JP5183287B2 - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器 Download PDF

Info

Publication number
JP5183287B2
JP5183287B2 JP2008106903A JP2008106903A JP5183287B2 JP 5183287 B2 JP5183287 B2 JP 5183287B2 JP 2008106903 A JP2008106903 A JP 2008106903A JP 2008106903 A JP2008106903 A JP 2008106903A JP 5183287 B2 JP5183287 B2 JP 5183287B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating coil
rice
inner pot
convection
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008106903A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009254563A (ja
Inventor
賢一 伊藤
渉 藤本
孝暢 上岡
利弘 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd, Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Home Appliance Co Ltd
Priority to JP2008106903A priority Critical patent/JP5183287B2/ja
Publication of JP2009254563A publication Critical patent/JP2009254563A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5183287B2 publication Critical patent/JP5183287B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Induction Heating Cooking Devices (AREA)
  • Cookers (AREA)

Description

本発明は、炊飯器に係り、より詳しくは、炊飯ムラのないおいしいご飯を炊くことのできる炊飯器に関するものである。
加熱手段として電磁誘導加熱コイル(以下、加熱コイルという)を用いた炊飯器においては、炊飯のために所定の米と水を入れた内鍋を炊飯器本体内に収容し、蓋を閉じて炊飯スイッチをONすると、制御部に組込まれた制御プログラムにしたがって炊飯が行われる。
炊飯を開始すると、先ず、予熱工程、ついで沸騰工程、最後にむらし工程を経て炊飯を終了する。予熱工程は約15分から20分程度の時間を要し、水温を約60℃程度まで上げて、その後一定温度で制御する工程で、米に水を吸わせる作用と、糖化酵素の働きで糖度を増加させる作用とがある。
予熱工程で重要なことは、内鍋内のどの部位も均一に約60℃の温度に保つことである。この温度より高いと糖化酵素が失活してしまい、その部分は糖度が増えないことになる。また、この温度より低いと、糖化酵素の働きが十分でないため糖度が低くなる。このような状態では、炊きあがったご飯の総糖度が落ちてしまうばかりでなく、部分部分によっておいしさの異なる、炊きムラのあるご飯が出来てしまうことになる。
一般に水温を均一にするためには対流を利用するが、予熱工程では温度制御のため火力が低く調節されるので、大きな対流は望めない。その結果、上部は熱く、中部はぬるく、底部は加熱コイル上は熱く、加熱コイル上以外の部位はぬるいといった現象が生じている。このため、水温分布に応じた炊きムラが生じてしまうという問題がある。
予熱工程が終了すると沸騰工程に入る。沸騰工程では火力を高くして水を沸騰状態にさせ、鍋内の水が無くなるまで沸騰を継続させる。沸騰工程では米のでんぷんをアルファ化させる作用があり、これは沸騰工程で最も重要な内容である。鍋内の水が無くなると、それまで水の蒸発潜熱で消費されていた熱が鍋温度を上昇させることに使われるようになり、鍋温度が急激に上昇する。これをドライアップと呼び、鍋底の温度センサでこの温度上昇をとらえて沸騰工程を終了とし、以降むらし工程に入る。そして、10分から15分程度むらしたのち、炊飯を終了する。このような各工程においては、最適な火加減を実現するように、制御部により火力制御が行われる。
沸騰工程ででんぷんをアルファ化させておいしいご飯とするためには、アルファ化に必要な温度を全領域で実現させることが重要である。アルファ化には98℃以上の温度が必要とされている。沸騰工程時に対流がうまく生じないと部分的に低温部ができてしまい、やはり炊きムラの原因となる。
沸騰工程での米は、表面が粘り気を持ちまわりの米とくっつく状態にあり、その状態になる前に出来上った対流の道(これをかに穴という)以外は、米の間を通る対流は生じない。この場合、対流は内鍋と米の境界部を中心部から外周側に向って進み、途中内鍋の高温部で加速されて内鍋の壁面から米の上面に現われ、かに穴から湧き出る対流と合流して中心部へ進み、中心部から下方に向う流れとなる。さらに、沸騰工程では水の蒸発により水位が米の面より下がり、対流する水そのものも少ない状態にあるので、対流はますます弱くなる。その結果、部分的に低温部が生じてしまう場合があった。
以上の説明から明らかなように、予熱工程での温度ムラの抑制と、沸騰工程での対流の確保とが、おいしいご飯を炊くために重要な要素となっていることがわかる。従来から、内鍋素材を熱伝導のよいアルミや銅と、加熱コイルによる発熱性のよいステンレスとのクラッド材を用いて、内鍋の均一発熱を少しでも実現するような開発が行われている。それでも、加熱コイル上部の内鍋表面の発熱が最も大きく、加熱コイルの無いところでは熱伝導による昇温のため、ステンレス単体の場合よりはクラッド材の方が改善できるものの、やはり温度ムラが生じていた。
また、水平方向だけでなく上下方向の温度ムラの改善も同様に重要であり、こちらの方は、水の対流による熱の伝達で実現させているが、強い大きな対流が生じないと、部分的に上下方向に温度ムラが生じて、低温部分が発生していた。
従来の電磁調理器に、非磁性体からなる加熱容器の底面に磁性体からなる発熱板を接合してプレート上に載置し、プレートの下方に、加熱コイルの巻数を、最外部が最も多く、中心部が次に多く、中間部を最も少なく巻いた多分割渦巻コイルからなる加熱コイルを配置し、加熱容器を均一に加熱するようにしたものがある(特許文献1参照)。
実開平6−70193号公報(第2頁、図1)
特許文献1のような電磁調理器においては、加熱容器の底面は均一に加熱されるが、コーナ部には加熱コイルがないので、加熱容器の内部に大きな対流を起こすことができない。特に、炊飯時には米粒どうしの表面に粘りが生じるためくっついてしまい、このため対流が滞って、上下方向に炊飯ムラが生じてしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、図9に示すように、炊飯器の内鍋10の底部の下部に、例えば10巻(ターン)のドーナツ状の加熱コイル17a(以下、底面加熱コイルという)を配置し、コーナ部に例えば11巻(ターン)の加熱コイル17b(以下、コーナ部加熱コイルという)を配置したものがある。なお、図9は、炊飯器の内鍋10と加熱コイル17a,17b(以下、単に17と記すことがある)部分のみを模式的に示したものである。
また、図中、内鍋10内の点線11は、内鍋11の内部の発熱分布を模式的に表わしたもので、1点鎖線で示す各加熱コイル17a,17bの束の中心上がピークとなり、山形に温度分布が生じていることがわかる。
図10〜図12は内鍋10及び加熱コイル17a,17bの作用説明図である。
図10は内鍋10に水12を入れて加熱する場合を示し、矢印15は加熱によって生じた対流(水流と記すこともある)の方向と大きさを示す。
対流は底面加熱コイル17aで生じた高温部において大きな流量となって上昇し、内鍋10の中心部で他の部位からの対流と合流して下降し、循環する。また、一部はコーナ部加熱コイル17bの高温部及び内鍋10の内周面に沿って上昇し、底面加熱コイル17aで生じた対流と合流し、中心部で下降する。この対流により炊飯中、特に、沸騰工程において内鍋10全体の温度分布を均一にする。
図10の対流の流れは、内鍋10内に水12だけが入っている場合のものであり、これが炊飯時となると多少異なる。図11は炊飯初期の状態を示すもので、内鍋10内には水12と米13が入れられている。例えば、3合炊飯の場合は、米150gに対して水を650g前後入れて炊飯するが、その場合、米13の面と水12の面との関係は概ね図のような配分であり、水12の面が米13の面より高くなる。これは、他の合数で炊飯する場合も同様である。
そして、炊飯初期の段階では、米13はさらさらであり、単に対流の障害物として作用する。対流の流れは米13の間を縫うようにして流れるが、水12のみの場合に比べると米13の障害作用によりその流れは弱く、特に底面加熱コイル17aから上方に向って流れる対流の減少が著しい。米13により上昇することを阻まれた水流は、内鍋10の底面から外周側に向って流れ、内鍋10の内周面に沿って上昇し、最終的にはすべての流れと合流して中心部から下降する。対流の勢が弱くなると、それだけ温度ムラが生じ易い。
図11は60℃で制御する予熱工程の段階を示すものであり、火力はかなり低く制御され、加熱入力時間も短く休止部分が多い制御となるので、特に温度ムラが生じ易い。つまり、予熱工程では火力が低く制御されるので大きな対流は望めない。そのため、上部は熱く、中部はぬるく、底部は底面加熱コイル17a上は熱くそれ以外はぬるいという現象が生じている。その結果、特に米13の糖度(甘さ)などの点で水温分布に応じた炊飯ムラが発生する。
図12は炊飯後期の状態を示すもので、水12はほとんど無くなって米13の面より下っている。米13は炊飯中期になると表面に粘りが生じて米どうしがくっつくようになる。そうすると、対流が流れる部分が益々狭くなり、一部の対流しか米粒の間を上昇できなくなるため、残りの対流はすべて米13と内鍋10の底面との間を外周側に向って流れ、内鍋10の内周面に沿って上昇する。
さらに、図12の状態では、米どうしが粘りのためにくっつき、米13の間には、炊飯当初から通っていた対流の道のうち大きなもの以外は塞がれてしまい、ごく一部の水12が残った道(かに穴)を細々と通るようになる。かに穴を通る対流以外の水12は概ね底面から外周側に向って流れ、内鍋10の内周面に沿って上昇し、最終的にすべての流れと合流して中心部から下降する。対流は、粘りを帯びてくっつきあった米13が障害物となるため、米13が無い場合に比べてかなり弱くなってしまい、そのため、水流が全体に行きわたらず、部分的に温度の低いところが生じてしまう場合があった。
このように、図9に示す従来の炊飯器においては、予熱工程時においては上部が熱く、中部がぬるく、下部は底部加熱コイル17a上は熱くそれ以外の部分はぬるくなっており、また、沸騰工程では対流が弱いため部分的に低温部が生じる。このため、炊飯ムラが生じておいしいご飯が炊けないという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、内鍋の底面の温度分布を均一にし、また大きな対流を生成することにより、水平方向と上下方向の温度を均一にして、炊飯ムラのないおいしいご飯を炊くことのできる炊飯器を提供することを目的としたものである。
本発明に係る炊飯器は、炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口部を開閉する蓋体と、調理物が入れられて前記炊飯器本体内に着脱可能に収容される内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段とを備え、前記加熱手段に電磁誘導加熱コイルを用い、該電磁誘導加熱コイルを、前記内鍋の底面を加熱する少なくとも第1の底面加熱コイル及びその外周に設けた第2の底面加熱コイルと、前記内鍋のコーナ部を加熱するコーナ部加熱コイルとに分割した炊飯器であって、前記コーナ部加熱コイルの巻数は、前記内鍋の底面を加熱する複数の底面加熱コイルのそれぞれの巻数より多く、前記コーナ部加熱コイルを、前記コーナ部に沿うように、かつ、上部になるほど前記内鍋に接近するように配置したものである。
本発明によれば、内鍋の底部を加熱する加熱コイルを複数分割し、また、コーナ部を加熱する加熱コイルを設けて、内鍋の底部の温度分布を均一化すると共に、コーナ部に沿って上昇する水流を加熱して強い対流を生成するようにしたので、水平方向、上下方向に温度ムラがなく、炊飯ムラのないおいしいご飯を炊くことのできる炊飯器を得ることができる。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る炊飯器の縦断面図である。
図において、1は上部が開口された炊飯器本体、2はヒンジ4により炊飯器本体1に開閉可能に連結された蓋体で、蒸気排出部3が設けられている。5は炊飯器本体1の前面側に設けられた操作部である。
6は炊飯器本体1内の下部に設けた加熱体支持台で、その底面からコーナ部にかけて、後述の加熱手段である加熱コイル7a,7b,7c(以下、これらを合わせて7と記すことがある)が設置されており、その中心部には温度センサ8が設けられている。9は制御部、10は上部が開口された内鍋で、水や米などの調理物が入れられて炊飯器本体1内に収容される。16は加熱コイル7や制御部9等に電力を供給するための電源コードである。
図2は図1の加熱コイル7及び内鍋10を模式的に示した説明図である。
加熱コイル7は、内鍋10の底面とコーナ部とに対応して、分割して設けられている。内鍋10の底面に対応して設けられた加熱コイル7は、中央部に設けた渦巻状の加熱コイル7a(以下、第1の底面加熱コイルという)と、その外周に所定のすき間を隔てて設けられた渦巻状の加熱コイル7b(以下、第2の底面コイルという)とにより2分割されており、実施例では、第1の底面加熱コイル7aは7巻(ターン)、第2の底面加熱コイル7bは3巻(ターン)とした。なお、上記の説明では、内鍋10の底面を加熱する加熱コイル7を、第1、第2の底面加熱コイル7a,7bに2分割した場合を示したが、3分割以上に分割してもよい。
また、内鍋10のコーナ部に対応して加熱コイル7c(以下、コーナ部加熱コイルという)が設けられており、実施例では、第1の底面加熱コイル7aの巻数より多い11巻(ターン)とした。なお、これら第1、第2の底面加熱コイル7a,7b及びコーナ部加熱コイル7cは、1本の線で構成してもよく、それぞれ別の線で構成してもよい。
内鍋10内の点線11は、加熱コイル7による内鍋10内の発熱分布を模式的に示すもので、第1の底面加熱コイル7a、第2の底面加熱コイル7b及びコーナ部加熱コイル7cのそれぞれの束の中心線上をピークに、山形に温度分布が生じていることがわかる。特に、第1の底面加熱コイル7aは、図9の従来の底面加熱コイル17aに比べて巻数が少ないため温度分布が滑らかであり、さらに、第2の底面加熱コイル7bの温度分布が加わって、底面全体にわたってなだらかな温度分布となっている。
図3〜図5は、本実施の形態に係る炊飯器により、内鍋10を加熱して水を温めている状態、及び炊飯している状態を示す説明図である。
図3は内鍋10に水12を入れて加熱した状態を示すもので、矢印15は水12の加熱によって生じる対流の方向と大きさを示す。対流は、第1の底面加熱コイル7aで生じた高温部において大きな流量で上昇し、内鍋10の中心部で他の部位からの対流と合流して下降し、循環する。
また、第2の底面加熱コイル7bによって生じた対流も、小流量ながら上昇し、中心部で他の部位からの対流と合流して循環する。さらに、一部はコーナ部加熱コイル7cによって生じた高温部、及び内鍋10の内周面に沿って上昇し、第1、第2の底面加熱コイル7a,7bで生じた対流と合流して中心部で下降する。
このような対流により、炊飯中、特に、高火力で加熱を継続する沸騰工程において、内鍋10内の温度分布を均一にすることができる。
図3の対流の流れは、内鍋10内に水12だけが入っているときのものであり、これが炊飯時になると多少違ってくる。
図4は炊飯初期の状態を示すもので、内鍋10内には水12と米13が入れられている。例えば、前述のように、3合炊飯する場合は、米150gに対して水を650g前後入れて炊飯を行うが、その場合、米13の面と水12の面の関係は概ね図のような配分であり、水面が米面より高くなる。
そして、炊飯初期の段階では米13はさらさらしており、単に対流の障害物として作用する。そのため、対流は米13の間を縫うようにして流れるが、水12のみの場合に比べると、米13の障害作用によりその流れは弱く、特に、各加熱コイル7a,7b,7cの上部から上方に流れる対流の減少が著しい。
米13によって上昇を阻まれた水は、内鍋10の底面から外周側に向って流れ、内鍋10の内周面に沿って上昇し、最終的にはすべての対流と合流して中心部から下降する。
内鍋10の底面の水の流れは、コーナ部に差しかかると内周面に沿って上方に向きを変える。このとき、コーナ部加熱コイル7cによって水流が加熱されるので、対流を効果的に加速させることができ、その結果、強い対流(15a)を引き起こすことができる。
すなわち、図4において、対流はコーナ部に差しかかったところで、コーナ部加熱コイル7cの働きにより、内鍋10の内周面に沿った上向きの流れが加速され、従来に比べて強い対流(15a)が生成される。これにより、これまで水流が届かなかったところ迄高温の水が届くようになり、従来生じていた部分的に温度の低いところをなくして、上下方向の温度ムラを改善することができ、ムラのない均一なご飯を炊きあげることができる(対流加速効果)。
ところで、実際の炊飯においては、図4の状態は60℃で制御する予熱工程の段階であり、火力はかなり低く抑制され、加熱入力時間も短かく休止部分が多い制御となるので、温度ムラが生じ易い。
しかしながら、本実施の形態においては、加熱コイル7を分割したことにより、前述のように内鍋10の底面の温度ムラは従来に比べて大幅に改善されているので、この部分の水温分布に応じた温度ムラについては解決されている。
前述のように、本実施の形態によれば、第1の底面加熱コイル7aと第2の底面加熱コイル7bとにより、内鍋10の底面の温度分布が改善されて底面(水平方向)の温度ムラが無くなり、また、コーナ部加熱コイル7cによる対流の加速により上下方向の温度ムラが改善された。
このため、従来は、内鍋10の上部は熱く、中部はぬるく、底部の加熱コイル上は熱くそれ以外はぬるいという現象を生じていたが、本実施の形態においては、対流の加速により内鍋10の上部、中部、下部の温度分布が改善され、さらに、底面の温度分布の改善により底面の温度ムラも無くすことができた。
この結果、全体を60℃に制御することが重要な予熱工程において、温度分布が全体にわたって改善されるので、糖化酵素が十分に働き、内鍋全体で糖が十分に生成される炊飯ムラのないご飯を炊くことができる(予熱工程温度ムラ改善効果)。
図5は炊飯後期の状態を示すもので、水12はほとんど無くなり、米13の面より下っている。米13は炊飯の中期以降になると、表面に粘りが生じて米粒どうしがくっつくようになる。そうすると、対流が流れる部分が益々狭くなって一部の対流しか米粒の間を上昇できなくなり、残りはすべて米13と内鍋10の底面との間を外周側に向って流れ、コーナ部加熱コイル7cによって加速された対流(15a)は、内鍋10の内周面に沿って上昇する。
さらに、炊飯後期においては、米粒どうしが粘りのためくっつき、米13の間には、炊飯初期から通っていた対流の道のうち、大きいもの(かに穴)以外は塞がってしまい、ごく一部の水12が残ったかに穴から細々と通るようになる。
かに穴を通る対流以外は、すべて底面から外周側に向って流れ、コーナ部で加速されて内鍋10の内周面に沿って上昇し、最終的にはすべての対流が合流して中心部から下降する。
上記のような構成において、内鍋10のコーナ部より上部では対流は早く通過するため、対流に十分に熱を与えるためには、通過時間が短かい分火力を高めることが必要である。そのため、この部分のコーナ部加熱コイル7cの巻数を、他の加熱コイル7a,7bの巻数より多くすることが必要で、これにより、強い対流(15a)を生成することができ、上下方向の温度ムラを無くすことができる(沸騰工程における効果)。
また、内鍋10の底面部分は、対流がコーナ部に差しかかるまでのいわゆる助走期間であって、ある程度の流量を得ることが必要であり、このためには、中心部に上部から降りてきた対流を再び加熱してコーナ部に送り込む役目をする、第1の底面加熱コイル7aの火力を高めることが必要である。さらに、第1の底面加熱コイル7aは、その中心部に温度センサ8があることから、温度センサ8の上部付近の内鍋10の加熱も賄う意味もあって、他の底面加熱コイルよりも火力を高くする必要があり、このため、他の底面加熱コイルより巻数を多くして、底面温度の均一化をはかることが必要である。
このようなことから、本実施の形態においては、コーナ部加熱コイル7cを最も多く巻くことで、より強い対流を生成することができ、上下方向の温度ムラを無くすことができる。また、第1の底面加熱コイル7aの巻数を第2の底面加熱コイル7bの巻数より多くすることで、対流流量の確保と底面部温度の均一化をはかることができる。
本実施の形態によれば、内鍋10の底面を加熱する加熱コイルを2分割すると共に、コーナ部を加熱する加熱コイルを設け、内鍋10の底面部の温度分布を均一化すると共に、コーナ部を加熱することでコーナ部に沿って上昇する対流を加熱して強い対流を生成するようにしたので、水平方向、上下方向に炊飯ムラのないおいしいご飯を炊くことのできる炊飯器を得ることができる。
[実施の形態2]
図6は本発明の実施の形態2に係る炊飯器の内鍋と加熱コイルの模式的説明図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明の一部を省略する。
本実施の形態は、実施の形態1と同じ炊飯器の加熱体支持台6に設けたコーナ部加熱コイル7cを、上方になるにしたがって内鍋10に接近するように設置したものである。
図6は、内鍋10に水を入れて加熱した場合の対流15を示すもので、対流の流れは実施の形態1の図3の場合とほぼ同じであるが、内鍋10内の発熱分布を示す点線において、コーナ部加熱コイル7cはその上部がピークになっている。
図7は予熱工程時、図8は沸騰工程時の状態を示すものである。
内鍋10の底面付近の水の流れは、コーナ部に差しかかると内周面に沿って上方に向きを変えるが、このとき、コーナ部加熱コイル7cにより水流が加熱され(15a)、水流を効果的に加速させる。加熱された水流(15a)がさらに上昇すると、上昇するにしたがって内鍋10に近設して設置されたコーナ部加熱コイル7cにより加熱され(15b)てさらに加速され、この対流(15b)をもう一押しして上方へ送り出す。
これにより、これまで行き届かなかった部分まで届く強い対流を生成することができ、より温度ムラを無くすことができる。
上記の説明では、図示の炊飯器に本発明を実施した場合を示したが、これに限定するものではなく、他の構造の炊飯器にも本発明を実施することができる。
本発明の実施の形態1に係る炊飯器の縦断面図である。 図1の加熱コイル及び内鍋を模式的に示した説明図である。 図1の内鍋の加熱コイルによる作用説明図である。 図1の内鍋の加熱コイルによる作用説明図である。 図1の内鍋の加熱コイルによる作用説明図である。 本発明の実施の形態2に係る炊飯器の加熱コイル及び内鍋の模式的説明図である。 図6の内鍋の加熱コイルによる作用説明図である。 図6の内鍋の加熱コイルによる作用説明図である。 従来の炊飯器の加熱コイル及び内鍋の模式的説明図である。 図9の内鍋の加熱コイルによる作用説明図である。 図9の内鍋の加熱コイルによる作用説明図である。 図9の内鍋の加熱コイルによる作用説明図である。
符号の説明
1 炊飯器本体、2 蓋体、5 操作部、6 加熱体支持台、7 加熱コイル、7a 第1の底面加熱コイル、7b 第2の底面加熱コイル、7c コーナ部加熱コイル、8 温度センサ、9 制御部、10 内鍋、12 水、13 米、15 対流。

Claims (1)

  1. 炊飯器本体と、該炊飯器本体の上部開口部を開閉する蓋体と、調理物が入れられて前記炊飯器本体内に着脱可能に収容される内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段とを備え、
    前記加熱手段に電磁誘導加熱コイルを用い、該電磁誘導加熱コイルを、前記内鍋の底面を加熱する少なくとも第1の底面加熱コイル及びその外周に設けた第2の底面加熱コイルと、前記内鍋のコーナ部を加熱するコーナ部加熱コイルとに分割した炊飯器であって、
    前記コーナ部加熱コイルの巻数は、前記内鍋の底面を加熱する複数の底面加熱コイルのそれぞれの巻数より多く、
    前記コーナ部加熱コイルを、前記コーナ部に沿うように、かつ、上部になるほど前記内鍋に接近するように配置した
    ことを特徴とする炊飯器。
JP2008106903A 2008-04-16 2008-04-16 炊飯器 Active JP5183287B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008106903A JP5183287B2 (ja) 2008-04-16 2008-04-16 炊飯器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008106903A JP5183287B2 (ja) 2008-04-16 2008-04-16 炊飯器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009254563A JP2009254563A (ja) 2009-11-05
JP5183287B2 true JP5183287B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=41382776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008106903A Active JP5183287B2 (ja) 2008-04-16 2008-04-16 炊飯器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5183287B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6425485B2 (ja) * 2014-10-01 2018-11-21 三菱電機株式会社 炊飯器および炊飯制御方法
JP6456128B2 (ja) * 2014-12-10 2019-01-23 三菱電機株式会社 内釜および炊飯器
CN105982510A (zh) * 2015-02-06 2016-10-05 飞利浦(嘉兴)健康科技有限公司 电磁加热厨具及其控制器与控制方法
JP7103260B2 (ja) * 2019-02-18 2022-07-20 三菱電機株式会社 内釜および炊飯器

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2597867Y2 (ja) * 1993-03-16 1999-07-19 株式会社日立ホームテック 電磁調理器
JP3131541B2 (ja) * 1994-08-30 2001-02-05 株式会社東芝 炊飯器
JPH1014758A (ja) * 1996-06-28 1998-01-20 Toshiba Home Technol Corp 炊飯器
JP3531478B2 (ja) * 1998-06-17 2004-05-31 松下電器産業株式会社 電気炊飯器
JP2003290024A (ja) * 2002-04-03 2003-10-14 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 電磁炊飯器
JP2007260205A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 電気炊飯器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009254563A (ja) 2009-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4873429B2 (ja) 圧力式炊飯器
JP4663347B2 (ja) 圧力式炊飯器
CN1965742B (zh) 电饭煲
JP5183287B2 (ja) 炊飯器
CN108720577A (zh) 一种控制方法和设备
JP4198180B2 (ja) 圧力式炊飯器
CN106136874A (zh) 控制方法、控制装置和烹饪器具
JP2017093932A (ja) 炊飯器
JP3986467B2 (ja) 圧力式炊飯器
CN204427628U (zh) 自动米汤分离式电饭锅
CN104545424A (zh) 自动米汤分离式电饭锅
JP4583241B2 (ja) 炊飯器
JP2011115251A (ja) 炊飯器
JP5903572B2 (ja) 炊飯器
JP4039183B2 (ja) 炊飯器
JP2020069053A (ja) 電気炊飯器
JP4094023B2 (ja) 圧力式炊飯器
JP5413003B2 (ja) 電気圧力鍋
JP4094020B2 (ja) 圧力式炊飯器
JP2010188185A (ja) 炊飯器
JP2006314355A (ja) 蒸し調理機能付き炊飯器
JP5939048B2 (ja) 炊飯器
JP4094022B2 (ja) 圧力式炊飯器
JP2005261704A (ja) 炊飯器
JP4094024B2 (ja) 圧力式炊飯器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5183287

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250