JP6313645B2 - ピストンロッド用オイル掻きリング及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックス - Google Patents

ピストンロッド用オイル掻きリング及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックス Download PDF

Info

Publication number
JP6313645B2
JP6313645B2 JP2014090034A JP2014090034A JP6313645B2 JP 6313645 B2 JP6313645 B2 JP 6313645B2 JP 2014090034 A JP2014090034 A JP 2014090034A JP 2014090034 A JP2014090034 A JP 2014090034A JP 6313645 B2 JP6313645 B2 JP 6313645B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston rod
oil scraping
ring
oil
scraping ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014090034A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015209860A (ja
Inventor
実 川西
実 川西
掛川 聡
聡 掛川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riken Corp filed Critical Riken Corp
Priority to JP2014090034A priority Critical patent/JP6313645B2/ja
Priority to CN201580021331.6A priority patent/CN106233050B/zh
Priority to PCT/JP2015/062354 priority patent/WO2015163399A1/ja
Priority to KR1020167032822A priority patent/KR102350324B1/ko
Priority to DK15783127.2T priority patent/DK3135963T3/da
Priority to EP15783127.2A priority patent/EP3135963B1/en
Publication of JP2015209860A publication Critical patent/JP2015209860A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6313645B2 publication Critical patent/JP6313645B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sealing Devices (AREA)

Description

本発明は、ピストンロッド用オイル掻きリングに関し、更に詳しくは、特に船舶用の大型2サイクルディーゼルエンジンなどにおいて使用されるピストンロッド用オイル掻きリング及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックスに関する。
一般に船舶用の大型2サイクルディーゼルエンジンでは、エンジンの掃気室とクランク室との間に仕切り板が設けられており、ピストンロッドは、その仕切り板直上に設けられた気密リングやオイル掻きリングを収容するスタフィングボックスを通して往復動する。例えば、特許文献1に開示された図8に示すような一般的なスタフィングボックス400では、気密リング100とオイル掻きリング110でピストンロッド300の外周をシールし、エンジン掃気室からの燃焼残渣物を含んだシリンダ油がクランク室に流入しないようにするシール機能と、ピストンロッド300に付着したシステム油を掻き落としクランク室へ戻すオイル掻き機能を有している。
図8に示されている従来のオイル掻きリング110は、2本のレール部を有する3分割されたリング本体の組合せで構成され、外周にコイルスプリング200を配接し、かつ重ね合わせてリング溝に装着される。オイル掻きリング110は、コイルスプリング200の収縮力によりその内周面がピストンロッド300の外周面に押圧付勢され、ピストンロッド300の往復動に際してピストンロッド表面に付着して掃気室側に移動するシステム油を掻き落とし、システム油の過剰の消費を防止する。なお、掻き落とされたシステム油の除去排出を容易にするため、2本のレール部の間に内周側から外周側に繋がるオイル通し穴210が設けられたものが一般的である。
また、オイル掻きリング溝の上から1段目のリング溝には連通孔401が設けられ、エンジン掃気室からの燃焼残渣物を含んだシリンダ油とオイル掻きリング110が掻き落とせずに侵入したシステム油の混合油が、この連通孔401からドレンとして外部に排出され、2段目以下のリング溝には、ピストンロッド300より掻き落としたシステム油が、オイル掻きリング110のオイル通し穴210を通してリング溝底に集められ、リング溝の外周に設けられた孔402によりクランク室に戻される。一般に、システム油は、燃料やシリンダ油と比較して高価であり、その消費量は船舶の運航コストに大きく影響するため、具体的にはドレン量を低減してシステム油の消費量を低減することが強く求められている。
オイル掻きリングのオイル掻き機能を向上するために、これまでいくつかの改良が施されてきた。特許文献2は、図9の(a)に示す従来のオイル掻きリング510から、小型軽量、柔構造としてオイル消費量(ドレン量)の低減と長寿命化を達成するための構造として、図9の(b)に示すように、断面形状において軸方向の幅が5 mm以上15 mm以下、径方向の厚さが別体のレール部を含み17 mm以上23 mm以下のオイル掻きリング610を開示し、特許文献3は、さらに追従性を向上するものとして、図10に示すように、軸方向幅(h1)が5 mm以上10 mm以下、径方向の厚さ(a1)がレール部を除き10 mm以上20 mm以下のリング本体710が、周方向に少なくとも2つ以上に分割され、内周側軸方向中央部に1本のレール部711と、外周側軸方向中央部にコイルスプリングの収容溝712と、上下側面の片側のみに複数のオイル通し溝713を備えたオイル掻きリングを開示している。
特許文献2や特許文献3のオイル掻きリングは、それ以前のオイル掻きリングと比較して、ドレン量の低減に有効であった。しかし、ドレン量の低減は永遠の課題でもあり、さらなる低減が求められているのが実情である。
特開昭60−18664号公報 特開2008−261364号公報 特開2011−12758号公報
上記問題に鑑み、本発明は、従来以上にオイル掻き性能に優れ、ドレン量を低減できるピストンロッド用オイル掻きリング、及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックスを提供することを課題とする。
本発明者達は、特許文献3のオイル掻きリングの追従性をさらに改善しドレン量を低減するため、鋭意研究の結果、オイル掻きリングに備えるオイル通し溝を傾斜させることによって、さらにオイル消費量を低減したオイル掻きリングが得られることに想到した。
すなわち、本発明のピストンロッド用オイル掻きリングは、往復動するピストンロッドの外周面に摺接するレール部を有するリング本体と、前記レール部を前記ピストンロッドの外周面に対して押圧付勢する環状のコイルスプリングを有するピストンロッド用オイル掻きリングであって、前記リング本体が周方向に少なくとも2つ以上に分割され、内周側軸方向中央部に1本の前記レール部と、外周側軸方向中央部に前記コイルスプリングの収容溝と、上側面及び下側面の両側に複数のオイル通し溝を上下交互に備え、前記オイル通し溝が内周側から外周側に断面積を拡大するように傾斜したことを特徴とする。また、本発明のスタフィングボックスは、ピストンロッド用オイル掻きリングを複数個重ねて一つのリング溝に装着したスタフィングボックスであって、前記ピストンロッド用オイル掻きリングが、往復動するピストンロッドの外周面に摺接するレール部を有するリング本体と、前記レール部を前記ピストンロッドの外周面に対して押圧付勢する環状のコイルスプリングを有するピストンロッド用オイル掻きリングであり、前記リング本体が周方向に少なくとも2つ以上に分割され、内周側軸方向中央部に1本の前記レール部と、外周側軸方向中央部に前記コイルスプリングの収容溝と、上側面及び下側面の少なくとも一方に複数のオイル通し溝を備え、前記オイル通し溝が内周側から外周側に断面積を拡大するように傾斜し、前記リング本体の前記上側面に上側に隣接する別のピストンロッド用オイル掻きリングと結合するためのピン、及び、前記リング本体の前記下側面に下側に隣接する別のピストンロッド用オイル掻きリングと結合するためのピン穴、の少なくとも一つを有し、隣接する前記ピストンロッド用オイル掻きリングの前記オイル通し溝が対向して配置されるピストンロッド用オイル掻きリングの組合せを含むことを特徴とする
本発明のピストンロッド用オイル掻きリングは、オイル通し溝を内周側から外周側に断面積が拡大するように傾斜させることによって上側面のオイル通し溝に入ったオイルの除去排出を容易にすることができる。また、上側面及び下側面の両方にオイル通し溝を交互に備えれば、上下のバランスを取りつつ断面2次モーメントをさらに引き下げて追従性を改善し、優れたオイル掻き性能を発揮することができる。上下側面の両側にオイル通し穴を形成する場合、上側面のオイル通し溝と隣接する下側面のオイル通し溝の間のリング本体の軸に直角な方向の内周側の離間距離及び外周側の離間距離をいずれも所定の距離とすることによりオイル掻きリングとして必要な剛性も維持することが可能となる。さらに、オイル掻きリングを複数個重ねて1つのリング溝に装着した場合、上下隣接するオイル掻きリングのオイル通し溝を対向するように組み合わせれば、オイル通し溝の大きさを拡大し、さらに容易にオイルを排出することができるようになる。
本発明のピストンロッド用オイル掻きリングを装着したスタフィングボックスを模式的に示す断面図である。 ピストンロッド用オイル掻きリングの(上側面のみにオイル通し溝を備えた) 考例を示す図であり、(a)はオイル掻きリングを軸方向から見た平面図、(b)は同リングを半径方向外周側から見た正面図の一部、(c)は同リングのA-A断面図である。 本発明のピストンロッド用オイル掻きリングの(上側面及び下側面の両側にオイル通し溝を備えた)一例を示す図であり、(a)はオイル掻きリングを軸方向から見た平面図、(b)は同リングを半径方向外周側から見た正面図の一部、(c)は同リングのB-B断面図である。 本発明のピストンロッド用オイル掻きリングの上側面側にピンを有する別の一例であり、ピンを有する部分の断面図である。 本発明のピストンロッド用オイル掻きリングの下側面側にピン穴を有する別の一例であり、ピン穴を有する部分の断面図である。 本発明のピストンロッド用オイル掻きリングを装着したスタフィングボックスにおいて、オイル掻きリングを3段に重ねて1つのリング溝に装着した状態を示す断面図の一例である。 本発明のピストンロッド用オイル掻きリングを装着したスタフィングボックスにおいて、オイル掻きリングを3段に重ねて1つのリング溝に装着した状態を示す断面図の別の一例である。 従来のピストンロッド用オイル掻きリングを装着したスタフィングボックスを模式的に示す断面図である。 特許文献2に開示された、従来の別の形態のピストンロッド用オイル掻きリングを装着したスタフィングボックスを示した断面図であり、(a)は従来型、(b)は(a)を改良した小型軽量、柔構造のオイル掻きリングを示している。 特許文献3に開示された、従来の別の形態のピストンロッド用オイル掻きリングを示した図であり、(a)はオイル掻きリングを軸方向から見た平面図、(b)は同リングのC-C断面図である。
図1は、本発明の実施態様を示すピストンロッド用オイル掻きリング1を装着したスタフィングボックス10の断面を模式的に示したもので、オイル掻きリング1は各リング溝に3段に重ねて収容されている。オイル掻きリング1は往復動するピストンロッド30の外周面に摺接する1本のレール部2を内周側軸方向中央部に有し、前記レール部2を前記ピストンロッド30の外周面に対して押圧付勢する環状のコイルスプリング3を外周側軸方向中央部に形成されたコイルスプリング収容溝7に備えている。また、図2の(a)は参考例の実施態様を示す3分割されたオイル掻きリング1のリング本体の軸方向から見た平面図であり、(b)は同リングを半径方向外周側から見た正面図の一部であり、(c)は同リングのA-A断面図である。オイル掻きリング1は、上側面のみに複数のオイル通し溝4を備えており、オイル通し溝4は内周側から外周側に断面積を拡大するように傾斜している。この傾斜により、オイル通し溝4に入ったシリンダ油又はシステム油はリング溝の底側に流れやすくなる。オイル通し溝4の傾斜角度θは、リング本体の軸に直角な方向に対し3〜30°であることが好ましく、5〜20°であることがより好ましい。ここで、内周側の溝深さはレール部2にかからない程度までとしている。
また、傾斜したオイル通し溝4を上側面だけでなく、下側面にも備えた本発明の実施態様を図3に示す。図3の(a)は3分割されたオイル掻きリング1のリング本体の軸方向から見た平面図であり、(b)は同リングを半径方向外周側から見た正面図の一部であり、(c)は同リングのB-B断面図である。オイル通し溝4を上下側面の両側に交互に形成することは、上側面のみに形成することと比べ、上下のバランス改善と断面2次モーメントのさらなる引き下げによる追従性の向上の両方に寄与している。ここで、追従性を向上しつつも、オイル掻きリングとして必要な剛性を維持するため、上側面のオイル通し溝4と隣接する下側面のオイル通し溝4の間のリング本体の軸に直角な方向の内周側の離間距離(t)及び外周側の離間距離(t’)、すなわち上下側面にオイル通し溝を有しない部分の距離は、いずれも2 mm以上であることが好ましい(図3の(a)参照)。離間距離(t及びt’)は2.5 mm以上であればより好ましく、3 mm以上であればさらに好ましい。オイル通し溝4を上側面及び下側面の両側に形成した場合のオイル通し溝4の傾斜角度θは、コイルスプリングの収容溝7との関係で、リング本体の軸に直角な方向に対し3〜10°であることが好ましく、5〜8°であることがより好ましい。
さらに、前記オイル通し溝4の内周側開口面積率は5〜35%であることが好ましい。7〜30%であればより好ましく、9〜27%であればさらに好ましい。
また、本発明のピストンロッド用オイル掻きリング1は、図4に示すように、リング本体の上側面側に、上側に隣接する別のピストンロッド用オイル掻きリング1と結合するためのピン8を有していることが好ましく、図5に示すように、リング本体の下側面側には、下側に隣接する別のピストンロッド用オイル掻きリング1のピン8と結合するためのピン穴9を有していることが好ましい。これらのピストンロッド用オイル掻きリング1は、スタフィングボックス10の1つのリング溝に、複数個重ねて装着することが好ましく、隣接するピストンロッド用オイル掻きリング1のオイル通し溝4が対向して配置されるピストンロッド用オイル掻きリングの組合せを含むことが好ましい。図6は3段に重ねたオイル掻きリングにおいて、下側2段のオイル掻きリングのオイル通し溝4,4が対向して配置されており、オイル通し溝の断面積が2倍に拡大され(4+4)、シリンダ油又はシステム油がオイル通し溝に流入しやすい態様となる。図7は、図6に示した断面図に示されたオイル通し溝の隣のオイル通し溝について切断した断面図であり、上側2段のオイル掻きリングのオイル通し溝4,4が対向して配置された様子を示している。
ピン8及びピン穴9による結合部は、3つの分割されたオイル掻きリングを組み合わせて1カ所あればよく、ピン穴9にクリアランスを設けることにより各オイル掻きリングのピストンロッド30に対する追従性を保持することができる。一般に、オイル掻きリングは、リング溝内のサイドクリアランスにより、ピストンロッドの上下動に伴って傾斜する。図8や図9のレールが2本のオイル掻きリング110,510,610の場合、傾斜により片側のレールとピストンロッドの間に隙間が形成されるが、本発明のオイル掻きリング1では、1つのレール2を1つのコイルスプリング3で押圧付勢しており、かつピン穴9にクリアランスがあるため、独立してピストンロッド30に追従することができ、オイル掻きリング1が傾いたとしても、レール2とピストンロッド30の間には隙間が形成されにくいという特徴も有している。
参考例1
参考例1として、ボア径700 mm、ストローク2600 mmの6気筒大型2サイクル低速ディーゼルエンジン用に、内径270 mmφ、外径305 mmφ、幅(h1)7 mm、レール部を含む厚さ(a1)17.5 mm、レール部の幅1.5 mm、レール部の厚さ4.5 mmの周方向3分割した鉛青銅鋳物(CAC603)製オイル掻きリング本体を作製した。ここで、リング本体には、溝幅22 mm、内周側溝深さ2.0 mm、傾斜角5°のオイル通し溝を、上側面にのみ5個、リング全体で上側面に15個形成した。スタフィングボックスは、これらのオイル掻きリングを2段に重ねて装着するリング溝を4段有する構成とし、オイル掻きリングは、2段に重ねて装着するため、下段のオイル掻きリングには上段のオイル掻きリングのピン穴と結合させるピンを取付け、上段のオイル掻きリングには下段のオイル掻きリングのピンと結合させるピン穴を形成した。また、これらのオイル掻きリングと組み合わせるコイルスプリング(SWPB製)は面圧が0.13 MPaになるように調整した。
比較例1
比較例1として、図10(b)に示すオイル掻きリング710の断面形状で、オイル通し溝を溝深さ2.5 mmで水平とした以外は実施例1と同様にして、内径270 mmφ、外径305 mmφ、幅(h1)7 mm、レール部を含む厚さ(a1)17.5 mm、レール部の幅1.5 mm、レール部の厚さ4.5 mmの周方向3分割した鉛青銅鋳物(CAC603)製オイル掻きリング本体を作製した。
[1] 実機試験1
ボア径700 mm、ストローク2600 mmの6気筒大型2サイクル低速ディーゼルエンジンを搭載したタンカーにて実機試験をするため、参考例1のオイル掻きリングを装着したスタフィングボックスAを6気筒分と、比較例1のオイル掻きリングを装着したスタフィングボックスBを6気筒分準備した。実機試験は、6気筒全てにスタフィングボックスBを使用して開始し、1008時間経過後、スタフィングボックスBをスタフィングボックスAに交換し、さらに1008時間を行った。表1に、各気筒の24時間、504時間、1008時間のドレン量(l/日)を、比較例1の第1気筒の24時間経過時のドレン量(l/日)を1とした相対量で示す。
Figure 0006313645
参考例1の初期ドレン量(24時間)は、比較例1の初期ドレン量と比較して93.3%であり、本発明のオイル掻きリングを使用することにより、6.7%低減された。また、1008時間経過してもドレン量は殆ど変わらなかった。
実施例1
実施例1として、ボア径370 mm、ストローク880 mmの3気筒大型2サイクル低速ディーゼルエンジン用に、内径138 mmφ、外径165 mmφ、幅(h1)6 mm、レール部を含まない厚さ(a1)9 mm、レール部の幅1.5 mm、レール部の厚さ4.5 mmの周方向3分割した鉛青銅鋳物(CAC603)製オイル掻きリング本体を作製した。ここで、リング本体には、溝幅13 mm、内周側溝深さ1.5 mm、傾斜角8°のオイル通し溝を、上側面と下側面に交互に、上側面に5個、下側面に4個、リング全体で上側面に15個、下側面に12個形成した。ここで、オイル通し溝間の離間距離は、内周側の離間距離(t)を2.38 mm、外周側の離間距離(t’)を3.85 mmとした。スタフィングボックスは、これらのオイル掻きリングを3段に重ねて装着するリング溝を4段有する構成とし、オイル掻きリングは、3段に重ねて装着するため、下段のオイル掻きリングの上側面には中段のオイル掻きリングのピン穴と結合させるピンを取付け、中段のオイル掻きリングの下側面と上側面には、それぞれ、下段のオイル掻きリングのピンと結合させるピン穴を形成し、上段のオイル掻きリングのピン穴と結合させるピンを取り付け、上段のオイル掻きリングの下側面には中段のオイル掻きリングのピンと結合させるピン穴を形成した。この結合により、上中段及び中下段の上下隣接するオイル掻きリングのオイル通し溝が対向する位置関係を取っている。また、これらのオイル掻きリングと組み合わせるコイルスプリング(SWPB製)は面圧が0.13 MPaになるように調整した。
比較例2
比較例2として、図8に示す2本のレール部を有するオイル掻きリング110の形状で、内径138 mmφ、外径169 mmφ、幅(h1)9 mm、レール部を含む厚さ(a1)15.5 mm、レール部の幅1.5 mm、レール部の厚さ5.0 mmの周方向3分割した従来の鋳鉄(FC250)製オイル掻きリング本体を作製した。ここで、コイルスプリング(SWPB製)は面圧が従来の0.13 MPaとなるように調整した。
[2] 実機試験2
ボア径370 mm、ストローク880 mmの3気筒大型2サイクル低速ディーゼルエンジンを搭載した船舶にて実機試験をするため、実施例1のオイル掻きリングを装着したスタフィングボックスCを3気筒分と、比較例2のオイル掻きリングを装着したスタフィングボックスDを3気筒分準備した。実機試験は、3気筒全てにスタフィングボックスDを使用して開始し、1008時間経過後、スタフィングボックスDをスタフィングボックスCに交換し、さらに1008時間を行った。表2に、各気筒の24時間、504時間、1008時間のドレン量(l/日)を、比較例2の第1気筒の24時間経過時のドレン量(l/日)を1とした相対量で示す。
Figure 0006313645
実施例1の初期ドレン量(24時間)は、比較例2の初期ドレン量と比較して3.2%であり、本発明のオイル掻きリングを使用することにより、著しく(96.8%)低減された。また、1008時間経過してもドレン量は殆ど変わらなかった。
1, 110, 510, 610, 710 オイル掻きリング
2, 711 レール部
3, 200 コイルスプリング
4, 210, 713 オイル通し溝
5, 401 連通孔
6, 402 孔
7, 712 コイルスプリング収容溝
8 ピン
9 ピン穴
10, 400 スタフィングボックス
30, 300 ピストンロッド

Claims (9)

  1. 往復動するピストンロッドの外周面に摺接するレール部を有するリング本体と、前記レール部を前記ピストンロッドの外周面に対して押圧付勢する環状のコイルスプリングを有するピストンロッド用オイル掻きリングであって、前記リング本体が周方向に少なくとも2つ以上に分割され、内周側軸方向中央部に1本の前記レール部と、外周側軸方向中央部に前記コイルスプリングの収容溝と、上側面及び下側面の両側に複数のオイル通し溝を上下交互に備え、前記オイル通し溝が内周側から外周側に断面積を拡大するように傾斜したことを特徴とするピストンロッド用オイル掻きリング。
  2. 請求項1に記載のピストンロッド用オイル掻きリングにおいて前記オイル通し溝の傾斜角度が前記リング本体の軸に直角な方向に対し3〜10°であることを特徴とするピストンロッド用オイル掻きリング。
  3. 請求項2に記載のピストンロッド用オイル掻きリングにおいて、前記上側面のオイル通し溝と隣接する前記下側面のオイル通し溝の間の前記リング本体の軸に直角な方向の内周側の離間距離(t)及び外周側の離間距離(t’)がいずれも2 mm以上であることを特徴とするピストンロッド用オイル掻きリング。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のピストンロッド用オイル掻きリングにおいて、前記オイル通し溝の内周側開口面積率が5〜35%であることを特徴とするピストンロッド用オイル掻きリング。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のピストンロッド用オイル掻きリングにおいて、前記リング本体の前記上側面に、上側に隣接する別のピストンロッド用オイル掻きリングと結合するためのピンを有していることを特徴とするピストンロッド用オイル掻きリング。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のピストンロッド用オイル掻きリングにおいて、前記リング本体の前記下側面に、下側に隣接する別のピストンロッド用オイル掻きリングと結合するためのピン穴を有していることを特徴とするピストンロッド用オイル掻きリング。
  7. 請求項5又は6に記載のピストンロッド用オイル掻きリングを複数個重ねて1つのリング溝に装着したことを特徴とするスタフィングボックス。
  8. 請求項7に記載のスタフィングボックスにおいて、隣接する前記ピストンロッド用オイル掻きリングの前記オイル通し溝が対向して配置されるピストンロッド用オイル掻きリングの組合せを含むことを特徴とするスタフィングボックス。
  9. ピストンロッド用オイル掻きリングを複数個重ねて一つのリング溝に装着したスタフィングボックスであって、前記ピストンロッド用オイル掻きリングが、往復動するピストンロッドの外周面に摺接するレール部を有するリング本体と、前記レール部を前記ピストンロッドの外周面に対して押圧付勢する環状のコイルスプリングを有するピストンロッド用オイル掻きリングであり、前記リング本体が周方向に少なくとも2つ以上に分割され、内周側軸方向中央部に1本の前記レール部と、外周側軸方向中央部に前記コイルスプリングの収容溝と、上側面及び下側面の少なくとも一方に複数のオイル通し溝を備え、前記オイル通し溝が内周側から外周側に断面積を拡大するように傾斜し、前記リング本体の前記上側面に上側に隣接する別のピストンロッド用オイル掻きリングと結合するためのピン、及び、前記リング本体の前記下側面に下側に隣接する別のピストンロッド用オイル掻きリングと結合するためのピン穴、の少なくとも一つを有し、隣接する前記ピストンロッド用オイル掻きリングの前記オイル通し溝が対向して配置されるピストンロッド用オイル掻きリングの組合せを含むことを特徴とするスタフィングボックス。
JP2014090034A 2014-04-24 2014-04-24 ピストンロッド用オイル掻きリング及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックス Active JP6313645B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014090034A JP6313645B2 (ja) 2014-04-24 2014-04-24 ピストンロッド用オイル掻きリング及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックス
CN201580021331.6A CN106233050B (zh) 2014-04-24 2015-04-23 活塞杆用刮油环及具备该刮油环的填料函
PCT/JP2015/062354 WO2015163399A1 (ja) 2014-04-24 2015-04-23 ピストンロッド用オイル掻きリング及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックス
KR1020167032822A KR102350324B1 (ko) 2014-04-24 2015-04-23 피스톤 로드용 오일 스크레이퍼 링 및 그 오일 스크레이퍼 링을 구비한 스터핑 박스
DK15783127.2T DK3135963T3 (da) 2014-04-24 2015-04-23 Olieafstrygningsring til stempelstang, og pakdåse forsynet med nævnte olieafstrygningsring
EP15783127.2A EP3135963B1 (en) 2014-04-24 2015-04-23 Oil scraper ring for piston rod, and stuffing box provided with said oil scraper ring

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014090034A JP6313645B2 (ja) 2014-04-24 2014-04-24 ピストンロッド用オイル掻きリング及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015209860A JP2015209860A (ja) 2015-11-24
JP6313645B2 true JP6313645B2 (ja) 2018-04-18

Family

ID=54612232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014090034A Active JP6313645B2 (ja) 2014-04-24 2014-04-24 ピストンロッド用オイル掻きリング及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6313645B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5884349U (ja) * 1981-12-03 1983-06-08 日立造船株式会社 ディ−ゼル機関の軸封装置
JP5173236B2 (ja) * 2007-04-10 2013-04-03 株式会社リケン スタフィングボックス
JP5371582B2 (ja) * 2009-07-02 2013-12-18 株式会社リケン ピストンロッド用オイル掻きリング及びその製造方法、並びに当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015209860A (ja) 2015-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5173236B2 (ja) スタフィングボックス
JP2005520082A (ja) 油排出溝を有する、通路が閉鎖された一体鋳造ピストン
KR20070015109A (ko) 내연기관 및 라이너 장착 링
CN101761416A (zh) 内燃机用的活塞设备
SE508983C2 (sv) Vått cylinderfoder
US9273629B2 (en) Piston ring for two-stroke engines
US11193447B2 (en) Piston and cylinder of an internal combustion engine and internal combustion engine
JP6313645B2 (ja) ピストンロッド用オイル掻きリング及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックス
WO2015163399A1 (ja) ピストンロッド用オイル掻きリング及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックス
JP6313107B2 (ja) ピストンロッド用オイル掻きリング及び当該オイル掻きリングを備えたスタフィングボックス
JPS6018664A (ja) 軸封装置
CN108223187B (zh) 一种带油气分离结构的后齿轮室
CN102913338A (zh) 一种发动机
CN202202975U (zh) 一种汽车发动机活塞的泄油结构
KR102429575B1 (ko) 피스톤
US6886504B2 (en) Engine of reciprocating piston type
US20230228329A1 (en) Oil scraper ring for pistons of an internal combustion engine
RU34673U1 (ru) Поршневое уплотнение
RU2312263C2 (ru) Поршневое уплотнение
JP2007113466A (ja) 内燃機関のピストン
US1502445A (en) Piston ring
US20190360429A1 (en) Engine
RU34984U1 (ru) Поршень
KR20210132072A (ko) 내부 연소 엔진의 연소 챔버를 시일링하기 위한 장치
KR20220116294A (ko) 내연 기관용 피스톤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170321

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180313

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180323

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6313645

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250