JP5176374B2 - 電池パック - Google Patents

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Description

本発明は、電池パックに係り、更に詳細には、リチウムイオン二次電池のような非水電解質二次電池に適用される電池パックに関する。
近年、カメラ一体型VTR(Videotape recorder:ビデオテープレコーダ)、携帯電話又はラップトップコンピュータなどのポータブル電子機器が多く登場し、それらの小型化及び軽量化が図られている。それに伴い、ポータブル電子機器の電源として用いられる電池の需要が急速に伸びており、機器の小型軽量化実現のために、電池設計においても、軽量、薄型とし、且つ機器内の収容スペースを効率的に使うことが求められている。このような要求を満たす電池としては、エネルギー密度及び出力密度の大きいリチウムイオン二次電池が最も好適なことが知られている。
かかるリチウムイオン二次電池の開発においても、形状自由度の高い電池や、薄型大面積のシート型電池、薄型小面積のカード型電池などの実用化が望まれている。
これに対し、近年、アルミラミネートフィルム等のフィルム状外装材を用いて薄型の電池を作製することにより、上述のような薄型形状の電池を得ることが可能となることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
高見則雄,「超薄形アルミラミネート外装リチウムイオン電池」,東芝レビュー,株式会社東芝,2001年2月,Vol.56 No.2,p.10−13
図1に、非特許文献1に開示されている電池1の外観を示す。
この薄型電池1は、正極と負極とをセパレーターを介して積層し巻回して作製した扁平型の電池素子を、アルミラミネートフィルムで外装し、電池素子の周囲を封止して作製されたものである。
正極及び負極と接続された正極端子2a及び負極端子2bは、例えば薄型電池1の一辺から電池外部に導出されており、電池素子周囲の一辺を残して封止した後、封止していない開口から電解液を注液し、最後に正極端子2a及び負極端子2bの導出辺を封止することにより、上述のような薄型電池を得ることができる。
この薄型電池は、100μm程度の厚さを有するアルミラミネートフィルムを外装とするため、金属缶と比較して強度が弱く、このままの状態で電池パックとして用いるのは困難である。そこで、プラスチックから成るパック筐体に、ラミネートフィルムで外装した電池素子を収容し、両面テープなどによって強固に固定した電池パックが広く用いられている。また、この電池パックを落下させた際の耐性は、筐体の肉厚を厚くすることにより向上できることが知られている。
しかしながら、かかる従来の薄型電池においては、電池の表面と筐体の接着箇所が限られているため、落下高さがある程度の高さになると、電池素子そのものにダメージは無くとも、軟質の電池外装に加重が集中して断裂したり、金属層にピンホールが発生し樹脂層を透過して内部に水分が浸入することがある。
この場合、パック外観に変形等が無く機器に装着して使用できても、外装が断裂していると、大気中の水分が電極や電解質と反応し有害なガスが発生し続け、ピンホールだけのときでも、充電時に浸入水分が一気に反応してガス化することにより、電池パックが異常に膨れ、携帯機器を破損する虞がある。
また、パック筐体を製作する際、プラスチックの薄肉成型の技術的限界や強度確保のため、おおよそ300μm以上の肉厚が必要となり、収容できる電池体積を大きくすることが困難であった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軟質外装材への加重集中を抑制して落下後の信頼性や安全性を高め、軽微な落下時には変形などに耐え得る強度を兼ね備えつつ、万が一軟質外装材に損傷が生ずるような衝撃時には、引き続き対象機器への装填や充電が不可能なような認知性に優れ、且つ収容できる電池素子体積を最大限に拡大できる体積効率に優れた電池パックを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、軟質外装材と硬質外装材との接合状態を適切に制御し、所定の範囲にすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1の電池パックは、
正極と負極をセパレータを介して巻回又は積層して成り、このセパレータと上記正極及び上記負極の少なくとも一方の間に配置された高分子支持体と、非水電解質組成物を有する電池素子と、
熱接着層、金属層及び外装層を順次積層した構造を有するラミネートフィルムから成り、上記電池素子を外装する軟質外装材と、を有し、
上記正極と負極の電極端子を外部に導出したまま、上記電池素子の周囲に沿って上記軟質外装材を封止して成る非水電解質二次電池と、
熱接着層、金属層及び外装層を順次積層した構造を有するラミネートフィルムから成り、上記非水電解質二次電池を上記軟質外装材ごと外装する硬質外装材と、
この硬質外装材に収容され上記非水電解質二次電池の電圧及び電流を制御可能な保護回路基板と、を備え、
上記電池素子と上記軟質外装材とが密着しており、
上記軟質外装材と上記硬質外装材とが接合しており、その接着強度が大気圧以上で、且つ剥離強度が上記軟質外装材が破断する強度以下であ
上記接着強度が0.1MPa以上で、且つ上記剥離強度が5.0N/mm以下であり、
上記軟質外装材の上記外装層が融けず且つ上記硬質外装材の上記熱接着層が融けることにより、上記軟質外装材と上記硬質外装材とが接合している、ことを特徴とする。
また、本発明の第2の電池パックは、
正極と負極をセパレータを介して巻回又は積層して成り、このセパレータと上記正極及び上記負極の少なくとも一方の間に配置された高分子支持体と、非水電解質組成物を有する電池素子と、
熱接着層、金属層及び外装層を順次積層した構造を有するラミネートフィルムから成り、上記電池素子の主要部を外装する軟質外装材と、
熱接着層、金属層及び外装層を順次積層した構造を有するラミネートフィルムから成り、上記電池素子の残部と上記軟質外装材を外装する硬質外装材と、を有し、
上記正極と負極の電極端子を外部に導出したまま、上記電池素子の周囲に沿って上記軟質外装材と上記硬質外装材とを接合させて上記電池素子を封止して成る非水電解質二次電池と、
上記硬質外装材に収容され上記非水電解質二次電池の電圧及び電流を制御可能な保護回路基板と、を備え、
上記電池素子と上記軟質外装材とが密着しており、
上記電池素子の周囲以外の部分において、上記軟質外装材と上記硬質外装材とが接合しており、その接着強度が大気圧以上で、且つ剥離強度が上記軟質外装材が破断する強度以下であ
上記接着強度が0.1MPa以上で、且つ上記剥離強度が5.0N/mm以下であり、
上記軟質外装材の上記外装層が融けず且つ上記硬質外装材の上記熱接着層が融けることにより、上記軟質外装材と上記硬質外装材とが接合している、ことを特徴とする。
本発明によれば、軟質外装材と硬質外装材との接合状態を適切に制御し、所定の範囲にすることとしたため、軟質外装材への加重集中を抑制して落下後の信頼性や安全性を高め、軽微な落下時には変形などに耐え得る強度を兼ね備えつつ、万が一軟質外装材に損傷が生ずるような衝撃時には、引き続き対象機器への装填や充電が不可能なような認知性に優れ、且つ収容できる電池素子体積を最大限に拡大できる体積効率に優れた電池パックを提供することができる。
以下、本発明の電池パックにつき図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書において、濃度、含有量及び配合量などのついての「%」は、特記しない限り質量百分率を表すものとする。
(実施形態1)
この実施形態では、外装材として4層構造の硬質ラミネートフィルムを用いる構成について説明する。
図2に、本発明の電池パックの一実施形態を表すリチウムイオンポリマー二次電池の電池パックの外観を示す。この電池パック40は、硬質外装材としての硬質ラミネートフィルム41に、非水電解質二次電池の一例であるリチウムイオンポリマー電池を収容し、両端開口部に樹脂成型カバーであるトップカバー42及びリアカバー43を嵌合したものであり、必要に応じて製品ラベル46が配設されている。
ここで、この実施形態1及び次の実施形態2では、電池素子を軟質外装材である軟質ラミネートフィルムで外装したものを電池、電池を硬質ラミネートフィルム41で外装したものを電池アセンブリ、電池アセンブリに回路基板を接続し、トップカバー42及びリアカバー43を嵌合した、図2のような構成のものを電池パックと称することにする。
図3に、電池パック40の構成を示す。電池パック40は、電池素子が軟質ラミネートフィルムで外装された電池50と、回路基板44と、トップカバー42及びリアカバー43から構成されており、電池50が硬質ラミネートフィルム41で被覆されている。
トップカバー42は、正極及び負極が導出されるトップ部に設けられ、電池アセンブリの開口部に嵌合される樹脂成型カバーである。また、リアカバー43は、電池のボトム部に設けられ、電池アセンブリ45の開口部に嵌合される樹脂成型カバーである。
トップカバー42及びリアカバー43は、電池アセンブリ45の開口部に嵌合した後、熱融着等で電池アセンブリ45に接着される。トップカバー42は、上部ホルダー42a及び下部ホルダー42bが嵌合されてなり、上部ホルダー42aと下部ホルダー42bとの間には回路基板44が配置される。
回路基板44は、保護回路が予めマウントされており、電池50から導出された正極端子及び負極端子と保護回路とが抵抗溶接、超音波溶接等で接続されている。保護回路は、PTC素子(Positive Temperature Coefficient;熱感抵抗素子)、サーミスタ等、電池が高温となった場合に電池の電流回路を遮断する温度保護素子を有する。
なお、この電池パック40は、図示しない電気機器との接続端子を有しており、トップカバー42には、電気機器との接続端子を露出させた端子窓が設けられている。l
次に、電池素子について説明する。
図4は、この電池パック45に用いる電池素子59の構成を示す。
この電池素子59は、帯状の正極51と、セパレータ53aと、正極51に対向して配された帯状の負極52と、セパレータ53bとを順に積層し、長手方向に巻回されており、図示しないゲル状電解質が正極51及び負極52の両面に塗布されている。
また、電池素子59からは、正極51と接続された正極端子55a及び負極52と接続された負極端子55bが導出されており、正極端子55a及び負極端子55bのそれぞれの両面には後に外装するラミネートフィルムとの接着性を向上させるために樹脂片56a及び56bが被覆されている。なお、電解液を用いる場合は、後に電解液の注液工程を設ける。
以下、電池素子59を構成する材料について詳しく説明する。
[正極]
正極51は、正極活物質を含有する正極活物質層51aが、正極集電体51bの両面上に形成されてなる。正極集電体51bとしては、例えばアルミニウム(Al)箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層51aは、例えば正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して成る。これらを均一に混合して正極合剤とし、この正極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状にする。次いで、このスラリーをドクターブレード法等により正極集電体51b上に均一に塗布し、高温で乾燥させて溶剤を飛散させることにより形成することができる。
なお、正極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤は、均一に分散していればよく、その混合比は問われない。
正極活物質としては、LiMO(式中のMは、少なくとも1種の遷移金属を示し、xは、電池の充放電状態によって異なり、通常0.05〜1.10である)を主体とする、リチウムと遷移金属との複合酸化物が用いられる。リチウム複合酸化物を構成する遷移金属としては、コバルト(Co),Ni,マンガン(Mn)等が用いられる。
このようなリチウム複合酸化物として、具体的には、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiNiCo1−y(0<y<1)等が挙げられる。
また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能である。LiNi0.5Co0.5、LiNi0.8Co0.2等がその例として挙げられる。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れたものである。さらに、正極活物質としてTiS、MoS、NbSe、V等のリチウムを有しない金属硫化物又は酸化物を使用してもよい。
また、導電剤としては、例えばカーボンブラックやグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。また、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等が用いられる。また、溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン等が用いられる。
正極51は、集電体の一端部にスポット溶接又は超音波溶接で接続された正極端子55aを有している。この正極端子55aとしては、金属箔や網目状のものが望ましいが、電気化学的及び化学的に安定であり、導通がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。
正極端子55aの材料としては、例えばAl等が挙げられる。
[負極]
負極52は、負極活物質を含有する負極活物質層52aが、負極集電体52bの両面上に形成されてなる。負極集電体52bとしては、例えば銅(Cu)箔,Ni箔及びステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層52aは、例えば負極活物質と、必要であれば導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。これらを均一に混合して負極合剤とし、この負極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状にする。次にこのスラリーをドクターブレード法等により負極集電体52b上に均一に塗布し、高温で乾燥させて溶剤を飛散させることにより負極活物質層52aが形成される。ここで、負極活物質、導電剤、結着剤及び溶剤は、均一に分散していればよく、その混合比は問われない。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金又はリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料又は金属系材料と炭素系材料との複合材料が用いられる。
具体的に、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料としては、グラファイト、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素等が挙げられ、より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等の炭素材料を使用することができる。更に、リチウムをドープ、脱ドープできる材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO等の酸化物を使用することができる。
また、リチウムを合金化可能な材料としては多様な種類の金属等が使用可能であるが、スズ(Sn)、コバルト(Co)、インジウム(In)、Al、ケイ素(Si)及びこれらの合金がよく用いられる。金属リチウムを使用する場合は、必ずしも粉体を結着剤で塗布膜にする必要はなく、圧延したLi金属板でも構わない。
結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム等が用いられる。また、溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、メチルエチルケトン等が用いられる。
負極52も正極51と同様に、負極集電体52bの一端部にスポット溶接又は超音波溶接で接続された負極端子55bを有している。この負極端子52bは金属箔、網目状のものが望ましいが、電気化学的及び化学的に安定であり、導通がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。負極端子52bの材料としては、例えば銅、Ni等が挙げられる。
なお、正極端子55a及び負極端子55bは同じ方向から導出されていることが好ましいが、短絡等が起こらず電池性能にも問題がなければ、どの方向から導出されていても問題はない。また、正極端子55a及び負極端子55bの接続箇所は、電気的接触がとれているのであれば取り付ける場所、取り付ける方法は上記の例に限られない。
ここで、電池素子における高分子支持体層などを詳細に説明すべく、図23に上述の電池素子の断面構造を模式的に示す。
図23は、図4に示す電池素子と同じ構造を有する電池素子の断面構造を示すものである。
同図において、電池素子20は、正極21と負極22とが非水電解質を保持した高分子支持体層23及びセパレータ24を介して対向して位置し、巻回されているものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。
高分子支持体層23は、イオン伝導性を有し、非水電解質(例えば非水電解液)を保持することが可能である。図23に示す例において、この高分子支持体層23は、セパレータ24に密着ないし接着しているが、セパレータ24と正極21、セパレータ24と負極22のように、セパレータと電極とに密着ないし接着していてもよいし、セパレータに密着ないし接着せず、正極21又は負極22のいずれか一方又は両方にのみ密着ないし接着していてもよい。
ここで、「密着」とは、高分子支持体層23とセパレータ24や正極21、負極22とが、所定の力を加えなければ互いに相対的に移動しない程度まで隙間なく接していることをいう。
高分子支持体層23とセパレータ24と、又は高分子支持体層23と正極や負極とが密着ないし接着していることにより、高分子支持体層23が非水電解液を保持しゲル状の非水電解質層となった状態において、正極21又は負極22とセパレータ24とがこの非水電解質層を介して接着された状態となる。この接着の程度は、例えば、正極21及び負極22のうち活物質層が設けられておらず集電体が露出している露出部とセパレータとの剥離強度が5mN/mm以上となる程度が好ましい。なお、剥離強度は、集電体を支持台上に配置し、10cm/分の速度で180゜方向に引っ張り、セパレータから集電体を剥離して、引っ張り始めてから6秒から25秒の間に、剥離するのに必要とされた力の平均値である。
かかる密着ないし接着により、本発明の電池パックにおける電池素子では、電池反応に実質的に関与しない余剰の非水電解液を低減することができ、非水電解液が電極活物質の周囲に効率よく供給される。従って、本発明の電池パックは、非水電解液量が従来よりも少量であっても優れたサイクル特性を発揮し、また、使用する非水電解液量が少量であるので耐漏液性にも優れることになる。
上記の高分子支持体層を構成する高分子支持体としては、非水電解液を保持してイオン伝導性を発揮する限り特に限定されるものではないが、アクリロニトリルの共重合量が50%以上、特に80%以上のアクリロニトリル系重合体、芳香族ポリアミド、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリレート又はメタクリレートの単独重合体又は共重合体よりなるアクリル系重合体、アクリルアミド系重合体、フッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー、ポリスルホン、ポリアリルスルホン等を挙げることができる。特にアクリロニトリルの共重合量が50%以上の重合体はその側鎖にCN基を有しているため誘電率が高く、イオン伝導性の高い高分子ゲル電解質を作れる。
これら重合体に対する非水電解液の担持性向上やこれら重合体よりの高分子ゲル電解質のイオン伝導性を向上させるため、アクリロニトリルとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のビニルカルボン酸、アクリルアミド、メタクリルスルホン酸、ヒドロキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、各種(メタ)アクリレート等を好ましくは50%以下、特に20%以下の割合で共重合したものも用いることができる。
また、芳香族ポリアミドは、高耐熱性ポリマーであることより、自動車用バッテリーの如く高耐熱性が要求される高分子ゲル電解質が求められる場合には好ましい高分子重合体である。また、ブタジエン等を共重合せしめ架橋構造を有する重合体も用い得る。
特に、構成成分としてフッ化ビニリデンを含む重合体、即ち単独重合体、共重合体及び多元共重合体が好ましく、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、及びポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PVdF−HEP−CTFE)を挙げることができる。
[電解質]
電解質、即ち非水電解質組成物は、リチウムイオン電池に一般的に使用される電解質塩と非水溶媒が使用可能である。
非水溶媒としては、具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、及びこれらの炭酸エステル類の水素をハロゲンに置換した溶媒等が挙げられる。
これらの溶媒については、その1種を単独で用いてもよいし、複数種を所定の組成で混合してもよい。
電解質塩としては、上記非水溶媒に溶解するものが用いられ、カチオンとアニオンが組み合わされてなる。カチオンにはアルカリ金属やアルカリ土類金属が用いられる。アニオンには、Cl,Br,I,SCN,ClO ,BF ,PF ,CFSO 等が用いられる。
具体的には、LiPF、LiBF、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiClO等が挙げられる。電解質塩濃度としては、上記溶媒に溶解することができる濃度であれば問題ないが、リチウムイオン濃度が非水溶媒に対して0.4mol/kg以上、2.0mol/kg以下の範囲であることが好ましい。
ゲル状電解質を用いる場合は、電解質及び電解塩を混合した電解液をマトリクスポリマでゲル化することでゲル状電解質を得る。
マトリクスポリマは、非水溶媒に電解質塩が溶解されてなる非水電解液に相溶可能であり、ゲル化できるものであればよい。
このようなマトリクスポリマとしては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリルを繰り返し単位に含むポリマーが挙げられる。このようなポリマーについては、その1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
[セパレータ]
セパレータは、例えばポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料から成る多孔質膜、又はセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンの多孔質フィルムが最も有効である。
一般的にセパレータの厚みは5〜50μmが好適に使用可能であるが、7〜30μmがより好ましい。セパレータは、厚すぎると活物質の充填量が低下して電池容量が低下するとともに、イオン伝導性が低下して電流特性が低下する。逆に薄すぎると、膜の機械的強度が低下する。
[電池の作製]
上述のようにして作製したゲル状電解質溶液を正極51及び負極52に均一に塗布し、正極活物質層51a及び負極活物質層52aに含浸させた後、常温で保存するか又は、乾燥工程を経てゲル状電解質層を形成する。次いで、ゲル状電解質層を形成した正極51及び負極52を用い、正極51、セパレータ53a、負極52、セパレータ53bの順に積層して巻回し、電池素子59とする。
なお、本発明においては、上述の積層・巻回より前に、高分子支持体層をセパレータ53a上に形成する。高分子支持体層をセパレータ53aに形成する手法としては、セパレータ53aの表面に高分子支持体を含有する溶液を塗布してその溶媒を除去する手法、及び別途形成した高分子支持体層をセパレータ53a表面に密着固定する手法が挙げられる。
高分子支持体を含有する溶液をセパレータ53a表面に塗布する手法としては、セパレータを高分子支持体含有溶液に浸漬する手法、Tダイ押出法等により供給塗布する手法、スプレー法・ロールコーター・ナイフコーター等により溶液を基材表面に塗布する手法などが挙げられる。
溶媒を除去する脱溶媒処理の手法としては、乾燥除去する手法、高分子支持体の貧溶媒に浸漬して溶媒を抽出除去した後、貧溶媒を乾燥除去する手法、又はこれらの組合せによる手法等を用いることができる。
別途形成した高分子支持体層をセパレータ53aの表面に密着固定させる手法としては、接着剤により接着することも可能であるが、この場合、使用する電解液の種類(酸、アルカリ、有機溶剤など)に応じて接着剤を適当に選定する必要があり、また目詰まりを生じないようにする必要がある。
また、セパレータ上に形成された高分子支持体層を密着させる手法としては、ゲル転移点以上の温度による熱融着が挙げられる。特に、熱ロール圧縮等の加圧しながらの熱融着が好ましい。
本発明では、六フッ化リン酸リチウムなどの電解質塩と、エチレンカーボネートなどの非水溶媒を含む非水電解液を準備し、これを軟質外装材製の筐体などに収納した巻回電極体に注入することにより、非水電解液を高分子支持体層に保持させることができる。なお、この場合、ゲル状電解質溶液を正極51及び負極52に塗布することは不要である。
このように高分子支持体層を形成し収納した後に、電解液を膨潤させて電解質を形成する手法では、高分子支持体を形成する原料となる前駆体や溶媒を予め除去し電解質内にほとんど残さないようにすることができ、また、高分子支持体形成工程を良好に制御できる。そのため、セパレータや正極、負極と、高分子支持体層とを、密着させることが可能である。
次いで、電池素子59を軟質ラミネートフィルム57にて外装し成型することにより、図5で示すような電池50を作製する。
ここで、軟質ラミネートフィルム57としては、図6で示す構成のラミネートフィルムを用いることができる。軟質ラミネートフィルム57は、符号61で示される金属箔が、樹脂フィルムから成る外装層62及び樹脂フィルムから成る熱接着層(以下、シーラント層と適宜称する)63に挟まれた、防湿性、絶縁性を有する多層フィルムから成る。
なお、外装層62、金属箔61、シーラント層63の厚みは、特に限定されるものではないが、それぞれ15μm程度、35μm程度、30μm程度である。
金属箔61は、外装材の強度向上の他、水分、酸素、光の進入を防ぎ内容物を守る最も重要な役割を担っており、ステンレスやニッケルメッキを施した鉄等を材料として適宜用いることができるが、軽さ、伸び性、価格、加工のしやすさからアルミニウム(Al)が最も好適であり、特に8021O又は8079O等のアルミニウムを用いるのが好ましい。
また、金属箔61と外装層62及びシーラント層63のそれぞれは接着剤層64及び65を介して貼り合わされている。
上記外装層62やシーラント層63が金属との熱接着性を有している場合や、金属表面に上記外装層62やシーラント層63との熱接着が可能な下地層を形成する場合は上記接着剤層64は省略が可能である。
外装層62には、外観の美しさや強靱さ、耐熱性、柔軟性などから、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド及びポリエステル、具体的には、ナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が用いられ、これらから複数種類選択して用いることも可能である。
また、シーラント層63は、熱や超音波で融け、互いに融着する部分であり、ポリエチレン(PE)、無延伸ポリエチレン(CPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(Ny)の他、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が使用可能であり、これらから複数種類選択して用いることも可能である。
ラミネートフィルムの最も一般的な構成は、外装層/金属箔/シーラント層=Ny/Al/CPPである。また、この組み合わせばかりでなく、以下に示すような他の一般的なラミネートフィルムの構成を採用することができる。
即ち、外装層/金属膜/シーラント層=Ny/Al/PE、PET/Al/CPP、PET/Al/PET/CPP、PET/Ny/Al/CPP、PET/Ny/Al/Ny/CPP、PET/Ny/Al/Ny/PE、Ny/PE/Al/LLDPE、PET/PE/Al/PET/LDPE、又はPET/Ny/Al/LDPE/CPPとすることができる。なお、金属箔としてはAl以外の金属を採用することができることは勿論である。
図7に示すように、軟質ラミネートフィルム57は深絞りにより凹部57aを形成し、この凹部57aに電池素子59を収容した後、さらに軟質ラミネートフィルム57が凹部57aの開口部を覆うようにする。
次いで、電池素子59の周辺部の三辺を減圧下で熱融着することにより封止して、電池50とする。かかる減圧下での熱融着によって、電池素子59は、軟質ラミネートフィルム57と密着する。
電解液を用いた電池の場合は、このときに電解液を注液する。まず、電池素子の周辺部の2辺を熱融着した後、残る開口部から所定量の電解液を注液し、最後にこの開口部を熱融着することにより、電池が得られる。
電池50は、後の製造工程を考慮して、トップ部の不必要な部分をトリミングにより削除してもよい。図8A及び図8Bに示すように、参照符号Pの線に沿ってトリミングを施すことにより、例えばトップカバーと軟質ラミネートフィルムとの干渉を減少させることができる。
[電池アセンブリの作製]
このようにして作製した電池を、硬質ラミネートフィルムで外装し、電池アセンブリを作製する。まず、硬質ラミネートフィルムの構成について説明する。
図9に示すように、硬質ラミネートフィルム41は、符号71で示される金属箔が、樹脂フィルムから成る外装層72及び樹脂フィルムから成るシーラント層73に挟まれ、更にシーラント層73の下に接着層74を有する、防湿性、絶縁性を有する多層フィルムからなる。なお、本実施形態では、シーラント層73と接着層74とで、ナイロン等に対して熱接着性を有する熱接着層(複合接着層)を形成している。
硬質ラミネートフィルム41において、外装層72、金属箔71、熱接着層(シーラント層73+接着層74)の厚みは、特に限定されるものではないが、それぞれ115μm以下、330μm以下、25〜50μm程度(シーラント層)、1〜5μm程度(接着層)である。
得られる強度を確保するため材質を硬質としているが、外装層72の厚みを115μm以下、金属箔71の厚みを330μm以下としたのは、熱伝導の抵抗が増大しないようにするためである。
金属箔71としては、硬質の金属材料が用いられ、アルミニウムやステンレス、又は銅、チタン、ブリキ、トタン、ニッケルメッキを施した鉄等を材料として適宜用いることができる。中でも、アルミニウム(Al)及びステンレス(SUS)が最も好適であり、特に3003−H18、3004−H18、1N30−H18等のアルミニウム又はSUS304やSUS430等のステンレスを用いるのが好ましい。
外装層72には外観の美しさや強靱さ、耐熱性、柔軟性などからナイロン(Ny)、又はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が用いられ、これらから複数種類選択して用いることも可能である。
シーラント層73は、熱や超音波で溶け、互いに融着する部分であり、ポリエチレン(PE)、無軸延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(Ny)の他、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が使用可能であり、これらから複数種類選択して用いることも可能である。
熱接着層74は、別に接着用部材を設けることなく、軟質ラミネートフィルム57で外装された電池50と硬質ラミネートフィルム41とを接着するためのものである。
熱接着層74としては、軟質ラミネートフィルム57の外装層として用いられるNy,PET、PEN等との接着性に優れ、その溶融温度が電池素子に影響を与えない程度である樹脂材料が用いられる。また、熱接着層74は、シーラント層73に用いる材料よりも低い融点の樹脂材料を用いる。
具体的には、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレンアクリル酸コポリマー、アクリル酸エチルコポリマー、アクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、酸変成したポリプロピレン、アイオノマーが使用可能であり、これらから複数種類選択して用いることも可能である。これら材料は、ホットメルト剤、フィルム又は耐候性の粘着剤として用いることができる。
シーラント層73は、後にトップカバー42及びリアカバー43を熱融着する際に融着層として用いられる。このため、トップカバー42及びリアカバー43と接着性のよい樹脂材料が選択される。また、硬質ラミネートフィルム41を電池50に接着する際のクッション機能も有する。
即ち、電池50の外装材である軟質ラミネートフィルム57と硬質ラミネートフィルム41を、熱接着層74を介して熱融着する際、ラミネートフィルムそれぞれが表面に微細な凹凸を有していることから接着性が良好でないことがある。25〜50μm程度の厚さを有するシーラント層73が設けられていることにより、シーラント層73がクッションの役割を果たし、表面の微細な凹凸を有するラミネートフィルム同士を良好に接着させることができる。
ここで、本発明の特徴をなす軟質外装材と硬質外装材との接合状態について説明する。
上述のように、本発明の電池パックにおいては、軟質外装材と硬質外装材とが接合しており、その接着強度が大気圧以上で、且つ剥離強度が軟質外装材が破断する強度以下となっている。
接着強度が大気圧未満である場合には、硬質外装材である硬質ラミネートフィルムが何らかの要因によって、電池本体との間に引き剥がし応力が発生すると、容易に剥がれ落下時の屈曲などの応力に対し、単独で受け止めなくてはならず、挫屈などを起こしやすい。具体的には、接着強度が0.1MPa以上であることが好ましく、0.1〜0.5MPaであることがより好ましく、0.2〜0.4MPaであることが更に好ましい。
また、剥離強度が軟質外装材が破断する強度を超える場合には、硬質外装材である硬質ラミネートフィルムが何らかの要因によってはがされようとするときに、軟質外装材である軟質ラミネートフィルムが引っ張られて破断したり、破断せずとも金属層に亀裂やピンホールが発生してしまうことがある。具体的には、剥離強度が5N/mm以下であることが好ましく、1〜5N/mmであることがより好ましく、2〜4N/mmであることが更に好ましい。
このような範囲とするには、例えば、軟質外装材と硬質外装材とを接合するに当たり、軟質外装材の外装層が融かさず且つ硬質外装材の接着層を融かせばよい。具体的には、軟質ラミネートフィルム57と硬質ラミネートフィルム41とが接着しているが、軟質ラミネートフィルム57の外装層62が融けておらず、且つ硬質ラミネートフィルム41の熱接着層(シーラント層73+接着層74)が融けた状態とすればよい。
しかしながら、上述の範囲であれば、このような接合状態に限定されるものではない。
このような範囲の接着強度と剥離強度を示す接合状態とすることにより、電池パックが落下などにより衝撃を受け、硬質ラミネートフィルム57と軟質ラミネートフィルム41との間に剥離応力が過大にかかった際に、軟質ラミネートフィルム41が伸ばされ、ピンホールや破れを発生してしまう前に、硬質ラミネートフィルム57が外れる程度の強度にすることができる。また、軽い応力がかかった際にも大気圧と軟質ラミネートフィルム41の引っ張り強度により、硬質ラミネートフィルム57が電池素子と一体化し変形に耐えることができる。
これにより、本発明の電池パックは、適切な強度を有し、軟質外装材がダメージを受けない程度の落下時にはパック外観に欠陥を与えることなく連続使用を可能とし、且つ軟質外装材がダメージを負うような落下時には硬質外装が優先的に剥離ないしは外れ、使用不可能なことが視認できるので、軟質外装の破損よるガス発生や機器を破壊するような電池膨れを未然に防止し得る電池パックを実現するものである。
次に、上述のような接合状態を実現できる軟質外装材と硬質外装材との関係などについて説明する。
まず、互いに同種の材料を接合する場合は一般的に強度を強くでき、異種材料とすれば強度を一定レベル以下にすることが可能である。
また、接着対象の溶融温度よりも低い温度で溶融する材料を熱接着層として選択し、接着対象が溶融しない温度とすることで接着強度を所定のレベル以下にコントロールすることも可能である。
本発明では、これらの技術を組み合わせ、軟質外装材の外装層の材料を例えばナイロンなど耐熱性のものとし、ナイロンが溶融しない温度で溶融して接着力を発現するナイロンと異なる材料である無延伸のポリプロピレンやEVAなどの材料を硬質外装材の熱接着層として配置することを骨子とし、上述のように、電池パックの落下時などこれら層間に剥離応力が過大にかかった際に、軟質外装材のラミネートフィルムが伸ばされ、ピンホールや破れに至ってしまう前に、硬質外装材が外れる程度の強度にとどまるようにしている。
上述のことより、本発明では、軟質外装材の外装層を硬質外装材の熱接着層とは異なる材料とし、且つポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド又はポリエステル及びこれらの組み合わせに係る樹脂材料を延伸した延伸樹脂を、単独又は組み合わせて用いることが好ましい。
なお、異種材料間や、片側の材料のみを溶融させる場合は接着が始まる温度と両材料が溶融してしまう温度との差が狭くなる傾向にある。これは、電池自体がヒートシンクであり電池が熱を奪い続ける限り、溶融する熱接着層が一定の温度に保たれることが困難だからである。
また、電池パックの製造に当たりヒーターの温度を調整した場合でも同様である。
接合時にシール界面を理想の温度に保持するには、加熱部からシール界面までに十分に速い熱伝達を実現することが必要で、且つ界面以降はある程度遅い熱伝達とし、蓄熱し易くなるようにすることが好ましい。
本発明においては、硬質外装材の外装層と金属層を積層した状態での面積当たりの熱伝導率を1000Wm-2-1以上にすることが好ましく、これにより、熱接着層に十分な熱量を供給することができる。
また、接合、具体的には熱溶着で用いる熱源に対し、シール界面、即ち硬質外装材の熱接着層と軟質外装材の外装層との界面より電池素子側では、熱伝導率1Wm -1 -1 以下の材料を配置することで、シール界面を一定温度に保持することができる。
特に、硬質外装材の外装層の熱伝導が良くないため、面積当たりの熱伝導量が1050Wm-2-1以上の外装層を100μm以下の厚みを目安に選択し、面積当たりの熱伝導量が50000Wm-2-1以上の硬質金属層を330μm以下の厚みを目安に選択し、両者を組み合わせることが望ましい。
以上のようなことから、本発明では、硬質外装材の外装層を構成する材料として、ポリアミド(延伸した6ナイロン等)、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリオレフィン(延伸したポリプロピレン、延伸ポリエチレン等)などを用いるのが好適である。
なお、シール界面より電池素子側では、軟質外装材の外装層を熱伝導率1Wm -1 -1 以下とすることで更にシール界面の熱量調整し易くなる。また、硬質外装材の熱接着よりも溶融温度が高い材料を軟質外装材の外装層として選択することが好ましい。
このような軟質外装材の外装層を構成する材料としては、ポリアミド(延伸した6ナイロン等)、ポリエステル(ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリオレフィン(延伸したポリプロピレン、延伸ポリエチレン等)が好適である。
以上のような選択を行うことにより、本発明では、軟質外装材と硬質外装材やその複合層との密着性、一体化が実現される。
ここで、再度図面を参照して電池アセンブリの製法について説明すると、上述のような硬質ラミネートフィルム41から成る外装材を、電池50に接着する。
まず、図10Aに示すように、電池50を包みこむようにして硬質ラミネートフィルム41を曲げ、電池50の上面で硬質ラミネートフィルム41の端部が合うようにする。
次いで、電池50の上面及び底面からヒータブロックをあて、熱接着層74の樹脂材料が溶融する程度の温度で加圧しながら加熱する。樹脂材料は溶融して接着剤となり、硬質ラミネートフィルム41と電池50とを接着する。この際、軟質ラミネートフィルム57と硬質ラミネートフィルム41との接着強度が大気圧以上且つ剥離強度が軟質ラミネートフィルム57が破断する強度以下となるように接合する。例えば軟質ラミネートフィルム57の外装層62が溶融しないようにする。これにより、断面を図10Bに示す電池アセンブリ45が作製される。
ヒータブロックの温度は熱接着層74の樹脂材料により変化するが、熱接着層の樹脂材料の溶融温度以上であり、軟質ラミネートフィルム57の外装層62を構成する材料の溶融温度よりも低い温度とする。これにより、軟質ラミネートフィルム57の外装層62を構成する樹脂材料を溶融させることなく接着することができる。
なお、粘着剤などによっても接合ないし接着させることができるが、熱を加えた接合の方が、連続的にかかる引き剥がし応力に対する耐性を高くできる。
また、加熱温度が120℃を超える場合、電池素子に影響を与えることが考えられる。
例えば、電池素子に用いられるセパレータは、ポリエチレン(PE)を用いることが多いが、PEの融点が120℃程度であることから安全性や電池機能の低下を引き起こすことが考えられる。これより、ヒータブロックの温度は、110℃程度を上限として加熱する。
なお、上述のように、本実施形態では、電池素子59を軟質ラミネートフィルム57に封入する際に脱気を行っており、この結果、電極とセパレーター間を大気圧の力で固定されるので、電池素子59全体を構造体して一体感のあるものとしている。
更に、電極、セパレーター間を固体状の非水電解質で連結させることによって、落下の衝撃に対し、電池素子の巻きズレや積層ズレといった現象が起こりにくい構造体に強化することができる。
更にこれら素子を封止する際に脱気することで、軟質ラミネートフィルム57は大気圧により電池素子59に密着して固定され、単体時よりも外的な応力に強い耐性を得る。
また、本実施形態では、軟質ラミネートフィルムと硬質ラミネートフィルムを大気圧よりも強い接着強度で接合させることが可能であり、大気に打ち勝つので、軟質ラミネートフィルムが電池素子から浮き上がるような引き剥がし荷重が、硬質ラミネートフィルムにかからないような条件下では、硬質ラミネートフィルムも大気圧によって軟質ラミネートフィルム及び電池素子と一体化し、軽い落下時の挫屈などに対し耐性のある電池パック筐体として機能できる。
なお、硬質ラミネートフィルムは図10で示すような構成だけでなく、図11〜図15に示すような構成としてもよい。
硬質ラミネートフィルム41と軟質ラミネートフィルム57とが接合しており、その接着強度を大気圧以上とし、剥離強度を軟質ラミネートフィルムが破断する強度以下とすることは同様である。
図11A及び図11Bは、硬質ラミネートフィルム41を、電池50の底面部を覆うように設けて電池アセンブリ45とした構成であり、電池アセンブリ45の上面部に硬質ラミネートフィルム41の合わせ目が設けられる。なお、図10の電池アセンブリは、サイド部を丸くなるように成型しているのに対し、図11の電池アセンブリは断面が略長方形形状となるようになされている。
図12A及び図12Bは、硬質ラミネートフィルム41を、電池50の一方のサイド部を覆うように設けて電池アセンブリ45とした構成であり、電池アセンブリ45の一方のサイド部に硬質ラミネートフィルム41の合わせ目が設けられる。
図13A及び図13Bは、2枚の硬質ラミネートフィルム41を、電池50の両サイド部を覆うように設けて電池アセンブリ45とした構成であり、電池アセンブリ45の上面部及び底面部に硬質ラミネートフィルム41の合わせ目が設けられる。
図14A及び図14Bは、2枚の硬質ラミネートフィルム41を、電池50の上面部及び底面部をそれぞれ覆うように設けて電池アセンブリ45とした構成であり、電池アセンブリ45の両サイド部に硬質ラミネートフィルム41の合わせ目が設けられる。
図15A及び図15Bは、電池50のボトム部を包み込むように硬質ラミネートフィルム41を折り曲げて電池アセンブリ45とした構成である。なお、図15Bは電池アセンブリ45の側面から見た断面図である。
[電池パックの作製]
次いで、回路基板44を正極端子55a及び負極端子55bと接続する(図3参照)。
所定の形状に成型された電池アセンブリ45のトップ部から導出された正極端子55a及び負極端子55bと、回路基板44上にあらかじめマウントされた保護回路とを抵抗溶接、超音波溶接等により固着する。
電池素子59と接続された回路基板44は、あらかじめ成型された上部ホルダー42a及び下部ホルダー42bを嵌合してなるトップカバー42に挿入される。
回路基板44には、ヒューズ、PTC、サーミスタ等の温度保護素子を含む保護回路の他、電池パックを識別するためのID、抵抗等がマウントされ、更に複数個の接点部が形成されている。保護回路には、二次電池の監視とFET(Field Effect Transistor)の制御を行うIC及び、充放電制御FETを含んだ保護回路にも適用される。
PTC素子は電池素子と直列に接続され、電池の温度が設定温度に比して高くなると、電気抵抗が急激に高くなって電池に流れる電流を実質的に遮断する。ヒューズや、サーミスタも電池素子と直列に接続され、電池の温度が設定温度より高くなると、電池に流れる電流を遮断する。
また、二次電池の監視とFETの制御を行うIC及び、充放電制御FETを含んだ保護回路は、二次電池の端子電圧が4.3V〜4.4Vを超えると、発熱・発火など危険な状態になる可能性があるので、二次電池の電圧を監視し、4.3V〜4.4Vを越えると充電制御FETをオフし、充電を禁止する。
さらに二次電池の端子電圧が放電禁止電圧以下まで過放電し、二次電池電圧が0Vになると二次電池が内部ショート状態となり再充電不可能となる可能性があるので、二次電池電圧を監視して放電禁止電圧を下回ると放電制御FETをオフし、放電を禁止する。
電池アセンブリ45と接合した回路基板44は、上下から予め射出成型により成型された上部ホルダー42a及び下部ホルダー42bで覆われ、下部ホルダー42bを上部ホルダー42aに嵌合することによりトップカバー42に収容される。
次いで、下部ホルダー42bが電池アセンブリ45に近い位置となるようにトップカバー42の方向を変え、、正極端子55a及び負極端子55bが電池アセンブリ45内で屈曲するようにして電池アセンブリ45のトップ部の開口部にトップカバー42を嵌合する。
次いで、ヒータヘッドによりトップカバー42と電池アセンブリ45との嵌合部を加熱し、トップカバー42と電池アセンブリ45とを熱融着する。このとき、ヒータヘッドの温度は、電池アセンブリ形成時よりも高く、シーラント層73の樹脂材料の溶融温度以上とされ、トップカバー42は、熱接着層74ではなくシーラント層73と接着される。
硬質ラミネートフィルム41と電池50とを接着する際に加熱された熱接着層74は、トップカバー42が嵌合される際にトップカバー42で押され、電池アセンブリ45の奥に移動する。
上述のとおり、熱接着層74にはシーラント層73に比して低い溶融温度の樹脂材料を用いているため、硬質ラミネートフィルム41と電池50との接着の際には、熱接着層74のみが溶融することになる。このため、トップカバー42と接着するために用いるシーラント層73を移動させることなく、熱接着層74を移動でき、シーラント層73を露出させることができる。
このとき、必要に応じて、電池50とトップカバー42との間隙に接着剤又は温めた樹脂材料(ホットメルト樹脂)を注入してもよい。この場合、予めトップカバー42に接着剤・ホットメルト樹脂の注入口を設ける。
接着剤又はホットメルト樹脂を注入することにより、電池アセンブリ45とトップカバー42との接着性がより向上する。ただし、ホットメルト樹脂を注入する場合は、回路基板44が熱で変形したり損傷しないように対応が必要である。
続いて、電池アセンブリ45のボトム部にリアカバー43を嵌合し、ヒータヘッドによりリアカバー43と電池アセンブリ45との嵌合部を加熱してリアカバー43と電池アセンブリ45とを熱融着する。この場合もトップカバー42の場合と同様に、リアカバー43が嵌合される際に熱接着層74がリアカバー43で押されて電池アセンブリ45奥に移動し、露出したシーラント層73とリアカバー43とが接着される。
このとき、トップカバー42の場合と同様に、必要に応じて電池50とリアカバー43との間隙に接着剤やホットメルト樹脂を注入してもよい。この場合も、予めリアカバー43に接着剤・ホットメルト樹脂の注入口を設けておく。また、トップカバー42とリアカバー43の嵌合及び熱融着工程を同時に行ってもよい。
また、リアカバー43については、予め成型された部材を用いるだけでなく、電池アセンブリ45を金型に設置し、ボトム部にホットメルト樹脂を流し込むことにより、電池アセンブリ45と一体に成型する方法を用いることも可能である。
このように、金属箔71の内側に、シーラント層73としてトップカバー42及びリアカバー43と接着性のよい樹脂材料を設け、さらにシーラント層73の内側に硬質ラミネートフィルム41の外装層62と接着性がよく、シーラント層73よりも溶融温度の低い樹脂材料を用いた熱接着層74を設けることにより、電池50と硬質ラミネートフィルム41、電池アセンブリ45とトップカバー42及びリアカバー43をそれぞれ良好に接着することができる。このため、破損しにくい電池パック40構成となる。
最後に、電池パック45の一部に生じる硬質ラミネートフィルム41の合わせ目部分を覆うように、製品ラベルを貼着することにより、図2に示すような電池パック40となる。なお、製品ラベル46は必要に応じて設ければよい。
また、製品ラベル46を設ける替わりに、硬質ラミネートフィルム41自体に印刷、焼付け塗装等を施す方法を用いることもできる。例えば、図16に示すように、硬質ラミネートフィルム41の外装層72の内側面(金属箔側面)に所望の図柄、文字等を印刷する印刷層77を設け、外装層72を通して印刷が見えるようにしてもよい。
この場合、図柄、文字等は反転して印刷する。また、図17に示すように、金属箔71の外側面にレーザ等による焼付け塗装78を施してもよい。この場合、硬質ラミネートフィルムの外装層72及び外装層72と金属箔71を接着する接着層を設けず、焼付け塗装78を施した金属箔71が露出するようにすることができる。
このようにして電池パック40を作製することにより、電池パック40の対外部衝撃強度を確保することができる。
また、外装に硬質ラミネートフィルムのような金属材を用いることにより、ラミネート外装電池であっても釘刺し時の発熱箇所が電池表面となり、また放熱が促進されるため、電池内部の発熱を抑制することができる。このため、より安全な電池パックを提供することができる。
(実施形態2)
この実施形態2では、外装材として3層構造の硬質ラミネートフィルムを用いる電池パックについて説明する。
本実施形態による電池パックのパック構成は、図2及び図3で示す上述の実施形態1と同様である。また、電池素子及び電池についても、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
[電池アセンブリの作製]
電池50を、図18で示す3層構造の硬質ラミネートフィルム80で外装し、電池アセンブリを作製する。まず、硬質ラミネートフィルム80の構成について説明する。
図18に示すように、実施形態2における硬質ラミネートフィルム80は、符号81で示される金属箔が、樹脂フィルムからなる外装層82及び熱接着層83に挟まれた、防湿性、絶縁性を有する多層フィルムからなる。
なお、金属箔81及び外装層82としては、第1の実施形態と同様の材料を用いることができる。
熱接着層83は、別に接着用部材を設けることなく、軟質ラミネートフィルム57で外装された電池50と硬質ラミネートフィルム80とを接着するためのものである。
この実施形態2では、電池50の外装層62であるNy、PET,PEN等の樹脂、及びトップカバー42及びリアカバー43の材料となるPP等の樹脂のそれぞれとの接着性に優れた反応性に富む材料を熱接着層83として用いることにより、実施形態1で設けたシーラント層73を設けることなく電池パックを構成することができる。
このような材料として、具体的には、酸変成したポリプロピレン、アイオノマー樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、アクリル酸エチルコポリマー、アクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリアミド及びポリエステル等を用いることができ、中でも酸変成したポリプロピレン、アイオノマー樹脂及びエチレンビニルアルコール樹脂が特に好適である。これらの材料は、ホットメルト剤、フィルムもしくは耐候性の粘着剤として用いることができる。
実施形態2における硬質ラミネートフィルム80では、熱接着層83は、25〜50μm程度の厚さで設ける。また、金属箔81及び外装層82は、実施形態1と同等の厚さとしてよい。実施形態1における硬質ラミネートフィルム41の熱接着層74の厚さは1〜5μmであったが、実施形態2では熱接着層83を厚めに構成することにより、熱接着層83自身にクッション性を持たせ、接着性を高めている。
このような硬質ラミネートフィルム80からなる外装材を、電池50に接着する。実施形態1と同様に、電池50を包みこむようにして硬質ラミネートフィルム80を曲げ、電池50上面で硬質ラミネートフィルム80の端部が合うようにする。
次いで、電池50の上面及び底面からヒータブロックをあて、熱接着層83の樹脂材料が溶融する程度の温度で加熱するとともに加圧する。樹脂材料は溶融して接着剤となり、硬質ラミネートフィルム80と電池50とを接着する。この際、硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとの接着強度を大気圧以上とし、剥離強度を軟質ラミネートフィルムが破断する強度以下とすることは実施形態1と同様である。これにより、電池アセンブリ45が作製される。
ヒータブロックの温度は熱接着層の樹脂材料により変化するが、熱接着層83の樹脂材料の溶融温度以上であればよい。また、加熱温度が120℃を超える場合、電池素子59に影響を与えることが考えられる。このような観点から、ヒータブロックの温度は、110℃程度を上限として加熱するのが望ましい。
[電池パックの作製]
次いで、回路基板44を正極端子55a及び負極端子55bと接続する。正極端子55a及び負極端子55bと回路基板44との接続方法は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
回路基板44が収容されたトップカバー42は、電池アセンブリ45のトップ側開口部に嵌合される。次いで、ヒータヘッドによりトップカバー42の嵌合部を加熱し、トップカバー42と電池アセンブリ45とを熱融着する。
本実施形態では、熱接着層83の樹脂材料としてトップカバー42及びリアカバー43との接着性に優れた樹脂材料を用いるため、トップカバー42は熱接着層83と接着される。また、リアカバー43もトップカバー42と同様に電池アセンブリ45と接着することができる。
このとき、必要に応じて、電池50とトップカバー42との間隙に接着剤もしくは温めた樹脂材料(ホットメルト樹脂)を注入してもよい。この場合、予めトップカバー及びリアカバーに接着剤・ホットメルト樹脂の注入口を設ける。接着剤もしくはホットメルト樹脂を注入することにより、電池アセンブリ45とトップカバー42及びリアカバー43との接着性がより向上する。ただし、トップカバー42からホットメルト樹脂を注入する場合は、回路基板が熱で変形したり損傷しないように対応が必要である。
また、リアカバー43は予め成型された部材を用いるだけでなく、電池アセンブリ45を金型に設置し、ボトム部にホットメルト樹脂を流し込むことにより、電池アセンブリ45と一体に成型する方法を用いることも可能である。
以上、実施形態2による3層構造の硬質ラミネートフィルム80を外装材として用いた電池パック40について説明した。
実施形態1の電池パックが有する落下時などにおける優れた機能の外、熱接着層83に用いる樹脂材料を好適に選択することにより、シーラント層を設けなくても対外部衝撃強度を確保するとともに、耐浸水性や放熱性を充分に備えたより安全な電池パックを提供することができる。
(実施形態3)
図19に、本発明の他の電池パックの一実施形態を示す。
図19A〜図19C及び図20A、図20Bは、本実施形態の電池パックにおける電池の製造途中の構成を示す模式図である。
本実施形態では、凹部31aを有する軟質ラミネートフィルム31と硬質ラミネートフィルム32とを用い、凹部31aに電池素子35を収容するようにして、電池素子の主要部、即ち6面体をなす電池素子35の1つの主面を残した部位を軟質ラミネートフィルム31で外装する(図20参照)。
次いで、硬質ラミネートフィルム32が電池素子35の残部、即ち電池素子35の1つの主面を、典型的には凹部31aの開口を覆うように配置し、軟質ラミネートフィルム31と硬質ラミネートフィルム32とが重なった電池素子35の周囲部分を封止する。この際、減圧下での熱融着により封止することは実施形態1と同様であり、かかる減圧下での熱融着によって、電池素子35は、軟質ラミネートフィルム31及び硬質ラミネートフィルム32と密着する。
更に、図20Bに示すように、電池素子35を包み込むようにして硬質ラミネートフィルム32及び軟質ラミネートフィルム31を成型するが、本実施形態では、熱接着性樹脂テープ90を準備し、このテープ90を、折り返した軟質ラミネートフィルム31の外装層と電池素子35を被覆している軟質ラミネートフィルム31の外装層との間に配置して溶融させ、これら軟質ラミネートフィルム同士を接着させる。
これと同時に、硬質ラミネートフィルム32の熱接着層を溶融させ、折り返した軟質ラミネートフィルム31の熱接着層と接着させる。この際、硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとの接着強度を大気圧以上とし、剥離強度を軟質ラミネートフィルムが破断する強度以下とすることは実施形態1と同様である。なお、熱接着性樹脂テープ90には、基材が存在してよいのは勿論である。
次いで、図示しない回路基板及び樹脂成型カバーを設けることにより、硬質ラミネートフィルム32が最外装となった電池パックを作製することができる。このような電池パックは、体積効率が良く、高い電池強度を実現するものであるとともに、実施形態1の電池パックが有する落下時などにおける優れた機能をも有する。
(実施形態4)
図21は、本発明の他の電池パックの他の実施形態を示し、製造過程の状態を示す断面図である。
本実施形態の電池パックも、実施形態3の電池パックと同様の構成を有するが、軟質ラミネートフィルム31の両サイドが短くなっている(図21A)。
実施形態3と同様に、電池素子35を周囲部分を封止し、次いで、図21Bに示すように、電池素子35を包み込むようにして硬質ラミネートフィルム32及び軟質ラミネートフィルム31を成型するが、本実施形態では、熱接着性樹脂テープ90を準備し、このテープ90を、折り返した硬質ラミネートフィルム32の熱接着層と電池素子35を被覆している軟質ラミネートフィルム31の外装層との間に配置して溶融させ、両者フィルムを接着させる。この際、硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとの接着強度を大気圧以上とし、剥離強度を軟質ラミネートフィルムが破断する強度以下とすることは実施形態1と同様である。例えば熱接着性樹脂テープ90を溶融させる一方で、軟質ラミネートフィルム31の外装層が溶融しないようにすればよい。なお、熱接着性樹脂テープ90には、基材が存在してよいのは勿論である。
本実施形態の電池パックも実施形態1の電池パックが有する落下時などにおける優れた機能を有する。
なお、本実施形態では、熱接着性樹脂テープ90の代わりに、いわゆる両面テープを用いることも可能であり、この場合は低温での接着が可能になる。
(実施形態5)
図22は、本発明の他の電池パックの更に他の実施形態を示し、製造過程の状態を示す断面図である。
本実施形態の電池パックも、実施形態3の電池パックと同様の構成を有するが、軟質ラミネートフィルム31の両サイドが短くなっている(図22A)。
実施形態3と同様に、電池素子35を周囲部分を封止し、次いで、図22Bに示すように、電池素子35を包み込むようにして硬質ラミネートフィルム32及び軟質ラミネートフィルム31を成型するが、本実施形態では、折り返した硬質ラミネートフィルム32の熱接着層を溶融させ、これと電池素子35を被覆している軟質ラミネートフィルム31の外装層を接着させる。この際、硬質ラミネートフィルムと軟質ラミネートフィルムとの接着強度を大気圧以上とし、剥離強度を軟質ラミネートフィルムが破断する強度以下とすることは実施形態1と同様である。例えば硬質ラミネートフィルム32の熱接着層を溶融させる一方で、軟質ラミネートフィルム31の外装層が溶融しないようにすればよい。
本実施形態の電池パックも、実施形態1の電池パックが有する落下時などにおける優れた機能を有する。
なお、本実施形態では、 折り返した硬質ラミネートフィルム32の外装層と電池素子35を被覆している軟質ラミネートフィルム31の外装層との間に、アクリルエステル系、シリコン系、ラテックス系などの粘着剤を用いることができ、この場合は低温での接着が可能になる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1−1〜23−5、比較例1〜4)
以下の表1〜表4に示す仕様の電池パックを以上に説明した操作によって作製した。得られた各例の電池パックを以下の性能評価に供し、得られた結果を表5〜8に示した。
(a)接着強度試験
各実施例及び比較例の軟質外装と接着層間の接着強度を測定した。接着層を含むパック外装の両端を折り互いに重ね、電池表面から垂直に引っ張り測定をおこなった。
(b)剥離強度試験
各実施例及び比較例の軟質外装と接着層間の剥離強度を測定した。接着層を含むパック外装の一端を折り返し引き剥がして測定を行った。
剥離強度は、JIS K6854−2(はく離接着強さ試験方法第2部)に準拠した180度剥離の測定方法により測定した。
(c)落下試験1
各実施例及び比較例の電池パックを1.5mの高さから10回自由な姿勢にて落下させた後、携帯機器に装填し違和感なく装填可能か、機能劣化無く充電と使用が可能か確認した。発電要素の素子、外装の設計上、ともに本来ダメージを追わない高さであり、パックとしても引き続き使用が可能であることが必要である。
(d)落下試験2
各実施例及び比較例の電池パックを10mの高さから自由な姿勢にて落下させた後、携帯機器に装填不可能なこと、電池素子に損傷ないこと、電池外装に損傷なきこと、を確認する。
設計上電池内に外気が入り込まない限りはダメージが発生しないこと、外装は損傷を受ける可能性があること、パック筐体は衝撃を吸収し素子を衝撃から守ることが要求される。
本試験では電池パックが使用不可であっても電池本体、電池外装にダメージが無ければ合格、電池パックに不具合が無くても電池本体、電池外装に不具合が発生すると不合格とした。
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表1〜4に示した各実施例及び各比較例の電池パックの仕様について簡単に説明する。
実施例1群は、硬質外装材に種々の材料種を採用したものである。また、実施例2は実施例1−1における硬質外装材の金属層に種々の材料種を採用したもの、実施例3は実施例1−6において硬質外装材の外装層の厚みを大きくしたもの、実施例4は実施例3における硬質外装材の金属層をステンレスにして厚みを大きくしたもの、実施例5群は実施例1−1における硬質外装材の接着層に種々の材料を適用したもの、である(表1参照)。
一方、比較例1は、接着強度が大気圧未満となるようにしたものであるが、軽微な衝撃により、当該電池パックを機器へ装着するのが不可能になった(表5参照)。
また、比較例2は、剥離強度が軟質外装材が破断する強度超となるようにしたものであるが、10m落下試験後に電池パックとしては機器に装着可能であったが、軟質外装材が伸ばされて損傷を負っており、後日機器内で電池パックが膨れた(表5参照)。
更に、比較例3は、従来のモールドケースに電池を両面テープで固定し、剥離強度が軟質外装材が破断する強度超となるようにしたものであるが、10m落下試験後に電池パックとしては機器に装着可能であったが、軟質外装材が伸ばされて損傷を負っており、後日機器内で電池パックが膨れた(表5参照)。
更にまた、比較例4は、電池素子を封止する際に軟質外装材内を脱気せずに封止したものであるが、電池素子と軟質外装材との密着性が不十分であり、電池素子と軟質外装材との一体感に欠け、1.5m落下試験時に強度不足のために変形し、機器への装着も不可能であった。また、10m落下試験時には電池素子及び外装材がともに損傷を受け、発熱やガス発生を引き起こした(表5参照)。
なお、実施例7群は硬質外装材の外装層に種々の材料種を適用して複合層を形成したもの、実施例8群は実施例7−1における硬質外装材の金属層、軟質外装材の金属層にそれぞれ所定の厚みを有する異なる同種の材料種を用いたもの、実施例9群は実施例7−1における硬質外装材の金属層の厚みを300μmにし、金属層の合計厚みを335μmとしたもの、実施例10群は実施例7−1における複合層と接着テープに種々の材料を適用したもの、実施例11群は実施例7−1における軟質外装材の外装層に種々の材料を用いたものである(表2参照)。
また、表3において、実施例12群は硬質外装材の外装層に種々の材料種を適用したもの、実施例13群は実施例12−1における硬質外装材の金属層に種々の材料種を適用したもの、実施例14は実施例12−6における硬質外装材の外装層の厚みを大きくしたもの、実施例15は実施例14における硬質外装材の金属層の厚みを大きくしたもの、実施例16群は実施例12−1における接着テープに種々の材料種を適用したもの、実施例17群は実施例12−1における軟質外装材の外装層に種々の材料種を適用したものである。
更に、表4において、実施例18群は硬質外装材の外装層に種々の材料種を適用したもの、実施例19群は実施例18−1における硬質外装材の金属層に種々の材料種を適用したもの、実施例20は実施例18−6における硬質外装材の外装層の厚みを大きくしたもの、実施例21は実施例20における硬質外装材の金属層の厚みを大きくしたもの、実施例22群は実施例18−1における硬質外装材の接着層に種々の材料種を適用したもの、実施例23群は実施例18−1における軟質外装材の外装層に種々の材料種を適用したものである。
表5〜表8より、各実施例の電池パックは、ともに1.5m落下試験では電池も電池外装も電池パックも不具合なく使用可能であることが分かる。
また、各実施例の電池パックは、ともに10m落下試験では電池パックの外装は変形し使用不可であったが電池本体や外装には不具合なく、ガス発生などの現象はなかった。
非特許文献1に記載の電池の構成を示す模式図である。 本発明の電池パックの一実施形態を斜視図である。 本発明の電池パックの一実施形態の構成を示す平面図である。 本発明の電池パックの一実施形態における電池素子の構成を示す斜視図である。 本発明の電池パックの一実施形態における電池の構成を示す斜視図である。 本発明の電池パックの一実施形態における軟質ラミネートフィルムの構成を示す断面図である。 本発明の電池パックの一実施形態における電池の構成を示す分解斜視図である。 本発明の電池パックの一実施形態における電池の構成を示す斜視図である。 本発明の電池パックの一実施形態における硬質ラミネートフィルムの構成を示す断面図である。 本発明の電池パックの一実施形態における電池アセンブリの構成を示す斜視及び断面図である。 本発明の電池パックの一実施形態における電池アセンブリの構成を示す斜視及び断面図である。 本発明の電池パックの一実施形態における電池アセンブリの構成を示す斜視及び断面図である。 本発明の電池パックの一実施形態における電池アセンブリの構成を示す斜視及び断面図である。 本発明の電池パックの一実施形態における電池アセンブリの構成を示す斜視及び断面図である。 本発明の電池パックの一実施形態における電池アセンブリの構成を示す斜視及び断面図である。 硬質ラミネートフィルムの他の構成の一例を示す断面図である。 硬質ラミネートフィルムの他の構成の一例を示す断面図である。 本発明の電池パックの他の実施形態における硬質ラミネートフィルムの構成を示す断面図である。 本発明の他の電池パックの一実施形態を示す平面及び側面図である。 本発明の他の電池パックの一実施形態を示す断面図である。 本発明の他の電池パックの他の実施形態を示し、製造過程の状態を示す断面図である。 本発明の他の電池パックの更に他の実施形態を示し、製造過程の状態を示す断面図である。 電池素子の断面構造を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…電池、2a…正極端子、2b…負極端子、11…正極端子、12…負極端子、20…巻回電池素子、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…高分子支持体層、24…セパレータ、25…保護テープ、31…軟質ラミネートフィルム、32…硬質ラミネートフィルム、35…電池素子、40…電池パック、41,80…硬質ラミネートフィルム、42…トップカバー、42a…上部ホルダー、42b…下部ホルダー、43…リアカバー、44…回路基板、45…電池アセンブリ、46…製品ラベル、50…電池、51…正極、52…負極、53a,53b…セパレータ、55a…正極端子、55b…負極端子、57…軟質ラミネートフィルム、57a…凹部、59…電池素子、61,71,81…金属層、62,72,82…外装層、63,73…シーラント層、64,65,75,76,84,85…接着剤層、74…接着層、83…熱接着層、77…印刷層、78…焼付け塗装、90…熱接着性樹脂テープ

Claims (12)

  1. 正極と負極をセパレータを介して巻回又は積層して成り、このセパレータと上記正極及び上記負極の少なくとも一方の間に配置された高分子支持体と、非水電解質組成物を有する電池素子と、
    熱接着層、金属層及び外装層を順次積層した構造を有するラミネートフィルムから成り、上記電池素子を外装する軟質外装材と、を有し、
    上記正極と負極の電極端子を外部に導出したまま、上記電池素子の周囲に沿って上記軟質外装材を封止して成る非水電解質二次電池と、
    熱接着層、金属層及び外装層を順次積層した構造を有するラミネートフィルムから成り、上記非水電解質二次電池を上記軟質外装材ごと外装する硬質外装材と、
    この硬質外装材に収容され上記非水電解質二次電池の電圧及び電流を制御可能な保護回路基板と、を備え、
    上記電池素子と上記軟質外装材とが密着しており、
    上記軟質外装材と上記硬質外装材とが接合しており、その接着強度が大気圧以上で、且つ剥離強度が上記軟質外装材が破断する強度以下であ
    上記接着強度が0.1MPa以上で、且つ上記剥離強度が5.0N/mm以下であり、
    上記軟質外装材の上記外装層が融けず且つ上記硬質外装材の上記熱接着層が融けることにより、上記軟質外装材と上記硬質外装材とが接合している、ことを特徴とする電池パック。
  2. 正極と負極をセパレータを介して巻回又は積層して成り、このセパレータと上記正極及び上記負極の少なくとも一方の間に配置された高分子支持体と、非水電解質組成物を有する電池素子と、
    熱接着層、金属層及び外装層を順次積層した構造を有するラミネートフィルムから成り、上記電池素子の主要部を外装する軟質外装材と、
    熱接着層、金属層及び外装層を順次積層した構造を有するラミネートフィルムから成り、上記電池素子の残部と上記軟質外装材を外装する硬質外装材と、を有し、
    上記正極と負極の電極端子を外部に導出したまま、上記電池素子の周囲に沿って上記軟質外装材と上記硬質外装材とを接合させて上記電池素子を封止して成る非水電解質二次電池と、
    上記硬質外装材に収容され上記非水電解質二次電池の電圧及び電流を制御可能な保護回路基板と、を備え、
    上記電池素子と上記軟質外装材とが密着しており、
    上記電池素子の周囲以外の部分において、上記軟質外装材と上記硬質外装材とが接合しており、その接着強度が大気圧以上で、且つ剥離強度が上記軟質外装材が破断する強度以下であ
    上記接着強度が0.1MPa以上で、且つ上記剥離強度が5.0N/mm以下であり、
    上記軟質外装材の上記外装層が融けず且つ上記硬質外装材の上記熱接着層が融けることにより、上記軟質外装材と上記硬質外装材とが接合している、ことを特徴とする電池パック。
  3. 上記硬質外装材が、熱接着層、金属層及び外装層を順次積層した3層構造を有するラミネートフィルムから成る、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
  4. 上記硬質外装材と上記軟質外装材が熱的に溶着しており、
    上記硬質外装材の熱接着層が、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、アクリル酸エチルコポリマー、アクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、酸変成したポリプロピレン、アイオノマーから成る群より選ばれた少なくとも1種の樹脂から構成される層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
  5. 上記軟質外装材の熱接着層が、無延伸のポリプロピレン及び/又は無延伸のポリエチレンから成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
  6. 上記軟質外装材の外装層は、その熱伝導率が1Wm -1 -1 以下で、且つ上記硬質外装材の熱接着層よりも溶融温度が高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
  7. 上記軟質外装材の外装層は、上記硬質外装材の熱接着層とは異なる材料であって、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド及びポリエステルから成る群より選ばれた少なくとも1種の樹脂材料を延伸した延伸樹脂を、単独又は組み合わせて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
  8. 上記硬質外装材のうち、上記外装層と上記金属層を積層した層の面積当たりの熱伝導率が1000Wm-2-1以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
  9. 上記硬質外装材は、面積当たりの熱伝導量が50000Wm-2-1以上の金属層と、面積当たりの熱伝導量が1050Wm-2-1以上の外装層との組み合わせを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
  10. 上記硬質外装材の金属層が、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス及びニッケルから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属、又はスズ、亜鉛及びニッケルから成る群より選ばれた少なくとも1種の金属をめっきした鉄から成り、厚みが330μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
  11. 上記硬質外装材の外装層が、ポリアミド、ポリエステル又はポリオレフィンから成り、厚みが115μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
  12. 上記ポリアミドが延伸した6ナイロン、上記ポリエステルがポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートから成る群より選ばれた少なくとも1種の樹脂、上記ポリオレフィンが延伸したポリプロピレン又は延伸ポリエチレンであることを特徴とする請求項11に記載の電池パック。
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