JP3745133B2 - X線撮影補助装置及びこれを用いたx線二等分面撮影方法 - Google Patents

X線撮影補助装置及びこれを用いたx線二等分面撮影方法 Download PDF

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    • A61B6/512

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科領域でのX線撮影に使用される不可欠な二等分面法を使用して患歯を撮影する際に、X線の照射方向位置を簡単且つ確実に指示できるようにしたX線撮影補助装置及びこれを用いたX線二等分面撮影方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線の二等分面撮影法は、正投写できない患歯撮影などに従来より広く使用されている。その基本理論を説明すれば、例えばX線フィルム等を設置した実際のX線投影面を規定した後、撮影すべき患歯の歯軸線と平行なX線仮想撮影面を規定してから、X線投影面とX線仮想撮影面とで形成される角度の仮想二等分面に対して直角にX線ビームを照射することによって、そのX線仮想撮影面から投影されるX線透過像と合同なX線透過像を、X線フィルム等のX線投影面に写すものである。
【0003】
上記二等分面撮影法を実行するために仮想二等分面を決定するとき、病院では従来よりロビンソン角度計などの歯科用角度計や文房具の分度器などを使用する習慣がなかった。これらの測定具は患者の口腔内に挿入できず、全く実用性に欠けていたからである。そのため、せいぜい指やボールペンなどを口中に突っ込んだり、患歯に当てがったりして大体の角度の見当をつけ、目測と勘に頼って撮影しているのが実情である。
【0004】
動物に対する撮影法を例にとると、上記二等分面撮影法を用いたX線撮影を実行するときには、全身麻酔を施した動物を仰向け、うつぶせ、横向きなどの姿勢で診療台に横たえてから、図16に示すように、口腔内に口内用デンタルX線フィルム22を平らに設置する。そして、フィルム面Xと患歯23の歯軸面Yとが交差する角度を二等分し、この仮想二等分面Zに対して垂直にX線ビーム21を照射する。この方法で撮影すれば、患歯の長さが実寸よりも長くなったり短くなったりせず、正しい長さで鮮明なX線像を得ることができる。ただし、フィルムが曲がるとX線像が歪んでしまうので、口内用デンタルX線フィルム22を平らに保持しておかなければならない。
【0005】
ところが、実際の撮影にあっては、仮想二等分面を目視することができないうえ、直角方向を定めることも全て医師などが想像する仮想の方向をもとにしかX線を照射するしかなく、X線の照射方向を目視できるような装置や方法は無かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、犬や猫などの動物などでも、パグなどの短頭種とシェパードなどの長頭種とでは、上・下両顎骨の形状とか口腔内の奥行や広さが全く異なるし、動物以外の人を例にとっても各患者ごとの個体差も大きい。また、犬歯と切歯の歯軸線の角度も微妙に異なる。それ故、初心者はもちろん、熟練した歯科医師でさえ患歯の鮮明なX線像を得ることに失敗しがちであり、何度も撮影を繰り返す場合が少なくなかった。そのため、患者と医師の双方が危険なX線を過剰に被爆する上、歯科治療に余計な手間と時間を要していた。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みて歯科診療に携わる医師等が目測や勘に頼ることなく、人、犬や猫、馬、などの患者すべてに対して、極めて簡単かつ確実に二等分面撮影法による患歯のX線撮影を実行できるようにした、X線撮影補助装置及びこれを用いたX線の二等分面撮影方法を提供することを課題としている
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決することを目的として提案されたものである。
即ち、請求項1のX線撮影補助装置は、患歯のX線仮想撮影面に平行な面を規定する歯軸操作ガイドと、X線画像形成手段を取り付け可能とし、上記X線画像形成手段の表面と同一または平行なX線投影面を規定するアームからなるX線投影基準ガイドと、X線の照射方向を規定する指示部を有し、歯軸線操作ガイドとX線投影基準ガイドにより交差される角度の二等分面を規定可能な二等分面角度指示手段と、これらを回動可能に連結した開度位置制御機構とからなり、上記開度位置制御機構は、上記歯軸操作ガイドと上記X線投影基準ガイドが上記二等分面角度指示手段を中心に左右対称に回動することによって、歯軸操作ガイドとX線投影基準ガイドが形成する開き角度の二等分面上に、上記二等分面角度指示手段の位置を連動的に保つ構造とし、これにより、上記二等分面角度指示手段に直角に設けられた指示部がX線照射方向を指示することを特徴としている。
【0009】
この請求項1では、歯軸操作ガイド、X線投影基準ガイド、二等分面角度指示手段が略共通の回転軸によって回動される開度位置制御機構を備え、この開度位置制御機構によって前記二等分面指示手段が二等分面を指示するように構成しており、X線投影基準ガイドでX線投影面を規定した後、歯軸操作ガイドを回動操作してX線仮想撮影面と平行に指示するだけで、両ガイドにより形成される開き角の二等分面に二等分面角度指示手段が位置づけられる。
【0010】
また、前記二等分面指示手段に対して直角方向に位置付けられた指示部を、X線の照射方向を口腔外で目視できるので、この指示部を基準にしてX線の照射方向を簡単に定めることができるのである。
請求項2のX線撮影補助装置は、患歯のX線仮想撮影面に平行な面を規定する歯軸操作ガイドと、X線画像形成手段を取り付け可能とし、上記X線画像形成手段の表面と同一または平行な、X線投影面を規定するアームからなるX線投影基準ガイドと、X線の照射方向を規定する指示部を有し、歯軸線操作ガイドとX線投影基準ガイドにより交差される角度の二等分面を規定可能な二等分面角度指示手段と、これらを回動可能に連結した開度位置制御機構とからなり、上記X線投影基準ガイドの上記X線画像形成手段を口腔に挿入した場合に、この開度位置制御機構が口腔外に位置するように形成されており、上記開度位置制御機構は、上記歯軸操作ガイドと上記X線投影基準ガイドと上記二等分面角度指示手段が連動することによって、歯軸操作ガイドとX線投影基準ガイドが形成する開き角度の二等分面上に、上記二等分面角度指示手段の位置を連動的に保つ構造とし、これにより、上記二等分面角度指示手段に直角に設けられた指示部がX線照射方向を指示することを特徴としている。
請求項3では、上記開度位置制御機構は、上記二等分面角度指示手段の回転軸部に形成した長孔によって連動可能な構造としていることを特徴としている。
請求項4では、上記開度位置制御機構は、ラックピニオン構造としていることを特徴としている。
【0011】
請求項5のX線撮影補助装置は、3本のアームを開閉自在な扇状に連結したものであって、先端部に口内用デンタルX線フィルムを平らに保持するためのフィルム保持部6を設けると共に、フィルム保持部6の後方に可動性のアーム連結部7を設けた柄状のフィルムアーム1と、フィルムアーム1のアーム連結部7に可動性に連結されて歯軸線Yと平行する角度に固定できるようにした直定規状の歯軸アーム2と、フィルムアーム1のアーム連結部7に可動性に連結されてフィルムアーム1および歯軸アーム2を斜辺とする二等辺三角形の中心線上に固定できるようにすると共に、先端部にX線ビームの照射方向を支持するためのX線照射ガイド4を直角に設けたT形定規状あるいはL形曲尺状の二等分アーム3とで構成されている。
上記装置を使用すると、図9に示すように、口腔内のフィルム面Xと歯軸線Yとを口腔外の空間に移動させて、フィルムアーム1と歯軸アーム2とで二等辺三角形の斜辺を形成することができる。そして、T形定規状の二等分アーム3に備わるX線照射ガイド4を二等辺三角形の底辺と見立てつつ、極めて簡単かつ正確に中心線の位置を割り出すことができる。
【0012】
すなわち、両アーム1、2が交差するアーム連結部7に連結された二等分アーム3を左右に動かしながら、X線照射ガイド4に刻まれた目盛り5、5の数字がフィルムアーム1と歯軸アーム2のそれぞれの辺縁で等しくなる位置を探せばよい。その位置で固定された二等分アーム3は正確に仮想二等分面Zと平行している。従って、二等分アーム3の先端に直角に備わるX線照射ガイド4が指示する方向に添ってX線ビーム21を患歯23に向けて照射すれば、X線ビーム21は仮想二等分面Zに対して確実に垂直に照射される。
【0013】
このため、動物種や個体差に関係なく、また歯科診療に携わる医師の経験の多少にも関係なく、常に患者の鮮明なX線像を得ることができる。万一、歯軸線の想定角度を誤ってX線像が不鮮明になった場合でも、歯軸アーム2は間違った角度のまま固定されているので、歯軸アーム2の傾斜角度を新たに調整し直すことによって、容易に正しい仮想二等分面を再決定することができる。従って、従来の勘が頼りの目測によるX線撮影と比べ撮り直しの手間を著しく軽減することができる。
【0014】
請求項3のX線撮影方法は、想定された患歯の歯軸線と口腔内に設置されたフィルム面との交差角度を二等分した仮想二等分面にX線ビームを垂直に照射するため、X線フィルムを柄状のフィルムアームで支持して口腔内のフィルム面を口腔外に明示するステップと、目に見えない歯軸線を直定規状の歯軸アームで明示して口腔外に延長するフィルムアームと交差させるステップと、フィルムアームおよび歯軸アームを斜辺とする二等辺三角形の中心線上にT形定規状あるいはL形曲尺状の二等分アームを配置して仮想二等分面の角度を決定するステップと、二等分アームの先端部に直角に備わるX線照射ガイドに平行させてX線ビームを患歯に向けて照射するステップとで構成されている。
【0015】
上記本発明の方法によれば、図9に示すように、口腔内に平らに設置されたX線フィルム22のフィルム面Xをフィルムアーム1で口腔外に延長することにより、仮想二等分面Zを決定するための基準軸(X)を明示することができる。
また、想定された目に見えない歯軸線Yを直定規状の歯軸アーム2で明示すると共に、この歯軸アーム2を歯軸線Yと平行する位置に移動してフィルムアーム1と交差させることにより、仮想二等分面Zを正確に割り出すための二等辺三角形の斜辺を形成することができる。
【0016】
さらに、フィルムアーム1および歯軸アーム2を斜辺とする二等辺三角形の中心線上にT形定規状おるいはL形曲尺状をした二等分アーム3を配置することにより、簡単かつ確実に仮想二等分面Zの角度を決定することができる。
そして、二等分アーム3の先端に直角に備わるX線照射ガイド4の先端方向へX線装置20を移動し、X線照射ガイド4に平行する方向から患歯23に向けてX線ビーム21を照射することにより、X線ビーム21を仮想二等分面Zに対して確実に垂直に照射することができる。その結果、患歯の実寸と同じ長さの鮮明なX線像を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
先ず、X線二等分面撮影の理解を助けるため、後述する本発明に係るX線撮影補助装置を用いた撮影例を図1及び図2で説明する。
図示の如く、X線画像形成手段54を平板保持台10上に取り付けた後、この平板保持台10を患者の口腔内へ挿入させ、X線投影する患歯近傍に定置する。これによって、X線投影基準ガイド55が位置づけられてX線投影基準面(x)が定まり、口腔内のX線画像形成手段54の面方向が、口腔外のX線撮影基準ガイド55の上面61によって目視される。
【0018】
次いで、前記X線撮影基準ガイド55を定置させた状態で、歯軸線Y´と平行な方向になるように歯軸操作ガイド53を回動する。これによって、歯軸線Y´に平行な仮想歯軸面(y)が定まり、この面(y)が歯軸操作ガイド53の上面52として目視されることになる。
このように、X線撮影基準ガイド55と歯軸操作ガイド53を規定するだけで、両ガイドに連動されて前記二等分面角度指示手段57の二等分面62が、X線投影基準面(x)とX線仮想面(y)とで形成される開き角度の二等分面(z)と平行に位置づけられ、この二等分面62の直角方向を前記指示部56が指示し、X線の照射方向を正しく目視できる。
そして、この指示部56の方向を目視しながら、これと平行になるようにX線の照射方向を定めることで、確実に二等分面法によるX線撮影を行うことができるのである。
【0019】
上述のような二等分面撮影方法は、幾何学上の二等辺三角形の基本性質を応用したものであるが、本発明では、被写体たる患歯の口腔内にX線画像形成手段54を設置されるようにX線投影基準ガイド55を置いてから、撮影すべき患歯に対して想定したX線撮影面に平行となる口腔外の位置に歯軸操作ガイド53を位置させるようにしており、このとき、二等分面角度指示手段57を歯軸操作ガイド53とX線投影基準ガイド55とで形成される角度の二等分線上に連動的に可動させている。
【0020】
このため、二等分面角度指示手段57の指示部56は、歯軸操作ガイド53を回転操作することによって、歯軸操作ガイド53とX線投影基準ガイド55とで形成される角度が変動しても、双方のガイドによって形成される角度の二等分線上に常時位置することになるので、そのときの二等分面角度指示手段57の指示部56に従ってX線仮想撮影面(y)を照射するようにX線照射筒をセットすれば、X線が、二等分撮影面法の撮影時の正しい位置方向から照射され、撮影すべき患歯に対して鮮明なX線画像が得られる。
図2は、このような本発明の原理を幾何学的に説明した図で、歯軸操作ガイド53とX線投影基準ガイド54によって形成される角度の二等分線は、X線の仮想透過面とX線投影面とによって形成される角度の二等分線と平行になるので、X線ビームは、X線の仮想撮影面とX線投影面とで形成される角度の二等分線上に直交する方向から被写体に向けて正しく照射されることが分かる。
〔第1実施例〕
以下、上述のX線二等分面撮影を行うための装置として、本発明に係るX線撮影補助装置の一実施例を示す斜視図を図3に示している。図中51がX線撮影補助装置であって、本装置51は、X線撮影される患歯の歯軸線Y´な面52を規定する歯軸操作ガイド53と、X線画像形成手段54を取り付け可能とし、このX線画像形成手段54の表面と同一又は平行なX線投影面を規定するX線投影基準ガイド55と、X線の照射方向を規定する指示部56を有した二等分面角度指示手段57と、上記歯軸操作ガイド、X線投影基準ガイド、二等分面指示手段を共通の回転軸で回動可能に連結した開度位置制御機構58とにより構成されている。
【0021】
前記歯軸ガイド53は、先端を仮想の歯軸線へ指示する四角柱部材であって、この四角柱部材の上面が、患歯の歯軸線に平行であって且つ実際にX線が患歯に照射される面となるX線仮想撮影面に対して平行な面52を規定している。なお、この歯軸ガイド53の面52が特定される手段であれば前記のような四角柱部材でなくても構わない。
【0022】
X線投影基準ガイド55は、基端部分が口腔外に位置される四角柱状アーム59の先端に、歯科用X線フィルムの他、2次元画像を電気信号に変換して取り込むCCDイメージセンサ、MOSイメージセンサ等のX線画像形成手段54を取り付け可能な平板保持台60を設け、この平板保持台60の上面と四角柱状アーム59の上面61とが平行になるように形成されている。
【0023】
このため、平板保持台60上面と平行に取付けられるX線画像形成手段54のX線投影面と、前記四角柱状アーム59の上面61とが平行に位置付けられ、X線投影面の方向をX線投影基準ガイド55で目視することができる。
また、図示の如く、患者の口腔内に挿入される前記平板保持台60は、四角柱状アーム59に対してその長手方向や幅方向に摺動可能であって、且つ撮影する患歯の縦横比に合わせて平面回転も可能なように取付けることが考えられ、患者の口径や患歯の状態によって前記X線投影面との平行な上面61を維持しながらも任意の方向を設定することが可能となる。
【0024】
なお、図例では、前記四角柱状アーム59とを、患者の口腔内に挿入しても安全な矩形の板で連結しているが、前記四角柱状アーム59を延設して、その先端に直接平板保持台60を設けることも可能である。
二等分面角度指示手段57としては、前記歯軸操作ガイド53における面52と、X線投影基準ガイド55における上面61との交叉角度を二等分する二等分面62を上面に形成した四角柱状の杆体先端に、前記二等分面62に対して上方へ直角に折曲される指示部56を有したものを例示している。
また、前記指示部56の先端は、X線照射方向を指示し易いよう矢印状に形成されているが、前記二等分面62に対して上方へ直角な方向を指示できる手段であれば採用される。
すなわち、前記指示部56の方向が前記二等分面62に対して上方へ直角に指示できれば本願の二等分面指示手段57として採用され、例えば、角度を検知できる分度器などの角度ゲージ機能を、後述する開度位置制御機構に一体化させ、表示される角度に対して直角方向を指示するものが備わっていれば前記前記四角柱状の杆体が無くても構わない。
開度位置制御機構58は、前述の歯軸操作ガイド53、X線投影基準ガイド55、二等分面角度指示手段57を共通の回転軸64で回動可能に連結し、上記歯軸操作ガイド53を回転軸64を中心にして回転操作させたときには、上記二等分面角度指示手段57を、歯軸操作ガイド53とX線投影基準ガイド55によって形成される開き角度の二等分面上に連動的に回動させる構造としている。
図4は、前記開度位置制御機構58を詳説するために図示した要部分解斜視図、図5は開度位置制御機構58の動作説明図である。
すなわち、前記二等分面角度指示手段57の基端には図例のような円盤63が連接されており、該円盤63には二等分面角度指示手段57の延長線上に回転軸64が内挿される回転軸案内長孔65と、該回転軸案内長孔65と二等分面角度指示手段57基端の間にあって、且つ回転軸案内長孔65の幅方向と平行な長孔を開設したガイドピン誘導長孔66を形成している。また、このガイドピン誘導長孔66は、回転軸案内長孔65よりも長く、前記円盤63に直線的に開設できる長さに設けている。
また、前記歯軸操作ガイド53及びX線投影基準ガイド55の各々の基端にも前記円盤63と同円周の円盤部材67が連接されており、前記回転軸案内長孔65の二等分面角度指示手段57方向側の端部と対応する位置に回転軸64の貫通孔68、68を各々開設している。
更に、前記回転軸64が回転軸案内長孔65の二等分面角度指示手段57方向端に位置された状態で、貫通孔68,68を内挿し、且つ前記二等分面62、上面51、面52が互いに平行になる位置において、前記ガイドピン誘導長孔66の一端には前記操作ガイド53の円盤部材67に設けたガイドピン69が、他端には前記X線投影基準ガイド55の円盤部材67に設けたガイドピン70が各々位置するように設けている。
かかる構造にした開度位置制御機構58によって、本装置1は図5に示すように動作する。図5(a)は、歯軸操作ガイド53とX線投影基準ガイド55が最大に開いた状態を図示しており、この状態から上記歯軸ガイド53をX線投影ガイド方向に回動操作させると、図5(b)に示すように歯軸操作ガイド53に設けたガイドピン69が、回転軸64を支点として前記ガイドピン誘導長孔66に沿って移動する。
このガイドピン69の移動に強制されて、二等分面角度指示手段57に連接された前記円盤63が僅かに回転させられ、その結果、X線投影基準ガイド55の円盤部材67に設けたガイドピン70もガイドピン誘導長孔66に沿って、その他端から離される。このとき、前記円盤63に連接された二等分面角度指示手段57も、円盤63の回転と共にX線投影基準ガイド55方向に回動されるが、回転軸64を頂点とする両ガイドピン69、70の線分は不変であるため、前記二等分面角度指示手段57は、回転軸64を頂点にして両ガイドピン69、70とで形成される二等辺三角形の垂直二等分線上に位置づけられる。
換言すれば、前記歯軸操作ガイド53を回転操作することで、上記二等分面角度指示手段57を、歯軸操作ガイド53とX線投影基準ガイド55によって形成される任意の開き角度θの二等分上に連動的に回動させることになり、詳しくは前記二等分面角度指示手段57の上面が、歯軸操作ガイド53の面52とX線投影基準ガイド55の上面61との二等分面に位置されるのである。
また、さらに歯軸操作ガイド53を回転操作すると、前述と同様に機構して最終的には図5(c)に示すように、両ガイドピン69,70が当接するか又は回転軸案内長孔65端部に回転軸64が当接して回動が規制され、前記歯軸操作ガイド53とX線投影基準ガイド55とが閉じられた状態になるのである。
【0025】
なお、前述のような動作を行うことができる開度位置制御機構55であれば、例示した機構以外であっても本発明の開度位置制御機構55として使用可能である。
〔第2実施例〕
図6は、開度位置制御機構の他の実施例を示す説明図である。
本例では、前記患歯のX線仮想投影面に平行な面を規定する歯軸操作ガイド53と、X線撮影面を規定するX線撮影基準ガイド55と、これらを略共通の回転軸64で回動可能に連結した開度位置制御機構58を備え、上記開度位置制御機構58には、X線の照射位置方向を規定する指示部56を有した二等分面角度指示手段57を設け、上記歯軸操作ガイド53とX線撮影基準ガイド55とは、前記二等分面角度指示手段57を中心として、任意の角度に連動して回動するよう構成している。
即ち、前記二等分面角度指示手段57が回動されずに常に一定方向に指示され、前記歯軸操作ガイド53とX線撮影基準ガイド55とが二等分面角度指示手段57を中心にして、左右対称に回動されるような開度位置制御機構58を備えたものである。
【0026】
このような開度位置制御機構58としては、例えばコンパスなどに代表されるような周知の回動機構を利用することが考えられ、図例のようにネジ軸72に固定された回転基盤71を回転すると該回転基盤71の回転中心から歯軸操作ガイド53とX線撮影基準ガイド55に各々逆ネジ切りされた前記ネジ軸72が回転し、そうするとX線撮影基準ガイド55と歯軸操作ガイド53に各々回動自在に固定された雌ネジ83と雌ネジ85を介し、前記二等分面指示手段57を中心として両ガイド53、55が対称に連動して軸64を中心に回動開閉されるものである。
図7も前記開度位置制御機構の他の実施例(ラックピニオン機構)を示した図である。本例では、前記二等分面角度指示手段57基端の円盤63に代えて、基端両側面に連続したギア73、73を形成し、このギア73、73に嵌合される歯車部74、74を円盤部材75を中心に歯軸操作ガイド53及びX線撮影基準ガイド55の基端に各々形成したものである。また、前記円盤部材75に固定された軸77、77と76を中心に前記ガイド53,55は回転自在に、そして二等分面角度指示手段57は長孔78を介して上記ラックピニンの歯合によりスライド自在にされている。
このようなラックピニオンを利用した開度位置制御機構58であっても、上記同様に歯軸操作ガイド53とX線撮影基準ガイド55が二等分面指示手段57を中心と連動して開閉される。
なお、図示した3本の軸77、77、76は各々独立して円盤部材75に固定されており、厳密にはいえば別個の回転軸を備えているが、このような回転軸であっても、本発明にいう共通の回転軸の概念に含まれることを付言しておく。
〔第3実施例〕
図8は、二等分面指示手段の他の実施例を示すX線撮影補助装置の斜視図である。
【0027】
本実施例での二等分面角度指示手段57としては、前記指示部56に代えてX線照射筒に取付可能にした支持部材79を、前記開度位置制御機構58に連結したものであり、これによって、上記歯軸操作ガイド53を回動操作して、撮影すべき患歯のX線仮想撮影面が規定されたときには、その歯軸操作ガイド53とX線投影基準ガイド55とで形成される開き角の二等分面に対して平行に、前記支持部材79に連結されたアームが位置づけられるとともに、このアームに対して直角方向、つまりX線の照射方向に前記支持部材79がX線照射筒を位置決めするものである。
【0028】
このようなX線の照射方向を指示する支持部材79を採用することで、前記指示部56を目視しながらX線照射筒を合わせなくても、前記支持部材79にX線照射筒を取付けることで、X線の照射筒に取付けられることにより位置決めすることができる。
なお、二等分面指示手段57としては、この実施例では棒状アームで構成しているが、板状でも良いし、公知の分度器の如く透明な板に線を表示したもののみでも良い。
以下、本出願人が先の出願で提案した方法及びその装置について記載する。
【0029】
以下に本発明の方法を実行するためのX線撮影補助装置の実施例を詳細に説明することにより、本発明に係る動物の歯のX線撮影方法を説明する。
図9は、X線撮影補助装置10の最も基本的な実施例とその使用状態を示す側面図である。1は柄状のフィルムアームであり、先端部に口内用デンタルX線フィルム22を平らに保持するためのフィルム保持部6が設けられている。フィルム保持部6とフィルムアーム1との接続部には段差が形成されており、平板状をしたフィルム保持部6の上に口内用デンタルX線フィルム22を平らに設置したとき、フィルム面Xとフィルムアーム1の辺縁とが水平になる。従って、口腔内のフィルム面Xが口腔外へ真っすぐ延長されて、フィルムアーム1の辺縁を仮想二等分面Zを決定するときの基準線(X)にすることができる。フィルムを保持するための手段は、ゴムバンドやクリップ、枠などの歯科用具の周知技術を任意に利用することができる。また、フィルム保持部6に円盤状のターンテーブルを設け、長方形のX線フィルムを方向自在に配置できるようにしてもよい。
【0030】
上記フィルムアーム1の中軸にスライド溝8を穿設し、スライド溝8を横に貫通して可動性に取り付けられたアーム連結部7を前後へ滑らかに移動させることができるようにしている。このスライド機能によってアーム連結部7に連結した歯軸アーム2と二等分アーム3を口腔外の空間で任意の角度に固定することができる。アーム連結部7におけるアーム固定手段を特に限定するものではなく、リング状のゴムワッシャーを挟んでネジ止めにするなど一般の周知技術を任意に選択することができる。
【0031】
図9に示す実施例において、1は直定規状の歯軸アーム、3はT形定規状の二等分アームであり、二等分アーム3の先端部にはX線照射ガイド4が直角に設けられている。X線照射ガイド4に刻まれた目盛り5は1mm間隔を好適とし、目印のため5mmごとに数字を打刻することが望ましい。歯軸アーム2と2等分アーム3の中軸にもスライド溝8を穿設し、各アーム2、3にアーム連結部7を回転軸とする360度の回転性と前進・後退自在の可動性を付与している。
【0032】
上記フィルムアーム1の形状は、角棒状や丸棒状などを好適とする。また、仮想2等分面を割り出すための基準軸として常に真っすぐな直線状態を維持する必要上、曲がったり歪んだりしないステンレス鋼などX線不透過性の金属類で製造することが望ましい。それに対して、歯軸アーム2および2等分アーム3は薄板状のものを最適とし、X線像に障害を与えないようにするためX線透過性のガラスや合成樹脂などで製造することが好ましい。
【0033】
上記実施例のX線撮影補助装置10を使用するときは、図9に示すように、フィルムアーム1のフィルム保持部6に口内用デンタルX線フィルム22を平らに装着し、これを全身麻酔した動物の口腔内に挿入する。次に、フィルムアーム1の細長い柄部を片手で支持しながら、別の片手で歯軸アーム2を操作し、なるべき患歯23の近くに近接させてから、歯軸線Yに平行する角度まで歯軸アーム2を傾斜する。次に、その傾斜角度を保ちつつ歯軸アーム2をフィルムアーム1の末端部まで後退させ、アーム連結部7をネジなどで固定する。次に、空いた片手で動物の顔の近くまで前進させた二等分アーム3を操作し、T形定規の横手に相当するX線照射ガイド4がフィルムアーム1および歯軸アーム2の各辺縁と同一角度で交差する位置を探す。その際、X線照射ガイド4に刻まれた目盛り5、5を利用することにより、極めて簡単かつ正確に2等辺三角形の中心線上に二等分アーム3を置くことができる。その角度に固定された二等分アーム3は、口腔内に描かれる仮想二等分面Zに平行している。従って、二等分アーム3の先端部に直角に備わるX線照射ガイド4に平行する方向から患歯23に向けてX線ビーム21を照射すれば、X線ビーム21は仮想2等分面Zに対して垂直に当たる。
【0034】
図10に示されているX線撮影補助装置10aの実施例では、2等分アーム3あの先端に備わるX線照射ガイド4a、4a’が折り畳み自在に形成されている。
このようにすると、二等分アーム3aを仮想二等分面Zに平行させた後、一方のX線照射ガイド4a’を折り畳むことにより、動物の顔に邪魔されることなく二等分アーム3aを前進させて、他方のX線照射ガイド4aを患歯23の真上付近の空間に配置することができる。このため、X線装置20をX線照射ガイド4aの先端に接近させ、X線透過材で作られたX線照射ガイド4aに向けてX線ビーム21を照射すれば、狙いが外れて患歯を写し損なうという失敗がなくなる。従って、常に患歯23の鮮明なX線像を確実に得ることができる。また、歯科用X線装置の焦点距離は20〜30cmであるから、動物の頭が大きくて患歯23とX線装置20との中間に配置されたX線照射ガイド4aが邪魔になるときは、直立するX線照射ガイド4aを矢印Aの方向に折り畳んで、X線装置20を患歯23から30cm以内の所に接近させることができる。
【0035】
図11は図10に示した実施例の平面図である。フィルムアーム1aの先端部に設けたフィルム保持部6aは、平板状の長方形が好適である。ここに口内用デンタルX線フィルムを平らに装着するため、フィルム係止手段9としてゴムバンドを図示しているが、フィルム係止手段9を特に限定するものではない。また、柄状のフィルムアーム1aを二股状に成形して、歯軸アーム2aを格納することができるようにしている。さらに、二等分アーム3aのX線照射ガイド4a、4a’も折り畳めるから、製品の形態を箱入れ可能なすっきりしたものにすることができる。従って、製品の包装や運搬、保管が便利になる。なお、可動性のアーム連結部7aにおける最も単純なアーム固定手段の一例として、リング状のゴムワッシャーによるネジ止めを図示している、ゴムワッシャーがストッパーの働きをするので、歯軸アーム2aや二等分アーム3aの可動性を損なわない程度にネジを締めても、各アームを任意の傾斜角度で固定することができる。
【0036】
図12に示されているX線撮影補助装置10bの実施例では、X線透過材で作られた二等分アーム3bがL形曲尺状に成形されている。このようにすると、X線照射ガイド4bを容易に患歯の真上付近の空間に配置することができるので、撮影する患歯に狙いを定めることも、またX線ビームの照射方向を定めることも簡単にできるので非常に便利である。ただし、L形曲尺状の二等分アーム3bを採用すると、X線照射ガイド4bを利用して仮想二等分面を決定することができない。そこで、この実施例では二等分アーム3bの末端部に直定規11を直角に取り付けている。このようにすれば、アーム連結部7bで交差するフィルムアーム1bと歯軸アーム2bの各末端部の辺縁に直定規11の目盛りを合わせることにより、仮想二等分面と平行する角度を正確に割り出すことができる。
【0037】
図13に示されているX線撮影補助装置10cの実施例では、L形曲尺状の二等分アーム3cを用いて仮想二等分面を確実に決定できるようにするための手段として、フィルムアーム1cを前後に滑動するアーム連結部7cに分度器12を取り付けている。このようにすると、歯軸アーム2cを動物の顔に近付けて、なるべく患歯に近い所で歯軸線の角度をより一層正確に測定することができる。しかる後、歯軸線の角度に固定した歯軸アーム2cと分度器12をアーム連結部7cごと、フィルムアーム1cの末端部へ後退させる。そして、二等分アーム3cを分度器12の目盛りに合わせて操作することにより、正確な仮想2等分面の角度を簡単且つ確実に決定することができる。その角度を保ちながら二等分アーム3cを前進させ、直角に設けられたX線透過性のX線照射ガイド4cを患歯の真上付近に配置し、これに向けてX線ビームを照射する。
【0038】
図14に示されているX線撮影補助装置10dの実施例では、X線透過材で製造されたL形曲尺状の二等分アーム3dに連動手段13を設けている。すなわち、フィルムアーム1dの末端部に横ネジで固定されたアーム連結部7dに、歯軸アーム2dと二等分アーム3dを回動自在に取り付ける。そして、アーム連結部7dを基点とし、基点より等距離の位置において各アーム1d、2d、3dに連動手段13を連結する。連動手段13として、コイルバネやゴム、バネ内蔵のリール、油圧シリンダーなどが好適である。例えば、図6に示すように、弾発緑が等しい一対のコイルバネを二等分アーム3dの中軸に取り付け、各コイルバネをそれぞれフィルムアーム1dと歯軸アーム2dに連結したとき、歯軸アーム2dを操作して歯軸線と平行する角度に傾斜させれば、歯軸アーム2dの動きを連動して二等分アーム3dが引き寄せられる。しかし、二等分アーム3dの動きは、フィルムアーム1dに連結するコイルバネの力で制限されるため、二等分アーム3dは両アーム1d,2dの中間、つまり仮想二等分面の位置に安定することになるわけである。従って、連動手段13を用いることにより、直定規や分度器と同様に正確な仮想二等分面の決定が可能となる。
【0039】
図15に示されているX線撮影補助装置10eの実施例では、角柱状のフィルムアーム1eの外側に角管状のアーム連結部7eを可動性に設け、矢印Bの方向へ滑らかに動くようにしている。アーム連結部7eの上面には歯軸アーム2eが、側面には二等分アーム3eが、それぞれ360度の回動自在に取り付けられている。また、歯軸アーム2eと二等分アーム3e、およびX線照射ガイド4eは、それぞれ伸縮自在に成形されている。伸縮手段としては、カメラの三脚やテレビの室内アンテナなど従来の周知技術を任意に選択してよい。このようにすると、動物の大きさに関係なく、一台の装置ですべての患者の歯を撮影できる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような特有の効果がある。
請求項1〜4に係るX線撮影補助装置によれば、X線撮影画像形成手段を取付けたX線撮影基準ガイドを口腔内に規定し、X線撮影すべき患歯に対する仮想投影面に対して口腔外の平行な位置に歯軸操作ガイドの位置を規定するだけで、開度位置制御機構による二等分面指示手段が、常にX線投影基準ガイドと歯軸操作ガイドの二等分面に規定されるので、素早く且つ正確にX線の照射方向が指示される。
また、口腔外に位置される前記指示部に従うことで歯科診療に携わる医師等が目測や勘に頼ることなく、極めて簡単かつ確実に二等分面撮影法による患歯のX線撮影を実行できる。
【0041】
また、指示部の指示どおりにX線仮想撮影面を狙ってX線照射筒をセットするだけで、X線投影基準ガイドに取付けたX線画像形成手段には、X線仮想撮影面に撮影されるX線画像と合同なX線透過画像が鮮明に得られるうえ、前記の指示部方向に合わせてX線の照射方向を定めなくても、X線の照射方向を指示する支持部材にX線照射筒をセットするだけで、X線の照射方向を二等分面と垂直に位置決めすることもできので、二等分面撮影が不慣れな初心者であっても患歯の鮮明なX線像を得ることができ、撮影ミスを何度も繰り返す場合が少なくなるので、患者と医師の双方が危険なX線を過剰に被爆せず、短時間でX線透過画像を得ることができる。
更に、請求項5、6に係る先の出願で提案されるX線撮影補助装置及びこれを用いた二等分面撮影方法によれば、以下に記載されるような効果を奏する。
【0042】
口腔内に設置されたX線フィルムのフィルム面を柄状のフィルムアームで口腔外に明示すると共に、患歯の歯軸線も直定規状の歯軸アームで口腔外に明示することにより、フィルム面と歯軸線との交差角度を口腔外の空間に明示することができる。
さらに、2本のアームで口腔外に明示されたフィルム面と歯軸線を斜辺とする二等辺三角形の中心線上にT形定規状あるいはL形曲尺状の二等分アームを配置することにより、フィルム面と歯軸線との交差角度を二等分する正確な仮想二等分面を口腔外の空間に明示することができる。
【0043】
そして、仮想二等分面と平行する角度に固定された二等分アームの先端に直角に備わる二等分面指示手段に平行させてX線ビームを照射することにより、X線ビームを仮想二等分面に対して垂直に照射することができる。その結果、簡単かつ確実に患歯の鮮明なX線像を得ることができる。
二等分面法では動物の歯のX線撮影を行うとき、従来より動物の狭い口腔内に指やボールペンなどを挿入し、目測と勘に頼って仮想二等分面を割り出していたのであるが、失敗することが多く、何度も撮影を繰り返しがちであった。そのため、動物と獣医師の双方に過剰なX線を被爆させる危険があった。それに対し、本発明は、3本のアームで構成される簡単な装置を使用することにより、従来の不都合をすべて完全に解消することができる。このため、動物も獣医師もX線過剰被爆の危険を回避できるし、面倒な2等分面法による撮影の手間やフィルム代をも著しく軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線二等分面撮影の理解を助けるX線撮影補助装置を使用した説明図
【図2】X線二等分面撮影の原理を幾何学的に説明した図
【図3】本発明に係るX線撮影補助装置の一実施例を示す斜視図
【図4】要部分解斜視図
【図5】開度位置制御機構による動作説明図
【図6】開度位置制御機構の他の実施例を示す説明図
【図7】開度位置制御機構の他の実施例(ラックピニオン)を示す説明図
【図8】二等分面指示手段の他の実施例を示すX線撮影補助装置の斜視図
【図9】X線撮影補助装置の実施例を示す側面図である。
【図10】X線撮影補助装置の別の実施例を示す側面図である。
【図11】図2に示した実施例の平面図である。
【図12】X線撮影補助装置の別の実施例を示す側面図である。
【図13】X線撮影補助装置の別の実施例を示す側面図である。
【図14】X線撮影補助装置の別の実施例を示す側面図である。
【図15】X線撮影補助装置の別の実施例を示す側面図である。
【図16】二等分面法による従来のX線撮影を示す側面図である。
【符号の説明】
51 X線撮影補助装置
52 (X線仮想撮影面に平行な)面
53 歯軸操作ガイド
54 X線画像形成手段
55 X線投影基準ガイド
56 指示部
57 二等分面角度指示手段
58 開度位置制御機構
59 四角柱状アーム
60 平板保持台
61 上面
62 二等分面
63 円盤
64 回転軸
65 回転軸案内長孔
66 ガイドピン誘導長孔
67 円盤部材
68 貫通孔
69 (歯軸操作ガイドの)ガイドピン
70 (X線投影基準ガイドの)ガイドピン
71 ネジ軸
72 回転基盤
73 ギア
74 歯車部
75 円盤部材
76 軸(長孔に対応)
77 軸(ガイド53、55に対応)
78 長孔
83、85 雌ネジ
79 支持部材
(x)X線投影基準面
(y)X線仮想面
(z)(x)と(y)とで形成される開き角度の二等分面
1,1a、1b、1c,1d,1e フィルムアーム
2,2a、2b、2c,2d,2e 歯軸アーム
3,3a、3b、3c,3d,3e 二等分アーム
4,4a、4b、4c,4d,4e X線照射ガイド
6,6a フィルム保持部
7,7a、7b、7c,7d,7e アーム連結部
10,10a、10b,10c,10d,10e X線撮影補助装置
20 X線装置
21 X線ビーム
22 X線フィルム
23 患歯
X フィルム面
Y 歯軸線
Z 仮想二等分面

Claims (6)

  1. 患歯のX線仮想撮影面に平行な面を規定する歯軸操作ガイドと、
    X線画像形成手段を取り付け可能とし、上記X線画像形成手段の表面と同一または平行な、X線投影面を規定するアームからなるX線投影基準ガイドと、
    X線の照射方向を規定する指示部を有し、歯軸線操作ガイドとX線投影基準ガイドにより交差される角度の二等分面を規定可能な二等分面角度指示手段と、
    これらを回動可能に連結した開度位置制御機構とからなり、
    上記開度位置制御機構は、上記歯軸操作ガイドと上記X線投影基準ガイドが上記二等分面角度指示手段を中心に左右対称に回動することによって、歯軸操作ガイドとX線投影基準ガイドが形成する開き角度の二等分面上に、上記二等分面角度指示手段の位置を連動的に保つ構造とし、これにより、上記二等分面角度指示手段直角に設けられた指示部がX線照射方向を指示することを特徴としたX線撮影補助装置。
  2. 患歯のX線仮想撮影面に平行な面を規定する歯軸操作ガイドと、
    X線画像形成手段を取り付け可能とし、上記X線画像形成手段の表面と同一または平行な、X線投影面を規定するアームからなるX線投影基準ガイドと、
    X線の照射方向を規定する指示部を有し、歯軸線操作ガイドとX線投影基準ガイドにより交差される角度の二等分面を規定可能な二等分面角度指示手段と、
    これらを回動可能に連結した開度位置制御機構とからなり、上記X線投影基準ガイドの上記X線画像形成手段を口腔に挿入した場合に、この開度位置制御機構が口腔外に位置するように形成されており、
    上記開度位置制御機構は、上記歯軸操作ガイドと上記X線投影基準ガイドと上記二等分面角度指示手段が連動することによって、歯軸操作ガイドとX線投影基準ガイドが形成する開き角度の二等分面上に、上記二等分面角度指示手段の位置を連動的に保つ構造とし、これにより、上記二等分面角度指示手段に直角に設けられた指示部がX線照射方向を指示することを特徴としたX線撮影補助装置。
  3. 請求項1または2において、
    上記開度位置制御機構は、上記二等分面角度指示手段の回転軸部に形成した長孔によって連動可能な構造としていることを特徴としたX線撮影補助装置。
  4. 請求項1または2において、
    上記開度位置制御機構は、ラックピニオン構造としていることを特徴としたX線撮影補助装置。
  5. 3本のアームを開閉自在な扇状に連結した歯科用のX線撮影補助装置であって、
    先端部に口内用デンタルX線フィルムを平らに保持するためのフィルム保持部を設けると共に、フィルム保持部の後方に可動性のアーム連結部を設けた柄状のフィルムアームと、
    フィルムアームのアーム連結部に可動性に連結されて歯軸線と平行する角度に固定できるようにした直定規状の歯軸アームと、
    フィルムアームのアーム連結部に可動性に連結されてフィルムアームおよび歯軸アームを斜辺とする二等辺三角形の中心線上に固定できるようにすると共に、X線ビームに直角な、フィルム面と交差する角度を二等分した仮想二等分面を明示し、先端部にX線ビームの照射方向を指示するためのX線照射ガイドを直角に設けたT形定規状あるいはL形曲尺状の二等分アームとから成るX線撮影補助装置。
  6. 動物の患歯の長軸の歯軸線を想定し、歯軸線と口腔内に設置した口内用デンタルX線フィルムのフィルム面とが交差する角度を二等分した仮想面に対してX線ビームを垂直に照射する歯科領域での二等分面法において、
    X線フィルムを柄状のフィルムアームで支持して、口腔内のフィルム面を口腔外に明示するステップと、
    目に見えない歯軸線を直定規状の歯軸アームで明示して、口腔外に延長するファイルアームと交差させるステップと、
    ファイルアームおよび歯軸アームを斜辺とする二等辺三角形の中心線上にT形定規状あるいはL形曲尺状の二等分アームを配置して、仮想二等分面の角度を決定してX線ビームに直角な、フィルム面と交差する角度を二等分した仮想二等分面を明示するステップと、
    二等分アームの先端部に直角に備わるX線照射ガイドに平行させて、X線ビームを患歯に向けて照射するステップとから成るX線二等分面撮影方法。
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