JP5183799B2 - タグリーダ装置およびデータ復調方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パッシブ型RFID(Radio Frequency IDentification)システムにおけるタグリーダ装置およびデータ復調方法に関する。
パッシブ型RFID(Radio Frequency IDentification)システムでは、タグリーダ装置がタグにCW(Continuous Wave)を送信し、タグ側は、送信されてきたCWに対して自身の反射係数を変化させてON/OFFを生成することにより、自タグ内に埋め込まれているID情報をリーダ装置へと返信する。このようなパッシブ型RFIDシステムは、タグ側に電池を内蔵する必要がないことから、タグを安価でかつ小さく実現することができ、物流管理や入退場管理など、様々な分野で利用が開始されている。
なかでも、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波を用いたRFIDシステムでは、タグリーダ装置−タグ間の通信規約(エアプロトコル)として、EPC Global C1G2(Class1 Generation2)規格が規定されている。この規格では、タグからの返信方式の1つとして、ミラーサブキャリア方式が規定されている。ミラーサブキャリア方式では、タグリーダ装置がCWの送信を行う周波数チャネルとは別の周波数チャネルでタグからの返信を行うため、受信周波数チャネル以外の帯域外抑圧が理想的に行われると仮定した場合、タグリーダ装置間の深刻な干渉問題が回避できるという利点がある。タグリーダ装置がミラーサブキャリア信号を復調する従来の手法として、例えば下記特許文献1にディジタル復調部が相関演算を行う手法が記載されている。
特開2008−154178号公報
しかしながら、上記従来のタグリーダ装置では、受信側が相関演算を実施し続ける必要がある。そのため、ディジタル回路規模や消費電力が増大する、という問題がある。また、相関系列の比較的短い相関演算による帯域外抑圧のみでは、抑圧量が不十分で、パッシブ型RFIDシステムでは深刻となる他リーダ装置からの干渉の影響が回避困難となり、ミラーサブキャリア方式を用いることによる利点が十分に発揮できない可能性がある、という問題がある。
また、ディジタル復調部における帯域外抑圧の手法としては、相関演算を行う手法以外に、ディジタルバンドパスフィルタの適用による手法も考えられるが、量子化ビット数の制約に起因する量子化誤差が原因で、十分な帯域外抑圧量が得られない可能性がある。
さらに、別の手法として、A/D(Analog/Digital)変換によりディジタル信号を生成する前に、急峻な遮断特性を有した高次のアナログバンドパスフィルタを適用する手法が考えられる。アナログバンドパスフィルタでは量子化誤差が発生しないため、ディジタルフィルタよりも急峻な減衰特性が得られる利点がある。しかしながら、この手法では、アナログフィルタ特有の群遅延歪みが発生して受信波形が歪むことにより、受信特性が劣化する、という問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回路規模や消費電力を増大させずに、他リーダ装置からの干渉の影響を回避し、かつ、受信特性の劣化を回避することができるタグリーダ装置およびデータ復調方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、RFIDシステムにおいて、タグからの受信信号の帯域外成分を抑制するフィルタを備えるタグリーダ装置であって、所定の送信データの単位ごとに、前記フィルタによって生じる群遅延歪みの影響が大きい位置である歪み位置を定めておき、受信信号を、歪み位置に対応する信号であるか否かを識別する群遅延歪み位置判定手段と、前記群遅延歪み位置判定手段が識別した歪み位置以外の位置の受信信号と、その歪み位置に対応する値をそれぞれ除いた前記送信データの単位ごとの想定される送信データパターンの候補と、の比較結果に基づいてデータ復調処理を実施するデータ復調手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、群遅延歪み位置検出手段が、受信信号を、群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置とそれ以外の位置に識別し、データ復調手段が、送信信号パターンの候補から群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置をマスクしたパターンを用いてデータ復調処理を行うようにしたので、回路規模や消費電力を増大させずに、他リーダ装置からの干渉の影響を回避し、かつ、受信特性の劣化を回避することができる、という効果を奏する。
図1は、本発明にかかるタグリーダ装置の実施の形態1の受信回路の機能構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1のディジタル復調部の機能構成例を示す図である。 図3は、群遅延歪みが発生する様子の概念を示す図である。 図4は、ミラーサブキャリア信号の信号パターンの一例を示す図である。 図5−1は、データ復調に用いる信号位置のパターンの一例を示す図である。 図5−2は、データ復調に用いる信号位置のパターンの一例を示す図である。 図6は、実施の形態2のディジタル復調部の機能構成例を示す図である。 図7は、実施の形態3のディジタル復調部の機能構成例を示す図である。 図8は、実施の形態4のディジタル復調部の機能構成例を示す図である。 図9は、実施の形態4のディジタル復調部の機能構成例を示す図である。 図10は、実施の形態4のディジタル復調部の機能構成例を示す図である。 図11は、実施の形態5のディジタル復調部の機能構成例を示す図である。
以下に、本発明にかかるタグリーダ装置およびデータ復調方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるタグリーダ装置の実施の形態1の受信回路の機能構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態のタグリーダ装置の受信回路は、アナログベースバンド信号として入力される受信信号に対して他周波数チャネルからの干渉を抑圧するためのフィルタであるアナログバンドパスフィルタ11−1,11−2と、アナログバンドパスフィルタ11が干渉を抑圧した受信信号をディジタルベースバンド信号へ変換するA/D変換器12−1,12−2と、ディジタルベースバンド信号に基づいてデータを復調するディジタル復調部13と、で構成される。
アナログバンドパスフィルタ11−1,11−2は、入力されるアナログベースバンド信号の同相成分(Ich),直交成分(Qch)に対してそれぞれ処理を実施する。また、A/D変換器12−1,12−2は、アナログバンドパスフィルタ11−1,11−2がそれぞれ処理した受信信号をディジタルベースバンド信号の同相成分(Ich),直交成分(Qch)としてディジタル復調部13に出力する。
本実施の形態のタグリーダ装置は、ミラーサブキャリア方式を採用するパッシブ型RFIDシステムにおいて、リーダ装置として機能する装置であり、タグにCWを送信し、タグへ送信するCWとは別の周波数チャネルでタグから返送されるミラーサブキャリア信号を受信して、受信した信号をデータ復調してタグから送信された情報を取得する。図1では、タグリーダ装置の機能のうち、ミラーサブキャリア信号の復調を行う受信回路の部分を示している。
また、図2は、本発明におけるディジタル復調部13の機能構成例を示す図である。図2に示すように、本実施の形態のディジタル復調部13は、ディジタルベースバンド信号の同相成分(Ich),直交成分(Qch)をそれぞれの電力情報等に基づいて選択する、または、両成分の合成を行うIQ選択/合成部21と、ディジタルベースバンド信号からプリアンブル等のフレーム先頭位置を示す部分を検出し、フレーム先頭位置を検出するフレーム先頭位置検出部22と、を備える。また、本実施の形態のディジタル復調部13は、さらに、フレーム先頭位置検出部22が検出したフレーム先頭位置を基準にチップ数を数えて、群遅延歪みが比較的大きい位置とそれ以外の位置とを識別する群遅延歪み位置検出部23と、ディジタルベースバンド信号に対してある特定の演算を行うことにより、データ復調の基準となる1データ単位のタイミング情報を再生するタイミング再生部24と、ディジタルベースバンド信号とタイミング情報に基づいて、群遅延歪み位置検出部23が識別した群遅延歪みの比較的大きい信号位置を除いて、信号パターン候補のいずれかとパターンが完全に一致するかを検査することによりデータ復調を行う完全一致型データ復調部25と、を備える。
ここで、従来のタグリーダ装置の受信機が、アナログバンドパスフィルタを用いて帯域外成分を抑圧する際に生じる群遅延歪みについて説明する。図3は、群遅延歪みが発生する様子の概念を示す図である。図3の上図は、ミラーサブキャリア方式で送受信される各信号の周波数スペクトルを示し、下図は、タグリーダ装置のアナログバンドパスフィルタの群遅延特性を示している。また、図中の送信信号Aは、タグリーダ装置がタグへ伝送するCWを示し、ミラーサブキャリア信号Bは、タグからタクリーダ装置に送信される返送信号を示し、群遅延歪みCは、アナログバンドパスフィルタを用いることにより生じる歪みである。
群遅延歪みCは、アナログバンドパスフィルタ通過帯域幅の両端で顕著に発生するため、干渉抑圧性能を高めようとしてアナログバンドパスフィルタの帯域を狭帯域にすればするほど、群遅延歪みの影響はより顕著に現れる。本実施の形態では、この群遅延歪みによる受信特性劣化を改善する方法について述べる。
つぎに、本実施の形態の動作を説明する。タグリーダ装置のアナログバンドパスフィルタ11−1,11−2は、アナログベースバンド信号として入力される受信信号のIch,Qchに対してそれぞれ他周波数チャネルからの干渉を抑圧する。A/D変換器12は、アナログバンドパスフィルタ11−1,11−2の処理後のアナログベースバンド信号をそれぞれディジタルベースバンド信号へ変換する。そして、ディジタル復調部13は、ディジタルベースバンド信号に基づいてデータの復調を行う。
ディジタル復調部13では、まず、IQ選択/合成部21が、ディジタルベースバンド信号のIchとQchのいずれかの選択処理、またはIchとQchの合成処理を実施する。具体的なIchとQchのいずれかの選択処理方法としては、たとえば、IchとQchのそれぞれの電力値を求め、電力値が大きく信頼性が高いと判断される成分を選択する方法がある。ディジタル復調部13は、このような選択処理を実施するか、または、IchとQchのいずれかを選択せず、IchとQchの信号を合成することにより、両成分の情報を活用して信頼性を高める合成処理を行う。
フレーム先頭位置検出部22は、ディジタルベースバンド信号に基づいて通常フレームの先頭に配置されるプリアンブルやユニークワード等の情報を検出することにより、フレーム先頭位置を検出する。タイミング再生部24は、ディジタルベースバンド信号に対してある特定の演算を行うことにより、データ復調の基準となる1データ単位のタイミング情報を再生する。この特定の演算の具体例としては、例えば、ディジタルベースバンド信号に対してDFT(Discrete Fourier Transform)処理を施すことにより、自装置が有しているクロック周波数を基準とした場合のシンボル点位相値を算出し、受信信号のシンボルタイミングがどの位置に存在するかの情報を生成することにより1データ単位のタイミング情報を再生する。
群遅延歪み位置検出部23は、ディジタルベースバンド信号のデータ部分について、群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置であるか、それ以外の位置(群遅延歪みの影響が比較的小さい信号位置)であるか、を識別する。以下、この識別方法について詳細に説明する。図4は、ミラーサブキャリア信号の信号パターンの一例を示す図である。図4では、ミラーサブキャリア方式の拡散率を規定するパラメータであるMの値が8の場合の信号パターンを示している。なお、EPC Global C1G2規格には、M=8の他にM=4,M=2の場合が規定されており、M=4,M=2の場合も以下の方法を同様に適用できる。
図4に示すように、M=8の場合のミラーサブキャリア信号では、1ビットは16チップで表現され、ビット“0”または“1”を送信する際には、それぞれ以下のチップ系列が送信される。
・ビット“0”を送信する場合
チップ系列「HLHL HLHL HLHL HLHL」または「LHLH LHLH LHLH LHLH」を送信する。
・ビット“1”を送信する場合
チップ系列「HLHL HLHL LHLH LHLH」または「LHLH LHLH HLHL HLHL」を送信する。
アナログバンドパスフィルタによって生じる群遅延歪みの影響は、2チップ連続LまたはHとなる信号位置(図4中の点線枠部分)で顕著となる。具体的には、1ビットを表現する16チップに対して先頭から記号C0〜C15を割り振った場合、ビット“0”については、ビットの境目、すなわち、C0,C15で群遅延歪みが多く発生する。また、ビット“1”に関しては、C7,C8に群遅延歪みが多く発生する。そこで、群遅延歪みが多く発生し影響が出やすい信号位置を、群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置として識別し、データ復調に用いないようにする。
図5−1,5−2は、データ復調に用いる信号位置のパターンの一例を示す図である。図5−1,5−2では、それぞれ1ビットを表現する16チップについて、データ復調に用いる信号位置のパターンの例を示しており、図中、×印がついている箇所はデータ復調に用いない信号位置(群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置として識別された部分)を示している。図5−1では、ビット“0”で群遅延歪みが大きい位置と、ビット“1”で群遅延歪みが大きい位置と、の両方の位置、すなわち、ビット“0”,ビット“1”のいずれかで群遅延歪みが大きい位置であるC0,C7,C8,C15を復調に用いない場合のデータ復調パターンを示している。また、図5−2は、ビットごとにそれぞれで群遅延歪みが大きい位置を復調に使用しない場合、すなわち、ビット“0”ではC0とC15を、ビット“1”ではC7とC8をそれぞれ復調に用いない場合のデータ復調パターンを示している。
また、図5−1,5−2では、ビット“0”の(1)は、「HLHL HLHL HLHL HLHL」のパターンを送信する場合を、(2)は、「LHLH LHLH LHLH LHLH」を送信する場合を、それぞれ示し、ビット“1”の(3)は、「HLHL HLHL LHLH LHLH」のパターンを送信する場合を、(4)は、「LHLH LHLH HLHL HLHL」を送信する場合を、それぞれ示している。
完全一致型データ復調部25は、タイミング情報に基づいてディジタルベースバンド信号のシンボルごとの区切りを検出し、群遅延歪み位置検出部23が識別した群遅延歪みの影響が比較的小さい信号位置の信号と、保持している送信信号パターンの候補から影響が比較的大きい信号位置をマスクしたパターン(データ復調パターン)と、を比較し、完全一致であるか否かを判定することにより、データの復調処理を実施する。以下、その完全一致型データ復調部25の復調処理について具体例を挙げて説明する。ここでは、例として、タグからタグリーダ装置へビット“0”(チップ系列「HLHL HLHL HLHL HLHL」)を送信した場合に、C0とC15に群遅延歪みによる誤りが発生して、系列「LLHL HLHL HLHL HLHH」と誤って受信する場合について説明する。
図5−1に示したデータ復調パターンを用いる場合、照合に用いる対象チップ数は、マスクする4チップを除き全部で12チップである。この12チップを用いて受信した系列「LLHL HLHL HLHL HLHH」の照合を行うと、(1)のパターンとの不一致数は0チップ(0/12)であり、(2)のパターンとの不一致数は12チップ(12/12)であり、(3),(4)のパターンとの不一致は、共に6チップ(6/12)となり、完全に一致する(1)のパターンが送信されてきたパターンであると判定し、送信されてきたビット情報は“0”であると判定する。
つぎに、図5−2に示したデータ復調パターンを用いる場合、上記と同じく「LLHL HLHL HLHL HLHH」と受信したとする。この場合、照合に用いる対象チップ数は、マスクする2チップを除き全部で14チップである。この14チップを用いて「LLHL HLHL HLHL HLHH」の照合を行うと、(1)のパターンとの不一致数は0チップ(0/14)であり、(2)パターンとの不一致数は14チップ(14/14)であり、(3),(4)のパターンとの不一致数は、共に7チップ(7/14)となり、完全に一致する(1)のパターンが送信されてきたパターンであると判定し、送信されてきたビット情報は“0”であると判定する。
なお、図5−1に示したデータ復調パターンを用いる場合には、(1)〜(4)のパターンで、群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置としてマスクする位置が共通であるため、群遅延歪み位置検出部23は、これらの4つの位置を群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置として識別すればよいが、図5−2の例では、ビット“0”とビット“1”とでマスクする位置が異なる。したがって、図5−2の例の場合は、群遅延歪み位置検出部23が識別する際に、たとえば、ビット“0”のマスクする位置(群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置)について識別した情報と、ビット“1”のマスクする位置について識別した情報と、のどちらであるかを識別するための情報を渡す。そして、完全一致型データ復調部25は、その情報に基づいて比較するパターンに対応する遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置を完全一致の比較に用いないようにする。
このように、群遅延歪みの大きい信号位置に対して、たとえば、図5−1,5−2に示したようにマスク処理を行うことにより、アナログバンドパスフィルタで発生する群遅延歪みの影響を回避することができ、データ復調の精度を向上させることができる。
つづいて、本実施の形態の復調エラー処理について説明する。具体例として、タグからタグリーダ装置へビット“0”(チップ系列「HLHL HLHL HLHL HLHL」)を送信し、C0,C14,C15に誤りが発生して、系列「LLHL HLHL HLHL HLLH」として受信した場合を説明する。
図5−1に示したデータ復調パターンを用いる場合、(1)のパターンとの不一致数は1チップ(1/12)であり、(2)のパターンとの不一致数は11チップ(11/12)であり、(3)のパターンとの不一致数は5チップ(5/12)であり、(4)のパターンとの不一致数は7チップ(7/12)となる。この場合は、完全一致となるパターンが存在しないため、完全一致型データ復調部25は、復調不能と判定して、エラーパルスを出力して、該当フレームを破棄する。または、完全一致型データ復調部25は、この時点ではエラーパルスは出力せずに、ビット“0”であるかビット“1”であるかをランダムに判定し、後に行うCRC(Cyclic Redundancy Check)のチェック等によりエラーを検出するようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、ベースバンド信号がIchとQchが別に入力され、IchとQchのそれぞれに対して別にA/D変換を行う場合を例に説明したが、これに限らず、IF(Intermediate Frequency)信号の状態で入力されるIFサンプリングの形式の場合に、IF信号をA/D変換して、同様の処理を行うようにしてもよい。また、本実施の形態では、M=8としたが、これに限らず、M=4(1ビットを8チップで表現)やM=2(1ビットを4チップで表現)の場合にも、本実施の形態と同様の処理を行うことができる。
以上のように、本実施の形態では、群遅延歪み位置検出部23が、ディジタルベースバンド信号から群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置とそれ以外の位置を識別し、完全一致型データ復調部25が、送信信号パターンの候補から群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置をマスクしたパターンを用いて、群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置以外の位置のディジタルベースバンド信号に対して完全一致の判定を行うようにした。そのため、他リーダ装置からの干渉の影響を回避し、かつ、受信特性の劣化を回避することができる。
実施の形態2.
図6は、本発明にかかるタグリーダ装置の実施の形態2のディジタル復調部の機能構成例を示す図である。本実施の形態のタグリーダ装置の受信回路の構成は、実施の形態1のディジタル復調部13をディジタル復調部13aに替える以外は実施の形態1と同様である。また、本実施の形態のディジタル復調部13a以外の受信回路の動作は、実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図6に示すように、本実施の形態のディジタル復調部13aは、実施の形態1のディジタル復調部13の完全一致型データ復調部25を最尤判定型データ復調部26に替える以外は、実施の形態1のディジタル復調部13と同様である。本実施の形態の最尤判定型データ復調部26は、群遅延歪み位置検出部23が識別した群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置以外の位置のディジタルベースバンド信号を用いて、想定される信号パターン候補の中で最も一致度が高い信号パターンを復調データとする。
つづいて、本実施の形態の動作を説明する。IQ選択/合成部21、フレーム先頭位置検出部22、群遅延歪み位置検出部23、タイミング再生部24の動作は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
最尤判定型データ復調部26は、群遅延歪み位置検出部23が識別した群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置(群遅延歪みの比較的小さい信号位置)のディジタルベースバンド信号を用いて、群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置以外の位置をマスクした信号パターンの候補と一致度の最も高い信号パターンを復調データとすることにより、復調処理を実施する。以下、その復調処理について具体例を挙げて説明する。例えば、タグからタグリーダ装置へビット“0”(チップ系列「HLHL HLHL HLHL HLHL」)を送信し、C0,C1,C14,C15に誤りが発生して、系列「LHHL HLHL HLHL HLLH」と受信した場合について説明する。
図5−1のデータ復調パターンを用いる場合、照合に用いる対象チップ数は全部で12チップであり、(1)のパターンとの不一致数は2チップ(2/12)であり、(2)のパターンとの不一致数は10チップ(10/12)であり、(3),(4)のパターンとの不一致数は共に6チップ(6/12)であり、完全一致となるパターンが存在しない。最尤判定型データ復調部26は、最も一致度の高いパターンである(1)のパターンが送信されたパターンであると判定し、送信されてきたビット情報は“0”であると判定する。図5−2のデータ復調パターンを用いる場合についても、同様に最も一致度の高いパターンを送信されたパターンと判定する。
実施の形態1で説明した完全一致による復調では、群遅延により歪みが生じやすい位置以外の位置で誤りが生じた場合に復調できなかったが、本実施の形態では、群遅延により歪みが生じやすい位置以外の位置で多少の誤りが発生した場合でも、最も確からしいパターンが送信データであると判定することにより、データ復調を実施することができる。
つぎに、本実施の形態の復調エラー処理を説明する。具体例として、タグからタグリーダ装置へビット“0”(チップ系列「HLHL HLHL HLHL HLHL」)を送信し、C4,C10,C11,C12,C13に誤りが発生して、系列「HLHL LLHL HLLH LHHL」として受信したした場合について説明する。なお、復調エラー処理に関する説明であるため、本例では、群遅延歪みが大きい位置に関する誤り易さは考慮していない。
図5−1のデータ復調パターンを用いる場合、(1)のパターンおよび(3)のパターンとの不一致数は共に5チップ(5/12)であり、(2)のパターンおよび(4)のパターンとの不一致数は共に11チップ(11/12)であり、(1)のパターンと(2)のパターンとで不一致数が同一となることにより、送信されたパターンがビット“0”であるのかビット“1”であるのかが判定できない状態に陥る。このように判定不能に陥った場合には、最尤判定型データ復調部26は、エラーパルスを出力して、該当フレームを破棄する形にしてもよい。または、この時点ではエラーパルスは発生せずに、ビット“0”かビット“1”か、をランダムに判定し、後に行うCRCのチェック等によりエラーを検出する形にしてもよい。以上述べた以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1と同様である。
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、群遅延歪み位置検出部23は群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置とそれ以外の位置を識別し、最尤判定型データ復調部26は、群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置以外の位置のディジタルベースバンド信号と、群遅延歪みの影響が比較的大きい信号位置をマスクした信号パターンの候補と、の一致度の最も高い信号パターンを復調データとするようにした。そのため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、群遅延により歪みが生じやすい位置以外の位置で誤りが生じた場合にも復調データを求めることができ、実施の形態1より復調精度を向上させることができる。
実施の形態3.
図7は、本発明にかかるタグリーダ装置の実施の形態3のディジタル復調部の機能構成例を示す図である。本実施の形態のタグリーダ装置の受信回路の構成は、実施の形態1のディジタル復調部13をディジタル復調部13bに替える以外は実施の形態1と同様である。また、本実施の形態のディジタル復調部13b以外の受信回路の動作は、実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図7に示すように、本実施の形態のディジタル復調部13bは、実施の形態1のディジタル復調部13の完全一致型データ復調部25を最尤判定型軟判定データ復調部27に替え、位置別尤度設定部28を追加する以外は、実施の形態1のディジタル復調部13と同様である。本実施の形態の位置別尤度設定部28は、群遅延歪み位置検出部23が識別した群遅延歪みの比較的大きい信号位置に関しては低い尤度を設定し、群遅延歪みの比較的小さい信号位置に関しては高い尤度を設定する。また、最尤判定型軟判定データ復調部27は、位置別尤度設定部28において設定した位置別尤度情報に基づいて、ベースバンドディジタル信号に対して位置に重み付けを施して合成し、想定される信号パターン候補の中で最も合成尤度値が高い信号パターンを復調データとする。
つづいて、本実施の形態の動作を説明する。IQ選択/合成部21、フレーム先頭位置検出部22、群遅延歪み位置検出部23、タイミング再生部24の動作は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
位置別尤度設定部28は、情報の確からしさを尤度として定義し、受信信号に基づいて各信号位置の尤度を算出する。本実施の形態では、この尤度算出方法として、群遅延歪み位置検出部23が識別した群遅延歪みの比較的大きい信号位置に対しては低い尤度を設定し、群遅延歪みの比較的小さい信号位置に関しては高い尤度を設定する方法を採用する。
具体的には、例えば、群遅延歪みの比較的大きい信号位置の尤度はα(0<α<1)に設定し、比較的小さい信号位置(群遅延歪みの比較的大きい信号位置以外の位置)の尤度は1に設定する。このときαの値は、アナログバンドパスフィルタの次数により予め適切な値を設定しておくことが望ましい。通常、同じカットオフ周波数で比較した場合、アナログバンドパスフィルタの次数を大きくすればするほど群遅延歪みの影響は大きくなるため、次数が比較的大きいフィルタを用いる場合にはαは小さめに、次数が比較的小さいフィルタを用いる場合にはαは大きめに設定することが望ましい。
最尤判定型軟判定データ復調部27は、位置別尤度設定部28が設定した位置別尤度情報に基づき、ディジタルベースバンド信号に対して各信号位置の重み付けを施して合成し、想定される信号パターン候補の中で最も合成尤度値が高い信号パターンを復調データとする。以下、その復調処理について具体例を挙げて説明する。
図5−1のデータ復調パターンを用いる場合、本実施の形態では、×印の部分は、復調に用いないのではなく、重み付けの係数が異なることになる。たとえば、群遅延歪みの比較的大きい信号位置の尤度をα=0.2と設定する場合、図5−1の場合は、群遅延歪みが比較的大きい信号位置として扱うチップ数は×印をつけた4チップであり、これらの信号位置の尤度αを0.2に設定し、それ以外の位置はα=1と設定する。そして、チップごとに送信パターン候補と比較し、一致したチップの尤度を合算して合計尤度とする。合計尤度値は、16チップが完全一致した場合に最大値4×0.2+12×1.0=12.8をとる。
例として、タグからタグリーダ装置へビット“0”(チップ系列「HLHL HLHLHLHL HLHL」)を送信し、C0,C1,C14,C15に誤りが発生して、系列「LHHL HLHL HLHL HLLH」として受信した場合について考える。この場合、(1)のパターンを想定した場合の合計尤度値は10.4(10.4/12.8)であり、(2)のパターンを想定した場合の合計尤度値は2.4(2.4/12.8)であり、(3),(4)のパターンを想定した場合の合計尤度値は共に6.4(6.4/12.8)であり、最も尤度の高いパターンである(1)のパターンを、送信されたパターンであると判定し、送信されたビット情報は“0”であると判定する。図5−2のデータ復調パターンを用いる場合についても、同様に最も一致度の高いパターンを送信されたパターンと判定する。
なお、たとえば、ビット“0”の場合とビット“1”の場合とで合計尤度値が完全に一致し、判定不能に陥った場合には、最尤判定型軟判定データ復調部27は、エラーパルスを出力して、該当フレームを破棄する。または、この時点ではエラーパルスは出力せずに、ビット“0”かビット“1”か、をランダムに判定し、後に行うCRCのチェック等によりエラーを検出するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態では、位置別尤度設定部28が群遅延歪みの比較的大きい信号位置の尤度αを他の位置より小さく設定し、最尤判定型軟判定データ復調部27は、設定された尤度に基づいてディジタルベースバンド信号を合成して、合成後の信号と送信パターンの候補とを比較し、一致するチップの尤度の合計が最も大きくなるパターンを送信されたパターンと判定するようにした。そのため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、群遅延歪みの大きさを左右するアナログバンドパスフィルタの次数等に合わせて適切なαの値を設定することができ、群遅延歪みの大きい信号位置のデータ復調への影響度を最適化することが可能となり、データ復調の精度を向上させることができる。
実施の形態4.
図8〜10は、本発明にかかるタグリーダ装置の実施の形態4のディジタル復調部の機能構成例を示す図である。本実施の形態のタグリーダ装置の受信回路の構成は、実施の形態1のディジタル復調部13をディジタル復調部13c,13d,13eのいずれかに替える以外は実施の形態1と同様である。また、本実施の形態のディジタル復調部13c,13d,13e以外の受信回路の動作は、実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図8に示すように、本実施の形態のディジタル復調部13cは、実施の形態1のディジタル復調部13のタイミング再生部24をタイミング再生部24aに替え、演算停止信号作成部29を追加する以外は、実施の形態1のディジタル復調部13と同様である。本実施の形態の演算停止信号作成部29は、群遅延歪み位置検出部23が識別した群遅延歪みの比較的大きい信号位置で、タイミング再生部24aの動作停止を指示する演算停止信号を作成する。タイミング再生部24aは、演算停止信号を受け取った場合は演算を停止する。
また、図9に示すように、本実施の形態のディジタル復調部13dは、実施の形態2のディジタル復調部13aのタイミング再生部24をタイミング再生部24aに替え、演算停止信号作成部29を追加する以外は、実施の形態2のディジタル復調部13aと同様である。タイミング再生部24a,演算停止信号作成部29は、図8のディジタル復調部13cのタイミング再生部24a,演算停止信号作成部29と同様である。
また、図10に示すように、本実施の形態のディジタル復調部13eは、実施の形態3のディジタル復調部13bのタイミング再生部24をタイミング再生部24aに替え、演算停止信号作成部29を追加する以外は、実施の形態3のディジタル復調部13bと同様である。タイミング再生部24a,演算停止信号作成部29は、図8のディジタル復調部13cのタイミング再生部24a,演算停止信号作成部29と同様である。
つづいて、本実施の形態の動作を説明する。IQ選択/合成部21、フレーム先頭位置検出部22、群遅延歪み位置検出部23、タイミング再生部24a、完全一致型データ復調部25、最尤判定型データ復調部26、最尤判定型軟判定データ復調部27、位置別尤度設定部28の動作は、実施の形態1、2または3と同様であるため説明を省略する。
タイミング再生部24aは、実施の形態1〜3と同様に、受信信号(ディジタルベースバンド信号)に対して所定の演算処理を施すことにより、データ復調の基準となる1データ単位のタイミング情報を再生する。本実施の形態では、タイミング再生部24aは、演算停止信号作成部29から出力された演算停止信号を受信すると、シンボルタイミングを求める演算を停止し、演算値の更新を停止する。すなわち、群遅延歪みの比較的大きい信号位置では受信信号(ディジタルベースバンド信号)を用いた演算を行わず、直前の演算値を用いてシンボルタイミングを再生することになる。また、タイミング再生部24aは、演算停止信号を所定の期間受信しない場合には、受信信号に基づく演算を再開し、演算値を更新する。
群遅延歪みの比較的大きい信号位置では、タイミング再生部24aの演算精度が低下する可能性があるが、このように演算を停止することにより、その演算精度の低下の影響を避けることができる。以上述べた以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1、2または3と同様である。
以上のように、本実施の形態では、群遅延歪みの大きい信号位置において、タイミング再生部の演算を停止することにより、アナログバンドパスフィルタで発生する群遅延歪みによるシンボルタイミング推定精度の劣化を回避することが可能となり、データ復調の精度を向上させることができる。
実施の形態5.
図11は、本発明にかかるタグリーダ装置の実施の形態5のディジタル復調部の機能構成例を示す図である。本実施の形態のタグリーダ装置の受信回路の構成は、実施の形態3のディジタル復調部13bをディジタル復調部13fに替える以外は実施の形態3と同様である。また、本実施の形態のディジタル復調部13f以外の受信回路の動作は、実施の形態3と同様である。以下、実施の形態3と異なる部分について説明する。
図11に示すように、本実施の形態のディジタル復調部13fは、実施の形態3のディジタル復調部13bのタイミング再生部24をタイミング再生部24bに替え、演算重み付け情報作成部30を追加する以外は、実施の形態3のディジタル復調部13bと同様である。本実施の形態の演算重み付け情報作成部30は、位置別尤度設定部28が設定した位置ごとの尤度に基づき、タイミング再生部24bで生成する演算値を更新する際の重み付け情報を作成する。
つづいて、本実施の形態の動作を説明する。IQ選択/合成部21、フレーム先頭位置検出部22、群遅延歪み位置検出部23、最尤判定型軟判定データ復調部27、位置別尤度設定部28の動作は、実施の形態3と同様であるため、説明を省略する。
演算重み付け情報作成部30は、位置別尤度設定部28が設定した位置ごとの尤度に基づき、タイミング再生部24bが演算値を更新する際の重み付け情報を作成する。タイミング再生部24bは、受信信号に対してある特定の演算を行うことにより、データ復調の基準となる1データ単位のタイミング情報を再生するが、この演算結果である演算値に対して重み付け情報に基づいて重み付け処理を行う。
以下、具体例を挙げて演算重み付け情報作成部30の処理を説明する。通常、タイミング再生処理の演算値生成は、瞬間的な雑音の発生による演算値精度の劣化を軽減するために、ある時定数に基づいた平均化処理を実施する。本実施の形態では、この平均化処理時の重み付け情報をβとし、位置別尤度設定部28が設定した位置ごとの尤度、すなわち、群遅延歪みの大小によりβを設定する手法をとる。一例として、群遅延歪みが比較的小さい信号位置に関してはβ=0.2とし、群遅延歪みが比較的大きい信号位置に関してはβ=0.05と設定する。位置別尤度設定部28が設定したαと演算重み付け情報作成部30の関係は、あらかじめ定めておきその関係に基づいてαからβを決定する。
時刻nでの演算値をXnとした場合、平均化処理後の演算値Ynは、例えば以下の式(1)で表すことができる。
n=(1−β)Yn-1+βXn …(1)
時刻n=1での演算値をX1とすると、平均化出力Y1は、X1を算出前の平均化出力Y0とX1を用いて表現することができる。たとえば、X1に重畳されている群遅延歪みが比較的小さい位置での演算の結果である場合には、β=0.2に設定することから、Y1は以下の式(2)に従って算出できる。
1=(1−0.2)Y0+0.2X1=0.8Y0+0.2X1 …(2)
また、演算値X1に重畳されている群遅延歪みが比較的大きい位置での演算の結果である場合には、β=0.05に設定することから、Y1は以下のように算出できる。
1=(1−0.05)Y0+0.05X1=0.95Y0+0.05X1
…(3)
上記の式(2)および式(3)により、群遅延歪みが比較的大きい場合の方が、群遅延歪みが比較的小さい場合と比較して、平均化出力Y1への演算値X1の影響度が小さくなることが確認できる。このように、歪みの大きいX1は平均化出力として反映されにくく、歪みの小さいX1は平均化出力として反映され易くなることにより、総合的に見て、演算値の精度を向上することができる。
なお、本実施の形態では、演算重み付け情報作成部30は、位置別尤度設定部28の設定した尤度に基づいて重み付け情報を作成するようにしたが、これに限らず、群遅延歪み位置検出部23の識別した結果に基づいて、群遅延歪みの比較的大きい信号位置でβを小さい値とするよう重み付け情報を作成するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態では、演算重み付け情報作成部30が、タイミング再生処理で用いる重み付け情報を群遅延歪みの比較的大きい信号位置では群遅延歪みの比較的小さい信号位置より小さく設定するようにした。そして、タイミング再生部24bは、重み付け情報に基づいて対応する演算値を演算値の平均化処理に反映するようにした。そのため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、アナログバンドパスフィルタで発生する群遅延歪みによるシンボルタイミング推定精度の劣化を回避することができ、データ復調の精度を向上させることができる。
以上のように、本発明にかかるタグリーダ装置およびデータ復調方法は、パッシブ型RFIDシステムに有用であり、特に、アナログフィルタの特性に起因する群遅延歪みが発生するシステムに適している。
11−1,11−2 アナログバンドパスフィルタ
12−1,12−2 A/D変換器
13,13a,13b,13c,13d,13e,13f ディジタル復調部
21 IQ選択/合成部
22 フレーム先頭位置検出部
23 群遅延歪み位置検出部
24,24a,24b タイミング再生部
25 完全一致型データ復調部
26 最尤判定型データ復調部
27 最尤判定型軟判定データ復調部
28 位置別尤度設定部
29 演算停止信号作成部
30 演算重み付け情報作成部

Claims (11)

  1. RFIDシステムにおいて、タグからの受信信号の帯域外成分を抑制するフィルタを備えるタグリーダ装置であって、
    所定の送信データの単位ごとに、前記フィルタによって生じる群遅延歪みの影響が大きい位置である歪み位置を定めておき、
    受信信号を、歪み位置に対応する信号であるか否かを識別する群遅延歪み位置判定手段と、
    前記群遅延歪み位置判定手段が識別した歪み位置以外の位置の受信信号と、その歪み位置に対応する値をそれぞれ除いた前記送信データの単位ごとの想定される送信データパターンの候補と、の比較結果に基づいてデータ復調処理を実施するデータ復調手段と、
    を備えることを特徴とするタグリーダ装置。
  2. 前記データ復調手段は、前記比較結果が完全一致した場合に、一致した送信データパターンの候補を復調データとすることを特徴とする請求項1に記載のタグリーダ装置。
  3. 前記データ復調手段は、前記比較結果に基づいて、最も一致度の高い送信データパターンの候補を復調データとすることを特徴とする請求項1に記載のタグリーダ装置。
  4. RFIDシステムにおいて、タグからの受信信号の帯域外成分を抑制するフィルタを備えるタグリーダ装置であって、
    所定の送信データの単位ごとに、前記フィルタによって生じる群遅延歪みの影響が大きい位置である歪み位置を定めておき、
    受信信号を、歪み位置に対応する信号であるか否かを識別する群遅延歪み位置判定手段と、
    歪み位置に対する尤度と歪み位置以外の位置に対する尤度とを、歪み位置以外の位置に対する尤度が歪み位置に対する尤度より高くなるよう設定する位置別尤度設定手段と、
    受信信号と前記送信データの単位ごとの想定される送信データパターンの候補との比較結果、および前記位置別尤度設定手段が設定した尤度、に基づいてデータ復調処理を実施するデータ復調手段と、
    を備えることを特徴とするタグリーダ装置。
  5. 前記尤度を、前記フィルタの次数に基づいて設定することを特徴とする請求項4に記載のタグリーダ装置。
  6. 前記データ復調手段は、前記送信データの単位ごとの想定される送信データパターンの候補ごとに、前記比較結果が一致した場合、その位置に対応する尤度を加算し、加算結果の最も大きい送信データパターンの候補を復調データとすることを特徴とする請求項4または5に記載のタグリーダ装置。
  7. 受信信号に基づいて、前記データ復調手段がデータ復調の基準とするタイミング情報を再生するタイミング再生手段と、
    歪み位置で、前記タイミング再生手段の処理の停止を指示するための演算停止信号を作成する演算停止信号作成手段と、
    をさらに備え、
    前記タイミング再生手段は、前記演算停止信号を受信した場合には、その位置に対応する受信信号に基づく前記タイミング情報の更新を行わないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のタグリーダ装置。
  8. 受信信号に基づいて、前記データ復調手段がデータ復調の基準とするタイミング情報を再生するタイミング再生手段と、
    前記位置別尤度設定手段が設定した尤度に基づいて、タイミング情報再生処理の演算で用いる位置ごとの重み付け係数である演算重み係数を求める演算重み付け手段と、
    をさらに備え、
    前記タイミング再生手段は、前記受信信号に所定の演算を実施して演算値を求め、複数の演算値を用いて所定の処理を実施することによりタイミング情報を再生することとし、前記演算重み係数に基づいて、対応する位置の受信信号を用いて求めた演算値に重み付けを実施し、前記所定の処理を、複数の重み付け後の演算値を用いて実施することを特徴とする請求項4、5または6に記載のタグリーダ装置。
  9. 歪み位置を、想定される送信データパターンの候補ごとの同一データが連続する位置に基づいて定めることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のタグリーダ装置。
  10. RFIDシステムにおいて、タグからの受信信号の帯域外成分を抑制するフィルタを備えるタグリーダ装置におけるデータ復調方法であって、
    所定の送信データの単位ごとに、前記フィルタによって生じる群遅延歪みの影響が大きい位置である歪み位置を定める歪み位置設定ステップと、
    受信信号を、歪み位置に対応する信号であるか否かを識別する群遅延歪み位置判定ステップと、
    前記群遅延歪み位置判定ステップで識別した歪み位置以外の位置の受信信号と、歪み位置に対応する値をそれぞれ除いた前記送信データの単位ごとの想定される送信データパターンの候補と、の比較結果に基づいてデータ復調処理を実施するデータ復調ステップと、
    を含むことを特徴とするデータ復調方法。
  11. RFIDシステムにおいて、タグからの受信信号の帯域外成分を抑制するフィルタを備えるタグリーダ装置におけるデータ復調方法であって、
    所定の送信データの単位ごとに、前記フィルタによって生じる群遅延歪みの影響が大きい位置である歪み位置を定める歪み位置設定ステップと、
    受信信号を、歪み位置に対応する信号であるか否かを識別する群遅延歪み位置判定ステップと、
    歪み位置に対する尤度と歪み位置以外の位置に対する尤度とを、歪み位置以外の位置に対する尤度が歪み位置に対する尤度より高くなるよう設定する位置別尤度設定ステップと、
    受信信号と前記送信データの単位ごとの想定される送信データパターンの候補との比較結果、および前記位置別尤度設定ステップで設定した尤度、に基づいてデータ復調処理を実施するデータ復調ステップと、
    を含むことを特徴とするデータ復調方法。
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