JP5178701B2 - 不感帯回避システム、不感帯回避装置及び不感帯回避方法 - Google Patents
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Description
この構成によれば、フィーダから区間に流入する電流が0の場合、又は、区間への供給電力量が区間からの消費電力量の所定比の範囲内である場合に、区間における供給電力量及び消費電力量がバランスしていると判定する。所定比の範囲の一例として、「区間からの消費電力量×0.7≦区間への供給電力量≦区間からの消費電力量×1.2」の場合に、バランスしていると判定してもよい。0.7は、単独運転検出機能のうち、受動的方式における有効電力が−40%(動作範囲の下限値)であるときの、インバータ出力(供給電力量)と、負荷量(消費電力量)との比率に相当する。1.2は、受動的方式における有効電力が17%(動作範囲の上限値)であるときの、上記の比率に相当する。
この構成によれば、フィーダにつながらない区間をなくし、フィーダから区間への潮流を確保することにより、配電系統の区間における不感帯を回避することができる。
この構成によれば、配電系統が複数のフィーダにつながっている場合に、各フィーダにつながる各区間のうち、少なくとも1つの区間において供給電力量及び消費電力量がバランスしていると判定したときに、開閉器の入切パターンを変更する処理を、すべての区間において供給電力量及び消費電力量がバランスしなくなるまで繰り返す。これによれば、配電系統のすべての区間において不感帯をなくし、分散型電源の単独運転を確実に検出できるようになる。
この構成によれば、配電系統の区間につながる分散型電源の供給電力と、負荷の消費電力とを事前に取得し、供給電力及び消費電力が平衡していると判定した場合に、開閉器の入切パターンを変更することによって、各区間における平衡状態をなくす。これによれば、事前に配電系統の区間における不感帯をなくし、分散型電源の単独運転を確実に検出できるようになる。
図1は、不感帯回避システム1の構成を示す図である。図1(a)は、配電系統PSの構成を示す。配電系統PSは、フィーダF1〜F4及び区間K1〜K5からなる。フィーダF1〜F4は、変電所に設置され、各区間K1〜K5に電力を供給する装置である。区間K1〜K5は、配電系統PSの配電線が複数の開閉器Si(i=1〜n、以下同様)によって区切られた最小単位の区間(単位区間)であり、フィーダF1〜F4のうち1のフィーダから、又は、1のフィーダにつながる他の区間を通じて電力の供給を受ける。そして、区間K1〜K5のうち、1又は複数の区間によって電気的に閉じた一連の有効区間が構成される。有効区間は、フィーダにつながる1の開閉器Siと、フィーダにつながらない1以上の開閉器Siとにより区切られる。
図2は、監視装置3の構成を示す図である。監視装置3は、通信部31、表示部32、入力部33、処理部34及び記憶部35を備える。通信部31は、ネットワークを介して開閉器Siや電力量計2と通信する部分であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。表示部32は、処理部34からの指示によりデータを表示する部分であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。入力部33は、オペレータがデータ(例えば、単位区間データ等)を入力する部分であり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。処理部34は、所定のメモリを介して各部間のデータの受け渡しを行うととともに、監視装置3全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部35は、処理部34からデータを記憶したり、記憶したデータを読み出したりするものであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置によって実現される。
図3及び図4は、監視装置3の記憶部35に記憶されるデータの構成を示す図である。図3(a)は、単位区間データ35Aの構成を示す。単位区間データ35Aは、配電系統PSにおける最小単位である単位区間に関するデータであり、単位区間ID35A1、開閉器ID35A2、電源負荷ID35A3及び電力規格35A4を含むレコードからなる。単位区間ID35A1は、単位区間に固有のIDであり、例えば、K1〜K5が設定される。開閉器ID35A2は、当該単位区間と、他の単位区間とを区切る開閉器Siに固有のIDであり、例えば、区間K1に対してはS1、S2及びS5が設定される。電源負荷ID35A3は、当該単位区間に連系する分散型電源DGiや負荷Liに固有のIDであり、例えば、区間K1に対してはDG1、DG2、L、L1及びL2が設定される。電力規格35A4は、電源負荷ID35A3に対応する分散型電源DGiの供給電力や負荷Liの消費電力の規格容量値であり、単位区間に分散型電源DGiや負荷Liが設置されたときに設定され、配電系統PSが稼動する前に各有効区間内で供給電力と消費電力がバランスしない(すなわち、供給電力≦消費電力×0.7が成り立つ)ように区間構成を調整するときに参照される。なお、区間構成の調整には、過去の特徴的なデータ(例えば、ピーク時間帯に計測した電力量のデータ等)を用いてもよい。
図5は、不感帯回避システム1の処理を示すフローチャートである。本処理は、監視装置3が、配電系統PSの状態を定期的に監視し、不感帯のある有効区間を検知した場合に、開閉器Siの入切のパターンを変更することにより、不感帯を回避するものである。
−40[%]=(インバータ出力[kW]−負荷量[kW])
/インバータ出力[kW]×100 ・・・式1
インバータ出力[kW]≒負荷量[kW]×0.7 ・・・式2
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。一例として、図5のS503〜S506の処理では、開閉器Siの入切パターンを以下のように選択してもよい。例えば、不感帯のある有効区間と、隣接する有効区間とを1つにしたときに供給電力量と、消費電力量とがバランスしなければ、その間の開閉器を入にする。また、不感帯のある有効区間が複数の単位区間からなる場合、その有効区間をフィーダに近い区間と、遠い区間とに分けたとき、近い区間においてバランスしなければ、その間の開閉器を切にして、遠い区間を別のフィーダに直結する区間であって、1つにしたときにバランスしない区間とつなげる。
2 電力量計(第1の計測装置、第2の計測装置)
3 監視装置(不感帯回避装置)
DGi 分散型電源
gi 供給する電力量(供給電力量)
Fi フィーダ
Ki 区間
L 負荷
Li 高圧負荷(負荷)
li 消費する電力量(消費電力量)
PS 配電系統
Si 開閉器(第3の計測装置)
si 電流
Claims (10)
- 配電系統に設置される開閉器のうち、入に設定された開閉器によりフィーダに電気的につながり、切に設定された開閉器により他と電気的に切り離されるとともに、分散型電源及び負荷が連系する区間において、単独運転検出装置が前記分散型電源の単独運転を検出できない不感帯を回避するシステムであって、
前記分散型電源が前記区間に供給する供給電力量を計測する第1の計測装置と、
前記負荷が前記区間から受電して消費する消費電力量を計測する第2の計測装置と、
前記フィーダから前記区間に流入する電流を計測する第3の計測装置と、
前記第1の計測装置が計測した前記供給電力量と、前記第2の計測装置が計測した前記消費電力量と、前記第3の計測装置が計測した前記電流とを取得し、取得した各計測値に基づいて、前記区間において前記供給電力量と、前記消費電力量とがバランスしていると判定した場合に、各開閉器の入切パターンを変更する監視装置と、
を備えることを特徴とする不感帯回避システム。 - 請求項1に記載の不感帯回避システムであって、
前記監視装置は、前記電流が0である場合、又は、前記供給電力量が前記消費電力量若しくは前記消費電力量の所定比の範囲内である場合に、前記区間において前記供給電力量及び前記消費電力量がバランスしていると判定する
ことを特徴とする不感帯回避システム。 - 請求項1に記載の不感帯回避システムであって、
前記監視装置は、前記配電系統において、無送電の区間及びループ送電の区間がないように前記開閉器の入切パターンを変更する
ことを特徴とする不感帯回避システム。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の不感帯回避システムであって、
前記監視装置は、前記配電系統が複数のフィーダにつながっている場合に、各フィーダにつながる前記区間のうち、少なくとも1つの区間において前記供給電力量及び前記消費電力量がバランスしていると判定したときに、前記開閉器の入切パターンを変更する
ことを特徴とする不感帯回避システム。 - 配電系統に設置される開閉器のうち、入に設定された開閉器によりフィーダに電気的につながり、切に設定された開閉器により他と電気的に切り離されるとともに、分散型電源及び負荷が連系する区間において、単独運転検出装置が前記分散型電源の単独運転を検出できない不感帯を回避する装置であって、
前記分散型電源の供給電力及び前記負荷の消費電力の規格値を取得する手段と、
取得した前記供給電力及び前記消費電力がバランスしていると判定した場合に、各開閉器の入切パターンを変更する手段と、
を備えることを特徴とする不感帯回避装置。 - コンピュータにより、配電系統に設置される開閉器のうち、入に設定された開閉器によりフィーダに電気的につながり、切に設定された開閉器により他と電気的に切り離されるとともに、分散型電源及び負荷が連系する区間において、単独運転検出装置が前記分散型電源の単独運転を検出できない不感帯を回避する方法であって、
前記コンピュータは、
前記分散型電源が前記区間に供給する供給電力量を取得するステップと、
前記負荷が前記区間から受電して消費する消費電力量を取得するステップと、
前記フィーダから前記区間に流入する電流を取得するステップと、
取得した各計測値に基づいて、前記区間において前記供給電力量と、前記消費電力量とがバランスしていると判定した場合に、各開閉器の入切パターンを変更するステップと、
を実行することを特徴とする不感帯回避方法。 - 請求項6に記載の不感帯回避方法であって、
前記コンピュータは、前記電流が0である場合、又は、前記供給電力量が前記消費電力量若しくは前記消費電力量の所定比の範囲内である場合に、前記区間において前記供給電力量及び前記消費電力量がバランスしていると判定する
ことを特徴とする不感帯回避方法。 - 請求項6に記載の不感帯回避方法であって、
前記コンピュータは、前記配電系統において、無送電の区間及びループ送電の区間がないように前記開閉器の入切パターンを変更する
ことを特徴とする不感帯回避方法。 - 請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の不感帯回避方法であって、
前記コンピュータは、前記配電系統が複数のフィーダにつながっている場合に、各フィーダにつながる前記区間のうち、少なくとも1つの区間において前記供給電力量及び前記消費電力量がバランスしていると判定したときに、前記開閉器の入切パターンを変更する
ことを特徴とする不感帯回避方法。 - コンピュータにより、配電系統に設置される開閉器のうち、入に設定された開閉器によりフィーダに電気的につながり、切に設定された開閉器により他と電気的に切り離されるとともに、分散型電源及び負荷が連系する区間において、単独運転検出装置が前記分散型電源の単独運転を検出できない不感帯を回避する方法であって、
前記コンピュータは、
前記分散型電源の供給電力及び前記負荷の消費電力の規格値を取得するステップと、
取得した前記供給電力及び前記消費電力がバランスしていると判定した場合に、各開閉器の入切パターンを変更するステップと、
を実行することを特徴とする不感帯回避方法。
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