JP5182635B2 - 高級炭化水素油製造装置および製造方法 - Google Patents

高級炭化水素油製造装置および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、油脂を水素化分解して高級炭化水素油を製造する装置および方法に関する。
地球温暖化の防止対策として、バイオマスエネルギーの有効利用に注目が集まっている。バイオマスエネルギーの中でも植物由来のバイオマスエネルギーは、植物の成長過程で光合成により二酸化炭素から変換された炭素資源を有効利用できるため、資源のライフサイクルの観点からすると大気中の二酸化炭素の増加につながらない、いわゆる、カーボンニュートラルという性質を持つ。
このようなバイオマスエネルギーの利用は、輸送用燃料の分野においても種々検討がなされている。例えば、ディーゼル燃料として動植物油から製造される燃料を使用できれば、ディーゼルエンジンの高いエネルギー効率との相乗効果により二酸化炭素の排出量削減において有効な役割を果たすと期待されている。
特許文献1には、バイオマスから液体燃料を製造する技術として、動植物油に由来する油脂を原料とし、これを水素化分解して高級炭化水素油を製造する技術が開示されている。ここで、「高級炭化水素油」とは、炭素数が5以上であり常温において液体の炭化水素をいう。上記特許文献1の技術によれば、着火性が高く安定性に優れたディーゼル燃料を得ることができる。
特許文献1のような高級炭化水素油の製造プロセスでは、通常、水素化触媒の下、油脂と水素を主として以下の(1)式と(2)式のように反応させる。ここで、油脂の一般的な成分は脂肪酸とグリセリンとがエステル結合した脂肪酸トリグリセド構造を有するものであり、C3H5(OCO-R)3と表し、R−は高級アルキル基を表す。
C3H5(OCO-R)3+ 12H2→ 3R-CH3 + C3H8 + 6H2O (1)
C3H5(OCO-R)3+ aH2→ 3R-H + C3H8 + bCO2 + cCO + dH2O (2)
(1)式の反応は水素化分解反応であり、高級炭化水素油(R−CH)が生成され、副生成物としてプロパン(C)と水(HO)が生成される。(2)式の反応は、(1)式と同時に起こる脱炭酸反応であり、高級炭化水素油(R−H)が生成され、副生成物としてプロパン、二酸化炭素(CO)、一酸化炭素(CO)および水が生成される。なお、(2)式におけるa,b,c,dは定数である。
また、発生した二酸化炭素が水素(H)と反応し、該水素の一部が一酸化炭素と水に変化する。また、R−は高級アルキル基であるが、不飽和結合を持つ場合、その部分は水添されて生成物は高級飽和炭化水素となる。
特開2007−153928
上記特許文献1のように、油脂を水素化分解しディーゼル燃料として使用できる高級炭化水素油を得る場合、その製造プロセスには水素の供給が不可欠であり、この製造プロセスを工業的に実用化するためには製油所や製鉄所など水素を供給できる施設に隣接して製造施設を立地させることが必要であった。
これまでに炭化水素油製造施設の外部から水素の供給を受けずに、油脂を水素化分解し高級炭化水素油を製造する技術は開発されていない。
本発明は上記のような事情に鑑みて、炭化水素油製造施設の外部から水素の供給を受けることなく、油脂を水素化分解し高級炭化水素油を製造する装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
<第一発明>
本発明に係る高級炭化水素油製造装置は、油脂を水素化分解して高級炭化水素油を製造する。
かかる高級炭化水素油製造装置において、本発明では、油脂を水素化分解して低級炭化水素含有ガスおよび高級炭化水素油を生成する水素化反応器と、上記水素化反応器で生成された低級炭化水素含有ガスに含まれる低級炭化水素を部分酸化して水素および一酸化炭素を生成する部分酸化炉と、上記部分酸化炉で生成された一酸化炭素を、外部から受ける水蒸気とシフト反応させて水素および二酸化炭素を生成するシフト反応器とを備え、上記水素化反応器は、上記シフト反応器で生成された水素が供給されるようになっていることを特徴としている。ここで、「低級炭化水素」とは、炭素数が4以下であり常温において気体の炭化水素をいう。
本発明では、水素化反応器における油脂の水素化分解反応での副生成物である低級炭化水素含有ガスに含まれる低級炭化水素が部分酸化炉で部分酸化されて水素および一酸化炭素が生成され、該一酸化炭素がシフト反応器で水蒸気とシフト反応して水素が生成され、該水素が水素化反応器に供給される。そして、水素化反応器に供給された水素は、水素化反応器における油脂の水素化分解に利用される。
<第二発明>
本発明に係る高級炭化水素油製造装置も、第一発明と同様に、油脂を水素化分解して高級炭化水素油を製造する。
かかる高級炭化水素油製造装置において、本発明では、油脂を水素化分解して低級炭化水素含有ガスおよび高級炭化水素油を生成する水素化反応器と、上記水素化反応器で生成された上記低級炭化水素含有ガスから低級炭化水素を凝縮して分離する気液分離器と、上記気液分離器で分離された低級炭化水素の凝縮液を減圧して低級炭化水素をガス状に戻す減圧器と、上記減圧器で減圧されガス状に戻された低級炭化水素を部分酸化して水素および一酸化炭素を生成する部分酸化炉と、上記気液分離器で上記低級炭化水素含有ガスから低級炭化水素が分離された残部ガスに含まれる一酸化炭素および上記部分酸化炉で生成された一酸化炭素を水蒸気とシフト反応させて水素および二酸化炭素を生成するシフト反応器とを備え、上記水素化反応器は、上記シフト反応器で生成された水素が供給されるようになっていることを特徴としている。
本発明においても、第一発明と同様に、水素化反応器における油脂の水素化分解反応での副生成物である低級炭化水素含有ガスに含まれる低級炭化水素が部分酸化炉で部分酸化されて水素および一酸化炭素が生成され、該一酸化炭素がシフト反応器で水蒸気とシフト反応して水素が生成され、該水素が水素化反応器に供給される。さらに、本発明では、気液分離器によって低級炭化水素が低級炭化水素含有ガスから分離され、該低級炭化水素は部分酸化炉に供給されて部分酸化される。すなわち、部分酸化炉に供給されるのは上記低級炭化水素のみであり、水素化反応器から排出されるガスのうち低級炭化水素以外の残部ガスは供給されない。したがって、該残部ガスが供給されない分、部分酸化炉の規模を小さくすることができ、設備を小型化できる。
第一発明又は第二発明において、水素化反応器で生成された高級炭化水素油に対して加熱および減圧の少なくとも一方の処理を行って高級炭化水素油から該高級炭化水素油に溶存している低級炭化水素ガスを分離するストリッパをさらに備え、上記ストリッパで分離された低級炭化水素ガスが部分酸化炉へ供給されるようになっていることが好ましい。ストリッパによって高級炭化水素油に溶存する低級炭化水素ガスを分離させて低級炭化水素ガスを部分酸化炉にて部分酸化させることにより、低級炭化水素ガスをより効率よく利用できる。
また、第一発明又は第二発明において、ストリッパから抜き出される高級炭化水素油を蒸留する蒸留塔をさらに備え、上記蒸留塔から排出される蒸留残渣が水素化反応器に戻されようになっていることが好ましい。蒸留残渣は未反応の油脂を含んでおり、水素化反応器内に戻されて再度水素化分解反応に供給されることにより、高級炭化水素油の収率を高めることができる。
また、第一発明又は第二発明において、シフト反応器から排出されるガスに含まれる水蒸気を凝縮して除去する水蒸気除去器と、該排出されるガスに含まれる二酸化炭素を除去し外部へ回収する二酸化炭素回収器とをさらに備えることが好ましい。シフト反応器から排出されるガスに含まれる水蒸気と二酸化炭素を除去して、水素化反応器に水素以外のガス成分の少ないガスを供給できる。
また、第一発明又は第二発明において、水素化反応器は、油脂に水素化分解触媒粒子を懸濁させた触媒スラリー中に水素含有ガスを供給するスラリー床反応器であることが好ましい。スラリー床反応器は気・液・固の接触が良好であるため高い反応率を得ることができ、また内部に設置した熱交換器により水素化反応の発熱を効果的に除去できる温度制御性に優れたものであり、更に、触媒劣化時も、運転を継続させながらスラリーの抜き出しおよび投入を行うことにより触媒の交換が可能である。
<第三発明>
本発明に係る高級炭化水素油製造方法は、油脂を水素化分解して高級炭化水素油を製造する。
かかる高級炭化水素油製造方法において、本発明では、油脂を水素化分解して低級炭化水素含有ガスおよび高級炭化水素油を生成する水素化反応工程と、上記水素化反応工程で生成された低級炭化水素含有ガスに含まれる低級炭化水素を部分酸化して水素および一酸化炭素を生成する部分酸化工程と、上記部分酸化工程で生成された一酸化炭素を水蒸気とシフト反応させて水素を生成するシフト反応工程とを備え、上記水素化反応工程にて、上記シフト反応工程で生成された水素を上記油脂と反応させて水素化分解を行うことを特徴としている。
<第四発明>
本発明に係る高級炭化水素油製造方法も、第三発明と同様に、油脂を水素化分解して高級炭化水素油を製造する。
かかる高級炭化水素油製造方法において、本発明では、油脂を水素化分解して低級炭化水素含有ガスおよび高級炭化水素油を生成する水素化反応工程と、上記水素化反応工程で生成された低級炭化水素含有ガスから低級炭化水素を凝縮して分離する気液分離工程と、上記気液分離工程で分離された低級炭化水素の凝縮液を減圧して低級炭化水素をガス状に戻す減圧工程と、上記減圧工程で減圧されガス状に戻された低級炭化水素を部分酸化して水素および一酸化炭素を生成する部分酸化工程と、上記気液分離工程で上記低級炭化水素含有ガスから低級炭化水素が分離された残部ガスに含まれる一酸化炭素および上記部分酸化工程で生成された一酸化炭素を、水蒸気とをシフト反応させて水素を生成するシフト反応工程とを備え、上記水素化反応工程にて、上記シフト反応工程で生成された水素を上記油脂と反応させて水素化分解を行うことを特徴としている。
本発明では、以上のように、水素化反応器における油脂の水素化分解での副生成物である低級炭化水素を原料として水素を生成し、該水素を水素化反応器に供給して油脂の水素化分解に利用するので、高級炭化水素油製造装置の外部から水素の供給を受ける必要がなくなる。したがって、該高級炭化水素油製造装置を、水素を供給する施設に隣接して設置する必要がなくなるので、該高級炭化水素油製造装置の設置場所について自由度が増大する。また、気液分離器によって低級炭化水素を分離して、該低級炭化水素のみを部分酸化炉に供給して部分酸化するような構成にすることにより、水素化反応器から排出されるガスのうち低級炭化水素以外の残部ガスが部分酸化炉に供給されない分、該部分酸化炉の規模を小さくすることができ、設備を小型化できる。この結果、部分酸化炉での部分酸化の効率が向上する。
<第一実施形態>
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、高級炭化水素油について、特に区別する必要がある場合、精製された高級炭化水素油を「精製高級炭化水素油」、精製されていない高級炭化水素油を「粗高級炭化水素油」という。
図1は、本実施形態に係る高級炭化水素油製造装置の構成を示すブロック図である。該高級炭化水素油製造装置1は、油脂を水素化分解して粗高級炭化水素油および後述の低級炭化水素ガスを生成し、該粗高級炭化水素油を精製して精製高級炭化水素油を生成する炭化水素油生成部10と、該炭化水素油生成部10にて生成され炭化水素油生成部10から抜き出される、低級炭化水素ガスを含有するガス(以下、「反応ガス」という)を気液分離して、水素生成のための原料となる原料ガスを生成する反応ガス処理部20と、該反応ガス処理部20で生成された原料ガスに含まれる低級炭化水素ガスを部分酸化して一酸化炭素を生成する部分酸化処理部30と、該部分酸化処理部30で生成された一酸化炭素を水蒸気とシフト反応させて水素および二酸化炭素を生成して該水素を上記炭化水素油生成部10に供給するシフト反応部40とを有する。
炭化水素油生成部10は、水素化分解触媒に油脂及び水素を接触させて油脂を水素化分解して粗高級炭化水素油および低級炭化水素ガスを生成する水素化反応器11と、該水素化反応器11から上記粗高級炭化水素油を触媒とともに抜き出しこれらをろ過して触媒と粗高級炭化水素油とを分離するフィルタ12と、該分離された粗高級炭化水素油を蒸留することにより精製して精製高級炭化水素油を生成する蒸留塔13を有する。
本実施形態では、水素化反応器11は、スラリー床反応器として構成されている。該水素化反応器11内部は、油脂に水素化分解触媒粒子を懸濁させた触媒スラリーが充填されている。水素化反応器11底部には分散器(図示せず)が設置されていて、該分散器から水素化反応器11内に水素含有ガスが微細な気泡として供給され、該気泡が触媒スラリー中を分散しながら上昇する。水素化反応器11底部側面において上記分散器より上方の位置には、原料供給口が設けられており、該原料供給口から原料としての油脂が供給される。
水素化反応器11において、触媒スラリー中の水素化分解触媒粒子に油脂および水素が接触することにより、該油脂は水素化分解され、この結果、粗高級炭化水素油が生成される。油脂の水素化分解反応では副生成ガスとしてプロパンが生成される。また、水素化反応器11では、上記水素化分解反応と同時に、水素化を伴う油脂の脱炭酸反応が起こる。該脱炭酸反応によりプロパン、一酸化炭素、二酸化炭素が生成され、さらに、該二酸化炭素が水素と反応して一酸化炭素および水蒸気が生成される。また、水素化反応器11では、油脂の熱分解反応も同時に進行し、メタン、エタンをはじめとする炭化水素ガスが生成される。以下、本発明では、油脂の水素化分解反応および水素化を伴う油脂の脱炭酸反応のそれぞれにおける副生成ガスであるプロパンと、油脂の熱分解反応により生成されるメタン、エタン等の炭化水素ガスとを総称して、「低級炭化水素ガス」又は「低級炭化水素」という。
このように、水素化反応器11から抜き出される反応ガスには、低級炭化水素ガス、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、および未反応の水素が含まれている。また、この反応ガス中には生成物である粗高級炭化水素油がガス状で1vol%以上含まれている。
本実施形態では、油脂はパーム油、菜種油などの植物油の他、ラード、牛脂、魚油のような動物油が用いられる。このうち、パーム油やラード、牛脂などは飽和度が高く、水素消費量を少なくすることができるので、後述する部分酸化炉へ外部から補助原料を供給する必要性が少なくなるので好ましい。該油脂は予熱して供給されるのが好ましい。
また、本実施形態では、水素化分解触媒としては、コバルト−モリブデン系、ニッケル−モリブデン系などの触媒が用いられるが、これには限定されない。水素化分解触媒は、流動するスラリー中で沈降しないように、平均粒径50〜100μm程度の微細な粒子となっていることが好ましい。また、水素化反応器11での油脂の水素化分解反応温度は300〜400℃、圧力は5〜10MPa程度に設定されていることが好ましいが、これには限定されない。
フィルタ12は、水素化反応器11上部のスラリー液面付近から抜き出された触媒スラリーおよび粗高級炭化水素油の混合液の一部をろ過して、粗高級炭化水素油を含む液を触媒スラリーから分離する。粗高級炭化水素油を含む液は粗生成物として生成物精製のための蒸留塔13へポンプ(図示せず)によって送られ、上記触媒スラリーは水素化反応器11へポンプ(図示せず)によって戻される。なお、水素化反応器11内における上記混合液の液面の高さは、該混合液が抜き出されても常に一定となるように制御されている。
水素化反応器11から抜き出してフィルタ12にてろ過した粗炭化水素油は蒸留塔13に供給されて蒸留される。この結果、該蒸留塔13の塔頂から精製高級炭化水素油が留出され、底部からは蒸留残渣が排出される。該蒸留残渣は、未反応の油脂を含んでおり、水素化反応器11の下部から水素化反応器11内に戻されて再度水素化分解反応に供給される。
反応ガス処理部20は、水素化反応器11から抜き出される反応ガスを冷却してガス状の粗高級炭化水素油を凝縮する冷却器21と、該冷却器21で冷却された反応ガスと凝縮された粗高級炭化水素油とを分離するセパレータ22と、上記冷却された反応ガスをさらに冷却して水蒸気を凝縮する冷却器23と、該冷却器23で冷却された反応ガスと凝縮された水蒸気、すなわち水とを分離するセパレータ24とを有する。
水素化反応器11の頂部から抜き出される反応ガスは、水素化分解反応および脱炭酸反応における副生成ガスとしてのプロパン、熱分解反応によるメタン、エタンをはじめとする炭化水素ガス、脱炭酸反応による一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、および未反応の水素を含んでいる。さらに、この反応ガス中には生成物である粗高級炭化水素油がガス状で1vol%以上含まれている。該反応ガスは、冷却器21によって、水が凝縮する温度より高く、かつ、水が凝縮する温度に近い温度、例えば180℃程度にまで冷却される。これによって、上記反応ガス中に含まれているガス状の粗高級炭化水素油が凝縮される。
上記反応ガスおよび凝縮された粗高級炭化水素油はセパレータ22にて、該反応ガスと粗高級炭化水素油とに分離される。該粗高級炭化水素油は上記水素化反応器11にて生成されフィルタ12から抜き出された粗高級炭素化水素油とともに蒸留塔13に供給されて蒸留される。このように、反応ガス中に含まれるガス状の粗供給炭化水素油を凝縮して生成した粗高級炭化水素油をも回収することにより、高級炭化水素油の収量を増加させることができる。
セパレータ22にて、粗高級炭化水素油と分離された反応ガスは冷却器23によって、水が凝縮する温度より低く、かつ、低級炭化水素ガスの凝縮温度より高い温度、例えば50℃程度まで冷却される。これによって、反応ガス中に含まれている水蒸気が凝縮されて水が生成される。該反応ガスと水はセパレータ24にて、該反応ガスと水とに分離される。以下、粗高級炭化水素油および水が分離された反応ガスを部分酸化処理部に供給する原料という意味で「原料ガス」という。原料ガスは、油脂の水素化分解反応および脱炭酸反応の副生成ガスであるプロパン、脱炭酸反応により生成した一酸化炭素、二酸化炭素、油脂の熱分解反応により生成したメタン、エタンおよび未反応の水素を含んでいる。
部分酸化処理部30は、セパレータ24から供給された原料ガスに含まれる低級炭化水素ガスを部分酸化して水素および一酸化炭素を生成する部分酸化炉31と、生成された水素および一酸化炭素を含むガス(以下、「部分酸化ガス」という)に含まれるススやダストを除去する除塵装置32とを有する。
セパレータ24から抜き出された原料ガスは、部分酸化炉31へ供給される。本実施形態では、系内に窒素やアルゴンなどの不活性ガスが蓄積するのを防止するため、また、水素化反応器11の圧力調整を行うため、原料ガスが部分酸化炉31に供給される前に、該原料ガスの一部をパージガスとして抜き出す。
部分酸化炉31は、供給された原料ガス中の低級炭化水素ガスを部分酸化(部分燃焼)し、これによって水素および一酸化炭素が生成される。本実施形態では、部分酸化炉31内に酸化剤としての純酸素が外部から供給されて部分酸化が行われる。仮に、酸化剤として空気を用いると水素化反応器11に供給する後述の水素含有ガスに窒素を含むこととなり水素濃度が低くなってしまうが、本実施形態では、酸化剤として純酸素を用いるので、水素濃度が低くなることを抑制できる。
本実施形態では、部分酸化炉31としては、高温で反応を行う部分酸化炉、すなわちPOXを使用している。部分酸化炉31の炉内圧力は2〜5MPa程度が適当であるが、これには限定されない。また、本実施形態では、原料ガスを部分酸化炉31に供給する際に、該原料ガスに水蒸気を混合しており、これによって、部分酸化におけるススの発生や、炉内壁温度が異常に高温になることが抑制される。
本実施形態では、部分酸化炉31に外部から補助燃料が供給されている。油脂の水素化分解反応において原料となる油脂の不飽和度が高い場合、また水素化反応器11における油脂の熱分解反応が顕著でない場合、部分酸化炉31で生成した水素および一酸化炭素を後述のシフト反応器で水蒸気と反応させて製造した水素量では水素化反応器11への供給量が不足する場合がある。そこで、本実施形態のように、部分酸化炉31へ補助原料を供給することにより部分酸化炉31で生成される水素の量、ひいては水素化反応器11へ供給する水素の量を増加させることができる。
上記補助原料としては、天然ガス、プロパンガスなどの炭化水素ガス、メタノールやジメチルエーテルなどの含酸素有機化合物等を用いることができる。このうち、天然ガスは安価でススが発生しにくいため、補助原料として最適である。
部分酸化炉31にて低級炭化水素の部分酸化により発生した部分酸化ガスは300℃程度まで急冷され、除塵装置32でススやダストが除去される。なお、該除塵装置32は、必要に応じて設ければよく、必須ではない。
シフト反応部40は、部分酸化炉31で生成された一酸化炭素を、外部から受ける水蒸気とシフト反応させて水素および二酸化炭素とを含むガス(以下、「水素含有ガス」という)を生成するシフト反応器41と、シフト反応器41から抜き出された水素含有ガスを冷却することにより該水素含有ガスに含まれる水蒸気を凝縮して水を生成し、該水を水素含有ガスから分離して除去するセパレータ42と、該水が除去された水素含有ガスを昇圧するコンプレッサ43と、昇圧された該水素含有ガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収器44とを有している。
除塵装置32でススやダストが除去された部分酸化ガスは、シフト触媒が充填されたシフト反応器41に供給される。該シフト反応器41には外部から水蒸気が供給されている。シフト反応器41において、部分酸化ガス中の一酸化炭素が水蒸気とシフト反応することにより水素と二酸化炭素とを含む水素含有ガスが生成される。シフト触媒としては銅/亜鉛系、鉄/クロム系触媒等が挙げられる。部分酸化炉31に供給される原料ガスには水素化反応器11での油脂の脱炭酸反応により生成された一酸化炭素が含まれており、この一酸化炭素も上記シフト反応に供される。
上記シフト反応は発熱を伴うので、該シフト反応は、温度の上昇したガスを冷却しながら多段反応として行うのが好ましい。このように、シフト反応を多段反応とすることにより生成ガスである水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を1vol%以下にすることができる。
シフト反応器41から抜き出された水素含有ガスは冷却され、これによって、該水素含有ガスに含まれる水蒸気が凝縮されて水が生成される。該水はセパレータ42によって水素含有ガスから分離して除去される。そして、該水が除去された水素含有ガスは、コンプレッサ43で油脂の水素化分解反応に必要な圧力まで昇圧される。該圧力は通常5〜10MPaであるが、これには限定されない。コンプレッサ43により昇圧された水素含有ガスは、二酸化炭素回収器44に供給され、二酸化炭素が除去される。二酸化炭素回収器44では、二酸化炭素吸収液として冷メタノールや、アミン系吸収液が用いられるが、該二酸化炭素吸収液はこれに限定されない。二酸化炭素を吸収した吸収液は再生塔(図示せず)に送られ、該再生塔にて二酸化炭素が除去された後、再び吸収液として使用される。
二酸化炭素回収器44から抜き出された水素を主成分とする水素含有ガスは、水素化反応器11に供給され、油脂との水素化分解反応に利用される。
本実施形態では、水素化反応器11における油脂の水素化分解での副生成物である低級炭化水素を原料として水素を生成し、該水素を水素化反応器に供給して油脂の水素化分解に利用するので、高級炭化水素油製造装置1の外部から水素の供給を受ける必要がなくなる。したがって、該高級炭化水素油製造装置1を、水素を供給する施設に隣接して設置する必要がなくなるので、該高級炭化水素油製造装置1の設置場所について自由度が増大する。
本実施形態では、部分酸化炉31としてPOXを使用しているが、これに代えて、石炭やバイオマスのガス化を行うための噴流層炉、循環流動層炉、流動層炉等を使用してもよい。この場合、補助原料として石炭、褐炭、バイオマス、廃プラスチック、都市ごみなどを供給することが可能になる。このうちバイオマスは温室効果ガスを放散させない原料であり、装置全体の二酸化炭素の排出削減を実現するのに貢献する。バイオマスとしては木屑、パーム空果房など様々なものを用いることができる。
本実施形態では、部分酸化炉31としてPOXを使用しているが、これに代えて、部分酸化炉31の炉内底部に改質触媒層を設けておき、該改質触媒層の上方で原料ガスから生成した粗製部分酸化ガスを該改質触媒層に通過させて平衡組成に到達させるオートサーマルリフォーマ(ATR)を使用してもよい。改質触媒層を設置することにより、より低温で、炭化水素ガスを残すことなく原料ガスを完全に水素および一酸化炭素に転換させることができる。改質触媒としてはニッケル系触媒等が挙げられる。
また、上記オートサーマルリフォーマに代えて、原料ガスを水蒸気と混合し、外熱した触媒層に通過させて水蒸気改質させることにより水素および一酸化炭素を生成するスチームリフォーマを用いてもよい。スチームリフォーマの触媒としてはニッケル系触媒等が挙げられる。
<第二実施形態>
本実施形態は、冷却器23から抜き出された反応ガス、すなわち低級炭化水素、水素、一酸化炭素、二酸化炭素および水蒸気を含むガスを、低級炭化水素および水蒸気とそれ以外のガス(以下、「残部ガス」という)とに分離して、該低級炭化水素を部分酸化炉へ供給し、上記残部ガスをシフト反応器へ供給する点で、上記低級炭化水素と上記残部ガスとの混合ガスである原料ガスをそのまま部分酸化炉へ供給する第一実施形態と異なる。また、本実施形態は、水素化反応器で生成された粗高級炭化水素油からこれに溶存している低級炭化水素を分離して、該低級炭化水素を部分酸化炉へ供給し、該低級炭化水素が分離された粗高級炭化水素油を蒸留塔に供給する点で、水素化反応器で生成された粗高級炭化水素油をそのまま蒸留塔に供給する第一実施形態と異なる。本実施形態に係る高級炭化水素油製造装置の基本的な構成は第一実施形態と同じであるので同一符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図2は、本実施形態に係る高級炭化水素油製造装置を示すブロック図である。本実施形態では、炭化水素油生成部10は、フィルタ12およびセパレータ22と蒸留塔13との間に、該フィルタ12およびセパレータ22のそれぞれで分離された粗高級炭化水素油に溶存する低級炭化水素を分離するストリッパ14を有している。また、反応ガス処理部20は、セパレータ24を有しておらず、冷却器23から抜き出された反応ガスを低級炭化水素の凝縮液および水と残部ガスとに分離するセパレータ25、該低級炭化水素の凝縮液と水を減圧する減圧弁26、該水と減圧されて気化した低級炭化水素とを分離するセパレータ27を有している。
本実施形態では、水素化反応器11で生成された反応ガスは、まず、第一実施形態と同様に、冷却器21で冷却されてセパレータ22で凝縮された粗高級炭化水素油が分離される。本実施形態では、冷却器23において、上記粗高級炭化水素油が分離された反応ガスは、低級炭化水素が凝縮される程度の温度、例えば、3〜10℃程度に冷却される。これによって、低級炭化水素と水蒸気が凝縮されて、低級炭化水素の凝縮液と水が生成される。
そして、冷却器23の下流側に設けられたセパレータ25にて、低級炭化水素の凝縮液および水と残部ガスとに分離される。分離された残部ガスはシフト反応器41へ供給される。シフト反応器41では、第一実施形態と同様に部分酸化炉から抜き出された部分酸化ガス中の一酸化炭素が水蒸気とシフト反応することにより水素および二酸化炭素が生成されるとともに、残部ガス中の一酸化炭素が水蒸気とシフト反応することにより水素および二酸化炭素が生成される。
一方、セパレータ25にて分離された低級炭化水素の凝縮液と水は減圧弁26にて減圧されてセパレータ27に供給され、該セパレータ27にて、水と、減圧されて気化した低級炭化水素とが分離される。該低級炭化水素の主成分は、メタン、エタン、プロパンである。該低級炭化水素は、部分酸化炉31に供給され、該部分酸化炉31内で部分酸化される。なお、本実施形態では、セパレータによって水と低級炭化水素とを分離することとしたが、これに代えて、セパレータではなく、凝縮液の加熱が可能なストリッパによって分離してもよい。
また、本実施形態では、フィルタ12でのろ過により分取された粗高級炭化水素油およびセパレータ22で分離された粗高級炭化水素油は該ストリッパ14に供給される。これらの粗高級炭化水素油には、低級炭化水素が相当量溶存しているところ、本実施形態では、該ストリッパ14によって、蒸留塔13に供給する前に粗高級炭化水素油が加熱されることにより、溶存している低級炭化水素が揮発して、粗高級炭化水素から分離される。分離された低級炭化水素は、上記セパレータ27で分離された低級炭化水素と合流して部分酸化炉31に供給され、該部分酸化炉31内で部分酸化される。このように、ストリッパ14によって粗高級炭化水素油に溶存する低級炭化水素を分離させて該低級炭化水素を部分酸化炉31にて部分酸化させることにより、低級炭化水素ガスをより効率よく利用できる。
本実施形態では、ストリッパ14によって粗高級炭化水素油を加熱することにより低級炭化水素を分離することとしたが、これに代えて、粗高級炭化水素油を減圧して低級炭化水素を気化して分離してもよく、また、粗高級炭化水素油を減圧かつ加熱して低級炭化水素を分離してもよい。
ストリッパ14から排出される粗高級炭化水素油は、蒸留塔13に供給されて該蒸留塔13内で蒸留される。蒸留により生成された精製高級炭化水素油は該蒸留塔13の塔頂から抜き出され、蒸留残渣は該蒸留塔13の底部から排出される。そして、該蒸留残渣は未反応の油脂を含んでおり、水素化反応器11の下部から水素化反応器11内に戻されて再度水素化分解反応に供給される。
本実施形態では、セパレータ25において低級炭化水素の凝縮液および水と残部ガスとに分離して、分離された残部ガスは、部分酸化炉31へは供給されずに、シフト反応器41へ供給されることとしたので、水素化反応器11から抜き出される反応ガス中の未反応の水素を部分酸化させることなく、水素化反応器11に供給して水素化分解反応に利用できる。また、本実施形態では、セパレータ27において、低級炭化水素を分離して部分酸化炉31へ供給されることとしたので、部分酸化炉31には低級炭化水素のみが供給され、残部ガスは供給されない。したがって、残部ガスが供給されない分、部分酸化炉31の規模を小さくでき、設備を小型化でき、さらに部分酸化炉31での部分酸化の効率が向上する。
本実施形態では、上記残部ガスは、シフト反応器41へ供給されることとしたが、高級炭化水素油製造装置1の系内に一酸化炭素が蓄積することを許容できる場合には、これに代えて、上記残部ガスを、シフト反応器41の下流側、かつ、二酸化炭素回収器44の上流側に供給してもよい。このように、上記ガスをシフト反応器41の下流側に供給することにより、該シフト反応器41には上記残部ガスが供給されることがない分、該シフト反応器41の容量を低減することができる。また、これに代えて、上記残部ガスを二酸化炭素回収器44に直接供給することにより、コンプレッサ43にも該ガスが供給されることがない分、シフト反応器41のみならず該コンプレッサ43の容量をも低減することができる。
本実施形態で説明した、高級炭化水素油に溶存する低級炭化水素ガスを分離して回収し部分酸化炉へ供給するための構成は、必要に応じて設ければよく、必須ではない。また、該構成を第一実施形態に係る高級炭化水素油製造装置に設けることが可能であることは言うまでもない。
第一実施形態に係る高級炭化水素油製造装置の構成を示すブロック図である。 第二実施形態に係る高級炭化水素油製造装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 高級炭化水素油製造装置
11 水素化反応器
25 セパレータ(気液分離器)
26 減圧弁(減圧器)
31 部分酸化炉
41 シフト反応器
42 セパレータ(水蒸気除去器)
44 二酸化炭素回収器

Claims (8)

  1. 油脂を水素化分解して高級炭化水素油を製造する装置において、油脂を水素化分解して低級炭化水素含有ガスおよび高級炭化水素油を生成する水素化反応器と、上記水素化反応器で生成された低級炭化水素含有ガスに含まれる低級炭化水素を部分酸化して水素および一酸化炭素を生成する部分酸化炉と、上記部分酸化炉で生成されたガスに含まれる一酸化炭素を、外部から受ける水蒸気とシフト反応させて水素および二酸化炭素を生成するシフト反応器とを備え、上記水素化反応器は、上記シフト反応器で生成された水素が供給されるようになっていることを特徴とする高級炭化水素油製造装置。
  2. 油脂を水素化分解して高級炭化水素油を製造する装置において、油脂を水素化分解して低級炭化水素含有ガスおよび高級炭化水素油を生成する水素化反応器と、上記水素化反応器で生成された上記低級炭化水素含有ガスから低級炭化水素を凝縮して分離する気液分離器と、上記気液分離器で分離された低級炭化水素の凝縮液を減圧して低級炭化水素をガス状に戻す減圧器と、上記減圧器で減圧されガス状に戻された低級炭化水素を部分酸化して水素および一酸化炭素を生成する部分酸化炉と、上記気液分離器で上記低級炭化水素含有ガスから低級炭化水素が分離された残部ガスに含まれる一酸化炭素および上記部分酸化炉で生成されたガスに含まれる一酸化炭素を、水蒸気とシフト反応させて水素および二酸化炭素を生成するシフト反応器とを備え、上記水素化反応器は、上記シフト反応器で生成された水素が供給されるようになっていることを特徴とする高級炭化水素油製造装置。
  3. 水素化反応器で生成された高級炭化水素油に対して加熱および減圧の少なくとも一方の処理を行って高級炭化水素油から該高級炭化水素油に溶存している低級炭化水素ガスを分離するストリッパをさらに備え、上記ストリッパで分離された低級炭化水素ガスが部分酸化炉へ供給されるようになっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高級炭化水素油製造装置。
  4. ストリッパから抜き出される高級炭化水素油を蒸留する蒸留塔をさらに備え、上記蒸留塔から排出される蒸留残渣が水素化反応器に戻されようになっていることを特徴とする請求項3に記載の高級炭化水素油製造装置。
  5. シフト反応器から排出されるガスに含まれる水蒸気を凝縮して除去する水蒸気除去器と、該排出されるガスに含まれる二酸化炭素を除去し外部へ回収する二酸化炭素回収器と、をさらに備えることとする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の高級炭化水素油製造装置。
  6. 水素化反応器は、油脂に水素化分解触媒粒子を懸濁させた触媒スラリー中に水素含有ガスを供給するスラリー床反応器であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の高級炭化水素油製造装置。
  7. 油脂を水素化分解して高級炭化水素油を製造する方法において、油脂を水素化分解して低級炭化水素含有ガスおよび高級炭化水素油を生成する水素化反応工程と、上記水素化反応工程で生成された低級炭化水素含有ガスに含まれる低級炭化水素を部分酸化して水素および一酸化炭素を生成する部分酸化工程と、上記部分酸化工程で生成されたガスに含まれる一酸化炭素を水蒸気とシフト反応させて水素を生成するシフト反応工程とを備え、上記水素化反応工程にて、上記シフト反応工程で生成された水素を上記油脂と反応させて水素化分解を行うことを特徴とする高級炭化水素油製造方法。
  8. 油脂を水素化分解して高級炭化水素油を製造する方法において、油脂を水素化分解して低級炭化水素含有ガスおよび高級炭化水素油を生成する水素化反応工程と、上記水素化反応工程で生成された低級炭化水素含有ガスから低級炭化水素を凝縮して分離する気液分離工程と、上記気液分離工程で分離された低級炭化水素の凝縮液を減圧して低級炭化水素をガス状に戻す減圧工程と、上記減圧工程で減圧されガス状に戻された低級炭化水素を部分酸化して水素および一酸化炭素を生成する部分酸化工程と、上記気液分離工程で上記低級炭化水素含有ガスから低級炭化水素が分離された残部ガスに含まれる一酸化炭素および上記部分酸化工程で生成されたガスに含まれる一酸化炭素を、水蒸気とシフト反応させて水素を生成するシフト反応工程とを備え、上記水素化反応工程にて、上記シフト反応工程で生成された水素を上記油脂と反応させて水素化分解を行うことを特徴とする高級炭化水素油製造方法。
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