JP5185556B2 - セラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

セラミックス焼結体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5185556B2
JP5185556B2 JP2007083000A JP2007083000A JP5185556B2 JP 5185556 B2 JP5185556 B2 JP 5185556B2 JP 2007083000 A JP2007083000 A JP 2007083000A JP 2007083000 A JP2007083000 A JP 2007083000A JP 5185556 B2 JP5185556 B2 JP 5185556B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding material
sintered body
fine bubbles
ceramic sintered
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007083000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008239411A (ja
Inventor
浩之 吉田
啓二 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2007083000A priority Critical patent/JP5185556B2/ja
Publication of JP2008239411A publication Critical patent/JP2008239411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5185556B2 publication Critical patent/JP5185556B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)
  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)

Description

本発明は、セラミックス粉末を射出成形し、脱脂、焼結することにより焼結体を製造するセラミックス焼結体の製造方法に関する。
従来、電子部品の基板等に用いられる所望の形状のセラミックス焼結体を得るにあたっては、粉末射出成形が広く用いられている。
この場合、まずセラミックス粉末にバインダを混合し、金型を装着した射出成形機を用いて粉末射出成形し、成形体(グリーン体)を成形する。このグリーン体を加熱脱脂することによりバインダを除去し、脱脂後の成形体(ブラウン体)を得る。この成形体を焼成することにより焼結させ、所望の形状のセラミックス焼結体を得ることができる(特許文献1,2参照)。
上記粉末射出成形時にセラミックス粉末にバインダを混入するのは、粉末射出成形時にセラミックス粉末の流動性を確保して未充填を防止すると共に、グリーン体の保形性を確保するためのである。このようなバインダは、100質量部のセラミックス粉末1に対して15〜25質量部の割合で含有させることが一般的である。
特開2005−179147号公報 特開2006−62912号公報
しかしながら、薄肉部分や複雑形状を有する焼結体を製造する場合、射出成形時に金型内でセラミックス粉末が流動する経路が狭くなったり経路長が長くなったりすると、未充填が生じやすくなる。この問題に対して、バインダの含有量を増大させることで流動性を向上させようとすると、脱脂後のブラウン体中におけるバインダが抜けた後の空隙が大きくなってしまい、割れが生じたり形状が崩れるなどの不良が発生してしまう。また、脱脂に要する時間を低減して製造効率を向上させるためにも、バインダの含有量は少ない方が好ましい。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、バインダを含むセラミックス粉末の粉末射出成形後、脱脂、焼結を経てセラミックス焼結体を得るにあたり、バインダの含有量を増大させることなく、或いはバインダの含有量を低減しても、射出成形時のセラミックス粉末の流動性を向上することができて、薄肉部分や複雑形状を有する焼結体を得る場合であっても未充填を抑制すると共に緻密なセラミックス焼結体を得ることができ、且つ脱脂時間を短縮して製造効率を向上することができるセラミックス焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、セラミックス粉末1とバインダ2とを含む成形材料3を射出成形し、得られた成形体4を加熱脱脂した後に焼結させるセラミックス焼結体7の製造方法であって、射出成形時に前記成形材料3に微細気泡5を混入することを特徴とする。
前記成形材料3に化学的発泡剤として粒子径0.2μm以下の結晶性粉末を配合することで、射出成形の過程で前記成形材料3に微細気泡5を混入することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記微細気泡5が、セラミックス粉末1の平均粒径よりも小さいことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、上記成形材料3中の100質量部のセラミックス粉末1に対するバインダ2の含有量が10〜15質量部の範囲であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項において、上記バインダ2が低融点のワックス類と高融点のポリマー類との混合物であって、前記ポリマー類の配合量が60〜65質量%の範囲であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項において、上記成形材料3に対して1.7質量%以下の割合で化学的発泡剤6を含有させることにより、成形材料3の射出成形時に前記化学的発泡剤6を発泡させて、成形材料3中に微細気泡5を混入することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項において、上記成形材料3の射出成形時に成形材料3中に物理的気泡混入手段を用いて微細気泡5を混入することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか一項において、上記成形材料3中の微細気泡5が不活性ガスにて形成されていることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか一項において、上記微細気泡5内の圧力が大気圧以下であることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか一項において、上記成形体4の加熱脱脂を、加圧雰囲気下で行うことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、成形材料3中の微細気泡5によって射出成形時の成形材料3の流動性を向上することができて未充填の発生を防止することができ、且つ成形体4中におけるセラミックス粒子間の空隙が大きくならないようにして、焼成後の粒子間の空隙の残留を抑制することができて、薄肉部分や複雑形状を有するセラミックス焼結体7を得る場合であっても未充填なく緻密なセラミックス焼結体7を得ることができる。また成形材料3の流動性を微細気泡5によって確保することができるため、バインダ2の使用量を低減することができ、このため加熱脱脂に要する時間を短縮して生産効率の向上に寄与することができる。
請求項2に係る発明によれば、成形体4におけるセラミックス粉末1の粒子間の間隔の拡大を更に低減し、セラミックス焼結体7の更なる緻密化に寄与することができる。
請求項3に係る発明によれば、このようにバインダ2の使用量を低減しても成形材料3の良好な流動性及び成形体4の保形性を確保すると共に、このようにバインダ2の使用量を低減することから脱脂に要する時間を短縮することができ、製造効率を向上することができる。
請求項4に係る発明によれば、成形材料3中における微細気泡5を維持しつつ射出成形時の成形材料3の特に低温流動性を確保すると共に、成形体4に十分な強度を確保することができる。
請求項5に係る発明によれば成形材料3に混入された化学的発泡剤6を射出成形時に発泡させることにより成形材料3中に微細気泡5を混入することができる。
請求項6に係る発明によれば、成形材料3に混入された物理的発泡剤を発泡させることより成形材料3中に微細気泡5を混入することができる。
請求項7に係る発明によれば、成形体4の加熱脱脂時に微細気泡5中のガスとバインダ2とが反応して酸化燃焼を起こすなどして膨張することにより成形体4に割れなどが生じることを防止することができる。
請求項8に係る発明によれば、成形体4の加熱脱脂時にバインダ2が軟化した際に微細気泡5が膨張してセラミックス粉末1の粒子間の間隙が大きくなることを抑制し、より緻密なセラミックス焼結体7を得ることができるものである。
請求項9に係る発明によれば、成形体4の加熱脱脂時にバインダ2が軟化した際に微細気泡5が膨張してセラミックス粉末1の粒子間の間隙が大きくなることを抑制し、より緻密なセラミックス焼結体7を得ることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
セラミックス焼結体7の製造原料としては、セラミックス粉末1とバインダ2とを含む成形材料3を用いる。
セラミックス粉末1としては、焼結体7を得るために好適なものを適宜採用することができるが、例えばアルミナ粉末(例えば住友化学株式会社製の平均粒径0.5μmの低ソーダ易焼結アルミナ「AES−11」など)、部分安定化ジルコニア(例えば第一稀元素化学工業株式会社製の平均粒径0.8μmの部分安定化ジルコニア「HSY−3.0B」)、窒化ケイ素(電気化学工業株式会社製の平均粒径0.7μmの窒化ケイ素「SN−9FWS」など)等を挙げることができる。
このセラミックス粉末1の、株式会社島津製作所製のレーザ回折式粒度分布測定器により測定される平均粒径は、0.5〜0.8μmであることが好ましい。この範囲より大きいと微細気泡5の有無に関係なく焼結体7に開気孔が生じやすくなって、緻密な焼結体7を得ることが困難となる。逆にこの範囲より小さい粉末は入手することが困難で実用的ではなく、また、成形体4におけるセラミックス粉末1の粒子間の間隔が小さくなりすぎて微細気泡5によって生じる粒子間との差が大きくなり、このため脱脂時等の成形体4に割れが生じるおそれがある。
バインダ2としてはセラミックス粉末1の射出成形に用いられる適宜のものを採用し得るが、好ましくは低融点のワックス類と高融点のポリマー類との混合物を用いることができる。前記低融点のワックス類としては、パラフィンワックス、ステアリン酸を挙げることができる。またポリマー類としては、ポリスチレン等を挙げることができる。
このようなバインダ2において、ポリマー類の含有量は60〜65質量%の範囲であることが好ましい。この範囲において、成形体4中への微細気泡5の混合が良好となる。これに対して、ポリマー類の配合量が少ないとグリーン体4aの強度が弱くなって脱脂時に割れが生じるおそれがあり、また微細気泡5の径が大きくなる傾向にある。逆にポリマー類の配合量が多いと、成形時の低温流動性が悪くなり、その分、充填圧力を大きくする必要があることから、微細気泡5が発生しなくなるおそれがある。
上記成形材料3中におけるセラミックス粉末1に対するバインダ2の割合は、100質量部のセラミックス粉末1に対して10〜15質量部の範囲であることが好ましい。本発明によればこのような範囲においても成形材料3に優れた流動性を付与することができると共に、バインダ2の割合を低く抑えることで、後述するようにブラウン体4bにおける空隙の増大を抑制すると共に脱脂時間の短縮を図ることができる。
このようなバインダの具体的な例としては、ワックス類としてパラフィンワックスを20質量%、ステアリン酸を20質量%含有し、ポリマー類としてポリスチレンを60質量%含有するものが挙げられる。
この成形材料3中には射出成形時に微細気泡5を混入するものであるが、そのための方法としては、成形材料3中に化学的発泡剤6を含有させる方法や、成形材料3に物理的気泡混入手段により微細気泡5を混入する方法などが挙げられる。これらの手法を用いる場合には、微細気泡5は後述するように射出成形の過程で成形材料3に混入される。
化学的発泡剤6としては、例えば4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等の結晶性粉末を用いることが好ましい。このような結晶性粉末はボールミル等にて粉砕することで微細化することが容易であり、このため微細気泡5の径の微細化に寄与することができる。前記のように化学的発泡剤6は微細気泡5の微細化のために粉砕等により微細化することが好ましいが、その粒子径は0.2μm以下とすることが好ましい。この化学的発泡剤6の粒子径を調整することにより、成形材料3中に混入される微細気泡5の径を調整することができる。
化学的発泡剤6を用いる場合には、その含有量を調整することで成形材料3中への微細気泡5の混入量を調整することができる。この化学的発泡剤6の含有量は、化学的発泡剤6を除く成形材料3の全量100質量部に対して1.7質量部以下の割合であることが好ましい。発泡剤の含有量が前記割合を超えると脱脂時に成形体4に割れが生じるおそれがある。また、化学的発泡剤6の含有量の下限は特に制限されないが、成形材料3の流動性を十分に向上すると共に脱脂時間を十分に短縮するためには、前記割合が1.0質量部以上であることが望ましい。
また物理的発泡手段を用いる場合には、射出成形時に炭酸ガス、窒素ガス等の不活性ガスを超臨界状態とした超臨界流体を成形材料3中に混合することができる。
成形材料3の調製にあたっては、セラミックス粉末1、バインダ2等を所定の割合で混合したものを、まず、図2(a)に示す混練工程により混練する。この混練工程は二機の攪拌羽根10を備えた加圧ニーダ11などを用いることができる。また、この成形材料3に化学的発泡剤6を含有させる場合には、成形材料3と化学的発泡剤6とを混合し、ポットミル等で均一分散することが好ましい。このように調製された成形材料3は必要に応じてペレタイズしてペレット状に加工する。
この成形材料3を図2(b)に示す成形工程により、射出成形機12を用いて成形材料3を所定の金型13内に射出成形して成形体4(グリーン体4a)を成形する。
この射出成形機12では、バンドヒータ20を有するバレル18内にスクリュ19を設け、このバレル18をノズルを介して金型13に接続している。バレル18にはホッパ14が接続され、このホッパ14から成形材料3が供給されるようになっている。
化学的発泡剤6を含有する成形材料3がホッパ14に供給されると、回転駆動するスクリュ19によって成形材料3がバレル18内を先端に向けて移動すると共にバンドヒータ20により加熱されてバインダ2が溶融する。この状態で成形材料3が金型13内のキャビティに射出される。このときの成形条件は適宜設定可能であるが、例えばスクリュ19の回転時には背圧が3MPa以下と殆どかからないようにし、射出時には成形圧を20〜40MPa、成形温度を160〜180℃とすることが望ましい。この成形過程において、成形材料3中で化学的発泡剤6が加熱発泡し、成形材料3中に微細気泡5が生成して混入される(図1(a)(b)参照)。このため、成形材料3の流動性が高くなり、金型13内のキャビティに薄肉部分や複雑形状を有す部分が存在しても、成形材料3が未充填なくキャビティ内に充填される。これにより金型13内において成形体4(グリーン体4a)が形成される。
また、物理的発泡手段により成形材料3中に微細気泡5を混入させる場合には、バレル18におけるホッパ14の形成位置とノズルとの間に、バレル18内に不活性ガスを供給するためのガス供給口21を設ける。このガス供給口21からは、図示しないガス供給機構により不活性ガスが超臨界数MPa〜20MPaの圧力でバレル18内の成形材料3に注入されるようになっている。このような射出成形機12としては、米国TREXEL社製のMuCell射出成形機を挙げることができる。尚、当該射出成形機は本来樹脂成形用の射出成形機であるが、本発明に適用可能なものである。
この場合、成形材料3がホッパ14に供給されると、上記と同様に回転駆動するスクリュ19によって成形材料3がバレル18内を先端に向けて移動すると共にバンドヒータ20により加熱されてバインダ2が溶融する。このときの成形条件は適宜設定可能であるが、例えばスクリュ19の回転時には背圧が3MPa以下と殆どかからないように、射出時には成形圧を20〜40MPa、成形温度を160〜180℃とすることが望ましい。このように成形材料3がバレル18内を移動する過程において、ガス供給口21から不活性ガスが1〜3MPaの圧力でバレル18内の成形材料3に注入される。注入した不活性ガスは超臨界流体となり、成形材料3中に混入される。
このように物理的発泡手段にて成形材料3中に微細気泡5が生成して混入されるため(図1(a)(b)参照)、成形材料3の流動性が高くなり、金型13内のキャビティに薄肉部分や複雑形状を有す部分が存在しても、成形材料3が未充填なくキャビティ内に充填される。これにより金型13内において成形体4(グリーン体4a)が形成される。尚、キャビティ内に充填される際に減圧機構等によりキャビティ内を減圧することは、微細気泡5の大径化を招くおそれがあるために、好ましくない。
ここで、射出成形時の成形材料3の流動性は、加熱溶融したバインダによってもたらされるが、成形材料3を金型に射出する過程ではバインダが冷却されることからその粘度が低下し或いはバインダが冷却固化することによって成形材料3の流動性は低下している。しかし、上記のように射出成形の過程において成形材料3中に微細気泡5が混入されていると、成形材料3中における加熱溶融されたバインダからの熱の放散が前記微細気泡5によって阻害され、バインダの冷却が抑制される。このため、射出成形の過程でバインダが加熱溶融した状態が維持されることとなり、結果的に成形材料3の流動性が向上するものである。
このようにして形成された成形体4(グリーン体4a)中では、セラミックス粉末1の粒子間にバインダ2と微細気泡5とが存在する状態となっている(図1(b)参照)。このとき、径の小さな微細気泡5が成形体4中に分散しているため、微細気泡5が存在している箇所においてセラミックス粉末1の粒子間の間隔が大きくなることが抑制される。
次に、図2(c)に示す脱脂工程により、成形体4中に含まれているバインダ2を分解除去する。脱脂工程はセッター15を用いて成形体4を多段に積み上げ、これを脱脂炉16で加熱して行うことができる。加熱条件は適宜設定可能であるが、例えば、最高温度を400〜650℃、最高温度での保持時間を0〜3時間とすることができる。
このようにして形成された脱脂後の成形体4(ブラウン体4b)では、セラミック粉末の粒子間におけるバインダ2及び微細気泡5が存在していた領域に隙間が形成されるが、上記のようにグリーン体4aではセラミックス粉末1の粒子間の間隔が大きくなるようなことがないため、ブラウン体4b内においてもセラミックス粉末1の粒子間の空隙が大きくなることが抑制されている(図1(c)参照)。このとき、特に微細気泡5内のガスが窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスであると、加熱脱脂時にバインダ2が微細気泡5内のガスと反応して酸化燃焼することを防止することができ、このため、前記酸化燃焼により微細気泡5が膨張して成形体4に割れ等が生じることを防止することができる。
ここで、加熱脱脂の際にはまずグリーン体4a中のバインダ2が熱により軟化するが、この過程において微細気泡5内の圧力が高いと微細気泡5が膨張してセラミックス粉末1の粒子間隔が拡大するおそれがある。このため、グリーン体4a中における微細気泡5内の圧力は低い方が好ましく、特にこの圧力が大気圧以下であることが望ましい。
また、このような微細気泡5の膨張を抑制するためには、グリーン体4aの加熱脱脂を加圧雰囲気下で行うことも好ましい。この場合、大気圧を超える雰囲気下で加熱脱脂を行うことが好ましい。ここで、脱脂工程における全ての工程を加圧雰囲気下で行っても良いが、微細気泡5の膨張はバインダ2が軟化を開始した後、このバインダ2が分解される前に生じるため、少なくともこのようなバインダ2の軟化が生じる脱脂工程の初期はグリーン体4aの周囲の雰囲気を加圧雰囲気とすることが好ましい。
このようにして得られたブラウン体4bを、図2(d)に示す焼結工程により、焼結炉17内で焼成する。焼結工程はセッター15を用いて成形体4を多段に積み上げ、これを焼結炉17で加熱して行うことができる。このときの焼成温度は、セラミック粉末1の種類に応じ、このセラミック粉末1の溶融温度以下における焼結可能な適宜の温度とすることができる。例えばセラミックス粉末1が住友化学株式会社製の平均粒径0.5μmの低ソーダ易焼結アルミナ「AES−11」である場合には最高温度を1590〜1650℃の範囲とすることができる。また、焼成時間もセラミックス粉末1が焼結可能な適宜の時間とするが、例えば0.5〜4時間とすることができる。
このようにしてブラウン体4bを焼結させると、セラミックス粉末1の粒子同士が結合してセラミックス焼結体7が得られる(図1(d)参照)。このとき上記の通りブラウン体4bにおけるセラミックス粉末1の粒子間の空隙が小さくなっていることから、焼結により粒子間の空隙が埋められ、緻密なセラミックス焼結体7を得ることができる。
このように緻密なセラミックス焼結体7を得るためには、グリーン体4aやブラウン体4b中のセラミックス粉末1の粒子間隔が微細気泡5によって大きくなりすぎないようにして、焼結によってセラミックス粉末1の粒子同士が結合する際にセラミックス焼結体7中に空隙が残留することを防止することが望ましい。ここで、前記粒子間隔が8μm以下であれば焼結により緻密なセラミックス焼結体7を得ることが可能であることから、微細気泡5の径は8μm以下であることが好ましく、またこの微細気泡5の径がセラミックス粉末1の平均粒径以下であることも好ましい。尚、この微細気泡5の径の下限は特に制限されない。
成形材料3中における微細気泡5の径を直接確認するのは困難であるが、ブラウン体4b内におけるセラミックス粉末1の粒子間隔を電子顕微鏡等で観察することで、成形材料3中に混入されていた微細気泡5の径の最大値を間接的に確認できる。すなわち、微細気泡5の径は、ブラウン体4bにおけるセラミックス粉末1の粒子間隔の最大値を超えることはないため、ブラウン体4b内におけるセラミックス粉末1の粒子間隔の最大値を測定することにより、微細気泡5の径が少なくとも前記粒子間距離の最大値以下であることを確認することができる。
ここで、成形材料1への微細気泡5を混入の有無以外は同一の条件で成形したブラウン体4bにつき、各ブラウン体4bにおけるセラミックス粉末1の粒子間隔を測定した結果がそれぞれ0.8μm程度で差異が認められない場合であっても、両者の密度をアルキメデス法にて測定した場合には微細気泡5を混入した場合の方が僅かながら密度が低くなるという結果が得られる。これは、微細気泡5を混入させることでその分、ブラウン体4bの密度が低くなっても、微細気泡5の径が0.8μm以下と微細であれば粒子間隔の拡大を引き起こさないことを示すものである。
(a)〜(d)は成形材料からセラミックス焼結体を製造する過程における成形材料、成形体及び焼結体の構造の変化を模式的に示す断面図である。 成形材料からセラミックス焼結体を製造する工程の一例を示すものであり、(a)〜(d)は断面図である。
符号の説明
1 セラミックス粉末
2 バインダ
3 成形材料
4 成形体
5 微細気泡
6 化学的発泡剤
7 セラミックス焼結体

Claims (9)

  1. セラミックス粉末とバインダとを含有する成形材料を射出成形し、得られた成形体を加熱脱脂した後に焼結させるセラミックス焼結体の製造方法であって、前記成形材料に化学的発泡剤として粒子径0.2μm以下の結晶性粉末を配合することで、射出成形の過程で前記成形材料に微細気泡を混入することを特徴とするセラミックス焼結体の製造方法。
  2. 上記微細気泡が、セラミックス粉末の平均粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  3. 上記成形材料中の100質量部のセラミックス粉末に対するバインダの含有量が10〜15質量部の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  4. 上記バインダが、低融点のワックス類と高融点のポリマー類との混合物であって、前記ポリマー類の配合量が60〜65質量%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  5. 上記成形材料に対して1.7質量%以下の割合で化学的発泡剤を含有させることにより、成形材料の射出成形時に前記化学的発泡剤を発泡させて、成形材料中に微細気泡を混入することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  6. 上記成形材料の射出成形時に成形材料中に物理的気泡混入手段を用いて微細気泡を混入することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  7. 上記成形材料中の微細気泡を不活性ガスにて形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  8. 上記微細気泡内の圧力が大気圧以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
  9. 上記成形体の加熱脱脂を、加圧雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のセラミックス焼結体の製造方法。
JP2007083000A 2007-03-27 2007-03-27 セラミックス焼結体の製造方法 Expired - Fee Related JP5185556B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007083000A JP5185556B2 (ja) 2007-03-27 2007-03-27 セラミックス焼結体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007083000A JP5185556B2 (ja) 2007-03-27 2007-03-27 セラミックス焼結体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008239411A JP2008239411A (ja) 2008-10-09
JP5185556B2 true JP5185556B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=39911191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007083000A Expired - Fee Related JP5185556B2 (ja) 2007-03-27 2007-03-27 セラミックス焼結体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5185556B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW202027942A (zh) * 2019-01-16 2020-08-01 中原大學 射出成型設備及射出成型方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08164508A (ja) * 1994-12-13 1996-06-25 Murata Mfg Co Ltd セラミックスの成形方法
JP2003213304A (ja) * 2002-01-23 2003-07-30 Yamaha Corp 粉末射出成形方法
JP2004010373A (ja) * 2002-06-04 2004-01-15 Nagamine Seisakusho:Kk 焼結品およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008239411A (ja) 2008-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1827330B (zh) 成形体的制造方法
US9539639B2 (en) Ceramic core and method for producing same
CH618361A5 (ja)
WO2011087098A1 (ja) 焼結方法
US20190375688A1 (en) Sintering control method of ceramic manufacturing
CN102266906B (zh) 一种易脱除陶瓷型芯的制备方法
EP1552913A1 (en) Method for producing ceramic formed article
JP5185556B2 (ja) セラミックス焼結体の製造方法
Thomas et al. Production of alumina microparts by powder injection molding
KR102277881B1 (ko) 사출 성형 조성물용 바인더
US20140077403A1 (en) Process for manufacturing coloured ceramic parts by pim
KR102411137B1 (ko) 강도 및 리칭성이 우수한 세라믹 코어 및 이의 제조 방법
CN105729617B (zh) 一种3d铁氧体磁芯的注塑成型方法
US7303722B2 (en) Method of making tools or components
GB2202542A (en) Core molding composition
US5603071A (en) Method of preparing cemented carbide or cermet alloy
KR100493950B1 (ko) 고밀도 스테인레스 소결체 제조방법
KR101788139B1 (ko) 분말야금용 바인더 조성물
JPH0770610A (ja) 射出成形品の焼結方法
WO2023068189A1 (ja) セラミックス物品の製造方法
WO2014021467A1 (ja) 噴射ノズルの製造方法
JP2009179488A (ja) 射出成形用窒化アルミニウム組成物、窒化アルミニウム焼結体および窒化アルミニウム焼結体の製造方法
JP5093639B2 (ja) 炭素/セラミックス複合材の製造方法
KR101557653B1 (ko) 중자 제조 방법
KR20160000960A (ko) 금속분말 사출성형용 바인더 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091124

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110726

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees