実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態1に係る半導体装置は、RESURF効果を利用して高耐圧を実現しているHVICであって、図1に示されるように、低電位ロジック回路100と、高電位ロジック回路101と、nチャネル形のMOSトランジスタ102と、抵抗103とを備えている。
低電位ロジック回路100は、数十Vの比較的低電位の電位VLをプラス電源として動作するロジック回路であって、マイナス電源として接地電位が印加される。また、高電位ロジック回路101は、数百Vの比較的高電位の電位VHをプラス電源として動作するロジック回路であって、マイナス電源としても数百Vが印加され、高電位ロジック回路101のプラス電源とマイナス電源との電位差は数十Vとなる。
MOSトランジスタ102と抵抗103とは、低電位ロジック回路100から出力される低電位の信号を高電位にレベルシフトして高電位ロジック回路101に入力する。MOSトランジスタ102のゲートは低電位ロジック回路100に接続されており、そのソースには接地電位が印加される。また、MOSトランジスタ102のドレインには抵抗103の一端と、高電位ロジック回路101とが接続されている。そして、抵抗103の他端には電位VHが印加される。
以上のような構成を成す本実施の形態1に係る半導体装置では、MOSトランジスタ102がオフ状態のとき、高電位ロジック回路101には電位VHのHighレベル信号が入力される。そして、低電位ロジック回路100からパルス状のHighレベル信号が出力されると、MOSトランジスタ102がオン状態となり、抵抗103に電流が流れる。そうすると、抵抗103で電圧降下が生じて、MOSトランジスタ102のドレイン電位が低下し、高電位ロジック回路101に入力される信号のレベルが変化する。これにより、低電位ロジック回路100から出力されるパルス信号が、それとは極性が異なる高電位のパルス信号に変換されて高電位ロジック回路101に入力される。従って、高電位ロジック回路101は、低電位ロジック回路100から出力される信号に基づいて動作することができる。
次に、本実施の形態1に係る半導体装置の構造について説明する。図2は本実施の形態1に係る半導体装置の構造を模式的に示す平面図であって、図3〜5は図2中の矢視A−A〜C−Cにおける断面図をそれぞれ示している。なお、図2では図面の煩雑さを避けるために、図3〜5での絶縁膜23の記載を省略し、更に絶縁膜21上に形成されているもののうちフィールドプレート20a,60aのみを記載している。
また、以下の説明中の「p」,「p+」,「p-」,「n」,「n+」,「n-」という記号は、半導体における不純物の導電型及び不純物濃度を示している。具体的には、これらの記号中の「p」,「n」がそれぞれp型の不純物及びn型の不純物を示している。また、これらの記号中のマイナス符号、符号なし、プラス符号が不純物濃度を示しており、この順で不純物濃度が高いことを意味している。
図2〜5に示されるように、本実施の形態1に係る半導体装置では、p-半導体基板1上に、n型のエピタキシャル層であるn-半導体層2が形成されている。n-半導体層2には、その上面からp-半導体基板1との界面にかけてp不純物領域3が形成されている。p不純物領域3はn-半導体層2の一部を取り囲むように形成されており、高電位ロジック回路101及び抵抗103が配置される高電位島領域201をn-半導体層2内に区分している。更にp不純物領域3は、n-半導体層2の他の部分を取り囲むように形成されており、MOSトランジスタ102が配置されるnMOS領域202をn-半導体層2内に区分している。そして、高電位島領域201とnMOS領域202とはp不純物領域3を介して隣接している。
高電位島領域201内のn-半導体層2における、その周端部を除いた領域とp-半導体基板1との界面にはn+埋め込み不純物領域51が選択的に形成されている。そして、n+埋め込み不純物領域51の上方ではn-半導体層2に高電位ロジック回路101が形成されている。更にn+埋め込み不純物領域51の上方では、抵抗103として機能する図示しないp+不純物領域がn-半導体層2の上面内に形成されている。なお、高電位ロジック回路101には、pチャネル形のMOSトランジスタやnチャネル形のMOSトランジスタ、あるいはダイオードなどの半導体素子が含まれている。
高電位島領域201におけるn-半導体層2の上面内には、高電位ロジック回路101が形成されている部分を避けて、n+埋め込み不純物領域51の上方においてn+不純物領域52が形成されており、当該n+不純物領域52は、高電位ロジック回路101を取り囲むように形成されている。従って、n+不純物領域52は、p不純物領域3と高電位ロジック回路101との間のn-半導体層2に形成されている。n+不純物領域52とp不純物領域3との間のn-半導体層2の上面上には分離絶縁膜17が形成されており、当該分離絶縁膜17上には第1フィールドプレート55a〜55eが形成されている。第1フィールドプレート55a〜55eは、p不純物領域3からn+不純物領域52に向かう方向に沿って互いに離れて順に配置されており、平面視上で高電位ロジック回路101を取り囲むように形成されている。
第1フィールドプレート55aは、分離絶縁膜17からp不純物領域3の方へも延びており、当該p不純物領域3の端部を接触することなく覆っている。また第1フィールドプレート55eは、分離絶縁膜17からn+不純物領域52の方へも延びており、当該n+不純物領域52の端部を接触することなく覆っている。
第1フィールドプレート55a〜55eのうちp不純物領域3に最も近い第1フィールドプレート55aと、その隣りに位置する第1フィールドプレート55bとの間の間隙には周囲から絶縁された電極56が配置されている。電極56は、分離絶縁膜17上に第1フィールドプレート55a,55bと離れて設けられており、平面視上で高電位ロジック回路101を取り囲んでいる。
第1フィールドプレート55aはp不純物領域3上面と静電結合し、第1フィールドプレート55eはn+不純物領域52上面と静電結合する。そして、電極56はフィールドプレートとして機能し、第1フィールドプレート55a〜55e及び電極56は相互に静電結合するとともにn-半導体層2上面とも静電結合することにより、p不純物領域3とn+不純物領域52との間の電位差に基づくn-半導体層2の上面での電界を緩和する機能を果たす。なお、後述するように、p不純物領域3には接地電位が、n+不純物領域52には電位VHがそれぞれ印加される。
nMOS領域202のほぼ中央部分におけるn-半導体層2の上面内には、MOSトランジスタ102のドレイン電極24と電気的に接続されたn+不純物領域12がp不純物領域3と離れて設けられている。そして、n+不純物領域12の下方では、n-半導体層2とp-半導体基板1との界面にn+埋め込み不純物領域11が形成されている。
p不純物領域3とn+不純物領域12との間のn-半導体層2の上面内には、当該n+不純物領域12を取り囲むようにp+不純物領域13が形成されている。そして、p+不純物領域13の上面内には、MOSトランジスタ102のソース領域14が形成されており、当該ソース領域14もn+不純物領域12を取り囲むように設けられている。なお、ソース領域14はn+不純物領域である。
p+不純物領域13とn+不純物領域12との間のn-半導体層2の上面上には分離絶縁膜17が形成されており、当該分離絶縁膜17上にはMOSトランジスタ102のゲート電極15aと第1フィールドプレート15b〜15eとが形成されている。ゲート電極15aと第1フィールドプレート15b〜15eは、p+不純物領域13からn+不純物領域12に向かう方向に沿って互いに離れて順に配置されており、平面視上でn+不純物領域12の中央部を取り囲むように形成されている。
ここで、p+不純物領域13は、p不純物領域3とn+不純物領域12との間のn-半導体層2に設けられていることから、分離絶縁膜17が、p不純物領域3とn+不純物領域12との間のn-半導体層2の上面上に部分的に設けられていると言える。そして、当該分離絶縁膜17上のゲート電極15a及び第1フィールドプレート15b〜15eは、p不純物領域3からn+不純物領域12に向かう方向に沿って互いに離れて順に配置されていると言える。
ゲート電極15aは、分離絶縁膜17からp+不純物領域13の方へも延びており、ソース領域14とn-半導体層2とで挟まれたp不純物領域13の端部を接触することなく覆っている。また第1フィールドプレート15eは、分離絶縁膜17からn+不純物領域12の方へも延びており、当該n+不純物領域12の端部を接触することなく覆っている。なお、ゲート電極15aが覆っている、ソース領域14とn-半導体層2とで挟まれたp不純物領域13の端部の上にはゲート絶縁膜が存在するが、図面においては当該ゲート絶縁膜を後述する絶縁膜21に含めて記載している。
ゲート電極15a及び第1フィールドプレート15b〜55eのうち、p+不純物領域13に最も近いゲート電極15a、言い換えればp不純物領域3に最も近いゲート電極15aと、その隣りに位置する第1フィールドプレート15bとの間の間隙には周囲から絶縁された電極16が配置されている。電極16は、分離絶縁膜17上にゲート電極15a及び第1フィールドプレート15bと離れて設けられており、平面視上でn+不純物領域12を取り囲んでいる。
第1フィールドプレート15eはn+不純物領域12上面と静電結合する。そして、ゲート電極15a及び電極16はフィールドプレートして機能し、ゲート電極15a、第1フィールドプレート15b〜15e及び電極16は相互に静電結合するとともにn-半導体層2上面とも静電結合することにより、ドレイン電極24に電気的に接続されたn+不純物領域12とソース領域14との間の電位差に基づくn-半導体層2の上面での電界を緩和する機能を果たす。なお、ゲート電極15aはフィールドプレートしても機能することから、以後当該ゲート電極15aを「第1フィールドプレート15a」と呼ぶことがある。
高電位島領域201及びnMOS領域202以外におけるn-半導体層2には、低電位ロジック回路100が形成されており、当該低電位ロジック回路100が形成されているn-半導体層2と高電位島領域201及びnMOS領域202におけるn-半導体層2とはp不純物領域3で区分されている。
n-半導体層2及び分離絶縁膜17上には、第1フィールドプレート15a〜15e,55a〜55e及び電極16,56を覆って絶縁膜21が形成されている。そして、絶縁膜21内には電極19とMOSトランジスタ102のソース電極18とが貫通して設けられており、ソース電極18はp+不純物領域13及びソース領域14に接触し、電極19はn+不純物領域12と接触している。
絶縁膜21上には、第2フィールドプレート20a〜20d,60a〜60dが形成されている。第2フィールドプレート60a〜60dは、第1フィールドプレート55a〜55eの上方に設けられており、p不純物領域3からn+不純物領域52に向かう方向に沿って互いに離れて順に配置されている。そして、第2フィールドプレート60a〜60dは、それぞれ第1フィールドプレート55a〜55e間の間隙の上方に配置されている。つまり、第1フィールドプレート55a〜55eにおける任意の互いに隣り合う2つの第1フィールドプレート間の間隙の上方には、第2フィールドプレート60a〜60dのいずれか一つが配置されている。そして、各第2フィールドプレート60a〜60dは、その下方に位置する互いに隣り合う2つの第1フィールドプレートの端部と平面視上で重なるように形成されている。
第2フィールドプレート60a〜60dのうち第2フィールドプレート60b〜60dは平面視上で高電位ロジック回路101を完全に取り囲んでいる。そして、残りの第2フィールドプレート60aは、後述する配線30の下方において切断箇所69aを有しており、当該切断箇所69a以外において平面視上で高電位ロジック回路101をほぼ取り囲んでいる。
第2フィールドプレート20a〜20dは、フィールドプレート15a〜15eの上方に設けられており、p+不純物領域13からn+不純物領域12に向かう方向に沿って、言い換えればp不純物領域3からn+不純物領域12に向かう方向に沿って、互いに離れて順に配置されている。そして、第2フィールドプレート20a〜20dは、それぞれ第1フィールドプレート15a〜15e間の間隙の上方に配置されている。つまり、第1フィールドプレート15a〜15eにおける任意の互いに隣り合う2つの第1フィールドプレート間の間隙の上方には、第2フィールドプレート20a〜20dのいずれか一つが配置されている。そして、各第2フィールドプレート20a〜20dは、その下方に位置する互いに隣り合う2つの第1フィールドプレートの端部と平面視上で重なるように形成されている。
第2フィールドプレート20a〜20dのうち第2フィールドプレート20b〜20dは平面視上でn+不純物領域12を完全に取り囲んでいる。そして、残りのフィールドプレート20aは、後述する配線30の下方において切断箇所29を有しており、当該切断箇所29以外において平面視上でn+不純物領域12をほぼ取り囲んでいる。
ゲート電極15aと第2フィールドプレート20aとは、絶縁膜21内にそれを貫通して設けられたコンタクトプラグ22aで電気的に接続されており、第1フィールドプレート15eと第2フィールドプレート20dとは、絶縁膜21内にそれを貫通して設けられたコンタクトプラグ22dで電気的に接続されている。また、第1フィールドプレート55aと第2フィールドプレート60aとは、絶縁膜21内にそれを貫通して設けられたコンタクトプラグ62aで電気的に接続されており、第1フィールドプレート55eと第2フィールドプレート60dとは、絶縁膜21内にそれを貫通して設けられたコンタクトプラグ62dで電気的に接続されている。
コンタクトプラグ22a,22dは、それぞれ第2フィールドプレート20a,20dに沿って延在しており、配線30の下方では存在しない。従って、コンタクトプラグ22a,22dは第2フィールドプレート20aと同様にn+不純物領域12をほぼ取り囲むことになる。また、コンタクトプラグ62a,62dは、それぞれ第2フィールドプレート60a,60dに沿って延在しており、配線30の下方では存在しない。従って、コンタクトプラグ62a,62dは第2フィールドプレート60aと同様に高電位ロジック回路101をほぼ取り囲むことになる。
なお、第1フィールドプレート15b〜15d,55b〜55d及び第2フィールドプレート20b,20c,60b,60cは、周囲から絶縁されたフローティング電極である。また、第1フィールドプレート15e及び第2フィールドプレート20dは互いに接続されているという状況以外には周囲から絶縁されており、フローティング電極である。同様に、第1フィールドプレート55a及び第2フィールドプレート60a、あるいは第1フィールドプレート55e及び第2フィールドプレート60d、互いに接続されているという状況以外には周囲から絶縁されており、フローティング電極である。
絶縁膜21上には、ソース電極18、電極19及び第2フィールドプレート20a〜20d,60a〜60dを覆って絶縁膜23が形成されている。そして、MOSトランジスタ102のドレイン電極24が、絶縁膜23内にそれを貫通して電極19に接触するように設けられている。このようにして、n+不純物領域12とMOSトランジスタ102のドレイン電極24とが電気的に接続される。
絶縁膜23上には、ドレイン電極24と高電位ロジック回路101とを電気的に接続する配線30が形成されており、これにより図1に示されるようにMOSトランジスタ102のドレインと高電位ロジック回路101とが接続される。ドレイン電極24から出発した配線30は、第1フィールドプレート15a〜15e及び第2フィールドプレート20b〜20dの上方を通り、そしてnMOS領域202と高電位島領域201との境界にあるp不純物領域3の上方を通り、第1フィールドプレート55a〜55e及び第2フィールドプレート60b〜60dの上方を通って高電位ロジック回路101に到達している。
第2フィールドプレート20a〜20dのうち、ゲート電極15aに最も近い第2フィールドプレート20aは、図2に示されるように、配線30の下方において切断箇所29を有している。そして、電極16がn+不純物領域12を取り囲むように形成されていることから、本実施の形態1では、第1フィールドプレート15a〜15e間の間隙のうち当該切断箇所29の下方に位置する間隙、つまり配線30の下方におけるゲート電極15aと第1フィールドプレート15bとの間の間隙には電極16が形成されている。
また、第2フィールドプレート60a〜60dのうち、p不純物領域3に最も近い第2フィールドプレート60aは、図2に示されるように、配線30の下方において切断箇所69aを有している。そして、電極56が高電位ロジック回路101を取り囲むように形成されていることから、本実施の形態1では、第1フィールドプレート55a〜55e間の間隙のうち当該切断箇所69aの下方に位置する間隙、つまり配線30の下方における第1フィールドプレート55a,55b間の間隙には電極56が形成されている。
絶縁膜23上には、ゲート電極15aと電気的に接続された第2フィールドプレート20aと低電位ロジック回路100とを電気的に接続する配線31も設けられている。配線31と第2フィールドプレート20aとは、絶縁膜23を貫通する図示しないコンタクトプラグで電気的に接続されている。これにより、低電位ロジック回路100からの信号がMOSトランジスタ102のゲート電極15aに入力される。また絶縁膜23上には、高電位島領域201内のn-半導体層2に形成された、抵抗103として機能するp+不純物領域(図示せず)と、配線30とを電気的に接続する図示しない配線も設けられており、当該配線は、絶縁膜21,23を貫通する、抵抗103として機能するp+不純物領域と接触して設けられた電極(図示せず)と接続される。
なお、ゲート電極15a、第1フィールドプレート15b〜15e,55a〜55e及び電極16,56は例えばポリシリコンから成り、第2フィールドプレート20a〜20d,60a〜60d及び配線30,31は例えばアルミニウムから成る。
以上のような構造を成す本実施の形態1に係る半導体装置においては、抵抗103として機能するp+不純物領域の端部に電位VHが印加されると、配線30には、当該p+不純物領域を介して数百Vもの電位VHが印加される。そして、ソース電極18に接地電位が印加され、低電位ロジック回路100から数十VのHighレベルの信号が出力されると、配線31、第2フィールドプレート20a及びコンタクトプラグ22aを介して当該信号がゲート電極15aに与えられる。これより、MOSトランジスタ102がオン状態となり、抵抗103として機能するp+不純物領域に電流が流れて、当該p+不純物領域で電圧降下を生じる。この結果、配線30及びドレイン電極24の電位も変化して、低電位ロジック回路100から出力された低電位の信号が高電位にレベルシフトして高電位ロジック回路101に入力される。
なお、オン状態のMOSトランジスタ102では、ドレイン電極24から、電極19、n+不純物領域12、n-半導体層2、p+不純物領域13、及びソース領域14を順に通って、ソース電極18に電流が流れる。また、MOSトランジスタ102においては、p+不純物領域13とn+不純物領域12との間のn-半導体層2が抵抗として機能するため、ドレイン電極24の電位は電位VHから数十Vまでしか減少しない。
また、本実施の形態1に係る半導体装置では、p不純物領域3及びp-半導体基板1には接地電位が印加され、高電位島領域201におけるn-半導体層2、n+埋め込み不純物領域51及びn+不純物領域52には電位VHが印加される。これにより、高電位島領域201におけるn-半導体層2と、それを取り囲むp不純物領域3とで構成されるpn接合には数百Vもの逆電圧が印加され、RESURF効果によって、高電位島領域201におけるn-半導体層2の周端部に空乏層が形成される。具体的には、p不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2にはその上面まで空乏層が形成される。この結果、高電位ロジック回路101が空乏層で取り囲まれるようになり、高耐圧の高電位ロジック回路101が得られる。
また、上述のようにドレイン電極24には電位VHが印加されることから、n+不純物領域12にも電位VHが印加され、その結果、nMOS領域202におけるn-半導体層2に電位VHが印加される。これにより、nMOS領域202におけるn-半導体層2と、それを取り囲むp不純物領域3とで構成されるpn接合に数百Vもの逆電圧が印加されて、RESURF効果によって、p不純物領域3とn+不純物領域12との間のn-半導体層2にその上面まで空乏層が形成される。この結果、nMOS領域202におけるn-半導体層2のほぼ全域に空乏層が形成され、高耐圧のMOSトランジスタ102を得ることができる。なお、図2において斜線で示されるRESURF分離領域300,301は、高電位島領域201及びnMOS領域202において空乏層が形成される領域の概略をそれぞれ示している。
本実施の形態1に係る半導体装置で、上述のように配線30に高電位が印加される。従って、本実施の形態1とは異なり第1フィールドプレート55a〜55e及び第2フィールドプレート60a〜60dが存在しないと、配線30の電位によって、p不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2において空乏層の伸びが抑制され、p不純物領域3付近のn-半導体層2の上面で電界集中を生じる恐れがある。
しかしながら、本実施の形態1では、第2フィールドプレート60a〜60dと、その下方に位置する第1フィールドプレート55a〜55eとが静電結合することにより、配線30の電位に基づくn-半導体層2の上面での電界集中を緩和することができる。つまり、第2フィールドプレート60a〜60dのそれぞれと、第1フィールドプレート55a〜55eのうちその下方に位置する互いに隣り合う2つの第1フィールドプレートとが静電結合することにより、高電位島領域201内のn-半導体層2の上面での電界集中を緩和することができる。
同様に、本実施の形態1では、第2フィールドプレート20a〜20dと、その下方に位置する第1フィールドプレート15a〜15eとが静電結合することにより、配線30の電位に基づくnMOS領域202内のn-半導体層2の上面での電界集中を緩和することができる。
また、本実施の形態1では、p不純物領域3及びn+不純物領域52には、それぞれ接地電位及び電位VHが印加されるため、p不純物領域3に最も近い第1フィールドプレート55a及びそれに電気的に接続された第2フィールドプレート60aの電位は、p不純物領域3の電位の影響を受けて接地電位に近い値となる。また、n+不純物領域52に最も近い第1フィールドプレート55e及びそれに電気的に接続された第2フィールドプレート60dの電位は、n+不純物領域52の電位の影響を受けて電位VHに近い値となる。従って、第1フィールドプレート55a〜55e及び第2フィールドプレート60a〜60dの電位は、それらの間の静電結合により、p不純物領域3からn+不純物領域52に近づくにつれて、接地電位付近の低電位から数百Vもの高電位まで変化する。
また、本実施の形態1では、n+不純物領域12には電位VHが印加されるため、当該n+不純物領域12に最も近い第1フィールドプレート15e及びそれに電気的に接続された第2フィールドプレート20dは、n+不純物領域12の電位の影響を受けて電位VHに近い値となる。また、ゲート電極15aには数十Vの低電位が印加されるため、それに電気的に接続された第2フィールドプレート20aの電位も数十Vの低電位となる。従って、第1フィールドプレート15a〜15e及び第2フィールドプレート20a〜20dの電位は、それらの間の静電結合により、p不純物領域3からn+不純物領域12に近づくにつれて、数十Vの低電位から数百Vもの高電位まで変化する。
なお、第2フィールドプレート20aが本実施の形態1とは異なりゲート電極15aと電気的に接続されていない場合であっても、それらの間の静電結合により、第2フィールドプレート20aの電位は低電位となる。同様に、第2フィールドプレート20dが第1フィールドプレート15eと電気的に接続されていない場合であっても、第2フィールドプレート20dの電位は高電位となる。また、第2フィールドプレート60aが第1フィールドプレート55aと電気的に接続されていない場合であっても、第2フィールドプレート20aの電位は低電位となり、第2フィールドプレート60dが第1フィールドプレート55eと電気的に接続されていない場合であっても、第2フィールドプレート60dの電位は高電位となる。
このように、本実施の形態1では、第2フィールドプレート20a,60aの電位が低電位となるため、数百Vもの高電位が印加される配線30と第2フィールドプレート20a,60aとの間に大きな電位差を生じる。従って、本実施の形態1とは異なり第2フィールドプレート20a,60aが切断箇所29,69を有していない場合には、配線30と第2フィールドプレート20a,60aとに挟まれる絶縁膜23が絶縁破壊することがある。本実施の形態1では、切断箇所29,69aを設けることによって、配線30の下方においてフィールドプレート20a,60aを形成していない部分を設けているため、配線30と、第2フィールドプレート20a,60aとの間の電位差に起因する絶縁膜23の絶縁破壊を防止することができる。
また、本実施の形態1に係る半導体装置では、上述のように絶縁膜23の絶縁破壊を防止するために設けた第2フィールドプレート20aの切断箇所29の下方においては、第1フィールドプレート15a,15b間の間隙にそれらと離れて電極16を設けている。これにより、当該電極16を設けていない場合よりも、高電位が印加される配線30の電位に基づくn-半導体層2上面付近での電界集中が緩和され、本実施の形態1に係る半導体装置の耐圧を向上することができる。
同様に、第2フィールドプレート60aの切断箇所69aの下方においては、第1フィールドプレート55a,55b間の間隙にそれらと離れて電極56を設けているため、当該電極56を設けていない場合よりも、配線30の電位に基づくn-半導体層2上面付近での電界集中が緩和され、本実施の形態1に係る半導体装置の耐圧を向上することができる。以下にこのことについて詳細に説明する。
図6,7は本実施の形態1に係る半導体装置での電位分布を示す図であって、図8,9は本実施の形態1に係る半導体装置において電極16を設けなかった場合の電位分布を示す図である。図6,8は第2フィールドプレート20aが切断されている部分での電位分布を示しており、図7,9は第2フィールドプレート20aが切断されていない部分での電位分布を示している。
図8に示されるように、電極16を設けなかった場合には、配線30の下方において第2フィールドプレート20aを切断しているため、ゲート電極15aと第1フィールドプレート15bとの間のn-半導体層2の上面付近の電位分布が配線30の電位の影響を受け、ゲート電極15aの第1フィールドプレート15b側の端部付近において等電位線90が密集する。従って、図8に示されるように、ゲート電極15aの第1フィールドプレート15b側の端部近くのn-半導体層2の上面付近には電界集中部分95aが形成される。これにより、半導体装置の耐圧が低下する。
一方、図6に示されるように、電極16を設けた場合には、電極16の静電遮蔽効果により、配線30の電位がn-半導体層2上面付近の電位分布に与える影響を低減でき、n-半導体層2の上面付記での空乏層の伸びを促進することができる。更に電極16が、ゲート電極15a、第1フィールドプレート15b及びn-半導体層2上面と静電結合することから、ゲート電極15aと電極16との間、及び電極16と第1フィールドプレート15bとの間に等電位面を形成することができる。従って、ゲート電極15aと第1フィールドプレート15bとの間での等電位線90が疎となる。そのため、ゲート電極15aと第1フィールドプレート15bとの間のn-半導体層2の上面付近での電界集中を緩和でき、第2フィールドプレート20aに切断箇所29を設けたことによる半導体装置の耐圧低下を抑制することができる。その結果、所望の耐圧を有する半導体装置を容易に実現することができる。
また上述のように、電極16が、ゲート電極15a、第1フィールドプレート15b及びn-半導体層2上面と静電結合するため、当該電極16の電位は、ゲート電極15aの電位と第1フィールドプレート15bの電位との中間電位にバイアスされる。従って、図7と図9とを比較して理解できるように、第2フィールドプレート20aが切断されていない部分では、電極16を設けたとしても電位分布が歪むことなく電界集中は生じない。
なお、高電位島領域201におけるn-半導体層2においても、電極56を形成することによって、同様の理由から電極56を設けない場合よりも電界集中を緩和でき、半導体装置の耐圧低下を抑制することができる。
また、図10に示されるように、電極16を形成せずに、第1フィールドプレート15b側のゲート電極15aの端部を、第1フィールドプレート15b側に延長した場合には、その延長部分による静電遮蔽効果によって配線30の電位に基づく電界集中を緩和することができるように思える。しかしながら、このような場合であっても、図10に示されるように、ゲート電極15aの第1フィールドプレート15b側の端部付近において等電位線90が密集し、n-半導体層2の上面付近には電界集中部分95bが形成される。本実施の形態1では、ゲート電極15aと第1フィールドプレート15bとの間にそれらと離れて電極16を設けているため、上述のように、ゲート電極15aと電極16との間、及び電極16と第1フィールドプレート15bとの間に等電位面を形成することができることから、この場合とは異なり電界集中を緩和できる。
図11は、電極16を形成した場合と、電極16を形成しなかった場合と、ゲート電極15aの端部を延長した場合の半導体装置における絶縁耐圧の実測値を示す図である。図中の丸印は電極16を設けた場合、つまり本実施の形態1に係る半導体装置の耐圧を示しており、ひし形印は電極16を設けなかった場合の耐圧を示している。そして、図中の四角印はゲート電極15aの第1フィールドプレート15b側の端部を当該第1フィールドプレート15b側に伸ばした場合の耐圧を示している。なお、横軸に示されるフィールドプレートの長さLは、図10に示される長さLを意味している。また、四角印で示される、ゲート電極15aの第1フィールドプレート15b側の端部を延長した場合の耐圧結果は配線30を設けなかった場合の値である。
図11に示されるように、実測値からも、電極16を設けることによって耐圧が向上していることが理解できる。また、ゲート電極15aの第1フィールドプレート15b側の端部を、第1フィールドプレート15bに近づけるにつれて耐圧が低下していることが理解できる。
実施の形態2.
図12は本発明の実施の形態2に係る半導体装置の構造を模式的に示す平面図であって、図13〜15は図12中の矢視D−D〜F−Fにおける断面図をそれぞれ示している。本実施の形態2に係る半導体装置は、上述の実施の形態1に係る半導体装置において、電極16をMOSトランジスタ102のゲート電極15aに電気的に接続したものである。
なお図12では、第2フィールドプレート20aの切断箇所29付近を拡大して示しており、図面の煩雑さを避けるために、図13〜15での絶縁膜21,23の記載を省略している。また図12では、平面視上において表れないものについては破線で示している。
図12〜15に示されるように、電極16は、絶縁膜21内にそれを貫通するように設けられた複数のコンタクトプラグ26によって第2フィールドプレート20aと電気的に接続されている。そして、第2フィールドプレート20aは、コンタクトプラグ22aによってゲート電極15aと電気的に接続されている。従って、電極16は、ゲート電極15aと電気的に接続されるようになる。
複数のコンタクトプラグ26は、互いに離れて配置されており、第2フィールドプレート20aに沿って延在している。そして、コンタクトプラグ26は、配線30の下方では配置されていない。従って、コンタクトプラグ26は、第2フィールドプレート20aと同様にn+不純物領域12をほぼ取り囲むように配置されている。その他の構造については実施の形態1と同様であるためその説明は省略する。
このように、本実施の形態2に係る半導体装置では、電極16がゲート電極15aと電気的に接続されている。そして、通常ゲート電極15aには接地電位あるいは数十Vの低電位が印加されることから、当該電極16の電位は安定するようになる。
上述の実施の形態1に係る電極16は、周囲から絶縁されたフローティング電極であるため、その電位が安定せずに、半導体装置の動作状態によってはn-半導体層2の上面付近に電界集中を引き起こすことがあった。
しかしながら、本実施の形態2に係る半導体装置では、電極16の電位が安定するため、半導体装置の動作状態に基づく電界集中の発生を抑制することができる。
なお、図13中の等電位線90が示すように、電極16をゲート電極15aに電気的に接続することによって、第2フィールドプレート20aが切断されている部分での電位分布は実施の形態1から変化する。しかしながら、電極16はゲート電極15a及び第1フィールドプレート15bと離れて配置されていることから、ゲート電極15aと電極16との間、及び電極16と第1フィールドプレート15bとの間に等電位面を形成することができるため、電極16が無い従来の半導体装置よりも、第2フィールドプレート20aが切断されている部分での電界集中を緩和できる。
同様に、第2フィールドプレート20aが形成されている部分では、図14,15中の等電位線90が示すように、電極16をゲート電極15aに電気的に接続することによって電位分布が実施の形態1から変化する。しかしながら、第2フィールドプレート20aと電極16とを接続するコンタクトプラグ26は互いに離れて設けられていることから、コンタクトプラグ26間に等電位面を形成することができるため、電極16をゲート電極15aに電気的に接続したとしても、第2フィールドプレート20aが形成されている部分での電界集中は発生しない。
実施の形態3.
図16は本発明の実施の形態3に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。上述の実施の形態1に係る半導体装置は、低電位の信号を高電位にシフトするレベルシフト回路を備えていたが、本実施の形態3に係る半導体装置は、高電位の信号を低電位にシフトするレベルシフト回路を備えている。
本実施の形態3に係る半導体装置は、実施の形態1に係る半導体装置と同様にRESURF効果を利用して高耐圧を実現しているHVICであって、図16に示されるように、上述の低電位ロジック回路100及び高電位ロジック回路101と、pチャネル形のMOSトランジスタ105と、抵抗106とを備えている。
MOSトランジスタ105と抵抗106とは、高電位ロジック回路101から出力される高電位の信号を低電位にレベルシフトして低電位ロジック回路100に入力する。MOSトランジスタ105のゲートは高電位ロジック回路101に接続されており、そのソースには電位VHが印加される。また、MOSトランジスタ105のドレインには低電位ロジック回路100及び抵抗106の一端が接続されており、当該抵抗106の他端には接地電位が印加される。
以上のような構成を成す本実施の形態3に係る半導体装置では、高電位ロジック回路101がHighレベル信号を出力している場合には、MOSトランジスタ105はオフ状態となり、低電位ロジック回路100には接地電位のLowレベル信号が入力される。そして、高電位ロジック回路101からパルス状のLowレベル信号が出力されると、MOSトランジスタ105がオン状態となり抵抗106に電流が流れる。そうすると、抵抗106の両端に電位差が発生し、低電位ロジック回路100に入力される信号のレベルが変化する。これにより、高電位ロジック回路101から出力される高電位のパルス信号が、それとは極性が異なる低電位のパルス信号に変換されて低電位ロジック回路100に入力される。従って、低電位ロジック回路100は、高電位ロジック回路101から出力される信号に基づいて動作することができる。
次に、本実施の形態3に係る半導体装置の構造について説明する。図17は本実施の形態3に係る半導体装置の構造を模式的に示す平面図であって、図18〜20は図17中の矢視G−G〜I−Iにおける断面図をそれぞれ示している。なお、図17では図面の煩雑さを避けるために、図18〜20での絶縁膜23の記載を省略し、更に絶縁膜21上に形成されているもののうちフィールドプレート120a,60dのみを記載している。
図17〜20に示されるように、本実施の形態3に係る半導体装置では、実施の形態1に係る半導体装置と同様に、p-半導体基板1上にn-半導体層2が形成されている。n-半導体層2には、その上面からp-半導体基板1との界面にかけてp不純物領域3が形成されている。p不純物領域3は、実施の形態1と同様に、n-半導体層2の一部を取り囲むように形成されており、n-半導体層2内に高電位ロジック回路101が配置される高電位島領域201を区分している。
高電位島領域201内のn-半導体層2とp-半導体基板1との界面にはn+埋め込み不純物領域51が選択的に形成されている。本実施の形態3に係るn+埋め込み不純物領域51は、高電位島領域201内のn-半導体層2の周端部とp-半導体基板1との界面には形成されておらず、更に、図19に示されるように、高電位島領域201内のn-半導体層2とp-半導体基板1との界面の一部180を取り囲むように形成されている。そして、n+埋め込み不純物領域51の上方ではn-半導体層2に高電位ロジック回路101が形成されている。
高電位島領域201内のn-半導体層2の上面内にはn+不純物領域52が形成されている。本実施の形態3に係るn+不純物領域52は、n+埋め込み不純物領域51の上方において、高電位ロジック回路101が形成されている部分を避けて形成されており、高電位ロジック回路101を平面視上で取り囲んでいる。従って、n+不純物領域52は、p不純物領域3と高電位ロジック回路101との間のn-半導体層2に部分的に形成されている。
また、n+不純物領域52は、n+埋め込み不純物領域51で取り囲まれた上記界面の一部180を平面視上で取り囲むように形成されており、これによって、高電位島領域201内のn-半導体層2にMOSトランジスタ105が形成されるpMOS領域205を区分している。
図18,20に示されるように、n+不純物領域52とp不純物領域3との間のn-半導体層2の上面上には分離絶縁膜17が形成されており、当該分離絶縁膜17上には第1フィールドプレート55a〜55eが形成されている。なお、第1フィールドプレート55a〜55eの構造については実施の形態1と同様であるため、その説明は省略する。
第1フィールドプレート55a〜55eのうちn+不純物領域52に最も近い第1フィールドプレート55eと、その隣りに位置する第1フィールドプレート55dとの間の間隙には電極156が配置されている。電極156は、分離絶縁膜17上に第1フィールドプレート55d,55eと離れて設けられており、平面視上で高電位ロジック回路101を取り囲んでいる。
電極156はフィールドプレートとして機能し、第1フィールドプレート55a〜55e及び電極156は相互に静電結合するとともに、n-半導体層2上面とも静電結合することによりn-半導体層2の上面での電界集中を緩和する機能を有する。
図19に示されるように、pMOS領域205内のn-半導体層2の上面から、n+埋め込み不純物領域51に取り囲まれてた上記界面の一部180の中央部にかけて、n-半導体層2内部にp不純物領域133が形成されている。p不純物領域133とn+不純物領域52との間のn-半導体層2の上面内には、MOSトランジスタ105のドレイン電極124と電気的に接続されたp+不純物領域112がp不純物領域133と離れて形成されている。そして、p+不純物領域112は平面視上でp不純物領域133を取り囲むように形成されている。
p+不純物領域112とn+不純物領域52との間のn-半導体層2の上面内には、p不純物領域112と接続されてp-不純物領域113が形成されており、当該p-不純物領域113は平面視上でp不純物領域133を取り囲んでいる。そして、n+埋め込み不純物領域51の上方であって、p-不純物領域113とn+不純物領域52との間のn-半導体層2の上面内には、p-不純物領域113と所定距離を成してMOSトランジスタ105のソース領域114が形成されている。ソース領域114はn+不純物領域52と接続されており、p不純物領域133を平面視上で取り囲んでいる。なお、ソース領域114はp+不純物領域である。
ドレイン電極124と電気的に接続されたp+不純物領域112とソース領域114との間のn-半導体層2の上面上には分離絶縁膜17が形成されている。具体的には、n-半導体層2の上面内に形成されたp-不純物領域113の上面上に分離絶縁膜17が形成されている。この分離絶縁膜17上には、MOSトランジスタ105のゲート電極115aと第1フィールドプレート115b〜115dとが形成されている。
ゲート電極115aと第1フィールドプレート115b〜115eは、n+不純物領域52からp+不純物領域112に向かう方向に沿って互いに離れて順に配置されており、平面視上でp不純物領域133を取り囲むように形成されている。
ゲート電極115aは、分離絶縁膜17からソース領域114の方へも延びており、ソース領域114とp-不純物領域113とで挟まれたn-半導体層2の上面を接触することなく覆っている。なお、ゲート電極115aが覆っている、ソース領域114とp-不純物領域113とで挟まれたn-半導体層2の上面上にはゲート絶縁膜が存在するが、図面においては当該ゲート絶縁膜を絶縁膜21に含めて記載している。
ゲート電極115a及び第1フィールドプレート115b〜115eのうち、n+不純物領域52に最も近いゲート電極115aと、その隣りに位置する第1フィールドプレート15bとの間の間隙には電極116が配置されている。電極116は、分離絶縁膜17上にゲート電極115a及び第1フィールドプレート115bと離れて設けられており、平面視上でp不純物領域133を取り囲んでいる。
ゲート電極115a及び電極116はフィールドプレートして機能し、ゲート電極115a、第1フィールドプレート115b〜115e及び電極116は相互に静電結合するとともに、n-半導体層2上面と静電結合することにより、ドレイン電極124に電気的に接続されたp+不純物領域112とソース領域114との間の電位差に基づくn-半導体層2の上面での電界集中を緩和する機能を果たす。なお、ゲート電極115aはフィールドプレートしても機能することから、以後当該ゲート電極115aを「第1フィールドプレート115a」と呼ぶことがある。
高電位島領域201以外におけるn-半導体層2には、低電位ロジック回路100と、抵抗106として機能するp+不純物領域(図示せず)とが形成されており、この低電位ロジック回路100等が形成されているn-半導体層2と、高電位島領域201におけるn-半導体層2とはp不純物領域3で区分されている。
n-半導体層2及び分離絶縁膜17上には、第1フィールドプレート55a〜55e,115a〜115e及び電極116,156を覆って絶縁膜21が形成されている。そして、電極119とMOSトランジスタ105のソース電極118とが絶縁膜21内にそれを貫通して設けられており、ソース電極118はn+不純物領域52及びソース領域114に接触し、電極119はp+不純物領域112と接触している。ソース電極118及び電極119は平面視上でp不純物領域133を取り囲むように形成されている。
絶縁膜21上には、第2フィールドプレート60a〜60d,120a〜120dが形成されている。第2フィールドプレート60a〜60dは、第1フィールドプレート55a〜55eの上方に設けられており、p不純物領域3からn+不純物領域52に向かう方向に沿って互いに離れて順に配置されている。そして、第2フィールドプレート60a〜60dは、実施の形態1と同様に、それぞれ第1フィールドプレート55a〜55e間の間隙の上方に配置されている。そして、各第2フィールドプレート60a〜60dは、その下方に位置する互いに隣り合う2つの第1フィールドプレートの端部と平面視上で重なるように形成されている。
第2フィールドプレート60a〜60dのうち第2フィールドプレート60a〜60cは平面視上で高電位ロジック回路101を完全に取り囲んでいる。そして、残りの第2フィールドプレート60dは、図17に示されるように、配線130の下方において切断箇所69dを有しており、当該切断箇所69d以外において平面視上で高電位ロジック回路101をほぼ取り囲んでいる。
第2フィールドプレート120a〜120dは、フィールドプレート115a〜115eの上方に設けられており、n+不純物領域52からp+不純物領域112に向かう方向に沿って互いに離れて順に配置されている。そして、第2フィールドプレート120a〜120dは、それぞれ第1フィールドプレート115a〜115e間の間隙の上方に配置されている。つまり、第1フィールドプレート115a〜115eにおける任意の互いに隣り合う2つの第1フィールドプレート間の間隙の上方には、第2フィールドプレート120a〜120dのいずれか一つが配置されている。そして、各第2フィールドプレート120a〜120dは、その下方に位置する互いに隣り合う2つの第1フィールドプレートの端部と平面視上で重なるように形成されている。
第2フィールドプレート120a〜120dのうち第2フィールドプレート120b〜120dは平面視上でp不純物領域133を完全に取り囲んでいる。そして、残りの第2フィールドプレート120aは、図17に示されるように、配線130の下方において切断箇所129を有しており、当該切断箇所129以外において平面視上でp不純物領域133をほぼ取り囲んでいる。また、第2フィールドプレート120dは電極119と接続されている。
ゲート電極115aと第2フィールドプレート120aとは、絶縁膜21内それを貫通して設けられたコンタクトプラグ122aで電気的に接続されており、第1フィールドプレート115eと第2フィールドプレート120dとは、絶縁膜21内にそれを貫通して設けられたコンタクトプラグ122dで電気的に接続されている。また、第1フィールドプレート55aと第2フィールドプレート60aとは、絶縁膜21内にそれを貫通して設けられたコンタクトプラグ62aで電気的に接続されており、第1フィールドプレート55eと第2フィールドプレート60dとは、絶縁膜21内それを貫通して設けられたコンタクトプラグ62dで電気的に接続されている。
コンタクトプラグ122a,122dは、それぞれ第2フィールドプレート120a,120dに沿って延在しており、配線130の下方では存在しない。従って、コンタクトプラグ122a,122dは第2フィールドプレート120aと同様にp不純物領域133をほぼ取り囲むことになる。また、コンタクトプラグ62a,62dは、実施の形態1と同様に、それぞれ第2フィールドプレート60a,60dに沿って延在しており、配線30の下方では存在しない。
なお、第1フィールドプレート55b〜55d,115b〜115d及び第2フィールドプレート60b,60c,120b,120cは、周囲から絶縁されたフローティング電極である。また、第1フィールドプレート155a及び第2フィールドプレート120aは互いに接続されているという状況以外には周囲から絶縁されており、フローティング電極である。また、第1フィールドプレート55a及び第2フィールドプレート60a、あるいは第1フィールドプレート55e及び第2フィールドプレート60dは、実施の形態1と同様に、互いに接続されているという状況以外には周囲から絶縁されておりフローティング電極である。
絶縁膜21上には、ソース電極118、電極119及び第2フィールドプレート60a〜60d,120a〜120dを覆って絶縁膜23が形成されている。そして、MOSトランジスタ105のドレイン電極124が、絶縁膜23内にそれを貫通して電極119に接触するように設けられている。このようにして、p+不純物領域112とMOSトランジスタ105のドレイン電極124とが電気的に接続される。
絶縁膜23上には、ドレイン電極124と低電位ロジック回路100とを電気的に接続する配線130が形成されており、これにより図16に示されるようにMOSトランジスタ105のドレインと低電位ロジック回路100とが接続される。ドレイン電極124から出発した配線130は、第1フィールドプレート115a〜115e及び第2フィールドプレート120b〜120dの上方を通り、そして第1フィールドプレート55a〜55e及び第2フィールドプレート60a〜60cの上方を通り、高電位島領域201を区分するp不純物領域3の上方を通って低電位ロジック回路100に達している。
絶縁膜23上には、第2フィールドプレート120aと高電位ロジック回路101とを電気的に接続する配線131も設けられている。配線131と第2フィールドプレート120aとは、絶縁膜23を貫通する図示しないコンタクトプラグで電気的に接続されている。これにより、高電位ロジック回路101から信号が第2フィールドプレート120aを介してMOSトランジスタ105のゲート電極115aに与えられる。また絶縁膜23上には、抵抗106として機能するp+不純物領域と、配線130とを電気的に接続する図示しない配線も設けられており、当該配線は、絶縁膜21,23を貫通する、抵抗106として機能するp+不純物領域と接触して設けられた電極と接続される。
なお、ゲート電極115a、第1フィールドプレート115b〜115e及び電極116,156は例えばポリシリコンから成り、第2フィールドプレート120a〜120d及び配線130,131は例えばアルミニウムから成る。
以上のような構造を成す本実施の形態3に係る半導体装置においては、MOSトランジスタ105のソース電極118に電位VHが印加され、抵抗106として機能するp+不純物領域の端部に接地電位が印加される。従って、高電位ロジック回路101から数百VのHighレベル信号が出力されると、MOSトランジスタ105がオフ状態となり、抵抗106として機能するp+不純物領域には電流が流れないことから、配線130には接地電位が印加される。
そして、高電位ロジック回路101からパルス状のLowレベルの信号が出力されると、配線131、第2フィールドプレート120a及びコンタクトプラグ122aを介して当該信号がゲート電極115aに印加される。これにより、MOSトランジスタ105がオン状態となり、抵抗106として機能するp+不純物領域に電流が流れて、当該p+不純物領域の低電位ロジック回路100側の端部電位が数十Vまで上昇する。この結果、高電位ロジック回路101から出力された高電位の信号が低電位にレベルシフトして低電位ロジック回路100に入力される。
なお、オン状態のMOSトランジスタ105では、ソース電極118から、ソース領域114、n-半導体層2、p-不純物領域113、p+不純物領域112、及び電極119を順に通って、ドレイン電極124に電流が流れる。また、MOSトランジスタ105においては、p-不純物領域113が抵抗として機能するため、ドレイン電極124の電位は数十Vまでしか上昇しない。従って、配線130の電位は数十Vまでの低電位となる。
本実施の形態3に係る半導体装置では、p不純物領域3,133、p-不純物領域113及びp-半導体基板1には接地電位が印加され、高電位島領域201におけるn-半導体層2、n+埋め込み不純物領域51及びn+不純物領域52には電位VHが印加される。これにより、実施の形態1と同様に、RESURF効果によって、p不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2にその上面まで空乏層が形成される。この結果、高電位ロジック回路101が空乏層で取り囲まれるようになり、高耐圧の高電位ロジック回路101が得られる。
また、上述のようにp不純物領域133及びp-不純物領域113には接地電位が印加され、n-半導体層2には電位VHが印加されることから、RESURF効果によって、p不純物領域133とn+不純物領域52との間のn-半導体層2及びp-不純物領域113にそれらの上面まで空乏層が形成される。従って、n-半導体層2におけるMOSトランジスタ105が形成されているpMOS領域205の大部分に空乏層が形成される。その結果、高耐圧のMOSトランジスタ105を得ることができる。なお、図17において斜線で示されるRESURF分離領域300,302は本半導体装置において空乏層が形成される領域の概略を示している。
本実施の形態3に係る半導体装置で、上述のように配線130に低電位が印加される。従って、本実施の形態3とは異なり第1フィールドプレート55a〜55e及び第2フィールドプレート60a〜60dが存在しないと、配線130の電位によって、p不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2において空乏層の伸びが促進され、n+不純物領域52付近のn-半導体層2の上面で電界集中を生じる恐れがある。
しかしながら、本実施の形態3では、第2フィールドプレート60a〜60dと、その下方に位置する第1フィールドプレート55a〜55eとが静電結合することにより、配線130の電位に基づくn-半導体層2の上面付近での電界集中を緩和することができる。
同様に、本実施の形態3では、第2フィールドプレート120a〜120dと、その下方に位置する第1フィールドプレート115a〜115eとが静電結合することにより、配線130の電位に基づくn-半導体層2の上面付近での電界集中を緩和することができる。
また、本実施の形態3では、p不純物領域3及びn+不純物領域52には、それぞれ接地電位及び電位VHが印加されるため、実施の形態1で説明したように、第1フィールドプレート55a及び第2フィールドプレート60aの電位は接地電位に近い値となり、第1フィールドプレート55e及び第2フィールドプレート60dの電位は電位VHに近い値となる。従って、第1フィールドプレート55a〜55e及び第2フィールドプレート60a〜60dの電位は、それらの間の静電結合により、p不純物領域3からn不純物領域52に近づくにつれて、接地電位付近の低電位から数百Vもの高電位まで変化する。
また、本実施の形態3では、p+不純物領域112には数十Vまでの低電位が印加されるため、当該n+不純物領域112と電気的に接続された第1フィールドプレート115e及び第2フィールドプレート120dの電位は数十Vまでの低電位となる。また、ゲート電極115aには数百Vもの高電位が印加されるため、それに電気的に接続された第2フィールドプレート120aの電位も数百Vもの高電位となる。従って、第1フィールドプレート115a〜115e及び第2フィールドプレート120a〜120dの電位は、それらの間の静電結合により、n+不純物領域52からp+不純物領域112に近づくにつれて、数百Vの高電位から数十Vの低電位まで変化する。
なお、第2フィールドプレート120aが本実施の形態1と異なりゲート電極115aと電気的に接続されていない場合であっても、それらの間の静電結合により、第2フィールドプレート120aの電位は高電位となる。また、第2フィールドプレート120dが電極119と接続されていない場合であっても、p+不純物領域112に最も近い第1フィールドプレート115eがp+不純物領域112の電位の影響を受けて低電位となり、第2フィールドプレート120dは当該第1フィールドプレート115eと静電結合することにより低電位となる。
このように、本実施の形態3では、第2フィールドプレート60d,120aの電位が高電位となるため、数十Vまでの低電位が印加される配線130と第2フィールドプレート60d,120aとの間に大きな電位差を生じる。従って、本実施の形態3とは異なり第2フィールドプレート60d,120aが切断箇所69d,129を有していない場合には、配線130と第2フィールドプレート60d,120aとに挟まれる絶縁膜23が絶縁破壊することがある。本実施の形態3では、切断箇所69d,129を設けることによって、配線130の下方においてフィールドプレート60d,120aを設けていないため、配線130と、第2フィールドプレート60d,120aとの間の電位差に起因する絶縁膜23の絶縁破壊を防止することができる。
また、本実施の形態3に係る半導体装置では、絶縁膜23の絶縁破壊を防止するために設けた第2フィールドプレート120aの切断箇所129の下方においては、第1フィールドプレート115a,115b間の間隙にそれらと離れて電極116を設けている。これにより、当該電極116を設けていない場合よりも、低電位が印加される配線130の電位に基づくn-半導体層2上面付近での電界集中が緩和され、本実施の形態3に係る半導体装置の耐圧を向上することができる。
同様に、第2フィールドプレート60dの切断箇所69dの下方においては、第1フィールドプレート55d,55e間の間隙にそれらと離れて電極156を設けているため、当該電極156を設けていない場合よりも、配線130の電位に基づくn-半導体層2上面付近での電界集中が緩和され、本実施の形態3に係る半導体装置の耐圧を向上することができる。
図21,22は本実施の形態3に係る半導体装置での電位分布を示す図であって、図23は本実施の形態3に係る半導体装置において電極156を設けなかった場合の電位分布を示す図である。図21,23は第2フィールドプレート60dが切断されている部分での電位分布を示しており、図22は第2フィールドプレート60dが切断されていない部分での電位分布を示している。
図23に示されるように、電極156を設けなかった場合には、配線130の下方において第2フィールドプレート60dを切断しているため、第1フィールドプレート55d,55e間のn-半導体層2の上面付近の電位分布が配線130の電位の影響を受け、第1フィールドプレート55eの第1フィールドプレート55d側の端部付近において等電位線90が密集する。従って、図23に示されるように、第1フィールドプレート55eの第1フィールドプレート55d側の端部近くのn-半導体層2の上面付近には電界集中部分95cが形成される。これにより、半導体装置の耐圧が低下する。
一方、図21に示されるように、電極156を設けた場合には、電極156の静電遮蔽効果により、配線130の電位がn-半導体層2上面付近の電位分布に与える影響を低減でき、空乏層の伸びを抑制することができる。更に電極156が、第1フィールドプレート55d,e及びn-半導体層2上面と静電結合することから、第1フィールドプレート55dと電極156との間、及び電極156と第1フィールドプレート55eとの間に等電位面を形成することができる。従って、第1フィールドプレート55d,55e間での等電位線90が疎となる。そのため、第1フィールドプレート55d,55e間のn-半導体層2の上面付近での電界集中を緩和でき、第2フィールドプレート60dに切断箇所69dを設けたことによる半導体装置の耐圧低下を抑制することができる。その結果、所望の耐圧を有する半導体装置を容易に実現することができる。
また上述のように、電極156が、第1フィールドプレート55d,55e及びn-半導体層2上面と静電結合するため、当該電極156の電位は、第1フィールドプレート55dの電位と第1フィールドプレート55eの電位との中間電位にバイアスされる。従って、図22に示されるように、第2フィールドプレート60dが切断されていない部分では、電極156を設けたとしても電位分布が歪むことなく電界集中は生じない。
なお、pMOS領域205におけるn-半導体層2においても、電極116を形成することによって、同様の理由から電極116を設けない場合よりも電界集中を緩和でき、半導体装置の耐圧低下を抑制することができる。
本実施の形態3では、電極116として周囲から絶縁されたフローティング電極を採用したが、上述の実施の形態2と同様に、電極116をゲート電極115aと電気的に接続しても良い。図24は、この場合の本実施の形態3に係る半導体装置の断面図を示しており、電極116が配置されている部分を拡大して示している。
図24に示されるように、電極116と第2フィールドプレート120aとを、絶縁膜21内にそれを貫通して設けられたコンタクトプラグ126で電気的に接続する。これにより、電極116とゲート電極115aとが電気的に接続される。従って、電極116の電位が安定し、実施の形態2と同様に、半導体装置の動作状態に基づく電界集中の発生を抑制することができる。
なお、コンタクトプラグ126は複数設けられており、当該複数のコンタクトプラグ126は互いに離れて配置されている。そして、実施の形態2に係るコンタクトプラグ26と同様に、複数のコンタクトプラグ126は、第2フィールドプレート120aに沿って延在し、配線130の下方では配置されていない。
実施の形態4.
図25は本発明の実施の形態4に係る半導体装置の構造を示す平面図である。また、図26(a),26(b)は図25中の矢視J−J〜K−Kにおける断面図をそれぞれ示しており、図26(a)は配線30が形成されていない部分の断面図であり、図26(b)は配線30が形成されている部分の断面図である。本実施の形態4に係る半導体装置は、実施の形態1に係る半導体装置において、電極16,56を設けずに、第1フィールドプレート15b〜15e,55b〜55e及び第2フィールドプレート20b〜20d,60b〜60dの形状を変形することによって高耐圧化を実現したものである。
なお図25では、第2フィールドプレート60aの切断箇所69a付近を拡大して示しており、図面の煩雑さを避けるために、図26での絶縁膜21,23の記載を省略している。
図25,26に示されるように、本実施の形態4に係る第1フィールドプレート55b〜55dでは、配線30の下方に位置する部分をそれ以外に位置する部分よりも、プレート幅をほぼ一定に維持してp不純物領域3側にシフトさせている。従って、第1フィールドプレート55b〜55dでは、配線30の下方に位置する部分の両端部がそれ以外に位置する部分の両端部よりもp不純物領域3側にシフトしている。言い換えれば、第1フィールドプレート55b〜55dでは、配線30の下方に位置する部分の両端のそれぞれと、第1フィールドプレート55aの第1フィールドプレート55b側の一端との距離が、それ以外に位置する部分での当該距離よりも小さく設定されている。
本実施の形態4に係る第1フィールドプレート55eでは、配線の下方に位置する部分のp不純物領域3側の端部が、それ以外に位置する部分の当該端部よりも、p不純物領域3側にシフトしている。言い換えれば、第1フィールドプレート55eでは、配線30の下方に位置する部分のp不純物領域3側の一端と、第1フィールドプレート55aの第1フィールドプレート55b側の一端との距離が、それ以外に位置する部分での当該距離よりも小さく設定されている。
また、本実施の形態4に係る第2フィールドプレート60b,60cでは、配線30の下方に位置する部分をそれ以外に位置する部分よりも、プレート幅をほぼ一定に維持してp不純物領域3側にシフトさせている。従って、第2フィールドプレート60b,60cでは、配線30の下方に位置する部分の両端部がそれ以外に位置する部分の両端部よりもp不純物領域3側にシフトしている。言い換えれば、第2フィールドプレート60b,60cでは、配線30の下方に位置する部分の両端のそれぞれと、第1フィールドプレート55aの第1フィールドプレート55b側の一端との距離が、それ以外に位置する部分での当該距離よりも小さく設定されている。
本実施の形態4に係る第2フィールドプレート60dでは、配線の下方に位置する部分のp不純物領域3側の端部が、それ以外に位置する部分の当該端部よりも、p不純物領域3側にシフトしている。言い換えれば、第2フィールドプレート60dでは、配線30の下方に位置する部分のp不純物領域3側の一端と、第1フィールドプレート55aの第1フィールドプレート55b側の一端との距離が、それ以外に位置する部分での当該距離よりも小さく設定されている。
また、図27に示されるように、本実施の形態4に係る第1フィールドプレート15b〜15dでは、配線30の下方に位置する部分をそれ以外に位置する部分よりも、プレート幅をほぼ一定に維持してゲート電極15a側にシフトさせている。従って、第1フィールドプレート15b〜15dでは、配線30の下方に位置する部分の両端部がそれ以外に位置する部分の両端部よりもゲート電極15a側にシフトしている。そして、本実施の形態4に係る第1フィールドプレート15eでは、配線の下方に位置する部分のゲート電極15a側の端部が、それ以外に位置する部分の当該端部よりも、ゲート電極15a側にシフトしている。
また、本実施の形態4に係る第2フィールドプレート20b,20cでは、配線30の下方に位置する部分をそれ以外に位置する部分よりも、プレート幅をほぼ一定に維持してゲート電極15a側にシフトさせている。従って、第2フィールドプレート20b,20cでは、配線30の下方に位置する部分の両端部がそれ以外に位置する部分の両端部よりもゲート電極15a側にシフトしている。そして、本実施の形態4に係る第2フィールドプレート20dでは、配線の下方に位置する部分のゲート電極15a側の端部が、それ以外に位置する部分の当該端部よりも、ゲート電極15a側にシフトしている。その他の構造については実施の形態1と同様であるためその説明は省略する。
なお図27(a)は、図2中の矢視B−Bに相当する位置での断面図の約左半分の構造を示している。また、図27(b)は、位置に関しては図2中の矢視A−Aに相当する位置であって、断面を見る方向については矢視A−Aとは反対側から見た際の断面図のnMOS領域202での断面構造を示している。
本実施の形態4では、配線30の下方において、ゲート電極15aのn+不純物領域12側の一端と第1フィールドプレート15b〜15d及び第2フィールドプレート20b,20cの両端との間の距離と、それ以外における当該距離との差は相互に同一である。そして、これらの距離の差と、配線30の下方における、ゲート電極15aのn+不純物領域12側の一端と第1フィールドプレート15e及び第2フィールドプレート20dのゲート電極15a側の一端との間の距離とそれ以外における当該距離との差とは、相互に同じである。
また、配線30の下方において、第1フィールドプレート55aのn+不純物領域52側の一端と第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b,60cの両端との間の距離と、それ以外における当該距離との差は相互に同一である。そして、これらの距離の差と、配線30の下方における、第1フィールドプレート55aのn+不純物領域52側の一端と第1フィールドプレート55e及び第2フィールドプレート60dのp不純物領域3側の一端との間の距離とそれ以外における当該距離との差とは、相互に同じである。
このように、本実施の形態4では、第1フィールドプレート15b〜15e,55b〜55e及び第2フィールドプレート20b〜20d,60b〜60dでの配線30の下方に位置する部分の端部のシフト量は均一である。
以上のように、本実施の形態4に係る半導体装置では、第1フィールドプレート55bにおけるp不純物領域3側の端部が、配線30の下方において、p不純物領域3側に移動している。従って、配線30の下方においては、第1フィールドプレート55a,55b間の間隙が小さくなる。その結果、第1フィールドプレート55a,55b間の間隙の下方におけるn-半導体層2の上面は、低電位の第1フィールドプレート55bの電位の影響を受け易くなり、高電位の配線30の電位の影響が低減され、当該n-半導体層2では空乏層が伸びやすくなる。従って、第2フィールドプレート60aに切断箇所69aを設けたことによる電界集中が緩和され、その結果、所望の耐圧を有する半導体装置を容易に得ることができる。
図28,29は本実施の形態4に係る半導体装置での電位分布を示す図であって、図28は第2フィールドプレート60aが切断されていない部分での電位分布を示しており、図29は第2フィールドプレート60aが切断されている部分での電位分布を示している。図29に示されるように、本実施の形態4に係る半導体装置では、第1フィールドプレート55aの第1フィールドプレート55b側の端部近くのn-半導体層2の上面付近では電界集中部分が形成されておらず耐圧が向上する。
また、本実施の形態4では、第1フィールドプレート15bにおけるゲート電極15a側の端部が、配線30の下方において、ゲート電極15a側に移動している。従って、配線30の下方においては、ゲート電極15aと第1フィールドプレート15bとの間の間隙が小さくなる。その結果、ゲート電極15aと第1フィールドプレート15bとの間の間隙の下方におけるn-半導体層2の上面は、低電位の第1フィールドプレート15bの電位の影響を受け易くなり、高電位の配線30の電位の影響が低減され、当該n-半導体層2では空乏層が伸びやすくなる。従って、第2フィールドプレート20aに切断箇所29を設けたことによる電界集中が緩和され、その結果、所望の耐圧を有する半導体装置を容易に得ることができる。
また、本実施の形態4に係る半導体装置では、第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b,60cにおいて、配線30の下方に位置する部分の両端部が、それ以外に位置する部分の両端部よりもp不純物領域3側にシフトしている。従って、配線30の下方においては、第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b、60cのプレート幅、及びそれらの間での位置関係の変化を抑えつつ、第1フィールドプレート55bのp不純物領域3側の端部を第1フィールドプレート55aに近づけることができる。配線30の電位の影響は、第1フィールドプレート55a,55b間の間隙の下方のn-半導体層2上面だけではなく、第1フィールドプレート55b,55c間の間隙の下方や、第1フィールドプレート55c,55d間の間隙の下方のn-半導体層2上面にも少なからず影響を与えることから、第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b,60cのプレート幅や、それらの間での位置関係の変化を抑えることによって、上記間隙の下方のn-半導体層2上面付近での電界集中の発生を抑制できる。
同様に、本実施の形態4に係る半導体装置では、第1フィールドプレート15b〜15d及び第2フィールドプレート20b,20cにおいて、配線30の下方に位置する部分の両端部が、それ以外に位置する部分の両端部よりもゲート電極15a側にシフトしている。従って、第1フィールドプレート15b〜15d及び第2フィールドプレート20b,20cのプレート幅や、それらの間での位置関係の変化を抑えるができ、これによって、第1フィールドプレート15b,15c間の間隙の下方や、第1フィールドプレート15c,15d間の間隙の下方のn-半導体層2上面での電界集中の発生を抑制できる。
なお、図30に示されるように、上述の実施の形態3に係る半導体装置においても、第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b,60cで、配線130の下方に位置する部分の両端部をそれ以外に位置する部分の両端部よりもn+不純物領域52側にシフトしてもよい。そして、第1フィールドプレート55a及び第2フィールドプレート60aにおいて、配線130の下方に位置する部分のn+不純物領域52側の端部を、それ以外に位置する部分の当該端部よりもn+不純物領域52側にシフトしてもよい。
このように、上述の実施の形態3に係る半導体装置においても、配線130の下方で第1フィールドプレート55dのn+不純物領域52側の端部をn+不純物領域52側に移動させることによって、配線30の下方においては、第1フィールドプレート55d,55e間の間隙が小さくなる。その結果、第1フィールドプレート55d,55e間の間隙の下方におけるn-半導体層2の上面は、高電位の第1フィールドプレート55dの電位の影響を受け易くなり、低電位の配線130の電位の影響が低減され、当該n-半導体層2では空乏層が伸びが抑制される。従って、第2フィールドプレート60dに切断箇所69dを設けたことによる電界集中が緩和され、その結果、所望の耐圧を有する半導体装置を容易に得ることができる。
また、第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b,60cにおいて、配線30の下方に位置する部分の両端部を、それ以外に位置する部分の両端部よりもn+不純物領域52側にシフトしているため、第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b,60cのプレート幅や、それらの間での位置関係の変化を抑えることができ、これによって、第1フィールドプレート55b,55c間の間隙の下方や、第1フィールドプレート55c,55d間の間隙の下方での配線130の電位に基づくn-半導体層2上面での電界集中の発生を抑制できる。
また、図31に示されるように、上述の実施の形態3に係る半導体装置において、第1フィールドプレート115b〜115d及び第2フィールドプレート120b,120cで、配線130の下方に位置する部分の両端部をそれ以外に位置する部分の両端部よりもゲート電極115a側にシフトしてもよい。そして、第1フィールドプレート115e及び第2フィールドプレート120dにおいて、配線130の下方に位置する部分のゲート電極115a側の端部を、それ以外に位置する部分の当該端部よりもゲート電極115a側にシフトしてもよい。
このように、上述の実施の形態3に係る半導体装置において、配線130の下方で第1フィールドプレート115bのゲート電極115a側の端部をゲート電極115a側に移動させることによって、配線130の下方においては、ゲート電極115aと第1フィールドプレート115bとの間の間隙が小さくなる。その結果、ゲート電極115aと第1フィールドプレート115bとの間の間隙の下方におけるn-半導体層2の上面は、高電位の第1フィールドプレート115bの電位の影響を受け易くなり、低電位の配線130の電位の影響が低減され、当該n-半導体層2では空乏層が伸びが抑制される。従って、第2フィールドプレート120aに切断箇所129を設けたことによる電界集中が緩和され、その結果、所望の耐圧を有する半導体装置を容易に得ることができる。
また、第1フィールドプレート115b〜115d及び第2フィールドプレート120b,120cにおいて、配線130の下方に位置する部分の両端部を、それ以外に位置する部分の両端部よりもゲート電極115a側にシフトしているため、第1フィールドプレート115b〜115d及び第2フィールドプレート120b,120cのプレート幅や、それらの間での位置関係の変化を抑えることができ、これによって、第1フィールドプレート115b,115c間の間隙の下方や、第1フィールドプレート115c,115d間の間隙の下方での配線130の電位に基づくn-半導体層2上面での電界集中の発生を抑制できる。
なお図30(a)は、図17中の矢視I−Iに相当する位置での断面図を示しており、図30(b)は、図17中の矢視G−Gに相当する位置での断面図の約左半分の構造を示している。また図31(a)は、図17中の矢視H−Hに相当する位置での断面図の約右半分の構図を示しており、図31(b)は、位置に関しては図17中の矢視G−Gに相当する位置であって、断面を見る方向については矢視G−Gとは反対側から見た際の断面図のpMOS領域205での断面構造を示している。
実施の形態5.
図32,33は本発明の実施の形態5に係る半導体装置の構造を示す断面図である。本実施の形態5に係る半導体装置は、上述の実施の形態4に係る半導体装置において、第1フィールドプレート15b〜15e,55b〜55e及び第2フィールドプレート20b〜20d,60b〜60dでの配線30の下方に位置する部分の端部のシフト量を変化させたものである。
図32(a),32(b)は、それぞれ図25中の矢視J−J,K−Kに相当する位置での断面図である。図33(a)は図27(a)と同様に、図2中の矢視B−Bに相当する位置での断面図の約左半分の構造を示しており、図33(b)は図27(b)と同様に、位置に関しては図2中の矢視A−Aに相当する位置であって、断面を見る方向については矢視A−Aとは反対側から見た際の断面図のnMOS領域202での断面構造を示している。
なお、図32中の角度a1は、図32(a)の断面構造と、図32(b)の断面構造とを同一スケールで上下に並べて、両者の間で第1フィールドプレート55aのn+不純物領域52側の一端の位置を上下方向で揃えて図示した場合において、図32(a)の断面構造中の第2フィールドプレート60cのn+不純物領域52側の一端から、図32(b)の断面構造中の当該一端を見下ろした際の視線方向s1と、図32(a)の断面構造中の当該一端から真下を見下ろした際の視線方向s2とが成す角度である。同様に、角度a2,a4,a6,a8,a9は、それぞれ図32(a)の第1フィールドプレート55d、第2フィールドプレート60c、第1フィールドプレート55c、第2フィールドプレート60b及び第1フィールドプレート55bのp不純物領域3側の一端での視線方向s1と視線方向s2とが成す角度である。また、角度a3,a5,a7は、それぞれ図32(a)の第1フィールドプレート55c、第2フィールドプレート60b及び第1フィールドプレート55bのn+不純物領域52側の一端での視線方向s1と視線方向s2とが成す角度である。
また、図33中の角度b1は、図33(a)の断面構造と、図33(b)の断面構造とを同一スケールで上下に並べて、両者の間でゲート電極15aのn+不純物領域12側の一端の位置を上下方向で揃えて図示した場合において、図33(a)の断面構造中の第2フィールドプレート20cのn+不純物領域12側の一端から、図33(b)の断面構造中の当該一端を見下ろした際の視線方向s1と、図33(a)の断面構造中の当該一端から真下を見下ろした際の視線方向s2とが成す角度である。同様に、角度b2,b4,b6,b8,b9は、それぞれ図33(a)の第1フィールドプレート15d、第2フィールドプレート20c、第1フィールドプレート15c、第2フィールドプレート20b及び第1フィールドプレート15bのゲート電極15a側の一端での視線方向s1と視線方向s2とが成す角度である。また、角度b3,b5,b7は、それぞれ図33(a)の第1フィールドプレート15c、第2フィールドプレート20b及び第1フィールドプレート15bのn+不純物領域12側の一端での視線方向s1と視線方向s2とが成す角度である。
以上の説明から理解できるように、角度a1〜a9,b1〜b9は、それらの角度の基点となるフィールドプレートの一端の配線30下方でのシフト量の目安となる。従って、例えば、角度a1は、配線30の下方での第2フィールドプレート60cのn+不純物領域52側の端部のシフト量を示していると言える。
図32に示されるように、本実施の形態5に係る半導体装置では、角度a1〜a9はこの順で大きくなるように設定されている。従って、第2フィールドプレート60cのn+不純物領域52側の端部、第1フィールドプレート55dのp不純物領域3側の端部、第1フィールドプレート55cのn+不純物領域52側の端部、第2フィールドプレート60cのp不純物領域3側の端部、第2フィールドプレート60bのn+不純物領域52側の端部、第1フィールドプレート55cのp不純物領域3側の端部、第1フィールドプレート55bのn+不純物領域52側の端部、第2フィールドプレート60bのp不純物領域3側の端部、第1フィールドプレート55bのp不純物領域3側の端部の順で、配線30の下方ではシフト量が大きくなっている。なお、上述の実施の形態4では、第1フィールドプレート55e及び第2フィールドプレート60dのp不純物領域3側の端部を配線30の下方においてシフトしていたが、本実施の形態5ではそのシフト量を零に設定しているためシフトしていない。また、実施の形態4に係る第1フィールドプレート55dでは両端部をシフトさせていたが、本実施の形態5に係る第1フィールドプレート55dではp不純物領域3側の端部だけをシフトしている。
また図33に示されるように、本実施の形態5では、角度b1〜b9はこの順で大きくなるように設定されている。従って、第2フィールドプレート20cのn+不純物領域12側の端部、第1フィールドプレート15dのゲート電極15a側の端部、第1フィールドプレート15cのn+不純物領域12側の端部、第2フィールドプレート20cのゲート電極15a側の端部、第2フィールドプレート20bのn+不純物領域12側の端部、第1フィールドプレート15cのゲート電極15a側の端部、第1フィールドプレート15bのn+不純物領域12側の端部、第2フィールドプレート20bのゲート電極15a側の端部、第1フィールドプレート15bのゲート電極15a側の端部の順で、配線30の下方ではシフト量が大きくなっている。なお、上述の実施の形態4では、第1フィールドプレート15e及び第2フィールドプレート20dのゲート電極15a側の端部を配線30の下方においてシフトしていたが、本実施の形態5ではそのシフト量を零に設定しているためシフトしていない。また、実施の形態4に係る第1フィールドプレート15dでは両端部をシフトさせていたが、本実施の形態5に係る第1フィールドプレート15dではゲート電極15a側の端部だけをシフトしている。
以上のように、本実施の形態5では、第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b,60cでは、配線30の下方に位置する部分の端部のシフト量がp不純物領域3に近づくほど大きくなっている。つまり、配線30の下方でp不純物領域3側へのシフトを実行した、第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b,60cの端部では、n+不純物領域52に最も近い第2フィールドプレート60cのn+不純物領域52側の端部から、p不純物領域3に最も近い第1フィールドプレート55bのp不純物領域3側の端部に向かうについて順にシフト量が大きくなっている。高電位が印加される配線30の電位が、p不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2上面付近の電位分布に与える影響は、高電位のn+不純物領域52から低電位のp不純物領域3に向かうほど大きくなることから、上記のようにフィールドプレート端部のシフト量に対して重み付つけを行うことによって、p不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2での電界集中をより効果的に緩和することができる。
また、本実施の形態5では、第1フィールドプレート15b〜15d及び第2フィールドプレート20b,20cでは、配線30の下方に位置する部分の端部のシフト量がゲート電極15aに近づくほど大きくなっている。従って、上記理由から、p不純物領域3とn+不純物領域12との間のn-半導体層2での電界集中をより効果的に緩和することができる。
なお、上記実施の形態4で説明した実施の形態3に係る半導体装置の変形例において、配線130の下方における、第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b,60cの端部のシフト量を、高電位のn+不純物領域52に近づくほど大きくすることによって、p不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2での電界集中をより効果的に抑制することができる。また、配線130の下方における、第1フィールドプレート115b〜115d及び第2フィールドプレート120b,120cの端部のシフト量を、高電位のゲート電極115aに近づくほど大きくすることによって、p+不純物領域112とn+不純物領域52との間のn-半導体層2での電界集中をより効果的に抑制することができる。
図34,35はこの場合の実施の形態3に係る半導体装置の構造を示す断面図である。図34(a)は図30(a)と同様に、図17中の矢視I−Iに相当する位置での断面図を示しており、図34(b)は図30(b)と同様に、図17中の矢視G−Gに相当する位置での断面図の約左半分の構造を示している。また、図35(a)は図31(a)と同様に、図17中の矢視H−Hに相当する位置での断面図の約右半分の構図を示しており、図35(b)は図31(b)と同様に、位置に関しては図17中の矢視G−Gに相当する位置であって、断面を見る方向については矢視G−Gとは反対側から見た際の断面図のpMOS領域205での断面構造を示している。
図34中の角度c1は、図34(a)の断面構造と、図34(b)の断面構造とを同一スケールで上下に並べて、両者の間で第1フィールドプレート55eのp不純物領域3側の一端の位置を上下方向で揃えて図示した場合において、図34(a)の断面構造中の第2フィールドプレート60bのp不純物領域3側の一端から、図34(b)の断面構造中の当該一端を見下ろした際の視線方向s1と、図34(a)の断面構造中の当該一端から真下を見下ろした際の視線方向s2とが成す角度である。同様に、角度c2,c4,c6,c8,c9は、それぞれ図34(a)の第1フィールドプレート55b、第2フィールドプレート60b、第1フィールドプレート55c、第2フィールドプレート60c及び第1フィールドプレート55dのn+不純物領域52側の一端での視線方向s1と視線方向s2とが成す角度である。また、角度c3,c5,c7は、それぞれ図34(a)の第1フィールドプレート55c、第2フィールドプレート60c及び第1フィールドプレート55dのp不純物領域3側の一端での視線方向s1と視線方向s2とが成す角度である。
また、図35中の角度d1は、図35(a)の断面構造と、図35(b)の断面構造とを同一スケールで上下に並べて、両者の間でゲート電極115aのp+不純物領域112側の一端の位置を上下方向で揃えて図示した場合において、図35(a)の断面構造中の第2フィールドプレート120cのp+不純物領域112側の一端から、図35(b)の断面構造中の当該一端を見下ろした際の視線方向s1と、図35(a)の断面構造中の当該一端から真下を見下ろした際の視線方向s2とが成す角度である。同様に、角度d2,d4,d6,d8,d9は、それぞれ図35(a)の第1フィールドプレート115d、第2フィールドプレート120c、第1フィールドプレート115c、第2フィールドプレート120b及び第1フィールドプレート115bのゲート電極115a側の一端での視線方向s1と視線方向s2とが成す角度である。また、角度d3,d5,d7は、それぞれ図35(a)の第1フィールドプレート115c、第2フィールドプレート120b及び第1フィールドプレート115bのp+不純物領域112側の一端での視線方向s1と視線方向s2とが成す角度である。
以上の説明から理解できるように、角度c1〜c9,d1〜d9は、それらの角度の基点となるフィールドプレートの一端の配線130下方でのシフト量の目安となる。従って、例えば、角度c1は、配線130の下方での第2フィールドプレート60bのp不純物領域3側の端部のシフト量を示していると言える。
図34,35に示される実施の形態3に係る半導体装置の変形例では、角度c1〜c9はこの順で大きくなるように設定されており、角度d1〜d9もこの順で大きくなるように設定されている。従って、第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b,60cでは、配線130の下方に位置する部分の端部のシフト量がn+不純物領域52に近づくほど大きくなっている。つまり、配線130の下方でn+不純物領域52側へのシフトを実行した、第1フィールドプレート55b〜55d及び第2フィールドプレート60b,60cの端部では、p不純物領域3に最も近い第2フィールドプレート60bのp不純物領域3側の端部から、n+不純物領域52に最も近い第1フィールドプレート55dのn+不純物領域52側の端部に向かうについて順にシフト量が大きくなっている。低電位が印加される配線130の電位が、p不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2上面付近の電位分布に与える影響は、低電位のp不純物領域3から高電位のn+不純物領域52に向かうほど大きくなることから、上記のようにフィールドプレート端部のシフト量に対して重み付つけを行うことによって、p不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2での電界集中をより効果的に緩和することができる。
また、角度d1〜d9がこの順で大きくなるように設定されていることから、第1フィールドプレート115b〜115d及び第2フィールドプレート120b,120cでは、配線130の下方に位置する部分の端部のシフト量がゲート電極115aに近づくほど大きくなっている。従って、上記理由から、低電位のp+不純物領域112と高電位のn+不純物領域52との間のn-半導体層2での電界集中をより効果的に緩和することができる。
実施の形態6.
図36は本発明の実施の形態6に係る半導体装置の構造を示す断面図である。本実施の形態6に係る半導体装置は、上述の実施の形態1に係る半導体装置において、電極16,56を形成せずに、エピタキシャル層であるn-半導体層2の上面内にn拡散領域70を設けたものである。なお、図36は図2中の矢視A−Aに相当する位置での断面図である。
図36に示されるように、高電位島領域201内のn-半導体層2及びnMOS領域202内のn-半導体層2の上面内には、n-半導体層2よりも不純物濃度が高いn拡散領域70がp不純物領域3と接触して形成されている。本実施の形態6に係るn拡散領域70は、平面視上において、高電位島領域201及びnMOS領域202内のn-半導体層2の全領域に形成されている。
本実施の形6では、n+不純物領域12,52及びp+不純物領域13はn拡散領域70の上面内に形成されている。また、高電位ロジック回路101もn拡散領域70に形成されており、分離絶縁膜17もn拡散領域70上に形成されている。そして、本実施の形態6に係る半導体装置は、実施の形態1とは異なり、電極16,56を備えていない。
なお、低電位ロジック回路100等が形成されている、高電位島領域201及びnMOS領域202外のn-半導体層2の上面内にもn拡散領域70が形成されており、低電位ロジック回路100等は当該n拡散領域70に形成されている。その他の構造について実施の形態1に係る半導体装置と同じであるため、その説明は省略する。
このように、本実施の形態6に係る半導体装置では、n-半導体層2の上面内にn拡散領域70が形成されているため、上述のRESURF分離領域300,301でのRESURF条件を満足し易くなる。
上述の実施の形態1〜5に係る半導体装置においては、高耐圧化を実現するために、n-半導体層2の不純物濃度Ndとその厚さtとが以下の式(1)で表されるRESURF条件を満足するようにn-半導体層2は設計されている。
エピタキシャル層では、通常、その不純物濃度Nd及び厚さtの誤差がそれぞれ±10%程度発生するため、それらの積の誤差範囲は約±20%となり、RESURF条件を満足させることが容易ではなかった。そのため、所望の耐圧の半導体装置を得ることができないことがあった。
しかしながら、例えばイオン注入法によって不純物を導入し、その後の熱処理工程を経て形成される拡散領域では、不純物濃度及び厚さ(拡散深さ)を精度良く制御できるため、その不純物濃度と厚さとの積の誤差範囲を1%以下に抑えることができる。従って、本実施の形態6に係る半導体装置のように、n-半導体層2の上面内にn拡散領域70を設けることによって、RESURF条件を満足し易くなり、RESURF分離領域300,301により確実に空乏層を形成することができる。その結果、所望の耐圧の半導体装置を容易に得ることができる。
なお、RESURF条件での許容誤差範囲が仮に±20%である場合は、n-半導体層2の不純物濃度と厚さとの積が0.2×1012(cm-2)未満となるようにn-半導体層2を形成することが望ましい。
次に、n-半導体層2の上面内にn拡散領域70を形成する方法の一例について説明する。図37〜42はn拡散領域70の製造方法を工程順に示す断面図である。まず、図37に示されるように、p-半導体基板1上にエピタキシャル層であるn-半導体層2を形成して、更にn+埋め込み不純物領域51を形成する。次に、図38に示されるように、所定の開口パターンを有するレジスト72aをn-半導体層2上に形成して、当該レジスト72aをマスクに用いてn型不純物であるリン(P)イオン71をイオン注入する。そして、レジスト72aを除去する。
次に、図39に示されるように、所定の開口パターンを有するレジスト72bをn-半導体層2上に形成して、当該レジスト72bをマスクに用いてp型不純物であるボロン(B)イオン73をイオン注入して、レジスト72bを除去する。そして、約1000℃で1時間以上熱処理を実行する。これにより、図40に示されるように、n拡散領域70がn-半導体層2の上面内に形成されるとともに、p不純物領域3の一部であるp不純物領域3aが、n-半導体層2の上面からp-半導体基板1との界面にかけてn-半導体層2内部に形成される。その後、図41に示されるように分離絶縁膜17及びn+不純物領域52などを形成し、そして図42に示されるように、p不純物領域3の一部であるp不純物領域3bや、第1フィールドプレート55a〜55eなどを形成することにより、本実施の形態6に係る半導体装置が完成する。
なお、本実施の形態6では、高電位島領域201及びnMOS領域202内のn-半導体層2の上面の全領域に渡ってn拡散領域70を形成していたが、少なくとも空乏層に覆われるRESURF分離領域300,301にn拡散領域70を形成することによって、同様の効果が得られる。つまり、高電位島領域201では少なくともp不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2の上面内にn拡散領域70を形成することで、nMOS領域202では少なくともp不純物領域3とn+不純物領域12との間のn-半導体層2の上面内にn拡散領域70を形成することで、所望の耐圧を備える半導体装置を容易に得ることができる。
実施の形態7.
図43は本発明の実施の形態7に係る半導体装置の構造を示す平面図である。本実施の形態7に係る半導体装置は、上述の実施の形態6に係る半導体装置において、配線30の下方では、n-半導体層2がn拡散領域70から露出するものである。図43は、高電位島領域201内のn-半導体層2と、nMOS領域202内のn-半導体層2との境界付近を拡大して示しており、説明の便宜上、配線30を除く、n-半導体層2よりも上方の構造の記載を省略し、更にp+不純物領域13及びソース領域14の記載を省略している。なお、後述する図44,45についても同様である。
図43に示されるように、本実施の形態7に係る高電位島領域201では、配線30の下方におけるp不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2には、部分的にn拡散領域70が形成されておらず、n-半導体層2はn拡散領域70からの露出部分2aを有している。n-半導体層2の露出部分2aは、p不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2のp不純物領域3側の一端から、n+不純物領域52に向かう方向に沿って延在している。
また、本実施の形態7に係るnMOS領域202では、配線30の下方におけるp不純物領域3とn+不純物領域12との間のn-半導体層2には部分的にn拡散領域70が形成されておらず、n-半導体層2はn拡散領域70からの露出部分2bを有している。n-半導体層2の露出部分2bは、p不純物領域3とn+不純物領域12との間のn-半導体層2のp不純物領域3側の一端から、n+不純物領域12に向かう方向に沿って延在している。その他の構造について実施の形態6に係る半導体装置と同様であるため、その説明は省略する。
上述のように、数百Vもの高電位が印加される配線30の下方におけるn-半導体層2においては、当該配線30の電位の影響により空乏層の伸びが抑制される。従って、n-半導体層2上面付近で電界集中が発生することがある。
本実施の形態7では、n-半導体層2が配線30の下方においてn拡散領域70からの露出部分2a,2bを備えているため、当該露出部分2a,2bでは空乏層の伸びが促進される。これは、n-半導体層2の不純物濃度がn拡散領域70よりも低いからである。従って、配線30の電位に基づく電界集中が緩和でき耐圧が向上する。
実施の形態8.
図44は本発明の実施の形態8に係る半導体装置の構造を示す平面図である。本実施の形態8に係る半導体装置は、上述の実施の形態7に係る半導体装置において、n-半導体層2の露出部分2a,2bの形状を変化させたものである。
図44に示されるように、本実施の形態8に係るn-半導体層2の露出部分2aは、平面視上で台形状となっており、平面視上においてp不純物領域3からn+不純物領域52に向かう方向に垂直な方向の幅W1がp不純物領域3からn+不純物領域52に向かうにつれて狭くなっている。また、本実施の形態8に係る露出部分2bは、平面視上でほぼ台形状となっており、p不純物領域3からn+不純物領域12に向かう方向に垂直な方向の幅W2がp不純物領域3からn+不純物領域12に向かうにつれて狭くなっている。その他の構造は実施の形態7に係る半導体装置と同様であるため、その説明は省略する。
ここで、p不純物領域3とn+不純物領域52との間のn-半導体層2では、低電位のp不純物領域3から高電位のn+不純物領域52に向かうにつれて空乏層が伸びやすくなっている。また、p不純物領域3とn+不純物領域12との間のn-半導体層2では、低電位のp不純物領域3から高電位のn+不純物領域12に向かうにつれて空乏層が伸びやすくなっている。従って、上述の実施の形態7に係る半導体装置のように、露出部分2a,2bの幅W1,W2を均一に設定すると、露出部分2a,2bに比較的電界が集中する箇所が発生する。
本実施の形態8では、露出部分2aの幅W1をn+不純物領域52に向かうにつれて狭くしているため、当該露出部分2aでの空乏層の伸びは、不純物濃度が高いn拡散領域70の干渉を受けて、n+不純物領域52に向かうにつれて抑制される。従って、図43に示される等電位線90と、図44に示される等電位線90とを比較しても理解できるように、露出部分2aでの等電位線が疎となり、当該露出部分2aでの電界集中を緩和できる。
また、本実施の形態8では、露出部分2bの幅W2をn+不純物領域12に向かうにつれて狭くしているため、当該露出部分2bでの空乏層の伸びはn拡散領域70の干渉を受けて、n+不純物領域12に向かうにつれて抑制される。従って、露出部分2bでの電界集中を緩和できる。
実施の形態9.
図45は本発明の実施の形態9に係る半導体装置の構造を示す平面図である。本実施の形態9に係る半導体装置は、上述の実施の形態7に係る半導体装置において、n-半導体層2の露出部分2a,2bを複数に分割したものである。
図45に示されるように、本実施の形態9に係るn-半導体層2の露出部分2aは複数に分割されており、複数の分割部分2aaを備えている。複数の分割部分2aaは、配線30の下方において、p不純物領域3からn+不純物領域52に向かう方向に沿って互いに離れて配列されている。そして、複数の分割部分2aaは、平面視上において、p不純物領域3からn+不純物領域52に向かう方向に沿った幅W11がp不純物領域3からn+不純物領域52に向かうにつれて狭くなっている。
また、本実施の形態9に係る露出部分2bは複数に分割されており、複数の分割部分2bbを備えている。複数の分割部分2bbは、配線30の下方において、p不純物領域3からn+不純物領域12に向かう方向に沿って互いに離れて配列されている。そして、複数の分割部分2bbは、平面視上において、p不純物領域3からn+不純物領域12に向かう方向に沿った幅W12がp不純物領域3からn+不純物領域12に向かうにつれて狭くなっている。その他の構造は実施の形態7に係る半導体装置と同様であるため、その説明は省略する。
このように、本実施の形態9に係る半導体装置では、n-半導体層2のn拡散領域70からの露出部分である複数の分割部分2aaの幅W11が、n+不純物領域52に向かうにつれて狭くなっているため、複数の分割部分2aaでの空乏層の伸びはn+不純物領域52に向かうにつれて抑制される。従って、p不純物領域3とn+不純物領域52との間での電界集中を緩和できる。
また、n-半導体層2のn拡散領域70からの露出部分である複数の分割部分2bbの幅W12が、n+不純物領域12に向かうにつれて狭くなっているため、複数の分割部分2bbでの空乏層の伸びは、n+不純物領域12に向かうにつれて抑制される。従って、p不純物領域3とn+不純物領域12との間での電界集中を緩和できる。
実施の形態10.
図46は本発明の実施の形態10に係る半導体装置の構造を示す断面図である。本実施の形態10に係る半導体装置は、上述の実施の形態9に係る半導体装置において、基本的には、露出部分2aの複数の分割部分2aaをそれぞれ第1フィールドプレート55a〜55e間の間隙の下方に配置し、更に露出部分2bの複数の分割部分2bbをそれぞれ第1フィールドプレート15a〜15e間の間隙の下方に配置したものである。なお図46は、図2中の矢視A−Aに相当する位置での断面図である。
図46に示されるように、本実施の形態10では、第1フィールドプレート55a,55b間の間隙の下方、第1フィールドプレート55b、55c間の間隙の下方、第1フィールドプレート55c,55d間の間隙の下方、及び第1フィールドプレート55d,55e間の間隙の下方に、分割部分2aaが設けられている。
また、本実施の形態10では、第1フィールドプレート15a,15b間の間隙の下方、第1フィールドプレート15b、15c間の間隙の下方、第1フィールドプレート15c,15d間の間隙の下方、及び第1フィールドプレート15d,15e間の間隙の下方に、分割部分2bbが設けられている。
なお、上述の実施の形態9に係る分割部分2aa,2bbの幅W11,W12は、p不純物領域3からn+不純物領域52に向かうにつれて、あるいはp不純物領域3からn+不純物領域12に向かうにつれて狭くなるように設定されていたが、本実施の形態10では、各分割部分2aa,2bbの幅W11,W12は、対応する第1フィールドプレート間の間隙の距離とほぼ一致するように設定されている。
このように本実施の形態10に係る半導体装置では、n-半導体層2のn拡散領域70からの露出部分である複数の分割部分2aaが、それぞれ第1フィールドプレート55a〜55e間の間隙の下方に配置されている。p不純物領域3とn+不純物領域52の間において配線30の電位の影響を比較的強く受ける部分は、第1フィールドプレート15a〜15e間の間隙の下方であることから、ここに空乏層が伸びやすい分割部分2aaを配置することによって電界集中を緩和できる。その結果、耐圧が向上する。
また、本実施の形態10では、n-半導体層2のn拡散領域70からの露出部分である複数の分割部分2bbが、それぞれ第1フィールドプレート15a〜15e間の間隙の下方に配置されている。p不純物領域3とn+不純物領域12の間において配線30の電位の影響を比較的強く受ける部分は、第1フィールドプレート15a〜15e間の間隙の下方であることから、ここに空乏層が伸びやすい分割部分2bbを配置することによって電界集中を緩和できる。その結果、耐圧が向上する。