JP5184309B2 - 磁界検出素子 - Google Patents

磁界検出素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5184309B2
JP5184309B2 JP2008292556A JP2008292556A JP5184309B2 JP 5184309 B2 JP5184309 B2 JP 5184309B2 JP 2008292556 A JP2008292556 A JP 2008292556A JP 2008292556 A JP2008292556 A JP 2008292556A JP 5184309 B2 JP5184309 B2 JP 5184309B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
film
magnetic
soft magnetic
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008292556A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009145327A (ja
Inventor
賢一 大森
卓也 相沢
知 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2008292556A priority Critical patent/JP5184309B2/ja
Publication of JP2009145327A publication Critical patent/JP2009145327A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5184309B2 publication Critical patent/JP5184309B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)

Description

本発明は、軟磁性体に電流を通電し、外部磁界の印加に対する出力の変化を検出する磁界検出素子に関するもので、小型化が可能でかつ高感度の磁界検出素子に関するものである。
近年、携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のモバイル機器において、小型で高感度な磁界検出素子に対する要求が高まっている。高感度な磁界検出素子として、フラックスゲートセンサや、アモルファスワイヤを用いた磁気インピーダンス効果素子が用いられているが、フラックスゲートセンサはコイルの巻数を要すること、磁気コアの反磁界を小さくするために磁気コアの長さを長くすることが必要であり、小型化が困難である。一方、アモルファスワイヤを用いた磁気インピーダンス効果素子は、ワイヤを用いているため、基板へのはんだ付けやバイアスコイル(ピックアップコイル)の巻き付けに特殊なプロセスが必要となり、製造コストが高いといった問題がある。
特許文献1〜3には、軟磁性体膜を用いた薄膜型磁気インピーダンス効果素子が提案されている。また、特許文献4には、磁気コアに直接高周波電流またはパルス電流を通電し、磁気コア周囲に巻かれたピックアップコイルに誘起される誘導起電力の変化を読み取る直交フラックスゲートセンサが提案されている。
これらに対して、バイアスコイル(ピックアップコイル)を薄膜プロセスにて形成する検討がなされており、特許文献5では、薄膜プロセスを用いて磁気インピーダンス効果素子およびソレノイド型のバイアスコイル、負帰還コイルを集積したセンサが提案されている。
また、特許文献6〜8では、平面スパイラルコイルにてバイアスコイル(ピックアップコイル)を形成している。
また、特許文献9では、軟磁性体膜の両端部の反磁界を生じる部位を外して通電できるように電極を配置している。
また、特許文献10では、小型化したときの反磁界による感度の低下を防ぐために、平行フラックスゲートセンサにおいて、H字型の磁気コアを形成し、中心部(感磁部)の周囲にコイルを巻き回して感磁部を励磁し、外側の幅広部分を集磁部として用いている。
特許第3210933号公報 特許第3650575号公報 特許第3656018号公報 特許第2617498号公報 特開平11−109006号公報 特開2003−163391号公報 特開2006−201123号公報 特開2001−194181号公報 特開2004−039837号公報 特開2006−234615号公報
従来、薄膜型の磁界検出素子においては、略長方形状の軟磁性体膜またはそれらを複数個折り返して形成したメアンダ形状の軟磁性体膜に直流電流を通電して、外部磁界による抵抗値変化(すなわち磁気抵抗効果に起因する電圧出力の変化)を検出する磁気抵抗効果素子がある。
また、略長方形状の軟磁性体膜またはそれらを複数個折り返して形成したメアンダ形状の軟磁性体膜に高周波電流を通電して、外部磁界による幅方向透磁率により、表皮効果における表皮深さが変化することによるインピーダンス変化を利用した磁気インピーダンス効果素子がある。
また、略長方形状の軟磁性体膜またはそれらを複数個折り返して形成したメアンダ形状の軟磁性体膜の周囲に、薄膜プロセスによりコイルを形成し、軟磁性体膜に交流電流またはパルス電流を通電することにより軟磁性体膜を励磁し、コイルに誘起される誘導出力を検出する直交フラックスゲート素子がある。
これらの薄膜型磁界検出素子においては、軟磁性体膜の形状に起因する反磁界の影響を受けることにより磁界検出素子の出力が変化する。すなわち、長さが等しい磁界検出素子においては、軟磁性体膜の、磁界検出素子の感磁方向に垂直な方向の断面積が大きいほど、感磁方向の反磁界が大きくなり、磁界検出素子の感度は低下する。
また、軟磁性体膜の感磁方向に垂直な方向の断面積が一定であれば、軟磁性体膜の感磁方向における長さが短くなるほど、反磁界は大きくなり、磁界検出素子の感度は低下する。この件に関しては、特許文献9において詳細な検討がなされている。
一方、携帯機器等における小型化の要求や、磁界検出における空間分離能の向上などの観点から、磁界検出素子の小型化が試みられている。しかしながら、先に述べたように磁界検出素子の長さが短くなるほど反磁界が大きくなり、磁界検出素子の感度は低下する。そこで、反磁界を小さくするために磁界検出素子の感磁方向に垂直な方向の断面積を小さくすると、以下のような問題がある。
磁界検出素子の感磁方向に垂直な方向の断面積を小さくするため、軟磁性体膜の膜厚を小さくする場合、例えば磁気インピーダンス効果素子においては、表皮効果における表皮深さが、膜厚に対して十分に薄くならないため、インピーダンスの変化が小さく、磁界検出素子としての感度が低下する。また、直交フラックスゲート素子においては、軟磁性体膜が薄くなることにより、コイルと鎖交する磁束が減少するため、誘導出力が小さくなり、磁界検出素子としての感度が低下する。また、薄膜型の磁界検出素子において膜厚を薄くすると、体積に対する比表面積が大きくなるため、表面エネルギーの増大により軟磁性体の保磁力が増大し、磁界検出素子のヒステリシスが増大し、磁界検出特性が悪化するといった欠点がある。
また、軟磁性体膜の膜厚を一定にして幅を細くすることで断面積を小さくし、反磁界を低減する方法も有効であるが、軟磁性体膜の幅が細くなるにつれ、膜断面におけるアスペクト比が増大し、加工が困難になるのに加え、幅方向における反磁界が大きくなる。このため、磁気インピーダンス効果素子や直交フラックスゲート素子において必要となる素子幅方向への一軸異方性を付与する際、長手方向を向く還流磁区の割合が大きくなり、異方性分散が大きくなるため、磁界検出素子の感度が低下する。また、軟磁性体膜の幅が細くなるほど、幅方向端部でのエッジ効果の影響が大きくなり、磁界検出特性が悪化するといった欠点がある。
すなわち、略長方形状の軟磁性体膜またはメアンダ形状の軟磁性体膜を用いた磁界検出素子においては、素子のサイズと感度はトレードオフの関係にあり、感度を維持したまま小型化するのは難しい。
図1は、磁界検出素子における感磁体である短冊状の軟磁性体膜に、外部より5Oe(400A/m)の静磁界を印加した際の軟磁性体膜内部における磁束密度を、有限要素法により三次元静磁界解析した結果の一例である。この例において、軟磁性体膜の幅は30μm、膜厚は1μmである。また、長さを0.25mm、0.5mm、1mm、1.5mm、2mmの5通りに変えて解析した。
図1のグラフに示すように、軟磁性体膜の長さが1mm以上の場合においては、反磁界により素子両端の300μm程度の領域では磁束密度が低下しているものの、中心付近ではほぼ同等の磁束密度の値を示している。しかしながら、1mmより短い場合、中心付近の磁束密度が、長さ1mm以上のものに比べ、長さ0.5mmのものでは約2/3、長さ0.25mmのものでは約1/4であり、急激に低下していることがわかる。このことは、略長方形の軟磁性体膜の長手方向における両端約300μm程度が反磁界の発生する領域であり、両側併せて約600μmは反磁界の影響を受けることを示している。したがって、磁界検出素子の軟磁性体膜の長さが600μmよりも短い場合、軟磁性体膜の長手方向全域にわたって反磁界が発生するため、磁界検出素子の感度が著しく低下することになる。
一方図2は、磁界検出素子における感磁体である短冊状の軟磁性体膜に、外部より5Oe(400A/m)の静磁界を印加した際の軟磁性体膜内部における磁束密度を、有限要素法により三次元静磁界解析した結果の別の例である。この例において、軟磁性体膜の膜厚は1μm、長さは1mmである。また、幅を、30μm、60μm、120μmの3通りに変えて解析した。
図2のグラフに示すように、軟磁性体膜の幅が増加するほどに反磁界により内部磁束密度が小さくなっているが、長さを短くしたときほど顕著な磁束密度の低下は見られない。すなわち、軟磁性体膜の内部に発生する反磁界に対しては、軟磁性体膜の長さの影響が大きいことがわかる。したがって、磁界検出素子のサイズを小さくしようとした場合、軟磁性体膜の長さが短くなることによる反磁界の増大が磁界検出素子の感度の低下を招くことになる。
一方で、特許文献6〜8などにより、バイアス磁界の印加用あるいは誘導出力の検出用に、平面渦巻き状コイルを軟磁性体膜の近傍に配した磁界検出素子が提案されている。しかしながら、特許文献6および特許文献8で平面渦巻き状コイルを用いた場合、同一面上で逆方向の磁界が発生する。このようなコイルの逆相磁界発生部を避けて軟磁性体膜を配置しなければならないため、逆相磁界発生部に相当する分、軟磁性体膜の長さを短くしなければならず、先に述べた理由から磁界検出素子の感度が低下するといった欠点があった。特許文献7では、平面渦巻きコイルの逆相磁界発生部まで軟磁性体膜を伸長し、渦巻き中心と片側の端部に電極を設け、同相磁界発生部に該当する部分にのみ電流を通電することにより、この問題を解決している。
しかしながら、磁界検出素子の小型化を考えた場合、この方法を用いても軟磁性体膜の長さが1mmより短くなるような場合では反磁界による感度の低下が著しいため、小型化と高感度化を両立させることは難しい。
また、特許文献9の平行フラックスゲートセンサは、コイルを中心の感磁部に巻き回す構造をしているため、同一サイズで比較した場合、端部に集磁部を設けている分、励磁コイルおよび検出コイルの巻き数が減少する。平行フラックスゲートセンサは、コイルに時間的に変化する電流を通電することで励磁するため、コイルの巻き数が減少すると励磁効率が低下してしまう。その励磁効率の低下を補うために通電する電流を大きくすると、消費電力が大きくなる。また、検出コイルの巻き数も減少するため、感度を大きくすることが難しいという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小型化と高感度化を両立させることが可能な磁界検出素子を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、非磁性基板上に形成された感磁部となる軟磁性体膜と、前記軟磁性体膜と上下に重なる位置に絶縁層を介して配され、電流の方向が逆向きとなるように巻き回され電気的に直列に接続された2つの平面スパイラルコイルとを少なくとも備え、前記感磁部に電流を通電し、外部磁界の印加に対する感磁部またはコイルにおける電圧出力を検出する磁界検出素子であって、前記軟磁性体膜は、前記2つの平面スパイラルコイルの渦巻き中心間を結ぶ直線に対し略平行となるように配置され、前記2つの平面スパイラルコイルの渦巻き中心間の同相磁界発生部にて電流を通電するよう電極が形成されており、前記電極間における前記軟磁性体膜の通電部は、その長手方向が前記コイルの電流方向と略直交して横切るように配されており、さらに前記軟磁性体膜は、前記2つの平面スパイラルコイルの渦巻き中心間より外側の逆相磁界発生部に、前記通電部の外側に同一平面内で連続した集磁部を有し、前記集磁部は、前記通電部の幅よりも幅が広くなったパターンを有することを特徴とする磁界検出素子を提供する。
本発明の磁界検出素子において、前記軟磁性体膜は、複数本の長手方向を有する軟磁性体膜からなり、各軟磁性体膜は前記通電部および前記集磁部を有し、かつ前記集磁部は、前記通電部のそれぞれの端から前記逆相磁界発生部における前記コイルの電流方向を横切って、前記長手方向と同一方向に伸長されているものとすることができる。
前記磁界検出素子は、前記コイルに直流またはパルス状の電流を通電してバイアス磁界を発生させるとともに、前記通電部に高周波電流またはパルス状の電流を通電し、外部磁界によるインピーダンス変化に起因する電圧出力を検出する磁気インピーダンス効果素子であるものとすることができる。また、前記通電部に交流電流またはパルス状の電流を通電し、外部磁界によりコイルに誘起される誘導出力を検出する直交フラックスゲート素子であるものとすることができる。また、前記コイルに直流またはパルス状の電流を通電してバイアス磁界を発生させるとともに、前記通電部に直流電流またはパルス状の電流を通電し、外部磁界による抵抗値変化に起因する電圧出力を検出する磁気抵抗効果素子であるものとすることができる。
前記磁界検出素子における軟磁性体膜のパターンが、軟磁性体膜と、非磁性金属膜および/または非磁性絶縁体膜とが積層されてなる積層膜により構成されているものとすることができる。
本発明によれば、感磁部となる軟磁性体膜が、平面スパイラルコイルの逆相磁界発生部に、通電部よりも幅広の集磁部を有するものであるので、反磁界による感度の低下を抑制することができる。また、軟磁性体膜において、通電電極および軟磁性体膜の通電部を、平面スパイラルコイルの同相磁界発生部に該当する部分のみに配置したので、逆相磁界発生部から発生する磁界の影響を低減することができる。したがって、小型化と高感度化を両立させることが可能な磁界検出素子を提供することができる。また、軟磁性体膜の通電部に直接電流を通電して励磁するため、励磁コイルを巻き回す必要がなく、構造を単純にすることができる。
また、本発明によれば、平面スパイラルコイルと軟磁性体膜を1つの非磁性基板上に集積したものであるので、磁界検出素子におけるピックアップコイルやバイアスコイルを別途用意する必要がなく、磁界検出素子の小型化が可能である。また、コイルとして、平面スパイラルコイルを用いたので、作製プロセスが容易である。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図3は、本発明の磁界検出素子の第1形態例を示し、図3(a)は平面図、図3(b)は軟磁性体膜および電極の配置を説明する平面図である。図4は、本発明の磁界検出素子の長手方向に沿う模式的断面図である。図5(a)、(b)は軟磁性体膜のパターンの例を示す平面図である。なお、図3(a)の平面図は、非磁性基板および絶縁層の図示を省略して、軟磁性体膜および電極と、その上に配されるスパイラルコイルとが、非磁性基板上において上下に重なる位置にあることを示している。
図3〜図5に示す磁界検出素子10Aの概略構成は、非磁性基板10a上に形成された感磁部となる軟磁性体膜11と、この軟磁性体膜11と上下に重なる位置に絶縁層10bを介して配され、巻き方向(電流の流れる方向)が逆向きで電気的に直列に接続された2つの平面スパイラルコイル14a,14bとを少なくとも備え、感磁部に電流を通電し、外部磁界の印加に対する感磁部またはコイルにおける電圧出力を検出するものである。
非磁性基板10aは、シリコン(Si)、ガラス、セラミックなどの非磁性材料から構成することができる。具体例としては、熱酸化シリコン基板が挙げられる。
絶縁層10bは、平面スパイラルコイル14a,14bと、軟磁性体膜11との間を電気的に絶縁するため、非磁性の絶縁体からなる。絶縁体としては、感光性ポリイミドなどの絶縁性樹脂のほか、SiOやAl等の金属酸化物、SiやAlN等の金属窒化物等が挙げられる。
軟磁性体膜11は、2つの平面スパイラルコイル14a,14bの渦巻き中心間を結ぶ直線に対し略平行となるように配置され、2つの平面スパイラルコイル14a,14bの渦巻き中心間の同相磁界発生部にて電流を通電するよう電極12a,12bが形成されており、電極12a,12b間における軟磁性体膜11の通電部11cは、その長手方向がコイルの電流方向と略直交して横切るように配されている(図3を参照)。
この軟磁性体膜11を構成する軟磁性体としては、一軸異方性を付与できるものであれば特に限定されないが、例えばCo85Nb12Zr、NiFe、FeSiAl、CoFeSiBなどが挙げられる。
なお、本発明において、2つの平面スパイラルコイル14a,14bの同相磁界発生部とは、2つのスパイラルコイル14a,14bのそれぞれの中心部15a,15bの間の領域、すなわち、一方のスパイラルコイル14aの中心部15aと、他方のスパイラルコイル14bの中心部15bとの間の領域である。これに対して、それぞれの中心部15a,15bより外側の領域、例えば図4において、一方のスパイラルコイル14aの中心部15aより左側の領域および他方のスパイラルコイル14bの中心部15bより右側の領域は、逆相磁界発生部である。
電極12a,12bの位置は、軟磁性体膜11のうち同相磁界発生部に位置する部分が通電部11cとなるよう、同相磁界発生部の外側(すなわち、スパイラルコイル14a,14bの中心部15a,15bまたはその外側)に設けられる。反磁界の影響を抑制するため、逆相磁界発生部よりも内側に電極12a,12bを配置することが望ましく、スパイラルコイル14a,14bの中心部15a,15b(コイル内周より内側の空隙部)またはその近傍に設けることが好ましい。
本形態例の磁界検出素子によれば、1個の軟磁性体膜を有する磁界検出素子において、感磁部となる軟磁性体膜が、平面スパイラルコイルの逆相磁界発生部に、通電部よりも幅広の集磁部を有するものであるので、反磁界による感度の低下を抑制することができる。また、軟磁性体膜において、通電電極および軟磁性体膜の通電部を、平面スパイラルコイルの同相磁界発生部に該当する部分のみに配置したので、逆相磁界発生部から発生する磁界の影響を低減することができる。したがって、感度を損なうことなく素子の小型化が可能になる。
また、平面スパイラルコイルと軟磁性体膜を1つの非磁性基板上に集積したものであるので、磁界検出素子におけるピックアップコイルやバイアスコイルを別途用意する必要がなく、磁界検出素子の小型化が可能である。また、コイルとして、平面スパイラルコイルを用いることにより、作製プロセスが容易になる。
電極12a,12bを通じて軟磁性体膜11の通電部11cに電流を通電するため、電極12a,12bは、末端に外部接続用のパッド13a,13bを備える配線13c,13dに接続されている。電極12a,12b、配線13c,13dおよびパッド13a,13bは、例えば銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の良導体金属から構成することができる。これらは、別々に形成された電極、配線およびパッドが互いに電気的に接続されたものであっても良く、あるいは、一体的に形成された導体層からなるものであっても良い。
さらに本形態例の磁界検出素子10Aにおいては、軟磁性体膜11は、2つの平面スパイラルコイル14a,14bの渦巻き中心間より外側の逆相磁界発生部に、通電部11cの外側に同一平面内で連続した集磁部11a,11b(図4を参照)を有し、集磁部11a,11bは、通電部11cの幅Wcよりも幅Wa,Wbが広くなったパターン(図5を参照)を有することを特徴とする。
ここで、通電部11cから集磁部11a,11bまで幅が広がった形状とは、図5(a)に示すように、通電部11cと集磁部11aとの境界部またはその近傍において、軟磁性体膜の幅が段階的(ステップ状)に広がっている形状であっても良い。あるいは、図5(b)に示すように、通電部11cと集磁部11aとの境界部またはその近傍においては集磁部11aの幅が通電部11cの幅と同程度で、そこから軟磁性体膜の幅が徐々に広がっている形状であっても良い。一方の側の集磁部11aと他方の側の集磁部11bとは、同一の形状でも良く、異なる形状(通電部11cに対して非対称)でも良い。さらに、一方の側の集磁部11aの幅Waと他方の側の集磁部11bの幅Wbが等しくても異なっていても良く、一方の側の集磁部11aの長さLaと他方の側の集磁部11bの長さLbが等しくても異なっていても良い。
2つの平面スパイラルコイル14a,14bは、絶縁層10b上に形成された1層の導体層から構成され、外周側の端部同士で直列に接続されている。この導体層は、例えば銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の良導体金属の薄膜から構成することができる。
2つのスパイラルコイル14a,14bからなるコイル部14は、電流を通じることでバイアス磁界を発生するバイアスコイル、もしくは外部磁界により出力電圧が誘起されるピックアップコイルとして用いることができる。スパイラルコイル14a,14bに通電するため、もしくは出力電圧を取り出すため、各スパイラルコイル14a,14bの内周側の端部14c,14dは、末端に外部接続用のパッド16a,16bを備える配線16c,16dに接続されている。
本形態例においては、コイル用の配線16c,16dは、絶縁層10bの下側に形成されたアンダーパスとしても、コイル部14の上に他の絶縁層を設けてその上に配されたオーバーパスとしても良い。アンダーパスの場合は、内周側の端部14c,14dの位置において絶縁層10bに形成された開口部(図示せず)を通じて配線16c,16dの一端をスパイラルコイル14a,14bに導通し、配線16c,16dの他端に設けられたパッド16a,16bは、絶縁層10bに形成された他の開口部(図示せず)を通じて、外部接続用に露出される。
コイル部14の上には、素子やコイルを保護するための保護膜(図示せず)を例えば樹脂などの絶縁体により設けることが好ましい。素子やコイルを外部回路と接続するため、保護膜にはコンタクトホールが設けられる。保護膜の材料および形成方法は、コイルと軟磁性体膜との間の絶縁層10bと同様でも、異なるものでも良い。
次に、本形態例の磁界検出素子の製造方法の一例について説明する。
まず、熱酸化シリコン基板やガラス基板などの非磁性基板10aの上に、軟磁性体膜11を形成する。軟磁性体膜を形成する方法としては、例えばフォトレジストにより所望のパターンを非磁性基板上に形成した後、Co85Nb12Zr、NiFe、FeSiAl、CoFeSiBなどの軟磁性金属のスパッタリング等によって軟磁性体膜を成膜したのち、レジストを除去してリフトオフによりパターニングする方法が挙げられる。あるいは、軟磁性体膜をスパッタリングにより成膜した上に、フォトレジストによって所望の形状のレジストパターンを形成したのち、ウエットエッチングやドライエッチングなどによりレジストパターンの外側の不要な軟磁性体膜を除去して、所望の形状の軟磁性体膜を形成するようにしても良い。また、シード層をスパッタした後にレジストフレームを形成し、NiFe等の軟磁性体のめっきにより軟磁性体膜を形成してもよい。軟磁性体膜の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば1〜5μmとすることができる。
また、軟磁性体膜11に一軸異方性を付与する方法としては、例えば400℃、3kGの回転磁場中熱処理およびそれに引き続いて400℃、3kGの静磁場中熱処理を行う方法が挙げられる。回転磁場中熱処理では、成膜中に軟磁性体膜に導入された不均一な異方性を緩和することができ、静磁場中熱処理では、軟磁性体膜に印加した磁界の方向に一軸異方性を付与することができる。
次に、軟磁性体膜11の所定の位置に電極12a,12bを形成する。その形成方法の一例として、例えば以下の方法が挙げられる。Cr,Ti,TiWなどの密着層を介してCuなどのシード層をスパッタにより形成したのち、シード層上に電極を形成する部分が開口したレジストフレームを形成する。レジスト開口部にCuなどの電解めっき等によりめっき層を形成した後、レジストを剥離する。さらにめっき層をマスクとして外側の不要なシード層をウエットエッチングやドライエッチングなどにより除去することにより、電極用の導体層を形成することができる。
導体層を形成する他の方法としては、Al,Cu,Au,Ag,Ptなどの良導体をスパッタや真空蒸着により形成し、フォトリソグラフィーによりパターニングした後、ウエットエッチング、ドライエッチング、イオンミリング等により形成しても良い。また、前記良導体を、レジストフレーム形成後にスパッタや真空蒸着により成膜し、リフトオフによりフレーム内部の導体層を残すことで形成しても良い。
コイル用の配線16c,16dをアンダーパスとするときは、非磁性基板10aの上に形成することができる。配線13c,13d,16c,16dおよびパッド13a,13b,16a,16bは、電極12a,12bと同じ手法によって形成することができる。
次に、軟磁性体膜11を覆うように絶縁層10bを非磁性基板10a上に形成する。絶縁層10bを、感光性樹脂(ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、シリコーン樹脂など)で作製する場合には、当該感光性樹脂の前駆体を塗布したのち、電極パッドと外部とのコンタクト部を接続するための開口部(図示略)をフォトリソグラフィーにより形成する。続いて、感光性樹脂を硬化させるための熱処理を施す。このとき、軟磁性体膜11に付与した一軸異方性が樹脂の熱処理および熱処理時に加わる応力により乱れるのを防ぐために、静磁場中にて熱処理を行うことが望ましい。
絶縁層10bは、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの無機絶縁体で形成することもできる。この場合の形成方法としては、例えば、スパッタやプラズマCVD等により成膜した無機絶縁体膜をフォトリソグラフィーによりパターニング後、ドライエッチング等によりコンタクトホールを形成する方法が挙げられる。
次に、絶縁層10b上に、コイル部14を形成する。コイル部14を形成する方法としては、Cr,Ti,TiW等を密着層としたCu等のシード層をスパッタ等により成膜し、得られた導体層(シード層)の上に、フォトリソグラフィーによりコイルに対応した形状に開口したレジストフレームを設けた後、Cuの電解めっき等によりめっき層を形成し、さらに、レジストおよびシード層の除去を行うことにより、導体層をパターニングする方法が挙げられる。
次に、コイル部14を絶縁し、素子を保護するための保護膜と、外部回路と接続するための電極パッドを形成する。コイル用の配線16c,16dをオーバーパスとするときは、保護膜の上に形成することができる。
以上の工程により、本形態例の磁界検出素子を作製することができる。
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、図6〜図8に示すように、軟磁性体膜11が、複数本の長手方向を有する軟磁性体膜からなり、各軟磁性体膜は通電部11cおよび集磁部11a,11bを有し、かつ集磁部11a,11bは、通電部11cのそれぞれの端から逆相磁界発生部におけるコイルの電流方向を横切って、各軟磁性体膜の長手方向と同一方向に伸長されているものとすることができる。
これらの磁界検出素子10B,10C,10Dにおいては、非磁性基板10a上に感磁部として、その軸が平行となるように複数個の軟磁性体膜11が形成されている。また、これらの軟磁性体膜11と上下に重なる位置に絶縁層10bを介し、巻き方向(電流の流れる方向)が逆向きで電気的に直列に接続された2つの平面スパイラルコイル14a,14bからなるコイル部14が配されている。
複数個の軟磁性体膜11は、2つの平面スパイラルコイル14a,14bの渦巻き中心間を結ぶ直線に対し略平行となるように配置され、2つの平面スパイラルコイル14a,14bの渦巻き中心間の同相磁界発生部にて電流を通電するよう電極12a,12bが形成されており、電極12a,12b間における軟磁性体膜11の通電部11cは、その長手方向がコイルの電流方向と略直交して横切るように配されている。
さらに各軟磁性体膜11は、2つの平面スパイラルコイル14a,14bの渦巻き中心間より外側の逆相磁界発生部に、通電部11cの外側に同一平面内で連続した集磁部11a,11bを有する。複数個の軟磁性体膜11のうち少なくとも1個は、集磁部11a,11bが、通電部11cの幅よりも幅が広くなったパターンを有する。すなわち、各軟磁性体膜11の全体としては、各軟磁性体膜11の集磁部11a,11bの幅の合計が、各軟磁性体膜11の通電部11cの幅の合計よりも広くなっている。
ここで、通電部11cから集磁部11a,11bまで幅が広がった形状とは、図5(a)に示すように、通電部11cと集磁部11aとの境界部またはその近傍において、軟磁性体膜の幅が段階的(ステップ状)に広がっている形状であっても良い。あるいは、図5(b)に示すように、通電部11cと集磁部11aとの境界部またはその近傍においては集磁部11aの幅が通電部11cの幅と同程度で、そこから軟磁性体膜の幅が徐々に広がっている形状であっても良い。
図7に示すように、集磁部11aの幅が、長手方向に対して対称に(両側に)広がっている形状であっても良い。また、図6、図8に示すように、集磁部11aの幅が、長手方向に対して非対称に(片側のみに)広がっている形状であっても良い。図8に示すように、複数個が平行に配された軟磁性体膜11のうち、幅方向(図8の左右方向)の内側に配される軟磁性体膜11は通電部11cから集磁部11a,11bまで幅が同程度である略長方形状であり、外側に配される軟磁性体膜11は通電部11cより集磁部11a,11bの幅が広くなったパターンを有するものであっても良い。図8の例では、外側に配される軟磁性体膜11は集磁部11aの幅が非対称(片側)に広がっている形状を有するが、図7の対称(両側)に広がっている形状の軟磁性体膜11を、図8の外側に配される軟磁性体膜11として配しても良い。
電極12a,12bは、複数個の軟磁性体膜11が折り返して直列接続され、メアンダ形状となるように配置される。各軟磁性体膜11には、電極12a,12bが2箇所に配され、その電極12a,12b間の部分が通電部11c、外側の部分が集磁部11a,11bとなる。
電極12a,12bの位置は、軟磁性体膜11のうち同相磁界発生部に位置する部分が通電部11cとなるよう、同相磁界発生部の外側(すなわち、スパイラルコイル14a,14bの中心部15a,15bまたはその外側)に設けられる。反磁界の影響を抑制するため、逆相磁界発生部よりも内側に電極12a,12bを配置することが望ましく、スパイラルコイル14a,14bの中心部15a,15b(コイル内周より内側の空隙部)またはその近傍に設けることが好ましい。
このように、複数個の軟磁性体膜を有する磁界検出素子において、感磁部となる軟磁性体膜が、平面スパイラルコイルの逆相磁界発生部に、通電部よりも幅広の集磁部を有するものであるので、反磁界による感度の低下を抑制することができる。また、軟磁性体膜において、通電電極および軟磁性体膜の通電部を、平面スパイラルコイルの同相磁界発生部に該当する部分のみに配置したので、逆相磁界発生部から発生する磁界の影響を低減することができる。したがって、感度を損なうことなく素子の小型化が可能になる。
また、平面スパイラルコイルと軟磁性体膜を1つの非磁性基板上に集積したものであるので、磁界検出素子におけるピックアップコイルやバイアスコイルを別途用意する必要がなく、磁界検出素子の小型化が可能である。また、コイルとして、平面スパイラルコイルを用いることにより、作製プロセスが容易になる。
感磁部となる軟磁性体膜は、軟磁性体膜と、非磁性金属膜および/または非磁性絶縁体膜とが積層されてなる積層膜により構成されたものであっても良い。かかる積層膜は、図3のような一個の軟磁性体膜パターンを有する磁界検出素子にも、図6〜図8のような複数個の軟磁性体膜パターンを有する磁界検出素子にも、適用可能である。軟磁性体膜を有する積層膜としては、例えば、CoNbZr/Al/CoNbZrやNiFe/Au/NiFe等の3層構造とした磁気インピーダンス効果素子や、Fe/Cr、Co/Cu等の多層膜金属人工格子からなる巨大磁気抵抗効果素子などが挙げられる。
図9は、長方形の軟磁性体膜の内部における磁束密度とともに、長方形の両端部の幅を広くした形状の軟磁性体膜の内部における磁束密度を、有限要素法により三次元静磁界解析した結果の一例である。
長方形の両端部の幅を広くした軟磁性体膜の形状は、図5(b)に示すとおりである。具体的には、磁界検出素子の感磁方向の長さ(La+Lb+Lc)を0.5mmとすることを想定し、平面スパイラルコイルにおいてコイルの線幅が均一であるとすると、通電部は250μm程度となり、同相磁界発生部のみに軟磁性体膜を配したときの軟磁性体膜の長さは250μm程度である。また、集磁部を通電部の両端から伸長して設けるならば、集磁部の長さは、それぞれ125μm程度である。さらにコイルの配線引き回し用のコンタクトホールや電極の位置を考慮して、本解析例においては、通電部11cの幅Wcを30μm、通電部11cの長さLcを280μm、集磁部11a,11bの長さLa,Lbをそれぞれ110μmとした。
また、それぞれの集磁部11a,11bの幅Wa,Wbを、70μm、110μm、190μmの3通りに変えて解析した。通電部11cから集磁部11a,11bまでは、45°の角度で徐々に広がる形状とした。
軟磁性体膜の膜厚は、いずれも1μmである。図9では、長方形の両端部の幅を広くした形状の軟磁性体膜について、Wa,Wbが70μmのものを「A70」、Wa,Wbが110μmのものを「A110」、Wa,Wbが190μmのものを「A190」とし、長方形の軟磁性体膜(幅はいずれも30μm)について、長さが1000μmのものを「B1000」、長さが500μmのものを「B500」、長さが250μmのものを「B250」として示した。
図9のグラフに示すように、軟磁性体膜の端部に幅広の集磁部を設けることにより、軟磁性体膜の長手方向中央付近での磁束密度は、端部の集磁部の幅が広くなるほど増加し、幅190μmのもの(「A190」)では、長さ1000μmの長方形の軟磁性体膜(「B1000」)と同様の磁束密度が得られていることが分かる。このことは、端部に集磁部を設けることにより、長さ500μm、通電部280μmの磁界検出素子においても、長さ1mmの磁界検出素子と同等の感度を有することを示している。
また、図5(b)に示すように、軟磁性体膜の端部に幅広の集磁部を設けたものについては、端部の集磁部にあたる部分において磁束密度が急峻に減少しており、集磁部の無いものよりも反磁界が大きくなっていることが分かる。平面スパイラルコイルをバイアス磁界印加手段(バイアスコイル)として用いた場合、逆相磁界発生部まで伸長した軟磁性体膜を通じて、逆相磁界が感磁部に漏れ出してくることにより、感度が低下する。しかし、端部に幅広の集磁部を設けた場合には、軟磁性体膜の端部近傍(本解析例では約100μmの部分)で局所的に反磁界が強くなっているため、逆相磁界が反磁界により打ち消されるため、逆相磁界による感度の低下を小さくすることができる。
(集磁部が通電部と同じ幅である素子との比較)
通電部と同じ幅の集磁部を幅広の集磁部と比較するため、図10に示すように、通電部11cの両端の集磁部11a,11bを幅広にした場合と、図11に示すように、通電部11cおよび集磁部11a,11bが同じ幅である場合を比較した。
図12(a)は、図10に示す本発明の素子において、パルス幅30ns、立上がり時間3ns、繰返し周期1ms、振幅100mAのパルス電流を通電部11cに通電したときのコイルの出力電圧を測定したものである。図10において、通電部11cの幅は30μmであり、集磁部11a,11bの幅は最大で115μmである。また、図12(b)は、図11に示す従来例の素子において、図12(a)と同条件のパルス電流を通電部11cに通電したときのコイルの出力電圧を測定したものである。図11において、通電部11cおよび集磁部11a,11bの幅は30μmである。
図12(a)と図12(b)との比較から、集磁部11a,11bの幅を通電部11cの幅よりも広くすることで、磁界に対する感度が向上していることがわかる。
また、図13(a)は、図10に示す素子の通電部に高周波電流を通電したときの外部磁界に対するインピーダンス変化の一例を示し、図13(b)は、図11に示す素子の通電部に高周波電流を通電したときの外部磁界に対するインピーダンス変化の一例を示す。通電した高周波電流は、いずれも周波数が300MHzである。高周波電流を通電した場合においても、図10に示す幅広の集磁部を有する素子は、感度が向上している上に、動作点が低磁界側に現れており、より小さいバイアス電流で駆動できることがわかる。
これらの図12および図13に示す結果は、集磁部として設けた通電部の外側の軟磁性体膜の幅を通電部の幅よりも広くすることによる、反磁界低減の効果を示しており、図9に示す電磁界解析結果に見られる傾向と一致している。したがって、長さ方向で同一サイズの素子においては、端部に形成した集磁部の幅を通電部よりも広くすることにより、反磁界を低減し、感度を向上させることが可能である。また、同一の感度を求める場合、集磁部の幅を適切な幅に広げることで、長手方向のサイズを小さくすることが可能になり、素子の小型化が可能になる。
本発明の磁界検出素子は、軟磁性体膜に磁気インピーダンス効果素子、直交フラックスゲート素子、磁気抵抗効果素子などの磁気センサとして利用することができる。
軟磁性体膜内部の磁束密度に対する素子長さの影響についての解析結果の一例を示すグラフである。 軟磁性体膜内部の磁束密度に対する素子幅の影響についての解析結果の一例を示すグラフである。 (a)は本発明の磁界検出素子の第1形態例を示す平面図であり、(b)は(a)の磁界検出素子における軟磁性体膜および電極の配置を説明する平面図である。 本発明の磁界検出素子の長手方向に沿う模式的断面図である。 (a)、(b)は軟磁性体膜のパターンの例を示す平面図である。 (a)は本発明の磁界検出素子の第2形態例を示す平面図であり、(b)は(a)の磁界検出素子における軟磁性体膜および電極の配置を説明する平面図である。 (a)は本発明の磁界検出素子の第3形態例を示す平面図であり、(b)は(a)の磁界検出素子における軟磁性体膜および電極の配置を説明する平面図である。 (a)は本発明の磁界検出素子の第4形態例を示す平面図であり、(b)は(a)の磁界検出素子における軟磁性体膜および電極の配置を説明する平面図である。 両端部の幅を広くした形状の軟磁性体膜内部の磁束密度の解析結果を、長方形状の軟磁性体膜内部の磁束密度の解析結果とともに示したグラフである。 集磁部が通電部より幅広である素子の一実施例を示す平面図である。 集磁部が通電部と同じ幅である素子の一例を示す平面図である。 図10および図11に示す素子の通電部にパルス電流を通電したときの外部磁界に対するコイルの出力電圧の一例を示すグラフである。 図10および図11に示す素子の通電部に高周波電流を通電したときの外部磁界に対するインピーダンス変化の一例を示すグラフである。
符号の説明
La,Lb…集磁部の長さ、Lc…通電部の長さ、Wa,Wb…集磁部の幅、Wc…通電部の幅、10A〜10D…磁界検出素子、10a…非磁性基板、10b…絶縁層、11…軟磁性体膜、11a,11b…集磁部、11c…通電部、12a,12b…電極、14a,14b…平面スパイラルコイル、15a,15b…平面スパイラルコイルの中心部(空隙部)。

Claims (6)

  1. 非磁性基板上に形成された感磁部となる軟磁性体膜と、前記軟磁性体膜と上下に重なる位置に絶縁層を介して配され、電流の方向が逆向きとなるように巻き回され電気的に直列に接続された2つの平面スパイラルコイルとを少なくとも備え、前記感磁部に電流を通電し、外部磁界の印加に対する感磁部またはコイルにおける電圧出力を検出する磁界検出素子であって、
    前記軟磁性体膜は、前記2つの平面スパイラルコイルの渦巻き中心間を結ぶ直線に対し略平行となるように配置され、前記2つの平面スパイラルコイルの渦巻き中心間の同相磁界発生部にて電流を通電するよう電極が形成されており、前記電極間における前記軟磁性体膜の通電部は、その長手方向が前記コイルの電流方向と略直交して横切るように配されており、
    さらに前記軟磁性体膜は、前記2つの平面スパイラルコイルの渦巻き中心間より外側の逆相磁界発生部に、前記通電部の外側に同一平面内で連続した集磁部を有し、前記集磁部は、前記通電部の幅よりも幅が広くなったパターンを有することを特徴とする磁界検出素子。
  2. 前記軟磁性体膜は、複数本の長手方向を有する軟磁性体膜からなり、各軟磁性体膜は前記通電部および前記集磁部を有し、かつ前記集磁部は、前記通電部のそれぞれの端から前記逆相磁界発生部における前記コイルの電流方向を横切って、前記長手方向と同一方向に伸長されていることを特徴とする請求項1に記載の磁界検出素子。
  3. 前記磁界検出素子は、前記コイルに直流またはパルス状の電流を通電してバイアス磁界を発生させるとともに、前記通電部に高周波電流またはパルス状の電流を通電し、外部磁界によるインピーダンス変化に起因する電圧出力を検出する磁気インピーダンス効果素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁界検出素子。
  4. 前記磁界検出素子は、前記通電部に交流電流またはパルス状の電流を通電し、外部磁界によりコイルに誘起される誘導出力を検出する直交フラックスゲート素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁界検出素子。
  5. 前記磁界検出素子は、前記コイルに直流またはパルス状の電流を通電してバイアス磁界を発生させるとともに、前記通電部に直流電流またはパルス状の電流を通電し、外部磁界による抵抗値変化に起因する電圧出力を検出する磁気抵抗効果素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁界検出素子。
  6. 前記磁界検出素子における軟磁性体膜のパターンが、軟磁性体膜と、非磁性金属膜および/または非磁性絶縁体膜とが積層されてなる積層膜により構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の磁界検出素子。
JP2008292556A 2007-11-21 2008-11-14 磁界検出素子 Expired - Fee Related JP5184309B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008292556A JP5184309B2 (ja) 2007-11-21 2008-11-14 磁界検出素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007302083 2007-11-21
JP2007302083 2007-11-21
JP2008292556A JP5184309B2 (ja) 2007-11-21 2008-11-14 磁界検出素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009145327A JP2009145327A (ja) 2009-07-02
JP5184309B2 true JP5184309B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=40916059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008292556A Expired - Fee Related JP5184309B2 (ja) 2007-11-21 2008-11-14 磁界検出素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5184309B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102753033B (zh) * 2010-01-15 2016-05-04 Mos控股公司 含有耐磨性和润滑性添加剂的粒状磷酸二氢钙产品
US9848621B2 (en) 2013-03-11 2017-12-26 The Mosaic Company Granulated feed phosphate composition including feed enzymes

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5429717B2 (ja) 2011-03-07 2014-02-26 国立大学法人名古屋大学 磁気検出装置
KR101300028B1 (ko) 2011-10-28 2013-08-29 국방과학연구소 박막 직교형 플럭스게이트 센서 소자
KR101264141B1 (ko) 2012-04-23 2013-05-14 주식회사 뉴파워 프라즈마 플라즈마 챔버의 전원 공급원을 위한 피시비 일체형 전류 전압 센서
FR2995086B1 (fr) * 2012-08-29 2014-09-12 Commissariat Energie Atomique Dispositif de mesure d'un champ magnetique a force de laplace
WO2018143122A1 (ja) * 2017-02-02 2018-08-09 アルプス電気株式会社 平衡式電流センサ
CN109347083B (zh) * 2018-12-05 2023-08-18 贵州电网有限责任公司 一种直流配电系统分布式发电电路结构
JP7378303B2 (ja) * 2019-03-29 2023-11-13 エイブリック株式会社 半導体装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003004831A (ja) * 2001-04-17 2003-01-08 Hitachi Metals Ltd 直交フラックスゲート型磁気センサ
JP4695325B2 (ja) * 2001-09-17 2011-06-08 キヤノン電子株式会社 磁気検出素子とその製造方法及び該素子を用いた携帯機器
JP4245007B2 (ja) * 2001-10-29 2009-03-25 ヤマハ株式会社 磁気センサ
JP4524195B2 (ja) * 2005-01-24 2010-08-11 キヤノン電子株式会社 磁気検出素子
JP2007279029A (ja) * 2006-03-17 2007-10-25 Citizen Holdings Co Ltd 磁気センサ素子および電子方位計

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102753033B (zh) * 2010-01-15 2016-05-04 Mos控股公司 含有耐磨性和润滑性添加剂的粒状磷酸二氢钙产品
US9848621B2 (en) 2013-03-11 2017-12-26 The Mosaic Company Granulated feed phosphate composition including feed enzymes
US10244776B2 (en) 2013-03-11 2019-04-02 The Mosaic Company Granulated feed phosphate composition including feed enzymes

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009145327A (ja) 2009-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5184309B2 (ja) 磁界検出素子
US20100045285A1 (en) Magnetic sensor element and manufacturing method thereof
KR101267246B1 (ko) 플럭스 게이트 센서 및 이것을 사용한 전자 방위계
JP2009535616A (ja) 薄膜型3軸フラックスゲート及びその製造方法
US20040150397A1 (en) Magnetic sensor and method for manufacturing the same
JP2003004831A (ja) 直交フラックスゲート型磁気センサ
EP1293792A3 (en) Magnetic detection element utilizing magneto-impedance effect, production method of the element, and portable equipment using the element
JP2008203238A (ja) 電流検知デバイス
JP2008275578A (ja) 磁気センサおよびその製造方法
JP4524195B2 (ja) 磁気検出素子
JP3360168B2 (ja) 磁気インピーダンス素子
JP2001004726A (ja) 磁界センサ
JPWO2003081271A1 (ja) 磁気検出素子及び磁気検出器、及びその製造方法
JP2015197388A (ja) フラックスゲート型磁気センサ
JP2010271081A (ja) 磁気センサ素子およびそれを用いた電子方位計と磁界検出方法
JP3676579B2 (ja) 磁気インピーダンス素子
JP2009036717A (ja) 磁気センサ
CN115128519A (zh) 磁传感器
Choi et al. Orthogonal fluxgate sensor fabricated with a Co-based amorphous wire embedded onto surface of alumina substrate
CN114690086A (zh) 磁传感器
EP3851864B1 (en) Magnetic sensor and current sensor
JP2004184098A (ja) 磁気センサ素子及びその製造方法
JP2007047115A (ja) 磁気センサ
JPH08233927A (ja) 薄膜フラックスゲート磁気センサ及びその製造方法
JP5201895B2 (ja) 磁気検出素子およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130116

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5184309

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees