JP5174334B2 - 複数の電子取引システム間の注文回送処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、私設取引システム等、複数の電子取引システム間を電子的ネットワークで接続して、マーケットメイク機能を実装させることにより、仮想的に流動性、公平性、公正性のある大きな取引市場を形成するための注文回送処理システムに関する。
近年、日本の金融市場において、金融システム改革法の施行により、取引所の集中業務の撤廃等の規制緩和が実施され、従来の証券取引所を介在させないで電子情報通信手段を介して証券の取引を行うことの可能な私設取引システム(PTS:Propriety Tradeing System)が出現しはじめている。
ここで、PTSに関連する米国及び日本の金融市場における歴史的背景について述べる。
米国の金融市場における歴史的背景
金融先進国である米国では、ニューヨーク証券取引所(NYSE:New York Stock Exchange)と店頭市場であるNASDAQ(全国証券業協会相場伝達システム:National Association of Securities Dealers Automated Quotations)が2大市場となっている。
PTSは、1960年代に米国において、機関投資家間を接続したインスティネットから始まった。米国では、1960年代に機関投資家が台頭して証券の大口取引が増大する一方、NYSEに対する固定手数料(取引コスト)への不満があった。そこで、NYSEを通さずに大口取引を独自の電子的な処理による取引システムで処理すべく、機関投資家間を接続した私設取引システム(PTS)としてインスティネットが立ち上げられた。
NYSE銘柄を地方の証券取引所や第三市場で取引すれば、固定手数料が削減できる。このため、1970年頃には機関投資家のNYSEへの大口注文が外部に流出し、1975年にはNYSE外市場取引が活発となって「市場分裂現象」を引き起こした。そして、同時期に複数の取引所等における取引が活発化した結果、価格形成が不公正・不透明になるという問題が発生した。その問題に対処するために、全米市場システム(NMS:National Market System)が設定され、市場価格を取りまとめて公開するCQS(総合気配表示システム:Composite Quotation System)、取引情報を提供するCTS(統合テープシステム:Consolidated Transaction Reporting System)、注文を回送するITS(市場間取引システム:Intermarket Trading System)が、米国証券取引委員会(SEC:Securities and Exchange Commission)主導の下に整備された。
その後、PTSは、1980年代に店頭市場を中心に成長した。
1990年代に入ると、NASDAQの取引が急増し始めた。但し、NASDAQには、マーケットメイカーからの気配が提示されるのみであって、注文を執行及びプールする機能がなかった。そこで、NASDAQでは提供されない注文執行等の機能を補完する目的で、同一市場銘柄に対する取引執行と注文管理を電子的に行うアーキペラゴ等の電子証券取引ネットワーク(ECN:Electronic Communications Network)が台頭した。
この頃より、PTSやECNのような、証券取引を電子的に行うシステムは、代替的取引システム(ATS:alternative trading system)と呼ばれるようになった。各ATSは、即時約定や有利な取引価格、取引コスト面等、競争力あるサービスを提供し、店頭取引におけるシェアを伸ばすようになった。そして、買収・合併を繰り返して巨大化していった。
1996年には、「オーダーハンドリングルール」により、ECNの最良気配がNASDAQに公開されるようになり、同時に「最良執行義務」の対象となったことから処理能力の勝るECNに対する取引が活発になった。
なお、ECNは取引所に類似する機能を有するものの、ECNに対する上場審査と自主規制がないことから、自主規制等についての問題が浮上した。
1998年には、レギュレーションATSが採択され、1999年にATSを運用する場合には登録が必要となった。そして、情報公開の義務付けを行い、出来高基準を設定し、超える場合は取引所としての申請が必要となった。
2000年には、NASDAQにおけるATS取引シェアが増大し、ATSはNASDAQで提供されない注文執行機能を補完する関係から競合相手へと変貌していった。
これに対し、NASDAQは、2002年に、ATSへの対向策として電子注文板(スーパーモンタージュ)を導入した。
2004年には、市場競争の激化と平行し、投資家の信頼を喪失するようなNYSE・NASDAQの不祥事が多発した。
そこで、投資家の信用を取り戻すべく、NASDAQを含め証券取引に関して投資家保護のためのNMS規制が設けられた。これは、投資家に有利となるように、一番有利な価格、時間にて注文の執行を義務付けるものであった。
他方、NYSE・NASDAQの2大市場は、NMS規制への対応策として、大手ATSを取り込み、電子化の対応を行った。NYSEは店頭市場で成長したアーキペラゴと合併し、NASDAQは大口取引で成長したインスティネットを買収した。
このように、NMS規制を契機として、ATSとNYSE・NASDAQ等の取引所とは、競合関係から協調関係へと変貌していった。
取引所は、ATSを取り込んだことによりシステム化され、より競争力を持つことになる。今後は、システム投資や体制等のコストの問題、商品や取引シェアの拡大への対応が必要とされる。また、2006年の6月に欧米の取引所の再編の動きが活発化しており、最近の取引所は、より巨大化、グローバル化する傾向にある。
日本の金融市場における歴史的背景
現在、日本における証券取引は、東京証券取引所(東証)へ一極集中している。
従来、日本の証券取引には、証券取引法の規定に従って非営利の会員で組織された全国9カ所の証券取引所において上場証券の売買を行うことを義務付ける取引所集中義務が課せられていた。そして、各証券取引所が開設する市場のみが唯一の有価証券市場とされ、店頭市場には証券取引所を補完する役割しか与えられていなかった。
その後、1990年代に証券取引所における立会場取引から取引システムへの移行が始まり、1998年に、国際的な流れへの対応と、市場間競争により投資家の利便性を向上させることを目的として金融システム改革法(金融ビッグバン)が施行され、取引所の集中義務の撤廃と同時に取引所外取引が解禁され、PTS業務が証券会社に対して認可された。これにより、証券取引所市場と店頭市場との関係が補完関係から競合関係へと変貌した。
1999年には、高い成長可能性を有していると認められる企業を上場対象とした市場としてマザーズが東証により開設された。また、1990年代後半には、証券取引の電子化と手数料自由化へ対応するオンライントレードが台頭してきた。さらに、2000年には、社会、経済環境の変化によって各証券取引所間の格差が拡大し、地方証券取引所の役割、機能が低下したこと等を背景として、京証と大証との合併、広証と新証との合併等、地方証券取引所同士の合併が相次いだ。また、それとともに大証と提携したNASDAQジャパンが開設された。また、東証がテリトリー制を廃止し、地方企業の単独上場を認めたことにより、取引所相互の競争が激化していった。その後、2001年に主要取引所が株式会社化、2002年にNASDAQジャパンが撤退した。また、地方市場における株式の売買取引が減少していくとともに、2003年東証の取引シェアは95%近くになり、一極集中、単独市場の傾向が強くなった。また、2004年には、市場間競争における店頭市場の制約を排除するためJASDAQ(1963年に設立され当初証券取引所市場の補完的市場とされていた新興企業向け市場)が証券取引所となり、JASDAQ銘柄も取引所外取引の対象となった。
このような経緯のもと、日本においてPTS業務が証券会社に対して認可されたが、PTS業務には、取引所に即した規制が残っているため競争力の点で不利と考えられた。例えば、投資家に対し、情報収集能力で大きな差のある個々のマーケットメイカーによる一意的で不透明な価格形成や、取引所の価格を中心とするクロッシング方式(もしくは拡大解釈の顧客対当)を行うのでは、市場としての価格形成機能が十分でなく、顧客に対する注文執行業務としては不十分なものとなる。
そこで、その改善策として、2005年4月に証券取引所と同等の価格形成機能を持つ「競売買(オークション)方式」がPTS業務に認められた。
日本におけるPTSは、東証に対するその取引時間帯に関し補完的な機能を果たすものとして期待されている。即ち、PTSは東証の取引時間である夜間における価格形成に威力を発揮することによって顧客の取引におけるサービスレベルの向上が図られるものと期待されている。
今後、PTSは、証券取引所ではサービス提供できない特殊なサービス内容やコスト等を考慮した競争力のあるものが成長・拡大していく可能性が高い。また、PTSは、取引量規制によりスモールスタートの形式をとらざるを得ないが、取引量が多い場合には、取引所として認可を受け、業務を拡大していく可能性がある。
そして、今後の日本の証券取引における注文処理は、さらに電子化し、PTSが増加していくことが予測される。
上述したように、現在の日本におけるPTSは、東証と同様、オークション(競売買)方式であり、且つ、流動性はマーケットメイカーや後述のスペシャリストによって形成されるのではなく、あくまで注文による相場形成となっている。
オークション(競売買)方式は、顧客の注文同士を競わせ、売りと買いが交差(対当)する場合に約定させる方式である。顧客の売買条件で付け合せ・約定するため、手数料が別途徴収される。なお、海外では板寄といわれる方式がなく、ザラバといわれる顧客の個別注文単位での単純競合となる。日本の場合は、価格の公平性の観点より、最初の価格(始値)と最後の価格(終値)等の、注文数の多い場合は、その注文を全部まとめて1つの取引とする価格を検索する方式を採用している。また、基本的に、競売買方式にも、数種類の価格決定方式がある。そして、日本の場合は、板寄せ方式とザラバ方式とを併せた方式となっている。
板寄方式とは、大量注文をまとめ、価格優先に従い、優先度の高い注文から処理し決められた時間に1本の共通する価格を決定(約定)する方式をいう。
また、ザラバ方式とは、板寄により決定された値段を基準とし、売りと買いの注文の競争により、注文単位で対当するものを約定させていく方式をいう。
このように、日本国内には実質的なマーケットメイカーが無く取引所での取引が中心である。しかし、取引所でカバーできない超大口や超小口の取引は昔から非効率であるために、最近の規制緩和のこともあって、取引の効率化(有利な約定価格)を求めて、PTSを使用した市場外での電子取引が増加している。
ところで、現在の日本におけるPTSは、一般に市場としては小規模であり、かつそれぞれ単独で存在している。このため、注文数が少なく、効率的な約定処理を行うことができず、また、各電子取引システムにおける類似銘柄の注文間に価格的な乖離が発生し易い等の、流動性が少ないことを原因とする問題により、取引市場として要求される正当な価格の形成が行われ難い状況にある。そもそも、電子取引システムの数が非常に少なく、電子取引システム自体が有効に機能する状況にない。
PTSに採用されるオークション(競売買)方式による値段の形成は、その売りと買いの注文の競合により行われる。
しかし、その電子取引システムの注文数が少ないことを原因として流動性が不足するため、各電子取引システムにおいて、価格形成を正常に行うことができず、各電子取引システム間での注文状況や取引価格に乖離が生じてしまう。
その結果、市場として最も重要である価格形成機能において、個々の電子取引システムが優秀な機能を有していたとしても、その流動性不足の問題により、価格形成機能を十分に発揮することができない。
しかるに、現在、このような流動性に起因する価格形成の問題に対応しうる手段は、存在していない。
図6は東京証券取引所における完全競売買の価格形成の概念図である。図7は今後の日本における競売買の価格形成を示す概念図である。
図6に示すように、東京証券取引所では、大口の買い注文、大口の売り注文、小口の買い注文、小口の売り注文に関し、十分な注文量があるため、流動性が確保されて公平な価格形成が行われる。
これに対し、今後の日本における競売買では、各証券会社A,Bごとに、異なる電子取引システムa,bのそれぞれで競売買が行われる。なお、図7の例では、同一銘柄Aについて、電子取引システムaでは小口の売り注文に対して大口の買い注文があり、電子取引システムbでは、大口の売り注文に対して小口の買い注文がある場合を示している。
このような場合、各電子取引システムA,Bのそれぞれで十分な注文数がないため、約定数が下がってしまい、流動性が確保できない。その結果、各電子取引システム間で価格形成に乖離を生じてしまうことになる。
なお、米国等海外における私設取引システムの場合は、注文を発注する際に、最も有利な市場を指定して発注することになっている。これは、NASDAQ等の市場がオークション方式でなく、マーケットメイク方式で発達し、マーケットメイカー間を接続したネットワーク型となっているためである。
マーケットメイク方式では、その延長に多く(目的別の色々な種類)の市場があり、各市場情報をまとめて一番良い執行条件の市場を見つけて注文を流すのがアメリカ型である。マーケットメイク方式は、証券会社が自らの担当する銘柄を決め、その銘柄について売りと買いとを常時気配として公開し、必ず顧客の注文を処理できるようにする方式である。
この売りと買いの価格差をスプレッドといい、手数料として収益化される。この方式による担当の証券会社のことをマーケットメイカーと呼ぶ。顧客の注文の相手は、マーケットメイカーとなる。顧客はマーケットメイカーの提示する価格で約定することになる。
これにより、各マーケットメイカーの気配入力システムがネットワークに接続し、各マーケットメイカーが端末より入力した気配が統合されて、最優良の気配等の情報が表示される。そして、注文は、気配情報をもとに、PTSやECNといった電子取引システムで処理される。
また、各市場の価格の乖離に対しては、価格変動差を収益化するために、裁定取引という形式でもって自己が介在し、割高のものを売り、割安なものを買うという処理が同時に行われる。ただし、裁定取引は流動性を形成するためのものでなく、流動性は、マーケットメイカーが、自ら担当する銘柄の売りと買いを責任をもって実施することで確保するようにしている。
図8は従来の電子取引システムにおける流動性・価格形成手段としてNASDAQのマーケットメイカーによる気配・注文処理の一例を示す概念図である。図9は米国ニューヨーク証券取引所(NYSE)における価格形成の概念図であり、(a)は小口売買における価格形成、(b)は大口売買における価格形成をそれぞれ示している。
図8の例では、ある同一銘柄Aについて、電子取引システムA〜Eごとに当該マーケットメイカーが売りと買いの気配を表示している。NASDAQではこれら各電子取引システムA〜Eの気配を統合して、最優良の気配等の情報を表示する。図8の例では、売りについては電子取引システムDのマーケットメイカーが提示した気配値、買いについては電子取引システムAのマーケットメイカーが提示した気配値がそれぞれ最良値となっている。
このように、NASDAQでは、各電子取引システムのマーケットメイカーが提示する気配を統合して表示することで、流動性と価格形成を確保することができるようにしている。
なお、米国ニューヨーク証券取引所(NYSE)の価格形成は、オークション方式で行われるとともに、図9に示すように、銘柄毎に担当するスペシャリストが自己勘定で約定処理を行い、流動性を自ら作っている。例えば、同一銘柄Aの競売買に関し、小口の売買注文に対しては、小口電子取引システムを介して、スペシャリストのブック(指値注文の控え、日本では板とも呼ばれる)に転記されて、自動執行処理が行われる。また、大口の売買注文に対しては、スペシャリストによる立会い取引を介してスペシャリストによる価格形成が行われる。
しかし、米国のマーケットメイク方式は、それぞれのマーケットメイカーからの約定時刻(返答時刻)がまちまちであり、最良気配を出すマーケットメイカーに証券会社が注文を出した場合の判定を人手に依存している部分も大きい。また、実際に最良執行を行うには、注文の価格、数量、時間が関係し、価格がよくても数量や処理時間によっては不利になる場合もある。このため、総合的な最良執行の処理についての課題が存在する。
しかも、個々の電子取引システムは、気配報告に性能差があり、統合的に管理されていない。このため、気配報告はあくまで目安にしかすぎず、顧客の注文をどの電子取引システムに回送すれば良いのかを明確に判断できない。
また、現在の電子取引システムでは、注文を回送する場合、その電子取引システムから1市場に回送するだけで精一杯となっている。
ここで、市場、もしくは電子取引システム間が相互に接続することによって流動性を確保する方法も考えられるが、各市場間は互いに競合しているため、自らの注文を外部に出し難い状況にある。そして、流動性をあげるための手法として、各電子取引システムを接続するのではなく、合併という手法をとっているのが現状である。
また、国内外において、発注について違法性のある内部者注文の処理については、各発注元、特に大手以外の証券会社は十分な内部者情報データの管理が難しく、管理ができないという問題がでてきている。
当該有価証券の企業に関係する人員は、その企業の持つ内部情報を保有でき、その他の者(通常の一般投資家)と比較して明らかに企業投資の情報面で有利である。このような内部情報を保有するものは、関係する企業の有価証券を売買する場合には、その取引に関する届出等を含み、通常の一般投資家と同等の取引をすることはできず規制される。よって、私設取引システムにおいても、取り扱い株式の企業に関係する人的データを管理し、その者からの注文について取引を規制する義務がある。
私設取引における内部者(インサイダー)確認については、証券会社が発注時に顧客から申告された情報で注文確認を行うが、その申告自体が信頼性に乏しく、修正も多い。例えば、大手証券会社であれば、内部者情報をデータバンクより購入でき、また、購入した内部者情報を管理するシステムを所有できるが、中小証券会社にとっては、データバンクが販売する内部者情報が相当高額であるとともに、その管理するためのシステム自体を所有できていない状況にある。結局、このコストの問題から、中小の証券会社による立ち上げにはコストが大きくなるという問題が解決されず、簡単な立ち上げは、難しい状況にある。その結果、十分な内部者管理ができていないのが現状である。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、将来、私設取引システムが増加した場合において、電子取引の流動性を向上させ、各電子取引間における取引価格の乖離を極力なくして正当な価格形成を行うことができ、また、低コストで、十分な内部者確認を行うことができる、電子取引システム間の注文回送処理システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による電子取引システム間の注文回送処理システムは、PTS(私設取引システム)や証券取引所システム、競売買方式で取引を行う証券取引用の複数の電子取引システムと接続する、コンピュータを用いて構築された電子処理システムであって、前記コンピュータを、該コンピュータと接続した複数の前記電子取引システムからの注文についてのリアルタイム価格情報を一元管理し、一元管理している前記各電子取引システムからの注文についてのリアルタイム価格情報を用いて、相互に対当条件を満たす前記電子取引システム同士における他の電子取引システムからの注文と比較して割高の買い注文と他の電子取引システムからの注文と比較して割安の売り注文を判断し、割高な買い注文のある前記電子取引システムに対しては売り注文を自動的に発注するとともに、割安な売り注文のある前記電子取引システムに対しては買い注文を自動的に発注して前記電子取引システム間における注文の価格の乖離を調整する注文調整手段と、前記注文調整手段により一元管理されている前記各電子取引システムからの注文についてのリアルタイム価格情報を用いて、相互に最も優位な条件で注文を処理可能な売り注文側と買い注文側の電子取引システム同士を判別し、判別した前記電子取引システムのうちのいずれか一方の前記電子取引システムの注文を、他方の前記電子取引システムに回送する注文回送手段と、夫々の前記電子取引システムからの約定を自動的に管理し、前記注文調整手段により買い注文側と売り注文側の双方の前記電子取引システムに対して自動的に発注された、当該注文の調整を行うための買い注文及び売り注文について、売り注文側と買い注文側のうちの一方の側の前記電子取引システムでは当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文が約定し、売り注文側と買い注文側のうちの他方の前記電子取引システムでは当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文が約定できない状況になったとき即座に、事前に設定しておいた反対売買を行うための条件に基づき、約定できない当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文の価格訂正を自動的に行い約定させて、前記注文調整手段により自動的に発注された当該注文の調整を行うための売り注文及び買い注文のリスクヘッジを行う注文調整リスク管理手段、として機能させるためのプログラムを該コンピュータに有することを特徴としている。
また、本発明の電子取引システム間の注文回送処理システムにおいては、さらに、前記コンピュータを、前記電子取引システムの注文に顧客識別データが付加されているとき、当該注文の回送に先立ち顧客取引における内部者であるか否かのチェックを行い、内部者である場合には当該注文の発送元の前記電子取引システムにエラー情報を返送して、顧客取引における内部者であるか否かのチェックを行う内部者チェック手段として機能させるためのプログラムを該コンピュータに有するのが好ましい。
また、本発明の電子取引システム間の注文回送処理システムにおいては、前記各電子取引システムとの間で注文を回送するためのインターフェースを設定するのが好ましい。
本発明によれば、将来、私設取引システムが増加した場合において、電子取引の流動性を向上させ、各電子取引間における取引価格の乖離を極力なくして正当な価格形成を行うことができ、また、低コストで、十分な内部者確認を行うことができる、電子取引システム間の注文回送処理システムが得られる。これにより、私設取引システムを含む複数の独立した電子取引システムをつなぐ、約定優位面に優れた一つの仮想的な市場をつくることができる。
図1は電子取引システム間において注文回送を行うための接続態様を示す概念図であり、(a)は本発明の一実施形態にかかる注文回送処理システムにおける各電子取引システムの接続態様、(b)は(a)の比較例にかかる各電子取引システムの接続態様を示す概念図である。図2は本実施形態にかかる注文回送処理システムに備わる機能を示す説明図である。図3は本実施形態にかかる電子取引システム間の注文回送処理システムにおける注文状態の乖離を調整するための注文の自動生成の一例を示す概念図である。図4は本実施形態にかかる電子取引システム間の注文回送処理システムにおける最適市場への注文回送の一例を売買の数量及び価格で示す説明図である。図5は本実施形態にかかる電子取引システム間の注文回送処理システムにおける最適市場への注文回送の他の例を示す概念図である。
本実施形態の電子取引システム間の注文回送処理システム1は、例えば図1(a)に示すように、PTS(私設取引システム)や証券取引所システム、競売買方式で取引を行う証券取引用の電子取引システムA〜Fと接続している。なお、図1では、便宜上、6つの電子取引システムと接続した例を示してあるが、接続する電子取引システムの数は限定されない。
また、注文回送処理システム1は、図2に示すように、電子取引システム間の注文調整を行う注文調整部1aと、最適な注文条件で処理可能な電子取引システムへ注文を回送する注文回送部1bと、注文調整のリスクを管理する注文調整リスク管理部1cと、顧客取引における内部者であるか否かのチェックを行う内部者チェック部1dを有している。
注文調整部1aは、各電子取引システムA〜Fから送られてくる注文についてのリアルタイムの価格情報を一元管理するように構成されている。そして、所定の電子取引システムに回送可能な注文を自動的に判断・作成し、自動発注を行うことができるように構成されている。詳しくは、一元管理している各電子取引システムからの注文についてのリアルタイム価格情報を用いて他の電子取引システムからの注文と比較して割高の買い注文と他の電子取引システムからの注文と比較して割安の売り注文を判断し、割高な買い注文のある電子取引システムに対しては売り注文を作成し、割安な売り注文のある電子取引システムに対しては買い注文を作成して、売り注文側と買い注文側の電子取引システムの双方に対し、当該注文の調整を行うための買い注文及び売り注文を自動的に発注するように構成されている。
注文回送部1bは、一元管理されている各電子取引システムA〜Fからの注文についてのリアルタイムの価格情報を用いて、各電子取引システムA〜Fのうち、相互に最適(最も優位)な条件で注文を処理可能な売り注文側と買い注文側の電子取引システム同士を判別し、判別した電子取引システムのうちのいずれか一方の電子取引システムの注文を、他方の電子取引システムに回送するように構成されている。
注文調整リスク管理部1cは、注文調整によるリスクの発生が起こらないように、各電子取引システムA〜Fからの約定を自動的に管理するように構成されている。詳しくは、夫々の電子取引システムA〜Fからの約定を自動的に管理し、注文調整部1aにより買い注文側と売り注文側の双方の前記電子取引システムに対して自動的に発注された、当該注文の調整を行うための買い注文及び売り注文について、売り注文側と買い注文側のうちの一方の側の電子取引システムでは当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文が約定し、売り注文側と買い注文側の他方の電子取引システムでは当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文が約定できない状況になったとき即座に、事前に設定しておいた反対売買を行うための条件に基づき、約定できない当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文の価格訂正を自動的に行い約定させて、注文調整部1aにより自動的に発注された当該注文の調整を行うための売り注文及び買い注文のリスクヘッジを行うように構成されている。
内部者チェック部1dは、電子取引システムの注文に顧客識別データが付加されているとき、注文回送部1bによる当該注文の調整を行うための買い注文及び売り注文の回送に先立ち、顧客取引における内部者であるか否かのチェックを行い、内部者である場合にはその注文の発送元の電子取引システムにエラー情報を返送するように構成されている。
また、注文回送処理システム1には、各電子取引システムA〜Fとの間で注文を回送するためのインターフェースが設けられていて、各電子取引システムと直結し、気配情報の管理と注文の発注・回送をリアルタイムに処理できるようになっている。接続先の市場の接続仕様はバラバラであり、発注元からすれば面倒である。このため、本発明の注文回想システム1で発注元のインターフェースを1本に統一することにより、この面倒が解消される。
このように構成された注文回送システム1では、注文調整部1aが、各電子取引システムA〜Fから送られてくる注文についての最良気配情報を受け取り、各電子取引システム内の注文間の対当条件を満たす場合に、当該注文の調整を行うための買い注文及び売り文を作成し、売り注文側と買い注文側の双方の電子取引システムに自動発注を行う。
発注は、2つ以上の売り注文側と買い注文側の電子取引システムについて行い、同一もしくは類似銘柄の比較を行い、売りと買いの注文について、割高の注文と割安の注文を判断する。
そして、割高な買い注文のある電子取引システムには売り注文を作成し、割安な売り注文のある電子取引システムには買い注文を売り注文と同数作成する。
また、本実施形態の注文回送システム1は、注文調整リスク管理部1cを介して夫々の電子取引システムからの約定を自動的に管理し、注文調整によるリスクの発生が起こらないように、自動的に約定管理を行う。
例えば、仮に、売り注文側と買い注文側のうちの一方の電子取引システムでは当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文が約定し、売り注文側と買い注文側のうちの他方の電子取引システムでは当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文が約定できない状況になった場合でも、反対売買を行う条件を事前に設定しておき、即座に、その事前に設定しておいた反対売買を行うための条件に基づき、約定できない当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文の価格訂正を自動的に行い約定させるか、もしくは当該注文を取り消して、約定可能な別の電子取引システムに当該注文を回送し約定させことによって注文管理部1aにより自動的に生成・発注され当該注文の調整を行うための売り注文及び買い注文のヘッジを自動的に行う。
なお、作成した当該注文は、自動発注のため、自己取引として扱う。発注元からの注文は、委託取引として行う。
今後、日本の取引市場において私設取引システムが膨大数に増大すると仮定した場合、電子取引システムの流動性を向上させ、正当な価格形成を行うためには、各電子取引システム内の注文を総合的に監視・管理し、自動的に各電子取引システム内における注文の調整を行う第三者的な回送システムが必要となる。
本実施形態の注文回送処理システム1によれば、注文調整部1aを介して各電子取引システムA〜Fの注文状況を管理し、各電子取引システムA〜F間における価格形成が乖離している場合に、注文回送処理システム1自らが注文を発注することによって価格の乖離を調整することができる。このため、各電子取引システムA〜F間における価格の乖離が縮小し、公平性の高い市場形成が行われる。
即ち、各電子取引システムA〜F間において、同一銘柄についての価格差がなくなり、いずれの市場においても同一の価格形成が行われることになるため、いずれの電子取引システムにおいても顧客は有利な条件で発注・約定を行うことができ、顧客保護の問題が改善する。
例えば、ある共通の銘柄Aについて、電子取引システムA〜Dにおいて取引可能となっていて、電子取引システムCにおける注文の気配が他の電子取引システムに比較して割安で、電子取引システムDにおける注文の気配が他の電子取引システムに比較して割高である場合を想定する。
本実施形態の注文回送システム1では、各電子取引システムA〜Dに接続し、図2に示した注文調整部1aを介して、各電子取引システムA〜Dから送られてくるリアルタイムの価格情報を一元管理することにより、電子取引システムCが割安な売買注文の市場であって、電子取引システムDが割高な売買注文の市場であることが認識できる。そこで、図3に示すように、割安な売買注文となっている電子取引システムCに対しては自ら買い注文を発注し、割高な売買注文となっている電子取引システムDに対しては自ら売り注文を発注する。
このようにすることにより、各電子取引システムA〜Dにおける注文の流動性が改善されるとともに、各電子取引システムA〜D間における価格乖離が改善される。
また、本実施形態の注文回送処理システム1によれば、図2に示した注文回送部1bを介して顧客からの注文を最適な市場(電子取引システム)に回送することもできる。
例えば、同一銘柄Aに対する売買の注文が2つの電子取引システムA,Bにおいて、図4に示すような注文状況にある場合を想定する。
図4の例では、電子取引システムAでは、売り気配が178円、買い気配が170円、電子取引システムBでは、売り気配が186円、買い気配が181円であって、それぞれ単独では取引が成立しない状況にある。
このような場合に、本実施形態の注文回送システム1では、図2に示した注文調整部1aが電子取引システムA,Bから送られてくるリアルタイムの価格情報、即ち、売り買い別にまとめた注文の板を集約するようにして一元管理する。
このようにすると、電子取引システムAにおける178円及び180円の売り注文を電子取引システムBに回送すれば、電子取引システムBにおける181円の買い注文と対当し、また、電子取引システムBにおける181円の買い注文を電子取引システムAに回送すれば、電子取引システムAにおける178円と180円の売り注文と対当することが認識できる。
そして、図4の例の場合は、電子取引システムAにおいて178円及び180円の売り注文に対しては、それらの売り注文の価格以上の買い注文が発注されている電子取引システムBが最適(最も優位)な条件で注文を取引可能な電子取引システムであり、また、電子取引システムBにおいて181円の買い注文に対しては、それらの買い注文の価格以下の売り注文が発注されている電子取引システムAが最適(最も優位)な条件で注文を取引可能な電子取引システムであることが認識できる。
そこで、本実施形態の注文回送システム1では、図2に示した注文回送部1bが、注文調整部1aを介して一元管理されている電子取引システムA,Bの価格情報により、電子取引システムAからの178円及び180円の売り注文を181円で電子取引システムBに回送する。または、電子取引システムBからの181円の買い注文を180円で電子取引システムAに回送する。このようにして、注文接続先の価格情報により、注文接続先の注文情況を分析し、必要分(約定する可能性のある分)のみを一番有利な接続先に回送する。
なお、回送先は1つの市場(電子取引システム)に限定されるものではなく、例えば、注文の数量が多い場合等は、数量を総合的に考慮して、複数の電子取引システムに注文の回送を行うように構成してもよい。また、本実施形態の注文回送処理システム1は、1つの注文を複数の電子取引システムに対して回送することもできるように構成してもよい。
図5は本実施形態の注文回送システム1が、1つの発注元からの注文を複数の電子取引システムに対して回送する例を示している。
図5の例では、発注元は電子取引システムDである。注文回送システム1では、各電子取引システムA〜Dに接続し、図2に示した注文調整部1aを介して、各電子取引システムA〜Dから送られてくるリアルタイムの価格情報を一元管理することにより、電子取引システムAが割安な売買注文の市場であって、電子取引システムB,Cが割高な売買注文の市場であることが認識できる。そこで、本実施形態の注文回送システム1は、図2に示した注文回送部1bを介して、図5に示すように、割安な売買注文となっている電子取引システムAに対しては発注元である電子取引システムDからの買い注文を回送し、割高な売買注文となっている電子取引システムB,Cに対しては電子取引システムDからの売り注文を回送する。
また、本実施形態の注文回送処理システム1によれば、図2に示した内部者チェック部1dを介して、各証券会社の電子取引システムA〜Fからの注文における顧客の内部者チェック管理も行うことができる。
詳しくは、本実施形態の注文回送システム1では、各電子取引システムの開設者が証券会社である場合、その証券会社に対し注文の際に顧客情報を設定してもらい、その情報に基づき、図2に示した内部者チェック部1dが、内部者情報のチェックを自動的に行うようにしている。
このようにすれば、本実施形態の注文回送システム1の内部者チェック部1dが、発注元となる電子取引システムを開設する証券会社の管理責任の内部者チェックの負担を分担できることになる。また、本実施形態の回送システム1の提供者だけがデータバンク等からの内部者情報を購入すれば、各電子取引システムを開設する証券会社は、個別にデータバンク等からの内部者情報を購入することなく高精度で信頼性の高い内部者管理ができる。
このため、電子取引システムA〜Fを開設する中小の証券会社は、内部者チェックの負担から開放されて、営業に専念でき、非常に大きなコスト削減のメリットを享受できる。
なお、本実施形態の注文回送システム1では、内部者チェックのための本人認識データは、発注元が、個人の識別情報(例えば、西暦生年月日等と名前のカタカナ又は英字とをあわせたもの、もしくは個人を識別できる番号)を注文データに付加・設定して注文回送システム1に送るようにしている。
注文回送システム1は、図2に示した内部者チェック部1dを介して当該注文に付加された個人の識別情報が事前に登録されている内部者情報に合致するか否かをチェックし、合致する場合は、発注元にエラー情報を返送する。なお、エラー情報を受信した発注元は、その顧客に問題がない場合は、注文データに内部者としての問題がない旨を付加・指定して再度発注すると、注文回送システム1は、当該注文を最適市場(電子取引システム)に回送する。また、注文回送システム1は、当該注文の処理を電子的に自動記録する。
なお、本実施形態の回送システム1では、発注元は、電子取引システムでの取引対象が有価証券である場合、証券会社である。その他の場合は、電子取引システムに発注できる会社を発注元と定義する。
さらに、本実施形態の注文回送システム1によれば、各電子取引システムA〜Fは、互いに接続することなく、注文回送システム1に接続するだけで、互いの注文が回送されて、流動性を確保できる。
なお、本実施形態の注文回送システム1では、この流動性の確保は、同一商品だけでなく類似商品間においても行うようにするのがよい。
また、本実施形態の注文回送システム1は、流動性の確保を目的とするものであって裁定取引を目的とするものではないため、収益化に結びつかない場合でも流動性を確保するために注文の相互発注を行うように構成されている。
また、本実施形態の注文回送システム1において、注文を回送・発注できる範囲は、有価証券全般の金融商品、為替、先物等派生商品、その他類似する価格形成を持つ商品全般である。
また、本願において、類似商品とは、同一銘柄であるが、受渡日が異なる等、取引される商品は同じであるが、取引全体として若干の性質が異なるもの、もしくは、取引される商品に類似的要素があるもの全般をいう。
例えば、約定が当日扱いとなる電子取引システム(ここでは、Aシステムとする)と約定が翌日扱いとなる電子取引システム(ここでは、Bシステムとする)が同時間に動いており、同一銘柄を扱っていたとする。
当日が配当等の権利落ち日であった場合に、約定が当日か翌日かで権利修正による株価形成が異なる。但し、銘柄は同じであるため、注文回送システム1において、権利修正を考慮した株価を設定することにより、AシステムとBシステムとの間の価格差を発見し、価格修正を考慮して相互の注文の回送を行うことができるようにする。
また、受渡し日(現金と株券を交換する日)が約定日から4日目の電子取引システム(ここでは、Cシステムとする)と、受渡し日が当日の電子取引システム(ここではDシステムとする)との間で同一銘柄が取引されている場合、注文回送システム1において、受渡し日の違いを考慮して相互システムの価格注文差を縮小する注文を生成することにより、約定を自動的に管理・調整することができるようにする。
各電子取引システムは、定型的な取引ではなく、それぞれに特徴のある取引となっているため、同一ではなく類似の取引が多数存在する。
しかるに本実施形態の注文回送システム1において、上述のように発注・回送できる範囲を類似範囲とすれば、それぞれに特徴のある電子取引システム間を接続することによって、流動性を発見し、又は、流動性を自動的に作成することができる。
なお、本実施形態の回送システムを用いないで、流動性を確保するための手法として、図1(b)に示すように、個々の電子取引システム同士を回線で接続する手法が考えられる。
しかし、それでは、個々の電子取引システム同士を回線で接続するために多くの回線が必要となる。しかも、最適な情報を得るためには、互いに他の全ての個々の電子取引システムの情報をチェックし、比較検討しなければならず、操作が非常に煩雑化してしまう。
また、個々の電子取引システムごとに、内部者の確認が必要となり、内部者管理のコストが高くついてしまう。また、十分な内部者管理をしていない電子取引システムが混在する可能性もあり、取引の公正性、信頼性が十分には得られない。
本発明は、私設取引所が増大する将来の日本の金融取引市場における取引のサービスを提供する分野に有用である。
電子取引システム間において注文回送を行うための接続態様を示す概念図であり、(a)は本発明の一実施形態にかかる注文回送処理システムにおける各電子取引システムの接続態様、(b)は(a)の比較例にかかる各電子取引システムの接続態様を示す概念図である。 本実施形態にかかる注文回送処理システムに備わる機能を示す説明図である。 本実施形態にかかる電子取引システム間の注文回送処理システムにおける注文状態の乖離を調整するための注文の自動生成の一例を示す概念図である。 本実施形態にかかる電子取引システム間の注文回送処理システムにおける最適市場への注文回送の一例を売買の数量及び価格で示す説明図である。 本実施形態にかかる電子取引システム間の注文回送処理システムにおける最適市場への注文回送の他の例を示す概念図である。 東京証券取引所における完全競売買の価格形成の概念図である。 今後の日本における競売買の価格形成を示す概念図である。 従来の電子取引システムにおける流動性・価格形成手段としてNASDAQのマーケットメイカーによる気配・注文処理の一例を示す概念図である。 米国ニューヨーク証券取引所(NYSE)における価格形成の概念図であり、(a)は小口売買における価格形成、(b)は大口売買における価格形成をそれぞれ示している。
符号の説明
1 注文回送システム
1a 注文調整部
1b 注文回送部
1c 注文調整リスク管理部
1d 内部者チェック部

Claims (3)

  1. PTS(私設取引システム)や証券取引所システム、競売買方式で取引を行う証券取引用の複数の電子取引システムと接続する、コンピュータを用いて構築された電子処理システムであって、
    前記コンピュータを、
    該コンピュータと接続した複数の前記電子取引システムからの注文についてのリアルタイム価格情報を一元管理し、一元管理している前記各電子取引システムからの注文についてのリアルタイム価格情報を用いて、相互に対当条件を満たす前記電子取引システム同士における他の電子取引システムからの注文と比較して割高の買い注文と他の電子取引システムからの注文と比較して割安の売り注文を判断し、割高な買い注文のある前記電子取引システムに対しては売り注文を自動的に発注するとともに、割安な売り注文のある前記電子取引システムに対しては買い注文を自動的に発注して前記電子取引システム間における注文の価格の乖離を調整する注文調整手段と、
    前記注文調整手段により一元管理されている前記各電子取引システムからの注文についてのリアルタイム価格情報を用いて、相互に最も優位な条件で注文を処理可能な売り注文側と買い注文側の電子取引システム同士を判別し、判別した前記電子取引システムのうちのいずれか一方の前記電子取引システムの注文を、他方の前記電子取引システムに回送する注文回送手段と、
    夫々の前記電子取引システムからの約定を自動的に管理し、前記注文調整手段により買い注文側と売り注文側の双方の前記電子取引システムに対して自動的に発注された、当該注文の調整を行うための買い注文及び売り注文について、売り注文側と買い注文側のうちの一方の側の前記電子取引システムでは当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文が約定し、売り注文側と買い注文側のうちの他方の前記電子取引システムでは当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文が約定できない状況になったとき即座に、事前に設定しておいた反対売買を行うための条件に基づき、約定できない当該注文の調整を行うための買い注文又は売り注文の価格訂正を自動的に行い約定させるか、または当該注文を取り消して、約定可能な別の前記電子取引システムに当該注文を回送し約定させて、前記注文調整手段により自動的に発注された当該注文の調整を行うための売り注文及び買い注文のリスクヘッジを行う注文調整リスク管理手段、
    として機能させるためのプログラムを該コンピュータに有することを特徴とする複数の電子取引システム間の注文回送処理システム。
  2. さらに、前記コンピュータを、
    前記電子取引システムの注文に顧客識別データが付加されているとき、当該注文の回送に先立ち顧客取引における内部者であるか否かのチェックを行い、内部者である場合には当該注文の発送元の前記電子取引システムにエラー情報を返送して、顧客取引における内部者であるか否かのチェックを行う内部者チェック手段として機能させるためのプログラムを該コンピュータに有することを特徴とする請求項1に記載の複数の電子取引システム間の注文回送処理システム。
  3. 前記各電子取引システムとの間で注文を回送するためのインターフェースが設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の複数の電子取引システム間の注文回送処理システム。
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