JPH1156392A - 酵素活性測定法およびバインディング測定法 - Google Patents
酵素活性測定法およびバインディング測定法Info
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- JPH1156392A JPH1156392A JP21666897A JP21666897A JPH1156392A JP H1156392 A JPH1156392 A JP H1156392A JP 21666897 A JP21666897 A JP 21666897A JP 21666897 A JP21666897 A JP 21666897A JP H1156392 A JPH1156392 A JP H1156392A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】酵素反応生成物からの蛍光を利用する酵素活性
測定等であって、更に高感度な測定を行い得る方法を提
供することを目的とする。 【解決手段】溶液中の酵素反応生成物の蛍光強度を測定
して酵素活性を求める酵素活性測定法において、前記溶
液中に光散乱体を共存させることを特徴とする酵素活性
測定法により前記課題を解決する。
測定等であって、更に高感度な測定を行い得る方法を提
供することを目的とする。 【解決手段】溶液中の酵素反応生成物の蛍光強度を測定
して酵素活性を求める酵素活性測定法において、前記溶
液中に光散乱体を共存させることを特徴とする酵素活性
測定法により前記課題を解決する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、生化学の分野で
頻繁に実施される、酵素反応生成物の蛍光強度を測定し
て酵素活性を求める酵素活性測定法に関するものであ
る。また本願発明は、酵素をいわゆる標識物質として使
用する測定、例えば免疫測定等のバインディング測定法
に関するものである。
頻繁に実施される、酵素反応生成物の蛍光強度を測定し
て酵素活性を求める酵素活性測定法に関するものであ
る。また本願発明は、酵素をいわゆる標識物質として使
用する測定、例えば免疫測定等のバインディング測定法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生化学の分野では、酵素作用によって蛍
光物質に変換される基質を使用して、例えば血液等の生
体試料中に存在する酵素の酵素活性を測定することが行
われている。
光物質に変換される基質を使用して、例えば血液等の生
体試料中に存在する酵素の酵素活性を測定することが行
われている。
【0003】また、免疫測定、DNA測定、レセプタ測
定等のバインディング測定では、測定対象物質と酵素の
複合体を形成させた後、当該複合体中の酵素の酵素活性
又は当該複合体を形成していない酵素について前記基質
を使用し酵素活性を求め、酵素活性から測定対象物質の
濃度を求めることが行われている。
定等のバインディング測定では、測定対象物質と酵素の
複合体を形成させた後、当該複合体中の酵素の酵素活性
又は当該複合体を形成していない酵素について前記基質
を使用し酵素活性を求め、酵素活性から測定対象物質の
濃度を求めることが行われている。
【0004】かかるバインディング測定のうち、免疫測
定について概要を述べれば、例えば測定対象物質(抗原
性物質)と特異的に結合し得る水不溶性担体と結合した
抗体と、測定対象物質(抗原性物質)と特異的に結合し
得る抗体であって予め酵素と結合させた抗体(ただし該
抗体は前記水不溶性担体と結合した抗体と同時に測定対
象物質に結合し得る)を使用し、測定対象物質を含む試
料と前記抗体を混合し、担体に結合した成分と結合して
いない成分を分離し、いずれかの成分中の酵素活性を求
め、酵素活性から試料中に含まれていた測定対象物質の
濃度を求めるのである。
定について概要を述べれば、例えば測定対象物質(抗原
性物質)と特異的に結合し得る水不溶性担体と結合した
抗体と、測定対象物質(抗原性物質)と特異的に結合し
得る抗体であって予め酵素と結合させた抗体(ただし該
抗体は前記水不溶性担体と結合した抗体と同時に測定対
象物質に結合し得る)を使用し、測定対象物質を含む試
料と前記抗体を混合し、担体に結合した成分と結合して
いない成分を分離し、いずれかの成分中の酵素活性を求
め、酵素活性から試料中に含まれていた測定対象物質の
濃度を求めるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】生体試料中に含まれる
酵素や、バインディング測定において測定される成分中
に含まれ得る酵素濃度は広い範囲に渡っているため、か
かる範囲全般において高感度な酵素活性を行うことが求
められる。
酵素や、バインディング測定において測定される成分中
に含まれ得る酵素濃度は広い範囲に渡っているため、か
かる範囲全般において高感度な酵素活性を行うことが求
められる。
【0006】蛍光を利用する酵素活性測定法等は、基質
となる物質の種類が豊富であることや、測定コストが安
いことから今日では広く利用されているが、一般的に、
測定感度自体は化学発光を利用する酵素活性測定法に比
較して決して高いということはできず、更に高感度化す
る余地が残されていた。
となる物質の種類が豊富であることや、測定コストが安
いことから今日では広く利用されているが、一般的に、
測定感度自体は化学発光を利用する酵素活性測定法に比
較して決して高いということはできず、更に高感度化す
る余地が残されていた。
【0007】そこで本願発明は、現在広く一般に使用さ
れている蛍光を利用する酵素活性測定等であって、更に
高感度な測定を行い得る方法を提供することを目的とす
るものである。
れている蛍光を利用する酵素活性測定等であって、更に
高感度な測定を行い得る方法を提供することを目的とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的に鑑みて完成さ
れた本願請求項1項の発明は、溶液中の酵素反応生成物
の蛍光強度を測定して酵素活性を求める酵素活性測定法
において、前記溶液中に光散乱体を共存させることを特
徴とする酵素活性測定法である。
れた本願請求項1項の発明は、溶液中の酵素反応生成物
の蛍光強度を測定して酵素活性を求める酵素活性測定法
において、前記溶液中に光散乱体を共存させることを特
徴とする酵素活性測定法である。
【0009】また、前記目的に鑑みて完成された本願請
求項2項の発明は、溶液中で測定対象物質と酵素の複合
体を形成させた後、当該複合体中の酵素の酵素活性又は
当該複合体を形成していない酵素の酵素活性を当該酵素
反応生成物の蛍光強度を測定して求め、酵素活性から前
記測定対象物の濃度を求めるバインディング測定法にお
いて、酵素活性を求める溶液中に光散乱体を共存させる
ことを特徴とするバインディング測定法である。
求項2項の発明は、溶液中で測定対象物質と酵素の複合
体を形成させた後、当該複合体中の酵素の酵素活性又は
当該複合体を形成していない酵素の酵素活性を当該酵素
反応生成物の蛍光強度を測定して求め、酵素活性から前
記測定対象物の濃度を求めるバインディング測定法にお
いて、酵素活性を求める溶液中に光散乱体を共存させる
ことを特徴とするバインディング測定法である。
【0010】以下、本願発明を詳細に説明する。
【0011】本願請求項1項の発明は、例えば血液、血
清、尿等の生体に由来する生体試料のほか、河川や湖沼
等から採取された試料、細胞等の培養液に由来する試
料、更には人工的に調製された試料であって、その中に
酵素を含むと予想されるものである。これらの試料につ
いては、活性を測定しようとする酵素が外部から添加さ
れた基質と反応し得るように、必要により例えば細胞破
壊操作や精製操作等を行う。
清、尿等の生体に由来する生体試料のほか、河川や湖沼
等から採取された試料、細胞等の培養液に由来する試
料、更には人工的に調製された試料であって、その中に
酵素を含むと予想されるものである。これらの試料につ
いては、活性を測定しようとする酵素が外部から添加さ
れた基質と反応し得るように、必要により例えば細胞破
壊操作や精製操作等を行う。
【0012】本願発明を実施する際に使用する酵素基質
は、例えば酵素作用により測定可能な蛍光を発する反応
生成物に変換されるものや、酵素作用により測定可能な
蛍光を発しない反応生成物に変換されるものであれば制
限はない。前者の場合、酵素活性は増大する蛍光強度に
相関し、後者の場合酵素活性は減少する蛍光強度に相関
することになる。また、例えば酵素作用により測定可能
な蛍光の蛍光波長がシフトした反応生成物に変換される
基質の場合は、当該シフト後の波長においては酵素作用
により測定可能な蛍光を発する反応生成物に変換される
基質と考えることができる。
は、例えば酵素作用により測定可能な蛍光を発する反応
生成物に変換されるものや、酵素作用により測定可能な
蛍光を発しない反応生成物に変換されるものであれば制
限はない。前者の場合、酵素活性は増大する蛍光強度に
相関し、後者の場合酵素活性は減少する蛍光強度に相関
することになる。また、例えば酵素作用により測定可能
な蛍光の蛍光波長がシフトした反応生成物に変換される
基質の場合は、当該シフト後の波長においては酵素作用
により測定可能な蛍光を発する反応生成物に変換される
基質と考えることができる。
【0013】基質は、酵素活性を測定しようとする酵素
との関係において適宜選択して決定すれば良い。具体的
に例えば、アルカリ性フォスファターゼ(ALP)の酵
素活性を測定しようとする場合には4メチルウンベリフ
ェリンリン酸(4MUP)を例示することができる。ま
たβガラクトシダーゼの酵素活性を測定しようとする場
合には4メチルウンベリフェリルガラクドシドを例示す
ることができる。4MUPはALPの酵素作用を受け
て、また4メチルウンベリフェリルガラクドシドはβガ
ラクトシダーゼの酵素作用を受けて、共に4メチルウン
ベリフェロン(4MU)に変化するが、例えば4MUP
が365nmの光を照射しても蛍光を発しないのに対
し、4MUは450nmの蛍光を発するため、該波長の
蛍光を測定することが例示できる。
との関係において適宜選択して決定すれば良い。具体的
に例えば、アルカリ性フォスファターゼ(ALP)の酵
素活性を測定しようとする場合には4メチルウンベリフ
ェリンリン酸(4MUP)を例示することができる。ま
たβガラクトシダーゼの酵素活性を測定しようとする場
合には4メチルウンベリフェリルガラクドシドを例示す
ることができる。4MUPはALPの酵素作用を受け
て、また4メチルウンベリフェリルガラクドシドはβガ
ラクトシダーゼの酵素作用を受けて、共に4メチルウン
ベリフェロン(4MU)に変化するが、例えば4MUP
が365nmの光を照射しても蛍光を発しないのに対
し、4MUは450nmの蛍光を発するため、該波長の
蛍光を測定することが例示できる。
【0014】酵素と基質を反応させる操作は、酵素が活
性を失わない条件下で行えば良いが、特にpHに関して
は、酵素の至適pH条件下で行うことが好ましい。各酵
素の至適pHは従来から良く知られており、これを参照
して条件を決定することができる。反応時間は、酵素活
性を測定しようとする酵素の推定される存在量やターン
オーバー数等に基づき適宜決定することができるが、後
に述べるレート法は、酵素反応を進行させながら蛍光強
度を測定することができる。
性を失わない条件下で行えば良いが、特にpHに関して
は、酵素の至適pH条件下で行うことが好ましい。各酵
素の至適pHは従来から良く知られており、これを参照
して条件を決定することができる。反応時間は、酵素活
性を測定しようとする酵素の推定される存在量やターン
オーバー数等に基づき適宜決定することができるが、後
に述べるレート法は、酵素反応を進行させながら蛍光強
度を測定することができる。
【0015】酵素の作用により生じた反応生成物の蛍光
は、反応生成物が蛍光を発し得る条件下で行えば良い。
このためには、反応生成物を励起するための励起光波長
や蛍光を測定する蛍光波長等を、反応生成物の光学的特
性等に応じて適宜決定すれば良い。該条件中、pHが前
記した酵素の至適pHと異なる場合には、酵素反応を終
了した後、pHを調整したうえで蛍光の測定を行えば良
い。この場合、蛍光測定はpH調整後に行われる、いわ
ゆるワンポイント測定となる。これに対して、前記酵素
の至適pHと反応生成物の蛍光測定に好適なpHが概ね
一致している場合は、酵素反応を生じさせつつ、経時的
に生じた酵素反応生成物の蛍光測定を実施するいわゆる
レート測定を行うことができる。
は、反応生成物が蛍光を発し得る条件下で行えば良い。
このためには、反応生成物を励起するための励起光波長
や蛍光を測定する蛍光波長等を、反応生成物の光学的特
性等に応じて適宜決定すれば良い。該条件中、pHが前
記した酵素の至適pHと異なる場合には、酵素反応を終
了した後、pHを調整したうえで蛍光の測定を行えば良
い。この場合、蛍光測定はpH調整後に行われる、いわ
ゆるワンポイント測定となる。これに対して、前記酵素
の至適pHと反応生成物の蛍光測定に好適なpHが概ね
一致している場合は、酵素反応を生じさせつつ、経時的
に生じた酵素反応生成物の蛍光測定を実施するいわゆる
レート測定を行うことができる。
【0016】例えば前記したALPと4MUPの組合せ
においては、ALPの至適pHと4MUの蛍光測定に好
適なpHが一致するため、ALPと4MUPを反応させ
つつ反応生成物である4MUの蛍光を経時的に測定する
ことができる。例えば前記したβガラクトシダーゼと4
メチルウンベリフェリルガラクドシドの組合せにおいて
は、βガラクトシダーゼの至適pHと4MUの蛍光測定
に好適なpHが異なるため、βガラクトシダーゼと4メ
チルウンベリフェリルガラクドシドを適当な時間反応さ
せた後pHを調整し、蛍光を測定することになる。
においては、ALPの至適pHと4MUの蛍光測定に好
適なpHが一致するため、ALPと4MUPを反応させ
つつ反応生成物である4MUの蛍光を経時的に測定する
ことができる。例えば前記したβガラクトシダーゼと4
メチルウンベリフェリルガラクドシドの組合せにおいて
は、βガラクトシダーゼの至適pHと4MUの蛍光測定
に好適なpHが異なるため、βガラクトシダーゼと4メ
チルウンベリフェリルガラクドシドを適当な時間反応さ
せた後pHを調整し、蛍光を測定することになる。
【0017】本願発明の特徴は、反応生成物の蛍光強度
を測定する際に、光散乱体を共存させる点にある。光散
乱体としては、反応生成物に対する励起光及び/又は反
応生成物からの蛍光を散乱するものであって、例えば試
料を保持する測定容器のサイズに比較して十分に小さ
く、溶液中にほぼ均一に分散可能で、測定しようとする
反応生成物と区別することが困難な蛍光を発しないもの
であれば特に制限はない。従って、励起光及び/又は蛍
光を散乱する光学的特性を有する物質を選択した後、該
物質の蛍光特性を調査すれば光散乱体を選択することが
できる。具体的に反応生成物が4MUである場合、例え
ば励起光(365nm)を散乱し得る光散乱体としてリ
ピッド(イントラリピッド、ファルマシア製)、ポリス
チレンラテックス、シリカゲル等を例示できる。上記説
明からも明らかであるが、本願発明の光散乱体は少なく
とも励起光又は蛍光を散乱し得るものであれば良く、時
には励起光を散乱し得る第1の光散乱体と蛍光を散乱し
得る第2の光散乱体を用いる等、2種類以上の光散乱体
を混合して使用しても良い。
を測定する際に、光散乱体を共存させる点にある。光散
乱体としては、反応生成物に対する励起光及び/又は反
応生成物からの蛍光を散乱するものであって、例えば試
料を保持する測定容器のサイズに比較して十分に小さ
く、溶液中にほぼ均一に分散可能で、測定しようとする
反応生成物と区別することが困難な蛍光を発しないもの
であれば特に制限はない。従って、励起光及び/又は蛍
光を散乱する光学的特性を有する物質を選択した後、該
物質の蛍光特性を調査すれば光散乱体を選択することが
できる。具体的に反応生成物が4MUである場合、例え
ば励起光(365nm)を散乱し得る光散乱体としてリ
ピッド(イントラリピッド、ファルマシア製)、ポリス
チレンラテックス、シリカゲル等を例示できる。上記説
明からも明らかであるが、本願発明の光散乱体は少なく
とも励起光又は蛍光を散乱し得るものであれば良く、時
には励起光を散乱し得る第1の光散乱体と蛍光を散乱し
得る第2の光散乱体を用いる等、2種類以上の光散乱体
を混合して使用しても良い。
【0018】光散乱体は、蛍光測定を行う際に反応生成
物と共存していれば良い。即ち、酵素と基質を反応させ
る際に共存していても良い。また、例えば通常のフロー
セル型検出器を用いる場合には、フローセル中に予め光
散乱体を充填しておくこともできる。時に光散乱体は、
基質に対する酵素の作用を阻害することがある。このよ
うに、光散乱体が酵素活性を阻害する可能性がある場
合、ワンポイント測定を採用し、かつ、酵素反応を終了
した後に光散乱体を添加することが好ましい。しかし、
特にレート測定を採用する場合にあっては、光散乱体が
酵素阻害作用を有するものであっても、光散乱体の共存
による酵素作用の阻害の割合と蛍光増強の割合を比較勘
案し、共存させる濃度等を適宜決定すれば良い。
物と共存していれば良い。即ち、酵素と基質を反応させ
る際に共存していても良い。また、例えば通常のフロー
セル型検出器を用いる場合には、フローセル中に予め光
散乱体を充填しておくこともできる。時に光散乱体は、
基質に対する酵素の作用を阻害することがある。このよ
うに、光散乱体が酵素活性を阻害する可能性がある場
合、ワンポイント測定を採用し、かつ、酵素反応を終了
した後に光散乱体を添加することが好ましい。しかし、
特にレート測定を採用する場合にあっては、光散乱体が
酵素阻害作用を有するものであっても、光散乱体の共存
による酵素作用の阻害の割合と蛍光増強の割合を比較勘
案し、共存させる濃度等を適宜決定すれば良い。
【0019】最終的に酵素活性は、反応生成物の濃度の
増加率やユニットとして求めることができる。前者は前
記したレート測定により得られるものであり、酵素活性
が既知の標準酵素試料を用いた場合の反応生成物の増加
率等を求めておき、これを測定結果と比較すれば良い。
後者は前記したワンポイント測定により得られるもので
あり、既知濃度の反応生成物を含む標準試料からの蛍光
強度を測定結果と比較すれば良い。
増加率やユニットとして求めることができる。前者は前
記したレート測定により得られるものであり、酵素活性
が既知の標準酵素試料を用いた場合の反応生成物の増加
率等を求めておき、これを測定結果と比較すれば良い。
後者は前記したワンポイント測定により得られるもので
あり、既知濃度の反応生成物を含む標準試料からの蛍光
強度を測定結果と比較すれば良い。
【0020】反応生成物の蛍光測定方式は、本願発明で
は特に制限されない。従って、励起光の進行方向と反応
生成物からの蛍光の進行方向が直交する、いわゆる直交
光学系や、両者の進行方向が同一軸上で逆行する、いわ
ゆる落射光学系のいずれを用いても良い。直交光学系で
は、励起光を照射する方向と蛍光を取り出す方向が直交
するため、ミラー、レンズ、セル等の反射やこれらから
の蛍光によるバックグランドを低減し得るという面で好
ましい。しかし、通常の生化学測定やバインディング測
定では、酵素反応を上方開口したカップ状容器の中で行
われることから、一度に大量の容器について蛍光測定を
行い得るという面で落射光学系が好ましい。落射光学系
では、ダイクロイックミラー等の光分離手段を用い、上
方から励起光を照射すると共に上方から蛍光を取り出す
ことができるため、例えば不透明なカップ状容器を用い
た場合や、並列に配置された複数のカップ状容器を(複
数の光学系を配置するか、或いは複数の容器をスキャン
するようにすれば)短時間に多量の蛍光測定を行い得る
からである。従って、本願発明を自動測定装置で実施す
る場合には、特に落射光学系が好ましい。
は特に制限されない。従って、励起光の進行方向と反応
生成物からの蛍光の進行方向が直交する、いわゆる直交
光学系や、両者の進行方向が同一軸上で逆行する、いわ
ゆる落射光学系のいずれを用いても良い。直交光学系で
は、励起光を照射する方向と蛍光を取り出す方向が直交
するため、ミラー、レンズ、セル等の反射やこれらから
の蛍光によるバックグランドを低減し得るという面で好
ましい。しかし、通常の生化学測定やバインディング測
定では、酵素反応を上方開口したカップ状容器の中で行
われることから、一度に大量の容器について蛍光測定を
行い得るという面で落射光学系が好ましい。落射光学系
では、ダイクロイックミラー等の光分離手段を用い、上
方から励起光を照射すると共に上方から蛍光を取り出す
ことができるため、例えば不透明なカップ状容器を用い
た場合や、並列に配置された複数のカップ状容器を(複
数の光学系を配置するか、或いは複数の容器をスキャン
するようにすれば)短時間に多量の蛍光測定を行い得る
からである。従って、本願発明を自動測定装置で実施す
る場合には、特に落射光学系が好ましい。
【0021】光散乱体の共存下で反応生成物からの蛍光
を測定する際は、欧州公開特許第521636号号公報
に記載された蛍光測定法(以下、2波長蛍光測定法)を
用いることが好ましい。2波長蛍光測定法は、反応生成
物からの蛍光測定を、酵素の作用を受けない(酵素によ
り他の物質に変換されない)基準蛍光物質の共存下で行
う方法である。基準蛍光物質としては反応生成物と同じ
波長の励起光で蛍光励起可能で、かつ、反応生成物と区
別可能な波長の蛍光を発する物質であれば特に制限はな
い。例えば反応生成物が4MUである場合には、例えば
ダンシルアラニン等のダンシル化合物を基準蛍光物質と
して例示できる。そして蛍光測定のための光学系におい
て、発せられた蛍光を波長により反応生成物からの蛍光
と基準蛍光物質からの蛍光に分割してそれぞれ測定し、
反応生成物の蛍光強度を基準蛍光物質からの蛍光強度で
除する等するのである。これにより、反応生成物を含む
溶液に発生した気泡の影響、該溶液のメニスカスの影
響、蛍光測定のための光学系と該溶液を保持する容器の
位置関係の変動、反応生成物による励起光の自己吸収、
更にはバインディング測定における水不溶性担体の偏り
の影響等を良好に補正可能となるからである。
を測定する際は、欧州公開特許第521636号号公報
に記載された蛍光測定法(以下、2波長蛍光測定法)を
用いることが好ましい。2波長蛍光測定法は、反応生成
物からの蛍光測定を、酵素の作用を受けない(酵素によ
り他の物質に変換されない)基準蛍光物質の共存下で行
う方法である。基準蛍光物質としては反応生成物と同じ
波長の励起光で蛍光励起可能で、かつ、反応生成物と区
別可能な波長の蛍光を発する物質であれば特に制限はな
い。例えば反応生成物が4MUである場合には、例えば
ダンシルアラニン等のダンシル化合物を基準蛍光物質と
して例示できる。そして蛍光測定のための光学系におい
て、発せられた蛍光を波長により反応生成物からの蛍光
と基準蛍光物質からの蛍光に分割してそれぞれ測定し、
反応生成物の蛍光強度を基準蛍光物質からの蛍光強度で
除する等するのである。これにより、反応生成物を含む
溶液に発生した気泡の影響、該溶液のメニスカスの影
響、蛍光測定のための光学系と該溶液を保持する容器の
位置関係の変動、反応生成物による励起光の自己吸収、
更にはバインディング測定における水不溶性担体の偏り
の影響等を良好に補正可能となるからである。
【0022】本願請求項2項の発明は、バインディング
測定に関するものである。バインディング測定には、例
えば抗原と抗体間の免疫反応を利用するもの、DNAと
DNA、DNAとRNA等、核酸間の相補反応を利用す
るもの、更にはリガンドとレセプター間の反応を利用す
るものがあるが、以下、抗原と抗体間の免疫反応を利用
するものを例に、説明する。
測定に関するものである。バインディング測定には、例
えば抗原と抗体間の免疫反応を利用するもの、DNAと
DNA、DNAとRNA等、核酸間の相補反応を利用す
るもの、更にはリガンドとレセプター間の反応を利用す
るものがあるが、以下、抗原と抗体間の免疫反応を利用
するものを例に、説明する。
【0023】本願発明のバインディング測定では、ま
ず、溶液中で測定対象物質と酵素の複合体を形成させ
る。ここで、測定対象物質とは、生体試料等の中に含ま
れる抗原や抗体等である。かかる測定対象物質と酵素の
複合体を形成するには、例えば酵素を測定対象物質と特
異的に免疫反応する抗体や抗原と予め結合しておくこと
が例示できる。酵素と抗体等の結合は、従来から免疫測
定における分野で使用されている方法に従えば良い。か
かる抗体等はポリクローナル、モノクローナルのいずれ
であっても良く、また形態も天然のものに限られず、例
えばF(ab´)2やFab´等の断片であっても良
い。また、酵素と抗体等を直接結合するのではなく、例
えばアビジンやビオチン等のリガンド・レセプターを介
して、或いは抗抗体等を介して結合することもできる。
この場合、酵素と測定対象物質に対する抗体等は直接又
は間接的に、予め結合しておいても良いし、溶液中で結
合するようにしても良い。
ず、溶液中で測定対象物質と酵素の複合体を形成させ
る。ここで、測定対象物質とは、生体試料等の中に含ま
れる抗原や抗体等である。かかる測定対象物質と酵素の
複合体を形成するには、例えば酵素を測定対象物質と特
異的に免疫反応する抗体や抗原と予め結合しておくこと
が例示できる。酵素と抗体等の結合は、従来から免疫測
定における分野で使用されている方法に従えば良い。か
かる抗体等はポリクローナル、モノクローナルのいずれ
であっても良く、また形態も天然のものに限られず、例
えばF(ab´)2やFab´等の断片であっても良
い。また、酵素と抗体等を直接結合するのではなく、例
えばアビジンやビオチン等のリガンド・レセプターを介
して、或いは抗抗体等を介して結合することもできる。
この場合、酵素と測定対象物質に対する抗体等は直接又
は間接的に、予め結合しておいても良いし、溶液中で結
合するようにしても良い。
【0024】次に、前記複合体中の酵素の酵素活性又は
当該複合体を形成していない酵素の酵素活性を当該酵素
反応生成物の蛍光強度を測定して求める。このため、複
合体中の酵素と複合体を形成していない酵素を分離する
ことが必要である。このため、例えば、水不溶性の担体
等を用いることが望ましい。即ち、測定対象物質に特異
的に結合する抗体等を予め水不溶性担体等と結合してお
き、水不溶性担体−抗体等−測定対象物質−抗体等−酵
素、等という複合体を形成するのである。これにより、
例えば微細な孔を有するフィルターを用いたり、遠心分
離を行うことで、両者を容易に分離することが可能にな
る。なお、水不溶性担体と抗体等との結合は、前記した
ように直接又は間接的なものの両者を用いることができ
る。
当該複合体を形成していない酵素の酵素活性を当該酵素
反応生成物の蛍光強度を測定して求める。このため、複
合体中の酵素と複合体を形成していない酵素を分離する
ことが必要である。このため、例えば、水不溶性の担体
等を用いることが望ましい。即ち、測定対象物質に特異
的に結合する抗体等を予め水不溶性担体等と結合してお
き、水不溶性担体−抗体等−測定対象物質−抗体等−酵
素、等という複合体を形成するのである。これにより、
例えば微細な孔を有するフィルターを用いたり、遠心分
離を行うことで、両者を容易に分離することが可能にな
る。なお、水不溶性担体と抗体等との結合は、前記した
ように直接又は間接的なものの両者を用いることができ
る。
【0025】このようにして形成された複合体中の酵素
の量は測定対象物質の量に相関するため、該酵素の酵素
活性を測定し、既知の測定対象物質を用いて作成した検
量線と比較することによりその濃度を求めることが可能
になる。また当然のことながら、既知量の酵素を用いれ
ば、複合体を形成していない酵素の酵素活性を求めるこ
とにより、測定対象物質の濃度を求めることが可能にな
る。
の量は測定対象物質の量に相関するため、該酵素の酵素
活性を測定し、既知の測定対象物質を用いて作成した検
量線と比較することによりその濃度を求めることが可能
になる。また当然のことながら、既知量の酵素を用いれ
ば、複合体を形成していない酵素の酵素活性を求めるこ
とにより、測定対象物質の濃度を求めることが可能にな
る。
【0026】このような方法とは別に、例えば水不溶性
担体に測定対象物質に特異的に結合し得る抗体等を結合
する一方で、該抗体等に対する反応性において測定対象
物質と同等の物質と酵素を結合させておき、これらを反
応させても良い。この場合、水不溶性担体−抗体等−測
定対象物質又は水不溶性担体−抗体等−前記同等の物質
−酵素という複合体が形成されるが、既知量の酵素を用
いた場合には複合体中の酵素の量、複合体を形成してい
ない酵素の量ともに測定対象物質の量に相関するため、
いずれかの酵素の酵素活性を求めることにより、測定対
象物質の濃度を求めることが可能になる。
担体に測定対象物質に特異的に結合し得る抗体等を結合
する一方で、該抗体等に対する反応性において測定対象
物質と同等の物質と酵素を結合させておき、これらを反
応させても良い。この場合、水不溶性担体−抗体等−測
定対象物質又は水不溶性担体−抗体等−前記同等の物質
−酵素という複合体が形成されるが、既知量の酵素を用
いた場合には複合体中の酵素の量、複合体を形成してい
ない酵素の量ともに測定対象物質の量に相関するため、
いずれかの酵素の酵素活性を求めることにより、測定対
象物質の濃度を求めることが可能になる。
【0027】本願発明は、以上に説明したバインディン
グ測定において、酵素活性を測定する際に、本願請求項
1項の発明と同様の操作を行うことを特徴とするもので
ある。
グ測定において、酵素活性を測定する際に、本願請求項
1項の発明と同様の操作を行うことを特徴とするもので
ある。
【0028】
【発明の効果】本願発明によれば、酵素反応生成物から
の蛍光強度を数倍に増強することが可能である。この結
果、例えば免疫測定等のバインディング測定において微
量の測定対象物質の濃度を求める際に問題となっていた
検出器の電気ノイズやドリフト、光子ノイズの影響等に
よる測定感度の低下を防止することが可能となり、結果
的に高感度の酵素活性測定を実現できるようになる。
の蛍光強度を数倍に増強することが可能である。この結
果、例えば免疫測定等のバインディング測定において微
量の測定対象物質の濃度を求める際に問題となっていた
検出器の電気ノイズやドリフト、光子ノイズの影響等に
よる測定感度の低下を防止することが可能となり、結果
的に高感度の酵素活性測定を実現できるようになる。
【0029】蛍光強度の増強により、レート測定におい
ては従来の数分の1程度の蛍光測定時間で従来と同程度
の蛍光強度を観察することができる。同様にワンポイン
ト測定においても、従来の数分の1程度の酵素と基質の
反応時間で従来と同程度の蛍光強度を観察することがで
きる。従って、レート測定における酵素活性の測定時間
(レート測定においては酵素と基質の反応時間と同義)
や、ワンポイント測定における酵素と基質の反応時間を
短縮することも可能になる。
ては従来の数分の1程度の蛍光測定時間で従来と同程度
の蛍光強度を観察することができる。同様にワンポイン
ト測定においても、従来の数分の1程度の酵素と基質の
反応時間で従来と同程度の蛍光強度を観察することがで
きる。従って、レート測定における酵素活性の測定時間
(レート測定においては酵素と基質の反応時間と同義)
や、ワンポイント測定における酵素と基質の反応時間を
短縮することも可能になる。
【0030】以上の通り、本願発明によれば反応生成物
からの蛍光強度を増強することが可能であり、この結
果、従来と同様の装置を用いれば容易に検出感度を高感
度化できるが、例えば検出感度を向上させる必要がない
場合には、従来の装置で使用している光学系においてよ
り出力の低い光源を採用することが可能となる。この結
果、光源の小型化による消費電力の低減、光源の発熱量
の低減、光源の長寿命化、装置全体としての小型化等、
種々の効果を達成することができる。
からの蛍光強度を増強することが可能であり、この結
果、従来と同様の装置を用いれば容易に検出感度を高感
度化できるが、例えば検出感度を向上させる必要がない
場合には、従来の装置で使用している光学系においてよ
り出力の低い光源を採用することが可能となる。この結
果、光源の小型化による消費電力の低減、光源の発熱量
の低減、光源の長寿命化、装置全体としての小型化等、
種々の効果を達成することができる。
【0031】本願発明を実施するに際し、酵素が含まれ
る溶液の気泡やメニスカス等の影響を排除するため、前
述の2波長蛍光測定法を採用する場合には、基準蛍光物
質(ダンシルアラニン等)からの蛍光強度をも増強でき
るため、その使用量を低減することができる。この結
果、当該方法を採用する場合の試薬コスト等の高騰を防
止できる。
る溶液の気泡やメニスカス等の影響を排除するため、前
述の2波長蛍光測定法を採用する場合には、基準蛍光物
質(ダンシルアラニン等)からの蛍光強度をも増強でき
るため、その使用量を低減することができる。この結
果、当該方法を採用する場合の試薬コスト等の高騰を防
止できる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本願発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。
【0033】実施例1 ダンシルアラニン(0.1mg/ml、以下DAと記載
する)と4MU(0〜80μl)を含む溶液に、体積比
で0〜30%となるように10%イントラリピッドを加
えた。この溶液を100μlずつ上方開口した黒色のカ
ップに入れ、カップの上方から励起光を照射し、かつ、
上方から蛍光を取り出す落射光学系を用いてDA及び4
MUそれぞれの蛍光を測定した。なお、励起光の波長は
360nmであり、DAの蛍光測定波長は545〜60
0nmであり、4MUの蛍光測定波長は435〜465
nmである。
する)と4MU(0〜80μl)を含む溶液に、体積比
で0〜30%となるように10%イントラリピッドを加
えた。この溶液を100μlずつ上方開口した黒色のカ
ップに入れ、カップの上方から励起光を照射し、かつ、
上方から蛍光を取り出す落射光学系を用いてDA及び4
MUそれぞれの蛍光を測定した。なお、励起光の波長は
360nmであり、DAの蛍光測定波長は545〜60
0nmであり、4MUの蛍光測定波長は435〜465
nmである。
【0034】図1は、イントラリピッドを体積比で20
%加えた状態で4MU濃度を変化させた場合の結果を示
すものである。4MUからの蛍光強度は4MU濃度にほ
ぼ比例して増加した。一方、DAからの蛍光強度も、4
MU濃度に依存して僅かながら増加した。このように、
4MUの濃度を高めた時にDAからの蛍光強度が増強さ
れるのは、増加した4MUからの蛍光強度がDAの蛍光
強度測定波長に漏れ込むことに起因する。
%加えた状態で4MU濃度を変化させた場合の結果を示
すものである。4MUからの蛍光強度は4MU濃度にほ
ぼ比例して増加した。一方、DAからの蛍光強度も、4
MU濃度に依存して僅かながら増加した。このように、
4MUの濃度を高めた時にDAからの蛍光強度が増強さ
れるのは、増加した4MUからの蛍光強度がDAの蛍光
強度測定波長に漏れ込むことに起因する。
【0035】図2は、4MU濃度を10000nMに固
定した状態で加えるイントラリピッドを体積比で0〜3
0%に変化させた場合の結果を示すものである。イント
ラリピッドを体積比で20%加えた場合、4MUからの
蛍光強度及びDAからの蛍光強度はそれぞれ約4倍に増
強された。また、イントラリピッドを体積比で10%加
えた場合、4MUからの蛍光強度及びDAからの蛍光強
度はそれぞれ約3倍に増強された。
定した状態で加えるイントラリピッドを体積比で0〜3
0%に変化させた場合の結果を示すものである。イント
ラリピッドを体積比で20%加えた場合、4MUからの
蛍光強度及びDAからの蛍光強度はそれぞれ約4倍に増
強された。また、イントラリピッドを体積比で10%加
えた場合、4MUからの蛍光強度及びDAからの蛍光強
度はそれぞれ約3倍に増強された。
【0036】図3は、図2に示した結果について、4M
Uからの蛍光強度とDAからの蛍光強度の比を示すもの
である。イントラリピッドを加えた割合が0〜30%に
変化しても、ほぼ一定であることが分かる。
Uからの蛍光強度とDAからの蛍光強度の比を示すもの
である。イントラリピッドを加えた割合が0〜30%に
変化しても、ほぼ一定であることが分かる。
【0037】以上の結果から、イントラリピッドを加え
ることによる蛍光増強効果は、400〜600nmでほ
ぼ一定であることが推測される。
ることによる蛍光増強効果は、400〜600nmでほ
ぼ一定であることが推測される。
【0038】実施例2 既知濃度のDAと4MUを含む溶液を、それぞれ純水で
4倍に希釈した溶液又は20%のイントラリピッドを含
む液で4倍に希釈した溶液を実施例1と同様のカップに
200μlずつ入れ、蛍光を測定した。
4倍に希釈した溶液又は20%のイントラリピッドを含
む液で4倍に希釈した溶液を実施例1と同様のカップに
200μlずつ入れ、蛍光を測定した。
【0039】蛍光測定の結果から4MUの濃度の換算式
(1/(y−c)=a/x+b)の係数a、b及びcを
求めた。ここで、xは4MU濃度、yは4MUの蛍光強
度をDAの蛍光強度で除した値である。
(1/(y−c)=a/x+b)の係数a、b及びcを
求めた。ここで、xは4MU濃度、yは4MUの蛍光強
度をDAの蛍光強度で除した値である。
【0040】結果を表1に示す。ここで得られた係数
a、b及びCを用いて、実施例3において4MU濃度の
算出を行った。
a、b及びCを用いて、実施例3において4MU濃度の
算出を行った。
【0041】
【表1】
【0042】実施例3 市販のTSH(甲状腺刺激ホルモン)用免疫測定キット
(Eテスト TOSOH II、東ソー(株)製)及び
市販の免疫測定装置(AIA−1200、東ソー(株)
製)を用いて、TSHのバインディング測定(免疫測
定)を行った。ここで、基質として0.025mg/m
lのDA及び0.25mMの4MUPを含む溶液(基質
溶液1)と、上記に加え更に体積比で20%の10%イ
ントラリピッド溶液を含む溶液(基質溶液2)を用い
た。
(Eテスト TOSOH II、東ソー(株)製)及び
市販の免疫測定装置(AIA−1200、東ソー(株)
製)を用いて、TSHのバインディング測定(免疫測
定)を行った。ここで、基質として0.025mg/m
lのDA及び0.25mMの4MUPを含む溶液(基質
溶液1)と、上記に加え更に体積比で20%の10%イ
ントラリピッド溶液を含む溶液(基質溶液2)を用い
た。
【0043】結果を表2に示す。表2から、イントラリ
ピッドを加えることで酵素活性は3/4に減少するもの
の、蛍光強度は約6倍に増強されることが分かる。な
お、表2は、TSH濃度が0(ゼロ)の試料又は50μ
IU/mlの試料について、基質分注後13秒後(表中
1)、58秒後(表中2)、102秒後(表中3)、1
51秒後(表中4)の蛍光強度をそれぞれ3回ずつ測定
した結果である。
ピッドを加えることで酵素活性は3/4に減少するもの
の、蛍光強度は約6倍に増強されることが分かる。な
お、表2は、TSH濃度が0(ゼロ)の試料又は50μ
IU/mlの試料について、基質分注後13秒後(表中
1)、58秒後(表中2)、102秒後(表中3)、1
51秒後(表中4)の蛍光強度をそれぞれ3回ずつ測定
した結果である。
【0044】
【表2】
【図1】図1は、本願実施例1の結果中、イントラリピ
ッドを体積比で20%加えた状態で4MU濃度を変化さ
せた場合の結果を示すものである。図中、縦軸は蛍光強
度(任意単位)を、横軸は4MU濃度を示し、そして□
(白四角)は4MUからの蛍光強度を、○(白丸)はD
Aからの蛍光強度をそれぞれ示す。
ッドを体積比で20%加えた状態で4MU濃度を変化さ
せた場合の結果を示すものである。図中、縦軸は蛍光強
度(任意単位)を、横軸は4MU濃度を示し、そして□
(白四角)は4MUからの蛍光強度を、○(白丸)はD
Aからの蛍光強度をそれぞれ示す。
【図2】図2は、本願実施例1の結果中、4MU濃度を
10000nMに固定した状態で加えるイントラリピッ
ドを体積比で0〜30%に変化させた場合の結果を示す
ものである。図中、縦軸は蛍光強度(任意単位)を、横
軸は加えたイントラリピッドの体積比を示し、そして□
(白四角)は4MUからの蛍光強度を、○(白丸)はD
Aからの蛍光強度をそれぞれ示す。
10000nMに固定した状態で加えるイントラリピッ
ドを体積比で0〜30%に変化させた場合の結果を示す
ものである。図中、縦軸は蛍光強度(任意単位)を、横
軸は加えたイントラリピッドの体積比を示し、そして□
(白四角)は4MUからの蛍光強度を、○(白丸)はD
Aからの蛍光強度をそれぞれ示す。
【図3】図3は、本願実施例1の結果中、図2に示した
結果について、4MUからの蛍光強度とDAからの蛍光
強度の比を示すものである。図中、縦軸は前記比を、横
軸は加えたイントラリピッドの体積比をそれぞれ示す。
結果について、4MUからの蛍光強度とDAからの蛍光
強度の比を示すものである。図中、縦軸は前記比を、横
軸は加えたイントラリピッドの体積比をそれぞれ示す。
Claims (5)
- 【請求項1】溶液中の酵素反応生成物の蛍光強度を測定
して酵素活性を求める酵素活性測定法において、前記溶
液中に光散乱体を共存させることを特徴とする酵素活性
測定法。 - 【請求項2】溶液中で測定対象物質と酵素の複合体を形
成させた後、当該複合体中の酵素の酵素活性又は当該複
合体を形成していない酵素の酵素活性を当該酵素反応生
成物の蛍光強度を測定して求め、酵素活性から前記測定
対象物の濃度を求めるバインディング測定法において、
酵素活性を求める溶液中に光散乱体を共存させることを
特徴とするバインディング測定法。 - 【請求項3】光散乱体が、測定しようとする酵素反応生
成物を蛍光励起し得る波長の励起光及び/又は酵素反応
生成物の蛍光を散乱するものである請求項1又は2の方
法。 - 【請求項4】光散乱体が、リピッド、ポリスチレンラテ
ックス又はシリカゲルであることを特徴とする請求項1
又は2の方法。 - 【請求項5】落射光学系を用いて酵素反応生成物の蛍光
を測定することを特徴とする請求項1又は2の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21666897A JPH1156392A (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 酵素活性測定法およびバインディング測定法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21666897A JPH1156392A (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 酵素活性測定法およびバインディング測定法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1156392A true JPH1156392A (ja) | 1999-03-02 |
Family
ID=16692059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21666897A Pending JPH1156392A (ja) | 1997-08-11 | 1997-08-11 | 酵素活性測定法およびバインディング測定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1156392A (ja) |
-
1997
- 1997-08-11 JP JP21666897A patent/JPH1156392A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040531 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060912 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20070327 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071204 |