JP5175501B2 - 結核菌における薬剤感受性を検出するための試験片 - Google Patents
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Description
該試験片には、少なくとも2つのプローブが固定されており、
該プローブのうちの少なくとも1つのプローブが、結核菌の薬剤感受性遺伝子のサイレント変異または遺伝子多型を有する塩基配列の領域とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドからなり、そして該サイレント変異を有する塩基配列の領域において、該サイレント変異以外の塩基の配列が野生型であり、
該プローブのうちの他のプローブが、結核菌の薬剤感受性遺伝子の野生型塩基配列からなる任意の領域とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドからなり、そして該他のプローブが、それぞれ該試験片の異なる位置に固定され、そして
該サイレント変異を有する塩基配列の領域が、該野生型塩基配列の任意の領域のうちの1つとほぼ同じ領域である。
試料中の結核菌の薬剤感受性遺伝子を抽出する工程、
該抽出した薬剤感受性遺伝子を上記のいずれかの試験片と接触させて、該試験片に固定されたプローブに結合させる工程、および
該プローブに結合した薬剤感受性遺伝子を発色させる工程
を含む。
結核菌のPZA耐性は、ピラジナミダーゼをコードするpncA遺伝子の変異により生じ得る。野生型の結核菌が保有するpncA遺伝子の塩基配列は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列またはその相補的な配列である。配列番号1に記載の塩基配列81位〜83位の塩基ATGはタンパク質合成の開始コドンに該当し、559位〜561位は終止コドンに該当する。すなわち、この81〜561位はピラミナミダーゼのコード配列であり、ピラミナミダーゼのアミノ酸配列は、配列表の配列番号2に示すとおりである。−80位〜−1位の塩基は、タンパク質合成の上流部分に該当する。
本発明におけるPZA耐性菌となり得るpncA遺伝子の変異の位置は、配列表の配列番号1に記載の塩基配列のコード配列中(1位から561位まで)に、さらには−20位から561位までに存在し得るpncA遺伝子の変異が挙げられる。PZA耐性を誘導するpncA遺伝子の変異は既知のものが多数存在しており、これらは、例えば、特許文献3および4ならびに非特許文献1〜5に開示されている。これらの変異のうち、いずれか1つの変異があれば、PZA耐性結核菌となり得る。
結核菌のREP耐性は、RNAポリメラーゼBサブユニットをコードするrpoB遺伝子の変異により生じ得る。野生型の結核菌が保有するrpoB遺伝子の塩基配列は、配列表の配列番号57に記載の塩基配列またはその相補的な配列である。配列番号57に記載の塩基配列1位〜3位の塩基GTGはタンパク質合成の開始コドンに該当し、3532位〜3534位は終止コドンに該当する。すなわち、この1〜3534位はRNAポリメラーゼBサブユニットのコード配列であり、RNAポリメラーゼBサブユニットのアミノ酸配列は、配列表の配列番号58に示すとおりである。
本発明におけるREP耐性菌となり得るrpoB遺伝子の変異の位置は、配列表の配列番号57に記載の塩基配列のコード配列中(1位から3534位まで)に存在し得るrpoB遺伝子の変異が挙げられる。REP耐性を誘導するrpoB遺伝子の変異は既知のものが多数存在しており、これらは、例えば、非特許文献6に開示されている。これらの変異のうち、いずれか1つの変異があれば、REP耐性結核菌となり得る。
結核菌のNQ耐性は、DNAジャイレースをコードするgyrA遺伝子の変異により生じ得る。野生型の結核菌が保有するgyrA遺伝子の塩基配列は、配列表の配列番号63に記載の塩基配列またはその相補的な配列である。配列番号63に記載の塩基配列1位〜2517位の塩基ATGはタンパク質合成の開始コドンに該当し、2515位〜2517位は終止コドンに該当する。すなわち、この1〜2517位はDNAジャイレースのコード配列であり、DNAジャイレースのアミノ酸配列は、配列表の配列番号64に示すとおりである。
本発明におけるNQ耐性菌となり得るgyrA遺伝子の変異の位置は、配列表の配列番号63に記載の塩基配列のコード配列中(1位から2517位まで)に存在し得るgyrA遺伝子の変異が挙げられる。NQ耐性を誘導するgyrA遺伝子の変異は既知のものが多数存在しており、これらは、例えば、非特許文献7に開示されている。これらの変異のうち、いずれか1つの変異があれば、NQ耐性結核菌となり得る。
本発明の結核菌における薬剤感受性を検出するための試験片に用いられるプローブとしては、薬剤感受性遺伝子のサイレント変異またはSNPを有する領域に結合し得るオリゴヌクレオチドプローブ(以下、「サイレント変異プローブ」または「SNPプローブ」という場合がある)、ならびに野生型の薬剤感受性遺伝子の任意の領域と結合し得るオリゴヌクレオチドプローブ(以下、「野生型プローブ」という場合がある)が挙げられる。各プローブの長さは、結合(ハイブリダイズ)させる時の温度にもよるが、一般的には10〜30ヌクレオチド長、好ましくは12〜26ヌクレオチド長である。
本発明の、結核菌における薬剤感受性を検出するための試験片は、少なくとも2つのプローブが固定されている。固定されているプローブのうちの少なくとも1つのプローブは、上記サイレント変異プローブまたはSNPプローブであり、そして他のプローブは、試験片のそれぞれ異なる位置に固定された野生型プローブであり、サイレント対応野生型プローブまたはSNP対応野生型プローブを含む。
1.検体
本発明において、「検体」は、通常、結核菌検査に必要な検体であればよい。例えば、喀痰、咽頭ぬぐい液、胃液、気管支肺胞洗浄液、気管内吸引物、喉からの拭取物および/または組織生検物などの体液、ならびにこれらから培養して得られた結核菌自体が挙げられる。
上記検体からのDNAの抽出は、公知の方法で行うことができる。例えば、フェノール抽出法、グアニジンチオシナネート抽出法、バナジルリボヌクレオシド複合抽出法などが挙げられる。検体を前処理したものを本明細書において「試料」という。
PCR法で核酸を増幅する場合、例えば、以下の工程で行われる:(1)2本鎖ゲノムDNAを約92〜95℃、約30秒〜1分間の反応条件で熱処理することにより1本鎖にする変性工程;(2)該1本鎖DNAのそれぞれに約50〜65℃を約20秒〜1分間の反応条件で、少なくとも2種類の増幅プライマーを結合させることによりPCRの反応開始点となる2本鎖部分を作製するアニール工程;(3)約70〜75℃を約20秒〜5分間の反応条件でDNAポリメラーゼを用いて反応させる鎖伸張工程;ならびに(1)〜(3)の工程を通常の方法により20〜40回繰り返す工程。例えば、pncA遺伝子をPCRで増幅するために用いられるプライマー対として、全ての変異部位を含むpncA遺伝子を増幅し得るように、全ての変異部位を含む配列部位よりも上流の配列と、多型部位よりも下流の配列と同一または相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。好ましいプライマー対の例としては、配列表の配列番号53および54のオリゴヌクレオチドまたはその相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
本発明において、結核菌の薬剤感受性は、PCR−SSOP法によって検出することができる。より簡便には、固定されたプローブの数と、PCR−SSOP法において検出されたスポットの数を比較することにより検出することもできる。例えば、上記のプローブが固定された試験片を使用する場合、PCR−SSOP法におけるハイブリダイズは、非特異吸着反応が起きにくい点で、約60〜65℃の温度で行うことが好ましい。検出されたスポットの数が、固定されたプローブの数と同数であれば、結核菌は変異を有さない、すなわち薬剤感受性であり、検出スポット数が固定プローブ数より少なければ結核菌は薬剤耐性であると判断することができる。
本発明の検出用キットは、上記の試験片を含む。好適には、結核菌の薬剤感受性を検出するために適切な任意の試薬類を含み得る。例えば、上記のDNAの抽出のための試薬、遺伝子増幅用試薬、プローブへの遺伝子の結合を検出するための試薬などが挙げられる。具体的なキットとして、上記のPCR−SSOP法を実施するためのキットを例示する。
1.試験用溶液の調製
ミドルブック液体培地(ベクトン・ディッキンソン社)に、最終濃度100mg/Lのピラジナミドおよび蛍光発色基質であるトリス−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン塩化ルテニウム五水和物を溶解して試験用培地を調製した。
結核患者255名の喀痰から精製培養した結核菌を上記試験用溶液に添加し、37℃で4日間から21日間培養した。PZAが添加されていないチューブで発育が観察され、PZAが添加されたチューブで発育が認められない場合を感受性とした。発育の確認は発育とともに増加する蛍光発色の有無により行った。その結果、227検体がPZAに感受性を有することが明らかとなった。
1.pncA遺伝子の抽出
実施例1でピラジナミド感受性結核菌と判定された227検体からフェノール抽出法によりゲノムDNAを抽出精製した。
次に、以下に示すプライマーを用いてpncA遺伝子を増幅した。PCRの反応条件は、変性過程を94℃、30秒、アニール過程を55℃、20秒、鎖伸長過程を72℃、20秒とし、この工程を30サイクルにより、増幅を行った。
プライマー1 ggcagtttgc ctaccgacgc (配列番号53)
プライマー2 ccaacagttc atcccggttc g (配列番号54)
増幅された227例のpncA遺伝子の塩基配列をシークエンサーで調べた。その結果、新たな変異:Ser65Ser[tcC→tcT](図1のプローブ17上の白抜き矢印)が227例中6例において発見された。この変異は、塩基が置換されているにもかかわらずコードされるアミノ酸が変化しないサイレント変異であった。
1.野生型プローブの設計
特許文献3および4に記載の塩基の変異(図1の細い矢印の位置)ならびに新たに見出された変異Pro62Leu[cCg→cTg](図1の太い矢印の位置)のいずれかを検出し得るプローブとして、以下に示すプローブ1〜47(それぞれ、配列番号3〜18、21、および23〜52に対応)を構築した。図1に、これらのプローブの位置関係を示す。
プローブ2 atgatcaacg cccgcatac(配列番号4)
プローブ3 cacgtcgacg atgatcaacg(配列番号5)
プローブ4 gtcgttctgc acgtcgac(配列番号6)
プローブ5 ccaccctcgc agaagtcgtt(配列番号7)
プローブ6 cgagccaccc tcgcagaag(配列番号8)
プローブ7 gttaccgcca gcgagccacc(配列番号9)
プローブ8 agcgcggcgc caccggttac cg(配列番号10)
プローブ9 gtagtcgctg atggcgcggg ccagcgcg(配列番号11)
プローブ10 gccaggtagt cgctgatggc gc(配列番号12)
プローブ11 tggtagtccg ccgcttcggc caggta(配列番号13)
プローブ12 ggttgccacg acgtgatggt ag(配列番号14)
プローブ13 gatgtggaag tccttggttg c(配列番号15)
プローブ14 cgggtcgatg tggaagtc(配列番号16)
プローブ15 tggtcacccg ggtcgatgt(配列番号17)
プローブ16 cggtgtgccg gagaagtggt ca(配列番号18)
プローブ17 cgacgaggaa tagtccggtg t(配列番号21)
プローブ18 tgcggtggcc acgacga(配列番号23)
プローブ19 cgctgacgca atgcggtg(配列番号24)
プローブ20 cgccgggagt accgctg(配列番号25)
プローブ21 aagtccgcgc cgggagta(配列番号26)
プローブ22 gtccagactg ggatggaagt cc(配列番号27)
プローブ23 cctcgattgc cgacgtgtcc ag(配列番号28)
プローブ24 ccttgtagaa caccgcctcg a(配列番号29)
プローブ25 tccggtgtag gcacccttgt ag(配列番号30)
プローブ26 aagccgctgt acgctccggt(配列番号31)
プローブ27 ctcgtcgact ccttcgaagc cg(配列番号32)
プローブ28 tggcgtgccg ttctcgtcga(配列番号33)
プローブ29 gcagccaatt cagcagtggc gt(配列番号34)
プローブ30 cgccgcgttg ccgcagccaa(配列番号35)
プローブ31 atcgacctca tcgacgccgc(配列番号36)
プローブ32 tggcaatacc gaccacatcg ac(配列番号37)
プローブ33 cacacaatga tcggtggcaa ta(配列番号38)
プローブ34 ggccgtctgg cgcacacaat(配列番号39)
プローブ35 cgtaccgcgt cctcggccgt(配列番号40)
プローブ36 aagccattgc gtaccgcgtc(配列番号41)
プローブ37 ccagcaccct ggtggccaag ccat(配列番号42)
プローブ38 gtcaggtcca ccagcaccct gg(配列番号43)
プローブ39 cacccgctgt caggtccacc ag(配列番号44)
プローブ40 tcggccgaca cacccgct(配列番号45)
プローブ41 ggtggtatcg gccgacac(配列番号46)
プローブ42 cggcgacggt ggtatcgg(配列番号47)
プローブ43 ccagcgcggc gacggt(配列番号48)
プローブ44 cgcatctcct ccagcgcggc(配列番号49)
プローブ45 cggtgcgcat ctcctccag(配列番号50)
プローブ46 actcgacgct ggcggtgc(配列番号51)
プローブ47 gagctgcaaa ccaactcgac(配列番号52)
上記実施例2の解析により見出されたサイレント変異は、上記プローブ17が結合し得る領域に存在する。したがって、以下のサイレント変異プローブ(プローブ17S:配列番号22)を構築した(図1を参照のこと)。
プローブ17S acgacgaaga atagtccggt gt(配列番号22)
上記プローブ1〜47(配列番号3〜18、21、および23〜52に記載の塩基配列)ならびにプローブ17S(配列番号22に記載の塩基配列)のそれぞれの5’末端にターミナルトランスフェラーゼ(Promega社)を用いて、ポリチミンの付加を行った。具体的には、ターミナルトランスフェラーゼ(30unit/μL)を0.4μL、チミジン三リン酸(10pmol/μL)を2μL、オリゴヌクレオチドプローブ(50mM)を2μL、製品添付の反応緩衝液を2μL、および精製水3.6μLを混合して反応溶液を調製し、37℃で4時間反応させた後、10×SSC緩衝液90μLを加えることにより、ポリチミン付加されたオリゴヌクレオチドプローブ1pmol/μLを得た。
サイレント変異プローブ(プローブ17S)を塗布しなかったこと以外は、上記実施例3の3.と同様に操作して、野生型プローブ(プローブ1〜47)のみを固定した試験片(従来型試験片という)を作成した。
1.pncA遺伝子の増幅
本実施例では、結核菌自体を検体とし、pncA遺伝子のPZA感受性の検出を行った。用いた検体の結核菌は、野生型、S65Sサイレント変異型、およびP62L変異型であった。PZA耐性菌を検出するために、検体中に存在し得るPZase関連遺伝子であるpncA遺伝子を増幅する必要がある。そこで、まず、NestedPCR法によって、検体からpncA遺伝子を増幅した。Nestedプライマーとして、以下のものを使用した(図1を参照のこと)。
Nestedプライマー1 cagatatagg gccatgacgc c(配列番号55)
Nestedプライマー2 cttgcggcga gcgctc(配列番号56)
プライマー1 ggcagtttgc ctaccgacgc(配列番号53)
プライマー2 ccaacagttc atcccggttc g(配列番号54)
増幅したDNA溶液10μLに、水酸化ナトリウム(5M)、エチレンジアミン四酢酸(0.05M)の溶液(10μL)を加えてよく攪拌し、5分間放置して、増幅したDNAを1本鎖に変性した。この試料溶液中に、ドデシル硫酸ナトリウム(0.01w/v%)、塩化ナトリウム(1.8w/v%)、クエン酸ナトリウム(1.0w/v%)の溶液(1mL)、および上記実施例3で作成した混合型試験片を加え、反応温度62℃の下で30分間振とうして反応させた。その後、アルカリホスファターゼ標識ストレプトアビジンを加え、試験片上の各プローブと結合している遺伝子の末端に存在するビオチンに結合させた。さらに、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)および5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスファターゼp−トルイジニル塩(BCIP)を加えて、試験片上の各プローブに結合したアルカリホスファターゼが存在する位置で発色させた。結果を図2に示す。
混合型試験片の代わりに上記比較例1で作成した従来型試験片を用いたこと以外は、上記実施例4と同様に操作して、各結核菌についてのPZA感受性の検出を行った。結果を図2にまとめて示す。
上記実施例2と同様に、増幅された227例のpncA遺伝子の塩基配列をシークエンサーでさらに調べた。その結果、さらに新たな変異:Gly60Gly[ggC→ggT](図1のプローブ16上の白抜き矢印の位置)が227例中2例において発見された。この変異も、サイレント変異であった。
プローブ16S ggtgtaccgg agaagtggtc a(配列番号20)
プローブ16’ gtgtgccgga gaagtggtca(配列番号19)
rpoBで見出されているサイレント変異は、Lys436Lys[Ctg→Ttg 1306]およびLys446Lys[ctG→ctA 1338]である(非特許文献6)。そこで、それぞれのサイレント変異に対して、以下の野生型プローブR1とサイレント変異プローブR1S、ならびに野生型プローブR2とサイレント変異プローブR2Sを設計した。
Lys436Lys[Ctg→Ttg 1306]用:
プローブR1 cagccagCtg agccaattca tg(配列番号59)
プローブR1S cagccagTtg agccaattca tg(配列番号60)
Lys446Lys[ctG→ctA 1338]用:
プローブR2 aacccgctGt cggggttgac c(配列番号61)
プローブR2S aacccgctAt cggggttgac c(配列番号62)
gyrAで見出されているSNPは、Ser95Thr[aGc→aCc 284]である(非特許文献7)。そこで、このSNPに対して、以下の野生型プローブN1とSNPプローブN1Sを設計した。
プローブN1 cgatctacga caGcctggtg c(配列番号65)
プローブN1S cgatctacga caCcctggtg c(配列番号66)
Claims (3)
- 結核菌における薬剤感受性の検出用キットであって:
結核菌における薬剤感受性を検出するための試験片;
発色用試薬;および
薬剤感受性遺伝子増幅用プライマー対;
を含み、
該試験片において、少なくとも2つのプローブが固定されており、
該プローブのうちの少なくとも1つのプローブが、結核菌の薬剤感受性遺伝子のサイレント変異を有する塩基配列の領域とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドからなり、そして該サイレント変異を有する塩基配列の領域において、該サイレント変異以外の塩基の配列が野生型であり、
該プローブのうちの他のプローブが、結核菌の薬剤感受性遺伝子の野生型塩基配列からなる任意の領域とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドからなり、そして該他のプローブが、それぞれ該試験片の異なる位置に固定され、そして
該サイレント変異を有する塩基配列の領域が、該野生型塩基配列の任意の領域のうちの1つとほぼ同じ領域であり、
該サイレント変異を有する塩基配列の領域とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドおよび該領域とほぼ同じ領域の野生型塩基配列の領域とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドが、該試験片の同じ位置に固定され、
該薬剤感受性遺伝子が、ピラジナミド感受性遺伝子またはリファンピシン感受性遺伝子であり、
該ピラジナミド感受性遺伝子が、pncA遺伝子であり、
該リファンピシン感受性遺伝子が、rpoB遺伝子であり、
該pncA遺伝子の該サイレント変異が、配列表の配列番号1に記載の塩基配列またはその相補配列の275位の塩基CからTへの変異、ならびに260位の塩基CからTへの変異であり、そして
該rpoB遺伝子の該サイレント変異が、配列表の配列番号57に記載の塩基配列またはその相補配列の1306位の塩基CからTへの変異、ならびに1338位の塩基GからAへの変異である、
キット。 - 前記野生型塩基配列の任意の領域とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドが複数あり、該オリゴヌクレオチドが、前記薬剤感受性遺伝子の塩基配列のそれぞれ異なる領域とハイブリダイズし、そして該異なる領域によって該薬剤感受性遺伝子のコード配列またはその相補配列のほぼ全体が網羅される、請求項1に記載の試験片。
- 結核菌における薬剤感受性を検出する方法であって、
試料中の結核菌の薬剤感受性遺伝子を抽出する工程、
該抽出した薬剤感受性遺伝子を試験片と接触させて、該試験片に固定されたプローブに結合させる工程、および
該プローブに結合した薬剤感受性遺伝子を発色させる工程
を含み、
該試験片において、少なくとも2つのプローブが固定されており、
該プローブのうちの少なくとも1つのプローブが、結核菌の薬剤感受性遺伝子のサイレント変異を有する塩基配列の領域とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドからなり、そして該サイレント変異を有する塩基配列の領域において、該サイレント変異または遺伝子多型以外の塩基の配列が野生型であり、
該プローブのうちの他のプローブが、結核菌の薬剤感受性遺伝子の野生型塩基配列からなる任意の領域とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドからなり、そして該他のプローブが、それぞれ該試験片の異なる位置に固定され、そして
該サイレント変異を有する塩基配列の領域が、該野生型塩基配列の任意の領域のうちの1つとほぼ同じ領域であり、
該サイレント変異を有する塩基配列の領域とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドおよび該領域とほぼ同じ領域の野生型塩基配列の領域とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドが、該試験片の同じ位置に固定され、
該薬剤感受性遺伝子が、ピラジナミド感受性遺伝子またはリファンピシン感受性遺伝子であり、
該ピラジナミド感受性遺伝子が、pncA遺伝子であり、
該リファンピシン感受性遺伝子が、rpoB遺伝子であり、
該pncA遺伝子の該サイレント変異が、配列表の配列番号1に記載の塩基配列またはその相補配列の275位の塩基CからTへの変異、ならびに260位の塩基CからTへの変異であり、そして
該rpoB遺伝子の該サイレント変異が、配列表の配列番号57に記載の塩基配列またはその相補配列の1306位の塩基CからTへの変異、ならびに1338位の塩基GからAへの変異である、
方法。
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