JP5182664B2 - マイクロチップおよびその使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、DNA、タンパク質、細胞、免疫および血液等の生化学検査、化学合成ならびに、環境分析などに好適に使用されるμ−TAS(Micro Total Analysis System)などとして有用なマイクロチップおよびその使用方法に関し、より詳しくは、マイクロチップ使用前における液体試薬の異常やマイクロチップ使用時における流体処理の異常を検出するための異常検出部を備えるマイクロチップおよびその使用方法に関する。
近年、医療や健康、食品、創薬などの分野で、DNA(Deoxyribo Nucleic Acid)や酵素、抗原、抗体、タンパク質、ウィルスおよび細胞などの生体物質、ならびに化学物質を検知、検出あるいは定量する重要性が増してきており、それらを簡便に測定できる様々なバイオチップおよびマイクロ化学チップ(以下、これらを総称してマイクロチップと称する。)が提案されている。マイクロチップは、実験室で行なっている一連の実験・分析操作を、数cm〜10cm角で厚さ数mm〜数cm程度のチップ内で行なえることから、検体および試薬が微量で済み、コストが安く、反応速度が速く、ハイスループットな検査ができ、検体を採取した現場で直ちに検査結果を得ることができるなど多くの利点を有している。
マイクロチップはその内部に流体回路を有しており、該流体回路は、たとえば検体(その一例として血液が挙げられる)と混合あるいは反応、または該検体を処理するための液体試薬を保持する液体試薬保持部、該検体や液体試薬を計量する計量部、検体と液体試薬とを混合する混合部、混合液について分析および/または検査するための光学測定用のキュベット(検出部)などの各部と、これら各部を適切に接続する微細な流路(たとえば、数百μm程度の幅)とから主に構成される。マイクロチップは、典型的には、これに遠心力を印加可能な装置(遠心装置)に載置して使用される。マイクロチップに適切な方向の遠心力を印加することにより、検体および液体試薬の計量、混合、ならびに該混合液の光学測定用キュベットへの導入等を行なうことができる。光学測定用キュベットに導入された混合液の検査・分析(たとえば、混合液中の特定成分の検出)は、たとえば、混合液が収容された光学測定用キュベットへ検出光を照射し、その透過率等を測定することなどにより行なうことができる。
上記マイクロチップを用いた検査・分析においては、遠心力の印加により行なわれる流体回路内での流体処理が適切になされたことを保証できることが極めて重要である。このような保証が得られないと、検査・分析結果が信頼に値するものがどうかを評価することができないからである。たとえば、マイクロチップ使用時において液体試薬保持部に内蔵されているべき液体試薬が蒸発や輸送中の落下等により、所定の場所に存在していなかったり、十分な量存在していなかった場合、流体回路への検体の導入量が不足していた場合、またはマイクロチップの製造不良により液漏れが生じていた場合には、液体試薬や検体の計量されるべき量が正確に計量されず、結果、正確な検査・分析データを得ることができない。また、上記遠心装置の誤作動が起こることも否定できず、誤作動により適切な流体移動がなされない可能性もあり得る。したがって、検体や液体試薬の液量不足や遠心装置の誤作動がなく、遠心力の印加により流体回路内の流体が適切な部位に移動され、流体処理が適切に行なわれていることを保証できることが重要となる。しかし、マイクロチップは通常、使い捨てとされることが多いため、マイクロチップを用いた検査・分析(実使用)の前に、実際に検体を流体回路内に導入して流体処理を行ない、上記異常がないかどうかを検査するという方法は採用することはできない。
特許文献1には、血液分析装置に導入された流体が所定の部位に流入したことを確認するための方法として、当該所定の部位に光を照射し、その透過光を検出することが記載されている。しかし、透過光の測定により、所定の部位における流体の有無を確認するためには、該流体は、当該所定の部位において血液分析装置の厚み全体にわたって充填されている必要があり、当該装置が厚い場合には、血液分析装置に導入する流体の量を多くする必要があるため、マイクロチップにこの方法を適用した場合、微小量の流体で検査・分析を行なえるというメリットが軽減してしまう。
また、マイクロチップにおいて、流体が所定の部位に流入したことを確認するために透過光を測定する場合には、少なくとも検出光の光路領域には、光に対して透明な基板を用いる必要があり、マイクロチップの構成が複雑になるとともに、マイクロチップ設計の自由度が低下するという問題があった。
さらに、流体が所定の部位に流入したことを確認するために、当該所定の部位に光を照射する場合には、その流体が当該所定の部位に存在するか否かを確認することはできるものの、当該所定の部位に流入した流体が所定の量であるかどうかまでは検知することはできないという問題があった。すなわち、上記のような何らかの異常により、検体や液体試薬の液量不足が生じていても、これを検知することはできなかった。
米国特許第5590052号明細書
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、微小な液量で、検体や液体試薬の液量不足や遠心装置の誤作動等の異常を検出することができ、もって遠心力の印加による流体回路内での流体処理が適切になされたことを、マイクロチップ使用直前や使用中に、また各マイクロチップ毎に保証することができ、信頼性の向上されたマイクロチップおよびその使用方法を提供することである。
すなわち本発明によれば、少なくとも、透明基板である第1の基板と、基板表面に設けられた溝および/または厚み方向に貫通する貫通穴を備える第2の基板とを貼り合わせてなる、内部に流体回路を有するマイクロチップであって、該流体回路は、液体試薬を収容する液体試薬保持部と、該液体試薬または検体を計量するための1以上の計量部と、該計量部に接続され、計量時において計量部から溢れる液体試薬または検体を収容するための1以上の溢出液収容部とを少なくとも有するマイクロチップが提供される。
本発明のマイクロチップは、透明基板である第1の基板と、基板の両面に設けられた溝および厚み方向に貫通する貫通穴を備える第2の基板と、第3の基板とを貼り合わせてなる、内部に2層の流体回路を有するマイクロチップであってもよい。ここで、上記溢出液収容部は、計量部から溢れる液体試薬または検体の存在または不存在を検知するために光が照射される部位となっている。
本発明において、内部に2層の流体回路を有するマイクロチップは、上記溢出液収容部を複数有していてもよい。この場合、2層の流体回路のうち、第1の基板側の流体回路が、すべての溢出液収容部を有することが好ましい。
また、本発明のマイクロチップが溢出液収容部を複数有している場合において、これら複数の溢出液収容部は、第2の基板表面において、同一円の円周上に配置されることが好ましい。
上記第2の基板は、不透明基板であることが好ましく、黒色基板であることがより好ましい。また、本発明において流体回路は、液体試薬を計量するための1以上の液体試薬計量部および検体を計量するための1以上の検体計量部を有していてもよい。この場合、いずれか1つ以上の計量部に溢出液収容部が接続され、好ましくは、それぞれの計量部に溢出液収容部が接続される。また、流体回路は、計量された検体と計量された液体試薬とを混合するための混合部、および得られた混合液について検査・分析を行なうための検出部をさらに有していてもよい。
また本発明により、遠心力の印加により、計量部に液体試薬または検体を導入する工程と、溢出液収容部に対して、第1の基板側から光を照射し、その反射光の強度を測定することにより、溢出液収容部内における液体試薬または検体の有無を検知する工程と、を含む上記マイクロチップの使用方法が提供される。液体試薬または検体の有無の検知は、計量部に液体試薬または検体が導入される前に、溢出液収容部に対して、第1の基板側から光を照射することにより得られる反射光強度と、計量部に液体試薬または検体が導入された後に、溢出液収容部に対して、第1の基板側から光を照射することにより得られる反射光強度との比を求めることにより行なうことができる。
本発明のマイクロチップの使用方法は、液体試薬保持部に対して、第1の基板側から光を照射し、その反射光の強度を測定することにより、液体試薬保持部内における液体試薬の有無を検知する工程をさらに有していてもよい。液体試薬の有無の検知は、液体試薬保持部に液体試薬が導入される前に、液体試薬保持部に対して、第1の基板側から光を照射することにより得られる反射光強度と、液体試薬保持部に液体試薬が導入された後に、液体試薬保持部に対して、第1の基板側から光を照射することにより得られる反射光強度との比を求めることにより行なうことができる。また、本発明のマイクロチップの使用方法は、上記液体試薬計量部、上記混合部および上記検出部から選択されるいずれか1以上の部位に対して、第1の基板側から光を照射し、その反射光の強度を測定することにより、前記部位内における液体試薬または検体の有無を検知する工程をさらに有していてもよい。
本発明によれば、マイクロチップの実使用(検体の検査・分析等)時に、微小な液量で、検体や液体試薬の液量不足や遠心装置の誤作動等の異常を検出することができ、遠心力の印加による流体回路内での流体処理が適切になされたことを保証することができる。したがって、本発明により、信頼性が向上されたマイクロチップを提供できる。
以下、実施の形態を示して、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係るマイクロチップの一例を示す外形図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は側面図、図1(c)は下面図である。図1に示されるマイクロチップ100は、透明基板である第1の基板101、黒色基板である第2の基板102および透明基板である第3の基板103をこの順で貼り合わせてなる(図1(b)参照)。これら基板の縦横の長さは、特に限定されないが、本実施形態においては、横(図1におけるA)およそ62mm×縦(図1におけるB)およそ30mmとしている。また、本実施形態において、第1の基板101、第2の基板102、第3の基板103の厚み(それぞれ図1のC、DおよびEは、それぞれ約1.6mm、約9mm、約1.6mmとしている。ただし、これらに限定されるものではない。
第1の基板101には、その厚み方向に貫通する液体試薬導入口110(本実施形態において合計11個)および検体(たとえば全血)をマイクロチップ流体回路内に導入するための検体導入口120が形成されている。ここで、本明細書中において「検体」とは、流体回路内に導入される検査・分析の対象となる試料自体(たとえば全血)または、マイクロチップ内において当該試料から分離された特定成分(たとえば全血から分離された血漿成分)を意味する。また、液体試薬は、マイクロチップ実使用(検体の検査・分析等)前に、あらかじめ流体回路の液体試薬保持部に内蔵されており、検体と混合あるいは反応、または該検体を処理するための試薬である。マイクロチップは、通常、液体試薬を液体試薬導入口110から注入した後、当該液体試薬導入口110を封止用ラベル等により封止して、実使用に供される。
第2の基板102には、その両面に形成された溝および厚み方向に貫通する貫通孔が形成されており、これに第1の基板101および第3の基板103を貼り合わせることによって、マイクロチップ内部に2層の流体回路が形成されている。ここで、2層とは、マイクロチップの厚み方向に関して異なる2つの位置に流体回路が設けられていることを意味する。これら2つの流体回路は、第2の基板102に形成された貫通孔によって連通している。以下、第2の基板102の両面に形成された流体回路の構成について詳細に説明する。
図2は、第2の基板102に形成された流体回路を示す斜視図であり、図2(a)は、第1の基板101側(以下、単に「上側」と称することがある。)表面に形成された流体回路を示す斜視図、図2(b)は、第3の基板103側(以下、単に「下側」と称することがある)表面に形成された流体回路を示す斜視図である。図2に示されるように、第2の基板102には、その表面に形成された溝および厚み方向に貫通する貫通孔によって、検体、液体試薬またはそれらの混合液の処理が行なわれる各部位とこれら部位を適切に接続する微細な流路とが形成されている。
図3および図4に、それぞれ第2の基板102の上面図および下面図を示す。図3は、第2の基板102の上側流体回路を示しており、図4は、下側流体回路を示している。なお、図4では、図3に示される上側流体回路との対応関係が明確に把握できるよう、左右反転させた状態で第2の基板の下側流体回路を示している。本実施形態のマイクロチップ100は、1つの検体について6項目の検査・分析を行なうことができる多項目チップであり、その流体回路は、6項目の検査・分析を行なうことができるよう、6つのセクション(図3におけるセクション1〜6)に分けられている(ただし、検体計量部設置領域(下側流体回路上部領域)においてこれらは互いに接続されている)。各セクションには、液体試薬が内蔵された液体試薬保持部が1つまたは2つ設けられている(図3における液体試薬保持部301a、301b、302a、302b、303a、303b、304a、304b、305a、305bおよび306aの合計11個)。図1における検体導入口120から導入された検体は、血球成分が分離除去された後、各セクションに分配されるとともに計量されると、別途計量された各セクション内の1種または2種の液体試薬と混合されて、それぞれ検出部311、312、313、314、315、316に導入される。各セクションの各検出部に導入された混合液は、たとえば、マイクロチップ表面と略垂直な方向から検出部に光を照射し、その透過光の透過率を測定する等の光学的測定に供され、該混合液中の特定成分の検出等がなされる。これら一連の処理は、マイクロチップに対して適切な方向の遠心力を印加することにより、液体試薬、検体またはこれらの混合液を、各セクションに設けられた2層の流体回路内の各部位へ適切な順序で移動させていくことにより行なわれる。マイクロチップへの遠心力の印加は、たとえばマイクロチップを載置するためのマイクロチップ搭載部を有する遠心装置に載置して行なうことができる。
上記各セクションには、その下側流体回路内に、検体を計量する検体計量部(図4における検体計量部401、402、403、404、405、406の合計6個)および液体試薬を計量する液体試薬計量部(図4における液体試薬計量部411a、411b、412a、412b、413a、413b、414a、414b、415a、415bおよび416aの合計11個)が設けられている。各検体計量部は、流路によって直列的に接続されている(図4参照)。
ここで、本発明のマイクロチップにおいては、図3に示されるように、計量時において検体計量部から溢れ出た検体を収容するための溢出検体収容部330および計量時において液体試薬計量部から溢れ出た液体試薬を収容するための溢出試薬収容部331a、331b、332a、332b、333a、333b、334a、334b、335a、335bおよび336aが設けられている。溢出検体収容部330は、流路16a(図4参照)、厚み方向に貫通する貫通穴26aおよび流路16b(図3参照)を介して検体計量部406に接続されている。また、各溢出試薬収容部は、対応する各液体試薬計量部に、流路および貫通穴を介して接続されている。たとえば、セクション1において、液体試薬保持部301a内に収容される液体試薬を計量するための液体試薬計量部411aと、溢れ出た液体試薬を収容する溢出試薬収容部331aとは、流路11a(図4参照)、厚み方向に貫通する貫通穴21aおよび流路11b(図3参照)を介して接続されている。他の溢出試薬収容部についても同様である。
このように、マイクロチップが、溢出検体収容部および溢出試薬収容部(以下、まとめて溢出液収容部と称することがある。)を備えることにより、当該溢出液収容部における溢出液の有無を検出することによって、検体または液体試薬が遠心操作により確実に検体計量部または液体試薬計量部に移送され、かつ当該検体計量部または液体試薬計量部が、検体または液体試薬で満たされたどうかを容易に確認することができる。すなわち、溢出液収容部に溢出液が存在することが検知されれば、検体計量部または液体試薬計量部において検体または液体試薬が正確に計量されたことが保証される。これにより、検体についての検査・分析の信頼性が向上するとともに、計量異常が確認されれば、得られた検査・分析データについては採用しないという判断を下すことが可能となる。計量異常としては、たとえば、装置誤動作により検体または液体試薬が検体計量部または液体試薬計量部に導入されていない;液体試薬の蒸発、ユーザーの誤使用による検体導入量不足、マイクロチップ製造時における基板貼り合わせ不良などにより、計量されるべき量の検体または液体試薬が計量されていない、などの場合を挙げることができる。
ここで、溢出液収容部内に、溢れ出た検体または液体試薬が存在するか否かを検知する方法としては、特に制限されないが、たとえば、当該溢出液収容部に対して、透明基板である第1の基板101側から光を照射し、その反射光の強度を測定する方法を好ましく用いることができる。用いる光は、特に制限されず、たとえば波長400〜1000nm程度の単色光(たとえばレーザ光)であってもよいし、白色光等の混合光であってもよい。反射光の強度の測定は、たとえば市販の反射センサなどを用いて行なうことができる。
上記反射光強度の測定を行なうことにより溢出液の有無を検知する方法においては、基本的には、溢出液収容部内に溢出液が導入される前に、溢出液収容部に対して、第1の基板側から光を照射することにより得られる反射光強度と、検体計量部または液体試薬計量部に検体または液体試薬が導入された後に、溢出液収容部に対して、第1の基板側から光を照射することにより得られる反射光強度との比を求め、当該強度比から溢出液の有無を検知する。すなわち、当該比(導入後の反射光強度/導入前の反射光強度)が1より小さい場合(導入後の反射光強度がより小さい場合)には、溢出液収容部内に、溢出液が存在すると判断される。ただし、マイクロチップ間の製造振れが小さく、溢出液導入前の反射光強度が、マイクロチップ間でほぼ一定とみなすことができる場合には、溢出液導入前における反射光強度の測定は省略することが可能である。
図5は、溢出液収容部内に溢出液が導入される前後(図5(a)が導入前、図5(b)が導入後)における、入射光強度と反射光強度との関係を説明する図である。第1の基板501および第2の基板502の屈折率を1.57、第1の基板501側から入射光強度Iの光を入射したときの、第1の基板501表面、第1の基板501と溢出液収容部510との界面、溢出液収容部510と第2の基板502との界面における光反射率を、それぞれR1、R2、R3、光透過率を、それぞれT1、T2、T3、溢出液収容部510に収容される液体(または空気)の光透過率をT4と仮定すると、反射光の強度は、下記式(1)で表される。
Figure 0005182664
ここで、上記式(1)における右辺の第1項は、図5(a)および(b)に示される反射光X(第1の基板501表面からの反射)に起因する強度であり、第2項は反射光Y(第1の基板501と溢出液収容部510との界面における反射)に起因する強度であり、第3項は反射光Z(溢出液収容部510と第2の基板502との界面における反射)に起因する強度である。
溢出液収容部510内に、溢出液が存在せず空気のみが存在する場合(図5(a)の場合)、R1はおよそ0.05と算出され、さらに、R1=R2=R3であり、したがってT1=T2=0.95となるから、上記式(1)の右辺にこれらを代入すると、反射光強度=2.72×R1Iを得る。
一方、溢出液収容部510内に、たとえば水(屈折率1.33)が導入されると(図5(b)の場合)、R2は0.0068(したがって、T2=0.9932)と計算されるから、同様に上記式(1)の右辺に代入すると、反射光強度=1.24×R1Iを得る。上記計算結果は、導入後の反射光強度/導入前の反射光強度比が0.45になることを示している。このように、溢出液収容部510内に溢出液が導入されることにより、反射光強度が低下する(上記計算例の場合、55%低下)ため、この反射光強度低下を測定することによって、溢出液の有無を容易に検知することができる。実際に、上記屈折率を有する熱可塑性樹脂を用いてマイクロチップを作製し、波長800nmの単色光を照射したところ、水導入前後における反射光強度比は0.425であった。
ここで、第2の基板502を不透明基板(たとえば黒色基板)とした場合には、上記式(1)における第3項(溢出液収容部510と第2の基板502との界面における反射)は実質的に0となるため、溢出液導入前後の反射光強度値の相違は、実質的に第2項(第1の基板501と溢出液収容部510との界面における反射)の強度差のみに依存することとなる。第2項の強度は、溢出液の透明、不透明に左右されないため、第2の基板502を不透明基板(たとえば黒色基板)とした場合には、溢出液が不透明であるかどうかに関わらず、溢出液の有無を検知することができる。一方、第2の基板を透明基板とした場合、上記式(1)における第3項の寄与が発生するため、反射光強度の測定を複雑化させ得る次のような要因が招来する。まず、溢出液収容部に収容される液体(溢出液)の透過率によって反射光強度が変わる(上記式(1)に示されるように、第3項の寄与が発生する結果、反射光強度はT4に依存する。)ため、複数の溢出液収容部に対して一定の反射光強度が得られない場合がある。したがって、溢出液有無を判定する閾値を溢出液収容部に収容される液体の種類ごとに決める必要がある。また、第2の基板を透明基板とした場合、検知したい液体が、透過率が一定の不透明な液体であっても、溢出液収容部の厚さ(深さ)によって反射光強度が変動し得る。したがって、溢出液有無を判定する閾値は、収容される液体の種類だけでなく、溢出液収容部の厚さ(深さ)に応じてそれぞれ決める必要が生じる。第2の基板502を不透明基板(たとえば黒色基板)とした場合には、不透明な液体が溢出液収容部に収容される場合であっても、一定した反射光強度値を得ることが可能となるため、透明液体の場合と同じ溢出液有無を判定する閾値を用いて、溢出液収容部内の液体の有無を検知することができる。
上記反射光強度の測定による液体が存在するかどうか(あるいは存在しないかどうか)を検知する手法は、溢出液収容部に限らず、マイクロチップの他の部位にも適用することができる。たとえば、マイクロチップ実使用前に液体試薬保持部に対して光を照射し、その反射光強度を測定することにより、液体試薬が液体試薬保持部内に存在するかどうかを確認することができるため、輸送時の衝撃等による流出や蒸発などにより液体試薬が液体試薬保持部に収容されていないという異常を検知することができる。また、検体計量部、液体試薬計量部および検体と液体試薬とが混合される混合部等に対して光を照射し、その反射光強度を測定することにより、計量部および混合部に確実に検体、液体試薬またはその混合液が存在することを確認できるため、遠心力印加により、確実に所定の処理が行なわれていることを保証することができる。さらに、下記に示す血球分離、液体試薬計量工程以前などの段階(たとえば、マイクロチップ実使用直前)で、液体試薬計量部、混合部、検出部に光を照射し、その反射光強度を測定することにより、これらの部位に液体試薬や検体が存在しないことを確認することができるため、輸送中の落下や製造不良により液漏れが生じて液体試薬や検体が無いはずのところへ流出しているという異常を検知することができる。
なお、溢出液収容部内に、溢れ出た検体または液体試薬が存在するか否かを検知する他の方法としては、上記特許文献1に示されるような、溢出液収容部に光を照射し、その透過光を測定する方法を挙げることができるが、上記反射光を測定する方法は、透過光を測定する方法と比較して次の点で有利であり、上記反射光を測定する方法が好ましく用いられる。
(i)マイクロチップの厚さ分の液量を要しないため、微小量での検出が可能である。
(ii)反射光を測定する場合には、光を入射する側の基板が透明であればよく、不透明な基板も使用することができる(たとえば、上記本発明の実施形態における第2の基板)。
(iii)光が通過する領域(光学領域)の作製が容易であり、また光学領域の構成を簡素化することができる。すなわち、本実施形態のように、マイクロチップに2層の流体回路を設ける場合においても、両方の層にまたがって光学領域を形成する必要がない。これにより、設計の自由度が増すとともに、光学領域の占有面積を低減することができる。一方、透過光を測定する場合においては、光学領域を両方の層に形成する必要があるため、光学領域の占有面積が上昇するとともに、これらの光学領域の位置が合うように、設計上の位置合わせを行なう煩雑さが生じる。
(iv)上記したように、第2の基板502を不透明基板(たとえば黒色基板)とした場合には、不透明な液体が溢出液収容部に収容される場合であっても、一定した反射光強度値を得ることが可能となるため、透明液体の場合と同じ溢出液有無を判定する閾値を用いて、溢出液収容部内の液体の有無を検知することができる。
本実施形態のマイクロチップ100は、上記したように、各液体試薬に対応する合計11個の溢出試薬収容部と1個の溢出検体収容部を有しているが、これらはすべて第1の基板側の流体回路(上側流体回路)内に形成されていることが好ましい(図3参照)。すべての溢出液収容部を一方の流体回路に形成することにより、反射光強度測定の際、マイクロチップを裏返す必要がなく、簡便かつ迅速にすべての収容部における溢出液の有無を検知することができる。また、これらの溢出液収容部は、第2の基板表面に形成された一方の流体回路内において、同一円の円周上に配置されることが好ましい(図3参照)。当該円は、マイクロチップに遠心力を付与するためにマイクロチップを公転させる際の公転中心を中心とする円であることが好ましい。より具体的には、マイクロチップは、通常、回転自在な円形状ステージを有する遠心装置の該円形状ステージ上に載置されて遠心力が印加されることから、公転中心を中心とする円とは、当該円形状ステージの回転中心を中心とする円ともいうことができる。このように、同一円の円周上にすべての収容部を配置することにより、固定された光源(または光源と反射光強度測定手段とが一体化された装置)から光を照射するとともに、マイクロチップを載置した円形状ステージを回転させて、各溢出液収容部を、当該照射光の光軸上に順に配置していくことにより反射光強度を測定することができるため、反射光強度の測定を簡便かつ迅速に行なうことができる。
図1を参照して、本実施形態のマイクロチップ100において、第1の基板101の表面上には、上側流体回路の溢出液収容部の直上に相当する位置に、凹部130が形成されている(合計12個)。このような凹部を形成することにより、指紋付着による溢出液収容部内に溢出液が導入される前の反射光強度の低下を防止することができる。上記したように、溢出液導入前の反射光強度が、マイクロチップ間でほぼ一定とみなすことができる場合、溢出液導入前の反射光強度の測定を省略することができるが、指紋の付着により、実際には反射光強度の低下が生じていた場合、溢出液の有無の判定に誤りが生じ得る。当該凹部130の深さは、特に制限されないが、第1の基板101の厚みが1.6mmである場合、たとえば1.1mm以下程度とすることができる。なお、当該凹部は必須のものではない。
次に、本実施形態のマイクロチップ100を用いた流体処理の一例を、図6〜12を参照して説明する。図6〜12は、流体処理の各工程における第2の基板102の上面(第1の基板側表面)の液体(検体、液体試薬およびその混合液)の状態および下面(第3の基板側表面)の液体の状態を示す図である。各図における(a)が第2の基板上面の液体の状態を示す図であり、(b)が第2の基板下面の液体の状態を示す図である。なお、図6(b)〜12(b)においては、図4と同様に、図6(a)〜12(a)に示される上側流体回路との対応関係が明確に把握できるよう、左右反転させた状態で第2の基板の下側流体回路を示している。また、以下の説明においては、セクション1の流体回路における流体処理についてのみ説明するが、他のセクションについても同様の処理がなされており、このことは、図面を参照することにより明確に理解することができる。さらに、以下では、検体が全血(以下では、上で定義したように、全血から分離された血漿成分をも検体と称することがある。)である場合を例に説明するが、検体の種類はこれに限定されるものではない。
(1)血球分離、液体試薬計量工程
まず、本工程において、図3および4に示される状態にあるマイクロチップに対して、図6における下向き(以下、単に下向きという。図7〜12についても同様であり、また、他の方向についても同様である。)に遠心力を印加する。これにより、第1の基板101の検体導入口から導入された全血は、貫通穴20aを通って下側流体回路に移動し、血球分離部420に導入される(図6(b)参照)。血球分離部420に導入された全血600は、血球分離部420にて遠心分離され、血漿成分(上層)と血球成分(下層)とに分離される。血球分離部420から溢れた全血は、貫通穴20bを通って上側流体回路に移動し、廃液溜め430に収容される(図6(a)参照)。また、下向きの遠心力印加により、液体試薬保持部301a、301b内の液体試薬は、それぞれ貫通穴21b、21cを通って液体試薬計量部411a、411bに至り、計量される(図6(b)参照)。計量部から溢れた液体試薬は、それぞれ貫通穴21a、21dを通って、上面側流体回路内の溢出試薬収容部331a、331bに収容される(図6(a)参照)。この段階で、液体試薬に関し液量異常がない場合、溢出試薬収容部332bを除いてすべての溢出試薬収容部内に液体試薬が存在することとなる。なお、本工程に先立ち、液体試薬保持部に光を照射して、その反射光強度を測定することにより、液体試薬の存在を確認してもよい。また、血球分離、液体試薬計量工程以前の段階で、液体試薬計量部、混合部、検出部に光を照射し、その反射光強度を測定することにより、これらの部位に液体試薬や検体が存在しないかどうかを確認してもよい。
(2)検体計量工程
次に、左向きの遠心力を印加する。これにより、血球分離部420において分離された血漿成分は、検体計量部401に導入され(同時に検体計量部402、403、404および405,406にも導入される)、計量される(図7(b)参照)。計量部から溢れた血漿成分は、貫通穴26aを通って上側流体回路内に移動される(図7(a)参照)。下側流体回路の混合部441aには、液体試薬が残存している。なお、この段階で、各計量部に光を照射して、その反射光強度を測定することにより、計量部における血漿成分の存在を確認してもよい。
(3)第1混合工程
次に、下向きの遠心力を印加する。これにより、計量された液体試薬(液体試薬保持部301aに保持されていた液体試薬)と、検体計量部401にて計量された血漿成分とが、液体試薬計量部411aにおいて混合される(第1混合工程第1ステップ、図8(b)参照)。なお、この段階で、各液体試薬計量部に光を照射して、その反射光強度を測定することにより、液体試薬計量部における混合液の存在を確認してもよい。また、この段階で溢出検体収容部の反射光強度を測定することにより、検体導入不足等の不具合をいち早く検知することができる。次に、左向きの遠心力を印加することにより、混合液は、混合部441aに残存していた液体試薬とさらに混合される(第1混合工程第2ステップ、図9(b)参照)。これら第1ステップおよび第2ステップを必要に応じて複数回行ない、確実に混合を行なう。最終的に、図9に示される状態と同様の状態を得る。
(4)第2混合工程
次に、上向きの遠心力を印加する。これにより、混合部441a内の混合液は、貫通穴21eを通って混合部441bに至り、計量されたもう一方の液体試薬(液体試薬保持部301b内に保持されていた液体試薬)もまた、貫通穴21eを通って混合部441bに至り、これらは混合される(第2混合工程第1ステップ、図10(a)参照)。なお、この段階で、各混合部に光を照射して、その反射光強度を測定することにより、混合部における混合液の存在を確認してもよい。次に、右向きの遠心力を印加することにより、図11(a)に示されるように、混合液は混合部441b内を移動し、混合が促進される(第2混合工程第2ステップ、図11(a)参照)。また、この右向きの遠心力により、溢出試薬収容部332bに液体試薬が収容されることとなる(図11(a)参照)。これら第1ステップおよび第2ステップを必要に応じて複数回行ない、確実に混合を行なう。最終的に、図11に示される状態と同様の状態を得る。
(5)検出部導入工程
最後に、下向きの遠心力を印加する。これにより、混合液は検出部311に導入される(他の混合液についても同様、図12(a)および(b)参照)。また、溢出試薬収容部331a、331bおよび溢出検体収容部330には、液体試薬または検体(血漿成分)が収容された状態となる。他の溢出試薬収容部についても同様である。検出部に充填された混合液は、光学測定に供され、検体(血漿成分)の検査・分析が行なわれる。たとえば、マイクロチップ表面に対して略垂直な方向から光を照射し、その透過光を測定することにより、混合液中の特定成分の検出等がなされる。また、この際、溢出検体収容部および各溢出試薬収容部に光を照射し、その反射光の強度を測定することにより、検体または液体試薬の有無を確認する。検体または液体試薬の有無の確認は必ずしもこの段階で行なわれる必要はないが、検体または液体試薬が、すべての溢出検体収容部および溢出試薬収容部に収容され得る状態となるのはこの段階であるため、操作の簡略化のためには、検出部導入工程後に検体または液体試薬の有無の確認を行なうことが好ましい。
以上、本発明のマイクロチップおよびその使用方法を2層の流体回路を有するマイクロチップを例に挙げて説明したが、本発明のマイクロチップは、1層の流体回路を有するもの、すなわち、透明基板である第1の基板と、片面に流体回路を構成する溝および/または貫通穴が形成された第2の基板とを貼り合わせてなるマイクロチップであってもよい。勿論、本発明のマイクロチップは多項目チップである必要はなく、1種類の検査・分析のみを行なう単項目チップであってもよい。また、本発明においては、少なくとも溢出検体収容部、溢出試薬収容部のいずれか一方を有していればよいが、マイクロチップの信頼性をより高めるためには、これら両方を有していることが好ましい。溢出検体収容部および溢出試薬収容部の数は特に限定されるものではなく、いずれか一方を少なくとも1つ有していればよいが、マイクロチップの信頼性をより高めるためには、各液体試薬および検体を収容する収容部を有していることが好ましい。
2層の流体回路を有するマイクロチップにおいて、第3の基板は、必ずしも透明基板である必要はないが、少なくとも検出部を構成する表面領域については、入射した光の透過光が測定できるよう、透明であることが好ましい。第1の基板、第2の基板および第3の基板を貼り合わせる方法として、基板の貼り合わせ面に光を照射して融解させることによって貼合する溶着法を用いる場合には、入射した光をより効率的に吸収できるよう、第2の基板を不透明基板(好ましくは黒色基板)とし、第3の基板を透明基板とすることが好ましい。これにより、第3の基板側から光を照射して、第2の基板の貼り合わせ面を融解させることによって、第2の基板と第3の基板との貼合を容易に行なうことができる。第1の基板と第2の基板との貼合についても同様である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係るマイクロチップの一例を示す外形図である。 本発明に係るマイクロチップの第2の基板に形成された流体回路の一例を示す斜視図である。 本発明に係るマイクロチップの第2の基板の一例を示す上面図である。 本発明に係るマイクロチップの第2の基板の一例を示す下面図である。 溢出液収容部内に溢出液が導入される前後における、入射光強度と反射光強度との関係を説明する図である。 血球分離、液体試薬計量工程における第2の基板の上面(第1の基板側表面)の液体の状態および下面(第3の基板側表面)の液体の状態を示す図である。 検体計量工程における第2の基板の上面(第1の基板側表面)の液体の状態および下面(第3の基板側表面)の液体の状態を示す図である。 第1混合工程第1ステップにおける第2の基板の上面(第1の基板側表面)の液体の状態および下面(第3の基板側表面)の液体の状態を示す図である。 第1混合工程第2ステップにおける第2の基板の上面(第1の基板側表面)の液体の状態および下面(第3の基板側表面)の液体の状態を示す図である。 第2混合工程第1ステップにおける第2の基板の上面(第1の基板側表面)の液体の状態および下面(第3の基板側表面)の液体の状態を示す図である。 第2混合工程第2ステップにおける第2の基板の上面(第1の基板側表面)の液体の状態および下面(第3の基板側表面)の液体の状態を示す図である。 検出部導入工程における第2の基板の上面(第1の基板側表面)の液体の状態および下面(第3の基板側表面)の液体の状態を示す図である。
符号の説明
100 マイクロチップ、101,501 第1の基板、102,502 第2の基板、103 第3の基板、110 液体試薬導入口、120 検体導入口、130 凹部、301a,301b,302a,302b,303a,303b,304a,304b,305a,305b,306a 液体試薬保持部、311,312,313,314,315,316 検出部、330 溢出検体収容部、331a,331b,332a,332b,333a,333b,334a,334b,335a,335b,336a 溢出試薬収容部、401,402,403,404,405,406 検体計量部、411a,411b,412a,412b,413a,413b,414a,414b,415a,415b,416a 液体試薬計量部、420 血球分離部、430 廃液溜め、441a,441b 混合部、11a,11b,16a,16b 流路、20a,20b,21a,21b,21c,21d,21e,26a 貫通穴、510 溢出液収容部、600 全血。

Claims (10)

  1. 明基板である第1の基板と、基板の両面に設けられた溝および厚み方向に貫通する貫通穴を備える第2の基板と、第3の基板とを貼り合わせてなる、内部に2層の流体回路を有するマイクロチップであって、
    前記流体回路は、
    液体試薬を収容する液体試薬保持部と、
    前記液体試薬または検体を計量するための以上の計量部と、
    前記計量部に接続され、計量時において前記計量部から溢れる前記液体試薬または前記検体を収容するための部位であって、収容された前記液体試薬または前記検体の存在または不存在を検知するために光が照射される部位である2以上の溢出液収容部とを少なくとも有し、
    前記複数の溢出液収容部は、すべて前記第1の基板側の流体回路内に設けられており、かつ、前記第2の基板表面において、同一円の円周上に配置されるマイクロチップ。
  2. 前記第2の基板は、不透明基板である請求項に記載のマイクロチップ。
  3. 前記第2の基板は、黒色基板である請求項に記載のマイクロチップ。
  4. 前記流体回路は、前記液体試薬を計量するための1以上の液体試薬計量部および検体を計量するための1以上の検体計量部を有する請求項1〜のいずれかに記載のマイクロチップ。
  5. 前記流体回路は、計量された検体と計量された液体試薬とを混合するための混合部、および得られた混合液について検査・分析を行なうための検出部をさらに有する請求項に記載のマイクロチップ。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のマイクロチップの使用方法であって、
    遠心力の印加により、前記計量部に液体試薬または検体を導入する工程と、
    前記溢出液収容部に対して、前記第1の基板側から光を照射し、その反射光の強度を測定することにより、前記溢出液収容部内における前記液体試薬または前記検体の有無を検知する工程と、を含むマイクロチップの使用方法。
  7. 液体試薬または検体の有無の検知は、計量部に液体試薬または検体が導入される前に、前記溢出液収容部に対して、前記第1の基板側から光を照射することにより得られる反射光強度と、計量部に液体試薬または検体が導入された後に、前記溢出液収容部に対して、前記第1の基板側から光を照射することにより得られる反射光強度との比を求めることにより行なわれる請求項に記載のマイクロチップの使用方法。
  8. 前記液体試薬保持部に対して、前記第1の基板側から光を照射し、その反射光の強度を測定することにより、前記液体試薬保持部内における液体試薬の有無を検知する工程をさらに有する請求項またはに記載のマイクロチップの使用方法。
  9. 液体試薬の有無の検知は、液体試薬保持部に液体試薬が導入される前に、前記液体試薬保持部に対して、前記第1の基板側から光を照射することにより得られる反射光強度と、液体試薬保持部に液体試薬が導入された後に、前記液体試薬保持部に対して、前記第1の基板側から光を照射することにより得られる反射光強度との比を求めることにより行なわれる請求項に記載のマイクロチップの使用方法。
  10. 前記液体試薬計量部、前記混合部および前記検出部から選択されるいずれか1以上の部位に対して、前記第1の基板側から光を照射し、その反射光の強度を測定することにより、前記部位内における液体試薬または検体の有無を検知する工程をさらに有する請求項のいずれかに記載のマイクロチップの使用方法。
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