JP5181078B1 - 寝具 - Google Patents

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Abstract

【課題】就寝中の人体の肩部付近を覆うことができるとともに、他人の手助けを必要とせずに1人で容易に寝るための準備をすることが可能な寝具を提供する。
【解決手段】左用寝具10は、就寝中の人体の左肩を覆うための肩当て部を有し、右用寝具20は、就寝中の人体の右肩を覆うための肩当て部を有する。右用寝具20の肩当て部の上端および左用寝具10の肩当て部の上端はそれぞれ連結紐41、42に連結されている。固定用具30の固定部材32、33には、連結紐41、42の直径よりも幅が狭い溝部が設けられており、連結紐41、42は固定部材32、33により固定用具30に脱着可能なように固定可能となっている。固定用具30の押さえ板は、敷布団と床との間に挿入される。
【選択図】図8

Description

本発明は、掛布団や毛布、タオルケット等の寝具に関し、特に、就寝中の人体の肩部を保温するための寝具に関する。
一般的な長方形の掛布団や毛布を使用すると、肩部の周辺において掛布団や毛布と敷布団との間に隙間が生じてしまい、この隙間から冷気が侵入したり肩部に冷気があたって肩が冷えてしまうという問題が発生する。特に東北地方や北海道、標高の高い地域では冬期の夜間における冷え込みは厳しいものがあり、就寝時に肩を冷やすと風邪をひいたり、寒くて夜中に目が覚めてしまという問題があった。
このような問題を解決するために、肩部に覆いを設けるようにして肩が冷気にさらされたり肩部周辺の敷布団と掛布団の隙間から冷気が侵入することを防ぐようにした毛布等の寝具が開示されている(例えば、特許文献1〜7)。
しかし、このような従来の寝具では、単に肩部を覆うようにしただけであるため、圧迫感等は少ないものの、寝ている間に寝返り等をした場合に、肩部が覆いから出てしまったり隙間が生じてしまう等の問題があった。
このような問題を解消するために、肩部を覆うための肩カバー等を枕に取り付けたり、敷き布団で押さえるようにした寝具も提案されている(例えば、特許文献8〜10)。
特開2001−17294号公報 特開平11−192146号公報 実用新案登録第3032211号公報 特開平7−275102号公報 特開平7−155247号公報 特開2007−190123号公報 特開2004−73767号公報 実用新案登録第3110380号公報 実開平7−5468号公報 特開平10−295516号公報
しかし、上記のような従来の寝具では、就寝中の人体の肩部付近を覆うことが可能ではあるが、肩カバーを固定したり、敷き布団で押さえるためには非常に煩わしい手間が発生するという問題がある。また、特に、自分1人で肩カバーの装着が困難な場合には、他人の手助けが必要になり就寝の準備に非常に手間がかかってしまう。
例えば、上記特許文献8記載の寝具では、肩付近を包み入れる筒状部の取付部を、枕の前部上下面左右よりに取り付けるようにした寝具が開示されている。しかし、この筒状部を枕に取り付けるためには、使用者が布団に入った仰向けの状態で、頭部の後ろにおいて取付部を枕に固定する必要があり、非常に煩わしい手間が発生する。
また、この特許文献8記載の寝具では、肩部を筒状部により覆う必要があるため、使用者は、就寝中に肩付近の圧迫感を感じるという問題もある。
また、上記特許文献9記載の肩あて付き毛布では、肩を包み込むための肩あて部を敷布団にて押さええて使用するようになっている(特許文献9の図3)。しかし、この肩あて部を敷布団によって押さえるためには面ファスナーのついた肩あて部を敷布団の下に潜り込ませるような煩わしい作業を行う必要がある。例えば、仰向け状態で寝ようとした場合、手探りで肩あて部を敷布団の下に潜り込ませなければならず寝るための準備が非常に煩わしいものとなってしまう。
また、上記特許文献10記載の肩布団付き枕では、右肩布面と左肩布面を有する布を枕の底面において面ファスナーにより取り付けるような構造となっている。しかし、この特許文献10記載の肩布団付き枕は、右肩布面および左肩布面を有する布を短く構成した場合のみ実現可能な構成となっている。つまり、この右肩布面および左肩布面を有する布を、肩部をしっかりと覆うような長さ、重量、厚みのものとした場合には、右肩布面と左肩布面を有する布を枕の底面に予め取り付けてから就寝の準備をすることは非常に煩わしい手間となる。逆に、右肩布面と左肩布面を有する布を掛け布団の中に潜り込ませておいて就寝準備をする場合、使用者は、頭部の後ろにおいて右肩布面と左肩布面を有する布を枕の底面に取り付ける必要があり、この場合にも非常に煩わしい手間が発生する。
つまり、この特許文献10に開示されている構成は、右肩布面および左肩布面という薄く短い布で肩を覆うような構造であることにより、実際の使用上可能な構成であり、肩部分を覆う寝具の長さ、重量、厚み等をより十分なものにした場合には、他人の手助けを必要とせずに1人で容易に寝るための準備をすることができないという問題がある。
上記事情に鑑み、本発明は、就寝中の人体の肩部付近を覆うことができるとともに、他人の手助けを必要とせずに1人で容易に寝るための準備をすることが可能な寝具を提供することを目的とする。
本発明の寝具は、就寝中の人体の右肩を覆うための肩当て部を有する右用寝具と、
就寝中の人体の左肩を覆うための肩当て部を有する左用寝具と、
前記右用寝具の肩当て部の上端に一端が連結可能な第1の紐状部材と、
前記左用寝具の肩当て部の上端に一端が連結可能な第2の紐状部材と、
一部が敷布団の下に潜り込ませるようになっている台座部と、前記第1の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第1の固定部材と、前記第2の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第2の固定部材とにより構成された固定用具とを有する。
本発明の寝具は、右用寝具と左用寝具というように左右が完全に分離している。そして、この右用寝具と左用寝具の肩当て部の状態に予めそれぞれ第1および第2の紐状部材を連結させておき、横になった使用者は、第1および第2の紐状部材の他端を固定用具の第1の固定部材および第2の固定部材に脱着可能なように固定するようになっている。そのため、本発明によれば、就寝しようとする使用者は、右用寝具と左用寝具をそれぞれ固定用具に固定させた後に、敷布団の上に横になってから寝るための準備をすることができるため、就寝中の人体の肩部付近を覆うことができるとともに、他人の手助けを必要とせずに1人で容易に寝るための準備をすることが可能になる。
また、本発明によれば、台座部の一部を敷布団の下に潜り込ませることにより就寝中の人体の重さで動かないように固定されるため、固定用具の重量を大きくすることなく右用寝具、左用寝具を確実に固定することが可能となる。
また、本発明の寝具では、前記第1および第2の固定部材を、前記第1および第2の紐状部材の直径よりも狭い溝部を有するようにしても良い。
本発明によれば、使用者は第1および第2の固定部材の溝部に第1および第2の紐状部材を嵌めるだけで容易に第1および第2の紐状部材の他端を固定用具の第1の固定部材および第2の固定部材に脱着可能なように固定することができる。
また、本発明の寝具では、前記第1および第2の固定部材を、前記第1または第2の紐状部材に一定以上の張力がかかることにより前記第1または第2の紐状部材の保持状態が解放されるような保持力により、前記第1および第2の紐状部材の他端を脱着可能に固定するようにしても良い。
本発明によれば、使用者が寝返り等を行って万が一第1または第2の紐状部材が使用者の体にひっかかったような場合でも、第1または第2の紐状部材の保持状態が解放されるため、使用者の人体に損傷を与えるような事態の発生を防ぐことが可能である。
また、本発明の寝具では、前記右用寝具および前記左用寝具を、就寝中の人体の上半身のみを覆うような長さに設定するようにしても良い。
本発明によれば、右用寝具、左用寝具が上半身のみを覆うような長さに設定されていることにより自分の体に右用寝具、左用寝具を被せることがより簡単になるため、他人の手を借りることなく1人でより容易に寝るための準備をすることができるようになる。
また、本発明の寝具は、前記右用寝具または左用寝具の肩当て部の上端以外の場所に一端が連結可能な第3の紐状部材と、
一部が敷布団の下に潜り込ませるようになっている台座部と、前記第3の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第3の固定部材とにより構成された補助固定用具をさらに有するようにしても良い。
本発明によれば、右用寝具または左用寝具の肩当て部の上端だけでなく、右用寝具または左用寝具の側方部分等をさらに固定することにより使用者が就寝中に動くことにより寝具がめくれるような事態の発生を防ぐことが可能となる。
さらに、本発明の寝具では、前記固定用具を、
一部が敷布団の下に潜り込ませるようになっている台座部と、
弾性部材により前記台座部に対して押し付けられるように付勢された第1および第2の固定部材とにより構成し、
前記第1の固定部材は、前記右用寝具の肩当て部の上端を前記台座部に固定し、前記第2の固定部材は前記左用寝具の肩当て部の上端を前記台座部に固定するようにしても良い。
また、本発明の他の寝具は、就寝中の第1の人体の右肩を覆うための肩当て部を有する右用寝具と、
就寝中の前記第1の人体の左肩および就寝中の第2の人体の右肩を覆うための肩当て部を有する中央用寝具と、
就寝中の前記第2の人体の左肩を覆うための肩当て部を有する左用寝具と、
前記右用寝具の肩当て部の上端に一端が連結可能な第1の紐状部材と、
前記左用寝具の肩当て部の上端に一端が連結可能な第2の紐状部材と、
前記中央用寝具の肩当て部の上端に一端が連結可能な第3の紐状部材と、
一部が敷布団の下に潜り込ませるようになっている台座部と、前記第1の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第1の固定部材と、前記第2の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第2の固定部材と、前記第3の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第3の固定部材とにより構成された固定用具とを有する。
本発明は、2人の使用者が1つの寝具を共用して就寝する、いわゆるダブルの寝具に適用したものであり、シングルの寝具と同様に、他人の手助けを必要とせずに1人で容易に寝るための準備をすることが可能になる。
本発明によれば、就寝中の人体の肩部付近を覆うことができるとともに、他人の手助けを必要とせずに1人で容易に寝るための準備をすることが可能な寝具を提供することができる。
本発明の第1の実施形態の寝具の構成を示す図である。 図1中の右用寝具20の構成を示す図(図2(A))および、左用寝具10の構成を示す図(図2(B))である。 図1中の固定用具30の構成を説明するための図である。 固定用具30において、押さえ板34、35が台座部31の下側に収納されている状態を示す図である。 固定部材32、33の構成を説明するための図である。 連結紐41、42の構成を説明するための図である。 連結紐41、42を固定部材32、33に固定する際の様子を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態の寝具を実際に使用した際の様子を説明するための斜視図である。 図8の斜視図におけるA−A’面の断面図である 本発明の第2の実施形態の寝具の構成を示す図である。 図10中の中央用寝具70の構成を示す図である。 図10中の固定用具80の構成を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態の寝具を実際に使用した際の様子を説明するための斜視図である。 本発明の第3の実施形態の寝具を実際に使用した際の様子を説明するための斜視図である。 図14中の補助固定用具111の構成を説明するための図である。 就寝中の人体の全身を覆うような長さに設定された左用寝具131、右用寝具132の構成を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態の寝具について説明する。図1は本発明の一実施形態の寝具を示す図である。
本実施形態の寝具は、図1に示されるように、左用寝具10と、右用寝具20と、固定用具30と、連結紐(紐状部材)41、42とから構成されている。
左用寝具10は、就寝中の人体の左肩を覆うための肩当て部を有し、右用寝具20は、就寝中の人体の右肩を覆うための肩当て部を有する。なお、この左用寝具10、右用寝具20の構成の詳細については後述する。
また、連結紐41、42は、左用寝具10または右用寝具20の肩当て部の上端に一端が連結可能な構成となっている。図1では、連結紐41は右用寝具20の肩当て部の上端に一端が連結され、連結紐42は左用寝具10の肩当て部の上端に一端が連結されている。なお、この連結紐41、42が、左用寝具10または右用寝具20の肩当て部の上端とどのようにして連結されるのかについては後述する。
固定用具30は、連結紐41、42の他端をそれぞれ脱着可能なように固定するような構成となっている。この固定用具30の構成の詳細についても後述する。
先ず、左用寝具10、右用寝具20の構成の詳細を図2を参照して説明する。図2(A)は右用寝具20を示し、図2(B)は左用寝具10を示している。
図2(A)に示されるように、右用寝具20には、就寝中の人体の右肩を覆うための肩当て部21が設けられている。また、図2(B)に示されるように、左用寝具10には、就寝中の人体の左肩を覆うための肩当て部11が設けられている。
そして、この右用寝具20および左用寝具10は、それぞれ、就寝中の人体の上半身のみを覆うような長さに設定されている。このように就寝中の人体の全身を覆う長さではなく、上半身のみを覆うような長さに設定されていることにより、寝ようとして敷布団の上に横になっている使用者が自分1人で身づくろいをして寝るための準備をすることが容易になる。
また、この左用寝具10、右用寝具20の肩当て部11、21の上端や、左用寝具10、右用寝具20の側部には、連結紐41、42が連結可能なように連結紐41、42のボタンを留めるための紐が設けられている。そして、このボタンを留めるための紐が上端や側部の多くの部分に設けられているため、使用者は任意の場所に連結紐41、42を連結することが可能となっている。なお、このタンを留めるための紐が左用寝具10、右用寝具20の側方にも設けられている理由については後述する。
この右用寝具20および左用寝具10は、羊毛や木綿からなるいわゆる毛布のような生地により構成しても良いし、中綿の入ったキルティングのような材料により構成するようにしてもよい。また、右用寝具20および左用寝具10は、タオルケットのような薄い生地により構成することも可能である。
例えば、気温の高い夏場には、右用寝具20および左用寝具10をタオルケットにより構成することにより、肩が冷えることを防止するようにし、気温の低い冬場には、右用寝具20および左用寝具10を、中綿の入った厚めの生地により構成することにより肩が冷えることを防止するようにすればよい。
次に、図1中に示した固定用具30の構成を図3、図4を参照して説明する。
この固定用具30は、図3に示されるように、台座部31と、この台座部31の上面に設けられた8つの固定部材32と、8つの固定部材33と、台座部31の下面に設けられた押さえ板34、35とから構成されている。
台座部31は、例えば、薄い樹脂や木製の板により構成されている。そして、固定部材32、33は、連結紐41、42の他端を脱着可能に固定するような構成となっている。なお、本実施形態では、固定部材32、33はそれぞれ8つずつ固定用具30に設けられているものとして説明しているが、固定部材32、33はそれぞれ少なくとも1つ以上設けられていれば連結紐41、42を固定可能である。
また、押さえ板34、35は、固定用具30の下面に回転可能に設けられている。そのため、使用しない場合には、回転させて台座部31から外に飛び出さないように収納しておき、使用する場合には回転させて台座部31の外側に突出させることが可能な構成となっている。押さえ板34、35が台座部31の下側に収納されている状態を図4に示す。
そして、この押さえ板34、35は、敷布団の下に潜り込ませるようにして使用される。なお、この押さえ板34、35と台座部31を別々に構成することなく一体の構成としても良い。このような場合には、台座部31の一部が敷布団の下に潜り込ませるようになっていることとなる。また、台座部31を薄い板により構成して長い板状とすれば、台座部31自体を敷布団の下に潜り込ませるようにすることも可能である。
本実施形態の寝具では、押さえ板34、35を敷布団の下に潜り込ませることにより、就寝中の使用者の体重により敷布団と床との間で押さえ板34、35が固定されるため、固定用具30に大きな重量を持たせることなく固定用具30を動かないようにすることが可能となる。
次に、固定部材32、33の構成について図面を参照して詳細に説明する。固定部材32、33は、図5に示されるように、同じ構造となっている。そして、固定部材32、33は、連結紐41、42の直径よりも狭い溝部を有している。例えば、連結紐41、42の直径が3mmの場合、固定部材32、33には幅が2.8mm程度の溝部が設けられる。なお、この溝部の入り口の幅は連結紐41、42が抵抗無く通過可能なように例えば幅3mm以上となっている。
なお、ここでは、固定部材32、33は、固定用具30に設けられたダボ穴等に埋め込まれるような構造であるものとして説明するが、固定用具30に接着されたり、固定用具30と一体成型されるような構造であっても良い。
次に、連結紐41、42の構成について図面を参照して詳細に説明する。連結紐41、42は、図6に示されるように、同じ構造となっている。そして、連結紐41、42は、それぞれ、一端にはボタンが接続されたゴム紐のような構造となっている。このボタンは左用寝具10や右用寝具20のボタンを留めるための紐に、連結紐41、42を連結させるために設けられている。そして、本実施形態では、この連結紐41、42の紐部分の直径は3mm(φ3)であるものとして説明する。
そして、連結紐41、42および固定部材32、33が上記のような構成となっていることにより、横になった使用者は、連結紐41、42を、固定部材32、33の溝部に押し込むことにより、連結紐41、42を固定部材32、33に容易に固定することが可能である。
次に、連結紐41、42を固定部材32、33に固定する際の様子を図7を参照して説明する。図7では、連結紐41を固定部材32に固定する場合を用いて説明する
図7(A)に示すように、固定部材32の溝部が設けられた入り口は、連結紐41が通過可能なような幅となっているため、連結紐41は抵抗を受けることなく容易に溝部まで到達する。そして、図7(B)に示すように、溝部の幅は連結紐41の直径3mmよりも狭い2.8mmとなっているため、連結紐41は溝部に押し込まれることにより多少変形する。つまり、連結紐41が溝部に押し込まれることにより連結紐41は、固定部材32の溝部において固定されることになる。
なお、連結紐41は固定部材32の溝部における摩擦力により保持されるため、固定部材32は、連結紐41に一定以上の張力がかかることにより連結紐41の保持状態が解放されるような保持力により、連結紐41の他端を脱着可能に固定する。
このような構成とすることにより、本実施形態の寝具によれば、使用者が寝返り等を行って万が一連結紐41、42が使用者の体にひっかかったような場合でも、連結紐41、42の保持状態が解放されるため、使用者の人体に損傷を与えるような事態の発生を防ぐことが可能である。
さらに、本実施形態では、固定部材32、33は、それぞれ8つずつ固定用具30に設けられているため、固定力が弱いと感じる使用者は、連結紐41、42を複数の固定部材32、33により固定するようにすれば所望の固定力を得ることが可能である。
次に、本実施形態の寝具を実際に使用した際の様子を図8の斜視図を参照して説明する。
図8に示されるように、敷布団90の上に横になった使用者の左肩は左用寝具10により覆われ、右肩は右用寝具20により覆われている。そして、この左用寝具10、右用寝具20はそれぞれ連結紐41、42に連結されて、この連結紐41、42は、固定部材32、33により固定用具30に固定されている。そして、左用寝具10と右用寝具20は、就寝中の使用者の中央付近で重なり合っている。そして、夏場等以外の例えば冬場の季節であれば、さらにこの上に点線で示されたように掛布団50が掛けられて使用される。なお、この図5では、説明を分かり易くするために、掛布団50を点線にて示している。
本実施形態の寝具によれば、就寝中の使用者の両肩は、左用寝具10、右用寝具20の肩当て部により覆われているため、冷たい外気にさらされることなく保温することが可能となっている。また、本実施形態の寝具によれば、この左用寝具10、右用寝具20は、固定用具30に固定されているため、就寝中の使用者が寝返りを打った場合でも、ずれてしまうようなことはない。さらに、この左用寝具10、右用寝具20は、就寝中の使用者の肩部を上から覆っているだけであるため、不必要な圧迫感を与えることがない。
なお、実際に就寝しようとする使用者が寝る準備を行う場合には、先ず、敷布団90を敷いて、固定用具30を所定の位置にセットする。そして、左用寝具10および右用寝具20に連結紐41、42を連結して、固定部材32、33により固定用具30に固定する。そして、掛布団50を足元の辺りに半分折りにして準備しておく。
この状態で就寝しようとする使用者は、先ず足を掛布団50の中に入れ敷布団90の上に横になった状態で、左用寝具10および右用紙寝具20を手にとって自分の体の上に掛けるようにする。この際、左用寝具10および右用紙寝具20は既に固定用具30に固定されているため、使用者は単に、左用寝具10および右用紙寝具20を引っ張るようにして自分の体の上に掛けるだけでよい。
最後に、使用者は、足元に半分折りにしてあった掛布団50を上半身の上に掛けるようにすることにより、図8に示すような就寝のための準備が完了する。
なお、連結紐41、42を右用寝具20および左用寝具10と連結させておけば、連結紐41、42を固定部材32、33に予め固定させておくことなく、掛け布団50に入った使用者が右用寝具20左用寝具10を自分の肩の上に掛け、寝たままの状態で連結紐41、42を固定部材32、33に固定させることも可能である。
上記で説明した理由により、本実施形態の寝具によれば、就寝中の人体の肩部付近を覆うことができるとともに、他人の手助けを必要とせずに1人で容易に寝るための準備をすることが可能になる。
また、図8の斜視図におけるA−A’面の断面図を図9に示す。図9を参照すると、固定用具30に固定された左用寝具10が就寝中の使用者の肩を覆うようにして上半身に掛けられているのが分かる。
そして、固定用具30の押さえ板34は敷布団90に下に潜り込むように挿入されているのが分かる。そして、左用寝具10が連結紐42を介して固定用具30の固定部材32により固定されている。この左用寝具10は就寝中の使用者の左肩とともに上半身を覆っている。
上記で説明したように、本実施形態の寝具によれば、左用寝具10および右用寝具20は、ともに固定用具30に固定されている。そのため、枕に肩あて部を固定するような従来の寝具と比較して、固定するための手段が設けられた専用の枕を用意したり、枕に固定するための加工を行う必要がない。その結果、本実施形態の寝具によれば、何の加工等をすることなく各自の枕や一般的な枕をそのまま使用することが可能となる。また、同様の理由により、本実施形態の寝具によれば、敷布団にもいかなる加工も行う必要が無いため、一般的な敷布団をそのまま使用することが可能である。
また、本実施形態では、畳等の上に敷布団を敷くような場合を用いて説明しているが、ベット上に敷く寝具に対しても同様に本発明を適用することができる。また、ベッド上に敷く寝具に対して本発明を適用する場合には、ベッドに固定部材32、33を直接設けることができるような構造となっていれば、固定用具を用いることなく連結紐41、42を固定部材32、33を介してベッドに直接固定することも可能である。
そして、本実施形態の寝具では、左右用の寝具がそれぞれ独立しているため、例えば、病院や各種介護施設等において横になった状態の病人や要介護者のケアや介護を行う際に、側面からの作業を容易に行うことが可能となる。つまり、左側からケヤや介護を行う場合には、左用寝具のみをめくるようにすれば良く、右側からケヤや介護を行う場合には、右用寝具のみをめくるようにすれば良いからである。
さらに、本実施形態の寝具は、使用対象者のサイズに合わせて各種寸法を設定することが可能であり、例えば、子供用、幼児用、使用者の体格、身長等により様々なサイズに設定することが可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の寝具について説明する。上記で説明した第1の実施形態の寝具は、1人の使用者のみが使用する、いわゆるシングルの寝具に対して本発明を適用したものであった。これに対して、本発明の第2の実施形態は、2人の使用者が1つの寝具を共用して就寝する、いわゆるダブルの寝具に対して本発明を適用したものである。
本実施形態の寝具は、図10に示すように、左用寝具10と、右用寝具20と、中央用寝具70と、固定用具80と、連結紐41〜43とから構成されている。なお、図10中において、図1中の構成要素と同じものについては同じ符号を用いている。
本実施形態の寝具は、2人の使用者により使用されるため、この2人の使用者をそれぞれ、第1の人体、第2の人体として表現する。
左用寝具10および右用寝具20は、上記で説明した第1の実施形態におけるものと同一のものとなっている。そして、右用寝具20の肩当て部は、就寝中の第1の人体の右肩を覆い、左用寝具10の肩当て部は、就寝中の第2の人体の左肩を覆う。
そして、中央用寝具70は、就寝中の第1の人体の左肩および就寝中の第2の人体の右肩を覆うための肩当て部を有する。この中央用寝具70の詳細な構成については後述する。
本実施形態の寝具では、連結紐41は右用寝具20の肩当て部の上端に一端が連結され、連結紐42は左用寝具10の肩当て部の上端に一端が連結されている。また、連結紐43は、中央用寝具70の肩当て部の上端に一端が連結されている。
そして、本実施形態の寝具における固定用具80は、連結紐41〜43の他端をそれぞれ脱着可能なように固定するような構成となっている。
先ず、図10中に示した中央用寝具70の構成を図11を参照して説明する。
中央用寝具70には、図11に示すように、就寝中の第1の人体の左肩および就寝中の第2の人体の右肩を覆うための肩当て部71が設けられている。なお、この中央用寝具70の材質等の構成については、左用寝具10および右用寝具20と同様であるため、その説明は省略する。
次に、図10中に示した固定用具80の構成を図12を参照して説明する。
本実施形態における固定用具80は、図12に示されるように、台座部81と、この台座部81の上面にそれぞれ8つずつ設けられた固定部材32、33、82と、台座部81の下面に設けられた押さえ板34、35とから構成されている。
本実施形態における固定用具80は、図3に示した第1の実施形態における固定用具30に対して、横方向の長さを長くするとともに、8つの固定部材82が中央に設けられた点が異なっている。
そして、この固定部材82は、固定部材32、33と同様な構成となっており、連結紐43の他端を脱着可能なように固定する。図12中に示した固定部材32、33、押さえ板34、35の構成および機能は、図3に示したものと同様であるためその説明は省略する。
次に、本実施形態の寝具を実際に使用した際の様子を図13の斜視図を参照して説明する。
図13に示されるように、敷布団91の上に横になった使用者(第2の人体)102の左肩は左用寝具10により覆われ、別の使用者(第1の人体)101の右肩は右用寝具20により覆われている。そして、第2の人体102の右肩および第1の人体101の左肩は、中央用寝具70により覆われている。そして、この左用寝具10、右用寝具20、中央用寝具70は、それぞれ連結紐41〜43が連結され、この連結紐41〜43は、固定用具80に固定部材32、33、82により固定されている。そして、左用寝具10、右用寝具20と中央用寝具70とは、就寝中の2人の使用者(第1および第2の人体)101、102の中央付近でそれぞれ重なり合っている。
本実施形態の寝具によっても、上記で説明した第1の実施形態の寝具と同様に、就寝中の2人の使用者の肩部付近を覆うことができるとともに、他人の手助けを必要とせずにそれぞれ各自で寝るための準備を容易にすることが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態の寝具について説明する。上記で説明した第1および第2の実施形態の寝具は、左用寝具10、右用寝具20の上端、または中央用寝具70の上端を固定用具30、80に固定するものであったが、本実施形態の寝具では、さらに左用寝具10、右用寝具20の上端、または中央用寝具70の側方を固定可能とする構成である。
なお、以下の説明では図8に示したシングルの寝具に対して本発明を適用した場合を用いて説明する。
本実施形態の寝具を実際に使用した際の様子を図14の斜視図に示す。図14に示した本実施形態の寝具では、図8に示した第1の実施形態における寝具に対して、補助固定用具111、112および連結紐113、114が追加された構成となっている。
連結紐113は、右用寝具20の側方に連結され、連結紐114は、左用寝具10の側方に連結されている。そして、連結紐113、114は、それぞれ、補助固定用具111、112に脱着可能なように固定されている。本実施形態における連結紐113、114は、上記の実施形態において説明した連結紐41〜43と同様な構成であるためのその説明は省略する。
次に、図14中に示した補助固定用具111、112の構成について説明する。補助固定用具112は補助固定用具111同様な構成であるため、図15を参照して補助固定用具111の構成を説明する。
補助固定用具111は、図15に示されるように、台座部122と、この台座部122の上面に設けられた4つの固定部材121と、台座部122の下面に設けられた押さえ板120とから構成されている。
ここで固定部材12の構成は、上記で説明した固定部材32、33、82と同様の構成である。また、押さえ板120は、上記で説明した押さえ板34、35と同じ目的で設けられ、この押さえ板を敷布団の下に潜り込ませることにより、就寝中の使用者の体重により敷布団と床との間で押さえ板120が固定されるため、固定用具111に大きな重量を持たせることなく固定用具111を動かないようにすることが可能となる。
本実施形態の寝具によれば、右用寝具20および左用寝具10の肩当て部の上端だけでなく、右用寝具20および左用寝具10の側方部分等をさらに固定することにより使用者が就寝中に動くことにより寝具がめくれるような事態の発生を防ぐことが可能となる。
[変形例]
上記実施形態では、左用寝具10、右用寝具20および中央用寝具70は、就寝中の人体の上半身のみを覆うような長さに設定されているものとして説明しているが、就寝中の人体の全身を覆うような長さに設定することも可能である。例えば、左用寝具10、右用寝具20を、図16に示すような、左用寝具131、右用寝具132に置き換えることも可能である。このように就寝中の人体の全身を覆うような長さにする場合には、左用寝具131、右用寝具132の下端にもボタンを留めるための紐を設けることにより、補助固定用具111、112を用いて左用寝具131、右用寝具132がめくれることを防ぐようにすることもできる。
また、上記実施形態では、固定部材32、33、82により、左用寝具10、右用寝具20、中央用寝具70の上端に連結された連結紐41〜44を固定する場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、左用寝具10、右用寝具20、中央用寝具70を固定可能な構成であれば、例えば、ホック、ボタン、面ファスナー、磁石、バインダー等の他の固定部材により固定する場合でも同様に本発明を適用することができるものである。
また、連結紐41〜43は、それぞれ、ボタンにより左用寝具10、右用寝具20、中央用寝具70の上端に連結されるような構成であったが、左用寝具10、右用寝具20、中央用寝具70と一体の構成となっていても良い。
10 左用寝具
11 肩当て部
20 右用寝具
21 肩当て部
30 固定用具
31 台座部
32、33 固定部材
34、35 押さえ板
41〜43 連結紐
50、51 掛布団
60 枕
70 中央用寝具
71 肩当て部
80 固定用具
81 台座部
82 固定部材
90、91 敷布団
101 使用者(第1の人体)
102 別の使用者(第2の人体)
111、112 補助固定用具
113、114 連結紐
120 押さえ板
121 固定部材
122 台座部
131 左用寝具
132 右用寝具

Claims (6)

  1. 就寝中の人体の右肩を覆うための肩当て部を有する右用寝具と、
    就寝中の人体の左肩を覆うための肩当て部を有する左用寝具と、
    前記右用寝具の肩当て部の上端に一端が連結可能な第1の紐状部材と、
    前記左用寝具の肩当て部の上端に一端が連結可能な第2の紐状部材と、
    一部が敷布団の下に潜り込ませるようになっている台座部と、前記第1の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第1の固定部材と、前記第2の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第2の固定部材とにより構成された固定用具と、
    を有する寝具。
  2. 前記第1および第2の固定部材は、前記第1および第2の紐状部材の直径よりも狭い溝部を有する請求項1記載の寝具。
  3. 前記第1および第2の固定部材は、前記第1または第2の紐状部材に一定以上の張力がかかることにより前記第1または第2の紐状部材の保持状態が解放されるような保持力により、前記第1および第2の紐状部材の他端を脱着可能に固定する請求項1または2記載の寝具。
  4. 前記右用寝具および前記左用寝具は、就寝中の人体の上半身のみを覆うような長さに設定されている請求項1から3のいずれか1項記載の寝具。
  5. 前記右用寝具または左用寝具の肩当て部の上端以外の場所に一端が連結可能な第3の紐状部材と、
    一部が敷布団の下に潜り込ませるようになっている台座部と、前記第3の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第3の固定部材とにより構成された補助固定用具をさらに有する請求項1から4のいずれか1項記載の寝具。
  6. 就寝中の第1の人体の右肩を覆うための肩当て部を有する右用寝具と、
    就寝中の前記第1の人体の左肩および就寝中の第2の人体の右肩を覆うための肩当て部を有する中央用寝具と、
    就寝中の前記第2の人体の左肩を覆うための肩当て部を有する左用寝具と、
    前記右用寝具の肩当て部の上端に一端が連結可能な第1の紐状部材と、
    前記左用寝具の肩当て部の上端に一端が連結可能な第2の紐状部材と、
    前記中央用寝具の肩当て部の上端に一端が連結可能な第3の紐状部材と、
    一部が敷布団の下に潜り込ませるようになっている台座部と、前記第1の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第1の固定部材と、前記第2の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第2の固定部材と、前記第3の紐状部材の他端を脱着可能に固定する少なくとも1つ以上の第3の固定部材とにより構成された固定用具と、
    を有する寝具。
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