JP5184547B2 - 酵素検出技術 - Google Patents

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Description

本発明は、酵素検出技術に関する。
検体中における特定の酵素の存在又は量を測定することがしばしば望ましい。ある場合では、例えば、単に酵素が存在することによって、組織又は器官の損傷を示し得る。同様に、酵素の異常濃度もまた、例えば細菌又はウイルス感染等の他の状態を示し得る。例えばプロテアーゼ(例えばアスパラギン酸プロテアーゼ)及びメタロペプチターゼは、カンジダ膣炎(イースト菌感染症)を引き起こし得る微生物であるカンジダ・アルビカンスの病原性を増大させると考えられている。検体中における酵素の存在又は濃度はまた、特定の種類の癌又は他の疾患に対する診断マーカーとしての役割を果す。例えば、前立腺特異抗原(PSA)は、前立腺癌に対するよく知られているマーカーである。診断マーカーの他の例としては、カテプシンB(癌)、カテプシンG(肺気腫、関節リウマチ、炎症)、プラスミノーゲン活性化因子(血栓症、慢性炎症、癌)、及びウロキナーゼ(癌)が挙げられる。
酵素の存在を検出するための従来技術の1つが、特許文献1に開示されている。特許文献1の従来技術は、酵素による物質の消化を検知することによって機能する。例えば、特許文献1の図1に、第1の領域11及びと第2の領域12を有する装置10が示されている。第1の領域11は、プロテアーゼ16により切断可能なペプチドリンカー15を介してストレプトアビジン14(プローブ)に結合されたポリマービーズ13(キャリア)を備えている。プロテアーゼ16を加えると、ストレプトアビジン14は解放され、バイオセンサー膜17を有する第2の領域12へ移動する。バイオセンサー膜17は、該膜のインピーダンスの変化によって、ストレプトアビジンの存在を検出する(カラム5,25〜30行)。しかし残念なことに、特許文献1に開示されているような従来技術は、例えば患者による比較的迅速な診断(自己診断又は医療従事者の助けを借りての診断)を必要とする用途等の特定の種類の用途には、あまりにも複雑すぎてコストも非常に高かった。
したがって、検体中の酵素の存在を正確に検出するための単純かつ安価な技術が現在求められている。
ある実施形態では、検体中の酵素又は酵素阻害剤を検出するための側方流動分析装置が提供される。前記装置は、検出領域を画定するクロマトグラフ媒体と、分子基質と、検出信号を生成可能な検出可能物質とを含む。例えば、前記検出信号は、酵素又は酵素阻害剤の存在又は量を測定するために、前記検出領域内で生成可能である。ある実施形態では、前記検出領域内に、酵素反応生成物又はその複合体と結合可能な受容物質が固定される。ある実施形態では、クロマトグラフ媒体は、その領域内で第2の検出信号を生成可能な第2の検出領域をさらに画定する。例えば、前記第2の検出領域内には、前記分子基質又はその複合体と結合可能な第2の受容物質が固定される。
他の実施形態では、検体中の酵素又は酵素阻害剤を検出するための方法が提供される。前記方法は、検出領域を画定するクロマトグラフ媒体を含む側方流動分析装置を提供するステップを含む。前記側方流動分析装置は、触媒反応を行って生成物を生成可能な分子基質と、検出信号を直接的又は間接的に生成可能な検出可能物質とを含む。前記方法は、前記クロマトグラフ媒体に検体を接触させるステップと、前記検出領域内における前記検出信号の存在又は強度を測定するステップとを含む。ある実施形態では、前記クロマトグラフ媒体は、さらなる領域を画定することができる。例えば、前記クロマトグラフ媒体は、その領域内で検体を前記分子基質に接触させることができる塗布領域を画定する。ある実施形態では、前記クロマトグラフ媒体は、前記塗布領域の下流に、その領域内に検出可能物質が拡散可能に固定される共役領域を画定する。検体中の酵素の存在又は濃度を測定するために、競合免疫測定法又はサンドイッチ免疫測定法が用いられる。
本発明の他の特徴及び態様は、以下に詳細に説明される。
側方流動分析装置に使用される分析装置のある実施形態の斜視図である。 側方流動分析装置に使用される分析装置の他の実施形態の斜視図である。 側方流動分析装置に使用される分析装置の他の実施形態の斜視図である。 ある実施形態で使用されるある分析技術を図式的に示す図である。 ある実施形態で使用される他の分析技術を図式的に示す図である。 ある実施形態で使用される他の分析技術を図式的に示す図である。 本明細書中で説明された分析装置のある実施形態で得られた結果を図式的に示す図である。
定義
本明細書中で使用される「検体」なる用語は、一般的に、酵素及び/又は酵素阻害剤を含んでいる疑いのある物質を意味する。例えば、検体は、生理的液体等の生体源から得られる又は由来する。生理的液体としては、例えば、血液、間質液、唾液、水晶体液、脳髄液、汗、尿、乳液、腹水液、粘液、滑液、腹膜液、膣液、羊膜液等がある。生理的液体以外にも、水や食品等の他の液体検体を使用して、環境又は食物生産分析を実施することもできる。さらに、固体物質も、検体として使用することができる。検体は、供給源から得られたままで直接使用される、又は前処理して検体の性質を改変した後に使用される。例えば、そのような前処理は、血液からの血漿の調製、粘液の希釈等を含み得る。前処理方法はまた、濾過、沈殿、希釈、蒸留、混合、濃縮、阻害成分の不活化、試薬の添加等を含み得る。さらに、ある場合には、酵素及び/又は酵素阻害剤を放出するために、固体検体を改変して液体媒体を形成することが有益であり得る。
本明細書中で使用される「分子基質」なる用語は、一般的に、酵素触媒反応を行って生成物を生成し得る分子化合物を意味する。ある実施形態では、分子基質は、約3000ダルトン未満であり得る(ダルトンは原子質量単位。1ダルトンは、最も豊富な炭素アイソトープである12Cの原子質量の1/12と等しい)。ある実施形態では、分子基質はより小さくあり得、例えば、約2000ダルトン未満、約1000ダルトン未満、又は約500ダルトン未満であり得る。ある実施形態では、分子基質は、分子基質と酵素と間の相互作用を立体的に、化学的に又は他の方法により阻害し得る二次的な化合物、構造体又は物質に対してフリーである(すなわち、結合又は付着されていない)。例えば、ある実施形態では、分子基質は、レセプター、ビーズ、粒子、タグ等のいずれに対してもフリーである。
本明細書中で使用される「基質共役体(substrate conjugate)」なる用語は、一般的に、例えばプローブ、粒子、ビーズ等の二次的物質に結合された又は付着された分子基質を意味する。
詳細な説明
次に、本発明の様々な実施形態を詳細に説明する。1つ若しくは複数の実施例が図面に示されている。各実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。実際、本発明の範囲及び精神から逸脱しない限り、様々な改変及び変更が可能であることは当業者には明らかであろう。例えば、1つの実施例の一部として説明された特徴は、それらを別の実施例に適用することにより、さらなる別の実施例を生じさせ得る。したがって、そのような変形又は変更は、添付した特許請求の範囲及びその均等物の範囲及び精神から逸脱しない限り、本発明に含まれるものとする。
本発明は、概ね、酵素及び/又は酵素阻害剤の存在又は量を検出するための側方流動分析装置に関する。前記分析装置は、酵素又は酵素阻害剤の検出を容易にするために、例えばペプチド、タンパク質、糖タンパク質基質等の分子基質を使用する。分子基質は、例えばタンパク質分解酵素等の酵素の標的を提供する。具体的には、分子基質と接触すると、タンパク質分解酵素は分子基質を開裂して、酵素反応生成物を放出させる。前記分析装置はまた、酵素が分子基質と反応した際に検出信号を生成する検出可能物質を使用する。検出可能物質により生成された検出信号はその後、検体中における酵素又は酵素阻害剤の存在又は量を示すのに使用される。
本発明に従って、様々な種類の酵素が検出され得る。例えば、転移酵素(トランスフェラーゼ)、加水分解酵素(ヒドロラーゼ)、リアーゼ等が検出され得る。ある実施形態では、関心のある酵素は、加水分解反応を触媒する酵素を意味する「加水分解酵素(hydrolase, hydrolytic enzyme)」である。そのような加水分解酵素としては、これに限定するものではないが、例えば、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、ホモ又はヘトロ−オリゴサッカリダーゼ、ホモ又はヘトロ−ポリサッカリダーゼ、ホスファターゼ、スルファターゼ、ノイラミニダーゼ及びエステラーゼが挙げられる。ある実施形態では、例えば、ペプチダーゼが検出され得る。「ペプチダーゼ」は、より短いペプチドに見られるペプチド結合を開裂する加水分解酵素である。ペプチダーゼの例としては、これに限定するものではないが、メタロペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼI、II又はIV等が挙げられる。他の実施形態では、プロテアーゼが検出され得る。「プロテアーゼ」は、より長いペプチド及びタンパク質に見られるペプチド結合を開裂する加水分解酵素である。検出され得るペプチダーゼの例としては、これに限定するものではないが、例えば、セリンプロテアーゼ(例えばキモトリプシン、トリプシン、エラスターゼ、PSA等)、アスパラギン酸プロテアーゼ(例えばペプシン)、チオールプロテアーゼ(例えばプロホルモンチオールプロテアーゼ)、メタロプロテアーゼ、酸性プロテアーゼ及びアルカリ性プロテアーゼが挙げられる。さらなる他の酵素が、特許文献2及び3に開示されている(特許文献2及び3の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
上記したような分子基質を開裂する酵素に加えて、前記分析装置はまた、分子基質上での結合の形成を触媒する酵素や、分子基質の構造変化を触媒する酵素の存在を検出するのにも使用され得る。例えば、官能基を基質に転移させる転移酵素、第2の分子を基質に共有結合させる合成酵素(リガーゼ)、重合酵素(ポリメラーゼ)又は異性化酵素(イソメラーゼ)が検出され得る。検出され得る例示的な転移酵素としては、キナーゼ及びメチラーゼが挙げられる。例えば、基質のリン酸化反応を検出することにより、キナーゼ(例えばタンパク質キナーゼ、クレアチンキナーゼ、ヘキソキナーゼ等)が検出され得る。前記基質に1つ若しくは複数のメチル基を追加することにより、例えばメチラーゼII等のメチラーゼが検出され得る。
同様に、本発明に従って、様々な既知の酵素阻害剤もまた検出され得る。例えば、既知の加水分解酵素阻害剤としては、これに限定するものではないが、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、ホモ又はヘトロ−オリゴサッカリダーゼ、ホモ又はヘトロ−ポリサッカリダーゼ、ホスファターゼ、スルファターゼ、ノイラミニダーゼ及びエステラーゼの阻害剤が挙げられる。プロテアーゼ阻害剤としては、例えば、アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、チオールプロテアーゼ阻害剤、メタロプロテアーゼ阻害剤、酸性プロテアーゼ阻害剤、又はアルカリ性プロテアーゼ阻害剤等が挙げられる。プロテアーゼ阻害剤のある具体例としては、例えば、ベンズアミジン、インドール、ペプスタチン、オボマクログロブリン、ハロペリドール、遷移状態模倣剤等がある。転移酵素阻害剤のある具体例としては、グルタチオンS−転移酵素及びsarasar(登録商標)(ベンゾシクロヘプタピリジルファルネシル転移酵素阻害剤(FTI))を阻害するエタクリン酸等がある。
上述したように、分子基質は、酵素又は酵素阻害剤の存在又は量を検出するのに使用される。分子基質は、天然のもの又は合成されたものが使用され得る。加水分解酵素のためのある適切な分子基質としては、例えば、エステル、アミド、ペプチド、エーテル又は酵素加水分解性結合を有する他の化学化合物が挙げられる。酵素触媒加水分解反応は、例えば、第1の生成物としてヒドロキシル又はアミン化合物を生成し、第2の生成物としてフリーリン酸塩や酢酸塩等を生成する。分子基質の特定の種類としては、例えば、タンパク質又は糖タンパク質、ペプチド、核酸(例えばDNA及びRNA)、炭水化物、脂質、エステル、それらの誘導体等が挙げられる。例えば、ペプチダーゼ及び/又はプロテアーゼのためのある適切な分子基質としては、ペプチド、タンパク質、及び/又は糖タンパク質が挙げられ、そのようなものとしては、例えば、カゼイン(例えばβカゼイン、アゾカゼイン)、アルブミン(例えばウシ血清アルブミン(BSA))、ヘモグロビン、ミオグロビン、ケラチン、ゼラチン、インスリン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン、エラスチン等がある。さらなる他の適切な基質が、特許文献4〜8に開示されている(特許文献4〜8の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
分子基質と酵素との反応後、酵素反応生成物が生成される。分子基質又は酵素反応生成物は、その後、検出可能物質と相互作用して、検出可能信号を直接的又は間接的に生成する。適切な検出可能物質としては、例えば、色素原;発光性化合物(例えば、蛍光性化合物、リン光性化合物等);放射性化合物;可視性化合物(例えば、ラテックス又は金属性粒子(金等));信号生成物質を含んでいるリポソーム又は他の小胞;酵素及び/又は基質等が挙げられる。例えば、検出可能物質としての使用に適切なある酵素が、特許文献9に開示されている(特許文献9の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。酵素/基質系の一例は、(酵素)アルカリ性ホスファターゼ及び(基質)ニトロブルーテトラゾリウム−5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸塩、又はそれらの誘導体又は類似体、又は(基質)4−メチルウンベリフェリル−リン酸塩である。他の適切な検出可能物質が、特許文献10及び11に開示されている(特許文献10及び11の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
ある実施形態では、検出可能物質は、光学的に検出可能な信号を生成する発光性化合物を含み得る。前記発光性化合物は、分子、ポリマー、デンドリマー、粒子等であり得る。例えば、適切な蛍光性分子としては、これに限定するものではないが、フルオレセイン、ユーロピウムキレート、フィコビリタンパク質、ローダミン、及びそれらの誘導体及び類似体が挙げられる。他の適切な蛍光性化合物は、一般に「量子ドット」と呼ばれる半導体ナノ結晶である。例えば、そのようなナノ結晶は、化学式CdXで示されるコアを含み得る(ただし、Xは、Se、Te、S等である)。前記ナノ結晶はまた、化学式YZで示されるコア被覆シェル(overlying shell)により不動態化され得る(ただし、Yは、Cd又はZnであり、Xは、S又はSeである)。また、適切な半導体ナノ結晶の他の例が、特許文献12及び13にも開示されている(特許文献12及び13の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
さらに、適切なリン光性化合物としては、1つ若しくは複数の金属の金属錯体が挙げられ、前記金属としては、例えば、ルテニウム、オスミウム、レニウム、イリジウム、ロジウム、プラチナ、インジウム、パラジウム、モリブデン、テクネチウム、銅、鉄、クロム、タングステン、亜鉛等がある。ルテニウム、レニウム、オスミウム、プラチナ及びパラジウムが特に好ましい。前記金属錯体は、水性又は非水性環境における前記錯体の溶解を容易にする1つ若しくは複数のリガンドを含み得る。例えば、リガンドのある適切な例としては、これに限定するものではないが、ピリジン、ピラジン、イソニコチンアミド、イミダゾール、ビピリジン、ターピリジン、フェナントロリン、ジピリドフェナジン、ポルフィリン、ポルフィン、及びそれらの誘導体がある。そのようなリガンドは、例えば、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基、カルボン酸塩基、カルボキサルデヒド基、カルボキサミド基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、イミノ基、ヒドロキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アミジン基、グアニジン基、ウレイド基、硫黄含有基、リン含有基、及び、N−ヒドロキシ−スクシンイミドのカルボン酸エステルと置換され得る。
ポルフィリン及びポルフィンの金属錯体は、メチレン橋と互いに結合されたピロール基を有し、金属キレート内部空洞を有する環状構造を形成する。これらの分子の多くは、適切な溶媒(例えば水)及び無酸素環境において室温で、強力なリン光性を示す。リン光性を示すことが可能なある適切なポルフィリン錯体としては、これに限定するものではないが、例えば、プラチナ(II)コプロポルフィリン−I及びIII、パラジウム(II)コプロポルフィリン、ルテニウムコプロポルフィリン、亜鉛(II)コプロポルフィリン−I、及びそれらの誘導体等が挙げられる。同様に、リン光性を示すことが可能なある適切なポルフィン錯体としては、これに限定するものではないが、例えば、プラチナ(II)テトラ−メソ−フルオロフェニルポルフィン及びパラジウム(II)テトラ−メソ−フルオロフェニルポルフィンが挙げられる。さらなる他の適切なポルフィリン及び/又はポルフィン錯体が、特許文献14〜19に開示されている(特許文献14〜19の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
また、ビピリジン金属錯体が、リン光性化合物として使用され得る。適切なビピリジン錯体の例としては、これに限定するものではないが、例えば、ビス[(4,4’−カルボメトキシ)−2,2’−ビピリジン]2−[3−(4−メチル−2,2’−ビピリジン−4−イル)プロピル]−1,3−ジオキソランルテニウム(II);ビス(2,2’ビピリジン)[4−(ブタン−1−アル)−4’−メチル−2,2’−ビピリジン]ルテニウム(II);ビス(2,2’−ビピリジン)[4−(4’−メチル−2,2’−ビピリジン−4’−イル)−酪酸]ルテニウム(II);トリス(2,2’ビピリジン)ルテニウム(II);(2,2’−ビピリジン)[ビス−ビス(1,2−ジフェニルホスフィノ)エチレン]2−[3−(4−メチル−2,2’−ビピリジン−4’−イル)プロピル]−1,3−ジオキソランオスミウム(II);ビス(2,2’−ビピリジン)[4−(4’−メチル−2,2’−ビピリジン)−ブチルアミン]ルテニウム(II);ビス(2,2’−ビピリジン)[1−ブロモ−4(4’−メチル−2,2’−ビピリジン−4−イル)ブタン]ルテニウム(II);ビス(2,2’−ビピリジン)マレイミドヘキサン酸,4−メチル−2,2’−ビピリジン−4’−ブチルアミドルテニウム(II)等が挙げられる。リン光性を示すさらなる他の適切な金属錯体が、特許文献20〜25に開示されている(特許文献20〜25の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
ある場合には、「時間分解」発光検出技術が使用される。時間分解検出技術は、1つ若しくは複数の短パルスの光による発光性化合物の励起を含み、励起後は残留発光信号の測定前に、典型的には若干の時間(例えば約1〜100マイクロ秒)待機する。このようにして、任意の短寿命のリン光性又は蛍光性のバックグラウンド信号及び散在している励起信号が除去される。バックグラウンド信号の大半を除去するこの能力は、検出感度を、蛍光又はリン光を用いる従来の場合よりも2〜4桁高める。したがって、時間分解検出は、ある発光性物質の特徴を活用することにより、放射源から又は分散プロセス(励起放射の分散により生じる)からバックグラウンド信号を減少させるようにデザインされる。
効率的に機能するために、時間分解技術では、一般的に、発光性化合物の発光寿命を比較的長くする必要がある。これは、短寿命のバックグラウンド信号が消えた後に、発光性化合物が信号を放射することが望ましいからである。さらに、長い発光寿命は、時間ゲート測定に、低コスト回路を使用することを可能にする。例えば、検出可能な化合物は、約1マイクロ秒よりも長い、ある実施形態では約10マイクロ秒よりも長い、ある実施形態では約50マイクロ秒よりも長い、及びある実施形態では約100〜1000マイクロ秒の発光寿命を有し得る。加えて、発光性化合物は、比較的大きな「ストークスシフト」を有し得る。「ストークスシフト」という用語は一般的に、発光性放射線のスペクトル線又は帯が、励起線又は帯よりも長い放射波長へ移動することと定義される。比較的大きいストークスシフトは、発光性化合物の励起波長を、その放射波長から大きく離れたままにすることを可能にする。このことは、励起波長と放射波長との間の大きな差が放射信号からの反射された励起放射線の除去を容易にするので好ましい。さらに、大きなストークスシフトは、検体中の発光性分子からの干渉、及び/又は、ある体液(例えば血液)中に存在するタンパク質又はコロイドに起因する光散乱を最小化する。また、大きなストークスシフトは、バックグラウンド干渉を除去するための高価な高精度フィルタの必要性を最小化する。例えば、ある実施形態では、発光性化合物は、約50ナノメートルを超える、ある実施形態では約100ナノメートルを超える、及びある実施形態では約100〜350ナノメートルのストークスシフトを有する。
例えば、時間分解検出技術に使用されるある適切な種類の蛍光性化合物としては、サマリウム(Sm(III))、ジスプロシウム(Dy(III))、ユーロピアム(Eu(III))及びテルビウム(Tb(III))のランタニドキレートがある。そのようなキレートは、実質的に短い波長でのキレートの励起後に、強力な赤色シフト、狭帯域、長寿命放射を示す。一般的に、前記キレートは、前記分子内のランタニドの近傍に配置された発色団に起因して、強力な紫外線励起帯を有する。前記発色団による励起の後、励起されたエネルギーは、励起された発色団からランタニドへ移動する。これは、ランタニドの蛍光放射特性により起こる。例えば、ユーロピアムキレートは約250〜350ナノメートルのストークスシフトを有し、フルオレセインのストークスシフト(約28ナノメートル)と比べると非常に大きい。また、ユーロピアムキレートの蛍光の寿命は約100〜1000マイクロ秒であり、他の蛍光性化合物の寿命(約1〜100ナノ秒)と比べると長寿命である。さらに、これらのキレートは、狭帯域の発光スペクトルを有し、一般的に、約50%の放射で、約10ナノメートル未満の帯域幅を有する。適切なユーロピアムキレートの1つは、N−(p−イソチオシアナトベンジル)−ジエチレントリアミン四酢酸−Eu+3である。
さらに、水溶液又は懸濁液中では不活性、安定的及び本質的に発光性であるランタニドキレートは、水溶液又は懸濁液中での溶解度が限られた及びケンチング問題を有するキレートを保護するためにしばしば使用されるミセル形成試薬を不用にするために使用される。そのようなキレートの1つは、4−[2−(4−イソチオシアナトフェニル)エチニル]−2,6−ビス([N,N−ビス(カルボキシメチル)アミノ]メチル)−ピリジンである(「Lovgren, T., et al.; Clin. Chem. 42, 1196-1201 (1996)」参照)。いくつかのランタニドキレートもまた、例外的に高い信号対雑音比を示す。例えば、そのようなキレートの1つのは、4座β−ジケトナートユーロピアムキレートである(「Yuan, J. and Matsumoto, K.; Anal. Chem. 70, 596-601 (1998)」参照)。上記した蛍光性化合物に加えて、使用に適した他の化合物が、特許文献26〜30に開示されている(特許文献26〜30の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
上述したように、分子基質又は酵素触媒反応生成物は検出可能物質と相互作用し、検出可能信号を生成する。例えば、酵素反応生成物は、検出可能物質と結合される化合物と特異的に結合する。例えば、ある実施形態では、酵素反応生成物は、特異的結合対の部分(すなわち、一方の分子が他方の分子と化学的及び/又は物理的に結合する2つの異なる分子)であり得る。免疫反応性の特異的結合部分は、例えば、抗原、ヘプタン、抗体(一次抗体又は二次抗体)、及びそれらの複合体を含み得る(DNA組換え法又はペプチド合成により生成されるものも含む)。抗体は、モノクローナル又はポリクローナル抗体、組換えタンパク質又は混合物(単数又は複数)又はそれらの断片(単数又は複数)、並びに、抗体と他の特異的結合部分との混合物で有り得る。そのような抗体の作成、及びそれらの特異的結合部分としての適切な使用の詳細は、当業者には周知である。他の一般的な特異的結合部分としては、これに限定するものではないが、例えば、ビオチン及びアビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、キャプトアビジン又は抗ビオチン抗体;タンパク質A又はG;炭水化物及びレクチン、相補的ヌクレオチド配列(DNAハイブリダイゼーション分析において標的核酸配列を検出するのに使用される捕捉核酸配列及びプローブを含む);相補的ペプチド配列(組換え法により生成されたものを含む);エフェクター及びレセプター分子;ホルモン及びホルモン結合タンパク質;酵素補助因子及び酵素;酵素阻害剤及び酵素;及びそれらの誘導体が挙げられる。さらに、特異的結合対としては、オリジナルの特異的結合部分の類似体、誘導体及び/又は断片の部分を含む。信号を間接的に生成するのに使用する場合、特異的結合対の一部である酵素反応生成物が、前記特異的結合対の他の部分と共役された検出可能物質と接触させられる。したがって、酵素反応生成物は、前記特異的結合対を介して検出可能物質と間接的に結合することができる。前記信号はその後、当該技術分野で公知の技術を使用して、容易に(直接的又は間接的に)検出される。
酵素反応生成物又は未反応の分子基質が検出可能物質と直接的又は間接的に結合するかどうかに関わらず、検出可能物質は粒子(「ビーズ」又は「マイクロビーズ」と呼ばれることもある)と結合し得る又は前記粒子を含み得る。とりわけ、粒子は、検出可能物質のクロマトグラフ媒体を通って移動し、検出領域内で固定される能力を向上させる(詳細については後述する)。例として、天然に存在する粒子、例えば、核、マイコプラズマ、プラスミド、プラスチド、哺乳類細胞(例えば赤血球ゴースト)、単細胞微生物(例えば細菌)、多糖(アガロース)等が使用され得る。さらに、合成粒子もまた使用され得る。例えば、ある実施形態では、ラテックス粒子が蛍光体又有色色素で標識される。任意のラテックス粒子が使用可能であるが、ラテックス粒子は一般的には、ポリスチレン、ブタジエンスチレン、スチレンアクリル系ビニルターポリマー、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸ポリエチレン、スチレン系無水マレイン酸コポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピリジン、ポリジビニルベンゼン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル、塩化ビニルアクリレート等、或いは、アルデヒド、カルボキシル、アミノ、ヒドロキシル、又はそれらのヒドラジド誘導体から作成される。他の適切な粒子が、特許文献31及び32に開示されている。市販されている適切な蛍光粒子の例としては、「FluoSphere(Red 580/605)」及び「TransfluoSphere(543/620)」という商品名でMolecular Probes社から発売されている蛍光性カルボキシル化ミクロスフェア、並びに、同じくMolecular Probes(Eugene, Oregon)社から「Texas Red」という商品名で発売されている5−及び6−カルボキシルテトラメチルローダミンがある。さらに、市販されている適切な有色のラテックス微粒子の例としては、Bangs Laboratories(Fishers, Indiana)社から発売されているカルボキシル化ラテックスビーズ等がある。
使用時は、粒子の形状は一般的に変わり得る。ある特定の実施形態では、例えば、粒子の形状は球形である。しかし、平板、ロッド、円板、棒、チューブ、不整形等の他の形状もまた本発明では意図されていることを理解されたい。さらに、粒子のサイズも変わり得る。例えば、粒子の平均サイズ(例えば直径)は、約0.1ナノメートルから約1000ミクロンの範囲、及びある実施形態では約0.1ナノメートルから約100ミクロンの範囲、ある実施形態では約1ナノメートルから約10ミクロンの範囲に及び得る。例えば、「ミクロンスケール」の粒子が望ましいことが多い。使用時は、そのような「ミクロンスケール」の粒子は、約1ミクロンから約1000ミクロン、ある実施形態では約1ミクロンから約100ミクロン、及びある実施形態では約1ミクロンから約10ミクロンの平均サイズを有し得る。同様に、「ナノスケール」の粒子も使用され得る。そのような「ナノスケール」の粒子は、約0.1ナノメートルから約10ナノメートル、ある実施形態では約0.1ナノメートルから約5ナノメートル、及びある実施形態では約1ナノメートルから約5ナノメートルの平均サイズを有し得る。
使用中は、検体を分子基質に一定の時間に渡って接触させることが、ユーザに可能となる。例えば、反応物間における酵素触媒反応を確実にするための接触時間が、関心のある酵素の活性に依存すること、同様に、温度、pH,基質濃度、阻害剤の存在(競合的(酵素と結合する)、非競合的(酵素−基質複合体と結合する)、無競合的(酵素及び/又は酵素−基質複合体と結合する))等に部分的に依存することは、当業者であれば容易に理解できるであろう。これらの要素は、接触時間を増加又は減少させるために、所望に応じて選択的に制御される。例えば、接触時間は、約1分間を超える時間、ある実施形態では約5〜50分間、及びある実施形態では約10〜25分間であり得る。同様に、酵素活性を促進するために、pHが選択的に制御される。例えば、検体中における塩基性物質(例えばアミン)の濃度が高いと、ある酵素の最適活性よりもはるかに高い(例えば8を超える)pHとなり得る。具体的には、酵素は、約3から約8のpH範囲で、ある実施形態では約4から約7のpH範囲で最適な活性を有し得る。したがって、所望に応じて、所望のpHを維持するために、緩衝剤又は他のpH改変化合物が使用され得る。同様に、酵素活性を促進するために、加熱又は冷却装置を使用して温度も選択的に制御され得る。
接触後、典型的には、検体中に存在する任意の酵素が、基質分子の少なくとも一部と相互作用する。その結果、例えば、酵素反応生成物、部分的に開裂された複合体(酵素−基質複合体)、未反応基質分子、及び酵素触媒反応の二次反応物質及び生成物等の様々な種が作成され得る。例えば、加水分解酵素の場合、基質分子の酵素触媒開裂の間に生成される(同一又は異なる)少なくとも2つの生成物が、混合物中に含まれることとなる。基質上に新しい結合が形成される酵素触媒反応について考えると、混合物内に含まれる材料としては、反応に関与する他の反応物(例えば、ATP、メチル供与反応物、アミノ酸等のモノマー、及び、ポリメラーゼ又はリガーゼによって基質に加えられるヌクレオチド等)、並びに、酵素触媒反応で生成された二次生成物(例えばADP)を含み得る。
接触時間をより長くする及び酵素濃度をより高くすると、生成される混合物内の酵素反応生成物の濃度がより高くなる。例えば多段階酵素反応の場合、接触時間をより長くすると、複数の反応をさらに進行させて完了させることができる。したがって、ある実施形態は、前記プロセスでの成分同士の接触時間を選択的に制御する方法を含む。例えば、分子基質との接触後は、様々な成分の接触時間を選択的に制御するように、検体は任意の流動制御手段(例えば、装置の物理的設計、装置の材料選択等による流動の制限)によって装置内のある領域に留まり得る。
分子基質との接触中及び/又は接触後、検体は、検出可能信号を生成し得る検出可能物質と接触し得る。例えば、検出可能物質は、酵素反応生成物が作成されたときに、作成された酵素反応生成物と直接的又は間接的に結合し得る。一般的に言えば、検体中の酵素濃度が増加すると、混合物中により多くの酵素反応生成物が作成されるであろう。その結果、酵素濃度が、混合物中の酵素反応生成物の量と相関することとなる。もし、酵素反応生成物が検出可能物質と直接的に結合して検出可能信号(例えば、発光性化合物、有色色素等)を生成することが可能であるならば、検出可能信号の存在又は強度が、比較的容易に、定性的、定量的又は半定量的に測定され得る。例えば、ある実施形態では、酵素の量は、検出可能物質に結合された酵素生成物の信号強度と直接的に比例する。所望に応じて、信号強度が、既知の酵素濃度の範囲で酵素濃度に対してプロットされ、強度曲線が作成される。未知の検体中における酵素の量を測定するために、信号強度はその後、前記強度曲線に従って酵素濃度に変換される。
ある場合では、検体が分子基質及び他の所望の試薬(例えば緩衝剤等)と相互作用した期間の後に、検体を検出可能物質に接触させることが好ましい。例えば、検出可能信号の存在又は強度を測定するために、酵素反応生成物以外の成分を使用することが望ましい。ある実施形態では、検出可能物質は、混合物の分子基質と直接的又は間接的に結合し得る。したがって、検体は、検体中の酵素が分子基質と反応し得る期間の後に、検出可能物質と接触させられる。この実施形態では、酵素の量は、検出可能物質に結合された基質の信号強度と間接的に比例し得る。
いずれにしても、本発明の検出方法は、二重増幅酵素検出方法を提供し得る。特に、前記方法は、第1の酵素反応増幅と、それに続く第2の信号増幅を含み得る。この二段階の増幅方法は、検出の感度及び/又は精度を向上させることができる。さらに、本発明の方法は、効率的な反応時間及び検体量制御スキームを有する酵素反応増幅を提供し得る。さらに、本発明の方法は、従来の分析方法とは酵素の活性型及び非活性型の点で異なり、多くの従来の既知の酵素分析では必要とされるような不活性化ステップを必要としない。
この点に関し、検出を容易にするために随意的に使用され得る分析装置の様々な実施形態を以下に詳細に説明する。例えば、図1を参照して、支持体21で支持されたクロマトグラフ媒体23を含む分析装置20の一実施形態が示されている。クロマトグラフ媒体23は、例えば流体チャネルや多孔質膜等の、流体が通過可能な様々な材料から作成され得る。例えば、クロマトグラフ媒体23は多孔質膜で有り得、これに限定するものではないが、例えば、多糖等の人工的に改変される天然、人工又は自然発生的物質(例えば紙及びセルロース誘導体等のセルロース物質(例えば酢酸セルロースやニトロセルロース));ポリエーテルスルホン;ポリエチレン;ナイロン;ポリビニリデンフルオライド(PVDF);ポリエステル;ポリプロピレン;シリカ;無機物質(例えば、不活性化アルミナ、珪藻土、MgSO、又は、ポリマー(例えば塩化ビニル、塩化ビニル−プロピレンコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー等)と共に多孔性ポリマーマトリックス内に均一に分散された他の無機微粉化物質;布(天然布(例えば綿)及び合成布(ナイロン、レーヨン)の両方);多孔質ゲル(例えばシリカゲル、アガロース、デキストラン、ゼラチン等);高分子膜(例えばポリアクリルアミド等)等の物質から作成される。ある特定の実施形態では、クロマトグラフ媒体は、ニトロセルロース及び/又はポリエステルスルホン材料から形成される。「ニトロセルロース」という用語は、ニトロセルロース単独であり得る、又は硝酸と他の酸(例えば、1〜7個の炭素元素を有する脂肪族カルボン酸)との混合エステルで有り得る、セルロースの硝酸エステルを意味することを理解されたい。また必須ではないが、化学的分離のためのクロマトグラフ媒体23の使用は、他の従来の分離技術(例えば遠心分離)よりも優れた利点を提供し得る。例えば、クロマトグラフ媒体23は単純な構成となるので、使い捨てキットが望ましい多くの民生用に使用される最終的な側方流動分析装置のコストを減少させる。
支持体21は、クロマトグラフ媒体23を支持可能な任意の物質から作成され得る。必須ではないが、光が支持体を容易に通過できるように、支持体21は透明であり得る。さらに、前記媒体内を通過する液体が支持体21を通って漏出しないように、支持体21は液体不浸透性であることが一般的に望ましい。支持体のための適切な物質の例としては、これに限定するものではないが、例えば、ガラスやポリマー材料等が挙げられる。前記ポリマー材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(例えばMylar(登録商標)膜)、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、エポキシド、メタクリル酸塩、及びポリメラミン等がある。当該技術分野では周知のように、クロマトグラフ媒体23は支持体21上に載置され、それにより作成された積層材は、所望のサイズ及び形状にダイカットされる。或いは、クロマトグラフ媒体23は、例えば接着剤により、支持体21に単純に積層される。ある実施形態では、ニトロセルロース又はナイロン多孔質膜が、Mylar膜に接着される。例えば粘着剤等の接着剤が、多孔質膜をMylar膜に結合させるのに使用される。この種類の積層構造は、Millipore Corp社(Bedford, Massachusetts)から市販されていると考えられている。適切な積層構造のさらなる他の例が、特許文献33に開示されている(特許文献33の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
分析装置20はまた、吸収パッド28を含み得る。吸収パッド28は、クロマトグラフ媒体23全体を通って移動した流体を概ね受容する。当該技術分野では周知のように、吸収物質28は、毛細管作用及び媒体23を通過する流動を促進するのを助力する。
図1に示す実施形態では、検体は、共役パッド22に直接的に塗布される。提供された試薬は、1つ若しくは複数の分子基質、補助因子、緩衝剤、阻害剤、又は酵素反応を促進するのに有用な他の試薬を含み得る。例えば、希釈剤を補助的に必要とする検体を分析する場合、提供される試薬は他の試薬に加えて所定量の希釈剤を含み得る。検体は、酵素反応を開始するために、希釈剤に加えられる。提供される複数の試薬は、所望に応じて、同時に又は別個に提供される。例えば、希釈剤は、他の試薬とは物理的に分離される。例えば装置上に形成された混合ウエルにおいて、検体を希釈剤に加えた後、前記混合物はさらなる試薬と接触する。図示した実施形態では、検体と試薬の組み合わせが共役パッドに提供される間及び提供された後に、接触が行われる。
共役パッド22は多孔質膜23と流体連通しており、前記混合物は共役パッド22を通過して図1の矢印Lの方向に移動する。共役パッド22を作成するのに使用されるある適切な材料としては、これに限定するものではないが、例えば、ニトロセルロース、セルロース、多孔性ポリエチレンパッド、及びガラス繊維ろ紙が挙げられる。共役パッド22は、共役パッド22に拡散可能に固定され、前記混合物の成分と選択的に(直接的又は間接的に)結合する検出可能物質を含み得る。例えば、共役パッド22は、共役パッド22に拡散可能に固定され、検出可能物質で標識されたプローブを含み得、前記プローブは酵素反応生成物、分子基質又は前記混合物の他の成分に対しての特異的結合剤をさらに含む。したがって、共役プローブは、検出可能物質及び作成され得る前記混合物の成分を含む。前記混合物の成分(例えば酵素反応生成物)は、例えば共有結合及び/又は物理吸着等の様々な公知の技術のいずれかを使用して、上述したような方法で前記プローブと共役され得る。ある特定の実施形態では、前記プローブのカルボシ基が活性化されて酵素反応生成物のアミノ基と反応し、アミノ結合が作成される。所望に応じて、共役パッド22はまた、共役パッド22に拡散的又は非拡散的に固定される1つ又は複数の分析試薬(例えば緩衝剤、阻害剤等)を含み得る。
いずれにしても、クロマトグラフ媒体23は、共役プローブを捕捉して検出可能な検出領域を画定する。共役プローブを捕捉する方法は、共役プローブの性質に依存する。例えば、ある実施形態では、生体成分を捕捉するために、検出領域31内に生体的受容物質が固定される。このような生体的受容物質は、当該技術分野では公知であり、そのようなものとしては、これに限定するものではないが、抗体、抗原、ハプテン、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、キャプトアビジン、タンパク質A又はG、炭水化物、レクチン、ヌクレオチド配列、ペプチド配列、エフェクター及びレセプター分子、ホルモン及びホルモン結合タンパク質、酵素補助因子及び酵素、酵素阻害剤及び酵素、並びにそれらの誘導体等がある。
もちろん、前記共役されたプローブを捕捉及び検出するためのその他の適切な技術を使用し得る。例えば、ある実施形態では、プローブを捕捉するために、非生物的受容物質が検出領域31内に固定される。例えば、ある実施形態では、前記受容物質は高分子電解質である。高分子電解質は、正味の正電荷又は負電荷、並びに、概ね中性の正味の電荷を有する。正味の負電荷を有する高分子電解質のいくかの適切な例としては、これに限定するものではないが、例えば、ポリリシン(Sigma-Aldrich Chemical Co., Inc社(St. Louis, Missouri)から市販されている);ポリエチレンイミン;例えばポリ(ジメチルアミン−コ−エピクロルヒドリン)等のエピクロルヒドリン官能化ポリアミン及び/又はポリアミドアミン;ポリジアリルジメチル−塩化アンモニウム;例えば第4級アンモニウム水溶性モノマーが移植されたセルロースコポリマー又はセルロース誘導体等のカチオンセルロース誘導体等がある。ある特定の実施形態では、第4級アンモニウム水溶性モノマーを含有するセルロース誘導体であるCelQuat(登録商標)SC−230M又はH−100(National Starch & Chemical, Inc.社から入手可能)が使用される。さらに、正味の負電荷を有する高分子電解質のある適切な例としては、これに限定するものではないが、例えばポリ(エチレン−コ−メタクリル酸,ナトリウム塩)等のポリアクリル酸等がある。また、例えば両親媒性高分子電解質(すなわち、極性部分及び非極性部分を有する)等の他の高分子電解質もまた本発明の方法に使用可能であることを理解されたい。例えば、両親媒性高分子電解質のある適切な例としては、これに限定するものではないが、例えばポリ(スチリル−b−N−メチル 2−ビニル ピリジニウム ヨウ化物)及びポリ(スチリル−b−アクリル酸)等がある(両方ともPolymer Source, Inc.社(Dorval, Canada)から入手可能である。高分子電解質のさらなる例は、特許文献34に開示されている(特許文献34の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
任意の高分子電解質を一般的に使用し得るが、特定の用途のために選択された高分子電解質を共役プローブの性質に基づいて変更し得る。特に、高分子電解質の電荷分布は、高分子電解質が、該高分子電解質と反対の電荷を有する物質と結合することを可能にする。したがって、例えば、正味の正荷電を有する高分子電解質は、負に電荷された共役プローブ(例えば、染色された粒子)との結合に適している場合が多く、一方、正味の負電荷を有する高分子電解質は、正に電荷されている共役プローブとの結合に適している場合が多い。したがって、そのような場合、これらの分子間のイオン相互作用は、必要とされる結合が検出領域31内で発生することを可能にする。イオン相互作用が所望の結合を達成するのに主に使用されるが、高分子電解質が同様の電荷を有するプローブと結合し得ることが発見された。
ある実施形態では、検出可能物質を含有するプローブに共役された酵素反応生成物は、検出領域31内の受容物質に対する親和性を有する。この場合、共役プローブは、検出可能物質により生成される信号を検出できるように、酵素反応生成物と受容物質との間の特異的結合によって検出領域31内に固定される。例えば、酵素反応生成物は第1の特異的結合部位を介してプローブに結合され、酵素反応生成物は受容物質に対する特定の親和性を示す第2の特異的結合部位を有する。
検出領域31は、一般的に、任意の数の別個の検出領域を提供し、それにより、ユーザは検体中の酵素の濃度をより良く測定することができる。使用時は、各領域は、同一の又は異なる受容物質を含み得る。例えば、検出領域31は、2つ若しくはそれ以上の別個の検出領域(例えば線やドット等)を含み得る。2つ若しくはそれ以上の別個の検出領域の使用は、例えば、半定量化を容易にする、及び/又は反応複合体又は他の物質の超過に起因して偽陽性が生じる可能性を抑制するといういくつかの利点をもたらす。検出領域は、クロマトグラフ媒体23を通過する検体の流れと実質的に垂直な方向に線状に配置される。同様に、ある実施形態では、検出領域は、クロマトグラフ媒体23を通過する検体の流れと実質的に平行な方向に線状に配置される。
図1に示す実施形態では、検体中の酵素濃度が増加すると、より多くの共役プローブが形成され、検出領域31に固定されるようになる。検出領域31での検出可能酵素反応生成物の量が増加すると、信号強度が増大する。信号強度が増大すると、酵素の存在又は濃度を容易に検出することができる。例えば、ある実施形態では、酵素の量は、検出領域31での信号強度lと直接的に比例する。所望に応じて、信号強度lが、既知の酵素濃度の範囲で酵素濃度に対してプロットされ、強度曲線が作成される。未知の検体中における酵素の量を測定するために、信号強度はその後、前記強度曲線に従って酵素濃度に変換される。
検出領域31の1つ若しくは複数の別個の領域が、信号強度と酵素濃度との間の上述の関係を示すことに留意されたい。しかしながら、別個の領域のそれぞれがそのような関係を示す必要はない。例えば、ある実施形態では、複数の別個の領域のうちの1つのみが、酵素濃度と直接的に比例する信号強度を示す。例えば偽陽性を減少させるのに使用される領域等の他の別個の領域では、信号強度は一定のままである、或いは、信号強度の増加及び/又は減少を示す。検出領域31の少なくとも1つの別個の領域が前記直接的な比例関係を満たす限り、検出領域31により示される信号強度は、酵素濃度と直接的に比例すると見なされる。
本発明のある実施形態では、分析装置上に検体塗布領域が設けられる。したがって、検体は、共役パッド22の上流において、装置に直接的に塗布される。この点に関し、検体塗布領域を有する装置に検体を塗布する様々な実施形態を以下に詳細に説明する。例えば、図2を参照して、支持体121上に取り付けられたクロマトグラフ媒体123、吸収物質128、及び検体塗布パッド124を含む分析装置120が示されている。検体は、検体塗布パッド124に直接的に塗布される。検体塗布パッド124は、それに拡散的又は非拡散的に結合される1つ若しくは複数の分析用前処理試薬を含み得る。例えば、検体塗布パッド124は、1つ若しくは複数の分子基質、補助因子、緩衝剤、阻害剤、又は酵素反応を促進するのに有用な他の試薬を含み得る。検体を検体塗布パッド124に塗布すると、基質及び酵素が互いに接触し、形成された混合物内で相互作用することができる。したがって、検体塗布パッド124は、実質的に、装置上に反応領域を画定する。ある実施形態では、接触時間/反応時間は、検体塗布パッド124の使用によって、より厳密に制御される。例えば、検体塗布パッド124の孔隙率は、前記混合物の検体塗布パッド124から装置120の隣接部位への流速を制御するために調節される。他の実施形態では、検体塗布パッド124は、バリアを介して、装置120の隣接領域から一時的に分離される。例えば、検体塗布パッドは、その中に前記混合物が形成され保持されるウエル(well)を画定することができる。所望の接触期間の後、一時的なバリア(例えば、ゲート)が取り除かれ、前記混合物が多孔質膜、流体チャネル等を経由して共役パッド122へ流動する。
検出可能信号を生成可能でありかつ前記混合物の成分と結合するように構成されたプローブは、共役パッド122に拡散可能に固定される。例えば、前記プローブは、上記したような検出可能物質を含み得る。前記プローブはまた、標識化された或いは検出可能物質が塗布された粒子を含み得る。ある場合では、前記プローブを何らかの方法で改変することが望ましい。例えば、前記プローブを特異的結合部分により改変して、酵素反応生成物、分子基質、又は前記混合物の他の成分に対して特異的な親和性を有するプローブを形成することができる。前記特異的結合部分は、一般的に、例えば上述したような共有結合及び/又は物理吸着等の当該技術分野では公知の様々な技術のいずれかを使用して、前記プローブに塗布される。ある特定の実施形態では、プローブ表面上のカルボン酸基が活性化され、前記特異的結合部分のアミノ基と反応してアミド結合を形成する。
その特別な構造に関わらず、分析装置120は一般的に、前記混合物の成分(例えば、酵素反応生成物)を捕捉し検出するための検出領域131を含む。酵素反応生成物は、様々な分析方法を用いて、検出領域131内で検出される。例えば、ある実施形態では、プローブの特異的結合部分が酵素反応生成物に対する親和性を有するように選択される「サンドイッチ」分析法が用いられる。例えば抗体や抗原等の酵素反応生成物は、一般的に、2つ若しくはそれ以上の結合部位(エピトープ)を有する。これらの結合部位の1つは、プローブの特異的結合部分によって塞がれ、共役プローブが形成される。しかしながら、酵素反応生成物の自由結合部位は、その後、第1の検出領域131内に固定された受容物質と結合し、新たなサンドイッチ型三重複合体を形成する。或いは、酵素反応生成物は、直接的又は間接的な「競合」分析法を用いて検出される。そのような場合、前記プローブの特異的結合部分は、酵素反応生成物と同一又は酵素反応生成物の類似体であり得る。したがって、検出領域131に到達すると、検出プローブ及び酵素反応生成物は、固定された受容物質の利用可能な結合部位で競合する。当然ながら、他の分析方法もまた使用に適する。
図2に示す実施形態では、検体中の酵素濃度が増加すると、前記混合物内により多くの酵素反応生成物が形成される。したがって、サンドイッチ分析法が使用される場合、酵素の量が検出領域131の信号強度と直接的に比例するように、より多くの酵素反応生成物が検出可能プローブと結合して共役プローブを形成する。他方では、競合分析法が使用される場合、酵素の量は検出領域131での信号強度と間接的に比例する。所望に応じて、信号強度が、既知の酵素濃度の範囲で酵素濃度に対してプロットされ、強度曲線が作成される。未知の検体中における酵素の量を測定するために、信号強度はその後、前記強度曲線に従って酵素濃度に変換される。
本発明の分析装置は、装置上にさらなる領域を含み得る。例えば、図3を参照して、図示されている分析装置120は、検出領域131の下流に第2の検出領域135を含むこと以外は図2の分析装置120と同一である。第2の検出領域135は、1つ若しくは複数の別個の領域(例えば線やドット等)を提供し、前記混合物の流れに対して任意の方向に配置される。第2の受容物質が、クロマトグラフ媒体123の第2の検出領域135内に固定される。第2の受容物質は、第1の検出領域131内で結合されなかった検出可能物質に対する固定結合部位の役割を果す。例えば、「直接」競合分析法を用いるある実施形態では、第1の受容物質は酵素反応生成物及びプローブの両方に対する特異的結合親和性を有する抗体を含む(すなわち、プローブはそれに結合された、酵素反応生成物と同一又は酵素反応生成物の類似体の特異的結合部分を有する)。第2の受容物質は、プローブに対する特異的結合親和性を有する高分子電解質を含む。存在する場合、混合物の酵素反応生成物とプローブは、第1の受容物質の利用可能な結合部位で競合する。残った未結合のプローブは、第1の検出領域131から第2の検出領域135へ移動する。前記プローブは第2の受容物質に対する特異親和性を有するので、前記プローブは第2の検出領域135内で固定されることとなる。
同様に、「間接」競合分析法が用いられる別の実施形態では、酵素反応生成物は特異的結合部分(例えばビオチン)を含み得、前記プローブは酵素反応生成物に対する親和性を有する相補的結合部分(例えばストレプトアビジン)に結合された染色された粒子であり得る。第1の受容物質は、酵素反応生成物と同一又は酵素反応生成物の類似体である特異的結合部分を含み、それによりプローブに対する親和性を有する。また、高分子電解質を含む第2の受容物質は、プローブに対する結合親和性を有する。存在する場合、酵素反応生成物はプローブと結合して共役プローブを形成し、それにより、プローブの量或いは第1の受容物質との結合に利用可能な量を減少させる。その代わりに、酵素反応生成物と複合したこれらの共役プローブは、第1の検出領域131から第2の検出領域135へ移動する。プローブは選択された高分子電解質に対する特異親和性を有するので、第2の検出領域135内に固定されることとなる。
上述した競合分析の実施形態では、酵素の濃度が増加すると、前記混合物中の酵素反応生成物の存在に起因して、第2の検出領域135での信号強度Iもまた増加する。信号強度がこのように増加することにより、酵素の存在又は濃度を容易に測定することができる。例えば、ある実施形態では、酵素の量は、第2の検出領域135での信号強度Iと直接的に比例する。所望に応じて、信号強度Iが、既知の酵素濃度の範囲で酵素濃度に対してプロットされ、強度曲線が作成される。未知の検体中における酵素の量を測定するために、信号強度はその後、前記強度曲線に従って酵素濃度に変換される。第1の検出領域31及び/又は131に関して前述したように、第2の検出領域135の1つの別個の領域が前記直接的な比例関係を満たす限り、第2の検出領域135により示される信号強度は酵素濃度と直接的に比例すると見なされることを理解されたい。
また、上述した実施形態では、検出領域131での信号強度(I)と検出領域135での信号強度(I)との間に反比例関係も存在し得る。例えば、予め定められた量のプローブが存在するため、第2の検出領域135で捕捉される量は、第1の検出領域131での捕捉量と反比例する。この反比例関係の結果、ある場合では、両検出領域での信号強度を比較することにより、酵素の濃度をより広い範囲に渡ってより効率的に測定することが可能となる。例えば、ある実施形態では、酵素の量は、信号強度「I」の信号強度「I」に対する比と直接的に比例する。この比になる範囲に基づいて、酵素の大まかな濃度範囲が測定される。所望に応じて、IのIに対する比が、既知の酵素濃度の範囲で酵素濃度に対してプロットされ、強度曲線が作成される。未知の検体中における酵素の量を測定するために、信号強度はその後、前記強度曲線に従って酵素濃度に変換される。IとIとの間のその他の数学的関係を酵素濃度に対してプロットして強度曲線を作成することもできることに留意されたい。例えば、ある実施形態では、I/(I+I)の値を酵素濃度に対してプロットして強度曲線を作成することもできる。
装置は、さらなる検出領域を含み得る。例えば、装置は、混合物の第2の成分を検出するための検出領域を含み得る。第2の検出領域には、前記混合物の第2の成分に対しての特異的結合部分を有する受容物質が固定される。例えば、酵素反応生成物が第1の検出領域に結合されて検出され、分子基質が第2の検出領域において結合されて検出される。装置上に含めることができる他の領域としては、例えば、装置が正確に動作していることを確認するための制御領域や、装置に内部較正能力を提供するための1つ若しくは複数の較正(calibration)領域等がある。
上述したように、信号強度は、定性的、定量的又は半定量的に測定される。定量的な結果が望まれる実施形態では、信号強度は、当該技術分野で公知の様々な技術のいずれかを使用して測定される。例えば、ある実施形態では、蛍光検出技術が用いられる。
上述した検出技術は、酵素との関連で具体的に説明されている。しかしながら、上述したように、本発明の装置は、検体中における酵素阻害剤の存在又は量の検出にも同様に適切である。検体中における酵素阻害剤の存在を検出するために、予め定められた量の対応する酵素が検体に混合され、培養される。ある量の酵素阻害剤の存在下では、酵素触媒反応は検出可能速度で進行しない。したがって、酵素阻害剤濃度と信号強度との関係は、酵素濃度と信号強度との関係の逆になるであろう。例えば、図1を使用して説明すると、酵素触媒反応は、ある量の阻害剤の存在下では生じない。したがって、酵素反応生成物は生成されず、検出領域31では検出可能信号は生成されない。他方では、酵素阻害剤の量が減少すると、上述したように、酵素は酵素反応を引こす。そのため、酵素反応に伴う酵素反応生成物の増加に起因して、検出領域31で生成された信号強度は増大する。したがって、この特定の実施形態では、検体中における酵素阻害剤の量は、検出領域31での信号強度と反比例する。
次に、図4を参照して、蛍光を使用してプロテアーゼの存在を検出する方法のある実施形態を詳細に説明する。まず、プロテアーゼPを含んでいる検体を検体塗布パッド124に塗布し、プロテアーゼPを分子基質47(例えばタンパク質又は糖タンパク質)と接触させる。分子基質47は、プロテアーゼPと接触し、分子基質47とプロテアーゼPとの間の酵素触媒反応の酵素反応生成物であるポリペプチド42及び43を含む混合物を形成する。前記混合物はまた、未反応の分子基質47及びプロテアーゼPとを含む。前記混合物は、矢印で示すように、共役パッド122へ流動する。
共役パッド122内には、検出可能物質と酵素反応生成物43に対する特異的結合部分とを含むプローブ44が拡散可能に固定される。共役パッド122において前記混合物とプローブ44とが相互作用すると、酵素反応生成物43はプローブ44と特異的に結合して共役プローブ45を作成する。プローブ44は共役パッド122に拡散可能に固定されるので、共役プローブ45を含む混合物はその後、検出領域131へ移動する。検出領域131内には、酵素触媒反応により生成された酵素反応生成物43の第2の結合部位に対して特異的な受容物質90が固定される。したがって、検出領域131内の利用可能な結合部位は、共役プローブ45と結合される。
捕捉されるとすぐに、検出領域131で、共役プローブ45の信号強度が測定される。蛍光検出は、一般的に、励起光子から放出光子を分離するための波長フィルタと、放出光子を記録し、記録可能な出力を通常は電気信号又は画像として生成する検出器を使用する。使用に適切な蛍光検出器の1つは、SPEX Industries, Inc.社(Edison, New Jersey)から発売されているFluoroLog III蛍光分光計である。適切な蛍光検出器の他の例は、特許文献35に開示されている(特許文献35の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。この特定の実施形態では蛍光を使用しているが、他の既知の検出技術もまた利用可能であることに留意されたい。例えば、他の適切な光学的検出技術としては、これに限定するものではないが、例えば、リン光、回折、反射、透過等を含み得る。光学式リーダーは、光を放射可能であると共に、検出信号(例えば、透過又は反射された光、放射された蛍光又はリン光)を記録可能である。例えば、ある実施形態では、視覚可能な色を示すレポーター(例えば、染色されたラテックスの微粒子)の存在を検出するのに、反射率分光光度計又はリーダーが使用され得る。適切な反射率リーダーの1つが、例えば、特許文献36に開示されている(特許文献36の全文は、全ての目的のために、引用を以って本明細書の一部となす)。
信号強度の測定に使用される技術に関係なく、プロテアーゼPの存在又は量は、検出領域131において信号強度によって確認される。
次に、図5を参照して、競合型分析により蛍光を使用して転移酵素の存在を検出する方法のある実施形態を詳細に説明する。まず、転移酵素Tを含んでいる検体を、分子基質67(例えばポリペプチド)を含む検体塗布パッド124に塗布する。分子基質67は、転移酵素Tと十分な期間接触し、転移酵素の標的にされる部分(例えばリン部分)を提供し得る成分64(例えばATP)を含む混合物を形成する。単に検体塗布パッド124から共役パッド122へ流れるのにかかる時間であり得る接触期間の後、前記混合物は、未反応の分子基質67、転移酵素T、及び酵素触媒反応により生成された生成物(例えばリン酸化ポリペプチド)68を含み得る。矢印で示すように、前記混合物は共役パッド122へ流れる。共役パッド122上又は内に、酵素触媒反応の生成物又はその類似体を含む検出可能プローブ70が拡散可能に固定される。前記混合物は、検体塗布パッド124から検出領域131へ移動するので、検出可能プローブ70はピックアップされ混合物と共に移動する。検出領域131内には、酵素触媒反応により生成された生成物68に対して特異的な受容物質91が固定される。したがって、混合物内に形成された生成物68は、検出可能プローブ70は検出領域131内の利用可能な結合部位で競合する。捕捉されるとすぐに、本明細書中に記載された他の実施形態で説明したようにして、信号強度が測定され分析される。具体的には、この実施形態では、より大きな信号が検体中における転移酵素Tの濃度がより低いことを示し、検出領域131内の利用可能な結合部位の多くは、検出領域プローブ70により塞がれるであろう。
図6は、制御領域136を含む試験装置の別の実施形態を示す。この実施形態では、酵素Eを含んでいる検体が、検体塗布パッド124において装置に塗布される。検体塗布パッド124は、分子基質147を含む酵素触媒反応のための試薬を有する。検体は、検体塗布パッド124の試薬と結合して混合物を形成し、前記混合物では酵素触媒反応が行われ少なくとも1つの酵素反応生成物が生成される。検体は、上述したように、検体塗布パッド124に一定期間保持される、又は共役パッド122へ直接的に移動する。共役パッド122には、検出可能物質と分子基質147に対する特異的結合部分とを有するプローブ144が拡散可能に固定される。共役パッドにおいて検体がプローブ144と相互作用すると、前記混合物内に残っている未反応の分子基質147がプローブ144と特異的に結合し、基質共役体145を形成する。プローブ144は共役パッド122に拡散可能に固定されるので、基質共役体145を含む前記混合物は、その後、検出領域131へ移動する。検出領域131内には、分子基質147の第2の結合部位に対して特異的な受容物質190が固定される。したがって、検出領域131内の利用可能な結合部位は、基質共役体145と結合し得る。捕捉されるとすぐに、検出領域131において、基質共役体145の信号強度が測定される。例えば、信号強度が大きい場合は、混合物内の未反応分子基質147の濃度が高いことを示し、したがって、検体中には酵素がほとんど存在しないことを示す。図6の実施形態はまた、分析が正確に行われていることをユーザに知らせるための制御領域136を含む。例えば、制御領域136には、基質共役体プローブ145及びプローブ144の両方を含み得るプローブを捕捉するための高分子電解質受容物質170が固定される。
ある例示的な用途では、前記分析装置は、RASタンパク質活性化サイクルに関与する転移酵素の存在を測定するのに使用される。RASタンパク質は、様々な信号経路のための重要な分子スイッチとして機能する。これらの経路制御プロセスとしては、細胞骨格整合性、細胞粘着及び移動、並びにアポトーシスがある。RASタンパク質サイクルは、活性化形態(RAS−GTP)と不活性形態(RAS−GDP)との間で変化する。
RASタンパク質は、多くの場合は癌内で自由化され、侵潤及び転移の増加、並びに、アポトーシスの減少をもたらす。したがって、前記分析装置は、GTP加水分解の割合を増加させて活性化形態(RAS−GTP)を不活性形態(RAS−GDP)に戻すGTPアーゼ活性化タンパク(GAP)の存在を測定するのに使用することができる。例えば、GAPを含んでいる検体が、RAS−GTP分子基質と混合される。分子基質を検体と十分な時間接触させて、未反応の分子基質(RAS−GTP)、GAP、及び酵素触媒反応により生成された生成物(RAS−GDP)を含む混合物を作成する。前記混合物は、分子基質(RAS−GTP)又は酵素触媒反応の生成物(RAS−GDP)に対して特異的な結合剤により標識化された検出可能プローブを含む共役パッドへ流動する。例えば、前記プローブは、ある代謝経路においてRAS−GTPにより活性化されたMAPキナーゼにより標識化される。組み合わせると、未反応分子基質は、上述したようにして、MAPキナーゼにより標識化されたプローブと特異的に結合して基質共役体を形成する。そして、前記混合物はその後、検出領域へ移動する。検出領域内には、RAS−GTPに対して特異的な第2の受容物質、例えば第2のMAPキナーゼが固定される。したがって、検出領域内の利用可能な結合部位は、共役パッドにおいて形成されかつ未反応基質を含む前記基質共役体により塞がれる。そのため、検出可能プローブに連結された蛍光性粒子も、検出領域において結合されるであろう。捕捉されるとすぐに、本明細書中の他の実施形態で説明されたようにして、信号強度が測定及び分析され、検体中におけるGAPの存在が測定される。
他の実施形態では、本発明の側方流動分析装置は、RAS活性化タンパク質の存在を測定するのに使用される。例えば、本発明の側方流動分析装置は、RAS−GDPからその活性形態であるRAS−GTPへの再活性化を触媒するG交換因子(GEF)(例えば、CDC25、SOS1、SOS2)の存在を測定するのに使用される。この実施形態では、分子基質は、タンパク質の不活性形態(RAS−GDP)であり得る。分子基質が、活性化GEFを含んでいる検体と接触すると、RAS−GDPがRAS−GTP形態へと活性化される。この場合、生成物(RAS−GTP)は共役パッドにおいて検出可能物質と共役し、その後、特異的結合剤(例えばMAPキナーゼ)により捕捉され、検体中におけるGEFの存在又は量を測定するために検出領域に固定される。
本発明の側方流動分析装置の他の例示的な用途としては、検体中におけるアンジオテンシン変換酵素(ACE)の存在の測定がある。ACEは、アンジオテンシンIからアンジオテンシンIIへの変換を触媒するエクソペプチダーゼである。アンジオテンシンIは、主としてアンジオテンシンIIの前駆体として存在すると見なされている。アンジオテンシンIIは強力な血管収縮物質であり、例えば高血圧、心臓疾患及び糖尿病性腎症等の疾患の一因となると考えられている。この特定の実施形態では、側方流動分析装置は、例えばアンジオテンシンI等の分子基質を含み得る。前記分子基質がACEを含んでいる検体と接触すると、アンジオテンシンIはアンジオテンシンIIへ変換される。側方流動分析装置の検出領域には、アンジオテンシンIIに対して特異的な受容物質(例えばAT又はATレセプター等)が固定される。検出領域での前記検出可能プローブ(例えば、共役パッドで形成されたアンジオテンシンII共役プローブ)の結合及び検出は、検体中におけるACEの存在を示し得る。
本明細書中で説明されたような側方流動分析装置は、酵素又は酵素阻害剤のオンサイト(on-site)試験を迅速に実行するための、比較的単純でコスト効率の高い方法を提供し得る。前記装置は、高い信頼性と一貫した試験結果をもたらす試験条件下で、試験の実行者が試験結果を迅速かつ容易に観察できるように、視認可能な試験結果を提供し得る。側方流動分析装置はまた、所望に応じて、試験終了後に使い捨てることもできる。
本発明は、以下の例を参照することにより、より良く理解できるであろう。
例1
基質を作成するために、Pierce Biotechnology社から入手可能なEX−LC−ビオチンを使用して、ホウ酸塩緩衝剤内でヘモグロビンをビオチン化した。ビオチン化されたヘモグロビンを透析により精製した。
側方流動分析装置を以下のようにして作成した。
検体パッドを作成するために、前記精製されたビオチン化ヘモグロビンが溶解されたサッカロース/Tween20含有PBS緩衝剤中に、ガラス繊維パッドを浸漬させた。その後、前記ガラス繊維パッドを37℃で乾燥させた。
共役パッドを作成するために、Bangs Laboratories, Inc.社から入手可能なストレプトアビジンにより標識された青色粒子、サッカロース及びTween20を含んでいる溶液中に、第2のガラス繊維パッドを浸漬させた。その後、前記第2のガラス繊維パッドを乾燥させた。
検出領域を形成するために、ニトロセルロース膜板に抗ビオチン抗体を塗布してストライプを形成した。また、制御領域を形成するために、ニトロセルロース膜板にポリリシンを塗布してストライプを形成した。前記物質を塗布後、前記ニトロセルロース膜板を乾燥させた。
その後、前記共役パッド及びセルロースパッドを、それらの間に前記検出領域及び前記制御領域が位置するように、前記ニトロセルロース膜板の両側に積層させた。また、試薬を含まないガラス繊維パッド及びヘモグロビンが充填されたガラス繊維検体パッドを、ニトロセルロース膜板に積層させた。具体的には、試薬を含まないガラス繊維パッドは、酵素反応時間を調節するために、前記共役パッドとヘモグロビンが充填されたガラス繊維検体パッドとの間に積層させた。この組み合わせて作成した板を、その後、それぞれ約4mmの幅で切断し、複数個の装置を形成した。
作成された装置を使用して分析を実施した。PBS緩衝剤中に様々な濃度で希釈されたS. Griseus由来のプロテアーゼを、ヘモグロビンが充填された検体パッドに直接的に塗布した。そのようにして作成した混合物は、検体パッドから、試薬を含まないガラス繊維パッドへ流動し、その後、順番に、共役パッド、検出領域、制御領域へ流動した。
典型的な実施結果を、図7に図式的に示す。分析装置のレーン1〜4を、30μg/mL、0.3μg/mL、0.03μg/mL、及び対照としての0.0μg/mLの濃度のプロテアーゼでそれぞれ処理した。塗布した約20分後、検体がプロテアーゼを少量しか又は全く含んでいないレーン3及び4の検出領域において、2つの濃い青色の帯が観察された。対照的に、高濃度のプロテアーゼを含んでいるレーン1及び2では、薄い帯が観察された又は帯が全く観察されなかった。全てのレーンの制御領域において、濃い青色の帯が観察された。
以上、本発明の特定の実施形態について詳細に説明したが、本明細書中で説明された本発明の実施形態の改変及び変更が可能であることは、当業者であれば容易に理解できるであろう。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
米国特許第6,348,319号明細書 米国特許第6,243,980号明細書 米国特許出願公開第2004/0081971号明細書 米国特許第4,748,116号明細書 米国特許第5,786,137号明細書 米国特許第6,197,537号明細書 米国特許第6,235,464号明細書 米国特許第6,485,926号明細書 米国特許第4,275,149号明細書 米国特許第5,670,381号明細書 米国特許第5,252,459号明細書 米国特許第6,261,779号明細書 米国特許第6,585,939号明細書 米国特許第4,614,723号明細書 米国特許第5,464,741号明細書 米国特許第5,518,883号明細書 米国特許第5,922,537号明細書 米国特許第6,004,530号明細書 米国特許第6,582,930号明細書 米国特許第6,613,583号明細書 米国特許第6,468,741号明細書 米国特許第6,444,423号明細書 米国特許第6,362,011号明細書 米国特許第5,731,147号明細書 米国特許第5,591,581号明細書 米国特許第6,030,840号明細書 米国特許第5,585,279号明細書 米国特許第5,573,909号明細書 米国特許第6,242,268号明細書 米国特許第5,637,509号明細書 米国特許第5,670,381号明細書 米国特許第5,252,459号明細書 米国特許第5,075,077号明細書 米国特許出願公開第2003/0124739号明細書 米国特許出願公開第2004/0043502号明細書 米国特許出願公開第2003/0119202号明細書

Claims (18)

  1. 検体中における酵素又は酵素阻害剤の存在又は量を検出するための側方流動分析装置であって、
    前記検体が塗布される塗布領域、前記塗布領域の下流に位置する共役領域、及び前記共役領域の下流に位置する検出領域を画定するクロマトグラフ媒体と、
    前記塗布領域に拡散可能に固定され、前記酵素又は前記酵素阻害剤と接触することによって触媒反応を行って生成物を作成可能な分子基質と、
    前記共役領域に拡散可能に固定され、前記生成物又は前記分子基質のいずれか一方と接触することによって検出信号を生成可能な検出可能物質とを含み、
    前記検出領域は、前記生成物又は前記分子基質のいずれか一方と結合した検出可能物質を捕捉可能であり、
    酵素又は酵素阻害剤の存在又は量が、前記検出領域における前記検出信号から測定可能であることを特徴とする装置。
  2. 請求項1に記載の側方流動分析装置であって、
    前記分子基質が第1の特異的結合部分を有し、
    前記生成物が第2の特異的結合部分を有することを特徴とする装置。
  3. 請求項2に記載の側方流動分析装置であって、
    前記検出可能物質が、第3の特異的結合部分と直接的又は間接的に結合された状態で前記共役可能領域に拡散可能に固定されており、前記第3の特異的結合部分は、前記第1の特異的結合部分又は前記第2の特異的結合部分のいずれか一方と結合可能であることを特徴とする装置。
  4. 請求項3に記載の側方流動分析装置であって、
    前記第3の特異的結合部分が、前記第1若しくは第2の特異的結合部分のいずれか一方に対して親和性を有する、又は、前記第1若しくは第2の特異的結合部分のいずれか一方と同一である若しくはその類似体であることを特徴とする装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の側方流動分析装置であって、
    前記検出領域内に、前記分子基質又は前記生成物のいずれか一方と結合する第1の受容物質が固定されることを特徴とする装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の側方流動分析装置であって、
    前記クロマトグラフ媒体が、第2の検出信号を生成可能な第2の検出領域をさらに画定することを特徴とする装置。
  7. 請求項6に記載の側方流動分析装置であって、
    前記第2の検出領域内に、前記第2の検出信号を生成可能な検出可能物質と直接的又は間接的に結合可能な第2の受容物質が固定されることを特徴とする装置。
  8. 請求項7に記載の側方流動分析装置であって、
    前記検体中の酵素の量が、前記第2の検出信号の強度と直接的に比例することを特徴とする装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の側方流動分析装置であって、
    前記酵素が加水分解酵素であり、前記加水分解酵素がプロテアーゼ又はペプチダーゼであることを特徴とする装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の側方流動分析装置であって、
    前記分子基質が、カゼイン、アルブミン、ヘモグロビン、ミオグロビン、ケラチン、ゼラチン、インスリン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン、エラスチン又はそれらの誘導体であることを特徴とする装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の側方流動分析装置であって、
    前記塗布領域をその下流側の隣接する領域から一時的に分離させる、取り除き可能なバリアを更に含むことを特徴とする装置。
  12. 検体中における酵素又は酵素阻害剤の存在又は量を検出するための方法であって、
    塗布領域、前記塗布領域の下流に位置する共役領域、及び前記共役領域の下流に位置する検出領域を画定するクロマトグラフ媒体、前記塗布領域に拡散可能に固定され、かつ前記酵素又は前記酵素阻害剤と接触することによって触媒反応を行って生成物を生成可能な分子基質、並びに前記共役領域に拡散可能に固定され、かつ前記生成物又は前記分子基質のいずれか一方と接触することによって検出信号を生成可能な検出可能物質を含む側方流動分析装置を提供するステップと、
    前記塗布領域に前記検体を塗布させるステップと、
    前記分子基質に前記酵素又は酵素阻害剤を接触させることによって触媒反応を行わせ、前記生成物を生成させるステップと、
    前記検出可能物質に前記生成物又は前記分子基質を接触させることによって前記検出信号を生成させるステップと、
    前記検出領域で、前記前記生成物又は前記分子基質のいずれか一方と結合した検出可能物質を捕捉するステップと、
    前記検出領域内における前記検出信号の存在又は強度を測定するステップとを含むことを特徴とする方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、
    前記分子基質が第1の特異的結合部分を有し、
    前記生成物が第2の特異的結合部分を有することを特徴とする方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、
    前記検出可能物質が、第3の特異的結合部分と直接的又は間接的に結合しており、
    前記検出信号を生成させるステップが、前記第1又は第2の特異的結合部分のいずれか一方を前記第3の特異的結合部分に結合させるステップを含むことを特徴とする方法。
  15. 請求項12乃至14のいずれかに記載の方法であって、
    前記検体中の酵素の量が、前記検出信号の強度と直接的又は間接的に比例することを特徴とする方法。
  16. 請求項12乃至15のいずれかに記載の方法であって、
    前記酵素が加水分解酵素であり、前記加水分解酵素がプロテアーゼ又はペプチダーゼであることを特徴とする方法。
  17. 請求項12乃至16のいずれかに記載の方法であって、
    前記分子基質が、カゼイン、アルブミン、ヘモグロビン、ミオグロビン、ケラチン、ゼラチン、インスリン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン、エラスチン又はそれらの誘導体であることを特徴とする方法。
  18. 請求項12乃至17のいずれかに記載の方法であって、
    前記側方流動分析装置が、前記塗布領域をその下流側の隣接する領域から一時的に分離させる取り除き可能なバリアを更に含み、
    前記生成物を生成させるステップに続いて行われる、前記バリアを取り除くステップを更に含むことを特徴とする方法。
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