JP5184402B2 - 液体潤滑式圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、油潤滑式または水潤滑式などの液体潤滑式のガス圧縮機に関する。
容積式のガス圧縮機においては、圧縮室内にガスを吸入したのち圧縮室を閉じ、閉じ込めたガスを圧縮し、そして吐出口から圧縮ガスを放出するという工程が繰り返される。閉じていた圧縮室を開く際には圧縮室内外に圧力差が存在するので、上記工程が繰り返される毎に圧力変動が生じ、いわゆる圧力脈動と呼ばれる圧力変動が周期的に発生する。この圧力変動により発生する音は、容積式圧縮機から発生する不快音として問題となることが多く、特にスクリュ圧縮機のような容積式・回転式の圧縮機の場合は2000〜6000rpm程度の回転数域で運転されることが多いため、発生周波数も200〜600Hz程度になり耳障りな音となる場合が多い。
この発生周波数が圧縮機の吸気部分(吸気側ケーシング)の共鳴周波数と一致するような場合には、共鳴によって脈動音が非常に大きくなり耳障りな騒音が増大することになる。それを回避するために、通常は設計時点で共鳴発生条件に該当するようなケーシング寸法とはならないように設計を行うが、それでも共鳴発生条件となる寸法を回避できないような場合には、消音器などによる吸音処理によって脈動音を抑える方法がとられることが多い。
ここで、大きな圧力損失が発生するような複雑な形状の消音器は圧縮機の性能低下要因となるので用いられず、一般には、共鳴型・サイドブランチ型のものが用いられる。また、消音管以外にも、ヘルムホルツ式共鳴器となるような凹み部分を流路中のケーシング壁面部分に構成する方法や、流路に吸音材を取り付けて曲がりを設けた消音構造とする方法、さらには、流路の断面積を変化させて膨張型消音器のような構成とすることにより圧力脈動を低減するような方法もある(例えば、特許文献1、2参照)。
また、空気圧縮機の場合は、ケーシング前にエアフィルタが設置されることが多いため、吸音材を用いる場合には、劣化して飛散することのない金属系の吸音材が用いられることが多い。
一方、最近では、供給先の必要空気量に応じて運転条件を制御するインバータ式の圧縮機が省エネという面から主流となっている。このような圧縮機では、運転回転数が変動するため発生する脈動周波数も変化し、従来タイプの共鳴型消音器の場合には運転条件によっては、消音器がない場合に共鳴発生とならないような運転条件で共鳴発生となる場合があるという問題がある。サイドブランチ型やヘルムホルツ共鳴器型なども同じ理由で運転条件によっては共鳴が発生する。また、金属系の吸音材の場合では、もともと共鳴型消音器ほど脈動音が減衰するような構成とはなっていないため、共鳴発生時にはその発生前と比較して明らかに脈動騒音が大きくなり、共鳴発生した場合の耳障り感は吸音材がない場合と大差がない。
インバータ式の圧縮機の消音方法として、圧縮機のケーシング内にスピーカのような音波発生器を設置し、音源から発生する共鳴音とは逆位相の音を音波発生器から発生させることにより消音するアクティブ消音方法がある。しかしながら、共鳴音をアクティブに消音する方法は、油・水潤滑など液体潤滑式の圧縮機の場合には音波発生器を防滴処理する必要があり、圧縮機が高価なものとなる。また、故障しやすくなり使いづらいという問題もある。
また、インバータ式の場合は、共鳴発生するような運転条件を回避する制御を行って共鳴発生を防止する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法の場合、吸気側ケーシングが複雑で共鳴周波数が多数存在する場合は、回避しなければならない運転条件が多くなってしまい、多様な運転条件に対応できるというインバータ式の利点を生かしきれないケースも出てくる。
特開2000−130328号公報 特開平9−133076号公報 特開2003−49787号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、共鳴音が発生するような運転条件になった際にも、その運転条件を変更することなく共鳴を抑制することができる共鳴回避構造を備えた液体潤滑式圧縮機を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
上記目的を達成するために本発明は、吸気部と、前記吸気部内に配設された液体循環経路と、前記吸気部内に配設され、当該吸気部内を流れる吸気ガスと、前記液体循環経路を流れ当該吸気ガスとの間に温度差を有する液体との間の熱交換を促進させるための伝熱部材と、前記液体循環経路への前記液体の供給と停止とを切り替える切替手段と、を備える液体潤滑式圧縮機を提供する。
この構成によると、共鳴音が発生するような運転条件になった際には、吸気部内に配設された液体循環経路へ温度差を有する上記液体を供給し、液体循環経路および伝熱部材を介して当該液体と吸気ガスとの間で熱交換させる。これにより、吸気部内を流れる吸気ガスの温度が変化することで吸気部内の音速が変化し、共鳴発生周波数と圧力脈動周波数とがずれることで共鳴発生は回避される。すなわち、共鳴音が発生するような運転条件になった際にも、圧縮機の運転条件を変更することなく共鳴を抑制することができる。
また本発明において、前記液体循環経路と前記伝熱部材とは接触していることが好ましい。
この構成によると、液体循環経路から伝熱部材への熱伝導(または、伝熱部材から液体循環経路への熱伝導)が促進されることで、液体循環経路を流れる液体と吸気ガスとの間の熱交換速度を上げることができる。その結果、吸気ガスの温度変化を速めることができる。
さらに本発明において、前記伝熱部材は、板部材であって、前記吸気ガスの流れに沿う方向に配設されていることが好ましい。
この構成によると、吸気部における圧力損失が生じにくい。また、伝熱部材に沿うように吸気ガスが流れるため吸気ガスに熱が伝わりやすい(吸気ガスから伝熱部材へも熱が伝わりやすい)。
さらに本発明において、前記伝熱部材は、複数の板部材であって、前記吸気部の中心軸回りに当該吸気部内を仕切るように配設されていることが好ましい。
この構成によると、吸気ガスと伝熱部材との接触面積を大きくすることができるとともに、吸気ガスに対して熱が均一に伝わりやすくなり、熱交換速度をより上げることができる。
さらに本発明において、前記液体循環経路は、前記中心軸に沿って配置され、当該中心軸部において前記複数の板部材と接触していることが好ましい。
この構成によると、吸気部における圧力損失を抑えることができるとともに、液体循環経路から伝熱部材へ(または、伝熱部材から液体循環経路へ)の熱伝導を促進できる。
また本発明は、その第2の態様によれば、前記した液体潤滑式圧縮機と、前記液体潤滑式圧縮機から吐出した液体を回収する液体回収器と、前記液体回収器から供給された液体を冷却する液体冷却器と、前記液体冷却器のバイパス経路と、を備える圧縮機システムを提供する。
この圧縮機システムによると、圧縮機において共鳴音が発生するような運転条件になった際にも、その運転条件を変更することなくシステムの稼動を継続させることができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスクリュ圧縮機1を備えた圧縮機システム100を示す図である。本実施形態ではスクリュ式の圧縮機を例示しているが、本発明は、ターボ式、レシプロ式などの圧縮機にも適用できる。また、圧縮するガスは、本実施形態で示す空気の他に、天然ガス、酸素、都市ガス、コークス炉ガス、冷媒ガスなどがある。また、冷凍機用として本発明の圧縮機を使用することもできる。また、以下の実施形態では、油潤滑式(油冷式)の圧縮機を例示しているが、水潤滑式などの圧縮機であってもよい。
(圧縮機システムの構成)
図1を参照しつつ圧縮機システム100について説明する。図1に示すように、圧縮機システム100は、油潤滑式(油冷式)のスクリュ圧縮機1と、油回収器2(液体回収器)と、油冷却器3(液体冷却器)とを備えている。これらスクリュ圧縮機1、油回収器2、および油冷却器3は、相互に配管(21〜24)で結ばれている。
(スクリュ圧縮機)
スクリュ圧縮機1は、本体ケーシング16と、本体ケーシング16に接続された吸気ケーシング14(吸気部)および吐出ケーシング17(吐出部)と、吸気ケーシング14の上流側端部に取り付けられた弁箱12と、弁箱12に取り付けられた吸込フィルタ11とを備える、油潤滑式の圧縮機である。
(本体ケーシング)
本体ケーシング16は、その内部に並行配置された一対のロータ18を収容する。本体ケーシング16内には、配管23から油が注入される。ロータ18は、配管23から注入された油で潤滑および冷却されながら回転し、空気を圧縮して昇圧する。このロータ18は、電動機(不図示)により駆動され、電動機はインバータ(不図示)により回転数制御される。すなわち、ロータ18の回転数は、任意の回転数に制御することができる。また、本体ケーシング16は例えば鋳物である。なお、本体ケーシング16と、その内部に収容されるロータ18とで圧縮部を構成する。また、ターボ式の圧縮機の場合には、その本体ケーシングと、本体ケーシングの内部に収容される、回転するインペラとで圧縮部を構成する。レシプロ式の圧縮機の場合には、その本体ケーシングと、本体ケーシングの内部に収容される、往復動するピストンとで圧縮部を構成する。
(吸気部)
図2(a)(b)は、図1に示すスクリュ圧縮機1の吸気ケーシング14部(吸気部)の構造図である。図2(a)は、吸気ケーシング14部の斜視図であり、図2(b)は、吸気ケーシング14部の平断面図である。図1および図2(a)(b)に示すように、吸気ケーシング14は筒状部を有し、その内部に、油循環配管13(液体循環経路)および4枚のフィン15(伝熱部材)が配設されている。吸気ケーシング14は、例えば鋳物であり、本体ケーシング16と一体に形成されている。なお、本体ケーシング16とは別に吸気ケーシング14を形成し、本体ケーシング16に対して取り付けてもよい。
フィン15は、長方形の板部材である。フィン15は、熱伝導率の高い材料からなることが好ましく、例えば、銅、アルミニウム合金を材料に用いる。圧縮対象が腐食性のガスの場合は、ステンレスを用いる場合もある。図2(b)に示したように、4枚のフィン15は、吸気ケーシング14の中心軸回りに、吸気ケーシング14の内部空間を等間隔に仕切るように90度毎に配設されている。また、板状のフィン15は、吸気ケーシング14内を流れる空気(吸気ガス)の吸い込み流れに沿う方向に、すなわち、吸い込み流れに平行な方向に配設されている。
また、フィン15は、平面視において(図2(b))、吸気ケーシング14の中心軸部から吸気ケーシング14の内壁面まで設けられている。吸気ケーシング14内を流れる空気(吸気ガス)との熱交換効率の観点からは、表面積の大きな本実施形態が好ましいが、吸気ケーシング14の中心軸部から吸気ケーシング14の内壁面までフィン15を延ばす必要は必ずしもない。例えば、吸気ケーシング14内径よりも小さい寸法のフィン15であってもよい。
本実施形態では、フィン15は、平らな板部材とされているが、図2(c)にフィンの変形例を1枚、示したように、波形形状のフィン35としてもよい。フィン35の波形形状は、吸気ケーシング14の中心軸に対して直交する方向に凹凸が連続する波形形状である。このようにフィン35を波形形状とすることで、吸気部における圧力損失を生じにくく、かつフィンの表面積を大きくすることができる。フィンの表面積を大きくできることにより、熱交換速度を上げることができる(吸気ケーシング14内を流れる空気(吸気ガス)に熱がより伝わりやすい。)。
吸気部に配設された油循環配管13は、上流側から順に、配管13a部・配管13b部・配管13c部に分けて把握することができる。油循環配管13の配管13b部は、吸気ケーシング14の中心軸に沿って配置され、この中心軸部において4枚のフィン15と接触させられている(取り付けられている)。また、油循環配管13の配管13a部は、吸気ケーシング14の中心軸に対して直交する方向に配置され、1枚のフィン15の上端部にその端から端まで接触させられている(取り付けられている)。同様に、油循環配管13の配管13c部は、吸気ケーシング14の中心軸に対して直交する方向に配置され、1枚のフィン15の下端部にその端から端まで接触させられている(取り付けられている)。
また、図1に示したように、油循環配管13の配管13a部は吸気ケーシング14を貫通し、配管13a部の上流側端部には、電動の三方弁6(切替手段)が取り付けられている。また、吸気ケーシング14の外側には、油循環配管13を油がバイパスするバイパス配管26が設けられている。三方弁6は、配管22およびバイパス配管26にも接続され、油循環配管13への油の供給と停止とを切り替えるためのバルブである。なお、バイパス配管26、油循環配管13、および配管23が交差するポイントPに三方弁6を設けてもよい。また、油循環配管13への油の供給と停止とを切り替える切替手段は、必ずしも三方弁である必要はない。2つの二方弁を、それぞれ、吸気ケーシング14外側の配管13aおよびバイパス配管26に設けるなどして切替手段としてもよい。油循環配管13の配管13b部は、吸気ケーシング14を貫通し、配管23に接続している。
(吐出部)
吐出ケーシング17(吐出部)は、例えば鋳物であり、本体ケーシング16と一体に形成されている。なお、本体ケーシング16とは別に吐出ケーシング17を形成し、本体ケーシング16に対して取り付けてもよい。吐出ケーシング17には、油回収器2に接続する配管24の上流側端部が接続されている。吐出ケーシング17の吐出口17aから、ロータ18により昇圧された空気、および油が吐出し、油回収器2に送られる。
(弁箱)
吸気ケーシング14には弁箱12が取り付けられている。弁箱12には、吸気調整弁(不図示)が収容されている。この吸気調整弁は、吸気の量を調節するためのバルブである。
(吸込フィルタ)
弁箱12には吸込フィルタ11が取り付けられている。吸込フィルタ11は、吸気される空気に含まれるほこりなどのダストを除去するためのものである。図1に点線の矢印で示したように、空気は、吸込口11aから吸い込まれ、吸込フィルタ11を介して吸気ケーシング14内、本体ケーシング16内へと流れていく。
(油回収器)
油回収器2は、吐出ケーシング17の吐出口17aから吐出された圧縮空気および油を受け入れ、油を分離回収するためのものである。圧縮空気は、油回収器2の上端に接続された配管27を介して外部(必要用途)に供給される。分離回収された油は、油回収器2の下部から抜かれ、配管21を通り、油冷却器3を経由するなどしてふたたびスクリュ圧縮機1へ給油される。なお、油回収器2と油冷却器3とを接続する配管21中にオイルポンプ(不図示)を設ける場合もある。
(油冷却器)
油冷却器3は、本体ケーシング16内を通ることにより高温となった油を冷却するための空冷式の熱交換器である。油冷却器3に付属するファン5の風量を調整することにより、油の温度を調節することができる。また、油回収器2に分離回収された油を、油冷却器3を経由させずにスクリュ圧縮機1に給油するためのバイパス配管25が設けられている。バイパス配管25中にはバルブ7が設けられている。
(スクリュ圧縮機の動作(圧縮機システムの動作))
次に、圧縮機システム100の動作について説明する。まず、三方弁6は、油循環配管13に対して通常は閉じられている。したがって、油は、吸気部の油循環配管13に流れることなくバイパス配管26を経由して本体ケーシング16に供給される。すなわち、圧縮機システム100を稼動させると、油は、吸気部の油循環配管13を流れることなく、油回収器2と、油冷却器3と、スクリュ圧縮機1との間を通常は循環する。
一方、スクリュ圧縮機1の負荷条件が変化して、共鳴が発生するようなロータ回転数でスクリュ圧縮機1を運転する必要がある場合には、回転数検知器(不図示)からのロータ回転数情報をもとに三方弁6を切り替えて、油循環配管13に油を流すようにする。
ここで、油循環配管13に流す油は、吸気ケーシング14内を流れる空気(吸気ケーシング14内に吸い込まれる空気)との間に温度差を有するようにする。具体的には、油回収器2で分離回収された高温の油を、油冷却器3を経由させずにバイパス配管25を通して直接、油循環配管13に流したり、油回収器2で分離回収された高温の油を、油冷却器3を経由させて低温にしたのち、油循環配管13に流したりする。油冷却器3を経由させるか否かは、バイパス配管25に設けたバルブ7の開閉により行う。また、油冷却器3を経由させた場合の油の温度は、油冷却器3に付属するファン5の風量を調整することにより調整することができる。このようにして、油循環配管13に流す油と、吸気ケーシング14内を流れる空気との間に温度差を生じさせる。
吸気ケーシング14内に吸い込まれた空気は、4枚のフィン15に沿って流れることから、この空気と油循環配管13を流れる油との間で、油循環配管13およびフィン15を介して熱交換が生じ、吸気ケーシング14内の空気温度が変化する。空気温度が変化することにより、吸気ケーシング14内での音速は変化し、その結果、共鳴発生周波数が変化することから、圧力脈動周波数と共鳴周波数とがずれ共鳴は抑制される。
なお、吸気ケーシング14内に吸い込まれる空気の温度を上昇させた場合には、吸い込み時の質量流量が低下するので、圧縮機システム100からの供給風量が一時的には減少するが、その減少量は数パーセントであり、減少が続く時間も短いので、共鳴発生するようなロータ回転数を回避する制御を行う方法(特許文献3に記載の方法)に比しても、供給風量の減少程度は少なくて済み、問題なくスクリュ圧縮機1を連続運転することができる。
スクリュ圧縮機1の負荷条件が変化して、共鳴が発生しないロータ回転数に変えた場合は、三方弁6を切り替えて、油をバイパス配管26に流し、油循環配管13への油の循環を停止する。
(実測結果)
図3は、消音効果の実測結果を示すグラフである。スクリュ圧縮機1のロータ回転数を4000rpm(共鳴が発生するロータ回転数)としたときの周波数別の騒音レベルをプロットしている。図3中の実線は、油循環配管13に油を流していないときの測定結果であり、点線は、吸気ケーシング14内に吸い込まれる空気に対して温度差を有する油を油循環配管13に流したときの測定結果である。図3から明らかなように、温度差を有する油を油循環配管13に流すと、共鳴発生周波数と圧力脈動周波数とがずれ、共鳴が抑制されている。
以上説明したように、本発明においては、共鳴音が発生するようなロータ回転数になった際に、吸気ケーシング14内に配設された油循環配管13へ温度差を有する油を供給し、油循環配管13および4枚のフィン15を介して油と吸気ケーシング14内の空気との間で熱交換させる。これにより、吸気ケーシング14内の空気の温度が変化することで吸気部内の音速が変化し、共鳴発生周波数と圧力脈動周波数とがずれることで共鳴発生は回避される。すなわち、共鳴音が発生するような運転条件になった際にも、スクリュ圧縮機1の運転条件を変更することなく共鳴を抑制することができる。
ここで、吸気ケーシング14内の油循環配管13には、4枚のフィン15を接触させているので、油循環配管13を流れる油(潤滑油)と、吸気ケーシング14内を流れる空気との間での熱交換効率が高い。そのため、吸気部内の音速を迅速に変化させることができ、その結果、極めて迅速に共鳴を抑制することができる。
また、吸気部内の空気の流れに沿う方向に板状のフィン15を配設しているので、吸気部における圧力損失が生じにくく、かつ、フィン15に沿うように空気が流れるため、熱交換効率がより高められている。
さらに、4枚のフィン15は、吸気ケーシング14の中心軸回りに、吸気ケーシング14の内部空間を等間隔に仕切るように配設されている。また、油循環配管13の配管13b部は、吸気ケーシング14の中心軸に沿って配置され、この中心軸部において4枚のフィン15と接触させられている。これにより、吸気部内を流れる空気とフィン15との接触面積を大きくすることができるとともに、吸気部内を流れる空気に対して熱が均一に伝わりやすくなり、熱交換速度をより上げることができる。また、吸気部内の圧力損失をより抑えることができる。
また、本発明は、吸気部内に、油循環配管13およびフィン15を配設するという製造容易な構成であるため、仮に、実機出荷後に共鳴問題が発生した場合には、圧縮機吸気部内およびその周辺部の比較的容易な改造で上記構成を実現することができ、納入後の既設機にも容易に適用することができる。油が循環する経路である配管(21〜24)をほとんど改造することなく、そのまま利用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
例えば、上記実施形態では、4枚のフィン15(伝熱部材)を用いているが、1枚であってもよいし、2枚・3枚・5枚以上であってもよい。また、フィン15は、上記実施形態のように、吸気部の吸い込み流れの方向に沿う形状・配置であることが好ましいが、吸い込み流れの方向に沿わない形状・配置、すなわち、曲がりを有する形状・配置であってもよい。
本発明の一実施形態に係るスクリュ圧縮機を備えた圧縮機システムを示す図である。 図1に示すスクリュ圧縮機の吸気部の構造と、フィンの変形例とを示す図である。 消音効果の実測結果を示すグラフである。
1:スクリュ圧縮機(液体潤滑式圧縮機)
2:油回収器(液体回収器)
3:油冷却器(液体冷却器)
6:三方弁(切替手段)
13:油循環配管(液体循環経路)
14:吸気ケーシング(吸気部)
15:フィン(伝熱部材)
100:圧縮機システム

Claims (6)

  1. 吸気部と、
    前記吸気部に連通する回転式または往復動式の圧縮部と、
    を備える液体潤滑式圧縮機であって、
    前記吸気部内に配設された液体循環経路と、
    前記吸気部内に配設され、当該吸気部内を流れる吸気ガスと、前記液体循環経路を流れ当該吸気ガスとの間に温度差を有する液体との間の熱交換を促進させるための伝熱部材と、
    前記液体循環経路への前記液体の供給と停止とを切り替える切替手段と、
    を備え
    前記圧縮部で発生する圧力脈動周波数と前記吸気部の共鳴周波数とがずれるように、前記切替手段を介して前記液体循環経路へ前記液体を流し、前記伝熱部材により前記熱交換を促進させつつ、前記吸気部内の吸気ガスの温度を変化させる、液体潤滑式圧縮機。
  2. 前記液体循環経路と前記伝熱部材とは接触していることを特徴とする、請求項1に記載の液体潤滑式圧縮機。
  3. 前記伝熱部材は、板部材であって、前記吸気ガスの流れに沿う方向に配設されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の液体潤滑式圧縮機。
  4. 前記伝熱部材は、複数の板部材であって、前記吸気部の中心軸回りに当該吸気部内を仕切るように配設されていることを特徴とする、請求項3に記載の液体潤滑式圧縮機。
  5. 前記液体循環経路は、前記中心軸に沿って配置され、当該中心軸部において前記複数の板部材と接触していることを特徴とする、請求項4に記載の液体潤滑式圧縮機。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の液体潤滑式圧縮機と、
    前記液体潤滑式圧縮機から吐出した液体を回収する液体回収器と、
    前記液体回収器から供給された液体を冷却する液体冷却器と、
    前記液体冷却器のバイパス経路と、
    を備える圧縮機システム。
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