JP5174602B2 - 水素貯蔵システム - Google Patents

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本発明は、自動車あるいは家庭用燃料電池などの分散電源に高圧水素ガスを供給するシステムであって、燃焼機関で水素を圧縮し、燃焼機関の高温廃熱で水素供給装置を加熱する高効率な水素貯蔵システムに関する。
二酸化炭素などによる地球温暖化が深刻になる中で、化石燃料に代わって次世代を担うエネルギー源として水素が注目されている。また、エネルギーを有効活用してCO2排出を削減する省エネルギー化を推進するため、発電設備のコージェネ化が注目されている。水素を利用し発電を行う燃料電池発電システムは、近年、自動車,家庭用発電設備,自動販売機,携帯機器など多様な用途の電源として技術開発が急速に進んでいる。燃料電池は、水素と酸素を反応させ水になる際に電気を発生し、発生した電力でモータを駆動させる燃料電池自動車や、発電と同時に発生する熱エネルギーを利用して発電と給湯及び空調を行う家庭用分散電源に適用されている。燃料電池の他、マイクロタービンやマイクロエンジンといった内燃機関の開発も進んでいる。
水素を燃料として用いるために不可欠な水素の輸送,貯蔵,供給システムが大きな課題となっている。水素は常温で気体であるため、液体や固体に比べて、貯蔵や輸送が難しい。しかも、水素は可燃性物質であり、空気と所定の混合比になると、爆発の危険性がある。
このような問題を解決できる安全性,運搬性,貯蔵能力,低コスト化に優れた水素貯蔵法として、シクロヘキサンやデカリンのような炭化水素を用いた有機ハイドライドシステムが注目されている(例えば、特許文献1参照)。これらの炭化水素は、常温で液体であるため、運搬性に優れている。
例えば、ベンゼンとヘキサンは同じ炭素数を有する環状炭化水素であるが、ベンゼンは炭素同士の結合が二重結合である不飽和炭化水素であるのに対し、シクロヘキサンは二重結合を持たない飽和炭化水素である。ベンゼンの水素付加反応によりシクロヘキサンが得られ、シクロヘキサンの脱水素反応によりベンゼンが得られる。すなわち、これらの炭化水素の水素付加・脱水素反応を利用することにより、水素の貯蔵および供給が可能となる。
特開平2002−274801号公報
特許文献1には、水素供給装置から供給される水素を自動車の動力源として使用すること、あるいは家庭用燃料電池などの分散電源の燃料として使用することが記載されている。しかし、これらを実用化する上では、エネルギー効率の良い水素貯蔵システムを構築する必要がある。
本発明の目的は、エネルギー効率が高く、経済性に優れた水素の輸送貯蔵システムを提供することにある。
化学的に水素を貯蔵する水素貯蔵材料から触媒を用いて供給される水素を利用するシステムであって、前記水素貯蔵材料もしくはその脱水素化合物の燃焼エネルギーを利用する熱機関と、化学的に水素を貯蔵する前記水素貯蔵材料から前記熱機関の排気ガスの熱と触媒を用いて水素を供給する水素供給装置と、前記水素供給装置から供給される水素を前記熱機関の動力を用いて圧縮する圧縮機を具備した水素貯蔵システムである。また、前記熱機関がエンジンまたはタービンである水素貯蔵システムである。さらに、前記水素供給装置が水素分離膜を隣接させ配置され、発生した水素が前記水素分離膜を介して水素を分離・回収されるようにした水素貯蔵システムである。
本発明により、化学的に水素を貯蔵する水素貯蔵材料から触媒を用い、圧縮機の動力を担う燃焼機関の廃熱を用いて水素を供給する水素供給装置を使用したエネルギー効率の高い水素貯蔵システムを提供できる。
以下、本発明に係る水素貯蔵システムについて説明する。
図1は、本発明の水素貯蔵システムの最も基本的な構成図である。水素貯蔵システム1は、圧縮機2,燃焼機関3,水素供給装置4,水素貯蔵タンク5からなる。
燃料である化学的に水素を貯蔵する水素貯蔵材料を水素供給装置4に供給し、水素供給装置4から発生した水素ガスを圧縮機2に供給し高圧水素ガスを水素貯蔵タンク5に貯蔵する。また、水素供給装置4内での脱水素反応は加熱が必要である。水素供給装置の加熱は、燃焼機関3の高温排ガスを用いて行う。
このように、本発明は水素を含む燃料を用いて、燃焼機関の動力で圧縮機を動かし、さらに燃焼機関の廃熱を有効に活用することで高効率な水素貯蔵システムを構築することができる。
圧縮機を用いた水素貯蔵システムの効率を上げるには、水素供給装置に供給する化学的に水素を貯蔵する水素貯蔵材料を、圧縮機の廃熱を利用して予熱することが有効である。水素供給装置に燃料を供給する燃料供給装置と圧縮機を連結し、圧縮機の廃熱を利用する。
また、水素供給装置より回収する高温の脱水素化物からも熱回収することで、効率をより一層向上できる。
圧縮機の冷却管あるいは水素供給装置から回収した高温の脱水素化物の配管に設けられた熱交換器により、燃料を予備加熱する。
また、圧縮機への水素供給は、圧縮機への吸気工程での吸引を利用して減圧下で行うことができる。特に水素供給装置が水素分離膜を用いた水素供給装置であれば、水素分離側を吸引減圧することで、水素分離効率及び反応効率を向上することができる。
このように脱水素化物や圧縮機の廃熱及び圧縮機への吸気エネルギーの回収システムを設け、水素貯蔵システムの効率を向上することができる。
燃焼機関3は水素供給装置4から排出される反応後の脱水素化物を含む廃液、水素貯蔵材料を燃焼用の燃料に用いることができる。また、水素供給装置4で発生した水素ガスの一部を燃焼機関3に供給し、燃焼する燃料と混合燃焼させてもよい。また、燃焼機関の燃焼に用いる燃料は、重油,天然ガス,灯油,ガソリン,LPG,DME,エタノールやメタノールなどのアルコール燃料,バイオ系の燃焼用燃料など、燃焼機関の運転が可能なものであれば特に限定はない。一般に燃焼が難しい燃料であっても水素供給装置4から発生する水素を一部混合して燃焼改善を行い、容易に燃焼させることもできる。水素ガスは希薄燃焼が可能であり、混合燃焼することで水素が着火剤になり希薄燃焼が難しい燃焼用燃料も希薄燃焼させることができる。また、水素は燃焼速度が速いので、燃焼しにくい燃料でも燃焼することができ、さらに未燃焼炭化水素を低減し、クリーンな排気ができる。この燃焼法により燃焼機関3の効率も向上することができる。さらに、ごみ焼却炉などと蒸気タービンの組み合わせのように、燃焼器と動力発生部が別に設けたシステムであってもよい。
燃焼機関3と圧縮機2の制御方法は、水素ガスの圧縮にあらかじめ指定した運転条件に応じて制御する方法や、センサなどの信号によるフィードバック制御などを用いることができる。時間制御は反応温度や圧力と触媒の性能をあらかじめ把握しておき、指定した運転条件に応じてプログラムを運転させる。フィードバック制御は、圧力センサ,温度センサ,流量センサ,水素センサ、など各種センサを配置させ、センサの情報から反応転化率を計算し、圧縮効率の変動を最小限にするように燃料の供給量及び分配量を制御する。
圧縮機2は、ピストン,プランジャー、などガスを圧縮できれば特に限定はない。また、圧縮機は多段構成も可能で、タイプの異なる圧縮機を組み合わせて用いることもできる。また、圧縮機2に水素供給装置4から供給される水素は、圧縮機の吸気口で水素供給装置4より水素を吸引して圧縮機2に送り込むことができ、この際、圧縮機の入口側では減圧にしておけば、発生した水素を水素分離膜を用いて効率よく高純度水素を圧縮することができる。また、圧縮機の冷却システムに熱交換器を設け、水素供給装置4に供給する水素貯蔵物質を熱交換器に送り込み燃料の予熱を行うことができる。
燃焼機関3としては、エンジン,タービンなどを用いることができる。エンジンを用いる場合は、一般に用いられているエンジンシステムを用いることができる。エンジンのほか燃料供給ポンプ,インジェクター,過給機,EGR機構などエンジンシステムに必要な部品とそれらを制御するコントロールユニットを有する。燃焼機関の大きさは特に限定はなく、圧縮機を十分に運転できる燃焼機関の容量に応じたものであればよい。ただし燃焼機関3は水素供給装置5が必要な熱量を供給できる排ガス熱量を供給できる能力以上が求められる。
水素供給装置4には、直管型,マイクロリアクタ型などの形状の装置を用いることができる。水素供給装置は、高熱伝導基材,触媒層から構成されるものが、最も基本的であるが、場合によっては水素分離膜を用いる。直管型,マイクロリアクタ型などの形状の装置いずれも用いる部材の材料は共通であり、以下に各部材を説明する。
高熱伝導基板は、窒化アルミニウム,窒化珪素,アルミナ,ムライトなどのセラミックスやグラファイトシートなどのカーボン材,銅,ニッケル,アルミニウム,シリコン,チタン,ジルコニウム,ニオブ,バナジウムなどの金属及びこれらの合金を用いることができる。熱伝導率が大きく、膜厚が薄いほど熱を触媒層に速やかに供給し、吸熱反応でも温度低下を生じず効率よく触媒層を加熱することができる。
次に触媒について説明する。触媒は金属触媒と金属触媒担体材料から構成され、金属材料にはNi,Pd,Pt,Rh,Ir,Re,Ru,W、などの金属及びこれらの合金触媒を用いることができる。触媒担体材料としては、活性炭,アルミナ,ゼオライトなどのアルミナシリケート,酸化亜鉛,酸化ジルコニウム,珪藻土,酸化ニオブ,酸化バナジウム,酸化セリウムなどを用いることができる。
触媒材料の製造法は、共沈法,熱分解法など特に限定はない。触媒層の形成は、ゾルゲル法などの溶液プロセス,CVD法などのドライプロセスなどを使用することができる。また、アルミニウム,ジルコニウム,ニオブ,バナジウムなどの金属またはこれらを主体とした合金を高熱伝導基板に用いる場合は、これら金属を陽極酸化して直接酸化物の担体を金属表面に作成することができる。
陽極酸化法としては、電解液として例えば燐酸,クロム酸,蓚酸,硫酸水溶液等の酸性溶液,水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどの塩基性溶液,硼酸−硼酸ナトリウム,酒石酸アンモニウム,エチレングリコール−硼酸アンモニウムなどの中性溶液を各金属に対して適宜用いることができる。陽極酸化により形成される酸化物層としては、多孔質層およびバリア層を形成する場合あるいはバリア層を形成する場合がある。前者の場合、多孔層の孔径,膜厚は、印加電圧,処理温度,処理時間などの条件により、適宜設定することができる。孔径は10nm〜2μm、膜厚は10nm〜300μmであることが好ましい。陽極酸化の処理液温度は、0〜80℃とすることが好ましい。また、この陽極酸化の処理時間は処理条件や形成したい膜厚によって異なるが、例えば、Nbの場合、1〜40g/L水酸化ナトリウム水溶液を電解液とし、処理浴温度30℃,印加電圧100Vで2時間処理することにより、孔径1μm,膜厚2μmの多孔質金属酸化物層を形成できる。
水素分離膜は多孔質ポリイミドなどの耐熱性高分子,ゼオライトなどのアルミナシリケートやシリカ,ジルコニア,アルミナなどの酸化物、及びPd,Nb,Zr,V,Taなどの金属を主体としたそれぞれの合金を用いることができる。より好ましくはNb,V系金属箔を用いる。Nb,V金属にMo,Co,Niなどを合金化したものを用いることができる。
これらの水素分離膜は、溶液法,蒸着法,スパッタ法などの成膜法を用いて作成することもできる。溶液法ではディッピング法,スピンコート法,スプレー法などによりコーティングすることができ、コーティング液は微粒子分散液等も使用することができる。金属系の膜については、メッキプロセスを使用することも可能で、無電解めっきや電気めっき法などにより成膜できる。
多孔質ポリイミドを水素分離膜として使用する場合、片表面にスキン層を有し、ボイド形状、あるいはスポンジ形状の空孔を有する多孔質ポリイミドを使用することができる。
マイクロリアクタ型の水素供給装置の詳細について説明する。マイクロリアクタは、高熱伝導基材,触媒層,水素分離装置,高熱伝導基板,燃料流路,触媒層,水素分離膜,スペーサを積層し全体を封止した装置である。以下、マイクロリアクタに用いる各種部材について説明する。
高熱伝導基板表面には燃料流路が形成される。燃料流路には燃料の入口や出口の数など特に限定はなく、適度な流量を供給できるようになっていればよい。その際には、切削加工,プレス加工などの機械的加工や、より微細なパターンを作製する場合はエッチングやめっきプロセス及びナノプリントのようなソフトリソグラフィを用いることができる。また、蒸着,スパッタ法などのドライプロセスを用いても良い。
次に触媒層について説明する。触媒層は前記燃料流路の上に直接形成する場合と水素分離膜側に形成する場合がある。
スペーサは、水素供給装置として用いる場合は発生水素の流通層となり、水素貯蔵装置として使用する場合は水素の供給口となる。スペーサの構造は、面内に溝を切ったもの、あるいは基板の垂直方向に貫通孔を形成したもので、その片面側に水素分離膜が設けられている。スペーサに直接水素分離膜を形成する場合特に限定はないが、水素分離膜は多孔質膜上に形成した後スペーサに貼り付ける方法が有効である。多孔質材料にはシリカやアルミナ及びゼオライトのようなアルミノシリケートなどセラミックス基板材料,メッシュ状に加工した金属を積層したもの、カーボンやガラス,アルミナなどの繊維を織り込んだもの、フッ素樹脂やポリイミドなど耐熱性高分子材料などを用いることができる。
封止はガラス,樹脂を用いて封止するか、金属材料で構成する場合は摩擦撹拌接合などの拡散接合,ろう付け,レーザなどの溶融接合、などにより金属間を直接接合することができる。
本発明で使用する水素貯蔵材料は、ベンゼン,トルエン,キシレン,メシチレン,ナフタレン,メチルナフタレン,アントラセン,ビフェニル,フェナスレンおよびそれらのアルキル置換体の内のいずれか1つあるいはいずれかを複数混合した芳香族化合物、またはメタン,プロパン,ヘキサン,ヘプタンなどの飽和炭化水素,アルコール,ジメチルエーテルなどの含酸素化合物などを用いることができる。これらの貯蔵材料から脱水素反応により水素のみ取り出すか、あるいは水蒸気を供給し水素と一酸化炭素の混合ガスに改質して利用することもできる。芳香族化合物は触媒により脱水素反応を行い水素のみ取り出すことができるが、飽和炭化水素及び含酸素化合物は脱水素反応が困難な場合、後者の水蒸気改質により水素と一酸化炭素の混合ガスとして利用することができる。
水蒸気改質による合成ガスを利用する場合は、水素供給装置に燃料とエンジンの燃焼排ガスを供給し水素供給装置で合成ガスを製造する。得られた合成ガスから水素分離膜などを用いて水素を分離し圧縮機に水素を供給し高圧化させる。分離残渣の一部水素と一酸化炭素を燃焼機関に供給して燃焼し動力とする。燃焼機関の廃熱は水素供給装置の熱源として回収し高効率なエネルギーシステムを作ることができる。
次に、本発明の高効率エネルギーシステムには、必要な補器が接続される。以下にそれぞれの補器について説明する。
燃料供給用の昇圧ポンプは、プランジャータイプ,ピストンタイプなど液体燃料を昇圧して送液できればよい。特に限定はなく、燃料供給用のポンプなど市販の物を用いることができる。
水素と脱水素化物を分離する分離装置は、空冷,水冷などで冷却し気液分離する。冷却分離の際、圧縮機と組み合わせた冷却装置やペルチェなど電気的に冷却することもできる。さらに、冷却水の代わりに燃料を循環させ冷却と同時に燃料を予備加熱する熱交換器の構成とすることもできる。ただし、水素分離膜などを用いて水素供給装置内部で直接分離するか、あるいは外部で分離する場合では特に設ける必要はない。
以上のような部材や作製手順により水素貯蔵システムを作製した実施例を以下説明する。
本実施例はエンジンと圧縮機を組み合わせた水素貯蔵システムに関するものである。図2に本実施例のエンジン−圧縮機複合水素貯蔵システム構成を示す。
エンジン−圧縮機複合水素貯蔵システム100は、圧縮機101,水素供給装置102,メチルシクロヘキサンインジェクタ103,メチルシクロヘキサン昇圧ポンプ104,メチルシクロヘキサンタンク105,廃液回収タンク106,エンジン107,都市ガス供給装置108,熱交換器109,高圧水素ガスタンク110から構成される。
燃料であるメチルシクロヘキサンはメチルシクロヘキサンタンク105からメチルシクロヘキサン昇圧ポンプ104により高圧化され、圧縮機に取り付けられた熱交換器109により沸点近傍まで予熱し、メチルシクロヘキサンインジェクタ103から水素供給装置102に供給される。水素供給装置102ではメチルシクロヘキサンから脱水素反応により水素が生成する。生成した水素は水素供給装置102内で水素と脱水素化物であるトルエン及び未反応のメチルシクロヘキサンに分離され、圧縮機101に水素を供給し、高圧ガス化して高圧水素ガスタンク110に供給する。
水素供給装置102内での水素分離は水素分離膜により行う。すなわち、水素供給装置102には水素分離膜が内蔵された多機能型反応装置となっている。水素分離膜内蔵の水素供給装置は直管型反応器とマイクロリアクタを用いることができる。以下、分離膜内蔵水素供給装置について説明する。
水素分離管を用いたシステムの構成図を、図3(a)(b)に水素分離管を用いた水素供給装置の構成図を示す。図3の水素供給装置は、チューブ型の水素分離管により発生した水素を分離し高純度水素を供給するシステムである。水素分離管を用いた水素供給装置51は、円筒状の反応管52,触媒56,水素分離管53,断熱材54,燃焼ガス流路55からなる。燃料は燃料流路57より触媒層56に供給され、反応後発生した水素は排気ポンプ46で吸引し減圧された水素分離管53ないに透過し分離され水素集合管58から排気ポンプ46に送られる。脱水素化物は廃液流路59から廃液タンク48に貯蔵される。
触媒層56の加熱は水素供給装置の外周にヒータを設け加熱してもよいが、通常は図示していないが外部に設けた燃焼機関で得られた高温ガスが反応管52の間隙で形成された燃焼ガス流路55に供給され、反応管52及び触媒56を加熱する。
水素供給システムに水素分離膜を用いたマイクロリアクタの水素供給システムの構成を図4に示す。マイクロリアクタ水素供給装置60は図4に示すように、触媒プレート61,水素分離膜62を積層し拡散接合により接合し風刺した。マイクロリアクタ内部はエッチングにより加工したスペースが燃料流路63,水素流路64として機能している。なお、積層する際は水素分離膜62を触媒プレートの触媒65と金属面66で挟み込むように積層する。燃料は燃料流路63を通り、触媒65に接触し水素が発生する。発生した速やかに隣接している水素分離膜62から水素流路64に分離され外部の排気ポンプや燃料電池または水素エンジンに供給される。
触媒の加熱は水素供給装置の外周にヒータを設け加熱してもよいが、通常は図示していないが外部に設けた燃焼器で廃液の一部を空気と混合して燃焼し、得られた高温ガスが図5のマイクロリアクタの外表面に供給する。通常図5のマイクロリアクタは4行4列で使用する。各マイクロリアクタ間の間隙に燃焼ガスが供給されるか、ヒータが設けられる。4行4列のマイクロリアクタの集合体の外周は断熱材で保護される。
次に、本実施例で用いたマイクロリアクタについて以下説明する。
1mm厚の純アルミニウム板(熱伝導率:250W/mK)を高熱伝導基板として用い、フォトリソグラフィーを用いてエッチングにより流路パターンを形成した後、アルミニウム表面を陽極酸化,細孔拡大,ベーマイト処理した水素貯蔵,供給装置である。実施例5の製造方法に準拠して作製した。尚、アルミニウム表面上への陽極酸化,細孔拡大,ベーマイト処理は以下の手順で行った。パターニングしたアルミニウム基板を85wt%燐酸水溶液中60℃,電流密度20A/dm2で4分間電解研磨した。次に、4wt%蓚酸水溶液中30℃,印加電圧40Vで7時間陽極酸化し、パターン形成した面にのみ100μmの多孔質アルミナ層を形成した。次に、処理した基板を30℃の5wt%燐酸水溶液中に30分間浸漬し、細孔を拡大した。次に、ベーマイト処理として、沸騰水中に2時間浸漬し、その後、250℃で焼成した。最後に、田中貴金属製5wt%白金コロイドを用いて触媒担持し250℃で加熱し触媒プレート61を作製した。
次いで作製した触媒プレートとZr−Ni水素分離膜を積層して真空中10kg/cm2で加圧しながら450℃で5時間加熱し接合封止した後配管を接続して水素供給装置を作製した。
水素供給装置102より分離したトルエン及び未反応のメチルシクロヘキサン及び分離未回収の水素は、トルエン及び未反応のメチルシクロヘキサンの液体すなわち廃液と、分離未回収の分離残渣の水素に分離され、エンジン107に供給し、都市ガスと混合燃焼して都市ガスの燃焼効率を向上させる。廃液は廃液タンク106に回収される。
以上のように本実施例の水素貯蔵システムは熱エネルギーが必要な水素供給装置にエンジンの廃熱を供給することで、熱利用ロスを生じることなく高効率なシステムとし、有機系水素貯蔵物質を石油インフラを用いて安全に輸送し、ガソリンスタンドなどで高圧水素ガスを貯蔵することができる。このようなシステム化を行うことで、高効率なエネルギーシステムを提供することができる。
水素貯蔵システムの基本構成を示す図。 エンジン−圧縮機複合水素貯蔵システム構成図。 直管型水素分離水素供給装置。 水素分離マイクロリアクタ。
符号の説明
1 水素貯蔵システム
2,101 圧縮機
3 燃焼機関
4,102 水素供給装置
5 水素貯蔵タンク
46 排気ポンプ
48 廃液タンク
51 水素分離管を用いた水素供給装置
52 円筒状の反応管
53 水素分離管
54 断熱材
55 燃焼ガス流路
56,65 触媒
57,63 燃料流路
58 水素集合管
59 廃液流路
60 マイクロリアクタ水素供給装置
61 触媒プレート
62 水素分離膜
64 水素流路
66 金属面
100 エンジン−燃料電池複合システム
103 メチルシクロヘキサンインジェクタ
104 メチルシクロヘキサン昇圧ポンプ
105 メチルシクロヘキサンタンク
106 廃液回収タンク
107 エンジン
108 都市ガス供給装置
109 熱交換器
110 高圧水素ガスタンク

Claims (3)

  1. 化学的に水素を貯蔵する水素貯蔵材料から触媒を用いて供給される水素を貯蔵する水素貯蔵システムであって、
    前記水素貯蔵材料もしくはその脱水素化合物の燃焼エネルギーを利用する熱機関と、
    化学的に水素を貯蔵する前記水素貯蔵材料から前記熱機関の排気ガスの熱と触媒を用いて水素を供給する水素供給装置と、
    前記水素供給装置から供給される水素を前記熱機関の動力を用いて圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機で圧縮された水素を貯蔵する水素貯蔵タンクと、を備え、
    前記熱機関がエンジン、またはタービンであり、
    前記圧縮機の冷却システムに設けられた熱交換器で水素貯蔵材料を予熱し、予熱された水素貯蔵材料を前記水素供給装置に供給することを特徴とする水素貯蔵システム。
  2. 請求項1において、前記水素供給装置は水素分離膜が隣接して配置されており、前記水素供給装置で発生した水素前記水素分離膜を介して分離・回収することを特徴とする水素貯蔵システム。
  3. 請求項において、前記熱機関の燃焼用燃料の少なくとも一部に、前記水素供給装置から排出される反応後の脱水素化物を含む廃液,水素を用いることを特徴とする水素貯蔵システム。
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