JP5180696B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
このような従来技術では、熱交換器を収容するユニットハウジングと、このユニットハウジングに空気を取り入れるインテーク部に、モータおよび一対のファンを備えたブロワユニットが設置されている。
このため、両ファンを回転させた時に、両スクロール室で送風時に圧力差が生じることがあった。すなわち、車両の仕様により、各スクロール室に接続されるインテークダクト取り回しが異なる場合、第1スクロール室側と第2スクロール室側とで送風抵抗が異なる場合があり、この場合、両スクロール室に圧力差が生じる。また、両スクロール室に連通された外気取入口の一方に異物などが付着した場合にも、送風抵抗に差が生じ、両スクロール室に圧力差が生じる。あるいは、両ファンの下流側の温調を独立して制御可能な構造である場合、車室左右の温調制御状態が異なると、送風抵抗に差が生じ、両スクロール室に圧力差が生じる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置において、前記連通用筒部が、両ファンを挿通可能な大きさに形成されていることを特徴とする車両用空調装置とした。
したがって、両ファンの回転負荷の均等化を図ることができ、回転負荷の違いによる音や振動の発生を抑制することが可能となる。
このように、両スクロール室を連通する連通路を形成するのに、両スクロール部に連続して形成したホルダを保持する連通用筒部を利用するようにしたため、連通路を形成するための部品点数を抑えることが可能であり、これにより、コストダウンを図ることが可能である。
すなわち、スクロールケースの連通用筒部の内径は、ファンの外径よりも大きな寸法に形成しており、両ファンは、連通用筒部を軸方向に沿って移動させて通過させることが可能である。このため、ホルダの連通用筒部に対する固定を解除すれば、ブロワユニット自体を、スクロールケースに対して軸方向に移動させて、スクロールケースから取り外すことが可能であり、ブロワユニットの交換作業を容易とすることが可能となる。
本発明の実施の形態の車両用空調装置は、ユニットハウジング(1)に空気を取り入れるインテーク部(2)と、このインテーク部(2)に設置され、モータ(43)の軸方向両側に第1ファン(41)と第2ファン(42)とが設けられたブロワユニット(40)と、前記第1ファン(41)が収容され、送風を前記ユニットハウジング(1)へ導く第1スクロール室(21a)、および、前記第2ファン(42)が収容され、送風を前記ユニットハウジング(1)へ導く第2スクロール室(22a)と、を備えた車両用空調装置であって、前記第1スクロール室(21a)と前記第2スクロール室(22a)とを連通させる連通路(60)を備えていることを特徴とする車両用空調装置である。
図2は車両用空調装置Aの構成の概略を示す全体概略図であって、この車両用空調装置Aは、ユニットハウジング1と、インテーク部2と、を備えている。
すなわち、モータ43は、このモータ43の軸心位置でモータ43の両側に突出した駆動軸431を備え、この駆動軸431に、第1ファン41と第2ファン42とが取り付けられている。したがって、両ファン41,42は、モータ43の駆動により一体的に回転する。
両保持部442,443は、それぞれ、一対の薄板環状の環状板442a,442a,443a,443aと、環状板442a,442aどうしおよび環状板443a,443aどうしを連結して軸方向に延在された補強板442b,443bと、環状板442a,443aから本体部441に向けて内径方向に延びて本体部441に連結された連結板442c,443cと、を備えている。
そして、連結板442c,443cは、周方向に略一定間隔で形成され、連結板442c,442cどうしの間および連結板443c,443cどうしの間には、軸方向に保持部442,443を貫通する連通用穴444,444が形成されている。この連通用穴444は、環状板442a,443aにおいて、周方向に略一定間隔で形成されている。
また、第1スクロール部21および第2スクロール部22において、連通用筒部23に連続する側の反対側には、それぞれ、略円形状の開口部21b,22bが形成されている。
そして、ホルダ44と連通用筒部23との間には、ホルダ44の軸方向への移動を規制する図4に示す規制構造部50が設けられている。
この規制構造部50は、ホルダ44の第1保持部442に設けられた係合爪部51と、スクロールケース20に形成された係合溝52とを備えている。
すなわち、図3に示すように、ホルダ44の第1保持部442の環状板442aの外周の3箇所に、外径方向に突出した係合爪部51,51,51が形成されている。
なお、第2インテークボックス32も、同様の構成によりユニットハウジング1およびスクロールケース20に固定されている。
(組付手順)
まず、インテーク部2のユニットハウジング1への組付手順を説明する。
組付時には、スクロールケース20に、あらかじめブロワユニット40を組み付けておく。この場合、ホルダ44の係合爪部51が、連通用筒部23の挿入用凹部53と軸方向で重なるように配置した上で、ブロワユニット40を、スクロールケース20に対し、第1スクロール部21の開口部21bから、軸方向に挿入させる。そして、係合爪部51が挿入用凹部53の奥壁53aに当接したら、ホルダ44を周方向に回動させ、係合爪部51を係合溝52に配置させ、軸方向に係合させる。これにより、ブロワユニット40は、スクロールケース20に組付状態となる。なお、この組付状態で、図1に示すように、第1スクロール室21aに第1ファン41が配置され、第2スクロール室22aに第2ファン42が配置される。
なお、以上のようにして組み付けられた車両用空調装置Aは、図示を省略した車体に搭載され、車体に設けられたステアリングメンバやダッシュパネルにボルト止めされる。そして、この車両用空調装置は、図示を省略したインストルメントパネルで覆われる。
次に、両ファン41,42を回転させた場合を説明する。
モータ43を駆動させると、第1ファン41および第2ファン42が回転し、スクロールケース20の両端に設けられた各インテークボックス31,32に、内気あるいは外気が吸入され、スクロールケース20を介してユニットハウジング1に送られる。
ブロワユニット40に異常が生じた場合、本実施例1では、車両用空調装置Aを車体から取り外すことなく、ブロワユニット40を交換することができるもので、以下に、その手順を説明する。
まず、第1インテークボックス31をユニットハウジング1から取り外す。この場合、第1インテークボックス31をユニットハウジング1に固定する図示を省略したビスを外し、かつ、第1インテークボックス31に形成されたフックとスクロールケース20との係合を外して、第1インテークボックス31を、スクロールケース20から軸方向に取り外す。
この場合、まず、ホルダ44を、図4の矢印Sとは逆方向の周方向へ回動させ、係合爪部51を挿入用凹部53の位置まで移動させて係合溝52との係合を外し、その後、ブロワユニット40を第1スクロール部21の開口部21bから軸方向へ取り出す。
a)第1スクロール室21aと第2スクロール室22aとを、連通路60を介して常時連通させたため、両スクロール室21a,22aが常時同圧に保たれ、両スクロール室21a,22aの圧力差による両ファン41,42に負荷の差が生じることを防止できる。これにより、両ファン41,42の負荷が異なることを原因とする音や振動の発生を抑制できる。さらに、この振動が図外のステアリングに伝達される不具合も抑制できる。
このように、両スクロール室21a,22aを連通する連通路60を形成するのに、スクロールケース20に、両スクロール部21,22に連続した連通用筒部23を形成し、これを利用するようにしたため、連通路60を形成するための部品点数を抑えることが可能であり、これにより、コストダウンを図ることが可能である。
以下に、他の実施例について説明するが、これら他の実施例は、実施例1の変形例であるため、その相違点についてのみ説明し、実施例1あるいは他の実施例と共通する構成については同じ符号を付けることで説明を省略する。
すなわち、図5〜図7に示すように、ホルダ244は、モータ43の外周に装着される内筒部244aと、ホルダ244の外周に沿って円弧状に設けられた外筒部244bとを備え、両筒部244a,244bの間に、軸方向に連通路260が形成されている。
また、外筒部244bの軸方向両端部の外周には、第1フランジ244dと第2フランジ244eとが外径方向に立設されている。
そして、第1スクロール部221には、ホルダ244および第2ファン42を通過させることが可能な内径の第1開口部221kが開口され、第2スクロール部222には、第2ファン42を通過させることが可能な内径の第2開口部222kが開口されている。
よって、実施例1と同様に、両スクロール室21a,22aを常時同圧に保つことができる。
さらに、連通用筒部23にモータ43およびホルダ44を設置した状態で連通用空間23aの連通性を確保するのにあたり、本実施例1では、ホルダ44に連通用穴444を形成したが、これに限定されるものではない。すなわち、連通路60を、ホルダ44を貫通するように形成する他にも、ホルダ44の外周と連通用筒部23の内周との少なくとも一方に軸方向に凹凸を形成し、両者44,23の間に連通路を形成するようにしてもよい。あるいは、ホルダ44の本体部441の内周と、モータ43の外周との少なくとも一方に軸方向に凹凸を形成し、両者44,23の間に、連通路を形成するようにしてもよい。
2 インテーク部
20 スクロールケース
21 第1スクロール部
21a 第1スクロール室
22 第2スクロール部
22a 第2スクロール室
23 連通用筒部
40 ブロワユニット
41 第1ファン
42 第2ファン
43 モータ
44 ホルダ
60 連通路
444 連通用穴
A 車両用空調装置
Claims (4)
- ユニットハウジングに空気を取り入れるインテーク部と、
このインテーク部に設置され、モータの軸方向両側に第1ファンと第2ファンとが設けられたブロワユニットと、
前記第1ファンが収容され、送風を前記ユニットハウジングへ導く第1スクロール室、および、前記第2ファンが収容され、送風を前記ユニットハウジングへ導く第2スクロール室と、
を備えた車両用空調装置であって、
前記インテーク部に、前記第1スクロール室を形成する第1スクロール部と、前記第2スクロール室を形成する第2スクロール部と、前記第1スクロール部と前記第2スクロール部との間に連続して設けられ、
前記モータの外周に装着されたホルダを保持可能な大きさの筒状に形成されているとともに、前記第1スクロール室と第2スクロール室とを連通する連通用筒部と、を備えたスクロールケースが設けられ、
前記ホルダは前記モータの外周に装着された本体部と、前記本体部の軸方向両端部の外周に設けられた第1保持部及び第2保持部を備え、
前記ホルダは、前記連通用筒部の内周に前記第1保持部及び第2保持部の外周を当接させて支持され、
前記第1保持部及び第2保持部には前記ホルダの軸方向に貫通する連通用穴が形成され、
前記ホルダには前記連通用穴を有し且つ前記第1スクロール室と前記第2スクロール室とを連通させる連通路が形成されていることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記インテーク部に、前記第1スクロール室を形成する第1スクロール部と、
前記第2スクロール室を形成する第2スクロール部と、
前記第1スクロール部と前記第2スクロール部との間に連続して設けられ、
前記モータの外周に装着されたホルダを保持可能な大きさの筒状に形成されているとともに、前記第1スクロール室と第2スクロール室とを連通する連通用筒部と、を備えたスクロールケースが設けられ、前記連通用筒部と前記モータとの間に、前記連通路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記連通用筒部が、前記ブロワユニットを挿通可能な大きさに形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
- 前記インテーク部に、前記第1スクロール室を形成する第1スクロール部と、前記第2スクロール室を形成する第2スクロール部と、が独立して形成され、
前記モータの外周に装着されたホルダに、前記第1スクロール室と前記第2スクロール室とを連通させる前記連通路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
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