JP2009036717A - 磁気センサ - Google Patents

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賢一 大森
Takuya Aizawa
卓也 相沢
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Abstract

【課題】感度やダイナミックレンジを維持したまま小型化することが容易な構造の磁気センサを提供する。
【解決手段】基板上に形成された複数個の略長方形の軟磁性体膜12と、軟磁性体膜12をメアンダ状に直列に接続した複数個の電極13と、軟磁性体膜12および電極13を覆うように形成された絶縁層と、この絶縁層上に形成され、巻き方向が逆向きで直列に接続された2つのスパイラルコイル15a,15bとを備えた磁気センサ10であって、軟磁性体膜12は、2つのスパイラルコイル15a,15bが形成された領域内に形成され、電極13は、軟磁性体膜12のうち電極13間に位置する部分が2つのスパイラルコイル15a,15bの同相磁界発生領域に配置されており、かつ軟磁性体膜12が形成された領域の全体の幅は、スパイラルコイル15a,15bの中心部16a,16bの幅よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、略長方形の軟磁性体からなる磁気コアに高周波電流またはパルス電流を通電し、長手方向の磁界の印加に対する幅方向の透磁率の変化に起因する磁気インピーダンス変化を検出する磁気インピーダンスセンサ、あるいは長手方向の磁界の印加に対するコイルの誘導出力を検出する直交フラックスゲートセンサ等の磁気センサに関するもので、簡易なプロセスにて感度を損なうことなく、磁気センサと薄膜コイルを集積したものである。
近年、携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のモバイル機器において、小型で高感度な磁気センサに対する要求が高まっている。高感度な磁気センサとして、フラックスゲートセンサや、アモルファスワイヤを用いた磁気インピーダンス効果素子が用いられているが、フラックスゲートセンサはコイルの巻数を要すること、磁気コアの反磁界を小さくするために磁気コアの長さを長くすることが必要であり、小型化が困難である。一方、アモルファスワイヤを用いた磁気インピーダンス効果素子は、ワイヤを用いているため、基板へのはんだ付けやバイアスコイル(ピックアップコイル)の巻き付けに特殊なプロセスが必要となり、製造コストが高いといった問題がある。
特許文献1〜3には、軟磁性体膜を用いた薄膜型磁気インピーダンス効果素子が提案されている。また、特許文献4には、磁気コアに直接高周波電流またはパルス電流を通電し、磁気コア周囲に巻かれたピックアップコイルに誘起される誘導起電力の変化を読み取る直交フラックスゲートセンサが提案されている。
これらに対して、バイアスコイル(ピックアップコイル)を薄膜プロセスにて形成する検討がなされており、特許文献5および非特許文献1では、薄膜プロセスを用いて磁気インピーダンス効果素子およびソレノイド型のバイアスコイル、負帰還コイルを集積したセンサが提案されている。また、特許文献6〜8には、平面スパイラルコイルにてバイアスコイル(ピックアップコイル)を形成している。
特許第3210933号公報 特許第3650575号公報 特許第3656018号公報 特許第2617498号公報 特開平11−109006号公報 特開2003−163391号公報 特開2006−201123号公報 特開2001−194181号公報 「マイクロめっき法により作製した薄膜MIセンサ」、電気学会、マグネティクス研究会、資料番号MAG−00−24、2000年、p74−84 IEEE Transactions on Magnetics、2003年、第39巻、第1号、第571頁
しかしながら、薄膜プロセスによりソレノイドコイルを形成する場合、下層配線上に絶縁層を介して磁気コアを成膜する必要があるが、下層配線により基板上に凹凸が形成され、この上に磁気コアを形成した場合に磁気特性が劣化することがある。このため、平坦化が必要である。また、構造が複雑であるためコストが高く、上下配線の接続部での導通の信頼性など、信頼性に乏しく、高い歩留まりで作製することが困難である。
また、このような問題を解決するために、特許文献6,7等では、平面型スパイラルコイルを磁気コア上に形成している。しかしながら、特許文献6のような構造で、スパイラルコイルをバイアス磁界の印加に使用した場合、コイルからの逆相磁界発生領域を避けて軟磁性体膜を成膜する必要があるため、素子のうちで軟磁性体膜の長手方向の長さがこの分だけ短くなり、同一のチップサイズであれば反磁界による感度の低下を招き、同一の感度が必要であればチップサイズを大きくする必要がある。
また、特許文献7では、上記の問題を解決するためにスパイラルコイルの中心部に電極を設け、スパイラルコイルの逆相磁界部分の軟磁性体膜に電流を通電しないものとしている。しかしながら、この構造では、軟磁性体膜形成領域の幅方向領域が狭くなり、軟磁性体の体積が稼げず、感度が悪い。また、形状が限られるため、軟磁性体膜の形状異方性による感度やダイナミックレンジの調整が難しい。そのため、感度やダイナミックレンジといった特性を維持したまま小型化するのが困難であるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、感度やダイナミックレンジを維持したまま小型化することが容易な構造の磁気センサを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、基板上に形成された複数個の略長方形の軟磁性体膜と、前記軟磁性体膜上において各軟磁性体膜につき2箇所に形成され、前記軟磁性体膜をメアンダ状に直列に接続した複数個の電極と、前記軟磁性体膜および電極を覆うように形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成され、巻き方向が逆向きで直列に接続された2つのスパイラルコイルとを少なくとも備えた磁気センサであって、前記軟磁性体膜は、前記2つのスパイラルコイルが形成された領域内に形成され、前記電極は、前記軟磁性体膜のうち前記電極間に位置する部分が前記2つのスパイラルコイルの同相磁界発生領域に配置されており、かつ前記複数個の軟磁性体膜が形成された領域の全体の幅は、前記スパイラルコイルの中心部の幅よりも大きいことを特徴とする磁気センサを提供する。
本発明の磁気センサは、前記スパイラルコイルの平面形状が矩形状であることが好ましい。
本発明によれば、軟磁性体膜形成領域の幅方向領域を広くして、感度やダイナミックレンジを維持したまま小型化することが容易になる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。図1は本形態例の磁気センサを示す平面図、図2は本形態例の磁気センサにおける軟磁性体膜および電極の配置を説明する平面図、図3は、本形態例の磁気センサにおけるスパイラルコイルの配置を説明する平面図、図4(a)は図1のA−A線に沿う断面図、図4(b)は図1のB−B線に沿う断面図である。図1の平面図は、図2に示す軟磁性体膜および電極と、図3に示すスパイラルコイルとが、基板上において上下に重なる位置にあることを示している。
図1〜図4に示す磁気センサ10は、基板11上に形成された複数個の略長方形の軟磁性体膜12と、これらの軟磁性体膜12上において、各軟磁性体膜12につき2箇所に形成され、軟磁性体膜12をメアンダ状に直列に接続した複数個の電極13と、軟磁性体膜12および電極13を覆うように形成された第1の絶縁層14と、この第1の絶縁層14上に形成され、巻き方向が逆向きで直列に接続された2つのスパイラルコイル15a,15bとを少なくとも備えた磁気センサである。
本形態例の磁気センサ10は、軟磁性体膜12が、2つのスパイラルコイル15a,15bが形成された領域内に形成され、電極13は、軟磁性体膜12のうち電極13,13間に位置する部分が2つのスパイラルコイル15a,15bの同相磁界発生領域に配置されており、かつ軟磁性体膜12が形成された領域の全体の幅W(図2参照)が、スパイラルコイル15a,15bの中心部16a,16bの幅W(図3参照)よりも大きいことを特徴としている。ここで、軟磁性体膜12が形成された領域の全体の幅Wとは、複数個の軟磁性体膜12が幅方向に並んでいる領域の幅であって、幅方向で最も外側に位置する軟磁性体膜12の外側の側面同士の距離である。また、スパイラルコイル15a,15bの中心部16a,16bの幅Wとは、スパイラルコイル15a,15bの最も内周の部分において、軟磁性体膜12の幅方向に対向した、内側の側面同士の距離である。
2つのスパイラルコイル15a,15bは、外周側の端部同士で直列に接続されており、第1の絶縁層14上に形成された1層の導体層から構成されている。この導体層は、例えば銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の良導体金属の薄膜から構成することができる。
第1の絶縁層14は、スパイラルコイル15a,15bと、軟磁性体膜12との間を電気的に絶縁するため、非磁性の絶縁体からなる。絶縁体としては、感光性ポリイミドなどの絶縁性樹脂のほか、SiOやAl等の金属酸化物、SiやAlN等の金属窒化物等が挙げられる。
スパイラルコイル15a,15bは、電流を通じることで磁界を発生するものである。スパイラルコイル15a,15bに通電するため、各スパイラルコイル15a,15bの内周側の端部15c,15dには、配線18a,18bが接続されている。
配線18a,18bは、図4に示すようにスパイラルコイル15a,15b上を覆う第2の絶縁層17の上に形成されたオーバーパス配線であり、第2の絶縁層17を貫通する貫通配線18c,18d(図4(b)参照)を介して、スパイラルコイル15a,15bの内周側の端部(詳しくはパッド)15c,15dに導通されている。配線18a,18bおよび貫通配線18c,18dは、例えば銅(Cu)、アルミニウム等の良導体金属の薄膜から構成することができる。
本発明において、2つのスパイラルコイル15a,15bの同相磁界発生領域とは、2つのスパイラルコイル15a,15bのそれぞれの中心部16a,16bの間の領域、すなわち、一方のスパイラルコイル15aの中心部16aと、他方のスパイラルコイル15bの中心部16bとの間の領域である。これに対して、それぞれの中心部16a,16bより外側の領域、例えば図1において、一方のスパイラルコイル15aの中心部16aより上側の領域および他方のスパイラルコイル15bの中心部16bより下側の領域は、逆相磁界発生領域である。
本形態例においては、図1、図2に示すように、それぞれの軟磁性体膜12は、一方の端部12aが一方のスパイラルコイル15aの中心部16aより外側に位置し、他方の端部12bが他方のスパイラルコイル15bの中心部16bより外側に位置するように配されている。軟磁性体膜12は、例えば高周波電流またはパルス電流などの電流を通電することにより、磁気インピーダンス素子、あるいは直交フラックスゲート素子として機能する。軟磁性体膜12への通電は、軟磁性体膜12上に設けられた電極13を通じて行われる。
軟磁性体膜12には、一軸異方性が付与されている。本形態例の場合、一軸異方性の方向は、軟磁性体膜の幅方向(図1、図2の左右方向)である。この軟磁性体膜を構成する軟磁性体としては、一軸異方性を付与できるものであれば特に限定されないが、例えばCo85Nb12Zrが挙げられる。
非磁性基板11は、シリコン(Si)、ガラス、セラミックなどの非磁性材料から構成することができる。具体例としては、熱酸化シリコン基板が挙げられる。
電極13は、各軟磁性体膜12の端部12a,12bより内側に配されており、軟磁性体膜12のうち電極13,13間に位置する部分が2つのスパイラルコイル15a,15bの同相磁界発生領域に配置されている。これにより、スパイラルコイル15a,15bに発生する磁界をバイアス磁界として軟磁性体膜12に印加するとき、逆相磁界の影響が少ない。電極13は、例えば銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の良導体金属から構成することができる。
本形態例の場合、電極13,13間に位置する部分とは、図2において符号aと符号bの間の部分、符号cと符号dの間の部分、符号eと符号fの間の部分、符号gと符号hの間の部分、符号iと符号jの間の部分、符号kと符号lの間の部分、符号mと符号nの間の部分、符号oと符号pの間の部分、符号qと符号rの間の部分、符号sと符号tの間の部分であり、これらの部分に通電される。
本形態例の磁気センサ10を、特許文献7に示されるとおり、スパイラルコイルの中心部に電極をもうけ、スパイラルコイルの外側まで形成された軟磁性体膜のうち、電極間の部分のみ通電する構造と比較すると、特許文献7に示される構造では、軟磁性体膜の長手方向の面積は有効に使用できているが、軟磁性体膜の幅方向においては、その外側には軟磁性体膜が形成されておらず、素子形成領域の面積を有効に使用できていない。また、軟磁性体膜の形状も限られるために、感度の向上やダイナミックレンジの調整が難しい。
これに対して本発明では、図1に示すように、軟磁性体膜12が形成された領域の全体の幅W(図2参照)が、スパイラルコイル15a,15bの中心部16a,16bの幅W(図3参照)よりも大きくされている。具体的には、図2における符号aとbの間の部分、cとdの間の部分、eとfの間の部分、および符号oとpの間の部分、qとrの間の部分、sとtの間の部分が、幅方向の外側に設けられた部分に該当する。
このように、軟磁性体膜12の幅方向(図1の幅方向)において、スパイラルコイル15a,15bの中心部16a,16bより外側の領域まで軟磁性体膜12を設けることにより、スパイラルコイル15a,15bが形成された領域(図2の幅Wで表される領域)を有効に使用することができる。同一の素子サイズであれば、軟磁性体膜12の体積が大きくなるために、感度を向上させることができる。また、複数本並べた軟磁性体膜12の線幅やスペース(隣接する軟磁性体膜12同士の間隔)を調整することにより、感度やダイナミックレンジの調整を容易に行うことができるという利点がある。
なお、スパイラルコイル15a,15bが形成された領域の幅Wとは、スパイラルコイル15a,15bの最も外周の部分において、軟磁性体膜12の幅方向外側に位置する、外側の側面同士の距離である。図1に示す形態例においては、軟磁性体膜12が形成された領域の全体の幅Wは、W<W<Wの関係を満足している。スパイラルコイル15a,15bと軟磁性体膜12との磁束鎖交部の面積をより広くするため、軟磁性体膜12が形成された領域の全体の幅Wは、スパイラルコイル15a,15bが形成された領域の幅Wと同程度まで広めに確保することが望ましい。
また、本形態例においては、スパイラルコイル15a,15bの平面形状が矩形状(すなわち長方形状または正方形状)とされている。このように、スパイラルコイル15a,15bが角型のであることにより、軟磁性体膜12の幅方向における同相磁界発生領域が広くなるため、スパイラルコイル15a,15bと軟磁性体膜12との磁束鎖交部が広く、電流−磁界変換効率が高くできる。
また、幅方向の外側に設けられた部分である、符号a、b、c、d、e、fの部分(図1、図2における左側)、および符号o、p、q、r、s、tの部分(図1、図2における右側)においては、軟磁性体膜12の通電部位が同相磁界発生領域からはみ出さないよう、電極13間の長さを、外側ほど短くすることが好ましい。
次に、本形態例の磁気センサの製造方法の一例について説明する。
まず、熱酸化シリコン基板などの非磁性基板11の上に、複数個の長方形状の軟磁性体膜12を形成する。軟磁性体膜を形成する方法としては、例えばフォトレジストにより所望のパターンを非磁性基板上に形成した後、軟磁性金属のスパッタリング等によって軟磁性体膜を成膜したのち、レジストを除去してリフトオフによりパターニングする方法が挙げられる。あるいは、軟磁性体膜をスパッタリングにより成膜した上に、フォトレジストにより、所望の形状のレジストパターンを形成したのち、ウエットエッチングやドライエッチングなどにより軟磁性体膜をエッチングして所望の形状の軟磁性体膜を形成するようにしても良い。軟磁性体膜の厚さは、例えば1〜5μmとすることができる。
次に、軟磁性体膜12に対して、略長方形の幅方向に沿う一軸異方性を付与する。一軸異方性の付与方法としては、例えば400℃、3kGの回転磁場中熱処理およびそれに引き続いて400℃、3kGの静磁場中熱処理を行う方法が挙げられる。回転磁場中熱処理では、成膜中に軟磁性体膜に導入された不均一な異方性を緩和することができ、静磁場中熱処理では、軟磁性体膜に印加した磁界の方向に一軸異方性を付与することができる。
次に、軟磁性体膜12の所定の位置に電極13を形成する。電極13の位置は、上述のように、軟磁性体膜12ごとに通電部位の両端となる2箇所とする。また、幅方向両端(図2の符号aに対する他端および符号tに対する他端)の電極は、絶縁層を介して外部とのコンタクト部(図示略)に接続される。
電極13となる導体層パターンを形成する方法としては、例えばCr,Ti,TiW等を密着層としたCuシード層をスパッタ等により成膜し、得られた導体層(シード層)の上にフォトリソグラフィーによりレジストフレームを設けた後、レジスト未形成領域へのCuの電解めっきと、ウエットエッチング等によるシード層の除去を行うことにより、導体層をパターニングする方法が挙げられる。あるいは、Al,Cu,Au等の良導体をスパッタリングにより成膜した上に、フォトレジストにより、所望の形状のレジストパターンを形成したのち、ウエットエッチングやドライエッチングにより良導体層をエッチングして所望の形状の良導体層を形成するようにしても良い。
次に、軟磁性体膜12を覆うように第1の絶縁層14を非磁性基板11上に形成する。第1の絶縁層14を感光性ポリイミドから作製する場合には、感光性ポリイミドの前駆体を塗布したのち、電極13と外部とのコンタクト部を接続するための開口部(図示略)をフォトリソグラフィーにより形成する。続いて、感光性ポリイミドを硬化させるための熱処理を施す。このとき、軟磁性体膜12に付与した一軸異方性がポリイミドを硬化させるための熱処理およびポリイミドの熱処理時に加わる応力により乱れるのを防ぐために、静磁場中にて熱処理を行う。
次に、第1の絶縁層14上に、巻き方向が逆向きで直列に接続された2つのスパイラルコイル15a,15bを形成する。スパイラルコイル15a,15bを形成する方法としては、Cr,Ti,TiW等を密着層としたCuシード層をスパッタ等により成膜し、得られた導体層(シード層)の上にフォトリソグラフィーによりレジストフレームを設けた後、レジスト未形成領域へのCuの電解めっきと、ウエットエッチングによるシード層の除去を行うことにより、導体層をパターニングする方法が挙げられる。
次に、スパイラルコイル15a,15bを覆うように第2の絶縁層17を第1の絶縁層14上に形成する。第2の絶縁層17を感光性ポリイミドから作製する場合には、感光性ポリイミドの前駆体を塗布したのち、スパイラルコイル15a,15bの内周端15c,15dと、オーバーパス配線18a,18bとを接続するための貫通配線18c,18dが設けられる位置に開口部(図示略)をフォトリソグラフィーにより形成する。
次に、第2の絶縁層17上に、オーバーパス配線18a,18bを形成する。スオーバーパス配線18a,18bを形成する方法としては、Cr,Ti,TiW等を密着層としたCuシード層をスパッタ等により成膜し、得られた導体層(シード層)の上にフォトリソグラフィーによりレジストフレームを設けた後、レジスト未形成領域へのCuの電解めっきと、ウエットエッチングによるシード層の除去を行うことにより、導体層をパターニングする方法が挙げられる。
以上の工程により、本形態例の磁気センサが得られる。
本発明の磁気センサは、軟磁性体膜に高周波電流またはパルス電流を通電し、長手方向の磁界の印加に対する幅方向の透磁率の変化に起因する磁気インピーダンス変化を検出する磁気インピーダンスセンサや、長手方向の磁界の印加に対するコイルの誘導出力を検出する直交フラックスゲートセンサなどの磁気センサとして利用することができる。
本発明の磁気センサの一形態例を示す平面図である。 図1に示す磁気センサにおける軟磁性体膜および電極の配置を説明する平面図である。 図1に示す磁気センサにおけるスパイラルコイルの配置を説明する平面図である。 (a)は図1のA−A線に沿う断面図、(b)は図1のB−B線に沿う断面図である。
符号の説明
…軟磁性体膜が形成された領域の全体の幅、W…スパイラルコイルの中心部の幅、
…スパイラルコイルの全体の幅、10…磁気センサ、11…基板、12…軟磁性体膜、13…電極、14…絶縁層、15a,15b…スパイラルコイル、16a,16b…スパイラルコイルの中心部。

Claims (2)

  1. 基板上に形成された複数個の略長方形の軟磁性体膜と、
    前記軟磁性体膜上において各軟磁性体膜につき2箇所に形成され、前記軟磁性体膜をメアンダ状に直列に接続した複数個の電極と、
    前記軟磁性体膜および電極を覆うように形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成され、巻き方向が逆向きで直列に接続された2つのスパイラルコイルとを少なくとも備えた磁気センサであって、
    前記軟磁性体膜は、前記2つのスパイラルコイルが形成された領域内に形成され、
    前記電極は、前記軟磁性体膜のうち前記電極間に位置する部分が前記2つのスパイラルコイルの同相磁界発生領域に配置されており、
    かつ前記軟磁性体膜が形成された領域の全体の幅は、前記スパイラルコイルの中心部の幅よりも大きいことを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記スパイラルコイルの平面形状が矩形状であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
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