JP5176237B2 - 通信端末装置、通信システム、及びそれらにおける基地局の選択方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信ネットワークと接続する通信端末装置、通信システム、及びそれらにおける基地局の選択方法に関し、特に通信端末装置で実行処理されるアプリケーションプログラムが要求する通信品質を良好に確保するための技術に係る。
現在の携帯電話網や無線LANアクセスネットワークを含む無線通信ネットワークでは、モバイル端末の無線切り替えにおいて、次に接続する無線基地局の選択を、フレーム誤り率や電波強度に基づいて行っている。すなわち、これらの通信状態に係るパラメータの値が良いものを機械的に選択するような手法がとられている。
ところが、このような無線通信ネットワークにおいて、特にパケット通信の場合には、アプリケーションの種類によって適切な無線基地局は一様に同じとは言えない。アプリケーションの種類によって、適切な通信方式が異なり、それに応じた無線基地局を選択するべきである。
関連する従来公知の方法としては、非特許文献1、2に開示されるPlace Engine(登録商標)(ソニー株式会社)が挙げられる。本技術では、GPSの位置情報と、その位置において発見できる無線LANのアクセスポイントを結びつけて地図上に記録し、任意の位置において端末が認識できるアクセスポイントから逆に端末の位置を導出するサービスである。
しかしながらこのサービスではアプリケーションの通信品質は記録しておらず、この地図をモバイル端末の位置指定に用いているだけである。従って、アプリケーションに対応した基地局の選択に適用することは出来ない。
次に、非特許文献3、4に開示されるLocky Stumblerは、上記と同様に無線LANを用いて位置情報を推定するためのソフトウェアである。GPSによる位置情報、アクセスポイント、電波強度の情報の集合を収集することによりネットワーク上のサーバにデータベースを構築し、このデータベースを利用することによりモバイル端末の位置を推定する。本ソフトウェアでも、アプリケーションの通信品質情報は扱っておらず、アプリケーションに対応した基地局の選択に適用することはできない。
これらの技術に見られるGPSと電波強度などから地図を作成した後に、それを用いて端末の位置を特定する技術は特許文献1にも開示されている。
また、移動機が複数の基地局をハンドオーバする通信システムにおいて、移動機情報として移動機毎のアプリケーション
の種類を示す情報を含ませ、リソース調整手段がアプリケーション の種類を示す情報に基づいて、ハンドオーバさせる移動機及び基地局を特定する通信制御装置の技術が特許文献2に開示されている。
しかしながら、本技術も通信システム全体における通信品質の低下を抑制するためを目的としたものであり、上記したスループットから基地局を選択する技術と変わらない。
インターネットURL http://www.placeengine.com (2008年10月1日検索) Jun Rekimoto,Takashi Miyaki, and Takaaki Ishizawa, "LifeTag: WiFi-based ContinuousLocation Logging for Life Pattern Analysis", 3rd International Symposiumon Location- and Context-Awareness (LOCA2007),pp.35-49, 2007年 インターネットURL http://www.locky.jp (2008年10月1日検索) 伊藤誠悟、吉田廣志、河口信夫、"無線LANを用いた広域な位置情報システムに関する検討"、情報処理学会論文誌、ユビキタス時代を支えるモバイル通信と高度交通システム特集号、Vol.47,No.12,pp.1-13,2006年 特開2008-227594号公報 特開2008-187688号公報
上述したような従来技術のいずれにおいても、アプリケーションの種類に応じて適切な無線基地局の選択を行うことはできず、これを実現するための情報の収集、蓄積、分析、提供の方式も提案されていない。
このような従来技術の有する課題を解決するため、本発明は基地局のアプリケーションの種類に応じた通信品質を蓄積し、通信端末装置が基地局の切り替えを行う場合に、アプリケーション毎に最適な基地局を選択する方式を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、次のような通信端末を提供する。
本発明は、少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な通信端末装置を提供することができる。
本通信端末装置には、接続している通信ネットワークの基地局の識別情報を取得する接続基地局情報取得手段と、アプリケーションプログラムを実行処理するアプリケーション実行手段と、実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するアプリケーション検出手段と、実行処理中のアプリケーションプログラムの通信における通信可否又は通信品質の情報を取得する通信品質取得手段と、少なくとも、基地局の識別情報と、アプリケーションプログラムの種類又は名称と、通信品質情報との組み合わせを通信品質データベースに記録する通信品質情報記録手段とから成る通信品質情報取得機構を備える。
同時に、本通信端末装置には、上記と同様のアプリケーション実行手段と、アプリケーション検出手段と、アプリケーション検出手段で検出する現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を入力して、通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択する基地局選択手段とから成る基地局選択機構を備える。
以上の両機構により、本通信端末装置が、接続先の基地局を選択する際に、基地局選択機構の選択に従って、基地局と接続することを特徴とする。
上記の通信端末装置において、通信品質情報取得機構に通信端末装置の現在の位置を検出する位置検出手段を備えてもよい。
本構成では、通信品質情報記録手段が、その位置の情報を、上記した基地局の識別情報、アプリケーションプログラムの種類又は名称、通信品質、の各情報との組み合わせにより通信品質データベースに記録する。また、上記の基地局選択機構に該位置検出手段を備え、基地局選択手段が、該位置検出手段で検出する現在の位置と、アプリケーション検出手段で検出する現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称とを入力して、通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択することを特徴とする。
上記の位置検出手段が、同時に検出可能な複数の基地局の識別情報を取得する同時検出基地局情報取得部と、予め備えた基地局の分布情報に従って、通信端末装置の位置を特定する位置特定部とを備えてもよい。
上記の同時検出基地局情報取得部において、基地局の識別情報と共に、各基地局の電波強度を測定し、上記の位置特定部が、電波強度を用いて位置を計算する構成でもよい。
上記のアプリケーション検出手段が、通信手段を通るパケットを監視し、そのパケットの態様と、予め備えた各アプリケーションプログラム毎のパケット態様のデータベースとを比較することで、アプリケーションプログラムの種類又は名称を検出する構成でもよい。
本発明は、次のような通信端末装置を提供することもできる。すなわち、少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な通信端末装置であって、上記の通信品質データベースを予め備えると共に、上記基地局選択機構を備えて、通信端末装置が、接続先の基地局を選択する際に、基地局選択機構の選択に従って、基地局と接続することを特徴とする。
本発明の別の実施態様として、通信システムを提供することもできる。本システムは、少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な端末装置と、通信ネットワークを介して端末装置に対し、接続する基地局を通知するサーバ装置からなる。
この端末装置には、接続している通信ネットワークの基地局の識別情報を取得する接続基地局情報取得手段と、上記のアプリケーションプログラムを実行処理するアプリケーション実行手段と、実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するアプリケーション検出手段と、実行処理中のアプリケーションプログラムの通信における通信可否又は通信品質の情報を取得する通信品質取得手段とを備える。そして、少なくとも、基地局の識別情報と、アプリケーションプログラムの種類又は名称と、通信品質情報との各情報をサーバ装置に送信する通信品質情報送信手段とからなる通信品質情報送信機構を備える。
同時に、端末装置に、アプリケーション検出手段と、アプリケーション検出手段で検出する現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称をサーバ装置に送信して、サーバ装置から選択すべき基地局の識別情報を受信する基地局照会手段とからなる基地局照会処理機構を備える。
一方、サーバ装置には、通信品質情報送信手段からの各情報を通信ネットワークを介して受信する通信品質情報受信手段と、各情報の組み合わせを通信品質データベースに記録する通信品質情報記録手段とからなる通信品質情報記録機構を備えると共に、基地局照会手段からの受信した情報を入力して、通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択する基地局選択手段と、選択した基地局の識別情報を端末装置に送信する基地局回答手段とからなる基地局回答処理機構を備える。
以上のシステムにより、端末装置が、接続先の基地局を選択する際に、サーバ装置の選択に従って、基地局と接続することを特徴とする。
本発明は、次のような通信システムの構成でもよい。
すなわち、端末装置の通信品質情報送信機構に、通信端末装置の現在の位置を検出する位置検出手段を備える。そして、通信品質情報送信手段が、通信端末装置の位置を、上記した基地局の識別情報、アプリケーションプログラムの種類又は名称、通信品質情報と組み合わせてサーバ装置に送信する。
一方、基地局照会処理機構にも位置検出手段を備え、基地局照会手段が、位置検出手段で検出する現在の位置と、アプリケーション検出手段で検出する現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称とを該サーバ装置に送信する。サーバ装置の基地局選択手段が、現在の位置の情報も含めて入力して、通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて該通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択することを特徴とする。
上記通信システムの端末装置における位置検出手段が、同時に検出可能な複数の基地局の識別情報を取得する同時検出基地局情報取得部と、予め備えた基地局の分布情報に従って、通信端末装置の位置を特定する位置特定部とを備える構成でもよい。
上記の同時検出基地局情報取得部において、基地局の識別情報と共に、各基地局の電波強度を測定し、上記の位置特定部が、電波強度を用いて位置を計算する構成でもよい。
上記通信システムの端末装置におけるアプリケーション検出手段が、通信手段を通るパケットを監視し、そのパケットの態様と、予め備えた各アプリケーションプログラム毎のパケット態様のデータベースとを比較することで、アプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するようにしてもよい。
本発明は、少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な端末装置を提供することもできる。本装置には、上記の基地局照会処理機構を備え、接続先の基地局を選択する際に、上記サーバ装置の選択に従って、基地局と接続する。
さらに、本発明によれば、少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な通信端末装置における基地局の選択方法を提供することもできる。ここで本処理方法では次の各ステップを有する。
(S10) アプリケーション実行手段が、上記のアプリケーションプログラムを実行処理するステップ、
アプリケーションプログラムの実行処理中に、
(S11−1) アプリケーション検出手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するステップ、
(S11−2) 位置検出手段が通信端末装置の現在の位置を検出するステップ、
(S11−3) 接続基地局情報取得手段が接続している通信ネットワークの基地局の識別情報を取得するステップ、
(S11−4) 通信品質取得手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの通信における通信可否又は通信品質の情報を取得するステップ
の各ステップ(S11−1〜4)を同時又は適宜の順序で実行処理する。その後、
(S12) 通信品質情報記録手段が、少なくとも、通信端末装置の位置と、基地局の識別情報と、アプリケーションプログラムの種類又は名称と、通信品質情報との組み合わせを通信品質データベースに記録するステップ。
本発明は以上の一連の工程により通信品質データベースを作成することができる。
さらに次の各ステップを有する。
(S13) アプリケーション実行手段が、上記のアプリケーションプログラムを実行処理するステップ、
アプリケーションプログラムの実行処理中に、
(S14−1) アプリケーション検出手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するステップ、
(S14−2) 位置検出手段が通信端末装置の現在の位置を検出するステップ、
の各ステップ(S14−1〜2)を同時又は適宜の順序で実行処理する。その後、
(S15) 基地局選択手段が、検出された現在の位置と、現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称とを入力して、上記で作成した通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択するステップ
を実行する。以上の一連の工程によって、通信端末装置が、接続先の基地局を選択する際に、基地局選択機構の選択に従って、基地局と接続することを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な端末装置と、通信ネットワークを介して端末装置に対し、接続する基地局を通知するサーバ装置からなる通信システムにおける基地局の選択方法を提供することもできる。本方法では次の各ステップを備える。
上記端末装置において、
(S20) アプリケーション実行手段が、アプリケーションプログラムを実行処理するステップ、
アプリケーションプログラムの実行処理中に、
(S21−1) アプリケーション検出手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するステップ、
(S21−2) 位置検出手段が端末装置の現在の位置を検出するステップ、
(S21−3) 接続基地局情報取得手段が接続している通信ネットワークの基地局の識別情報を取得するステップ、
(S21−4) 通信品質取得手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの通信における通信可否又は通信品質の情報を取得するステップ
の各ステップ(S21−1〜S21−4)を同時又は適宜の順序で実行処理する。その後、
(S22) 通信品質情報送信手段が、少なくとも、端末装置の位置と、基地局の識別情報と、アプリケーションプログラムの種類又は名称と、通信品質情報との各情報をサーバ装置に送信するステップ、
上記サーバ装置において、
(S23) 通信品質情報受信手段が、通信品質情報送信手段からの各情報を通信ネットワークを介して受信するステップ、
(S24) 通信品質情報記録手段が、各情報の組み合わせを通信品質データベースに記録するステップ
本発明は以上の一連の工程により通信品質データベースを作成することができる。
さらに次の各ステップを有する。
端末装置において、
(S25) アプリケーション実行手段が、上記のアプリケーションプログラムを実行処理するステップ、
アプリケーションプログラムの実行処理中に、
(S26−1) アプリケーション検出手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するステップ、
(S26−2) 位置検出手段が端末装置の現在の位置を検出するステップ、
の各ステップ(S26−1〜S26−2)を同時又は適宜の順序で実行処理する。その後、
(S27) 基地局照会手段が、検出された現在の位置と、現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称とをサーバ装置に送信するステップ、
上記サーバ装置において、
(S28) 基地局選択手段が、基地局照会手段からの受信した情報を入力して、通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択するステップ、
(S29) 基地局回答手段が、選択した基地局の識別情報を端末装置に送信するステップ、
(S30) 端末装置の基地局照会手段が、基地局の識別情報を受信するステップ
以上の一連の工程によって、端末装置が、接続先の基地局を選択する際に、サーバ装置の選択に従って、基地局と接続することを特徴とする。
本発明は、上記構成を備えることにより次のような効果を奏する。
すなわち、アプリケーション毎に通信品質を取得してデータベースに格納しておくことにより、実行中のアプリケーションの通信に最適な基地局を選択できるようになる。
特に、通信端末に位置検出手段を設けると共に、通信端末の位置と、実行中のアプリケーションプログラム、そのアプリケーションにおける接続中の基地局の通信品質をデータベースに格納しておくことで、現在の端末の位置と、実行中のアプリケーションから最適な基地局を選択することができるようになる。
通信端末装置にデータベースを備えて単体の装置として構成することもできるし、サーバ装置にデータベースを備えて、通信システムを構成することもできる。
後者の場合には、複数の通信端末における通信品質の情報を共有することもできる。
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。
まず本発明の概略を説明する。本発明は、通信端末が経験するアプリケーションの通信品質を、自端末内や、ネットワーク側のサーバに収集し、基地局選択の際に、各アプリケーションの通信に最適となる基地局を選択することを可能にするものである。
特に、品質を評価する時に、物理的な地図にマッピングすることにより、各地点におけるアプリケーションの品質レベルを基地局毎に記録していくことを提案するものである。これによって、高い通信品質が期待できる基地局を端末が選択したり、サーバから個別の端末に対して推薦することが可能になる。
従来の方法でも、基地局との通信品質、例えば電波強度やスループットなどに着目して基地局を選択する技術は知られていた。これに対して本発明は、アプリケーションごとに通信方法の向き、不向きがあることに着目し、アプリケーションごとの通信品質を蓄積していく技術を提供していることに最大の特徴がある。
以下では、通信端末単体で構成する場合を実施例1とし、通信端末とサーバ装置からなる通信システムで構成する場合を実施例2として説明する。端末の位置を利用しない構成についても実施例3に説明する。以下で述べる通信端末には本発明に必須な構成のみを備えているが、他の機能を有する通信端末に実装することももちろん可能である。
(通信端末単体の構成)
図1は、本発明に係る通信端末(1)の構成図である。通信端末(1)は、公知のパーソナルコンピュータの他、携帯電話端末、PDA等の携帯型通信端末のいずれにおいても実施することができる。
このような端末の構成は周知の通り、演算処理等を行うCPU(10)と図示しないメモリが協働して作用する他、モニタ等の表示装置や、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置(いずれも図示しない)が備えられている。また、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成される外部記憶装置(30)、無線通信ネットワークと通信するための通信モジュール(21)とアンテナ(20)が設けられる。通信モジュールは複数の無線通信ネットワークと通信するために複数設けてもよい。
通信モジュール(21)は、3G携帯電話回線網や、PHS、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの外部ネットワークと接続するための通信機器であって、CFカードやPCIカードなど様々な形態で提供されている。
また、複数の種類の無線ネットワークに対応するために公知のソフトウェアモデム技術をCPU(10)に実装してもよく、その場合はハードウェアを共用することができる。
本発明の処理は、図2のフローチャートにも示すように、通信品質データベース(31)を作成するまでの工程(図2の左半分)と、作成されたデータベース(31)を用いて基地局を選択する工程(図2の右半分)とに分けることができる。
これに対応して、CPU(10)の機能として、後者の工程を実行するために、基地局選択部(101)、アプリケーション実行部(102)、位置検出部(103)、アプリケーション検出部(104)からなる基地局選択機構(10a)を備える。
前者の工程を実行するために、アプリケーション実行部(102)、位置検出部(103)、アプリケーション検出部(104)、接続基地局情報取得部(105)、通信品質取得部(106)、通信品質情報記録部(107)からなる通信品質情報取得機構(10b)を備える。
図2のフローチャートに示すように、まずアプリケーション実行部(102)がアプリケーションの実行処理を行う。(アプリケーション実行ステップ:S10)
通信端末(1)で実行するアプリケーションプログラムは、公知のウェブブラウザや、メールクライアントの他、音声通話、ビデオ通話、ビデオストリーミング、ファイル転送などである。本発明は通信を用いるアプリケーションを対象とするが、その他のアプリケーションを実行処理できることは言うまでもない。
そして、アプリケーションの起動と同時、あるいは実行処理中の任意の時点など、通信を行っている際に、様々な情報を取得する(S11)。
第1に、アプリケーション検出部(104)による実行中のアプリケーションの種類や名称を取得する処理(アプリケーション検出ステップ:S11−1)である。
第2に、位置検出部(103)による通信端末(1)の現在の位置を検出する処理(端末位置検出ステップ:S11−2)である。
第3に、接続基地局情報取得部(105)による、通信モジュール(21)が接続中の基地局の識別情報を取得する処理(接続基地局情報取得ステップ:S11−3)である。
第4に、通信品質取得部(106)による、現在の通信品質を取得する処理(通信品質取得ステップ:S11−4)である。
以上の各処理(S11−1〜4)は、同時に並行処理してもよいし、適当な順番で順次処理してもよい。一部が同時で、一部に順序があってもよい。
アプリケーション検出部(104)の処理を説明する。
アプリケーションの種類を特定する最も簡便な方法は、アプリケーションプログラムの読み出し時に、そのアプリケーションの名称をファイル名などから取得することである。そして、外部記憶装置(30)にアプリケーション種類データベースを備えておき、これと照合することでアプリケーションの種類を特定する。
表1はアプリケーション種類データベースの一例である。
Figure 0005176237
本データベースを参照すれば、例えばc:\abc.exeのファイルが実行された場合に、現在は「音声通話」のアプリケーションが実行中であることが容易に検出できる。
本発明では、これに加えて通信モジュール(21)を通るパケットを監視し、そのパケットの態様からアプリケーションの種類や名称を特定することもできる。
特に、音声通話、ビデオストリーミング、ファイル転送、その他のアプリケーションに分類して種類を特定する方法を説明する。このように分類するのは、発明者らの知見によると、これらのアプリケーションでは単にスループットが高ければアプリケーション上の通信の品質が高くなるとは言えず、基地局毎のパケットのロスやジッタをも考慮して選択する必要があるためである。
まず音声通話については、通信端末(1)が受信しているUDP(User Datagram Protocol)パケットのうち、平均スループットが32kbps未満であって、かつそれが2秒以上継続している同じ宛先アドレスの一連のパケットが検出される場合に、音声通話のアプリケーションが実行処理中であると検出する。
ビデオストリーミングについては、通信端末(1)が受信しているUDPパケットのうち、平均スループットが32kbps以上であって、かつそれが2秒以上継続している同じ宛先アドレスの一連のパケットが検出される場合に、ビデオストリーミングのアプリケーションが実行処理中であると検出する。
あるサーバとのダウンロードやアップロードを行うファイル転送については、通信端末(1)が送信もしくは受信しているTCP(Transmission Control Protocol)パケットであって、宛先ポート番号が80、21、20のいずれかであり、平均スループットが32kbps以上であって、かつ、それが5秒以上継続している同じ宛先アドレスの一連のパケットが検出される場合に、ファイル転送のアプリケーションが実行処理中であると検出する。
上記のいずれにも当てはまらない場合は、その他のアプリケーションと分類する。
これらのパケットの態様をパケット態様データベースとして外部記憶装置(30)に格納する。該パケット態様データベースの例を表2に示す。
Figure 0005176237
アプリケーション検出部(104)が上記で検出するのは、アプリケーションの名称でも種類でもよく、両者が混在していてもよいが、これは通信品質データベース(31)に格納すべき情報に依存しているため、後述する基地局選択部(101)の要求によって決定される。
次に、位置検出部(103)の処理を説明する。
通信端末(1)の位置を検出する最も簡単な方法は、GPSを用いて緯度・経度を直接測定することである。そのためには通信端末(1)にGPSアンテナとGPSモジュールを備えて、測定できる手段を設ける必要がある。
もっとも、通信端末のすべてがGPSに対応してはおらず、また電力消費や互換性の観点からもGPSの測定が好適とは言えない。本発明では基地局との相対的な位置が分かれば十分であるため、必ずしも緯度経度を測定するGPSによる位置検出は必要ない。
そこで、本発明では上記従来技術としてあげたPlaceEngine(非特許文献1、2参照)を用いる手法を提案する。PlaceEngineでは、認識できる無線LANのアクセスポイントとその電波強度から、予め登録されたアクセスポイントの位置データベースに基づいて端末の位置を推定するものである。PlaceEngineはネットワーク上に設置された位置特定のためのサーバに問い合わせる方法と、端末内に閉じて位置推定を行う2つの方法を提供している。これについては公知であるから簡単に説明するにとどめる。
図3には位置検出部(103)の詳細な構成を示す。図4には端末位置検出処理(S11−2)の詳細な処理手順を示す。
本構成では、同時検出基地局情報取得部(1030)と位置特定部(1031)が備えられている。同時検出基地局情報取得部(1030)は通信モジュール(21)で基地局を走査して、通信端末(1)が同時に検出できる基地局のリストを取得する。このとき、各基地局からの電波の電波強度(電界強度)を測定してもよい。(同時検出基地局情報取得ステップ:S111)
図5に示すように、通信端末(1)が複数の基地局AP1〜4の電波を同時に受信可能であるとする。そのとき、予め各基地局の分布地図が基地局地図データ(32)として外部記憶装置に格納されていると、位置特定部(1031)は三角測量の要領で、通信端末(1)の位置を計算することができる。(端末位置計算ステップ:S112)
電波強度を用いない場合でも、例えばAP1〜4の全てが検出される場合には、それらの中間位置にあることを検出できる。各基地局の出力が同一であれば、電界強度と減衰率から正確な位置を検出できる。基地局の出力が異なる場合でも基地局毎の出力を基地局地図データ(32)に格納しておけば、同様に計算できる。
PlaceEngineでは基地局地図データ(32)の基地局に緯度・経度を備えているので、通信端末の位置も緯度・経度で出力することができる。
本発明では、通信端末の大まかな位置を知ることができればよいので、図5のようにメッシュ状にエリアを分割して、どのエリアかを出力してもよい。上記技術と組み合わせて絶対的な座標(緯度・経度など)からエリアに変換してもよいし、絶対的座標を用いずにエリアだけを出力してもよい。例えば、AP1〜AP4が検出される場合には図示のエリア(51)、AP1とAP2だけが検出される場合はエリア(50)、AP3とAP4だけが検出される場合にはエリア(52)というように出力してもよい。
このように、位置特定部(1031)は緯度・経度の情報をそのまま出力してもよいし、メッシュ状のエリアで出力することもできる。(位置特定ステップ:S113)
接続基地局情報取得部(105)の処理を説明する。
この処理は接続中の基地局の識別情報を取得すればよい。基地局の識別情報とは、例えばMACアドレス、IPアドレス、ホスト名、SSIDなどが挙げられるが、基地局の製造メーカーが付与した機器固有の名称など、識別力があればいかなるものでもよい。
取得方法は識別情報によるが、MACアドレス等であれば通信モジュール(21)から容易に取得することができる。データの普遍性、統一性の観点からMACアドレスが特に好適である。
通信品質取得部(106)の処理を説明する。
本発明では接続中の基地局の電波強度と、アプリケーション毎の品質レベルを測定する。電波強度は通信モジュール(21)で簡便に取得できる。
アプリケーション毎の通信品質は、音声通話とビデオストリーミングに関しては、受信したパケットのロスとジッタによって通信品質を計算する。ファイル転送に関しては、受信したパケットのスループットにより通信品質を計算する。
その他のアプリケーションでは、電波強度のみを用いることにする。
上記はアプリケーションに応じて着目すべき通信品質を例示したが、これに限定されるものではない。
測定された通信品質は適当な正規化方法を用いて、例えば5段階の絶対評価値として扱うのが好適である。
以上の通信品質取得部(106)の処理で取得された通信品質情報を、通信品質情報記録部(107)が通信品質データベースとして記録する。(通信品質情報記録ステップ:S12)
通信品質データベースの一例を表3に示す。
Figure 0005176237
この表に示すように、各基地局のMACアドレス毎と端末の位置毎に、アプリケーションの種類と、その時のジッタ、ロス、スループットを計測して格納してある。電波強度は同一基地局では同一値である。
通信端末(1)が繰り返し同じ種類のアプリケーションで通信して複数の値を計測できる場合には、各通信品質の値は平均値をとるなど、所定の統計計算によって更新していってもよい。
アプリケーションの種類によって分類し、かつ上述したように種類を自動的に分類することで、通信端末(1)のオペレーティングシステムや装置の種類によって多数のアプリケーションが提供されている中でも、柔軟にデータベースへの適用が可能となる。
アプリケーションの種類毎に蓄積する他、具体的なアプリケーションの名称によって蓄積していってもよい。例えば、アプリケーション名ABCについての通信品質をデータベースに蓄積する。この場合には、既知のアプリケーションについてのみデータベースでの分類が可能となる反面、そのアプリケーションの特性に応じた細かな評価が可能となる。
以上を組み合わせて、多く用いられるアプリケーションについては名称でデータベースに格納し、それ以外については種類毎に自動的に分類する方法を併用してもよい。
なお、通信品質取得部(106)では上述したような計測値に限らず、単に通信の可否だけを通信品質としてもよい。例えば、音声通話の通信が確立出来た場合には1、確立出来なかった場合には0のように蓄積してもよい。
ここまでの処理が、通信品質データベース(31)を作成する一連の工程である。
このように通信品質データベースを作成することを目的として、通信品質情報取得機構(10b)だけを備えた通信端末を提供してもよい。
次に、この通信品質データベース(31)を用いて基地局を選択する処理について説明する。図2の右側の工程に示すように、まずアプリケーション実行部(102)が、アプリケーションプログラムを実行処理する。(アプリケーション実行ステップ:S13)
次に、アプリケーション検出部(104)が、アプリケーション検出処理を行う。(アプリケーション検出ステップ:S14−1)。
さらに、位置検出部(103)が、通信端末(1)の位置を検出する。(位置検出ステップ:S14−2)。
ここまでの各処理は、上述したものと同様である。各処理部は図1のように共用することもできるし、別個に設けてもよい。例えば、前段処理の位置検出部としてGPSを用い、本処理の位置検出部としては無線LANによる位置検出を用いてもよい。
アプリケーション検出ステップ(S14−1)と位置検出ステップ(S14−2)は同時又は適宜の順序で行うことの出来る処理(S14)である。
そして、本発明では基地局選択部(101)が基地局を選択する。(基地局選択ステップ:S15)
基地局を選択するタイミングは、任意であって、定期的に選択処理(S15)を行ってもよいし、通信端末(1)において通信品質の低下を検出することを契機に選択処理(S15)を行うようにしてもよい。
最適な基地局の選択アルゴリズムについては任意であるが、好適な実施例を2つ示す。
まず第1のアルゴリズムとしては、通信品質データベース(31)の情報のうち、現在通信端末が存在するエリアにおける情報であって、かつ端末が使用しているアプリケーションの種類に該当する情報を検索し、該当する基地局のMACアドレスと品質レベルを取得する。
そして、品質レベルが最高のアクセスポイントを選択する。
具体的には、現在の通信端末(1)がエリアAに所在し、音声通話のアプリケーションを実行処理中の場合、表3の1段目と2段目の基地局が抽出される。MACアドレスが112233445566の方の品質レベルは、ジッタ3、ロス4で平均3.5である。223344556677の方はジッタ4、ロス5で平均4.5である。
これらから後者の方を選択する。ジッタとロスなど品質の種類に重み付けを行ったり、所定の演算式によって評価してもよい。これに電波強度も加味するようにしてもよいし、「電波強度が3以上」などの選択条件を付してもよい。
第2のアルゴリズムとしては、通信品質データベース(31)の情報のうち、通信端末(1)が使用しているアプリケーションの種類に該当する情報を検索し、該当する基地局のMACアドレスと品質レベルを抽出する。そして各基地局について品質レベルが最も大きいエリアを探し、これを基地局の位置とする。
そして、最も通信端末(1)に近い位置にある基地局を選択する。
具体的には、まず音声通話のアプリケーションから表3の1段目、2段目、6段目が抽出される。1段目と6段目で比較すると、同じ基地局についてエリアAで測定した場合にはジッタ3、ロス4であるのに対し、エリアBで測定した場合にはジッタ4、ロス5である。これからすると、この基地局は測定結果の良いエリアBに所在すると推定される。
2段目はエリアAの記録しかないので、同様にエリアAに所在すると推定する。
そして、もし通信端末(1)がエリアBに所在する場合には、MACアドレスが112233445566の基地局に、エリアAに所在する場合には223344556677の基地局を選択する。
仮に同じエリアに複数の基地局が見つかる場合には、その中で最も品質レベルの高い基地局に接続すればよい。
任意の選択アルゴリズムを用いて、基地局の選択を行い、その結果に従って通信モジュール(21)が接続を確立する。
本発明の方法は、初めてリンクを確立する場合や、接続する基地局をハンドオーバする場合でも適用できる。また、複数の基地局とのリンクを同時に使用するリンクアグリゲーションを用いた通信でも、全部又は一部の基地局の選択に本発明方法を用いることができる。
(通信システムの構成)
本発明は、図6及び図7に示すような通信端末(6)とサーバ(7)とからなる通信システムとして提供することもできる。
本システムの特徴は、アプリケーションの実行や通信品質情報の取得などは上記と同様に通信端末(6)で行いながら、通信品質データベース(31)を蓄積したり、基地局を選択する処理をサーバ(7)に行わせることである。
図6に示すように、通信端末(6)の通信品質情報送信機構(10c)として、アプリケーション実行部(102)、位置検出部(103)、アプリケーション検出部(104)、接続基地局情報取得部(105)、通信品質取得部(106)と共に、端末装置の位置、接続中の基地局の識別情報、アプリケーションプログラムの種類又は名称、通信品質情報、の各情報をサーバ装置(7)に送信する通信品質情報送信部(61)を備える。
通信端末(6)の各処理部について、実施例1と同一符号の処理部は、同様の構成であるから説明を省略する。図2における各ステップ(S10)(S11)は図8の(S20)(S21)に対応し、各ステップ(S13)(S14)は(S25)(S26)に対応する。
通信品質情報送信部(61)が各情報を送信するタイミングは、通信品質情報を取得する度に行ってもよいし、通信品質データベース(31)と同様に通信端末(6)の外部記憶装置に一度蓄積しておいて、所定の契機にまとめて送信する構成でもよい。(通信品質情報送信ステップ:S22)
サーバ(7)には、アンテナ(72)と通信モジュール(71)を設けて通信端末(6)と通信が可能であり、通信品質情報記録機構(70a)として、通信品質情報送信部(61)から来る各情報を受信する通信品質情報受信部(701)(通信品質情報受信ステップ:S23)と、各情報の組み合わせを通信品質データベース(31)に記録する通信品質情報記録部(702)(通信品質情報記録ステップ:S24)とを備える。
以上により、実施例1と同様にサーバ(7)に通信品質データベース(31)が蓄積される。
次に、図8の右側の処理について説明する。
通信端末(6)の基地局照会処理機構(10d)として、アプリケーション実行部(102)、位置検出部(103)、アプリケーション検出部(104)と共に、検出した現在の位置と、現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称をサーバ装置(7)に送信する一方、サーバ装置(7)から選択すべき基地局の識別情報を受信する基地局照会部(62)を備える。
通信品質が低下した場合などの契機に、基地局照会部(62)はサーバ(7)に対して基地局照会メッセージを送信する。このメッセージには、現在の位置と、アプリケーションプログラムの種類などが含まれる。(基地局照会ステップ:S27)
これを受信したサーバ(7)では、基地局回答処理機構(70b)の基地局選択部(703)が受信した情報に基づいて実施例1の基地局選択部(101)と同様のアルゴリズムにより最適な基地局を選択する。(基地局選択ステップ:S28)
そして、この結果を基地局回答処理機構(70b)の基地局回答部(704)が通信端末(6)に向けて送信する。(基地局回答ステップ:S29)
基地局照会部(62)がこれを受信(選択基地局情報受信ステップ:S30)して、その基地局に接続することで完了する。
このように通信品質データベース(31)をサーバ(7)上に置くことにより、複数の通信端末で該データベース(31)を共有することが可能となり、データベースの構築の速度や情報量を増加させることができる。
なお、通信端末(6)とサーバ(7)とを接続する経路は、無線ネットワークに限らず、任意のネットワークで接続されていればよい。サーバ(7)はインターネット上に設置して、通信端末(7)からインターネットを介して接続される構成が好ましい。
(端末の位置情報を用いない構成)
本発明のより好適な実施例として、実施例1および2では、通信端末(1)(6)の現在位置情報を用いる構成について説明した。
もっとも、本発明の最大の特徴は、アプリケーション毎の通信品質情報に基づいて基地局を選択することにあり、必ずしも端末の位置情報を用いることは必要でない。
すなわち、図1及び図6に示す位置検出部(103)を設けず、図2及び図8における端末位置検出ステップ(S11−2)(S14−2)(S21−2)(S26−2)における処理を省略することができる。これに対応して、通信品質データベース(31)にも位置の情報を含ませないことができる。
このような構成では、基地局選択処理(S15)(S28)において端末位置の条件を用いず、アプリケーションを検出(S14−1)(S26−1)したら、通信品質データベース(31)におけるアプリケーションの種類又は名称のみを照合して、最も品質が高い基地局を選択する。
通信端末の位置が固定しない場合や、予め通信可能な基地局が分かっている環境下では本実施例の構成でも、効果的に基地局を選択することができる。また、基地局を先に選択してから、接続を試行し、それに失敗した場合には次の候補を選択するようにしてもよい。
さらに、通信モジュール(21)で通信可能な基地局を走査し、その基地局のリストの中から基地局の選択をすることもできる。この場合、実施例2の構成では、基地局のリストを基地局照会処理(S27)でサーバ(7)に送信するのが好ましい。
通信端末(6)とサーバ(7)からなる通信システムの構成では、通信品質データベース(31)には位置情報も含めて蓄積する一方、位置検出部(103)を備えた通信端末(6)では位置情報も含めて基地局を選択し、それを備えない通信端末では実行中のアプリケーションから基地局を選択するようにしてもよい。
本発明は、携帯電話網や無線LANアクセスネットワークを含む、あらゆる無線ネットワークの無線基地局に接続する機能をもつ通信端末について無線基地局間を移動する場合や、端末上でアプリケーションの使用状況が変更された際に無線基地局を選択する方法及び装置として本発明を適用することができる。
本発明の実施例1に係る通信端末の構成図である。 本発明の実施例1に係る処理のフローチャートである。 本発明の位置検出部の実施例である。 本発明の位置検出部における処理のフローチャートである。 本発明に係る基地局の分布地図の説明図である。 本発明の実施例2に係る通信端末の構成図である。 本発明の実施例2に係るサーバの構成図である。 本発明の実施例2に係る処理のフローチャートである。
符号の説明
1 通信端末
10 CPU
10a 基地局選択機構
10b 通信品質情報取得機構
101 基地局選択部
102 アプリケーション実行部
103 位置検出部
104 アプリケーション検出部
105 接続基地局情報取得部
106 通信品質取得部
107 通信品質情報記録部
20 アンテナ
21 通信モジュール
30 外部記憶装置
31 通信品質データベース

Claims (14)

  1. 少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な通信端末装置であって、
    接続している通信ネットワークの基地局の識別情報を取得する接続基地局情報取得手段と、
    前記アプリケーションプログラムを実行処理するアプリケーション実行手段と、
    実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するアプリケーション検出手段と、
    実行処理中のアプリケーションプログラムの通信における通信可否又は通信品質の情報を取得する通信品質取得手段と、
    少なくとも、該基地局の識別情報と、該アプリケーションプログラムの種類又は名称と、該通信品質情報との組み合わせを通信品質データベースに記録する通信品質情報記録手段と
    から成る通信品質情報取得機構を備えると共に、
    該アプリケーション実行手段と、
    該アプリケーション検出手段と、
    該アプリケーション検出手段で検出する現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を入力して、該通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて該通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択する基地局選択手段と
    から成る基地局選択機構を備えて、
    該通信端末装置が、接続先の基地局を選択する際に、該基地局選択機構の選択に従って、基地局と接続する
    ことを特徴とする通信端末装置。
  2. 前記通信端末装置において、
    前記通信品質情報取得機構に、
    該通信端末装置の現在の位置を検出する位置検出手段を備え、
    前記通信品質情報記録手段が、該通信端末装置の位置を、前記基地局の識別情報と、前記アプリケーションプログラムの種類又は名称と、前記通信品質情報との組み合わせにより通信品質データベースに記録する一方、
    前記基地局選択機構に、該位置検出手段を備え、
    前記基地局選択手段が、該位置検出手段で検出する現在の位置と、該アプリケーション検出手段で検出する現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称とを入力して、該通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて該通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
  3. 前記位置検出手段が、
    同時に検出可能な複数の基地局の識別情報を取得する同時検出基地局情報取得部と、
    予め備えた基地局の分布情報に従って、該通信端末装置の位置を特定する位置特定部と
    を備えた
    請求項2に記載の通信端末装置。
  4. 前記同時検出基地局情報取得部において、基地局の識別情報と共に、各基地局の電波強度を測定し、
    前記位置特定部が、該電波強度を用いて位置を計算する
    請求項3に記載の通信端末装置。
  5. 前記アプリケーション検出手段が、
    前記通信手段を通るパケットを監視し、そのパケットの態様と、予め備えた各アプリケーションプログラム毎のパケット態様のデータベースとを比較することで、アプリケーションプログラムの種類又は名称を検出する
    請求項1ないし4のいずれかに記載の通信端末装置。
  6. 少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な通信端末装置であって、
    前記請求項1又は2記載の通信品質データベースを予め備えると共に、
    前記請求項1又は2記載の基地局選択機構を備えて、
    該通信端末装置が、接続先の基地局を選択する際に、該基地局選択機構の選択に従って、基地局と接続する
    ことを特徴とする通信端末装置。
  7. 少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な端末装置と、通信ネットワークを介して該端末装置に対し、接続する基地局を通知するサーバ装置からなる通信システムであって、
    該端末装置には、
    接続している通信ネットワークの基地局の識別情報を取得する接続基地局情報取得手段と、
    前記アプリケーションプログラムを実行処理するアプリケーション実行手段と、
    実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するアプリケーション検出手段と、
    実行処理中のアプリケーションプログラムの通信における通信可否又は通信品質の情報を取得する通信品質取得手段と、
    少なくとも、該基地局の識別情報と、該アプリケーションプログラムの種類又は名称と、該通信品質情報との各情報を該サーバ装置に送信する通信品質情報送信手段と
    からなる通信品質情報送信機構を備えると共に、
    該アプリケーション実行手段と、
    該アプリケーション検出手段と、
    該アプリケーション検出手段で検出する現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を該サーバ装置に送信して、該サーバ装置から選択すべき基地局の識別情報を受信する基地局照会手段と
    からなる基地局照会処理機構を備える一方、
    該サーバ装置には、
    該通信品質情報送信手段からの各情報を通信ネットワークを介して受信する通信品質情報受信手段と、
    該各情報の組み合わせを通信品質データベースに記録する通信品質情報記録手段と
    からなる通信品質情報記録機構を備えると共に、
    該基地局照会手段からの受信した情報を入力して、該通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて該通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択する基地局選択手段と、
    選択した基地局の識別情報を該端末装置に送信する基地局回答手段と
    からなる基地局回答処理機構を備え、
    該端末装置が、接続先の基地局を選択する際に、該サーバ装置の選択に従って、基地局と接続する
    ことを特徴とする通信システム。
  8. 前記端末装置の通信品質情報送信機構に、
    該通信端末装置の現在の位置を検出する位置検出手段を備え、
    前記通信品質情報送信手段が、該通信端末装置の位置を、前記該基地局の識別情報と、前記アプリケーションプログラムの種類又は名称と、前記通信品質情報との組み合わせにより該サーバ装置に送信すると共に、
    前記基地局照会処理機構に、該位置検出手段を備え、
    前記基地局照会手段が、
    該位置検出手段で検出する現在の位置と、該アプリケーション検出手段で検出する現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称とを該サーバ装置に送信する一方、
    前記サーバ装置の基地局選択手段が、
    該現在の位置の情報も含めて入力して、該通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて該通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択する
    ことを特徴とする請求項7に記載の通信システム。
  9. 前記端末装置における位置検出手段が、
    同時に検出可能な複数の基地局の識別情報を取得する同時検出基地局情報取得部と、
    予め備えた基地局の分布情報に従って、該通信端末装置の位置を特定する位置特定部と
    を備えた
    請求項8に記載の通信システム。
  10. 前記同時検出基地局情報取得部において、基地局の識別情報と共に、各基地局の電波強度を測定し、
    前記位置特定部が、該電波強度を用いて位置を計算する
    請求項9に記載の通信システム。
  11. 前記端末装置における前記アプリケーション検出手段が、
    前記通信手段を通るパケットを監視し、そのパケットの態様と、予め備えた各アプリケーションプログラム毎のパケット態様のデータベースとを比較することで、アプリケーションプログラムの種類又は名称を検出する
    請求項7ないし10のいずれかに記載の通信システム。
  12. 少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な端末装置であって、
    前記請求項7又は8記載の基地局照会処理機構を備え、
    該端末装置が、接続先の基地局を選択する際に、前記サーバ装置の選択に従って、基地局と接続する
    ことを特徴とする端末装置。
  13. 少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な通信端末装置における基地局の選択方法であって、
    アプリケーション実行手段が、前記アプリケーションプログラムを実行処理するステップ、
    アプリケーションプログラムの実行処理中に、
    アプリケーション検出手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するステップと、
    位置検出手段が該通信端末装置の現在の位置を検出するステップと、
    接続基地局情報取得手段が接続している通信ネットワークの基地局の識別情報を取得するステップと
    通信品質取得手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの通信における通信可否又は通信品質の情報を取得するステップと
    の各ステップを同時又は適宜の順序で実行処理し、
    その後、
    通信品質情報記録手段が、少なくとも、該通信端末装置の位置と、該基地局の識別情報と、該アプリケーションプログラムの種類又は名称と、該通信品質情報との組み合わせを通信品質データベースに記録するステップ
    を有して、通信品質データベースを作成する一連の工程と、
    アプリケーション実行手段が、前記アプリケーションプログラムを実行処理するステップ、
    アプリケーションプログラムの実行処理中に、
    アプリケーション検出手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するステップと、
    位置検出手段が該通信端末装置の現在の位置を検出するステップと、
    の各ステップを同時又は適宜の順序で実行処理し、
    その後、
    基地局選択手段が、検出された現在の位置と、現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称とを入力して、上記で作成した通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて該通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択する一連の工程によって、
    該通信端末装置が、接続先の基地局を選択する際に、該基地局選択機構の選択に従って、基地局と接続する
    ことを特徴とする通信端末装置における基地局の選択方法。
  14. 少なくとも無線通信ネットワークに接続可能な通信手段を備え、通信を利用するアプリケーションプログラムを実行可能な端末装置と、通信ネットワークを介して該端末装置に対し、接続する基地局を通知するサーバ装置からなる通信システムにおける基地局の選択方法であって、
    該端末装置において、
    アプリケーション実行手段が、前記アプリケーションプログラムを実行処理するステップ、
    アプリケーションプログラムの実行処理中に、
    アプリケーション検出手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するステップと、
    位置検出手段が該端末装置の現在の位置を検出するステップと、
    接続基地局情報取得手段が接続している通信ネットワークの基地局の識別情報を取得するステップと
    通信品質取得手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの通信における通信可否又は通信品質の情報を取得するステップと
    の各ステップを同時又は適宜の順序で実行処理し、
    その後、
    通信品質情報送信手段が、少なくとも、該端末装置の位置と、該基地局の識別情報と、該アプリケーションプログラムの種類又は名称と、該通信品質情報との各情報を該サーバ装置に送信するステップ、
    該サーバ装置において、
    通信品質情報受信手段が、該通信品質情報送信手段からの各情報を通信ネットワークを介して受信するステップ、
    通信品質情報記録手段が、該各情報の組み合わせを通信品質データベースに記録するステップ
    を有して、通信品質データベースを作成する一連の工程と、
    該端末装置において、
    アプリケーション実行手段が、前記アプリケーションプログラムを実行処理するステップ、
    アプリケーションプログラムの実行処理中に、
    アプリケーション検出手段が、実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称を検出するステップと、
    位置検出手段が該端末装置の現在の位置を検出するステップと、
    の各ステップを同時又は適宜の順序で実行処理し、
    その後、
    基地局照会手段が、検出された現在の位置と、現在実行処理中のアプリケーションプログラムの種類又は名称とを該サーバ装置に送信するステップ、
    該サーバ装置において、
    基地局選択手段が、該基地局照会手段からの受信した情報を入力して、該通信品質データベースを照会し、実行処理中のアプリケーションプログラムについて該通信品質情報が最適になる基地局の識別情報を選択するステップ、
    基地局回答手段が、選択した基地局の識別情報を該端末装置に送信するステップ、
    該端末装置の基地局照会手段が、該基地局の識別情報を受信する一連の工程によって、
    該端末装置が、接続先の基地局を選択する際に、該サーバ装置の選択に従って、基地局と接続する
    ことを特徴とする通信システムにおける基地局の選択方法。
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