JP2007287357A - 熱再生型の燃料電池システムならびに燃料電池の燃料循環方法 - Google Patents

熱再生型の燃料電池システムならびに燃料電池の燃料循環方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機化合物の脱水素反応とその逆反応とを利用し燃料電池で発電する熱発電システムにおいて、水素濃淡型の燃料電池の採用を可能にすること。
【解決手段】本発明の「熱再生型の燃料電池システム」では、水素生成器1で有機化合物Cをその脱水素化合物Dと水素ガスHとに分解し、分離回収器2で脱水素化合物Dを回収して水素ガスHを燃料電池3に送る。そのカソード32で再生された水素ガスHは、気体用ポンプ61で水素化反応器4に送られ、脱水素化合物Dを水素化して有機化合物Cを再生する。気体用ポンプ61の作用でカソード32は減圧されており、水素化反応器4からの逆流はないので、燃料電池3には水素濃淡型を採用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池による発電技術の技術分野に属し、分けても熱エネルギーを用いて燃料を再生するタイプの燃料電池システムやその方法の技術分野に属する。それゆえ本発明は、エンジンやボイラーなどから出る排熱や太陽熱・地熱など何らかの熱源を利用して発電する熱発電技術の技術分野にも属する。
(概況)
熱再生型の燃料電池システムは、基本的に外部からは熱の供給を受けるだけで、水素などの燃料供給を受けることを必要としないことを目指した物質循環型ないし燃料再生型の熱発電装置である。そして、燃料電池の燃料循環方法は、このような熱再生型の燃料電池システムにおいて、燃料電池で消費された燃料を再生して再び燃料電池に供給することができるようにする方法である。
この分野での基礎研究ないし技術開発の歴史は未だ浅く、したがって公開されている文献の数もそれほど多くはない。
(特許文献1)
特許文献1には、有機化合物液を加熱しその沸点以上の温度で脱水素触媒と接触させて水素を含む混合ガスを生成する水素生成器と、この混合ガスを冷却して水素を取り出す水素分離器とを有する熱再生型の燃料電池システムが提案されている。この技術に使用する燃料電池は、燃料電池に供給される燃料を再生して循環させるのが容易になるように、ベンゼン等の有機化合物の水素化反応によって起電力を得る水素−有機化合物型の燃料電池である。
この特許文献では、自動車用発電装置として使用することを想定しているので、水素生成器を加熱する熱源にはエンジンで加熱された冷却水(ふつう100℃前後)の排熱を利用し、逆に水素分離器を冷却するためにラジエータ内に水素分離器を配置する旨の記載がある。なお、この文献においては、実施例としてシクロヘキサン/ベンゼン/水素を循環させる閉鎖系が開示されており、その燃料電池のベンゼン電極(カソード)では、ベンゼンと水素とからシクロヘキサンを生成するアセトン水素化反応が起きている。
(特許文献2)
特許文献2には、前述の特許文献1とほぼ同様の熱再生型の燃料電池システムが開示されている。この技術は、やはり物質については循環系ないし閉鎖系であるが、その作動流体として、前述の特許文献1と同様にシクロヘキサン/ベンゼン/水素が循環する第一の実施形態の他に、イソプロパノール/アセトン/水素が循環する第二の実施形態も開示されている。
なお、同文献の両実施形態のうち前者には、その実施形態を示す図1中の脱水素反応器1(本発明での「水素生成器」に相当)を約300℃で運用する旨の記載があるものの、これを加熱する熱源に関する指定は無いようである。
(非特許文献1)
非特許文献1には、太陽熱によって燃料電池の燃料を再生することにより100℃程度での熱入力から燃料電池で発電する技術の基礎研究を目的として、熱再生型ないし循環型の燃料電池システムに関する予備実験の成果が報告されている。
同文献の冒頭には、2−プロパノールからアセトンと水素とを生じる「2−プロパノール脱水素反応」を示す化学反応式と、その逆反応である「アセトン水素化反応」を示す化学反応式とが記載されている。また、同文献の図1および図2として熱再生型燃料電池および太陽熱電池の反応を示す原理図が開示されており、同様に図3および図4には気相型および液相型の太陽熱電池の構成を示す概念図が開示されている。
特開平8−339816号公報 特開2002−208430号公報 安藤祐司、田中忠良、高島工 研究論文「太陽熱を利用する熱再生型燃料電池の予備実験」 「太陽エネルギー」Vol.25,No.6(第42頁−第48頁) 日本太陽エネルギー学会・1999年11月30日発行
しかしながら、前述の背景技術のうち本発明に最も近いものは、おそらく特許文献1に開示されていている熱再生型の燃料電池システムである。そこで、同文献に開示されていた熱再生型の燃料電池システムをもって「従来技術」と呼ぶことにする。
従来技術では燃料電池として水素ベンゼン型の燃料電池を用いており、そのカソードで起こる陰極反応は、水素とアセトンとから2−プロパノールを生じるものである。それゆえ、同文献に具体的な記載はないが、この技術にあまり高い熱電変換効率を期待することは難しい。
また、同文献の技術では、高々100℃程度のエンジン冷却水を熱源にしており、外気との間の熱落差が小さいから、熱機関の原理的から類推して熱効率が低くならざるを得ない。そのうえ、同文献の図1にある「水素生成器7」では、ベンゼン/シクロヘキサン混合液から脱水素反応によって水素ガスを取り出すことになっているが、惜しむらくは操作温度が低すぎて脱水素反応がほとんど進まない可能性がある。したがって、高い効率で排熱エネルギーを取り出すことは難しいばかりではなく、エンジン冷却水への排熱はエンジン排気中の排熱に比べて絶対量も小さいから、同文献の技術には大電力を期待することはできない。
このように、例えば特許文献1に開示されていたような従来技術では、その熱電変換効率があまり高いとは言えず、そこに改善の余地があった。また従来技術では、前述のように、使用している燃料電池の形式が水素ベンゼン型という特殊な形式に限られてしまっており、研究開発が最も進んでいて普及もしている水素濃淡型の燃料電池をそのまま使用することができない。
そこで本発明は、水素濃淡型の燃料電池が使用可能な熱再生型の燃料電池システム(ないしその燃料循環方法)を提供することをもって解決すべき第一の課題とする。本発明はまた、できればその熱電変換効率を従来技術よりも幾分なりとも改善することを第二の課題とするが、これをもって必須の課題とはしない。
前記課題を解決するために、発明者は以下の手段を発明した。なお、以下の手段に付せられた順序数は、本願出願時に特許請求の範囲に記載された請求項の番号にそれぞれ対応している。
なお、本発明の名称は「熱再生型の燃料電池システム」および「燃料電池の燃料循環方法」としたが、単に「熱電変換装置/方法」としてもよいし、「熱発電装置/方法」などとしても構わない。また、その熱源をエンジン等の排熱に限定すれば、「廃熱発電装置/方法」とか「排熱回収装置/方法」とか「排熱利用装置/方法」とかにしても、いっこうに構わない。
[装置発明]
(第1手段)
本発明の第1手段は、水素生成器、分離回収器および燃料電池を有する熱再生型の燃料電池システムであることを前提としている。
ここで、水素生成器とは、所定の有機化合物を加熱して脱水素反応を起こし、この有機化合物からその脱水素化合物と水素ガスとを含む混合ガスを生成する機器である。また、分離回収器とは、この水素生成器から供給されたこの混合ガスからこの水素ガスを分離し、その残りからこの脱水素化合物を回収する機器である。そして、燃料電池とは、この分離回収器からこの水素ガスを供給され、この水素ガスからプロトンを生成する一方の電極(アノード)と、このアノードからこれらのプロトンが供給される他方の電極(カソード)との間で、発電作用を発揮する機器である。
本手段の特徴は、次の三つである。第一に、前記燃料電池は、前記アノード側の水素分圧の方が前記カソード側の水素分圧よりも高い水素濃淡型の燃料電池であることである。第二に、本手段は、このカソード側において前記プロトンから生成された水素ガスで、前記分離回収器から回収された前記脱水素化合物を水素化し、もって前記有機化合物を再生させる水素化反応器を有することである。第三に、この水素化反応器が、このカソードから離れて設置されていることである。
本手段では、脱水素化合物が水素化されてもとの有機化合物に再生されるのは、燃料電池内部のカソードにおいてではなく、カソードから離れて設けられた水素化反応器においてである。それゆえ、本手段においては、熱再生型の燃料電池システムの構成要素たる燃料電池として、水素ベンゼン型のものではなく、最も一般的な燃料電池である水素濃淡型のものを採用することができる。
したがって本手段によれば、安価でありながら効率も信頼性も高い燃料電池を採用して熱再生型の燃料電池システムを構成することができ、前述の第一の課題を達成することができる。さらにその結果として、前述の第二の課題(熱電変換効率の向上)と併せて、信頼性が向上し、コストダウンも可能になるという効果もある。
(第2手段)
本発明の第2手段は、前述の第1手段において、前記水素生成器は、前記有機化合物を加熱する熱源として、内燃機関の排気ガスに含まれる排熱を利用することを特徴とする。本手段では、ピストンエンジンやガスタービンエンジンなどの高温の排気ガス(ふつう数百℃程度)から排熱を取り出すので、その熱源と冷却源(例えば外気や海水など)との間で温度差をより大きくとることができる。したがって本手段によれば、前述の第1手段の効果に加えて、熱源と冷却源との温度差(水力発電になぞらえれば落差に相当)が大きいから、その熱電変換効率もより大きくできるという効果がある。
(第3手段)
本発明の第3手段は、前述の第1手段において、前記水素生成器は、前記有機化合物を加熱する熱源として、外燃機関のボイラーを加熱した後の排煙に含まれる排熱と、蒸気タービン駆動後の蒸気に含まれる排熱とのうちいずれかを利用することを特徴とする。したがって本手段によれば、前述の第1手段の効果に加えて、ボイラーや蒸気タービンをもつ各種の発電所や、船舶や機関車など大型の輸送機関で採用することにより、排熱を有効利用してその熱効率を向上させることができるという効果がある。
(第4手段)
本発明の第4手段は、前述の第1手段において、前記分離回収器は気液分離器であることを特徴とする。ここで気液分離器とは、前記水素生成器から供給された前記混合ガスを冷却することにより、この混合ガスから前記脱水素化合物を液化したうえで回収し、もってこの混合ガスから水素リッチな燃料ガスを分離して前記燃料電池に供給する機器のことである。
本手段では、分離回収器は、混合ガスからそれに含まれる脱水素化合物を液化して分離回収する気液分離器であるから、その構造が簡素であるばかりではなく、化学的にも安定して腐食されにくい材料で構成することができる。したがって本手段によれば、前述の第1手段の効果に加えて、分離回収器が壊れにくく、長期間に渡って安定して使用することができるという効果がある。
(第5手段)
本発明の第5手段は、前述の第1手段において、前記分離回収器が膜分離器であることを特徴とする。ここで膜分離器とは、その内部空間を仕切る水素分離膜をもち、前記混合ガスのうちこの水素分離膜を透過した分を前記水素ガスとして前記燃料電池に供給し、この混合ガスのうちこの水素分離膜を透過せずに残った残留分から前記脱水素化合物を回収する機器である。
本手段では、水素分離膜をもって水素ガスを分離して燃料電池に供給するので、分離回収器を簡素な構成とすることができる。したがって本手段によれば、前述の第1手段の効果に加えて、分離回収器を小型軽量化し易いという効果がある。
(第6手段)
本発明の第6手段は、前述の第1手段において、前記分離回収器と前記水素化反応器とは一体化されていることを特徴とする。
ここで、水素化反応器は脱水素化合物を水素化するという発熱反応をさせるための機器であるから、ふつう冷却を要する。一方、分離回収器も、それが気液分離器であれ膜分離器であれ、脱水素化合物を液化して前述の水素化反応器に送る機能を持つ機器であれば、やはり冷却を要する。それゆえ、分離回収器から冷却されて液化した脱水素化合物が水素化反応器に送られ、さらに水素化反応器で再び水素化されて有機化合物に戻る際にもやはり冷却を要する。さすれば、本手段のように分離回収器と水素化反応器とを一体化しておけば、両者を冷却する冷媒を通すうえでも合理的であるし、液化した脱水素化合物を分離回収器から水素化反応器に回収するうえでも合理的である。
したがって本手段によれば、前述の第1手段の効果に加えて、分離回収器と水素化反応器とが一体でコンパクトになるから、その分だけシステム全体の小型軽量化と廉価性とを推し進めることができるという効果がある。
(第7手段)
本発明の第7手段は、前述の第1手段において、前記燃料電池の前記カソード側から前記水素化反応器に向けて前記水素ガスを送る気体用ポンプと、前記分離回収器から前記水素化反応器に向けて前記脱水素化合物を送る液体用ポンプとのうち、少なくとも前者を有することを特徴とする。
本手段では、水素濃淡型の燃料電池のカソード側が気体用ポンプで直接的に減圧されるから、カソード側での水素分圧が低く保たれ、燃料電池の起電力や出力が高まるという効果がある。また、気体用ポンプに不具合が生じない限り、水素化反応器で生じた脱水素化合物が燃料電池のカソード側に逆流することがないから、カソード側の雰囲気に2−プロパノールやアセトンが混入することがない。また、二つのポンプが循環システムに組み込まれているので、両ポンプを独立して制御すればよりきめ細かな制御が可能になるという効果が期待できる。
(第8手段)
本発明の第8手段は、前述の第1手段において、前記水素化反応器から前記水素生成器に向けて前記有機化合物を圧送するリターンポンプと、前記燃料電池の前記カソード側から前記水素化反応器に向けて前記水素ガスを送る流路に設けられた水素ガス逆止弁と、前記気液分離器から前記水素化反応器に向けて前記脱水素化合物を送る流路に挿置された液体用逆止弁とを有することを特徴とする。
本手段では、ポンプが一つで済むからシステム構成が簡素となり、より安価に製造することができるという効果がある。一方、両逆止弁にそれぞれ調整可能なバルブを組み込んで独立に制御できるようにしておけば、きめ細かな制御を施すことも可能である。
(第9手段〜第11手段)
本発明の第9手段は、前述の第1手段において、前記有機化合物は2−プロパノールであり、前記脱水素化合物はアセトンであることを特徴とする。本発明の第10手段は、この第9手段において、前記水素生成器の内部における脱水素操作温度は、180℃以上300度以下であることを特徴とする。また、本発明の第11手段は、同じく第9手段において、前記水素化反応器の内部における水素化操作温度は、20℃以上60度以下であることを特徴とする。
[装置発明の別バージョン]
(第12手段)
本発明の第12手段は、水素生成器、分離回収器、燃料電池および再生手段を有する熱再生型の燃料電池システムである。ここで、水素生成器とは、所定の有機化合物を加熱して沸騰させ、この有機化合物の脱水素反応によりその脱水素化合物と水素ガスとを含む混合ガスを生成する機器である。また、分離回収器とは、この混合ガスからこの脱水素化合物を回収する一方、この混合ガスからこの水素ガスを分離する機器である。さらに、燃料電池とは、この分離回収器で分離されたこの水素ガスが供給される一方の電極(アノード)と、このアノードからプロトンが供給される他方の電極(カソード)とをもち、両電極の間に起電力が生じる発電手段である。一方、再生手段とは、この燃料電池のこのカソード側でこれらのプロトンから生成された水素ガスと、この分離回収器から回収されたこの脱水素化合物とを化合させることにより、この脱水素化合物を水素化して前記有機化合物を再生させる機器である。
本手段の特徴は、前記再生手段が、前記カソードで生成される前記水素ガスを収容する前室と、この前室から供給されるこの水素ガスで前記脱水素化合物を水素化して前記有機化合物を再生する後室とに、分かれて形成されていることである。その結果、本手段によれば前述の第1手段とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
すなわち本手段では、再生手段が前室と後室とに別れており、前室はカソードに接しているから燃料電池の一部として形成されているが、後室はこの前室とは別になっているから燃料電池の外部に配設されている。そして、前室は燃料電池のカソードで生成される水素ガスをいったん収容しておいて順次後室に供給し、後室ではこの水素ガスで脱水素化合物が水素化されて有機化合物が再生される。ここで、脱水素化合物が水素化されてもとの有機化合物に再生されるのは、カソードに接して燃料電池内に形成されている前室においてではなく、この前室から離れて設けられた後室においてである。
したがって本手段においては、前述の第1手段と同様に、熱再生型の燃料電池システムの構成要素たる燃料電池に、水素ベンゼン型のものではなく、最も一般的な水素濃淡型の燃料電池を採用することができる。その結果、本手段によれば、安価でありながら効率も信頼性も高い燃料電池を採用して熱再生型の燃料電池システムを構成することができるようになるから、前述の第一の課題を達成することができる。さらに前述の第二の課題(熱電変換効率の向上)と併せて、その信頼性が向上し、装置価格の低減も可能になるという効果もある。
なお、本手段に対しても、第1手段に対する第2手段〜第11手段のそれぞれに相当する限定を加えることができ、それぞれについて前述の各手段にほぼ相当する作用効果が得られる。
[方法発明]
(第13手段)
本発明の第13手段は、脱水素反応過程、分離回収過程、発電過程および水素化過程を有し、水素化過程で再生された有機化合物が脱水素反応過程に再び供給される燃料電池の燃料循環方法であることを前提とする。
ここで、脱水素反応過程は、所定の有機化合物を加熱して脱水素反応を起こし、この有機化合物からその脱水素化合物と水素ガスとを含む混合ガスを生成する化学反応過程である。次に、分離回収過程は、この混合ガスからこの水素ガスを分離し、その残りからこの脱水素化合物を回収する物理過程である。そして、発電過程は、この水素ガスを供給され、一方の電極(アノード)で生成されたプロトンが他方の電極(カソード)に移動して、両電極間に起電力が生じる燃料電池の化学反応過程である。また、水素化過程は、このカソード側でこれらのプロトンから再生された水素と、この分離回収過程で回収されたこの脱水素化合物とを化合させ、この脱水素化合物を水素化してこの有機化合物を再生させる化学反応過程である。前述のように、この水素化過程で再生されたこの有機化合物が前記脱水素反応過程に再び供給されて、この熱再生型の燃料電池システムでは燃料電池の燃料が循環する。
さて、本手段の「熱再生型燃料電池の燃料循環方法」がもつ特徴は、前記発電過程に、前記カソードで前記プロトンから水素ガスが再生される水素ガス再生過程が含まれ、前記水素化過程は、この水素ガス再生過程で再生されたこの水素ガスが供給されて前記脱水素化合物が水素化され、この水素ガス再生過程とこの水素化過程とは、互いに段階を分けて行われることである。
さて、本手段の「熱再生型燃料電池の燃料循環方法」がもつ特徴は、次の三つである。先ず第一の特徴は、前記発電過程には、前記カソードで前記プロトンから水素ガスが再生される水素ガス再生過程が含まれることである。次に第二の特徴は、前記水素化過程は、この水素ガス再生過程で再生されたこの水素ガスが供給されて前記脱水素化合物が水素化される過程であることである。最後に第三の特徴は、この水素ガス再生過程とこの水素化過程とは、互いに段階を分けて行われることである。
すなわち本手段では、カソードでプロトンから水素ガスが再生される水素ガス再生過程が前記発電過程に含まれている。そして、前記水素化過程では、この水素ガス再生過程で再生されたこの水素ガスが供給されて前記脱水素化合物が水素化され、この水素ガス再生過程とこの水素化過程とは、互いに段階を分けて行われる。
それゆえ、燃料電池のカソードでは水素が発生するだけで、カソードに接触する部分で有機化合物が再生されることはないから、本手段の方法で使用する燃料電池には、水素ベンゼン型のものではなく、最も一般的な水素濃淡型の燃料電池を採用することができる。したがって本手段によれば、安価でありながら効率も信頼性も高い燃料電池を採用して熱再生型燃料電池の燃料循環方法を実施することができるようになるから、前述の第一の課題を達成することができる。さらに前述の第二の課題(熱電変換効率の向上)と併せて、その信頼性が向上し、装置価格の低減も可能になるという効果もある。
なお、本手段に対しても、第1手段に対する第2手段〜第11手段のそれぞれに相当する限定を加えることができ、それぞれについて前述の各手段にほぼ相当する作用効果が得られる。
[方法発明の別バージョン]
(第14手段)
本発明の第14手段は、脱水素反応過程、分離回収過程、発電過程および再生過程を有することを特徴とする「熱再生型燃料電池システムの燃料循環方法」である。
ここで、脱水素反応過程とは、所定の有機化合物を加熱して沸騰させ、この有機化合物の脱水素反応によりその脱水素化合物と水素ガスとを含む混合ガスを生成する反応過程である。また、分離回収過程とは、この混合ガスからこの脱水素化合物を回収する一方、この混合ガスからこの水素ガスを分離する過程である。そして、発電過程とは、この水素ガスが比較的濃厚に供給される一方の電極(アノード)と、このアノードからプロトンが供給され水素ガスが再生される他方の電極(カソード)との間で、水素濃淡型燃料電池の発電作用を生じる過程である。最後に、再生過程とは、この燃料電池の外部で、この燃料電池のこのカソード側で再生された水素ガスと、この分離回収過程で回収されたこの脱水素化合物とを化合させることにより、この脱水素化合物を水素化して前記有機化合物を再生させる過程である。
本手段では、脱水素反応過程で有機化合物から生成された水素ガスと脱水素化合物とのうち、分離回収過程を経て水素は水素濃淡型燃料電池のアノード側に供給され、電離してプロトンとなってカソード側に抜けた後、カソードで再び水素ガスに戻る。一方、脱水素化合物の方は、分離回収過程を経て水素ガスとおおむね分離された後、再生過程でカソードから供給される水素ガスによって水素化され、再び有機化合物に戻る。それゆえ、この方法では、水素濃淡型の燃料電池を循環系内に含んで、有機化合物/その脱水素化合物/水素が系内を循環するようになっている。
そして本手段では、本手段を定義する文中に明記されているように、燃料電池として、水素ベンゼン型のものではなく、最も一般的な水素濃淡型の燃料電池が採用されている。したがって本手段によれば、安価でありながら効率も信頼性も高い燃料電池を採用して、熱再生型燃料電池の燃料循環方法を実施することができるようになるから、前述の第一の課題を達成することができる。さらに、水素濃淡型の燃料電池であれば、研究が進んでいて発電効率が高くなっていおり、前述の第二の課題(熱電変換効率の向上)が達成される他、信頼性も高く、装置価格の低減も可能になる。
なお、本手段に対しても、第1手段に対する第2手段〜第11手段のそれぞれに相当する限定を加えることができ、それぞれについて前述の各手段にほぼ相当する作用効果が得られる。
本発明の「熱再生型の燃料電池システム」および「燃料電池の燃料循環方法」がもつ実施形態については、当業者に実施可能な理解が得られるように、以下の実施例で明確かつ十分に説明する。なお、本願出願時点において、以下の実施例1およびその各種変形態様のうちいずれかが本発明の最良の実施形態に当たるものと、発明者は考えている。
(実施例1の構成)
本発明の実施例1としての「熱再生型の燃料電池システム」(装置発明)は、その全体構成を図1に示すように、水素生成器1、分離回収器2、燃料電池3および水素化反応器4を有する排熱発電装置である。
本実施例のシステムにはさらに、燃料電池3のカソード32側から水素化反応器4に向けて水素ガスHを送る気体用ポンプ61と、分離回収器20からやはり水素化反応器4に向けて脱水素化合物たるアセトンDを送る液体用ポンプ62とが、装備されている。そして、両ポンプ61,62の働きによって同図中の矢印方向へ流れが生じ、これらの機器1,2,3,4が構成する閉鎖系の中を、2−プロパノールC/アセトンD/水素Hが循環するようになっている。
先ず、水素生成器1は、有機化合物たる2−プロパノールCを加熱して熱分解による脱水素反応を起こし、その脱水素化合物たるアセトンDと水素ガスHとを含む混合ガスD,Hを生成する機器である。水素生成器1の内部で起こる2−プロパノールCの脱水素反応は、次の化学反応式(化1)で表される。
Figure 2007287357
水素生成器1は、その反応容器を加熱ジャケット10で包まれており、内燃機関たるガソリンエンジンの排気ガスを加熱ジャケット10内に導入して、その排気ガスに含まれる排熱が、反応容器内の2−プロパノールCを加熱する熱源として利用される。この際、加熱ジャケット10に導入される排気ガス自体の温度は数百℃程度であるが、水素生成器1の反応容器内の温度(脱水素操作温度T1)の正常範囲は、180℃以上300度以下である。なお、加熱ジャケット10の内部空間での圧力は、0.15〜0.25MPa程度である。
次に、分離回収器2は、水素生成器1から供給された水素ガスHとアセトンDとの混合ガスD,Hの供給を受け、混合ガスD,Hから水素ガスHを分離して燃料電池3に送り、混合ガスD,Hの残りからアセトンDを回収する機器である。ここで分離回収器2は、その内部容器の周囲に形成された空冷器20に冷却空気Aを導入し、水素生成器1から供給された混合ガスD,Hを冷却してアセトンDを液化し、気液分離を行うする気液分離器である。
すなわち分離回収器2は、混合ガスD,HからアセトンDの大半を液化したうえで回収し、もって混合ガスD,Hから水素リッチな燃料ガス(簡単に水素ガスHと呼ぶ)を分離して燃料電池3に供給する機能を持つ。なお、分離回収器2の内部空間における気液分離温度T2は約50℃であって、この圧力(約0.1MPa)でのアセトンDの凝縮温度(56℃)よりも低い。
そして、燃料電池3は、分離回収器2から水素ガスHを供給され、水素ガスHからプロトンpを生成する一方の電極(アノード31)と、アノード31から電解質膜30を通じてプロトンpが供給される他方の電極(カソード32)との間で、発電作用を発揮する機器である。燃料電池3は、アノード31側の水素分圧の方がカソード32側の水素分圧よりも高い水素濃淡型の燃料電池である。燃料電池3は水素濃淡型であるから、カソード32側での反応(アノード反応)では、アノード31から電解質膜30を透過してきたプロトンpと、外部の負荷Lを流れてきた電子eとが合わさって、水素ガスHが再生されるだけである。この際、アノード31で起こる反応(アノード反応)の化学反応式は化2であり、カソード32で起こる反応(カソード反応)の化学反応式は化3である。
Figure 2007287357
Figure 2007287357
なお、燃料電池3の作動温度T3は、80℃程度である。また、気液分離器2から供給された水素ガスHの分圧はアノード流路310で0.1MPa程度、逆に気体用ポンプ61によって水素ガスHが吸い出される際のカソード流路320での水素ガスHの分圧は0.01MPa程度である。
最後に、水素化反応器4には、燃料電池3のカソード32側においてプロトンpから生成された水素ガスHと、分離回収器2から回収されたアセトンDとが、前述のように両ポンプ61,62の作用で供給される。水素化反応器4は、燃料電池3のカソード32とは離れて設置されており、前述のように燃料電池3と水素化反応器4との間には気体用ポンプ61が挿置されている。
そして、水素化反応器4の内部空間400では、アセトンDが水素ガスHで水素化されて2−プロパノールCが再生される。この水素化反応は次の化学反応式(化4)で表され、その際の温度(水素化操作温度T4)の正常範囲は20℃以上60度以下である。
Figure 2007287357
水素化反応器4の内部で起きるアセトンDの水素化反応は発熱反応であり、水素化反応器4を包む冷却器40に冷却空気Aが導入されて、水素生成器4の内部温度は上記正常範囲に保たれる。
以上をまとめると、本実施例の熱再生型の燃料電池システムがもつ大きな特徴は、第一に燃料電池3が水素濃淡型の燃料電池であることであり、すなわち燃料電池3のカソード32側においてプロトンpから水素ガスHが生成されることである。そして第二に、分離回収器2で回収された脱水素化合物たるアセトンDを水素化して、有機化合物たる2−プロパノールCを再生させための水素化反応器4は、燃料電池3のカソード32から離れて設置されていることである。
(実施例1の要素構成)
本実施例の「熱再生型の燃料電池システム」は前述のような構成を持つが、本項ではその構成要素1,2,3,4,61,62のうち燃料電池3の構成と水素化反応器4の構成とについて詳述する。
先ず燃料電池3は、前述のように最も一般的な水素濃淡型であるから、その要素構成は図2に示すように、電解質膜(導電膜ともいう)30と、電解質膜30を挟んで接合されたアノード31およびカソード32と、それぞれの気体供給板33,34とをもつ。ここで、アノード31およびカソード32は、それぞれカーボンペーパに触媒としての白金Ptを担持させたものである。そして、気体供給板33は、アノード31との間に内部空間(アノード流路310)を形成し、アノード流路310に気液分離器2から水素ガスHが供給される。一方、気体供給板34は、カソード32との間に内部空間(カソード流路320)を形成し、カソード32で生成された水素ガスHは、カソード流路320を通じて気体用ポンプ61によって吸い出され、水素化反応器4に供給される。
なお、本実施例のテストプラント(つまり実験室レベルの試作装置)においては、燃料電池3が単相で構成されていたが、製品レベルで実施する際には、アノード31/電解質膜30/カソード32は幾重にも積層され、燃料電池3はスタック構造を形成することになる。
次に水素化反応器4は、図3(a)〜(b)に示すように化学的な安定性の高いテフロン製の角柱容器44の中に導電膜41が保持されており、導電膜41の両側には水素ガスHが導入される水素流路401とアセトンDの蒸気が導入されるアセトン流路402とが形成されている。ここで、水素流路401およびアセトン流路402を併せて水素化反応器4の内部空間400と呼ぶことにする。そして図3(c)に示すように、導電膜41の両面にはPt/Ru触媒43を担持したカーボンペーパ42が張り合わされており、水素ガスHが導電膜41を透過してアセトンDと接触し、触媒43の作用で脱水素化合物たるアセトンDを水素化する。水素化反応器4ではこのようにして、有機化合物たる2−プロパノールCが再生される。
なお、本実施例のテストプラントでは、前述のように、図3(a)〜(c)に示す単層の導電膜41で水素化反応器4を構成した。しかし、実際に製品として水素化反応器4を製造する際には、図4(a)〜(c)に示すように、複数層の導電膜41の間に交互に水素流路401およびアセトン流路402を形成した複層構造で水素化反応器4を構成することになろう。
(実施例1の作用効果)
本実施例の「熱再生型の燃料電池システム」は、以上のように構成されているので、以下のような作用効果を発揮する。
すなわち本実施例のシステムでは、その反応モデルを模式図にして図5に示すように、先ず、水素生成器1で前記化1の脱水素反応P1が起こり、有機化合物たる2−プロパノールCが、脱水素化合物たるアセトンDと水素ガスHとに分解される。この際の反応は吸熱反応であり、水素生成器1にはエンジン排気Eから排熱が供給されて(図1参照)高温で運用される。こうして生成されたアセトンDと水素ガスHとは、気液分離器2で分離された後、水素ガスHは燃料として燃料電池3のアノード31側に送られ、アセトンDは液体用ポンプ62で水素化反応器4に送られる。
次に、水素濃淡型の燃料電池3では、アノード31では水素ガスHからプロトンpと電子eを生じるアノード反応P31(上記化2参照)が起こり、カソード32ではプロトンpと電子eから水素ガスHを再生するカソード反応P32(上記化3参照)が起こる。このような燃料電池反応P3により、燃料電池3ではアノード31とカソード32との間に電位差が生じて、起電力ないし発電作用が発揮される。そして、カソード32で生じた水素ガスHは、気体用ポンプ61で水素化反応器4に送られ、前述のアセトンDを水素化して2−プロパノールCを再生する水素化反応P4(上記化4参照)に使われる。
このように、本実施例では、脱水素化合物たるアセトンDが水素化されて元の有機化合物たる2−プロパノールCに再生されるのは、燃料電池3内部のカソード32においてではなく、カソード32から離れて設けられた水素化反応器4においてである。それゆえ、本実施例においては、熱再生型の燃料電池システムの構成要素たる燃料電池3として、技術的に未熟で高価な水素ベンゼン型などではなく、最も一般的な水素濃淡型のものを採用することができる。
したがって、本実施例の「熱再生型の燃料電池システム」によれば、大きく分けて次の二つの効果が得られる。
第一に、安価でありながら高効率で信頼性も高い水素濃淡型の燃料電池3を採用して、熱再生型の燃料電池システムを構成することができるという効果があり、解決すべき課題のうち第一の課題を達成することができる。
第二に、燃料電池3の効率が高いここと、水素生成器1の熱分解効率が高いこととから、熱電変換効率の向上も達成することができるという効果があり、第二の課題をも達成することができる。
なぜならば、本実施例では、ピストンエンジンやガスタービンエンジンなどの高温の排気ガス(ふつう数百℃程度)から排熱を取り出すので、その熱源と冷却源(冷却空気Aたる外気)との間で温度差をより大きくとることができるからである。具体的には、発明者が試作したテストプラントでは、計算上15%程度の排熱エネルギーをエンジン排気Eから回収することができているはずである。
また、本実施例によれば、その構成から次の二つの利点が付帯的に生じる。
先ず、分離回収器2が物理的な気液分離器であるから、構造が簡素であるうえ化学的に安定した材料で安価に作ることができ、製造コストが安価であるうえに長期間に渡って安定して使用することができるという効果がある。
次に、気体用ポンプ61および液体用ポンプ62が循環システムに組み込まれているので、両ポンプ61,62を独立して制御すれば、よりきめ細かな制御が可能になるという効果が期待できる。また、気体用ポンプ61で直接的に燃料電池3のカソード流路320を減圧できるので、図8(a)に示すように、水素濃淡型の燃料電池3の起電力を高めることができるという効果もある。
(実施例1と比較例1との対比)
本発明の実施例1と比較対照するために、先ず特許文献1を参考にした熱再生型の燃料電池システムを想定し、これを「比較例1」と呼ぶことにする。
すなわち比較例1は、図6に示すように、水素生成器1A、分離回収器2A、燃料電池3Aおよび冷却器8Aを有する熱再生型の燃料電池システムである。そして比較例1は、次の点で本発明の実施例1と異なっている。
第一に、水素生成器1Aの加熱熱源が数百℃のエンジン排気Eではなく、高々100℃程度のエンジン冷却水Wである点である。それゆえ、水素生成器1の操作温度は数十℃ないし百℃程度にしかなり得ず、本実施例のように2−プロパノールC/アセトン/水素の循環は無理である。そこで比較例1では、有機化合物CAにはシクロヘキサンを使い、その結果、脱水素化合物DAはベンゼンとなって、シクロヘキサン/ベンゼン/水素の閉鎖循環系が形成されている。
第二に、ベンゼンDAがカソード流路320Aに導入され、その水素化反応がカソード32Aで起こるから、燃料電池3Aはベンゼン型にならざるを得ない。しかし、現時点ではベンゼン型の燃料電池3Aの技術は未熟であり、その発電効率が低いばかりではなく、その価格は高く、その信頼性は低く、その寿命は短いという短所を持つ。
第三に、本実施例とは異なって本比較例には水素化反応器4がないから、カソード32A側にはシクロヘキサンとベンゼンとが混在してしまい、燃料電池3Aの発電機能が劣化してしまう。
(実施例1と比較例2との対比)
次に、「比較例2」として、前述の比較例1の有機化合物CAを本実施例と同様に2−プロパノールCとした熱再生型の燃料電池システムを想定し、同じく図6に示すシステム構成で2−プロパノール/アセトン/水素の閉鎖循環系を形成したとしよう。すると、図7に示すように、カソード反応で2−プロパノールCの水素化が行われるようになり、やはり不都合が生じる。
すなわち、水素生成器1Aでの操作温度T1Aが低いので、2−プロパノールCの脱水素反応はほとんど進まないであろうし、燃料電池3Aの形式は水素濃淡型ではなくアセトン型でなければいけなくなる。その結果、比較例2も、アセトン型の燃料電池に付随する短所を持ってしまうに至る。
そして、水素生成器1での脱水素反応は完全では有り得ないから、本実施例と違って水素化反応器4をもたない以上、分離回収器2Aで分離されたアセトンにはどうしても幾分か2−プロパノールCが混ざってしまう。それゆえ、燃料電池3Aのカソード32側に供給されるアセトンDにも2−プロパノールCが混入し、その混入比率は運転時間と共に増えてゆく。ところが、カソード32A側でのアセトン中に2−プロパノールCが含まれる濃度を横軸にして燃料電池3Aの起電力を試算してみると、図(b)に示すように、混入濃度が高まるにつれて起電力はどんどん低下していく。したがって、本比較例では、運転時間が経つにつれて起電力を含む発電機能が衰えていくという不都合が生じる。
しかも、アセトン型の燃料電池3Aの起電力は100mV以下であって、ふつうは数十mV程度にしかならない。したがって、比較例2の起電力は本実施例の半分無いし三分の一程度でしかなく、比較例2で所望の電圧を得るためには、燃料電池の積層数を本実施例の二倍ないし三倍にする必要がある。
(実施例1と熱電素子との比較)
なお、エンジン排気からその排熱を取り出して有効利用する熱発電技術としては、本発明のように燃料電池を利用したものの他に、熱電素子を用いて発電する技術も既に提案されている(例えば特願2004−110128号に記載)。このように熱電素子を用いた排熱発電技術では、熱電素子それ自体の熱電変換効率は5%程度であるが、排気から熱電素子に熱を取り入れる際の効率が30%程度であるから、システム全体としての熱電変換効率は1.5%程度に過ぎない。
一方、本実施例の「熱再生型の燃料電池システム」によれば、それ自体の効率が15%程度と高いので、排熱の取り入れ効率を同じく30%程度としても、システム全体としての熱電変換効率は4.5%程度に達する。
したがって、上記出願の熱電素子による排熱発電技術と比較しても、本実施例の方が3倍程度も発電効率が高い。
(実施例1の別表現)
前述の実施例1の構成を、前述の第12手段の構成に則り、以下のように捕らえることもできる。
すなわち、本発明の実施例1としての「熱再生型の燃料電池システム」は、再び図1に示すように、水素生成器1、分離回収器2、燃料電池3および再生手段5を有する。ここで、水素生成器1とは、有機化合物たる2−プロパノールCを加熱して沸騰させ、2−プロパノールCの脱水素反応により脱水素化合物たるアセトンDと水素ガスHとを含む混合ガスD,Hを生成する機器である。また、分離回収器2とは、混合ガスD,Hからこの脱水素化合物を回収する一方、混合ガスD,Hから水素ガスHを分離する機器である。さらに、燃料電池3とは、分離回収器2で分離された水素ガスHが供給されるアノード31と、アノード31からプロトンpが供給されるカソード32とをもち、両電極31,32の間に起電力が生じる発電手段である。一方、再生手段5とは、燃料電池3のカソード31側でプロトンpから生成された水素ガスHと、分離回収器2から回収されたアセトンDとを化合させることにより、アセトンDを水素化して2−プロパノールCを再生させる機器である。
本実施例の特徴は、再生手段5が、カソード32で生成される水素ガスHを収容する前室320と、前室320から供給される水素ガスHでアセトンDを水素化して2−プロパノールCを再生する後室400とに、分かれて形成されていることである。すなわち、有機化合物たる2−プロパノールCを再生する再生手段5は、前室と後室とに分かれて構成されており、この前室は前述のカソード流路320である一方、この後室は前述の水素化反応器4である。より厳密には、再び図3(a)〜(c)または図4(a)〜(c)に示すように、水素化反応器4の内部空間たる水素流路401およびアセトン流路402をもって、再生手段5の後室400とする。
換言すると、再び図1に示すように、再生手段5は、前室(燃料電池3のカソード流路320)と、後室(水素化反応器4)とに別れて構成されている。そのうち、前室320は、カソード32に接するカソード流路320として燃料電池3の一部に形成されているが、その一方、後室400は、前室320とは別に燃料電池3の外部に水素化反応器4として配設されている。そして、前室320は燃料電池3のカソード32で生成される水素ガスHをいったん収容しておいて順次後室400に供給し、後室400では水素ガスHでアセトンDが水素化されて2−プロパノールCが再生される。ここで、アセトンDが水素化されてもとの2−プロパノールCに再生されるのは、カソード32に接して燃料電池3内に形成されている前室320においてではなく、前室320から離れて設けられた後室400においてである。
そして、再生手段5の前室320と後室400との間には気体用ポンプ61が配設されており、前室320(すなわちカソード流路)は減圧されてカソード32での水素分圧が低く保たれている。そのうえ、気体用ポンプ61の作用で、流れは前室320から後室400への一方通行であり、後室400(すなわち水素化反応器4の内部空間)からアセトンDなどが逆流してくることもない。したがって水素濃淡型の燃料電池3は、高い起電力および出力を保ち続けることができる。
(実施例1の方法)
本項では、本発明のうち方法発明の実施例として前述の実施例1を捕らえ直し、「燃料電池の燃料循環方法」の実施例として説明する。
すなわち、本実施例は、再び図5に示すように、脱水素反応過程P1、分離回収過程P2、発電過程P3および水素化過程P4を有する「熱再生型燃料電池の燃料循環方法」である。そして、水素化過程P4で再生された有機化合物たる2−プロパノールCは、脱水素反応過程P1に再び供給されて系内を循環するようになっている。
ここで、脱水素反応過程1は、有機化合物たる2−プロパノールCを加熱して脱水素反応を起こし、2−プロパノールCからその脱水素化合物たるアセトンDと水素ガスHとを含む混合ガスを生成する化学反応過程である。次に、分離回収過程P2は、混合ガスD,Hから水素ガスHを分離し、その残りからアセトンDを回収する物理過程である。そして、発電過程P3は、水素ガスHを供給され、アノード31で生成されたプロトンpがカソード32に移動して、両電極31,32間に起電力が生じる燃料電池3の化学反応過程である。また、水素化過程P4は、カソード32側でプロトンpから再生された水素Hと、分離回収過程P2で回収されたアセトンDとを化合させ、アセトンDを水素化して2−プロパノールCを再生させる化学反応過程である。
さて、本実施例がもつ特徴は、第一に、発電過程P3に、カソード32でプロトンpから水素ガスHが再生される水素ガス再生過程P32が含まれることである。そして第二に、水素化過程4は、水素ガス再生過程P32で再生された水素ガスHが供給されてアセトンDが水素化される過程であり、水素ガス再生過程P32とは段階を分けて、水素化過程P4の後で行われることである。
それゆえ、本実施例では、燃料電池3のカソード32では水素Hが発生するだけで、カソード32に接触する部分で有機化合物たる2−プロパノールCが再生されることはない。その結果、燃料電池3には、水素ベンゼン型のものではなく、最も一般的な水素濃淡型の燃料電池を採用することができる。さらに、カソード流路320に2−プロパノールCやアセトンDが混じったり、カソード流路320の水素分圧が高くなったりするような不都合は起きない。
したがって、本実施例によれば、安価でありながら効率も信頼性も高い燃料電池3を採用して熱再生型燃料電池の燃料循環方法を実施することができるようになり、前述の第一の課題を達成することができる。さらに前述の第二の課題(熱電変換効率の向上)と併せて、その信頼性が向上し、装置価格の低減も可能になるという効果もある。
なお、本実施例の別表現として、前述の第14手段の構成に則り、本実施例の構成を以下のように表すこともできる。
すなわち本実施例は、同じく図5に示すように、脱水素反応過程P1、分離回収過程P2、発電過程P3および再生過程P4を有することを特徴とする「熱再生型燃料電池システムの燃料循環方法」である。ここで、脱水素反応過程P1、分離回収過程P2および発電過程P3は、すでに説明したとおりである。一方、再生過程P4は、前述の水素化過程P4に相当する。すなわち、再生過程P4とは、水素濃淡型の燃料電池3の外部で、燃料電池3のカソード32側で再生された水素ガスHと、分離回収過程P2で回収された脱水素化合物たるアセトンDとを化合させることにより、アセトンDを水素化して有機化合物たる2−プロパノールCを再生させる過程である。
(実施例1の変形態様1)
本実施例の変形態様1として、図9に示すように、水素化反応器4から水素生成器1に向けて(あるいは水素生成器1から分離回収器2に向けて)2−プロパノールCを圧送するリターンポンプ70を有する「熱再生型の燃料電池システム」を実施することもできる。本変形態様には、燃料電池3のカソード32側から水素化反応器4に向けて水素ガスHを送る流路に設けられた水素ガス逆止弁71と、気液分離器2から水素化反応器4に向けてアセトンDを送る流路に挿置された液体用逆止弁72とを有する。
本変形態様では、水素ガス逆止弁72の作用で水素化反応器4からカソード32に2−プロパノールCやアセトンDが逆流しないから、水素濃淡型の燃料電池3を採用することができるという実施例1の利点が損なわれない。それでいて、ポンプが一つで済むから、システム構成が簡素となり、より安価に製造することができるという効果がある。
もちろん、本変形態様の構成やその作用効果を説明するには、前述の実施例1と同様に、装置発明の別表現で説明することや、方法発明の実施例として説明することも、あるいはその別表現で説明することも可能である。
(実施例1の各種変形態様)
本実施例のその他の変形態様として、解決手段の項で説明した各手段のうち第3手段、第5手段および第6手段に相当する「熱再生型の燃料電池システム」の実施が可能であり、そのような変形態様では各手段に特有の作用効果が得られる。
実施例1としての熱再生型の燃料電池システムの構成を示すブロック図。 実施例1がもつ水素濃淡型燃料電池の要素構成を示す断面図。 実施例1がもつ水素化反応器の基本的な要素構成を示す組図。 (a)正断面図 (b)側断面図 (c)導電膜表面の断面拡大図。 実施例1がもつ水素化反応器の実際的な構成を示す組図。 (a)正断面図 (b)側断面図 (c)導電膜表面の断面拡大図。 実施例1の各部で起きる化学反応を示す模式図。 比較例1および比較例2のシステム構成を示すブロック図。 比較例2の各部で起きる化学反応を示す模式図。 実施例1と比較例2とで燃料電池の起電力を比較する組図。 (a)実施例1における燃料電池の起電力変化を示すグラフ。 (b)比較例2における燃料電池の起電力変化を示すグラフ。 実施例1の変形態様1がもつシステム構成を示すブロック図。
符号の説明
1:水素生成器 10:加熱ジャケット(エンジン排気で加熱)
2:気液分離器(分離回収器として) 20:空冷器
3:水素濃淡型の燃料電池
30:電解質膜 301:導電膜 302:カーボンペーパ
31:アノード 310:アノード流路
32:カソード 320:カソード流路(再生手段5の前室として)
33,34:気体案内板
4:水素化反応器 40:空冷器
400:内部空間(再生手段5の後室として)
401:水素流路 402:アセトン流路
41:導電膜 42:カーボンペーパ 43:触媒(Pt/Ru)
44:角柱容器(テフロン製)
5:再生手段
(その前室は燃料電池3のカソード流路320、
その後室は水素化反応器4の内部空間400)
61:気体用ポンプ 62:液体用ポンプ
70:リターンポンプ 71:水素ガス逆止弁 72:液体用逆止弁
C:2−プロパノール(有機化合物として) D:アセトン(脱水素化合物として)
A:冷却空気 E:排気ガス F:燃料ガス H:水素ガス L:負荷
e:電子 p:プロトン(水素イオンすなわち陽子)
P1:脱水素反応過程(有機化合物の熱分解過程) T1:脱水素操作温度
P2:分離回収過程(凝縮または浸透膜による気液分離) T2:気液分離温度
P3:発電過程(燃料電池の発電作用) T3:燃料電池の作動温度
P31:プロトン生成過程(アノード反応)
P32:水素ガス再生過程(カソード反応)
P4:水素化過程(有機化合物の再生過程) T4:水素化操作温度
(以下は比較例1の構成要素等)
1A:水素生成器
10A:ウオータージャケット(エンジン冷却水で加熱)
T1A:脱水素操作温度 W:エンジン冷却水
3A:燃料電池
30A:電解質膜
31A:アノード 310A:アノード流路
32A:カソード 320A:カソード流路
P32A:カソード反応
8A:冷却器

Claims (14)

  1. 所定の有機化合物を加熱して脱水素反応を起こし、この有機化合物からその脱水素化合物と水素ガスとを含む混合ガスを生成する水素生成器と、
    この水素生成器から供給されたこの混合ガスからこの水素ガスを分離し、その残りからこの脱水素化合物を回収する分離回収器と、
    この分離回収器からこの水素ガスを供給され、この水素ガスからプロトンを生成する一方の電極(アノード)と、このアノードからこれらのプロトンが供給される他方の電極(カソード)との間で、発電作用を発揮する燃料電池と、
    を有する熱再生型の燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池は、前記アノード側の水素分圧の方が前記カソード側の水素分圧よりも高い水素濃淡型の燃料電池であり、
    このカソード側において前記プロトンから生成された水素ガスで、前記分離回収器から回収された前記脱水素化合物を水素化し、もって前記有機化合物を再生させる水素化反応器を有し、
    この水素化反応器が、このカソードから離れて設置されていることを特徴とする、
    熱再生型の燃料電池システム。
  2. 前記水素生成器は、前記有機化合物を加熱する熱源として、内燃機関の排気ガスに含まれる排熱を利用する、
    請求項1に記載された熱再生型の燃料電池システム。
  3. 前記水素生成器は、前記有機化合物を加熱する熱源として、外燃機関のボイラーを加熱した後の排煙に含まれる排熱と、蒸気タービン駆動後の蒸気に含まれる排熱とのうちいずれかを利用する、
    請求項1に記載された熱再生型の燃料電池システム。
  4. 前記分離回収器は、前記水素生成器から供給された前記混合ガスを冷却することにより、この混合ガスから前記脱水素化合物を液化したうえで回収し、もってこの混合ガスから水素リッチな燃料ガスを分離して前記燃料電池に供給する気液分離器である、
    請求項1に記載された熱再生型の燃料電池システム。
  5. 前記分離回収器は、その内部空間を仕切る水素分離膜をもち、前記混合ガスのうちこの水素分離膜を透過した分を前記水素ガスとして前記燃料電池に供給し、この混合ガスのうちこの水素分離膜を透過せずに残った残留分から前記脱水素化合物を回収する膜分離器である、
    請求項1に記載された熱再生型の燃料電池システム。
  6. 前記分離回収器と前記水素化反応器とは一体化されている、
    請求項1に記載された熱再生型の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池の前記カソード側から前記水素化反応器に向けて前記水素ガスを送る気体用ポンプと、前記分離回収器から前記水素化反応器に向けて前記脱水素化合物を送る液体用ポンプとのうち、少なくとも前者を有する、
    請求項1に記載された熱再生型の燃料電池システム。
  8. 前記水素化反応器から前記水素生成器に向けて前記有機化合物を圧送するリターンポンプと、
    前記燃料電池の前記カソード側から前記水素化反応器に向けて前記水素ガスを送る流路に設けられた水素ガス逆止弁と、
    前記気液分離器から前記水素化反応器に向けて前記脱水素化合物を送る流路に挿置された液体用逆止弁とを有する、
    請求項1に記載された熱再生型の燃料電池システム。
  9. 前記有機化合物は2−プロパノールであり、前記脱水素化合物はアセトンである、
    請求項1に記載された熱再生型の燃料電池システム。
  10. 前記水素生成器の内部における脱水素操作温度は、180℃以上300度以下である、
    請求項9に記載された熱再生型の燃料電池システム。
  11. 前記水素化反応器の内部における水素化操作温度は、20℃以上60度以下である、
    請求項9に記載された熱再生型の燃料電池システム。
  12. 所定の有機化合物を加熱して沸騰させ、この有機化合物の脱水素反応によりその脱水素化合物と水素ガスとを含む混合ガスを生成する水素生成器と、
    この混合ガスからこの脱水素化合物を回収する一方、この混合ガスからこの水素ガスを分離する分離回収器と、
    この分離回収器で分離されたこの水素ガスが供給される一方の電極(アノード)と、このアノードからプロトンが供給される他方の電極(カソード)とをもち、両電極の間に起電力が生じる燃料電池と、
    この燃料電池のこのカソード側でこれらのプロトンから生成された水素ガスと、この分離回収器から回収されたこの脱水素化合物とを化合させることにより、この脱水素化合物を水素化して前記有機化合物を再生させる再生手段と、
    を有する熱再生型の燃料電池システムにおいて、
    前記再生手段が、前記カソードで生成される前記水素ガスを収容する前室と、この前室から供給されるこの水素ガスで前記脱水素化合物を水素化して前記有機化合物を再生する後室とに、分かれて形成されていることを特徴とする、
    熱再生型の燃料電池システム。
  13. 所定の有機化合物を加熱して脱水素反応を起こし、この有機化合物からその脱水素化合物と水素ガスとを含む混合ガスを生成する脱水素反応過程と、
    この混合ガスからこの水素ガスを分離し、その残りからこの脱水素化合物を回収する分離回収過程と、
    この水素ガスを供給され、一方の電極(アノード)で生成されたプロトンが他方の電極(カソード)に移動して、両電極間に起電力が生じる燃料電池の発電過程と、
    このカソード側でこれらのプロトンから再生された水素と、この分離回収過程で回収されたこの脱水素化合物とを化合させ、この脱水素化合物を水素化してこの有機化合物を再生させる水素化過程と、
    を有し、
    この水素化過程で再生されたこの有機化合物が、前記脱水素反応過程に再び供給される燃料電池の燃料循環方法において、
    前記発電過程には、前記カソードで前記プロトンから水素ガスが再生される水素ガス再生過程が含まれ、
    前記水素化過程は、この水素ガス再生過程で再生されたこの水素ガスが供給されて前記脱水素化合物が水素化される過程であり、
    この水素ガス再生過程とこの水素化過程とは、互いに段階を分けて行われることを特徴とする、
    熱再生型燃料電池システムの燃料循環方法。
  14. 所定の有機化合物を加熱して沸騰させ、この有機化合物の脱水素反応によりその脱水素化合物と水素ガスとを含む混合ガスを生成する脱水素反応過程と、
    この混合ガスからこの脱水素化合物を回収する一方、この混合ガスからこの水素ガスを分離する分離回収過程と、
    この水素ガスが比較的濃厚に供給される一方の電極(アノード)と、このアノードからプロトンが供給され水素ガスが再生される他方の電極(カソード)との間で、水素濃淡型燃料電池の発電作用を生じる発電過程と、
    この燃料電池の外部で、この燃料電池のこのカソード側で再生された水素ガスと、この分離回収過程で回収されたこの脱水素化合物とを化合させることにより、この脱水素化合物を水素化して前記有機化合物を再生させる再生過程と、
    を有することを特徴とする、
    熱再生型燃料電池システムの燃料循環方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20110274994A1 (en) * 2010-05-07 2011-11-10 Carrier Andrew J Catalyst and Liquid Combination for a Thermally Regenerative Fuel Cell
JP2012532984A (ja) * 2009-07-10 2012-12-20 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 電気化学的な水素の分離と電気化学的な水素の水への反応とを含む炭化水素をアミノ炭化水素に直接アミノ化するプロセス
CN110416572A (zh) * 2019-07-26 2019-11-05 北京青木子科技发展有限公司 一种利用燃料电池余热加热甲酸反应器的加热系统及方法

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