JP5183931B2 - 燃料電池システム及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原燃料及び空気を導入して発電を行う燃料電池システム及びその運転方法に関するものである。
燃料電池システムの一つとして固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムがある。一般に固体酸化物形燃料電池システムは、灯油や都市ガス等の炭化水素燃料(原燃料)を改質して水素含有ガス(改質ガス)を生成する改質器と、この改質器で得られた改質ガスと空気とを電気化学的に発電反応させる燃料電池スタックとを備えている。燃料電池スタックは、通常550〜1000℃程度の高温下で作動される。そのようなSOFCシステムとしては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。
特開2002−358997号公報
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、燃料電池システムを起動・停止させる際に、改質ガス流路や燃料電池スタック内の温度が低い状態で改質ガスを流通させると、改質ガス中に含まれる水分が凝縮する。また、例えば原燃料と水蒸気とが混合された改質原料を改質器に供給する場合、水蒸気流路や改質原料流路の温度が低い状態で水蒸気を流通させると、水蒸気が凝縮する。このため、改質ガス流路や水蒸気流路等に水溜まりが発生し、改質ガス等の脈流や流路閉塞が生じる可能性がある。また、燃料電池スタックを収容する容器内の温度が低い状態では、燃料電池スタックからのオフガス中に含まれる水分が凝縮し、容器内に水溜まりが生じることもあり、この場合には容器外に水が漏洩する可能性がある。さらに、燃料電池システムの起動時に容器内が昇温された際に、水溜まりの突沸による燃料電池スタック、配管及びポンプ等の機器の破損、容器内からのガス漏れや水漏れ等が生じる可能性もある。
本発明の目的は、水蒸気や改質ガス等に含まれる水分の凝縮による水溜まりの発生を防止することができる燃料電池システム及びその運転方法を提供することである。
本発明の燃料電池システムは、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器と改質ガス流路を介して接続され、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路、燃料電池スタックの下流ガス流路の少なくとも1つを加熱する加熱手段とを備えることを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムを起動させる場合には、改質器で生成された改質ガスを燃料電池スタックに供給するときに、加熱手段によって改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び燃料電池スタックの下流ガス流路の少なくとも1つを例えば水の沸点以上の温度まで昇温する。この場合には、改質ガスまたは燃料電池スタックからの排ガス(オフガス)が通過するときに、これらのガス中に含まれる水分の凝縮が抑制されるため、当該水分の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
また、本発明の燃料電池システムを停止させる場合には、改質ガス流路及び燃料電池スタックを所定温度まで降温させた後、燃料電池スタックへの改質ガスの供給を停止するが、その改質ガスの供給を停止するまでは、加熱手段によって改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び燃料電池スタックの下流ガス流路の少なくとも1つを例えば水の沸点以上の温度に保持する。この場合にも、改質ガスまたは燃料電池スタックからのオフガスが通過するときに、これらのガス中に含まれる水分の凝縮が抑制されるため、当該水分の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
好ましくは、加熱手段は、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び下流ガス流路の少なくとも1つに設けられた燃焼触媒と、燃焼触媒に空気を供給する手段とを有する。
このように燃焼触媒を加熱手段として用いることにより、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び下流ガス流路といった設備の一部分の熱源としては、極めてシンプルなものとなり、省スペース化を図ることができる。
加熱手段は、改質ガス流路、燃料電池スタック及び下流ガス流路の少なくとも1つの近傍に配置されたヒータまたはバーナであっても良い。
この場合には、改質器で生成された改質ガスや燃料を供給しなくても、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び下流ガス流路を加熱することができる。従って、燃料電池システムを起動する際、燃料電池スタックへの改質ガスの供給を開始する前に、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び下流ガス流路の少なくとも1つを確実に水の沸点以上の温度まで昇温することができる。
また、好ましくは、改質ガス流路及び下流ガス流路の少なくとも1つは、重力加速度の方向に対して上向きに曲がるように形成された曲がり流路部を有し、加熱手段は、曲がり流路部を含む領域を加熱する。
重力加速度の方向に対して上向きに曲がるように形成された曲がり流路部は、改質ガスや燃料電池スタックからのオフガスに含まれる水分が凝縮したときに、特に水溜まりが発生しやすい部位である。従って、ガス流路における当該曲がり流路部を含む領域を加熱することで、改質ガスまたはオフガスに含まれる水分の凝縮による水溜まりの発生を効果的に防止することができる。
さらに、好ましくは、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び下流ガス流路の少なくとも1つの温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段の検出信号に基づいて、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び下流ガス流路の少なくとも1つの温度が水の沸点以上となるように、加熱手段を制御する制御手段とを更に備える。
このような温度検出手段及び制御手段を設けることにより、燃料電池システムを起動及び停止させる際に、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び下流ガス流路の少なくとも1つの温度を水の沸点以上となるように自動制御することができる。
また、本発明の燃料電池システムは、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、燃料電池スタックを収容する容器と、容器内の少なくとも底部を加熱する加熱手段と、発電用改質器の入力側に接続され、原燃料を改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成する起動・停止用改質器とを備えることを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムを起動させる場合には、改質器で生成された改質ガスを燃料電池スタックに供給するときに、加熱手段によって容器内の少なくとも底部を例えば水の沸点以上の温度まで昇温する。容器内の底部は、燃料電池スタックからのオフガス中に含まれる水分が凝縮したときに水が溜まりやすい箇所である。この場合には、燃料電池スタックへの改質ガスの供給を開始することで、燃料電池スタックからオフガスが排出されても、容器内の少なくとも底部は既に水の沸点以上の温度まで昇温されている。従って、オフガス中に含まれる水分の凝縮が抑制されるため、当該水分の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
また、本発明の燃料電池システムを停止させる場合には、燃料電池スタックを所定温度まで降温させた後、燃料電池スタックへの改質ガスの供給を停止するが、その改質ガスの供給を停止するまでは、加熱手段によって容器内の少なくとも底部を例えば水の沸点以上の温度に保持する。この場合には、燃料電池スタックからのオフガス中に含まれる水分の凝縮が抑制されるため、当該水分の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
さらに、本発明の燃料電池システムは、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、発電用改質器に向けて水蒸気を供給するための水蒸気流路と、発電用改質器に向けて原燃料を供給するための原燃料流路と、水蒸気流路及び原燃料流路と接続され、原燃料及び水蒸気が混合された改質原料を発電用改質器に導入するための改質原料流路と、水蒸気流路、原燃料流路及び改質原料流路のうち少なくとも水蒸気流路または少なくとも改質原料流路を加熱する加熱手段と、改質原料流路に接続され、原燃料を改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成する起動・停止用改質器とを備えることを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムを起動させる場合には、原燃料及び水蒸気を改質器に向けて供給するときに、加熱手段によって水蒸気流路、原燃料流路及び改質原料流路のうち少なくとも水蒸気流路または少なくとも改質原料流路を例えば水の沸点以上の温度まで昇温する。この場合には、例えば原燃料を供給する前に、まず水蒸気のみを供給するときに、水蒸気の凝縮が抑制されるため、水蒸気の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
また、本発明の燃料電池システムを停止させる場合には、原燃料及び水蒸気の供給を停止するが、その原燃料及び水蒸気の供給を停止するまでは、加熱手段によって水蒸気流路、原燃料流路及び改質原料流路のうち少なくとも水蒸気流路または少なくとも改質原料流路を例えば水の沸点以上の温度に保持する。この場合には、例えば原燃料の供給を停止した後、水蒸気のみを供給するときに、水蒸気の凝縮が抑制されるため、水蒸気の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
本発明は、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器と改質ガス流路を介して接続され、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックとを備える燃料電池システムの運転方法において、燃料電池システムを起動させる際に、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路、燃料電池スタックの下流ガス流路の少なくとも1つを水の沸点以上の温度まで昇温し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、発電用改質器及び改質ガス流路を介して燃料電池スタックに供給し、発電用改質器で生成された改質ガスを燃料電池スタックに供給することを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムの運転方法においては、燃料電池スタックへの改質ガスの供給を開始する際に、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び下流ガス流路の少なくとも1つは既に水の沸点以上の温度まで昇温されている。このため、改質ガスまたは燃料電池スタックからのオフガスが通過するときに、改質ガス等に含まれる水分の凝縮が抑制されるため、当該水分の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
また、本発明は、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器と改質ガス流路を介して接続され、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックとを備える燃料電池システムの運転方法において、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路、燃料電池スタックの下流ガス流路の少なくとも1つに燃焼触媒を予め充填させておき、燃料電池システムを起動させる際に、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、発電用改質器及び改質ガス流路を介して改質ガスを燃料電池スタックに供給すると共に燃焼触媒に空気を供給して、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び下流ガス流路の少なくとも1つを水の沸点以上の温度に昇温保持し、発電用改質器で生成された改質ガスを燃料電池スタックに供給することを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムの運転方法においては、燃料電池スタックへの改質ガスの供給を開始する際に、燃焼触媒に空気を供給することで改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び下流ガス流路の少なくとも1つは水の沸点以上の温度まで昇温される。このため、改質ガスまたは燃料電池スタックからのオフガスが通過するときに、これらのガス中に含まれる水分の凝縮が抑制されるため、当該水分の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
また、本発明は、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器と改質ガス流路を介して接続され、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックとを備える燃料電池システムの運転方法において、燃料電池システムを停止させる際に、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路、燃料電池スタックの下流ガス流路の少なくとも1つを水の沸点以上の温度に保持するように降温し、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、発電用改質器及び改質ガス流路を介して燃料電池スタックに供給し、その状態で燃料電池スタックへの改質ガスの供給を停止することを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムの運転方法においては、燃料電池スタックへの改質ガスの供給を停止するまでは、改質ガス流路、燃料電池スタック内のガス流路及び下流ガス流路の少なくとも1つは水の沸点以上の温度に保持されている。このため、改質ガスまたは燃料電池スタックからのオフガスが通過するときに、これらのガス中に含まれる水分の凝縮が抑制されるため、当該水分の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
さらに、本発明は、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、燃料電池スタックを収容する容器とを備える燃料電池システムの運転方法において、燃料電池システムを起動させる際に、容器内の少なくとも底部を水の沸点以上の温度まで昇温し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、発電用改質器及び改質ガス流路を介して燃料電池スタックに供給し、発電用改質器で生成された改質ガスを燃料電池スタックに供給することを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムの運転方法においては、燃料電池スタックへの改質ガスの供給を開始する際に、容器内の少なくとも底部は既に水の沸点以上の温度まで昇温されている。このため、燃料電池スタックからのオフガス中に含まれる水分の凝縮が抑制されるため、当該水分の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
また、本発明は、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、燃料電池スタックを収容する容器とを備える燃料電池システムの運転方法において、燃料電池システムを停止させる際に、容器内の少なくとも底部を水の沸点以上の温度に保持するように降温し、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、発電用改質器及び改質ガス流路を介して燃料電池スタックに供給し、その状態で燃料電池スタックへの改質ガスの供給を停止することを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムの運転方法においては、燃料電池スタックへの改質ガスの供給を停止するまでは、容器内の少なくとも底部は水の沸点以上の温度に保持されている。このため、燃料電池スタックからのオフガス中に含まれる水分の凝縮が抑制されるため、当該水分の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
さらに、本発明は、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、発電用改質器に向けて水蒸気を供給するための水蒸気流路と、発電用改質器に向けて原燃料を供給するための原燃料流路と、水蒸気流路及び原燃料流路と接続され、原燃料及び水蒸気が混合された改質原料を発電用改質器に導入するための改質原料流路とを備える燃料電池システムの運転方法において、燃料電池システムを起動させる際に、水蒸気流路、原燃料流路及び改質原料流路のうち少なくとも水蒸気流路を水の沸点以上の温度まで昇温し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、改質原料流路に供給し、水蒸気及び原燃料を発電用改質器に向けて順次供給することを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムの運転方法においては、改質器に向けての水蒸気及び原燃料の供給を順次開始する際に、水蒸気流路、原燃料流路及び改質原料流路のうち少なくとも水蒸気流路は、既に水の沸点以上の温度まで昇温されている。このため、原燃料を供給する前に、まず水蒸気のみを供給するときに、水蒸気の凝縮が抑制されるため、水蒸気の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
また、本発明は、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、発電用改質器に向けて水蒸気を供給するための水蒸気流路と、発電用改質器に向けて原燃料を供給するための原燃料流路と、水蒸気流路及び原燃料流路と接続され、原燃料及び水蒸気が混合された改質原料を発電用改質器に導入するための改質原料流路とを備える燃料電池システムの運転方法において、燃料電池システムを停止させる際に、水蒸気流路、原燃料流路及び改質原料流路のうち少なくとも水蒸気流路を水の沸点以上の温度に保持し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、改質原料流路に供給し、燃料電池スタックへの原燃料及び水蒸気の供給を順次停止することを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムの運転方法においては、改質器に向けての原燃料及び水蒸気の供給を順次停止するまでは、水蒸気流路、原燃料流路及び改質原料流路のうち少なくとも水蒸気流路は、水の沸点以上の温度に保持されている。このため、原燃料の供給を停止した後、水蒸気のみを供給するときに、水蒸気の凝縮が抑制されるため、水蒸気の凝縮による水溜まりの発生が防止される。
さらに、本発明は、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、発電用改質器に向けて水蒸気を供給するための水蒸気流路と、発電用改質器に向けて原燃料を供給するための原燃料流路と、水蒸気流路及び原燃料流路と接続され、原燃料及び水蒸気が混合された改質原料を発電用改質器に導入するための改質原料流路とを備える燃料電池システムの運転方法において、燃料電池システムを起動させる際に、水蒸気流路、原燃料流路及び改質原料流路のうち少なくとも改質原料流路を水及び原燃料の沸点のうち高い方の温度以上の温度まで昇温し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、改質原料流路に供給し、水蒸気及び原燃料を発電用改質器に向けて順次供給することを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムの運転方法においては、改質器に向けての水蒸気及び原燃料の供給を順次開始する際に、水蒸気流路、原燃料流路及び改質原料流路のうち少なくとも改質原料流路は、水及び原燃料の沸点のうち高い方の温度以上の温度まで昇温されている。このため、原燃料を供給する前に、まず水蒸気のみを供給するときに、水蒸気の凝縮が抑制されるため、水蒸気の凝縮による水溜まりの発生が防止される。また、原燃料を供給するときに、原燃料の凝縮も抑制される。
また、本発明は、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、発電用改質器に向けて水蒸気を供給するための水蒸気流路と、発電用改質器に向けて原燃料を供給するための原燃料流路と、水蒸気流路及び原燃料流路と接続され、原燃料及び水蒸気が混合された改質原料を発電用改質器に導入するための改質原料流路とを備える燃料電池システムの運転方法において、燃料電池システムを停止させる際に、水蒸気流路、原燃料流路及び改質原料流路のうち少なくとも改質原料流路を水及び原燃料の沸点のうち高い方の温度以上の温度に保持し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、改質原料流路に供給し、燃料電池スタックへの原燃料及び水蒸気の供給を順次停止することを特徴とするものである。
このような本発明の燃料電池システムの運転方法においては、改質器に向けての原燃料及び水蒸気の供給を順次停止するまでは、水蒸気流路、原燃料流路及び改質原料流路のうち少なくとも改質原料流路は、水及び原燃料の沸点のうち高い方の温度以上の温度に保持されている。このため、原燃料の供給を停止した後、水蒸気のみを供給するときに、水蒸気の凝縮が抑制されるため、水蒸気の凝縮による水溜まりの発生が防止される。また、原燃料を供給するときに、原燃料の凝縮も抑制される。
本発明によれば、水蒸気や改質ガス等に含まれる水分の凝縮による水溜まりの発生を防止することができる。これにより、ガス流路におけるガスの脈流、ガス流路の閉塞、水溜まりの突沸による燃料電池スタック、配管及びポンプ等の機器の破損、容器内からの水漏れ等の発生といった不具合を防止し、システムの信頼性を向上させることが可能となる。
以下、本発明に係わる燃料電池システム及びその運転方法の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる燃料電池システムの第1実施形態を示すシステム構成図である。同図において、本実施形態の燃料電池システム1は、原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器2と、この発電用改質器2で得られた改質ガスと空気とを用いて発電を行う固体酸化物形燃料電池(SOFC)スタック3と、原燃料を改質して改質ガスを生成する起動・停止用改質器4とを備えている。発電用改質器2、SOFCスタック3及び起動・停止用改質器4は、モジュール容器5内に収容されてモジュール化されている。
発電用改質器2には、原燃料及び水蒸気が混合された発電用改質原料をモジュール容器5の外部から導入するための改質原料流路を形成する原料導入管6が接続されている。原料導入管6には、液体の原燃料を発電用改質器2に向けて供給するための原燃料流路を形成する燃料供給管70と、水蒸気を発電用改質器2に向けて供給するための水蒸気流路を形成する水蒸気供給管71とが接続されている。原燃料としては、例えば灯油や都市ガス等の炭化水素燃料が用いられる。水蒸気供給管71には、液体の水を供給するための給水管72が水気化器73を介して接続されている。燃料供給管70には、原燃料の供給量を調整する電磁バルブ74が設けられ、給水管72には、水の供給量を調整する電磁バルブ75が設けられている。また、モジュール容器5の外部において、原料導入管6には燃料気化器76が設けられている。
水気化器73は、給水管72を通って送られてきた液体の水を気化(蒸発)させて、水蒸気を発生させる。一方、燃料気化器76は、燃料供給管70を通って送られてきた原燃料を気化(蒸発)させて、原燃料ガスを発生させるとともに、水気化器73で得られた水蒸気と混合させることにより、気体の発電用改質原料を生成する。このとき、原燃料の気化熱で凝縮しない温度の水蒸気を燃料気化器76に供給するのが望ましい。
燃料気化器76は、液体の原燃料を気化(蒸発)させて、水蒸気と混合し、発電用改質原料ガスを生成する。そして、その発電用改質原料ガスが発電用改質器2に導入される。なお、水気化器73及び燃料気化器76は、モジュール容器5内にあっても良い。
発電用改質器2は、発電用改質原料を改質触媒で水蒸気改質反応させて、水素及び一酸化炭素を含有する改質ガスを生成する。水蒸気改質反応は非常に大きな吸熱反応であり、反応温度が550〜750℃程度と比較的高いので、高温の熱源が必要となる。このため、発電用改質器2は、SOFCスタック3の近傍に配置され、SOFCスタック3からの輻射熱及びオフガス燃焼熱を利用して水蒸気改質反応を行う。
SOFCスタック3は、改質ガス流路を形成する改質ガス供給管8を介して発電用改質器2と接続されている。また、SOFCスタック3には、モジュール容器5の外部から発電用空気を導入するための空気導入管9と、SOFCスタック3からのオフガスを排気するための下流ガス流路を形成するガス排気管10とが接続されている。空気導入管9には、発電用空気の導入量を調整する電磁バルブ11が設けられている。
SOFCスタック3は、複数の電池セルが積み重ねられて構成されている。電池セルは、アノード(燃料極)3aと、カソード(空気極)3bと、アノード3aとカソード3bとの間に配置された電解質3cと、アノード3a及びカソード3bの外側にそれぞれ配置されたセパレータ(図示せず)とからなっている。アノード3aには改質ガスが導入され、カソード3bには発電用空気が導入される。これにより、各電池セルにおいて電気化学的な発電反応が行われることになる。なお、SOFCスタック3は、通常550〜1000℃程度の高温で作動する。
起動・停止用改質器4には、原燃料及び水蒸気が混合された起動・停止用改質原料をモジュール容器5の外部から導入するための改質原料流路を形成する原料導入管12が接続されている。原料導入管12には、液体の原燃料を起動・停止用改質器4に向けて供給するための原燃料流路を形成する燃料供給管80と、水蒸気を起動・停止用改質器4に向けて供給するための水蒸気流路を形成する水蒸気供給管81とが接続されている。水蒸気供給管81には、液体の水を供給するための給水管82が水気化器83を介して接続されている。燃料供給管80には、原燃料の供給量を調整する電磁バルブ84が設けられ、給水管82には、水の供給量を調整する電磁バルブ85が設けられている。また、モジュール容器5の外部において、原料導入管12には燃料気化器86が設けられている。
原燃料としては、発電用改質器2に向けて供給される上記の原燃料と同様に、例えば灯油や都市ガス等の炭化水素燃料が用いられる。これにより、発電用改質原料を作るための原燃料と起動・停止用改質原料を作るための原燃料の供給源を共有化することができる。
水気化器83は、給水管82を通って送られてきた液体の水を気化(蒸発)させて、水蒸気を発生させる。一方、燃料気化器86は、燃料供給管80を通って送られてきた原燃料を気化(蒸発)させて、原燃料ガスを発生させるとともに、水気化器83で得られた水蒸気と混合させることにより、気体の起動・停止用改質原料を生成する。このとき、原燃料の気化熱で凝縮しない温度の水蒸気を燃料気化器86に供給するのが望ましい。
燃料気化器86は、液体の原燃料を気化(蒸発)させて、水蒸気と混合し、起動・停止用改質原料ガスを生成する。そして、その起動・停止用改質原料ガスが起動・停止用改質器4に導入される。なお、水気化器83及び燃料気化器86は、モジュール容器5内にあっても良い。
起動・停止用改質器4は、燃料電池システム1の起動・停止時にSOFCスタック3のアノード3aの酸化劣化を防止するために、起動・停止用改質原料を改質触媒で水蒸気改質反応させて、還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成するものである。なお、起動・停止用改質器4は、アノード3aを酸化劣化から保護する程度の改質ガスが得られれば良いので、発電用改質器2に比べて小容量であっても良い。
起動・停止用改質器4は、改質ガス流路を形成する改質ガス供給管14を介して原料導入管6と分岐接続されている。起動・停止用改質器4により生成された改質ガスは、改質ガス供給管14、原料導入管6、発電用改質器2及び改質ガス供給管8を介してSOFCスタック3に供給される。ここでは、起動・停止用改質器4で生成された改質ガスによって発電用改質器2の改質触媒を還元させるために、改質ガス供給管14を発電用改質器2の入力側に分岐接続したが、改質ガス供給管14を発電用改質器2の出力側(改質ガス供給管8)に接続しても良い。
改質ガス供給管8内には、加熱源としての燃焼触媒15Aが充填されている。改質ガス供給管8は、図2に示すように、重力加速度の方向(図示A方向)に対して垂直な方向つまり水平に延びる部分から上向き(鉛直上向き又は斜め上向き)に屈曲する2つの曲がり流路部8aを有するU字形状をなしている。この曲がり流路部8aは、改質ガス供給管8内を改質ガスが流れるときに、改質ガス中に含まれる水分が凝縮して水溜まりができやすい部位である。このため、燃焼触媒15Aは、改質ガス供給管8内における各曲がり流路部8aを含む領域(ここでは水平に延びる領域)に設けられているのが望ましい。なお、燃焼触媒15Aとしては、白金や鉄等が用いられる。
改質ガス供給管8における燃焼触媒15Aの上流側の部位には、触媒燃焼用空気を導入するための空気導入管16が接続されている。空気導入管16には、触媒燃焼用空気の導入量を調整する電磁バルブ17が設けられている。触媒燃焼用空気が燃焼触媒15Aに供給されると、燃焼触媒15Aの表面において改質ガス中の水素、一酸化炭素、メタン等の燃料と触媒燃焼用空気とが部分酸化反応し、熱エネルギーが発生する。そして、この時の反応熱によって改質ガスが加熱され、これに伴って改質ガス供給管8内の水平に延びる領域が加熱されることとなる。
また、SOFCスタック3内において改質ガスが供給されるガス流路、具体的にはアノード3aとセパレータ(図示せず)との間には、上記燃焼触媒15Aと同様の燃焼触媒15Bが充填されている。そして、当該ガス流路における燃焼触媒15Bの上流側の部位には、触媒燃焼用空気を導入するための空気導入管18が接続されている。空気導入管18には、触媒燃焼用空気の導入量を調整する電磁バルブ19が設けられている。
さらに、ガス排気管10内には、上記燃焼触媒15Aと同様の燃焼触媒15Cが充填されている。このとき、ガス排気管10が重力加速度の方向に対して上向きに屈曲する曲がり流路部を有している場合には、その曲がり流路部を含む領域に燃焼触媒15Cを充填するのが望ましい。そして、ガス排気管10における燃焼触媒15Cの上流側の部位には、触媒燃焼用空気を導入するための空気導入管20が接続されている。空気導入管20には、触媒燃焼用空気の導入量を調整する電磁バルブ21が設けられている。
このように改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内を加熱する熱源として燃焼触媒15A〜15Cを用いることで、スペース的に有利となり、システムの大規模化を回避することが可能となる。
モジュール容器5は、内ハウジング22と、この内ハウジング22の外側に配置された外ハウジング23とを有し、内ハウジング22と外ハウジング23との間には断熱材24が介在されている。断熱材24としては、シリカやアルミナ系等が用いられる。
また、燃料電池システム1は、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内の温度を検出する複数の温度センサ25と、燃料電池システム1の運転時にシステム全体を制御する制御装置26とを備えている。温度センサ25としては、例えば熱電対が用いられる。
制御装置26は、電磁バルブ74,75を制御することで原燃料及び水(水蒸気)の供給量を制御し、電磁バルブ84,85を制御することで原燃料及び水(水蒸気)の供給量を制御し、電磁バルブ11を制御することで発電用空気の導入量を制御し、電磁バルブ17,19,21を制御することで触媒燃焼用空気の導入量を制御する。
図3は、燃料電池システム1の起動時に、制御装置26により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。本制御処理の実行は、例えば図示しない起動スイッチが操作されることで開始される。以下、図3に示すフローチャートを用いて、燃料電池システム1の起動時の運転方法について説明する。
まず、例えば燃料気化器76,86及び水気化器73,83の近傍に配置されたバーナやヒータ等の熱源によって、燃料気化器76,86及び水気化器73,83を所定の温度まで加熱する。続いて、例えば起動・停止用改質器4の近傍に配置されたバーナやヒータ(図示せず)等の熱源によって、起動・停止用改質器4を所定の温度まで加熱する。
続いて、電磁バルブ17,19,21を制御して、燃焼触媒15A〜15Cに触媒燃焼用空気を供給する(手順101)。そして、電磁バルブ84,85を制御して、起動・停止用改質器4に向けて原燃料及び水蒸気を供給することにより、起動・停止用改質器4に起動・停止用改質原料を供給する(手順102)。すると、起動・停止用改質器4により改質ガスが生成され、この改質ガスが発電用改質器2及び改質ガス供給管8を介してSOFCスタック3のアノード3aに供給される。これにより、改質ガス供給管8内及びSOFCスタック3内のガス流路が加熱されていく。このとき、還元性を有する改質ガスがアノード3aに供給され続けているので、アノード3aの酸化劣化が防止される。
また、電磁バルブ11を制御して、SOFCスタック3のカソード3bに発電用空気を供給する(手順103)。なお、この発電用空気の供給の開始は、手順102の前または手順102と同時に実行しても良い。
続いて、各温度センサ25の検出信号に基づいて電磁バルブ17,19,21を例えばPID制御して、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内を水の沸点(例えば100℃)以上で且つアノード3aの酸化劣化点(例えば400℃)以下の温度に保持する(手順104)。このとき、SOFCスタック3内のガス流路はアノード3aの酸化劣化点以下の温度に維持されるので、アノード3aの再酸化によるアノード3aの膨張に起因する応力変化により電池セルの割れが生じてしまうことが防止される。なお、ガス排気管10内については、水の沸点以上の温度であれば、特にアノード3aの酸化劣化点以下の温度でなくても良いが、ガス排気管10からSOFCスタック3への伝熱によりアノード3aの温度が高くならないよう、アノード3aの酸化劣化点以下の温度であるほうが好ましい。
その後、SOFCスタック3からのアノードオフガスの燃焼熱、或いはヒータ等によりモジュール容器5内が昇温される。そして、発電用改質器2の温度が所定の温度(前述の550〜750℃程度)に到達したら、電磁バルブ74,75を制御して、発電用改質器2に向けて原燃料及び水蒸気を供給することにより、発電用改質器2に発電用改質原料を供給する(手順105)。すると、発電用改質器2により改質ガスが生成され、この改質ガスが改質ガス供給管8を介してSOFCスタック3のアノード3aに供給される。
続いて、電磁バルブ84,85を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、起動・停止用改質器4への起動・停止用改質原料の供給を停止する(手順106)。その後、SOFCスタック3が所定の温度まで昇温された後、SOFCスタック3から電流を取り出すことにより、SOFCスタック3による発電が開始される。また、起動・停止用改質器4またはその近傍に設けられた熱源からの熱出力を停止する。さらに、電磁バルブ17,19,21をそれぞれ制御して、触媒燃焼用空気の供給を停止する(手順107)。
ところで、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内の温度が水の沸点よりも低い状態で、起動・停止用改質器4により生成された改質ガスが改質ガス供給管8を介してSOFCスタック3に供給されると、改質ガスやオフガス中に含まれる水分が凝縮するため、改質ガス供給管8、SOFCスタック3及びガス排気管10の内部に水溜まりが発生してしまう。この場合には、水溜まりの突沸により改質ガス供給管8及びSOFCスタック3等の機器の破損を引き起こすことがある。また、燃料電池システム1を寒冷地で使用する場合には、水溜まりが凍結するため、機器の破損が一層起きやすくなる。
これに対し本実施形態では、燃焼触媒15A〜15Cへの触媒燃焼用空気の供給を開始し、更にSOFCスタック3に改質ガスを供給することにより、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内を昇温して、水の沸点以上の温度に維持する。このため、改質ガス供給管8及びSOFCスタック3の内部を改質ガスが流れるときに、改質ガス中に水分が含まれていても、その水分が熱によって気化(蒸発)されるので、改質ガス中の水分の凝縮が防止される。また、SOFCスタック3からのアノードオフガスがガス排気管10の内部を流れるときに、オフガス中に水分が含まれていても、その水分が熱によって気化されるので、オフガス中の水分の凝縮も防止される。従って、改質ガス供給管8、SOFCスタック3及びガス排気管10の内部に水が溜まることが無くなるため、水溜まりに起因した機器の破損等を防止することができる。
図4は、燃料電池システム1の停止時に、制御装置26により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。本制御処理の実行は、例えば図示しない停止スイッチが操作されることで開始される。以下、図4に示すフローチャートを用いて、燃料電池システム1の停止時の運転方法について説明する。
まず、例えば起動・停止用改質器4の近傍に配置されたヒータ(図示せず)等によって、起動・停止用改質器4を所定の温度まで加熱する。また、電磁バルブ74,75を制御して、原燃料及び水蒸気の供給量を減らすことにより、発電用改質器2への発電用改質原料の供給量を減らす。これにより、発電用改質器2で生成される改質ガスの供給量が減少する。
そして、電磁バルブ84,85を制御して、起動・停止用改質器4に向けて少量の原燃料及び水蒸気を供給することにより、起動・停止用改質器4に少量の起動・停止用改質原料を供給する(手順111)。すると、起動・停止用改質器4により改質ガスが生成され、この改質ガスが少量だけSOFCスタック3のアノード3aに供給される。
また、電磁バルブ74,75を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、発電用改質器2への発電用改質原料の供給を停止する(手順112)。これにより、発電用改質器2で生成される改質ガスの供給が停止する。
続いて、例えば電磁バルブ11を制御して、SOFCスタック3のカソード3bに供給される空気量を増やすことにより、モジュール容器5内の降温を開始する(手順113)。なお、この手順は、手順112の前に実行しても良い。
そして、各温度センサ25の検出信号に基づいて電磁バルブ17,19,21を例えばPID制御して、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内を水の沸点以上で且つアノード3aの酸化劣化点以下の温度に保持する(手順114)。なお、ガス排気管10内については、水の沸点以上の温度であれば、特にアノード3aの酸化劣化点以下の温度でなくても良い。
SOFCスタック3内がアノード3aの酸化劣化点以下の温度になった後、電磁バルブ84,85を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、起動・停止用改質器4への起動・停止用改質原料の供給を停止する(手順115)。これにより、起動・停止用改質器4からSOFCスタック3への改質ガスの供給が停止する。ここで、SOFCスタック3内のガス流路がアノード3aの酸化劣化点以下の温度まで降温する間は、改質ガスをアノード3aに供給し続けるので、アノード3aの酸化劣化が防止される。
また、起動・停止用改質器4またはその近傍に設けられた熱源からの熱出力を停止する。さらに、電磁バルブ17,19,21を制御して、触媒燃焼用空気の供給を停止する(手順116)。
ところで、モジュール容器5内を所定の温度まで降温させる際、SOFCスタック3の内部は、改質ガス供給管8及びガス排気管10の内部に比べて温度が下がりにくい。このため、SOFCスタック3内の温度が水の沸点よりも高い状態となっているにも拘わらず、改質ガス供給管8内及びガス排気管10内の温度は水の沸点よりも低い状態となることがある。この状態で、起動・停止用改質器4で生成された改質ガスが改質ガス供給管8を介してSOFCスタック3に供給されると、改質ガス供給管8内において改質ガス中に含まれる水分が凝縮するため、水溜まりが生じてしまう。この場合には、上述したように改質ガス供給管8等の機器の破損を引き起こすことがある。
これに対し本実施形態では、起動・停止用改質器4で生成された改質ガスをSOFCスタック3に供給している間は、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内を水の沸点以上の温度に維持しておく。このため、改質ガスやオフガス中に水分が含まれていても、その水分が熱によって気化されるので、当該水分の凝縮が防止される。従って、改質ガス供給管8、SOFCスタック3及びガス排気管10の内部に水が溜まることが無くなるため、水溜まりに起因した機器の破損等を防止することができる。
以上のように本実施形態によれば、改質ガスやオフガスに含まれる水分の凝縮による水溜まりの発生を防止することができる。これにより、信頼性の高い燃料電池システム1を実現することが可能となる。
また、改質ガス供給管8、SOFCスタック3及びガス排気管10をそれぞれ個別に加熱するので、広範な加熱を行う場合に比べて、消費エネルギーが少なくて済む。また、モジュール容器5内の降温時に、SOFCスタック3内のガス流路が改質ガス供給管8及びガス排気管10の内部に比べて温度が下がりにくい場合には、改質ガス供給管8及びガス排気管10の内部は加熱するが、SOFCスタック3内のガス流路は加熱しない等、きめ細かな制御が可能となる。
なお、上記第1実施形態では、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内の全てを加熱する構成としたが、これらの改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内の少なくとも1つを加熱する構成であっても良い。
図5は、本発明に係わる燃料電池システムの第2実施形態を示すシステム構成図である。図中、第1実施形態と同一または同等の要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
同図において、本実施形態の燃料電池システム30は、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内を独立に加熱する手段として、上述した燃焼触媒15A〜15Cに代えて、ヒータ31A〜31Cを備えている。ヒータ31A〜31Cは、改質ガス供給管8、SOFCスタック3及びガス排気管10の近傍にそれぞれ配置されている。
また、燃料電池システム30は、上述した制御装置26に代えて、制御装置32を備えている。制御装置32は、電磁バルブ74,75を制御することで原燃料及び水蒸気の供給量を制御し、電磁バルブ84,85を制御することで原燃料及び水蒸気の供給量を制御し、電磁バルブ11を制御することで発電用空気の導入量を制御する機能に加え、ヒータ31A〜31Cの通電を制御する機能を有している。
図6は、燃料電池システム30の起動時に、制御装置32により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。以下、図6に示すフローチャートを用いて、燃料電池システム30の起動時の運転方法について説明する。
同図において、燃料気化器76,86及び水気化器73,83を所定の温度まで加熱し、更に起動・停止用改質器4を所定の温度まで加熱した後、ヒータ31A〜31Cを通電して、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内を昇温する(手順121)。このとき、各温度センサ25の検出信号に基づいてヒータ31A〜31Cの通電を例えばPID制御して、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内を水の沸点以上で且つアノード3aの酸化劣化点以下の温度に保持する。ここで、SOFCスタック3内のガス流路はアノード3aの酸化劣化点以下の温度に保たれるので、アノード3aの酸化劣化が防止される。
そして、電磁バルブ84,85を制御して、起動・停止用改質器4に向けて原燃料及び水蒸気を供給することにより、起動・停止用改質器4に起動・停止用改質原料を供給する(手順122)。すると、起動・停止用改質器4により改質ガスが生成され、この改質ガスがSOFCスタック3のアノード3aに供給される。また、電磁バルブ11を制御して、SOFCスタック3のカソード3bに発電用空気を供給する(手順123)。
その後、SOFCスタック3からのアノードオフガスの燃焼熱等によりモジュール容器5内が昇温される。そして、発電用改質器2の温度が所定の温度に到達したら、電磁バルブ74,75を制御して、発電用改質器2に向けて原燃料及び水蒸気を供給することにより、発電用改質器2に発電用改質原料を供給する(手順124)。すると、発電用改質器2により改質ガスが生成され、この改質ガスがSOFCスタック3のアノード3aに供給される。
続いて、電磁バルブ84,85を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、起動・停止用改質器4への起動・停止用改質原料の供給を停止する(手順125)。その後、SOFCスタック3が所定の温度まで昇温された後、SOFCスタック3から電流を取り出すことにより、SOFCスタック3による発電が開始される。また、ヒータ31A〜31Cの通電を停止する(手順126)。
このように燃料電池システム30の起動時には、起動・停止用改質器4により生成された改質ガスをSOFCスタック3に供給する前に、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内を水の沸点以上の温度となるまで昇温する。このため、その後で改質ガスがSOFCスタック3に供給されるときに、改質ガス中に含まれる水分の凝縮が確実に防止されるようになる。また、SOFCスタック3からのオフガス中に含まれる水分の凝縮も確実に防止される。これにより、改質ガスやオフガスに含まれる水分の凝縮による水溜まりの発生を防止することができる。
図7は、燃料電池システム30の停止時に、制御装置32により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。以下、図7に示すフローチャートを用いて、燃料電池システム30の停止時の運転方法について説明する。
同図において、まず起動・停止用改質器4を所定の温度まで加熱する。また、電磁バルブ74,75を制御して、原燃料及び水蒸気の供給量を減らすことにより、発電用改質器2への発電用改質原料の供給量を減らす。これにより、発電用改質器2で生成される改質ガスの供給量が減少する。
そして、電磁バルブ84,85を制御して、少量の原燃料及び水蒸気を供給することにより、起動・停止用改質器4に少量の起動・停止用改質原料を供給する(手順131)。すると、起動・停止用改質器4により改質ガスが生成され、この改質ガスが少量だけSOFCスタック3のアノード3aに供給される。
また、電磁バルブ74,75を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、発電用改質器2への発電用改質原料の供給を停止する(手順132)。これにより、発電用改質器2で生成された改質ガスの供給が停止する。
続いて、例えば電磁バルブ11を制御して、SOFCスタック3のカソード3bに供給される空気量を増やすことにより、モジュール容器5内の降温を開始する(手順133)。
そして、各温度センサ25の検出信号に基づいてヒータ31A〜31Cの通電を例えばPID制御して、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内を水の沸点以上で且つアノード3aの酸化劣化点以下の温度に保持する(手順134)。
SOFCスタック3内がアノード3aの酸化劣化点以下の温度になった後、電磁バルブ84,85を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、起動・停止用改質器4への起動・停止用改質原料の供給を停止する(手順135)。これにより、起動・停止用改質器4からSOFCスタック3への改質ガスの供給が停止する。また、ヒータ31A〜31Cの通電を停止する(手順136)。
このように燃料電池システム30の停止時には、起動・停止用改質器4で生成された改質ガスをSOFCスタック3に供給している間、改質ガス供給管8内、SOFCスタック3内のガス流路及びガス排気管10内は水の沸点以上の温度に維持される。従って、改質ガスやSOFCスタック3からのオフガスに含まれる水分の凝縮が防止されるので、当該水分の凝縮による水溜まりの発生を防止することができる。
図8は、本発明に係わる燃料電池システムの第3実施形態を示すシステム構成図である。図中、第1及び第2実施形態と同一または同等の要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
同図において、本実施形態の燃料電池システム40は、改質ガス供給管8、SOFCスタック3及びガス排気管10を含むモジュール容器5の内部全体を加熱するバーナ41及びヒータ42を備えている。バーナ41は、例えばモジュール容器5の底部に設置されている。ヒータ42は、例えばモジュール容器5の側部に設置されている。なお、バーナ41及びヒータ42の数量や設置部位等は、特に上記のものに限定されない。
また、燃料電池システム40は、複数の温度センサ25と、制御装置43とを備えている。温度センサ25は、改質ガス供給管8、SOFCスタック3及びガス排気管10の内部に加え、SOFCスタック3からのアノードオフガス及びカソードオフガスに含まれる水分の凝縮により水が溜まりやすいモジュール容器5内の底にも配置されている。なお、温度センサ25は、これ以外にも、例えば温度の低くなりやすい箇所や水が溜まりやすい箇所に適宜設ければ良い。
制御装置43は、電磁バルブ74,75を制御することで原燃料及び水蒸気の供給量を制御し、電磁バルブ84,85を制御することで原燃料及び水蒸気の供給量を制御し、電磁バルブ11を制御することで発電用空気の導入量を制御する機能に加え、バーナ41の着火及びヒータ42の通電を制御する機能を有している。
図9は、燃料電池システム40の起動時に、制御装置43により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。以下、図9に示すフローチャートを用いて、燃料電池システム40の起動時の運転方法について説明する。
同図において、燃料気化器76,86及び水気化器73,83を所定の温度まで加熱し、更に起動・停止用改質器4を所定の温度まで加熱した後、バーナ41を着火すると共にヒータ42を通電して、モジュール容器5内を昇温する(手順141)。このとき、各温度センサ25の検出信号に基づいてバーナ41の着火及びヒータ42の通電を例えばPID制御して、改質ガス供給管8、SOFCスタック3及びガス排気管10の内部を含むモジュール容器5の内部全体を水の沸点以上で且つアノード3aの酸化劣化点以下の温度に保持する。なお、モジュール容器5内の底部については、水の沸点以上の温度であれば、特にアノード3aの酸化劣化点以下の温度でなくても良い。
そして、電磁バルブ84,85を制御して、起動・停止用改質器4に向けて原燃料及び水蒸気を供給することにより、起動・停止用改質器4に起動・停止用改質原料を供給する(手順142)。すると、起動・停止用改質器4により生成された改質ガスがSOFCスタック3のアノード3aに供給される。また、電磁バルブ11を制御して、SOFCスタック3のカソード3bに発電用空気を供給する(手順143)。
その後、SOFCスタック3からのオフガスの燃焼熱等によりモジュール容器5内が昇温される。そして、発電用改質器2の温度が所定の温度に到達したら、電磁バルブ74,75を制御して、発電用改質器2に向けて原燃料及び水蒸気を供給することにより、発電用改質器2に発電用改質原料を供給する(手順144)。すると、発電用改質器2により生成された改質ガスがSOFCスタック3のアノード3aに供給される。
続いて、電磁バルブ84,85を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、起動・停止用改質器4への起動・停止用改質原料の供給を停止する(手順145)。その後、SOFCスタック3が所定の温度まで昇温された後、SOFCスタック3から電流を取り出すことにより、SOFCスタック3による発電が開始される。また、バーナ41の着火及びヒータ42の通電を停止する(手順146)。
このように燃料電池システム40の起動時には、起動・停止用改質器4により生成された改質ガスをSOFCスタック3に供給する前に、モジュール容器5の内部全体を水の沸点以上の温度となるまで昇温する。このため、その後で改質ガスがSOFCスタック3に供給されたときに、改質ガスやオフガスに含まれる水分の凝縮が防止される。また、モジュール容器5内においてオフガスが着火されることでオフガス燃焼ガスが発生したり、或いはモジュール容器5外でアノードオフガス及びカソードオフガスが混合燃焼されてオフガス燃焼ガスが発生し、これがモジュール容器5内に入り込んで流通することがあるが、そのようなオフガス燃焼ガスに含まれる水分の凝縮も防止される。これにより、改質ガス供給管8、SOFCスタック3及びガス排気管10の内部やモジュール容器5内の底部に水溜まりが生じることを防止できる。
図10は、燃料電池システム40の停止時に、制御装置43により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。以下、図10に示すフローチャートを用いて、燃料電池システム40の停止時の運転方法について説明する。
同図において、まず起動・停止用改質器4を所定の温度まで加熱する。また、電磁バルブ74,75を制御して、原燃料及び水蒸気の供給量を減らすことにより、発電用改質器2への発電用改質原料の供給量を減らす。これにより、発電用改質器2で生成される改質ガスの供給量が減少する。
そして、電磁バルブ84,85を制御して、起動・停止用改質器4に向けて少量の原燃料及び水蒸気を供給することにより、起動・停止用改質器4に少量の起動・停止用改質原料を供給する(手順151)。すると、起動・停止用改質器4により生成された改質ガスが少量だけSOFCスタック3のアノード3aに供給される。
また、電磁バルブ74,75を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、発電用改質器2への発電用改質原料の供給を停止する(手順152)。これにより、発電用改質器2で生成された改質ガスの供給が停止する。
続いて、例えば電磁バルブ11を制御して、SOFCスタック3のカソード3bに供給される空気量を増やすことにより、モジュール容器5内の降温を開始する(手順153)。
そして、各温度センサ25の検出信号に基づいてバーナ41の着火及びヒータ42の通電を例えばPID制御して、改質ガス供給管8、SOFCスタック3及びガス排気管10の内部を含むモジュール容器5の内部全体を水の沸点以上で且つアノード3aの酸化劣化点以下の温度に保持する(手順154)。なお、モジュール容器5内の底部については、水の沸点以上の温度であれば、特にアノード3aの酸化劣化点以下の温度でなくても良い。
SOFCスタック3内がアノード3aの酸化劣化点以下の温度になった後、電磁バルブ84,85を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、起動・停止用改質器4への起動・停止用改質原料の供給を停止する(手順155)。これにより、起動・停止用改質器4からSOFCスタック3への改質ガスの供給が停止する。また、バーナ41の着火及びヒータ42の通電を停止する(手順156)。
このように燃料電池システム40の停止時には、起動・停止用改質器4で生成された改質ガスをSOFCスタック3に供給している間、モジュール容器5の内部全体は水の沸点以上の温度に維持される。従って、改質ガスやオフガス(オフガス燃焼ガスを含む)に含まれる水分の凝縮が防止される。これにより、改質ガス供給管8、SOFCスタック3及びガス排気管10の内部やモジュール容器5内の底部に水溜まりが生じることを防止できる。
なお、上記第3実施形態では、モジュール容器5の内部全体を加熱する構成としたが、モジュール容器5内の少なくとも底部を加熱する構成であっても良い。
図11は、本発明に係わる燃料電池システムの第4実施形態を示すシステム構成図である。図中、第1及び第2実施形態と同一または同等の要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
同図において、本実施形態の燃料電池システム50は、原料導入管6における燃料気化器76の下流側を加熱するヒータ51Aと、水蒸気供給管71を加熱するヒータ51Bと、原料導入管12における燃料気化器86の下流側を加熱するヒータ52Aと、水蒸気供給管81を加熱するヒータ52Bとを備えている。なお、特に図示はしていないが、原料導入管6における燃料気化器76の上流側を加熱するヒータや、原料導入管12における燃料気化器86の上流側を加熱するヒータも設けるのが望ましい。また、これらの配管が重力加速度の方向に対して上向きに屈曲する曲がり流路部を有している場合には、その曲がり流路部を含む領域を加熱するのが望ましい。
また、燃料電池システム50は、複数の温度センサ25と、制御装置53とを備えている。温度センサ25は、原料導入管6における燃料気化器76の下流側部位の内部、水蒸気供給管71の内部、原料導入管12における燃料気化器86の下流側部位の内部、水蒸気供給管81の内部に配置されている。なお、温度センサ25は、これらの配管において、例えば温度の低くなりやすい箇所や水が溜まりやすい箇所に適宜設ければ良い。
制御装置53は、電磁バルブ74,75を制御することで原燃料及び水蒸気の供給量を制御し、電磁バルブ84,85を制御することで原燃料及び水蒸気の供給量を制御し、電磁バルブ11を制御することで発電用空気の導入量を制御する機能に加え、ヒータ51A〜52Bの通電を制御する機能を有している。
図12は、燃料電池システム50の起動時に、制御装置53により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。以下、図12に示すフローチャートを用いて、燃料電池システム50の起動時の運転方法について説明する。
同図において、まず燃料気化器76,86及び水気化器73,83を所定の温度まで加熱し、更に起動・停止用改質器4を所定の温度まで加熱する。
そして、ヒータ51A〜52Bを通電して、原料導入管6、水蒸気供給管71、原料導入管12及び水蒸気供給管81の内部を昇温する(手順161)。このとき、各温度センサ25の検出信号に基づいてヒータ51A〜52Bの通電を例えばPID制御して、原料導入管6、水蒸気供給管71、原料導入管12及び水蒸気供給管81の内部を所定範囲の温度に保持する。具体的には、水蒸気供給管71,81の内部については、水の沸点以上の温度に保持し、原料導入管6,12の内部については、水及び原燃料の沸点のうち高い方の温度以上の温度に保持する。
そして、電磁バルブ84,85を制御して、起動・停止用改質器4に向けて原燃料及び水蒸気を供給することにより、起動・停止用改質器4に起動・停止用改質原料を供給する(手順162)。すると、起動・停止用改質器4により生成された改質ガスがSOFCスタック3のアノード3aに供給される。また、電磁バルブ11を制御して、SOFCスタック3のカソード3bに発電用空気を供給する(手順163)。
その後、SOFCスタック3からのアノードオフガスの燃焼熱等によりモジュール容器5内が昇温される。そして、発電用改質器2の温度が所定の温度に到達したら、電磁バルブ74,75を制御して、発電用改質器2に向けて原燃料及び水蒸気を供給することにより、発電用改質器2に発電用改質原料を供給する(手順164)。すると、発電用改質器2により生成された改質ガスがSOFCスタック3のアノード3aに供給される。
続いて、電磁バルブ84,85を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、起動・停止用改質器4への起動・停止用改質原料の供給を停止する(手順165)。その後、SOFCスタック3が所定の温度まで昇温された後、SOFCスタック3から電流を取り出すことにより、SOFCスタック3による発電が開始される。また、ヒータ51A〜52Bの通電を停止する(手順166)。
ところで、水蒸気改質反応時に改質器の改質触媒表面に炭素が析出する、いわゆるコーキングが発生すると、改質触媒が劣化して改質反応を阻害することがある。これを防止するには、改質器に改質原料を供給するときに、まず水蒸気のみを改質器に供給し、その後で原燃料と水蒸気とが混合された改質原料を改質器に供給するのが好適である。このとき、原料導入管6、水蒸気供給管71、原料導入管12、水蒸気供給管81の内部の温度が水の沸点よりも低い状態で、これらの配管内を水蒸気が流れると、水蒸気が凝縮するため、当該配管内に水溜まりが発生してしまう。この場合には、上述したように水溜まりの突沸による配管の破損等を引き起こすことがある。
これに対し本実施形態では、最初に水蒸気を起動・停止用改質器4及び発電用改質器2に供給する前に、ヒータ51B,52Bによって水蒸気供給管71,81の内部を水の沸点以上の温度となるまで昇温すると共に、ヒータ51A,52Aによって原料導入管6,12の内部を水及び原燃料の沸点のうち高い方の温度以上の温度となるまで昇温する。このため、その後で水蒸気が水蒸気供給管81内及び原料導入管12内を通って起動・停止用改質器4に供給されるとき、更には水蒸気が水蒸気供給管71内及び原料導入管6内を通って発電用改質器2に供給されるときに、水蒸気の凝縮が防止されるようになる。これにより、水蒸気の凝縮による水溜まりの発生を防止することができる。また、原燃料が原料導入管6,12内を通るときに、原燃料の凝縮も防止される。
図13は、燃料電池システム50の停止時に、制御装置53により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。以下、図13に示すフローチャートを用いて、燃料電池システム50の停止時の運転方法について説明する。
同図において、まず起動・停止用改質器4を所定の温度まで加熱する。また、電磁バルブ74,75を制御して、原燃料及び水蒸気の供給量を減らすことにより、発電用改質器2への発電用改質原料の供給量を減らす。これにより、発電用改質器2で生成される改質ガスの供給量が減少する。
そして、電磁バルブ84,85を制御して、起動・停止用改質器4に向けて少量の原燃料及び水蒸気を供給することにより、起動・停止用改質器4に少量の起動・停止用改質原料を供給する(手順171)。すると、起動・停止用改質器4により生成された改質ガスが少量だけSOFCスタック3のアノード3aに供給される。
また、電磁バルブ74,75を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、発電用改質器2への発電用改質原料の供給を停止する(手順172)。これにより、発電用改質器2で生成された改質ガスの供給が停止する。
続いて、例えば電磁バルブ11を制御して、SOFCスタック3のカソード3bに供給される空気量を増やすことにより、モジュール容器5内の降温を開始する(手順173)。そして、各温度センサ25の検出信号に基づいてヒータ51A〜52Bの通電を例えばPID制御して、原料導入管6、水蒸気供給管71、原料導入管12、水蒸気供給管81の内部を所定範囲の温度に保持する(手順174)。具体的には、水蒸気供給管71,81の内部については、水の沸点以上の温度に保持し、原料導入管6,12の内部については、水及び原燃料の沸点のうち高い方の温度以上の温度に保持する。
SOFCスタック3内がアノード3aの酸化劣化点以下の温度になった後、電磁バルブ84,85を制御して、原燃料及び水蒸気の供給を停止することにより、起動・停止用改質器4への起動・停止用改質原料の供給を停止する(手順175)。これにより、起動・停止用改質器4からSOFCスタック3への改質ガスの供給が停止する。また、ヒータ51A〜52Bの通電を停止する(手順176)。
このようなシステム停止時に、改質器への改質原料の供給を停止するときには、上述したコーキングを防止するために、まず原燃料の供給を停止し、その後で水蒸気の供給を停止するのが好適である。このとき、原料導入管6、水蒸気供給管71、原料導入管12及び水蒸気供給管72の内部の温度が水の沸点よりも低い状態で、これらの配管内を水蒸気が流れると、上記と同様に水蒸気が凝縮するため、水溜まりが生じてしまう。
これに対し本実施形態では、水蒸気を発電用改質器2及び起動・停止用改質器4に向けて供給している間、水蒸気供給管71,81の内部は水の沸点以上の温度に維持され、原料導入管6,12の内部は水及び原燃料の沸点のうち高い方の温度以上の温度に維持される。従って、水蒸気供給管71,81及び原料導入管6,12において、水蒸気の凝縮が防止されるので、当該水蒸気の凝縮による水溜まりの発生を防止することができる。また、原料導入管6,12において、原燃料の凝縮も防止される。
なお、上記第4実施形態では、原料導入管6内、水蒸気供給管71内、原料導入管12内、水蒸気供給管81内をヒータ51A〜52Bでそれぞれ加熱するようにしたが、これらの加熱源としては、バーナを使用しても良いし、あるいは上記第1実施形態のように燃焼触媒を使用しても良い。燃焼触媒を用いる場合には、燃焼触媒を加熱させるための燃料及び空気が必要となるが、燃料としては、発電用改質原料または起動・停止用改質原料を使っても良いし、これとは別系統の燃料ガスを使っても良い。
また、上記第4実施形態では、液体の原燃料と水蒸気とを混合して改質原料とし、この改質原料を気化させるようにしたが、例えば原燃料と水を個別に気化し、原燃料ガスと水蒸気とを混合して改質原料ガスを生成する構成としても良い。この場合には、水蒸気が燃料供給管内に入り込むことがあり得るため、原料導入管及び水蒸気供給管に加え、燃料供給管内についてもヒータ等の加熱源で加熱するのが好ましい。このとき、燃料供給管の内部を燃料の沸点以上の温度に維持する。
以上、本発明に係わる燃料電池システム及びその運転方法の好適な実施形態について幾つか説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、発電用改質器2及び起動・停止用改質器4が何れもモジュール容器5内に配置されているが、本発明は、発電用改質器2がモジュール容器5内に配置され、起動・停止用改質器4がモジュール容器5の外部に配置されているシステムや、或いは発電用改質器2及び起動・停止用改質器4が何れもモジュール容器5の外部に配置されているシステムにも適用可能である。
また、本発明は、改質器が1つしかない燃料電池システムにも適用可能である。この場合、燃料電池システムの起動時には、例えば改質ガス供給管8内やSOFCスタック3内のガス流路等または原料導入管内や水蒸気供給管内を水の沸点以上の温度に保持した状態で、改質原料を改質器に導入し、改質器で生成された改質ガスをSOFCスタック3に供給する。一方、燃料電池システムの停止時には、例えば改質ガス供給管8内やSOFCスタック3内のガス流路等または原料導入管内や水蒸気供給管内を水の沸点以上の温度に保持した状態で、改質器への改質原料の導入を停止することで、SOFCスタック3への改質ガスの供給を停止する。
また、上記実施形態の燃料電池システムは、原燃料及び水蒸気を混合した改質原料を導入し、原燃料を水蒸気改質反応させる改質器を備えたものであるが、本発明は、原燃料、水蒸気及び空気を混合した改質原料を導入し、原燃料を自己熱改質反応させる改質器を備えたもの等にも適用可能である。この場合には、コーキング防止のために、例えばまず水蒸気及び空気を改質器に順に供給し、その後で原燃料と水蒸気と空気とが混合された改質原料を改質器に供給するのが好適である。
さらに、上記実施形態は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に関するシステムであるが、本発明は、例えばSOFCと同じ高温型燃料電池である溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)等にも適用可能である。
本発明に係わる燃料電池システムの第1実施形態を示すシステム構成図である。 図1に示した改質ガス供給管の概略図である。 図1に示した燃料電池システムの起動時に、制御装置により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。 図1に示した燃料電池システムの停止時に、制御装置により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係わる燃料電池システムの第2実施形態を示すシステム構成図である。 図5に示した燃料電池システムの起動時に、制御装置により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。 図5に示した燃料電池システムの停止時に、制御装置により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係わる燃料電池システムの第3実施形態を示すシステム構成図である。 図8に示した燃料電池システムの起動時に、制御装置により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。 図8に示した燃料電池システムの停止時に、制御装置により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係わる燃料電池システムの第4実施形態を示すシステム構成図である。 図11に示した燃料電池システムの起動時に、制御装置により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。 図11に示した燃料電池システムの停止時に、制御装置により実行される制御処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池システム、2…発電用改質器、3…固体酸化物形燃料電池(SOFC)スタック、3a…アノード、4…起動・停止用改質器、5…モジュール容器、6…原料導入管(改質原料流路)、8…改質ガス供給管(改質ガス流路)、8a…曲がり流路部、10…ガス排気管(下流ガス流路)、12…原料導入管(改質原料流路)、15A〜15C…燃焼触媒(加熱手段)、16…空気導入管(加熱手段)、17…電磁バルブ(加熱手段)、18…空気導入管(加熱手段)、19…電磁バルブ(加熱手段)、20…空気導入管(加熱手段)、21…電磁バルブ(加熱手段)、25…温度センサ(温度検出手段)、26…制御装置(制御手段)、30…燃料電池システム、31A〜31C…ヒータ(加熱手段)、32…制御装置(制御手段)、40…燃料電池システム、41…バーナ(加熱手段)、42…ヒータ(加熱手段)、43…制御装置(制御手段)、50…燃料電池システム、51A,51B…ヒータ(加熱手段)、52A,52B…ヒータ(加熱手段)、53…制御装置(制御手段)、70…燃料供給管(原燃料流路)、71…水蒸気供給管(水蒸気流路)、80…燃料供給管(原燃料流路)、81…水蒸気供給管(水蒸気流路)。

Claims (18)

  1. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、
    前記発電用改質器と改質ガス流路を介して接続され、前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、
    前記改質ガス流路、前記燃料電池スタック内のガス流路、前記燃料電池スタックの下流ガス流路の少なくとも1つを加熱する加熱手段と
    前記発電用改質器の入力側に接続され、原燃料を改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成する起動・停止用改質器とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記加熱手段は、前記改質ガス流路、前記燃料電池スタック内のガス流路及び前記下流ガス流路の少なくとも1つに設けられた燃焼触媒と、前記燃焼触媒に空気を供給する手段とを有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記加熱手段は、前記改質ガス流路、前記燃料電池スタック及び前記下流ガス流路の少なくとも1つの近傍に配置されたヒータまたはバーナであることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 前記改質ガス流路及び前記下流ガス流路の少なくとも1つは、重力加速度の方向に対して上向きに曲がるように形成された曲がり流路部を有し、
    前記加熱手段は、前記曲がり流路部を含む領域を加熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の燃料電池システム。
  5. 前記改質ガス流路、前記燃料電池スタック内のガス流路及び前記下流ガス流路の少なくとも1つの温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段の検出信号に基づいて、前記改質ガス流路、前記燃料電池スタック内のガス流路及び前記下流ガス流路の少なくとも1つの温度が水の沸点以上となるように、前記加熱手段を制御する制御手段とを更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の燃料電池システム。
  6. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、
    前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタックを収容する容器と、
    前記容器内の少なくとも底部を加熱する加熱手段と
    前記発電用改質器の入力側に接続され、原燃料を改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成する起動・停止用改質器とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  7. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、
    前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、
    前記発電用改質器に向けて水蒸気を供給するための水蒸気流路と、
    前記発電用改質器に向けて原燃料を供給するための原燃料流路と、
    前記水蒸気流路及び前記原燃料流路と接続され、原燃料及び水蒸気が混合された改質原料を前記発電用改質器に導入するための改質原料流路と、
    前記水蒸気流路、前記原燃料流路及び前記改質原料流路のうち少なくとも前記水蒸気流路または少なくとも前記改質原料流路を加熱する加熱手段と
    前記改質原料流路に接続され、原燃料を改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成する起動・停止用改質器とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  8. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、前記発電用改質器と改質ガス流路を介して接続され、前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックとを備える燃料電池システムの運転方法において、
    前記燃料電池システムを起動させる際に、前記改質ガス流路、前記燃料電池スタック内のガス流路、前記燃料電池スタックの下流ガス流路の少なくとも1つを水の沸点以上の温度まで昇温し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、前記起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、前記発電用改質器及び前記改質ガス流路を介して前記燃料電池スタックに供給し、前記発電用改質器で生成された改質ガスを前記燃料電池スタックに供給することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  9. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、前記発電用改質器と改質ガス流路を介して接続され、前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックとを備える燃料電池システムの運転方法において、
    前記改質ガス流路、前記燃料電池スタック内のガス流路、前記燃料電池スタックの下流ガス流路の少なくとも1つに燃焼触媒を予め充填させておき、
    前記燃料電池システムを起動させる際に、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、前記起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、前記発電用改質器及び前記改質ガス流路を介して前記燃料電池スタックに供給すると共に前記燃焼触媒に空気を供給して、前記改質ガス流路、前記燃料電池スタック内のガス流路及び前記下流ガス流路の少なくとも1つを水の沸点以上の温度に昇温保持し、前記発電用改質器で生成された改質ガスを前記燃料電池スタックに供給することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  10. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、前記発電用改質器と改質ガス流路を介して接続され、前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックとを備える燃料電池システムの運転方法において、
    前記燃料電池システムを停止させる際に、前記改質ガス流路、前記燃料電池スタック内のガス流路、前記燃料電池スタックの下流ガス流路の少なくとも1つを水の沸点以上の温度に保持するように降温し、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、前記起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、前記発電用改質器及び前記改質ガス流路を介して前記燃料電池スタックに供給し、その状態で前記燃料電池スタックへの改質ガスの供給を停止することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  11. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックを収容する容器とを備える燃料電池システムの運転方法において、
    前記燃料電池システムを起動させる際に、前記容器内の少なくとも底部を水の沸点以上の温度まで昇温し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、前記起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、前記発電用改質器及び前記改質ガス流路を介して前記燃料電池スタックに供給し、前記発電用改質器で生成された改質ガスを前記燃料電池スタックに供給することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  12. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックを収容する容器とを備える燃料電池システムの運転方法において、
    前記燃料電池システムを停止させる際に、前記容器内の少なくとも底部を水の沸点以上の温度に保持するように降温し、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、前記起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、前記発電用改質器及び前記改質ガス流路を介して前記燃料電池スタックに供給し、その状態で前記燃料電池スタックへの改質ガスの供給を停止することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  13. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、前記発電用改質器に向けて水蒸気を供給するための水蒸気流路と、前記発電用改質器に向けて原燃料を供給するための原燃料流路と、前記水蒸気流路及び前記原燃料流路と接続され、原燃料及び水蒸気が混合された改質原料を前記発電用改質器に導入するための改質原料流路とを備える燃料電池システムの運転方法において、
    前記燃料電池システムを起動させる際に、前記水蒸気流路、前記原燃料流路及び前記改質原料流路のうち少なくとも前記水蒸気流路を水の沸点以上の温度まで昇温し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、前記起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、前記改質原料流路に供給し、水蒸気及び原燃料を前記発電用改質器に向けて順次供給することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  14. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、前記発電用改質器に向けて水蒸気を供給するための水蒸気流路と、前記発電用改質器に向けて原燃料を供給するための原燃料流路と、前記水蒸気流路及び前記原燃料流路と接続され、原燃料及び水蒸気が混合された改質原料を前記発電用改質器に導入するための改質原料流路とを備える燃料電池システムの運転方法において、
    前記燃料電池システムを停止させる際に、前記水蒸気流路、前記原燃料流路及び前記改質原料流路のうち少なくとも前記水蒸気流路を水の沸点以上の温度に保持し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、前記起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、前記改質原料流路に供給し、前記燃料電池スタックへの原燃料及び水蒸気の供給を順次停止することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  15. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、前記発電用改質器に向けて水蒸気を供給するための水蒸気流路と、前記発電用改質器に向けて原燃料を供給するための原燃料流路と、前記水蒸気流路及び前記原燃料流路と接続され、原燃料及び水蒸気が混合された改質原料を前記発電用改質器に導入するための改質原料流路とを備える燃料電池システムの運転方法において、
    前記燃料電池システムを起動させる際に、前記水蒸気流路、前記原燃料流路及び前記改質原料流路のうち少なくとも前記改質原料流路を水及び原燃料の沸点のうち高い方の温度以上の温度まで昇温し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、前記起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、前記改質原料流路に供給し、水蒸気及び原燃料を前記発電用改質器に向けて順次供給することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  16. 原燃料を改質して改質ガスを生成する発電用改質器と、前記発電用改質器で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池スタックと、前記発電用改質器に向けて水蒸気を供給するための水蒸気流路と、前記発電用改質器に向けて原燃料を供給するための原燃料流路と、前記水蒸気流路及び前記原燃料流路と接続され、原燃料及び水蒸気が混合された改質原料を前記発電用改質器に導入するための改質原料流路とを備える燃料電池システムの運転方法において、
    前記燃料電池システムを停止させる際に、前記水蒸気流路、前記原燃料流路及び前記改質原料流路のうち少なくとも前記改質原料流路を水及び原燃料の沸点のうち高い方の温度以上の温度に保持し、その状態で、原燃料を起動・停止用改質器により改質して還元性を有する水素を含有する改質ガスを生成し、前記起動・停止用改質器で生成された改質ガスを、前記改質原料流路に供給し、前記燃料電池スタックへの原燃料及び水蒸気の供給を順次停止することを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  17. 前記燃料電池スタックは、固体酸化物形燃料電池スタックであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の燃料電池システム。
  18. 前記燃料電池スタックとして、固体酸化物形燃料電池スタックを用いることを特徴とする請求項8〜16のいずれか一項記載の燃料電池システムの運転方法。
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