンジンを高負荷で運転してブローバイガスの流量が増大している場合には、配管内に多くのオイルが付着する傾向があり、かかる場合、付着したオイルが配管を詰まらせることや、付着したオイルが配管の接続部や、配管とゴムホースとの接続部などから漏出することがある。さらに、吸気側にインタクーラが設けられている場合には、インタクーラを詰まらせてエンジントルクを低下させてしまうことがある。
そのため、ブローバイガスをエンジンの吸気側に戻す回路の途中に気液分離装置を設けて、ブローバイガス内のオイルを分離することが行われている。
例えば特許文献1には、内部に円錐状の仕切板が設けられた円筒状の密閉用器内に、ブローバイガスを接線方向から流入させて旋回流を形成させると共に、仕切板の内周に沿って旋回しながら流れるブローバイガスを、仕切板に形成した貫通孔を通過させることで、仕切板にオイルを捕捉するようにしたものが開示されている。
また、特許文献2には、円筒状の二重壁の内側に、ブローバイガスを接線方向から流入させて内側の壁に沿って流れる旋回流を形成させることで、内側の壁に気体に含まれる水分(ブローバイガスの場合にはオイル)を捕捉するようにしたものが開示されている。
特開平4−78915号公報 特開平1−152737号公報
しかし、エンジンが高負荷で運転されている場合には、ブローバイガスの流速が速くなるので、ブローバイガスが気液分離装置を短時間で通過してしまい、オイルミストを十分に捕捉できないことがある。
そこで、ブローバイガスの流速にかかわらず、ブローバイガスに含まれるオイルミストをより確実に捕捉できるようにすることが求められている。
本発明は、両端が封止された筒状の外壁部の内側に円筒状の内壁部が設けられ、内壁部の一端が、外壁部の一端と接合した共有壁部で封止された密閉容器と、外壁部の一端側に接線方向から連通し、内壁部と外壁部との間に気液混合ガスを流入させる流入管と、共有壁部の内壁部内に開口した排出管と、を備える気液混合ガスの気液分離装置において、内壁部内に旋回流を形成する整流プレートを設けると共に、内壁部の中心線に対する整流プレートの傾斜角を、流入管から流入する気液混合ガスの流速に応じて変化させる駆動機構を設けた構成とした。
本発明によれば、ブローバイガスの流速に応じて整流プレートの傾斜角を変えることで、内側円筒部内に流入して旋回流を形成するブローバイガスの流速と旋回回数とを変えることができる。
よって、例えばブローバイガスの流速が速いときには、整流プレートの傾斜角を大きくすることで、ブローバイガスの流れを整流プレートで邪魔して、ブローバイガスの流速を遅くすると共に、内壁部内におけるブローバイガスの旋回数を増やすことができる。
これにより、ブローバイガスの内壁部内での滞留時間を調整できるので、エンジンが高負荷で運転されている場合のようにブローバイガスの流速が速い場合であっても、ブローバイガスに含まれるオイルミストを確実に捕捉できるようになる。
実施の形態にかかる気液分離装置を備えるエンジン周りの概略構成図である。 実施の形態にかかる気液分離装置を説明する図である。 気液分離装置の駆動機構を説明する図である。 駆動機構の動作を説明する図である。 駆動機構の動作を説明する図である。 駆動機構の作用を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態にかかる気液分離装置10が設けられたエンジン1周りの概略図である。
図2の(a)は、気液分離装置10の一部を切り欠いて示した斜視図であり、(b)は、(a)の気液分離装置10を面Aで切断した断面を模式的に示す図である。
図1に示すように、エンジン1の燃焼室1aとエアクリーナ2とを接続する吸気側の配管3の途中には、エンジン1のクランク室1bから排出されるブローバイガスを吸気側に戻すための配管4(4a、4b)が接続されており、この配管4の途中には、ブローバイガスに含まれるオイルミストを捕捉するための気液分離装置10が設けられている。
気液分離装置10は、上端が封止された有底円筒形状の外壁部11の内側に、円筒状の内壁部12を配置した二重構造を有している。
内壁部12の上端12aは、外壁部11の上端を封止する上壁部13に全周に亘って隙間無く接続して封止されており、上壁部13から下方に延びる内壁部12の延出長L1は、外壁部11の延出長L2よりも短い長さに設定されている。
外壁部11の下端11aには、外壁部11から離れるにつれて縮径する円錐形状の円錐部14が一体に形成されている。円錐部14の下端には、図示しない開閉バルブを備える円筒形状のオイル排出口15が設けられて封止されており、気液分離装置10内でブローバイガスから分離されたオイルが、このオイル排出口15から回収可能とされている。
外壁部11は、内壁部12を周方向の全周に亘って所定間隔で囲むように設けられており、この外壁部11の上壁部13側の上部には、ブローバイガスを気液分離装置10内に導く配管4aが接続している。
配管4aは、図2の(b)に示すように、断面視において円形の外壁部11に、内壁部12の接線L方向から接続して設けられている。
気液分離装置10内の上部側には、軸方向から見てリング状の空間S1が、外壁部11と内壁部12の間に形成されており、配管4aの流入口4a1からリング状の空間S1内に流入したブローバイガスが、図1に示すように、空間S1内を内壁部12の外周に沿って中心軸X周りに旋回するように流れながら、円錐部14側の下方に移動するようになっている。
図1に示すように、上壁部13の中央部には、配管4bが接続しており、気液分離装置10内の内壁部12で囲まれた空間S2に連通している。
そのため、空間S1内を円錐部14側の下方に移動したブローバイガスは、内壁部12の下端12b側の開口122から空間S2内に流入し、空間S2内を下から上に通流したのちに、ブローバイガス排出口4b1から配管4bに排出されるようになっている。
空間S2内の上部側の符号Aで囲んだ領域には、ブローバイガス内に含まれるオイルミストを捕捉するための図示しないフィルタ(金属メッシュフィルタ)が設けられている。
また、空間S2内の下部側には、空間S2内を下から上に向かって通流するブローバイガスを整流するための整流機構20が設けられている。
整流機構20は、配管4aを通って空間S1内に流入するブローバイガスの流量に応じて、空間S2内を通流するブローバイガスの流れを整流(調整)するものであり、空間S1に流入するブローバイガスの流量が多い(流速が速い)ほど、ブローバイガスの空間S2内での滞留時間が長くなるように整流する。
整流機構20は、図2に示すように、内壁部12内に挿入されて固定される円筒状の枠体21と、枠体21の中心を通る中心軸X(内壁部12の長手方向に沿う中心線)周りに回動可能な回動部材22と、回動部材22の回動に連動して、整流プレート23の傾斜角度を変化させるリンク機構24と、を備える。
枠体21は、中心軸Xの軸方向に所定間隔で配置されたリング形状の枠部211、212と、中心軸X周りの周方向に複数設けられて、枠部211、212を連結する棒状の連結部213と、を備える。
枠体21は、内壁部12の内周12c(図2の(b)参照)に略整合する外径で形成されており、内壁部12の内周12cに、着脱自在に固定されている。
枠部211の中央には、径方向内側に延びる梁部214で支持された円筒形状の支持部215が位置しており、この支持部215では、回動部材22の軸部221が回動可能に支持されている。
図3の(a)は、リンク機構24を説明する図であって、整流プレート23a〜23dを仮想線で示した斜視図であり、(b)は、リンク機構24のリンク部材242の部分を拡大して示す斜視図である。図3の(c)は、整流プレート23a〜23dを中心軸Xの軸方向から見た状態を模式的に示した図であって、整流プレート23a〜23dの形状を説明するために、整流プレート23a、23cのみを、整流プレート23b、23dよりも径方向に僅かに拡大して示した図である。図3の(d)は、リンク機構24の要部を拡大して示す部分断面図である。
図3の(a)に示すように、枠部212の中央には、径方向内側に延びる梁部216で支持された有底円筒形状の支持部217が配置されており、この支持部217には、軸部221の下端が挿入されて、回動可能に支持されている。
図2の(a)、(b)に示すように、回動部材22は、中心軸Xに沿って延びる軸部221と、軸部221の上端側を中心軸Xに直交する方向に折り曲げて形成した腕部222と、を備えており、枠体21において、中心軸X周りに回動可能に支持されている。
腕部222の先端側は、内壁部12に設けられたスリット孔121を貫通して、外壁部11と内壁部12の間の空間S1内に挿入されており、この空間S1内に位置する腕部222の先端には、配管4aから空間S1内に流入するブローバイガスの圧力を受ける受圧部223が設けられている。
受圧部223は、平面視において略矩形形状の板状部材であり、配管4aから流入したブローバイガスの通流方向に交差して設けられている。
内壁部12のスリット孔121は、中心軸X周りの周方向に所定長さで形成されており、腕部222(回動部材22)の中心軸X周りの周方向の回動範囲を規定している。
図2の(b)に示すように、空間S2内において、腕部222には、枠体21の枠部211や梁部214などの固定側部材に一端が固定されたスプリング16が連結されており、回動部材22には、中心軸X周りに時計回り方向に回動させようとする引っ張り力が作用している。
そのため、エンジン1からのブローバイガスが、配管4aから空間S1内に流入していないときや、配管4aから空間S1内に流入している場合であっても、ブローバイガスから受圧部223が受ける押圧力がスプリング16の引っ張り力よりも小さいときには、回動部材22は、受圧部223を配管4aの最も近くに配置させた初期位置P1に配置されている。
そして、配管4aから空間S1内に流入するブローバイガスの量が多くなって、ブローバイガスから受圧部223が受ける押圧力が、スプリング16の引っ張り力よりも大きくなると、図2の(b)において、回動部材22が、中心軸X周りに反時計回り方向に回動し、最大で、腕部222が図中仮想線で示す位置(高負荷位置)P2に到達するまで回動する。
この回動部材22の中心軸X周りの角度位置は、ブローバイガスから受圧部223が受ける押圧力と、スプリング16による引っ張り力とが釣り合う位置に決定される。
図3の(a)に示すように、軸部221の下端側には、回動部材22の中心軸X周りの回動を、整流プレート23(23a〜23d)の軸(揺動軸)Y1またはY2周りの揺動に変換するリンク機構24が設けられている。
なお、以下の説明において、整流プレート23a〜23dを特に区別しない場合には、整流プレート23と表記する。
リンク機構24は、軸部221の下端側から径方向外側に突出して設けられた係止部241と、この係止部241により、中心軸Xに直交する軸Y1または軸Y2周りに回動させられて、整流プレート23a〜23dの中心軸Xに対する傾斜角を変更するリンク部材242と、を備える。
係止部241は、中心軸X周りの周方向で、90°間隔で4つ設けられており、円柱形状の係止部241の各々には、リンク部材242の係合部245が係合している。
リンク部材242は、一端にリング状の係合部245が設けられた軸状部材を、90°折り曲げて形成される略L字形状を有しており、整流プレート23が取り付けられる取付部243と、先端に係合部245を有する連結部244と、を備える。
図3の(a)、(b)に示すように、枠体21において取付部243は、軸Y1またはY2に沿って設けられており、梁部216の長手方向に所定間隔で設けられたリング状の支持部218、218で、回動可能に支持されている。
連結部244は、中心軸Xに平行に延びており、連結部244の先端の係合部245は、図3の(c)、(d)に示すように、中央の貫通孔246を、軸Y1または軸Y2の軸方向から係止部241に係合させている。
図4は、回動部材22が初期位置P1(図2の(b)参照)にある場合を説明する図であって、(a)は、係止部241と、貫通孔246の傾斜面246a、246bとの位置関係を説明する図であり、(b)は、整流プレート23aを中心軸Xの径方向から見た場合における整流プレート23aの中心軸Xに対する傾斜角を説明する図であり、(c)は、整流機構20における各整流プレート23a〜23dの傾きを説明する図である。
図5は、回動部材22が高負荷位置P2(図2の(b)参照)にある場合を説明する図であって、(a)は、係止部241と、貫通孔246の傾斜面246a、246bとの位置関係を説明する図であり、(b)は、整流プレート23aを中心軸Xの径方向から見た場合における整流プレート23aの中心軸Xに対する傾斜角を説明する図であり、(c)は、整流機構20における各整流プレート23a〜23dの傾きを説明する図である。
実施の形態では、図3に示すように、回動部材22(軸部221)が、係止部241を貫通孔246内に挿入した状態で中心軸X周りに回動することで、リンク部材242の係合部245が、軸Y1に直交する線分Z1、または軸Y2に直交する線分Z2方向に移動し、これによりリンク部材242の取付部243が、軸Y1または軸Y2周りに回動する。
そのため、回動部材22の回動可能な範囲を広く取るために、係合部245の貫通孔246には、傾斜面246a、246bが設けられている。
図3の(c)に示すように、貫通孔246は、係合部245を厚み方向(図中、軸Y1またはY2方向)に貫通して設けられている。
ここで、図3の(d)に示す係合部245(軸Y1上で係止部241に係合している係合部245)の場合について説明をすると、貫通孔246の傾斜面246a、246bは、係合部245の厚み方向における中心を通り、軸Y1に直交する線分Z1と、軸Y1との交点を挟んで対称に設けられており、線分Z1から離れるにつれて開口径が広がるように軸Y1に対して所定角度傾斜している。
これにより、回動部材22は、図4の(a)に示すように、係止部241が貫通孔246の傾斜面246b、246bに当接する位置まで、係合部245を線分Z1に沿って移動させながら、中心軸X周りに時計回り方向に回動できると共に、図5の(a)に示すように、係止部241が貫通孔246の傾斜面246a、246aに当接する位置まで、係合部245を線分Z1に沿って移動させながら、中心軸X周りに反時計回り方向に回動できるようになっており、傾斜面246a、246bが設けられていない貫通孔の場合よりも、中心軸X周りの回動可能な範囲が広くなっている。
なお、図4の(a)が、回動部材22が初期位置P1(図2の(b)参照)に位置している場合の、係止部241と係合部245との係合状態を示し、図5の(a)が、回動部材22が高負荷位置P2(図2の(b)参照)に位置している場合の、係止部241と係合部245との係合状態を示している。
図3の(c)に示すように、整流プレート23(23a〜23d)は、中心軸Xの軸方向から見た平面視において扇形状を有しており、各整流プレート23a〜23dの外周は、内壁部12の内周12c(図2参照)に略整合する弧を描く形状に形成されている。
整流プレート23a〜23dは、それぞれ同じ外形を有しており、中心軸X周りの周方向で4つ設けられている。
整流プレート23a〜23dの周方向における一端23a1、23b1、23c1、23d1側(一方側)は、中心軸Xの軸方向から見て、隣接する整流プレートの他端23b2、23c2、23d2、23a2側(他方側)に重なるように配置されている。
そして、整流プレート23a〜23dの一端23a1〜23d1側は、他端23a2〜23d2側よりも、内壁部12のブローバイガス排出口4b1(図1参照)が設けられた上方側に位置している。例えば、整流プレート23aの場合には、図4の(b)に示すように、一端23a1の方が他端23a2側よりも、上方側に位置している。
これにより、内壁部12内に流入したブローバイガスが、各整流プレート23a〜23dの間を通過すると、上方から見て反時計回り方向の旋回流が、内壁部12内に形成される。
図4の(c)に示すように、整流プレート23a〜23dの取付部243側の下面には、取付部243側に突出する固定部231が設けられており、固定部231は、リンク部材242の取付部243に固定されている。
これにより、整流プレート23a〜23dは、取付部243の軸Y1または軸Y2周りの回動に連動して軸Y1または軸Y2周りに揺動し、中心軸Xに対する傾斜角が変化するようになっている。
実施の形態にかかる気液分離装置10における整流機構20の動作を説明する。
図6は、内壁部12内に形成される旋回流を説明する図であって、(a)は、気液分離装置10内に流入するブローバイガスの流速が遅い場合の旋回流を示す図であり、(b)は、ブローバイガスの流速が速い場合の旋回流を示す図である。
アイドリング中のようにエンジンの回転数が低い場合には、気液分離装置10の空間S1内に流入するブローバイガスの流速が遅く、回動部材22の受圧部223が受ける押圧力が小さいので、例えば回動部材22の腕部222は初期位置P1(図2の(b)参照)に配置され、リンク機構24の係止部241の中心軸X周りの角度位置も、図4の(a)に示す初期位置となる。
係止部241が初期位置に配置されていると、リンク部材242の取付部243は、図4の(a)において、軸Y1、Y2周りの周方向で最も反時計回り方向側に回動した位置となり、例えば整流プレート23aの場合、図4の(b)に示すように、中心軸Xに対する傾きが最も小さい傾きθ1となる。
そのため、図6の(a)に示すように、空間S1内に流入したブローバイガスは、空間S1内を旋回しながら下方に向けて通流したのち、内壁部12内に下端12b側の開口122から進入し、配管4bが設けられた上側に向けて通流するが、整流プレート23の中心軸Xに対する傾きがエンジンが高負荷で運転されている場合よりも小さいので、その流れが整流プレート23により大きく邪魔されることなく内壁部12内を上部側に移動できる。よって、ブローバイガスの流速は大きく低下させられない。
さらに、内壁部12内には上方から見て反時計回り方向の旋回流が、整流プレート23により形成される。
一方、エンジンの回転数が上昇した場合のように空間S2内に流入するブローバイガスの流速が増加すると、回動部材22の腕部222は、図2の(b)において符号P2で示す高負荷位置に向けて移動して、スプリング16による保持力とブローバイガスから作用する押圧力とが釣り合う位置に移動する。
そして、例えばエンジンが高負荷で運転されている場合のように、空間S1内に流入するブローバイガスの流速が大きくなって、受圧部223がブローバイガスから受ける押圧力が、スプリング16(図2の(b)参照)による引っ張り力よりもずっと大きくなると、腕部222は、高負荷位置P2に配置され、リンク機構24の係止部241の中心軸X周りの角度位置は、図5の(a)に示す高負荷位置となる。
係止部241が高負荷位置に配置されていると、リンク部材242の取付部243は、図5の(a)において、軸Y1、Y2周りの周方向で最も時計回り方向側に回動した位置となり、例えば整流プレート23aの場合、図5の(b)に示すように、中心軸Xに対する傾きが最も大きい傾きθ2となる。
そのため、図6の(b)に示すように、内壁部12を上側に向けて通流するブローバイガスは、その流れが整流プレートにより大きく邪魔されながら上部側に移動するので、流速は大きく低下させられる。
さらに、内壁部12内には上方から見て反時計回り方向の旋回流が、整流プレート23により形成されるが、整流プレート23の中心軸Xに対する傾きが大きいので、内壁部12内に形成される旋回流の旋回回数は、係止部241が初期位置にある場合よりも多くなる。
よって、ブローバイガスは、よりゆっくりとした流速で、より多くの回数、旋回するので、内壁部12内に設けられたフィルタにより多くのオイルミストが捕捉されるようになる。
併せて、ブローバイガスが整流プレート23に当たるときのエネルギー(圧力)でも、オイルミストの液状化が促進される。
実施の形態では、回動部材22の中心軸X周りの角度位置と、整流プレート23の中心軸Xに対する傾きは、空間S2内に流入するブローバイガスの流速に応じて変化し、流速が大きくなるほど、内壁部12内を旋回しながら流れるブローバイガスの流速が遅くなると共に旋回回数が増加する。
よって、エンジンが高負荷で運転されている場合のように、気液分離装置10内に流入するブローバイガスの流速が速くなっても、オイルミストを捕捉できる。
また、ブローバイガスの流速が遅い場合には、整流プレート23の中心軸Xに対する傾きが小さくなって、内壁部12内におけるブローバイガスの流れが大きく妨げられない。よって、クランク室からのブローバイガスの排出が妨げられて、ピストンに負荷を与えてしまうことがない。
実施の形態では、空間S2内のみならず、内壁部12と外壁部11の間の空間S1内にも旋回流を形成し、図2の(b)に示すように、内壁部12の外周12dや外壁部11の内周11cへのブローバイガスの接触機会を増やすことで、オイルミストを捕捉できるようにしている。
よって、空間S1と空間S2の両方をオイルミストの捕捉に確実に利用しているので、オイルミストをより捕捉できるようになる。
ここで、実施形態における上壁部13が、発明における共有壁部に相当し、実施の形態における配管4aが、発明における流入管に相当し、実施の形態における配管4bが、発明における排出管に相当し、実施の形態における回動部材22とリンク機構24とからなる整流機構20が、発明における駆動機構に相当する。
実施の形態における外壁部11と、図示しない開閉バルブを備えるオイル排出口15が設けられた円錐部14とで、発明における密閉容器を構成する。
以上の通り、実施の形態では、内壁部12の内側の空間S2内に旋回流を形成する整流プレート23(23a〜23d)を、内壁部12内の他端12b側に設けると共に、内壁部12の長手方向に沿う中心線(中心軸)Xに対する整流プレート23の傾斜角を、気液分離装置10の空間S1内に流入するブローバイガスの流速に応じて変化させる駆動機構(回動部材22、リンク機構24)を設けて、整流プレート23の中心軸に対する傾斜角が、ブローバイガスの流速が速くなるほどより大きくなるようにした。
これにより、整流プレート23の中心軸に対する傾斜角は、流速に応じて変更されて、ブローバイガスの流速が速くなるほど、ブローバイガスの流速が遅い場合よりも大きくなる。すなわち、ブローバイガスの流速に応じて整流プレート23の傾きが変化して、内壁部12内に旋回流を形成するブローバイガスの流速と、旋回回数とを変えることができる。
よって、例えばブローバイガスの流速が速いときには、中心軸Xに対する整流プレートの傾斜角を大きくすることで、ブローバイガスの中心軸Xに沿って配管4bに向かう流れを邪魔して、ブローバイガスの流速を遅くすると共に、内壁部12内におけるブローバイガスの旋回数を増やすことができる。
これにより、内壁部12内を他端12b側からブローバイガス排出口4b1が設けられた一端12a側に向けて通流するブローバイガスの、内壁部12(空間S2)内での滞留時間を調整できるので、エンジンが高負荷で運転されている場合のようにブローバイガスの流速が速い場合であっても、ブローバイガスの内壁部12の内周12cや、内壁部12内に設けたフィルタ(図示せず)との接触機会を増大させて、ブローバイガスに含まれるオイルミストを、気液分離装置10内に確実に捕捉できるようになる。
よって、ディーゼルターボエンジンのようにブローバイガスに含まれるオイルミストの量が多い場合や、エンジンを高負荷で運転してブローバイガスの流量が増大している場合に、オイルが付着して配管を詰まらせることや、付着したオイルが配管の接続部や配管とゴムホースとの接続部などから漏出することを好適に防止できる。
さらに、吸気側にインタクーラが設けられている場合には、インタクーラを詰まらせてエンジントルクを低下させてしまうことも好適に防止できる。
中心線(中心軸)X周りの周方向では、複数の整流プレート23a〜23dが設けられており、整流プレート23a〜23dの各々は、内壁部12の内周12cに沿う弧状の外側を有する扇形状に形成されていると共に、中心軸Xの軸方向から見て、隣接する整流プレートと端部同士が重なるように配置されている構成とし、中心軸X周りの周方向における一端23a1〜23d1側が、他端23a2〜23d2側よりも、内壁部12における一端12a側(上方側)に位置している構成とした。
これにより、内壁部12内の空間S2内に、中心軸X周りに旋回する旋回流を確実に形成できる。
整流プレート23a〜23dの各々は、中心軸Xに直交する軸(揺動軸)Y1またはY2周りに揺動可能に設けられており、駆動機構は、空間S1内に流入するブローバイガスの流速に応じて中心軸X周りに回動して、中心軸X周りの角度位置が変化する回動部材22と、回動部材22の中心軸X周りの回動を、整流プレート23a〜23dの軸Y1またはY2周りの回動に変換するリンク機構24と、を備える構成とした。
これにより、整流プレート23a〜23dの中心軸Xに対する傾斜角を、ブローバイガスの流速に応じて適宜変更できる。
とくに、回動部材22は、中心軸Xに沿って延びると共に中心軸X周りに回動可能な軸部221と、軸部221の上端側から径方向外側に延びる腕部222と、を備え、腕部222の先端側は、内壁部12に設けられたスリット孔121を貫通して、外壁部11と内壁部12の間の空間S1内に挿入されており、この空間S1内に位置する腕部222の先端には、配管4aから空間S1内に流入するブローバイガスの圧力を受ける受圧部223が設けられている構成とし、腕部222には、ブローバイガスの圧力が作用する方向とは反対方向に引っ張り力を作用させるスプリング16が連結されている構成とした。
このように構成することで、回動部材22の中心軸X周りの角度位置を、空間S1内に流入するブローバイガスの流速(圧力)に応じて変化させることができる。
さらに、リンク機構24は、回動部材22の軸部221の下端側から径方向外側に突出して設けられた係止部241と、この係止部241により、中心軸Xに直交する軸Y1または軸Y2周りに回動させられて、整流プレート23a〜23dの中心軸Xに対する傾斜角を変更するリンク部材242と、を備え、リンク部材242は、軸Y1またはY2に沿って設けられると共に整流プレート23a〜23dが取り付けられる取付部243と、先端にリング状の係合部245を有すると共に中心軸Xに平行に延びる連結部244と、を備え、係合部245は、中央の貫通孔246を、軸Y1または軸Y2の軸方向から係止部241に係合させている構成とした。
このように構成すると、回動部材22の中心軸X周りの回動を、整流プレート23a〜23dの軸(揺動軸)Y1またはY2周りの揺動に好適に変換できる。
とくに、貫通孔246は、係合部245を厚み方向に貫通して設けられおり、貫通孔246には、係合部245の厚み方向における中心を通り、厚み方向に直交する線分Z1を挟んで対称となると共に、線分Z1から離れるにつれて開口径が広がる傾斜面246a、246bが設けられている構成とした。
このように構成すると、回動部材22の中心軸X周りの回動可能な範囲を広くとることができるので、整流プレート23a〜23dの軸(揺動軸)Y1またはY2周りの揺動可能な範囲(中心軸Xに対する傾斜角の範囲)も大きくとることができる。
1 エンジン
2 エアクリーナ
3、4(4a、4b) 配管
4a1 流入口
4b1 ブローバイガス排出口
10 気液分離装置
11 外壁部
12 内壁部
121 スリット孔
13 上壁部
14 円錐部
15 オイル排出口
16 スプリング
20 整流機構
21 枠体
211、212 枠部
213 連結部
214、216 梁部
215、217、218 支持部
22 回動部材
221 軸部
222 腕部
223 受圧部
23(23a〜23d) 整流プレート
231 固定部
24 リンク機構
241 係止部
242 リンク部材
243 取付部
244 連結部
245 係合部
246 貫通孔
246a、246b 傾斜面
X 中心軸
Y1 回動軸

Claims (4)

  1. 両端が封止された筒状の外壁部の内側に円筒状の内壁部が設けられ、前記内壁部の一端が、前記外壁部の一端と接合した共有壁部で封止された密閉容器と、
    前記外壁部の前記一端側に接線方向から連通し、前記内壁部と前記外壁部との間に気液混合ガスを流入させる流入管と、
    前記共有壁部の前記内壁部内に開口した排出管と、を備える気液混合ガスの気液分離装置において、
    前記内壁部内に旋回流を形成する整流プレートを設けると共に、
    前記内壁部の中心線に対する前記整流プレートの傾斜角を、前記流入管から流入する気液混合ガスの流速に応じて変化させる駆動機構を設けたことを特徴とする気液混合ガスの気液分離装置。
  2. 前記駆動機構は、
    前記整流プレートの前記中心線に対する傾斜角を、前記気液混合ガスの流速が速くなるほどより大きくすることを特徴とする
    請求項1に記載の気液混合ガスの気液分離装置。
  3. 前記整流プレートは、前記内壁部内で前記中心線周りに複数設けられており、
    前記整流プレートの各々は、前記中心線の軸方向から見て、隣接する整流プレートと端部同士が重なるように配置されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気液混合ガスの気液分離装置。
  4. 前記整流プレートは、前記中心線に直交する揺動軸周りに揺動可能に設けられており、
    前記駆動機構は、
    前記密閉容器内に流入する気液混合ガスの流速に応じて前記中心線周りに回動して角度位置が変化する回動部材と、
    前記回動部材の前記中心線周りの回動を、前記整流プレートの前記揺動軸周りの揺動に変換するリンク機構と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の気液混合ガスの気液分離装置。
JP2010044119A 2010-03-01 2010-03-01 気液混合ガスの気液分離装置 Active JP5186066B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010044119A JP5186066B2 (ja) 2010-03-01 2010-03-01 気液混合ガスの気液分離装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010044119A JP5186066B2 (ja) 2010-03-01 2010-03-01 気液混合ガスの気液分離装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011179396A JP2011179396A (ja) 2011-09-15
JP5186066B2 true JP5186066B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=44691165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010044119A Active JP5186066B2 (ja) 2010-03-01 2010-03-01 気液混合ガスの気液分離装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5186066B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5689930B2 (ja) * 2013-07-24 2015-03-25 株式会社工進 エンジンの潤滑装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5722610U (ja) * 1980-07-15 1982-02-05
JPH09177529A (ja) * 1995-12-25 1997-07-08 Tokai Rubber Ind Ltd オイルミスト分離回収装置
JP2005113799A (ja) * 2003-10-08 2005-04-28 Toyota Motor Corp オイルセパレーター及びpcvシステム
JP4535021B2 (ja) * 2006-03-29 2010-09-01 トヨタ紡織株式会社 気液分離器
JP2008006385A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Toyota Boshoku Corp 気泡分離器
DE102009012401A1 (de) * 2009-03-10 2010-09-23 Thyssenkrupp Presta Teccenter Ag Hohlkörper mit integrierter Ölabscheideeinrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011179396A (ja) 2011-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7033410B2 (en) Centrifugal separator
US10094256B2 (en) Oil-gas separator assembly and internal combustion engine
WO2017104184A1 (ja) 気液分離装置
JP2009539013A5 (ja)
JP2009539013A (ja) クランクケーシング内の換気のための装置
JP5519024B2 (ja) 第2の流体の流れから第1の流体の粒子を分離するための分離システム
JP2007278228A (ja) 内燃機関
CN102444446A (zh) 发动机的通气装置
JP6363701B2 (ja) 特に内燃機関のクランクケース換気システム用のオイル分離装置
US20150136096A1 (en) Internal combustion engine
JP5186066B2 (ja) 気液混合ガスの気液分離装置
WO2016023318A1 (zh) 螺杆压缩机及其油分桶部件
JP2008073606A (ja) 気泡分離器
JP6010011B2 (ja) 内燃機関のブリーザシステム
JP2005113799A (ja) オイルセパレーター及びpcvシステム
JPH05312438A (ja) 遠心分離式油分離器
JP2009222043A (ja) ブローバイガス処理装置
JP4707641B2 (ja) 内燃機関の吸気装置
JP2000509783A (ja) 内燃機関のクランクケース用換気装置
KR101028552B1 (ko) 블로우바이 가스 오일 분리장치
KR20050026115A (ko) 사이클론 타입의 오일 세퍼레이터
CN100436973C (zh) 在管路中的油分离器
WO2017041576A1 (zh) 立式油分离器内筒、立式油分离器及布置方式
KR20110061823A (ko) 멀티 사이클론 타입의 크로즈드 크랭크케이스 벤틸레이션
JP5321088B2 (ja) 潤滑油回収装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5186066

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3