JP5173236B2 - スタフィングボックス - Google Patents

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本発明は、クロスヘッド型ディーゼル機関等に用いられるスタフィングボックスに関するものである。
往復動型内燃機関は、シリンダ内で燃料を燃焼し、それによって生じたエネルギーをクランクシャフトを介して主軸に伝達することによって動力が伝えられる。この伝達方式においては、ピストンにピストンロッドを取り付け、その末端と連接棒をクロスヘッドを介して接続し、ピストンロッドの往復運動を回転運動に変換させ、動力を伝達させるクロスヘッド型と呼ばれる方式のものがある。
クロスヘッド型2サイクルディーゼル機関は、構造が簡単で燃焼効率も良くメリットが多いため、大型舶用機関では殆どこのタイプが採用されている。燃料は低質燃料である、高粘度,高硫黄,安定性の悪いC重油が使用されている。
クロスヘッド型2サイクルディーゼル機関の各部の潤滑は,シリンダ部分とクランクケースが分離されているため,シリンダライナとクランクケース内の各部には別々の給油路が必要となる。シリンダライナに給油される油はシリンダ油,クランクケース各部に給油される油はシステム油と呼ばれている。この機関の運転では上記のC重油を燃料とするため、燃焼ガスや燃焼残油によって潤滑油としてのシリンダ油が汚濁し、この汚濁したシリンダ油がクランクケース内に侵入するのを防ぐために、燃焼室側とクランクケース側との間には、仕切り板が設けられている。更にその直上、ピストンロッドの周囲にスタフィンボックスと呼ばれる密封装置が装着されている。
スタフィングボックスは、特許文献1に開示された一般的な形状を例に示すと図4の如く、分割型の本体外部<ケーシング>71と、同じく分割型の内部リング10、11とで形成されるが、内部リングはガスシールを行うためのシールリング10と、ピストンロッド2に付着している余分なシステム油を掻き落として潤滑油膜を適正に保つためのオイル掻きリング11からなり、各々、複数段装着されている。オイル掻きリング11には断面中央に径方向に向け油通し穴が複数開孔されている。
スタフィングボックスのオイル掻きリングを装着するリング溝のうち、上から1段目のリング溝には連通孔17が設けられており、上部から侵入した燃焼残油によって汚濁したシリンダ油、及びオイル掻きリング11により掻き切れず侵入したシステム油の混合油がこの連通孔17から外部に排出される。これより下段のリング溝では、ピストンロッドより掻き取った油が、オイル掻きリングの油通し穴を通じてリング溝底に集められ、リング溝の外周に設けられたドレン孔12によりクランクケースに戻される。
一般的なスタフィングボックスに要求される仕様については特許文献2に詳しく述べられているが、要約すると、システム油とシリンダ油との適切な分離、上側の燃焼火炎及び掃気圧の適切なシール、上方からのシリンダ油の侵入を防ぐシール、システム油のクランク室への掻き落し、クロスヘッドの衝撃圧力をシールすることによる油の混濁の回避、長寿命、油消費低減、ピストンロッドの摩耗最小化といった条件がある。
スタフィングボックスに組み込まれる各リングは、適切な材料の選択と、緻密な設計技術及び高精度を伴う製造技術によって達成されていた。すなわち上記のスタフィングボックスに要求される確実な気密性及び油掻き作用(拭き取り作用)を達成するために、各リングは鋳鉄や銅合金等の金属材料を最終的に切削加工して製造され、各リングの内周面はピストンロッドとの間に高い精度で一定の関係を保っていた。さらに、ピストンロッドの側部より装着できるように、二つ以上の多分割構造をしており、外周に配するコイルにて一体的に固定される。上記の分割部である合口よりの漏れや吹き抜けについては、これを防止する設計がされている。軸方向の漏れに対しては、図4の各リングのように2枚重ねとして、上記の合口を上下でずらし、互いに封じ合うようにしたものもある。径方向に対しては、合口の外周端部に小片を配置し、これを上記のコイルで固定して封じるものがあった。
従来のスタフィングボックスでは、各リングはピストンロッドとの正確な関係を維持するため、上記のように分割構造はしていても、ケーシング内の各リング溝に装着され、リング溝の側面に挟持されると、環状の剛体として機能するように設計されていた。このため、機関の運転始動時などに上下動するピストンロッドには多少の揺動が伴うことがあるが、リング単体の質量が過多である場合このピストンロッドの動きにリングが遅れて追従し、ロッドとの間の関係が維持できず激しい摩擦を生じる事がある。更にこの際に場合によってピストンロッドに掻き傷が生じ、これが気密性を低減させる要因となることがあった。
特開昭60−18664号公報 特許第3083558号公報
上記のように従来のスタフィングボックスとその内部に装着するリングは、リング自体を剛体にして、ロッドに対し強制的になじみを取るような設計であった。
本発明は、クロスヘッド型ディーゼル機関等に用いられるピストンロッド用スタフィングボックスにおいて、内部に装着するリングを小型軽量、柔構造とすることで、オイル消費量の低減と長寿命化を達成しメンテナンス性に優れたスタフィングボックスを提供することを課題とする。
本発明は、ケーシング内部に形成された複数のリング溝の上段にそれぞれシールリングが組み込まれ、下段のリング溝にはそれぞれオイル掻きリングが組み込まれるクロスヘッド型のディーゼルエンジンのピストンロッド用スタフィングボックスにおいて、
当該オイル掻きリング本体は、周方向に少なくとも2つ以上に分割され、断面形状において軸方向の幅が5mm以上15mm以下であって、且つ径方向の厚さが別体のレール部を含み17mm以上23mm以下であることを特徴とする。
特に舶用内燃機関の場合、ピストンロッドの径は従来より普及している規格寸法がある。この規格の最小の径に合わせたオイル掻きリングでは、リングを保持するために要求されるコイルの張力からコイルの外径が5mm以上必要となる。このコイルをリング本体で受けるためリング本体の幅も5mm以上の幅が必要である。また、同様にピストンロッドの規格で大径のものに対しては同様にコイルの巻き径がほぼ15mmあればその要求に足りる。また、スタフィングボックスに装着するオイル掻きリングは上下側面にリング溝への当接面を有する。オイル掻きリングのレール部がピストンロッドの摺動に抗し、十分な可撓性を持ってオイル掻きを機能させる際にリング本体に捩れの力を与えるが、この当接面が適切にスタフィングボックスのリング溝側面への面圧を維持することでねじれを抑えることができる。ここで、オイル掻きリングが安定的にリング溝内に保持され且つ機能するために、オイル掻きリング本体の径方向の厚さは17mm以上23mm以下、望ましくは20mm必要であることを、本発明の発明者は研究の結果知見した。
なお、上記のようにピストンロッドの径は従来より普及している規格寸法があるが、本発明のスタフィングボックスならびに、これに装着するオイル掻きリングは、いずれの規格のいずれの径のピストンロッドに対しても当該ロッドが挿通するための内周径を変更するのみで、同一の断面形状を使用することで同様の作用効果を発揮することができる。
本発明は、上記オイル掻きリングを、連続するリング溝の最下段を含む少なくとも一つ以上に装着したことを特徴とする。
より安定的にオイル掻き性能を発揮するには、本発明のオイル掻きリングを3段から6段望ましくは4段が必要である。
本発明は、上記オイル掻きリングを装着する、リング溝底の外径を上段に形成するシールリングの溝底の外径にほぼ一致するか、シールリングの溝底の外径以上となるように設定したことを特徴とする。
上記構成によれば、装着するオイル掻きリングの本体の外周とリング溝底の空隙を、一時的な貯油空間として従来に比しより大きく確保できる。
本発明は、上記オイル掻きリングを装着するリング溝の溝底下側面が径方向外側に向けて下方に傾斜していることを特徴とする。
リング溝の下側面は、水平に加工されたリング挟持部の外周端部を基点に径方向外側に向けて傾斜し縦壁面と適切な角Rにて接合されて貯油空間を形成している。この傾斜面の角度は、機能上要求される貯油容積とケーシングに許容される寸法の範囲とで自由に決定されるが、リングで掻き集めたオイルを滞ることなくより確実に排出することができる角度が5度から40度の範囲で望ましくは10度であることが発明者の実証確認から判明している。
本発明は、上記オイル掻きリングを装着するリング溝の少なくとも最下段を含む2段以上の溝底がスタフィングボックス中心軸と平行に開孔したドレン孔によりエンジン下層のクランクケースに向けて連通されていることを特徴とする。
スタフィングボックス内にはオイル掻きリングが数段装着されている。オイル掻きリングを装着する最上段のリング溝底にはシステム油以外の物質が混ざる可能性が高いので、この溝底はクランク室に連通させない。従って、これ以外のリング溝底をスタフィングボックス中心軸と平行に開孔したドレン孔により連通させ、オイル掻きリングがピストンロッドより掻き取ったシステム油を確実にクランクケースへ導く。なおドレン孔は、リング溝底の同一円周上に等間隔で複数配置が望ましい。
本発明は、上記オイル掻きリング本体上側面及び下側面の双方またはいずれか一方に、半径方向に内周面から外周面に向けて連通するスリットを複数有することを特徴とする。
リング本体中央部にもオイル通し穴を開孔しているが、リング本体上側面のスリットは当該リングより上位のリングが掻き落としたオイルを、また下側面のスリットは当該リングの上下に存在するレール部の下側のレールが掻き落としたオイルをそれぞれリング本体を貫通してリング溝底に導くことができる。スリットの円周上の配置は、リング本体の強度を配慮して上下が重ならないこととし、その数は通過するオイル量に合わせ適宜設ければよい。
本発明のスタフィングボックスに装着するオイル掻きリングは小型軽量としたことで、同時に可撓性が増したので、外周コイルの張力により装着直後よりピストンロッドの外周面に良くなじむ。本発明のオイル掻きリングも、従来と同様にメンテナンスのためにリング本体を周上に2つ以上の分割構造とするが、上記のように可撓性が増したので、合口同士も良く密着して従来のような隙間ができない。このため、合口を塞ぐために2枚重ねの構造にする必要がなく、部品構成をより簡略化することができる。
また、本発明が対象とする内燃機関の運転中には、燃焼爆発時の衝撃によりクロスヘッドを介して上下動するピストンロッドに横方向の振れが加わる。この振れによって、ピストンロッド外側面が本発明のオイル掻きリングに与える負荷は従来のオイル掻きリングと同じである。しかし、慣性重量が軽減されたことによる追従性の向上は、横方向(ピストン往復運動に対して直交する方向)に対する振れにも有利になる。すなわち、従来の慣性重量の大きいオイル掻きリングはピストンロッドの振れに対して追従できずに、瞬間的にピストンロッドとオイル掻きリングのレール部との間の面圧が低下してオイル掻き性能を低下させていたが、本発明のオイル掻きリングは、その振れに対する追従性が向上するので、より安定してオイル掻きリングの性能を維持することができる。
更に、適正なピストンロッドとオイル掻きリングの位置関係を安定的に維持することは、掻き取りの機能をより確実にすることができ、その結果オイルの混濁による汚損や無用な消費を低減し各オイルと共にリング自体の寿命の向上につなげる事ができる。
ここで、本発明のスタフィングボックスのオイル掻きリング装着部位に着目しても、この慣性重量の差は有利になる。つまり、一般にリング溝とオイル掻きリングの軸方向の幅には、機械製作上どうしても僅かな隙間を生じる。そしてエンジンの運転時には、オイル掻きリングはピストンロッドの上下動に追従して、この隙間の間を上下に叩かれて磨耗する。すなわち、本発明のスタフィングボックスに装着するオイル掻きリングは、軽量化により慣性重量が軽減されているので、この叩かれに対する磨耗にも有利となり、その寿命を長くすることができる。
また、本発明のスタフィングボックスのオイル掻きリングは、リング本体の断面積を縮小したことにより、リングの可撓性を向上させることが出来る。これは従来の、剛性のある真円度の高い環状体を維持する思想に反して、分割構造体を適切な張力を有するコイルにて装着するため、固有のピストンロッドの表面に沿った環状体が形成できる。このため、新造の初期から、長時間の運転により断面が楕円に磨耗したピストンロッドに対しても適切な油膜を維持するための恒久的に適切な関係を維持できる。
以上述べてきたように本発明によれば、クロスヘッド型ディーゼル機関等に用いられるスタフィングボックスにおいて、リング溝に装着するオイル掻きリングの小型軽量化によって慣性重量を低減すると共にリング本体の可撓性を向上させることにより、ピストンロッドへのなじみを初期から寿命満了までオイル掻きリングとピストンロッドの関係を安定して維持出来るので、オイルの掻き取りをより確実にしオイル消費量を低減すると共に、ピストンロッドの磨耗や傷付を低減し、その結果リングを長寿命化し、スタフィングボックス自体の軽量化と共にリングの交換頻度を低減することができ、メンテナンス性を向上することができる。
また、複数段収納される当該リングを小型することで、スタフィングボックス自体を小型、軽量化することもできる。
なお本発明では、オイル掻きリングに限定した適用としているが、シールリングに対しても多少の知識があれば容易に応用でき、本発明と合わせれば一層の効果が期待できることは言うまでも無いことである。
以下本発明を実施する最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すスタフィングボックスの断面図であり、左右対称の右半分を示す。
上側リング3段に形成されたのはシールリング210であり、その第一段目のシールリング211は異物除去のスクレーパ機能を有するので特別な断面形状をしているが、基本的には共通の機能を有し、ガスシール及びシリンダライナに供給されるシリンダ油の漏洩を密封する。そして、リングを保持するリング溝の径方向最外周にある溝底はリングの外周に所定の貯油空間280を確保するように設定されている。
下側リング4段に形成されたのはオイル掻きリング110であり、4段のうち最上段のオイル掻きリング111は上部から侵入した燃焼残油によって汚濁したシリンダ油、及びオイル掻きリングにより掻き切れず侵入したシステム油の混合油をドレン孔170から外部に排出する。図2は最上段を除く下3段のオイル掻きリング110の細部を詳しく示しており、その機能は図示しないピストンロッド90より掻き取ったシステム油を、オイル通し穴112及び上側スリット113、下側スリット114を通じてリング溝底の貯油空間180に集め、リング溝の外周に設けられたドレン孔120により図示しないクランクケースに戻す。なお、上側スリット113、下側スリット114はリング本体110の円周上で同じ位置には配置されないが、説明を簡易にするために同一断面に示している。
上記各リングはピストンロッド90に側部から装着できるように、円周上で複数に分割されており、リング本体の最外周に配置する伸展可能なコイル300によって適正な張力を持って保持される。
表1に実施例1の仕様について従来例との比較を示す。本実施例1はシリンダ径が600mm、ピストンロッドの直径は235mmである。本実施例1ではオイル掻きリング110のリング本体を鋳鉄で製造し、構造は周方向に3分割とした。断面形状は幅150を14mmとし、レール部を含む径方向の厚さ140は19mmとしたので、従来の同じ規格のリングに比し軸方向に30%、径方向に約12%縮小が達成された。この結果、本実施例1の仕様では、オイル掻きリング一本当りの重量が、従来の2枚合わせ構造のものに対して約1kg軽量化できた。本実施例1のスタフィングボックスでは、1気筒あたりオイル掻きリングを4つ使用するので、計約4kgの軽量化が達成できた。
表1:従来技術と実施例1の寸法比較
Figure 0005173236
本実施例1ではシールリング210を装着している溝底径306mmに対しオイル掻きリング110を装着する溝底径を8mm大きい314mmとした。従って、オイル掻きリング110のリング本体の外周径が273mmであるので溝底の空隙を20.5mm確保でき、ドレン孔120までの一時的な貯油量を拡大した。また、本実施例1のオイル掻きリング110のリング本体の上側面円周上に内周側から外周に向けて連通する上スリット113を等間隔に24箇所配設し、下側面円周上には上スリット113と同じ位置にならないよう配慮して、内周側から外周に向けて連通する下スリット114を等間隔に24箇所配設している。
さらに本実施例1では、スタフィングボックスのリング溝底180の底面を角度10度で外周下側に向けて傾斜させており、通過するオイルを滞ることなくドレン孔120へ導くことができる。
また、本実施例1ではスタフィングボックス80に装着されるオイル掻きリング110の最下段を含む3段のリング溝の溝底180が最も低くなる位置に、軸方向に向けて開孔したドレン孔120をエンジン下層のクランクケースに向けて連通させた。このドレン孔120を本実施例1ではリング溝底の同一円周上に30箇所配した。
発明者は、実際にオイル消費の異常に多い機関に本実施例1のスタフィングボックスを織込み、作用効果の確認のために従来技術との比較試験を行った。その際の条件を表2に、また結果を表3と図3に示す。
表2:実施例1と従来技術の比較試験の条件
Figure 0005173236
表3:実施例1の実証確認試験結果
Figure 0005173236
表2において、運転負荷とはスロットル開度と理解されたい。運転負荷75%は常用の運転の範囲では比較的高負荷の状態であり、試験としては過酷な運転状況である。これ以上負荷を上げるとシリンダ内の圧力が上がりすぎて、正確な確認試験が出来なくなる。
本試験に用いた内燃機関の異常シリンダは2つ(N1、N2)あり、実際にそれぞれ1日に数10リットルの単位でシステム油を消費していた。これは通常の4倍以上の異常な消費量であり、新品の従来リングに交換しても全く改善されない状況であった。このような場合、従来であればピストンロッドの偏摩耗も疑われるので、ピストンロッド共々大掛かりな交換作業をして対応していた。しかし、表3と図3にあるとおり本発明のスタフィングボックスに交換しただけで、異常が確認されていた2つのシリンダ双方でオイル消費量は飛躍的に改善され、従来異常としていなかった他のシリンダより更にオイル消費量が改善された。
また、レール部の摩耗状況から、本実施例1ではリングの寿命も3倍に伸ばせることが確認出来、オイル消費量を飛躍的に減らすことと相まって、いずれにおいても優れた効果を示すことが判明した。
さらに、図3のグラフより経過時間の当初より従来技術に比してオイル消費が少ないことが確認できる。これは、本発明のスタフィングボックスに装着した、可撓性を増したオイル掻きリングの初期なじみが当初より有効的に作用し、時間経過と共にさらになじみを増したことが実証された。
以上説明した実施の形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は、上記した説明に限定せず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての技術が含まれることが意図される。
実施例1の要部を示す断面図である。 実施例1のオイル掻きリング本体の断面図である。 実施例1のオイル消費確認試験結果。 従来のスタフィングボックスの断面図である。
符号の説明
80ケーシング本体
100ランド部
110オイル掻きリング
120ドレン孔(側面に排出)
170ドレン孔(クランクケースに排出)
180リング溝底
210シールリング

Claims (2)

  1. ケーシング内部に形成された複数のリング溝の上段にそれぞれシールリングが組み込まれ、下段のリング溝にはそれぞれオイル掻きリングが組み込まれるクロスヘッド型ディーゼルエンジンのピストンロッド用スタフィングボックスにおいて、前記オイル掻きリング本体は、周方向に少なくとも2つ以上に分割され、断面形状において軸方向の幅が5mm以上15mm以下で径方向の厚さが別体のレール部を含み17mm以上23mm以下であり、前記オイル掻きリングを装着する下段のリング溝底の外径が、シールリングを装着する上段のリング溝底の外径以上に設定され、かつ前記オイル掻きリングを装着するリング溝の溝底下側面が、径方向外側に向けて、5度から40度下方に傾斜し、前記オイル掻きリングを装着するリング溝の最下段を含む2段以上の溝底がスタフィングボックス中心軸と平行に開孔したドレン孔に連通することを特徴とするスタフィングボックス。
  2. 記オイル掻きリング本体上側面及び下側面の双方またはいずれか一方に、半径方向に内周面から外周面に向けて連通するスリットを複数有することを特徴とする請求項1に記載のスタフィングボックス。
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