JP5180893B2 - 口内法x線撮影用補助具 - Google Patents

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Description

本発明は、歯科医療における口内法X線撮影用補助具に関するものである。
近時の高齢化社会においては、自宅や病院で寝たきりの老人が増加している。また、体の自由がきかない寝たきりの重度障害者も多い。このような寝たきりの老人や重度障害者の中には歯科疾患を抱える人が多く、歯科医院への通院が容易でないため訪問診療などに頼らざるを得ない。このような歯科疾患を有する寝たきり老人や重度障害者の治療に際しては、X線撮影の必要性は高く、抜歯や義歯の製作、調整時にもX線撮影は必須である。このような必然性から、携帯型の口内法X線撮影用補助具が開発され、使用されている。また、歯科医院(治療室)に備えた据置型の口内法X線撮影用補助具の利便性の改善も望まれている。
このような口内法X線撮影用補助具としては、本件の出願人の出願である特許文献1等が存在する。図15は、特許文献1の口内法X線撮影用補助具100の斜視図である。図15に示すように、口内法X線撮影用補助具100は、X線発生器のX線照射部(図示せず)を挿入する開口96が設けてあるアダプタ部90と、固定金具95と固定つまみ94とでアダプタ部90に固定される支持アーム91と、支持アーム91の先端に固着されるフィルムホルダ92とで構成されている。
アダプタ部90には、固定つまみ93が設けてある。図15に示すように、固定つまみ93はアダプタ部90を貫通しており、その先端部93aでX線発生器のX線照射部(図示せず)を押圧することにより、X線照射部に対してアダプタ部90を固定することができるようになっている。
ところで、撮影者はX線発生器を手で保持し患者の口内を撮影するが、X線の照射範囲はごく狭い範囲に限られており、ピンポイントで撮影するべき箇所にX線を通過させるにはある程度の熟練を要し、従来は撮影者の勘や感覚に頼るところが大きかった。
すなわち、X線発生器による撮影に熟練していなければ、X線写真の中心に患部が写るように撮影するのは困難であり、従来のX線発生器では、撮影者によっては、患部がフィルムの端に偏って写ってしまうことが多かった。
特開2003−190150公報
ところで、携帯型の口内法X線撮影用補助具100においては、撮影者の一方の手は既にX線照射器で塞がっており、撮影者は、他方の手だけでアダプタ部90(口内法X線撮影用補助具100)を操作しなければならない。また、撮影時、患者の口内にはX線フィルムを装填したフィルムホルダ92が挿入されており、患者に苦痛を感じさせる時間を短くするためにも、X線撮影は可能な限り速やかに行う必要がある。据置型の口内法X線撮影用補助具においても、撮影を速やかに行わなければならない事情は同じである。しかし、従来の口内法X線撮影用補助具では、撮影者は患部に照準が合っているか否かを感覚的に判断しなければならないために慎重に成らざるを得ず、患者の口内にフィルム及びフィルムホルダを入れてから速やかに撮影することはできなかった。
そこで本発明は、撮影者が患部を正確に速やかにX線撮影することができる口内法X線撮影用補助具を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、X線発生器のX線照射部に着脱自在に装着されるアダプタ部と、前記アダプタ部からX線照射方向へ向けて延出する支持アームと、前記支持アームの先端部に設けられてX線発生器から照射されるX線を面受するようにX線フィルムを着脱自在に保持するフィルムホルダとを備えた口内法X線撮影用補助具において、前記X線発生器から照射されるX線の通過経路上に、照準指標を配置でき、前記照準指標が、X線の通過経路に沿って伸びていることを特徴とする口内法X線撮影用補助具である。
請求項1の発明では、X線発生器から照射されるX線の通過経路上に照準指標を配置できるので、請求項1の発明を実施すると、患部に照準を合わせ易くなる。よって、撮影者は、勘や感覚によらず、口腔外からX線の照射経路を確認でき、容易かつ速やかに撮影箇所である患部に照準を合わせることができる。その結果、X線撮影を速やかに終えることができるので、患者に苦痛を感じさせる時間を短縮することができる。
また、請求項の発明は、照準指標がX線の通過経路に沿って伸びているので、X線通過方向の長さが最小になった照準指標と、所望する撮影箇所とが重なると、照準が正確に設定される。すなわち、請求項の発明を実施すると、X線撮影者は、より確実に撮影箇所に照準を合わせることができるようになる。
請求項2の発明は、前記照準指標が、X線の通過経路上から退避可能であることを特徴とする請求項1に記載の口内法X線撮影用補助具である。
請求項2の発明では、照準指標がX線の通過経路上から退避可能であるので、請求項2の発明を実施してX線照射時に照準指標をX線の通過経路上から退避させると、照射されたX線は照準指標を通過せずに患部に到達することができる。よって、正確で明瞭なX線写真を得ることができる。
請求項3の発明は、固定部と可動部とを有する照準器の固定部が支持アームに摺動可能に設置されており、可動部に前記照準指標が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の口内法X線撮影用補助具である。
請求項3の発明では、照準器の固定部が支持アームに設置されており、可動部に照準指標が設けられているので、可動部を動作させると照準指標が移動する。請求項3の発明を実施すると、撮影者は可動部を動作させるだけで照準指標をX線の通過経路上に配置でき、患者の口内のX線撮影を容易かつ速やかに行うことができるようになる。
請求項4の発明は、照準器の可動部は、固定部に対して回動及び停止が可能であることを特徴とする請求項3に記載の口内法X線撮影用補助具である。
請求項4の発明では、照準器の可動部は、固定部に対して回動及び停止が可能であるので、請求項4の発明を実施すると、固定部に対して可動部を回動させるだけで照準指標をX線の通過経路上に配置したり、X線の通過経路上から退避させることができる。よって、撮影者の片手が、X線撮影用補助具を保持するために塞がっていても、もう一方の手で容易に照準を合わせる操作とX線撮影の操作とを実施することができる。
本発明を実施すると、撮影者は容易かつ速やかに撮影箇所である患部に照準を合わせることができるようになる。引いては、患者に苦痛を感じさせる時間を短縮することができるようになる。
本発明の関連発明の口内法X線撮影用補助具の分解斜視図である。 図1の口内法X線撮影用補助具の組立て後の斜視図である。 図2において照準器を退避させた状態の口内法X線撮影用補助具の斜視図である。 (a)はアダプタ部の分解横断面図であり、(b)はアダプタ部の組立横断面図であり、(c)はアダプタ部の縦断面図である。 図1とは別の照準器を採用した口内法X線撮影用補助具の分解斜視図である。 図5の口内法X線撮影用補助具の組立て後の斜視図である。 図6において、照準器を退避させた状態の口内法X線撮影用補助具の斜視図である。 患者の口内の撮影をしている状態を示す斜視図である。 患者の口内の図8とは別の部位の撮影をしている状態を示す斜視図である。 本発明の別の関連発明の口内法X線撮影用補助具の斜視図である。 図10において、照準器が退避した状態の口内法X線撮影用補助具の斜視図である。 本発明の口内法X線撮影用補助具の斜視図である。 図12において照準器が退避した状態の口内法X線撮影用補助具の斜視図である。 (a),(b)は、各々図12に示す照準指標の変形例の斜視図である。 特許文献1の口内法X線撮影用補助具の斜視図である。
図1は、本発明の関連発明の口内法X線撮影用補助具1(以下、補助具1と呼ぶ。)の分解斜視図であり、図2は、図1の補助具1の組立て後の斜視図であり、図3は図2の補助具1の照準器を退避させた状態の斜視図である。また、図8は、患者の口内の撮影をしている状態を示す斜視図であり、図9は、患者の口内の図8とは別の部位の撮影をしている状態を示す斜視図である。
図1に示すように補助具1は、X線発生器4のX線照射部40(図8)に装着するアダプタ部10と、X線フィルムを装填するフィルムホルダ30、及びアダプタ部10に対してフィルムホルダ30を一定の間隔を置いて保持する支持アーム20と、照準器25とで構成されている。本発明及び本発明の関連発明の補助具は、従来の補助具と同様の構成を備えているが、さらに照準器を備えている点が従来の補助具と大きく相違している。この補助具1をX線発生器4のX線照射部40に装着し、患者の口内のX線撮影を実施する。
以下、順次各構成について説明する。
図4(a)はアダプタ部の分解横断面図であり、図4(b)はアダプタ部の組立横断面図であり、図4(c)はアダプタ部の縦断面図である。
図4(a)〜図4(c)に示すようにアダプタ部10は、従来の補助具において採用されている環状のアダプタ本体11と回動体3とを備えている。回動体3はアダプタ本体11の小径部分の外径よりも大きい内径を有しており、回動体3がアダプタ本体11に外嵌し、環状固定部材5とアダプタ本体11の大径部とで軸方向への移動が規制される。すなわち、ねじ6が環状固定部材5の複数箇所に設けられた孔5aを貫通し、さらにアダプタ本体11に設けたねじ穴11bに螺合して回動体3とアダプタ本体11とが軸方向には移動しないが、回動はできるように一体化されている。よって、回動体3が撮影者に支持されて固定されると、アダプタ本体11が回動体3に対して回動できるようになる。
アダプタ本体11にはX線発生器4のX線照射部40(図8)を貫通させる孔11aが設けられている。また、アダプタ本体11には半径方向にのびるねじ孔11cが設けられており、このねじ孔11cには固定つまみ13が外側からねじ込まれ、固定つまみ13の先端部13aは、孔11a内に侵入することができるようになっている。アダプタ部10にX線照射部40を嵌め、固定つまみ13をねじ込んで先端部13aを孔11a内へ侵入させると、先端部13aがX線照射部40の円筒側面を押圧し、X線発生器4にアダプタ部10を固定することができる。
また、アダプタ部10(回動体3)の下部には、従来のアダプタ部と同様の固定金具14が固着されている。すなわち、平板状の固定金具14には1つのねじ孔14aと2つの孔14bとが設けられており、回動体3には孔14bに対応する位置にねじ穴3aが設けられている。そしてねじ8が孔14bを貫通し、さらにねじ穴3aに螺合することによって固定金具14は回動体3に一体固着される。
ところで、回動体3には溝3bが設けてあり、溝3bの開口が固定金具14で閉鎖されるようになっている。固定金具14のねじ孔14aには、ねじ部を備えた固定つまみ12が螺合し、ねじ込む深さを調整することにより、ねじ部の先端が溝3b内に侵入したり、退避できるようになっている。
回動体3の溝3bと固定金具14とで形成された空間には、支持アーム20が配置される。支持アーム20は、固定金具14にねじ込まれた固定つまみ12のねじ部の先端部分に押圧されて、アダプタ部10に固定されるようになっている。この支持アーム20の一端にはX線撮影用のフィルムホルダ30が装着されている。フィルムホルダ30は、支持アームがアダプタ部10に設置されると、X線照射部40の中心線35(X線の通過経路)上にちょうど配置されるようになっている。
X線発生器4からフィルムホルダ30までの距離は、アダプタ部10に対する支持アーム20の固定位置で調整する。支持アーム20は、固定つまみ12を緩めることにより矢印方向に移動させることができ、所望する位置まで移動させた後に、固定つまみ12を締め付けることにより、アダプタ部10に固定することができる。X線発生器4は、固定つまみ13を締め付けることにより、アダプタ部10を固着させることができ、固定つまみ13を緩めると、アダプタ部10を取り外すことができるようになっている。
ちなみに、支持アーム20には、以下で詳述する照準器25を装着してからアダプタ部10を装着する。
次に、本発明及び本発明の関連発明の特徴的な構成である照準器25について説明する。
図1に示すように照準器25は、略90度湾曲形成された可動部26と、可動部26に装着された照準指標28と、可動部26を回動可能に支持する固定部27とで構成されている。
可動部26は、筒状部26aとアーム部26bとを備えており、アーム部26bの一端が筒状部26aに一体固着されており、アーム部26bの他端側には照準指標28が一体固着されている。アーム部26bの途中は90度に湾曲している。
一方、固定部27は、可動部26の筒状部26aの内部に入る大きさの本体部と、筒状部26aと本体部とが軸方向に移動しないようにするフランジ部27aとを備えている。また、固定部27(本体部)には、支持アーム20をちょうど貫通させる大きさの貫通孔29が設けられている。この貫通孔29に支持アーム20を貫通させると、図2に示すように照準器25を補助具1に容易に装着することができる。そして、照準器25は、支持アーム20に沿って摺動可能である。
また、照準指標28は、アクリル樹脂等の透明な素材で形成されており、十字のターゲットゲージが刻まれている。
可動部26と固定部27は、上述のように構成されているので、可動部26は、固定部27に対して回動可能である。ところで、可動部26の回動を所定の位置で制限し、その停止で照準指標28のターゲットゲージが中心線35上にくるようにすれば、撮影者は容易に中心線35上に照準指標28を配置することができる。そのための構成として、可動部26の筒状部26a側には突起32が設けてあり、フランジ部27aには円弧状の切欠部33が設けてある。突起32は、切欠部33の範囲で移動でき、突起32が切欠部33の一方の端部に当接すると可動部26の回動が停止し、照準指標28がX線の通過経路である中心線35上に配置される。また、突起32が切欠部33の反対側の端部に当接すると、照準指標28が完全に中心線35上から退避し、X線撮影を良好に行うことができるようになる。
次に、実際にこの本発明の関連発明の補助具1を使用してX線撮影する手順を説明する。
患者の口内の撮影箇所を変更する際には、撮影者は片手(例えば左手)でX線発生器4を保持した状態、つまり、アダプタ本体11(停止部側)を停止させた状態で、もう一方の手(右手)で回動体3(可動部側)を撮影し易い所定の位置まで回動させる。
図8,図9に示すように、補助具1は、X線照射部40に装着する部位に対して、支持アーム20を設置する部位を回動させても、常にX線照射部40の中心線35(図1〜図3)が、フィルムホルダ30の支点(中心)30aを通るため、口内の上下左右を、良好にX線撮影することができる。また、X線撮影の前に、予め照準器25の照準指標28を中心線35上に配置することにより、口腔外から中心線35を患部(撮影したい箇所)に容易に位置合わせすることができるようになる。図8,図9では、照準が設定されて、照準指標28が撮影の邪魔にならないように退避している状態が示されている。
次に、本発明の関連発明の別の実施の形態について説明する。
図5は、図1とは別の照準器を採用した口内法X線撮影用補助具の分解斜視図であり、図6は、図5の補助具の組立て後の斜視図であり、図7は、図6の補助具の照準器を退避させた状態の斜視図である。補助具1aのアダプタ部10と支持アーム20の構成は、上述の補助具1と同じなので、重複する説明は省略する。補助具1aでは、照準器15の構成だけが補助具1の照準器25と相違している。
図5に示すように照準器15は、略90度湾曲形成された可動部16と、可動部16の先端に装着された照準指標18と、可動部16を回動可能に支持する固定部17とで構成されている。
固定部17には、支持アーム20をちょうど貫通させる大きさの貫通孔22が設けられており、さらに固定部17の一端には図で見て鉛直方向に平行なフランジ部19a,19bが設けられている。これらのフランジ部19a,19bには各々孔21a,21b(ただし、21bは図示せず)が設けられている。孔21aと孔21b(図示せず)は、中心が一致しており、同一のピン(図示せず)で孔21aと孔21bを貫通できるようになっている。また、可動部16の下端には、孔21a及び孔21bに対応する孔16aが設けられている。すなわち、可動部16の下端を固定部17の二つのフランジ部19a,19bの間に差し入れ、孔21a,孔21b,及び孔16aの中心を一致させて、同一のピン(図示せず)で貫通し、可動部16と固定部17とを回動可能に連結する。固定部17の上縁部17aは、可動部16の回動のストッパとして機能する。すなわち、可動部16が回動すると、やがて上縁部17aに当接して回動が停止する。
固定部17の貫通孔22に支持アーム20を貫通させると、図6に示すように照準器15を補助具1aに容易に装着することができる。そして、照準器15は、支持アーム20に沿って摺動可能である。また、支持アーム20に固定部17を設置すると、可動部16の回動は、図7に示すように支持アーム20によって制限される。すなわち、可動部16は図7に示す状態で待機しており、支持アーム20に対する可動部16の位置が固定されるので、照準のセットと可動部16(照準指標18)の退避とをワンタッチで切換えることができる
次に、実際にこの本発明の関連発明の補助具1aを使用してX線撮影する手順を説明する。
患者の口内の撮影箇所を変更する際には、撮影者は片手(例えば左手)でX線発生器4を保持した状態、つまり、アダプタ本体11(停止部側)を停止させた状態で、もう一方の手(右手)で回動体3(可動部側)を撮影し易い所定の位置まで回動させる。
そして、右手で可動部16を患者側へ回動させて図6に示す状態とし、可動部16を固定部17の上縁部17aに当接させることによって照準指標18を中心線35上に配置し、患部(撮影したい箇所)に照準を定める。その後、図7に示すように可動部16を撮影者側へ回動させて照準指標18を中心線35上から退避させ、X線撮影を行う。
次に、図10,図11を参照しながら上述の実施の形態の別の変形例を説明する。図10は、本発明の関連発明の口内法X線撮影用補助具の斜視図であり、図11は、図10において照準器が退避した状態の口内法X線撮影用補助具1bの斜視図である。
図10に示す口内法X線撮影用補助具1bの構成は、照準器48以外は図6の口内法X線撮影用補助具1aの構成と同じであるので、重複する説明は省略する。図10に示すように口内法X線撮影用補助具1bの照準器48は、支持アーム20に摺動可能に装着された固定部47に対して、可動部46がヒンジ49によって回動可能に接続されている。
照準器48は、可動部46の先端部分に照準指標48を備えており、可動部46の根元部分がヒンジ49で回動可能となっている。ヒンジ49には回動ストッパが設けてある。この回動ストッパは、可動部46が回動して照準指標48が中心線35上にくると可動部46の回動が停止するように作用する。すなわち、図10に示すように可動部46が起立状態になると、照準指標48が中心線35上に配置される。
また、X線撮影の照準が定まると、撮影者は可動部46を撮影者側に倒し、照準指標48を中心線35上から退避させる。その際、可動部46は、固定部47に対して起立状態から略直角に回動して支持アーム20に沿った状態となる。
撮影箇所が複数存在する場合には、1箇所の撮影が完了した後、可動部46の姿勢を図11に示す退避状態から図10に示す起立状態に変更し、再度別の撮影箇所に照準を合わせる。
以上説明した例では、照準器(15,25,45)は可動部(16,26,46)を備えており、X線撮影時には照準指標(18,28,48)がX線の通過経路(中心線35)上から退避する構成としたが、照準指標が、X線撮影に悪影響を及ぼさない素材で構成されていれば、必ずしも退避させる必要はなく、図2,図6,及び図10に示すように照準指標が中心線35上に配置された状態で照準器を固定してもよい。
本発明を実施した口内法X線撮影用補助具は、携帯型及び据置型のいずれの形態にも採用することができる。従って、往診時に撮影者が携帯型の口内法X線撮影用補助具を所持したり、治療室に据置型の口内法X線撮影用補助具を常設して使用することもできる。もちろん、治療室において、携帯型の口内法X線撮影用補助具を使用することもできる。
照準器は上述したものの他、図12に符号59で示す形態のものも採用できる。図12は、本発明の照準指標を備えた口内法X線撮影用補助具の斜視図であり、図13は、図12において照準器が退避した状態の口内法X線撮影用補助具の斜視図である。
図12に示す口内法X線撮影用補助具1cは、照準器59を備えている。照準器59は、固定部51,ヒンジ52,可動部53,及び照準指標54を備えている。固定部51は支持アーム20に移動可能に装着されており、可動部53はヒンジ52で回動可能に固定部51に接続されている。ヒンジ52の軸は支持アーム20の長手方向に沿って配置されており、可動部53は支持アーム20の長手方向と直交する方向に回動する。
また、可動部53の先端は、照準指標54として機能する。図12に示すように可動部53を起立させると、可動部53の先端(照準指標54)が中心線35上に配置される。照準指標54は、中心線35に沿った幅Dを有している。よって、撮影者から見て、照準指標54が撮影箇所に重なると(すなわち、中心線35上に照準指標54が配置されると)X線撮影の照準がセットされる。
仮に、撮影者から見て照準指標54の幅Dが最小となっていなければ、撮影者の視線は中心線35上にはなく、照準は合わせにくい。しかし、撮影者が見て幅Dが最小に見えると、照準指標54を撮影箇所に合わせるだけで照準は適正に設定でき、撮影箇所にX線が照射可能になる。このように、照準指標54は中心線35(撮影者の視線)に沿ってベクトル化されており、このベクトルに撮影箇所を重ねると、撮影箇所にX線の照射位置を確実に設定できる。
図12,図13の例では、照準指標54は可動部53の先端としたが、図14(a),(b)に示すように、照準指標は可動部の途中の部分に設定することもできる。図14(a),(b)は、各々図12に示す照準指標の変形例の斜視図である。
図14(a)に示す例の照準器57では、可動部53aの途中の部位に、幅D方向(支持アーム20の長手方向)に伸びる切欠部55が設けられている。また、図14(b)に示す照準指標58の例では、可動部53bが透明な素材で構成されており、可動部53bの途中の部位に直線状に着色された印56が設けられている。
すなわち、可動部の途中に、幅Dに渡って形成された切欠部55や印56が、撮影者から最小に見え、切欠部55や印56が撮影箇所に重なると、X線撮影の照準が適切にセットされる。
本発明は、歯科医療における携帯性を有する口内法X線撮影用補助具に関し、該口内法X線撮影用補助具は、歯科医院内のみならず、歯科医院以外の場所にいる被撮影者の口内を撮影する場合に利用できる。
1,1a,1b 口内法X線撮影用補助具
3 回動体
4 X線発生器
10 アダプタ部
15,25,45,57,58 照準器
16,26,46 可動部
17,27,47 固定部
18,28,48,54 照準指標
20 支持アーム
30 フィルムホルダ
40 X線照射部
55 切欠部(照準指標)
56 印(照準指標)

Claims (4)

  1. X線発生器のX線照射部に着脱自在に装着されるアダプタ部と、前記アダプタ部からX線照射方向へ向けて延出する支持アームと、前記支持アームの先端部に設けられてX線発生器から照射されるX線を面受するようにX線フィルムを着脱自在に保持するフィルムホルダとを備えた口内法X線撮影用補助具において、
    前記X線発生器から照射されるX線の通過経路上に、照準指標を配置でき
    前記照準指標が、X線の通過経路に沿って伸びていることを特徴とする口内法X線撮影用補助具。
  2. 前記照準指標が、X線の通過経路上から退避可能であることを特徴とする請求項1に記載の口内法X線撮影用補助具。
  3. 固定部と可動部とを有する照準器の固定部が支持アームに摺動可能に設置されており、可動部に前記照準指標が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の口内法X線撮影用補助具。
  4. 照準器の可動部は、固定部に対して回動及び停止が可能であることを特徴とする請求項3に記載の口内法X線撮影用補助具。
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