JP5388645B2 - 約定制御システム - Google Patents
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DMAの進化形、スマートオーダールーティングインターネットURL:http://www.nri.co.jp/opinion/kinyu_itf/2008/pdf/itf20081205.pdf検索日:平成21年2月26日
この点に関し、これまでは社内ダークプールと証券取引所の両方の価格を収集・参照し、社内ダークプールにおいて有利な価格で即座に約定可能な場合には社内ダークプールに注文を回送し、証券取引所の方が早く約定可能な場合には証券取引所に注文を回送するという判断を行っていた。
この発明は、このような従来の課題を解決するために案出されたものであり、社内ダークプールと証券取引所の何れに注文を回送すべきかの判断に伴う時間的な損失を低減可能なシステムの提供を目的としている。
また、社内取引システムにおいて約定の可能性がある場合であっても、まず取引市場システムに発した注文情報の取消しを求め、これが間に合った場合のみ社内取引システムにおける約定を認める仕組みを備えているため、社内取引システムと外部の取引市場システムに同時に発注しても、重複約定が生じる危険性はない。
これに対し、請求項4に記載した約定制御システムの場合には、取引市場システムの価格設定ルールに適合すると共に、顧客にとっても有利な方向に注文情報の価格を調整する機能を備えているため、この問題を有効に解消することが可能となる。
これに対し、請求項5の約定制御システムの場合、新規注文情報の数量を複数の取引市場システム間で按分する仕組みを備えているため、取引市場システム間で重複約定が成立する危険性を排除することができる。
この注文回送システム12及び社内取引システム14は、コンピュータのCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラムに従って動作することにより実現される。
社内取引システム14は、証券会社の顧客の注文同士をマッチングして約定を成立させる既存の社内ダークプールシステムを基本とし、これに後述の各種制御機能(ロックや保留等)を追加したものよりなる。
取引市場システム20には、他の証券会社のホストコンピュータ30が接続されている。
まず、注文受付システム16から注文回送システム12に新規注文情報Aが送信されると、注文回送システム12はこれを複製し、新規注文情報A1及びA2を生成した後(S10)、新規注文情報A1を社内取引システム14に送信すると同時に、新規注文情報A2を取引市場システム20に送信する。
注文情報は、図3に示すように、注文番号、注文日時、銘柄、売買区分(売り/買い)、注文種別(新規/取消/訂正)、価格、数量等のデータ項目を備えている。
この後、取引市場システム20は注文回送システム12に対し、約定通知情報A2を送信する。
これに対し、社内取引システム14から取消応答情報A1が返信された時点で、注文回送システム12は取引市場システム20において約定が成立したことを示す約定通知情報Aを注文受付システム16に送信する。
この場合、注文回送システム12から社内取引システム14に対しては部分取消注文情報A1が送信され、社内取引システム14には未約定数量分の注文情報A1が残され、引き続き約定の機会を窺うこととなる。
例えば、図4に示すように、注文受付システム16から「新規(注文種別)/1234(銘柄コード)/売り(売買区分)/99.5円(価格)/1,000株(数量)」の注文情報Aが送信された場合、注文回送システム12はこれと同じ内容の注文情報A1を社内取引システム14に送信する一方、取引市場システム20に対しては価格を100円に修正し、他の要素についてはそのままの注文情報A2を送信する。
まず外部の取引市場においては、売買注文の価格設定について一定の制限(例えば、1円単位、10円単位、100円単位等)が設けられているのに対し、社内取引の場合には証券会社の独自の判断で自由な値付けが認められるケースが多い。
このため注文回送システム12は、顧客から送信された注文情報の価格が取引市場の価格設定ルールに適合していない場合には、これを必要最小限の範囲で修正する機能を備えている。
この際、注文回送システム12は、顧客にとって有利な方向に注文情報の価格を修正する。すなわち、売買区分が「売り」の注文情報であれば、価格を高い方向に修正して取引市場の規定に適合させる。これに対し、売買区分が「買い」の注文情報の場合には、価格を低い方向に修正して取引市場の規定に適合させる。
まず、注文受付システム16から注文回送システム12に新規注文情報Aが送信されると、上記と同様、注文回送システム12はこれを複製し、新規注文情報A1及びA2を生成した後(S20)、新規注文情報A1を社内取引システム14に送信すると同時に、新規注文情報A2を取引市場システム20に送信する。
注文回送システム12は、社内取引システム14から新規注文応答情報A1を、また取引市場システム20から新規注文応答情報A2を受け取ると、新規注文応答情報Aを注文受付システム16に返す。
ここで「ロックする」とは、具体的には、他の注文情報とのマッチング対象外であることを示すフラグを両注文情報に立て、隔離することを意味している。
これを受けた注文回送システム12は、取引市場システム20に対して新規注文情報A2の取消を要求する取消注文情報A2を送信する。
これに対して、取引市場システム20から注文の取消を受諾したことを示す取消応答情報A2が送信されると、注文回送システム12は社内取引システム14に対して約定を許可する約定許可情報A1を送信する。
この後、社内取引システム14から注文回送システム12に対して約定通知情報A1が送信されると、注文回送システム12は注文受付システム16に対して約定通知情報Aを送信する。
また、社内取引システム14から注文受付システム16に対して、対当注文情報Bに係る約定通知情報Bが送信される。
注文回送システム12は、社内取引システム14から新規注文応答情報A1を、また取引市場システム20から新規注文応答情報A2を受け取ると、新規注文応答情報Aを注文受付システム16に返す。
これを受けた注文回送システム12は、取引市場システム20に対して新規注文情報A2の取消を要求する取消注文情報A2を送信する。
これに対して、取引市場システム20から注文の取消を拒否することを示す取消拒否情報A2が注文回送システム12に送信されると、注文回送システム12は社内取引システム14に対して約定を拒否する約定拒否情報A1を送信する。
これに対し、新規注文情報A1については他の注文情報と約定させるわけにはいかないため、「保留」を示すフラグの設定によって保留状態に付され(S36)、他の注文情報との約定対象外におかれる。
この時点で、注文回送システム12から社内取引システム14に対して新規注文情報A1の取消を要求する取消注文情報A1が送信される。これを受けた社内取引システム14は、保留状態に保っていた新規注文情報A1を取り消した上で、取消応答情報A1を注文回送システム12に送信する。
これを受けた注文回送システム12は、注文受付システム16に対して約定通知情報Aを送信し、取引市場システム20において約定が成立した旨を報告する。
まず、注文受付システム16から注文回送システム12に新規注文情報Aが送信されると、上記と同様、注文回送システム12はこれを複製し、新規注文情報A1及びA2を生成した後(S40)、新規注文情報A1を社内取引システム14に送信すると同時に、新規注文情報A2を取引市場システム20に送信する。
注文回送システム12は、社内取引システム14から新規注文応答情報A1を、また取引市場システム20から新規注文応答情報A2を受け取ると、新規注文応答情報Aを注文受付システム16に返す。
これを受けた社内取引システム14は、新規注文情報A1に対して保留のフラグを立てた後(S42)、注文回送システム12に対して保留応答情報A1を送信する。
これに対し、取引市場システム20から取消を受諾したことを示す取消応答情報A2が送信されると、注文回送システム12は社内取引システム14に対して新規注文情報A1の取消しを求める取消注文情報A1を送信する。
これを受けた注文回送システム12は、注文受付システム16に対して取消応用情報Aを送信する。
注文回送システム12は、社内取引システム14から新規注文応答情報A1を、また取引市場システム20から新規注文応答情報A2を受け取ると、新規注文応答情報Aを注文受付システム16に返す。
これを受けた社内取引システム14は、新規注文情報A1に対して保留のフラグを立てた後(S52)、注文回送システム12に対して保留応答情報A1を送信する。
これに対し、取引市場システム20から取消の拒否を示す取消拒否情報A2が送信されると、注文回送システム12は社内取引システム14に対し、新規注文情報A1の保留状態の解除を求める保留解除指令情報A1を送信する。
これを受けた注文回送システム12は、注文受付システム16に対して取消拒否情報Aを送信する。
この時点で、注文回送システム12から社内取引システム14に対して新規注文情報A1の取消を要求する取消注文情報A1が送信される。これを受けた社内取引システム14は、新規注文情報A1を取り消した上で、取消応答情報A1を注文回送システム12に送信する。
これを受けた注文回送システム12は、注文受付システム16に対して約定通知情報Aを送信し、取引市場システム20において約定が成立した旨を報告する。
まず、注文受付システム16から注文回送システム12に新規注文情報Aが送信されると、上記と同様、注文回送システム12はこれを複製し、新規注文情報A1及びA2を生成した後(S60)、新規注文情報A1を社内取引システム14に送信すると同時に、新規注文情報A2を取引市場システム20に送信する。
注文回送システム12は、社内取引システム14から新規注文応答情報A1を、また取引市場システム20から新規注文応答情報A2を受け取ると、新規注文応答情報Aを注文受付システム16に返す。
これを受けた社内取引システム14は、新規注文情報A1に対して保留のフラグを立てた後(S62)、注文回送システム12に対して保留応答情報A1を送信する。
これに対し、取引市場システム20から訂正を受諾したことを示す訂正応答情報A2が送信されると、注文回送システム12は社内取引システム14に対して新規注文情報A1の訂正を求める訂正注文情報A1を送信する。
これを受けた注文回送システム12は、注文受付システム16に対して訂正応用情報Aを送信する。
注文回送システム12は、社内取引システム14から新規注文応答情報A1を、また取引市場システム20から新規注文応答情報A2を受け取ると、新規注文応答情報Aを注文受付システム16に返す。
これを受けた社内取引システム14は、新規注文情報A1に対して保留のフラグを立てた後(S72)、注文回送システム12に対して保留応答情報A1を送信する。
これに対し、取引市場システム20から訂正の拒否を示す訂正拒否情報A2が送信されると、注文回送システム12は社内取引システム14に対し、新規注文情報A1の保留状態の解除を求める保留解除指令情報A1を送信する。
これを受けた注文回送システム12は、注文受付システム16に対して訂正拒否情報Aを送信する。
この時点で、注文回送システム12から社内取引システム14に対して新規注文情報A1の取消を要求する取消注文情報A1が送信される。これを受けた社内取引システム14は、新規注文情報A1を取り消した上で、取消応答情報A1を注文回送システム12に送信する。
これを受けた注文回送システム12は、注文受付システム16に対して約定通知情報Aを送信し、取引市場システム20において約定が成立した旨を報告する。
図11は、この場合の具体的構成を例示するものであり、社内取引システム14の他に、第1の取引市場システム20a及び第2の取引市場システム20bに対して注文回送システム12からの注文情報が回送されるパターンが描かれている。
なお、第1の取引市場システム20a及び第2の取引市場システム20bに対する配分比率は、両市場の過去の出来高実績に応じて予め設定されているものであるが、単純に均等割としてもよい。
例えば、社内取引システム14において約定成立の可能性が生じた場合であっても、まず第1の取引市場システム20a及び第2の取引市場システム20bに対して取消注文を送信し、取消が間に合った場合のみ、社内取引システム14における約定が認められる。
例えば、社内取引システム14から注文回送システム12に対して約定確認情報が送信され、第1の取引市場システム20a及び第2の取引市場システム20bに対して取消注文情報を送信したところ、第1の取引市場システム20aからは取消応答情報が送信されたが、第2の取引市場システム20bからは取消拒否情報が送信されたケースでは、注文回送システム12から社内取引システム14に対して300株分の部分約定を認める部分約定許可情報が送信される。
これを受けた社内取引システム14は、対当注文情報との間で300株分の約定を成立させ、残り700株分の注文情報については保留状態としておく。
そして、第2の取引市場システム20bから約定通知情報が注文回送システム12に送信された時点で、注文回送システム12から社内取引システム14に対して取消注文情報が送信され、社内取引システム14において保留状態におかれていた700株分の注文情報が取り消される。
これを受けた社内取引システム14は、指令に従い300株分の取消と700株分の保留維持を実行する。
そして、第2の取引市場システム20bから約定通知情報が注文回送システム12に送信された時点で、注文回送システム12から社内取引システム14に対して取消注文情報が送信され、社内取引システム14において保留状態におかれていた700株分の注文情報が取り消される。
これを受けた社内取引システム14は、指令に従い300株分の価格訂正と、700株分の保留維持を実行する。
そして、第2の取引市場システム20bから約定通知情報が注文回送システム12に送信された時点で、注文回送システム12から社内取引システム14に対して取消注文情報が送信され、社内取引システム14において保留状態におかれていた700株分の注文情報が取り消される。
この結果、社内取引システム14には価格が訂正された300株分の注文情報が残され、約定の機会を窺うことになる。
12 注文回送システム
14 社内取引システム
16 注文受付システム
18 PC端末
20 取引市場システム
20a 第1の取引市場システム
20b 第2の取引市場システム
30 証券会社のホストコンピュータ
Claims (5)
- 注文回送システムと社内取引システムを備えた約定制御システムであって、
上記注文回送システムは、注文受付システムから送信された株式売買の新規注文情報を複製し、一つの新規注文情報を上記社内取引システムに送信すると同時に、残りの新規注文情報を外部の取引市場システムに送信する発注手段と、
上記社内取引システムから約定の可否を問い合わせる約定確認情報が送信された場合に、上記取引市場システムに対して上記新規注文情報の取消を求める取消注文情報を送信する手段と、
当該取引市場システムから取消を受諾する取消応答情報が送信された場合に、上記社内取引システムに対して約定を許可する約定許可情報を送信する手段と、
上記取引市場システムから取消を拒否する取消拒否情報が送信された場合に、上記社内取引システムに対して約定を拒否する約定拒否情報を送信する手段と、
上記取引市場システムから約定成立を報告する約定通知情報が送信された場合に、上記社内取引システムに対して新規注文情報の取消を求める取消注文情報を送信する手段とを備え、
上記社内取引システムは、上記注文回送システムから送信された新規注文情報と約定可能な対当注文情報が上記注文受付システムから送信された場合に、当該新規注文情報及び当該対当注文情報を他の注文情報との約定対象外としてロックする手段と、
上記注文回送システムに対し、上記新規注文情報について約定の可否を問い合わせる約定確認情報を送信する手段と、
上記注文回送システムから上記約定許可情報が送信された場合に、上記新規注文情報と対当注文情報を約定させる手段と、
上記注文回送システムから上記約定拒否情報が送信された場合に、上記ロックを解除し、上記対当注文情報を他の注文情報との約定対象に復帰させると共に、上記新規注文情報を他の注文情報との約定対象外として保留状態におく手段と、
上記注文回送システムから取消注文情報が送信された場合に、上記保留中の新規注文情報を取り消す手段と、
を備えたことを特徴とする約定制御システム。 - 上記注文回送システムは、上記注文受付システムから取消注文情報が送信された場合に、上記社内取引システムに対し、対応の新規注文情報を他の注文情報との約定対象外として保留状態におくことを求める保留指令情報を送信する手段と、
上記取引市場システムに対し、対応の新規注文情報の取消を求める取消注文情報を送信する手段と、
当該取引市場システムから取消を受諾する取消応答情報が送信された場合に、上記社内取引システムに対して対応の新規注文情報の取消を求める取消注文情報を送信する手段と、
当該取引市場システムから取消を拒否する取消拒否情報が送信された場合に、上記社内取引システムに対して対応の新規注文情報の保留状態を解除することを求める保留解除指令情報を送信する手段とを備え、
上記社内取引システムは、上記注文回送システムから上記保留指令情報が送信された場合に、対応の新規注文情報を保留状態におく手段と、
上記注文回送システムから上記保留解除指令情報が送信された場合に、該当の新規注文情報の保留状態を解除する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の約定制御システム。 - 上記注文回送システムは、上記注文受付システムから訂正注文情報が送信された場合に、上記社内取引システムに対し、対応の新規注文情報を他の注文情報との約定対象外として保留状態におくことを求める保留指令情報を送信する手段と、
上記取引市場システムに対し、対応の新規注文情報の訂正を求める訂正注文情報を送信する手段と、
当該取引市場システムから訂正を受諾する訂正応答情報が送信された場合に、上記社内取引システムに対して対応の新規注文情報の訂正を求める訂正注文情報を送信する手段と、
当該取引市場システムから訂正を拒否する訂正拒否情報が送信された場合に、上記社内取引システムに対して対応の新規注文情報の保留状態を解除することを求める保留解除指令情報を送信する手段とを備え、
上記社内取引システムは、上記注文回送システムから上記保留指令情報が送信された場合に、対応の新規注文情報を保留状態におく手段と、
上記注文回送システムから上記保留解除指令情報が送信された場合に、該当の新規注文情報の保留状態を解除する手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の約定制御システム。 - 上記注文回送システムは、上記注文受付システムから送信された新規注文情報の価格が、上記取引市場システムの価格設定ルールに適合していない場合には、当該価格に対し有利な方向に最小限の増減を施すことにより、当該取引市場システムの価格設定ルールに適合させる価格調整手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の約定制御システム。
- 上記注文回送システムは、新規注文情報を送信すべき取引市場システムが複数存在する場合に、予め設定された分配比率に従い、新規注文情報の数量を取引市場システム毎に分割する手段を備え、
上記発注手段は、この分割された数量を含む新規注文情報を、それぞれ対応の取引市場システムに送信することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の約定制御システム。
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