JP5171385B2 - レーザ波長安定化装置 - Google Patents

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Description

この発明は、レーザ波長安定化装置、特に半導体レーザ波長の安定化に関する。
半導体レーザ波長を安定化させる技術は、エタロンやガス封入セルなどの波長弁別素子を用いて、半導体レーザの注入電流や温度を制御する方法が広く知られており、具体的な一例としては、半導体レーザの発振周波数を基準光吸収セルの光吸収線の最大光吸収周波数に、高い精度で一致させる周波数安定化光源であって、ドライバは半導体レーザに電流を供給し、発振器は半導体レーザの出射光に周波数変調を重畳させるためにドライバの出力電流に電流変調を加え、光分岐器で周波数変調された半導体レーザの出射光を分岐し、基準光吸収セルは第1の分岐光を入力して特定の周波数の光を吸収し、受光器は基準光吸収セルの透過光を入力して電気信号に変換し、受光器は第2の分岐光を入力として電気信号に変換し、増幅器は受光器の出力を増幅し、受光器の出力に含まれる光強度変調成分の強度と、受光器の出力に含まれる光強度変調成分の強度を一致する振幅にし、演算器は受光器と増幅器の出力を入力して演算し、制御回路に演算器の出力を入力し、半導体レーザの発振周波数が基準光吸収セルの光吸収周波数に常に一致するように、発振器の信号に同期してドライバを制御するものがあった(下記特許文献1参照)。
特開平8−97515号公報
しかしながら、従来のこの種の装置では、駆動ドライバにより半導体レーザに直接変調を加えているため、レーザ光出力にも変調信号が光の周波数変調として残ってしまい、この変調信号が周波数制御言い換えれば波長制御の精度を制限してしまうという課題があった。
この発明は、変調周波数に依存しない安定したレーザ波長を供給するレーザ波長安定化装置を提供することを目的とする。
この発明は、レーザ光を発生する半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子からのレーザ光を出力側と波長制御側に分岐する光分岐部と、前記波長制御側のレーザ光に所望変調周波数の位相変調を与えてベースバンド両側に前記変調周波数に従ったサイドバンドを発生させ、前記出力側からの出力レーザ光の所望波長の帯域の光を吸収する波長吸収特性の波長吸収を与えて前記ベースバンド及びサイドバンドの振幅に前記所望波長からのずれに従った変化を与え、ベースバンド両側の前記サイドバンドの振幅の大小関係およびその差を示す波長制御信号を発生する波長誤差検出手段と、前記波長制御信号に従って前記サイドバンドの振幅の差を小さくする帰還信号を発生するフィードバック回路と、前記帰還信号に基づき前記半導体レーザ素子を駆動制御するドライバと、を備え、前記波長誤差検出手段が、前記位相変調の周期を示す前記所望変調周波数を発生する信号発生器と、前記信号発生器の変調周波数に従って前記波長制御側のレーザ光に位相変調を与え前記位相変調の変調周波数に従ってベースバンド両側にサイドバンドを発生させる位相変調器と、前記位相変調器で位相変調されたレーザ光を入力させて前記出力レーザ光の前記所望波長の帯域の光を吸収する前記波長吸収特性の波長吸収を行うガス封入セルと、前記ガス封入セルを透過したレーザ光を電気信号に変換する光検出器と、前記光検出器で変換された電気信号のサイドバンド成分の信号を透過するフィルタと、前記信号発生器の変調信号と前記フィルタを透過した電気信号をミキシングしダウンコンバートしてサイドバンド成分の振幅を取り出し、ベースバンド両側の前記サイドバンドの振幅の大小関係およびその差を示す前記波長制御信号を生成するミキサと、を含むことを特徴とするレーザ波長安定化装置にある。
この発明では、レーザ光を出力側と波長制御側に分岐する光分岐部を設け、波長制御側にレーザ波長に位相変調を与える位相変調器を設けることによって、注入電流の直接変調成分の制限がなく、連続的に安定したレーザ波長を供給することが可能となる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるレーザ波長安定化装置の構成図である。図1においてレーザ波長安定化装置は、半導体レーザ素子1と、ドライバ11と、光カプラ12と、位相変調器13と、信号発生器9と、ガス封入セル4と、光検出器5と、フィルタ6と、アンプ7と、ミキサ8と、フィードバック回路10によって構成される。3は出力レーザ光を示す。
半導体レーザ素子1はレーザ光を発光させ、ドライバ11は所望の波長(周波数)及び出力のレーザ光を発光するように半導体レーザ素子1を駆動させるための温度制御と電流制御を行い、光カプラ12はレーザ光を出力側(出力レーザ光3)と波長制御側に分岐する。位相変調器13はレーザ光の位相に変調を加え、信号発生器9は位相変調器13に入力する変調信号、例えば正弦波を発生する。変調信号は位相変調器13での位相変調の繰り返し周期を示す変調周波数を示す。
ガス封入セル4は制御する波長帯域の光を吸収する波長吸収特性、すなわち出力レーザ光3の所望波長の帯域の光を吸収する波長吸収特性をもつガスを封入しており、例えば二酸化炭素が封入されており、1532.9nm付近に吸収線(吸収の最大ピーク)を持つ。
光検出器5は受信した光を電気信号に変換し、フィルタ6は特定の周波数の電気信号を透過する。また、アンプ7は電気信号を増幅し、ミキサ8は電気信号と信号発生器9の変調信号を合波し、変調周波数成分の振幅を得る。
フィードバック回路10はミキサ8の出力を適当な値に規格化し、半導体レーザ素子1を駆動するドライバ11への帰還信号を発生する。
ここで、半導体レーザ素子1と光カプラ12と位相変調器13とガス封入セル4と光検出器5は光ファイバケーブルのような光導波路(太線で示す)で接続されており、その他はSMAやBNCケーブルのような電気信号ケーブルで接続されている。
なお、光カプラ12は光分岐部を構成し、ガス封入セル4と光検出器5とフィルタ6とアンプ7とミキサ8と信号発生器9と位相変調器13は波長誤差検出手段を構成する。
図2にはこの発明によるレーザ波長安定化装置の各部での光周波数に対する各種特性の一例を示し、(a)はガス封入セル4での波長吸収特性(吸収強度特性)、(b)はガス封入セル4の出力での、レーザ光の基本波長(基本周波数=ベースバンド)がガス封入セル4での波長吸収特性のピーク位置からずれた時のベースバンド両側に発生するサイドバンドの変化、(c)はミキサ8の出力である誤差信号(波長制御信号)の周波数特性を示す。
次に、図1のレーザ波長安定化装置の動作を説明する。ドライバ11は半導体レーザ素子1が所望波長及び出力のレーザ光を発生するように温度制御と電流制御を行うように電圧値と電流値を出力し、半導体レーザ素子1はその電圧値と電流値の信号に対応した波長と出力でレーザ発振を行う。そして、半導体レーザ素子1の発生するレーザ光は、図2の(a)に示すガス封入セル4のガスの吸収線に同調し、吸収強度が最大となるようにドライバ11で半導体レーザ素子1の注入電流やヒータによる温度の制御を行う。発振したレーザ光は光カプラ12で出力側と波長制御側に分岐し、出力側から出力レーザ光3を取り出す。
波長制御側のレーザ光には、位相変調器13で信号発生器9からの変調信号の周波数(位相変調のくり返し周波数)に従って位相変調が加えられる。このときレーザ光には図2の(b)に示すように、基本周波数(ベースバンド)の両側に変調周波数分シフトした周波数に逆相(振幅の大きさが逆)のサイドバンドが発生する。
このレーザ光をガス封入セル4に透過すると、ガスの波長吸収を受けて強度が変化し、図2の(a)(b)に示すように吸収線強度のピーク位置と波長(周波数)が合っている場合、ベースバンド両側のサイドバンドの光振幅は逆相で同じ大きさとなるが、吸収線強度のピーク位置と波長がずれた場合、サイドバンドの光振幅には差が生じる。
この強度変化を受けた光を、光検出器5によって光信号を電気信号に変換する。電気信号を受けたフィルタ6はサイドバンド付近の成分の信号を透過し、透過した信号はアンプ7によって所定の値まで増幅される。
さらに、ミキサ8によってサイドバンドの電気信号と信号発生器9の変調信号をミキシングし、ダウンコンバートすることによってサイドバンド成分の振幅を得る。このミキサ8の出力すなわち誤差信号は、図2の(c)のような誤差信号特性を有し、振幅の正負がベースバンド両側のサイドバンドの振幅の大小関係(所望波長からの波長のずれ方向)を示し、振幅の絶対値がその差の大きさ(波長ずれの大きさ)を示す。
フィードバック回路10はミキサ8から得られた誤差信号に基づき、半導体レーザ素子1が発生するレーザ光、ひいては出力側からの出力レーザ光3の所望波長からのずれをなくすために、ベースバンド両側のサイドバンドの振幅の差を小さくするための(誤差信号の絶対値が小さくなるように)帰還信号をドライバ11送る。ドライバ11は帰還信号に基づき、レーザ光の所望波長からのずれをなくすように半導体レーザ素子1への電流値及び電圧値与えて半導体レーザ素子1の電流制御又は温度制御を行う。
一例として、レーザ光の波長が制御したい所望波長に比べて大きくなり、誤差信号が正の値をとった場合、フィードバック回路10は、この値を基に所定の利得をかけた帰還信号を半導体レーザ素子1を駆動しているドライバ11に出力し、ドライバ11は帰還信号に従って、半導体レーザ素子1への電流信号の電流値を減少させ、レーザ光の波長を小さくするような制御を行う。レーザ光の波長が制御したい所望波長と同じ場合、誤差信号はゼロとなり、フィードバック回路10は半導体レーザ素子1を駆動しているドライバ11の電流信号を保持するような帰還信号をドライバ11に出力する。
ここで、信号発生器9の変調周波数は、レーザ光の波長の所望波長からのずれに対して誤差信号が大きくなる値に設定され、一例としては、ガス封入セル4において波長吸収ガスとして波長1532.9nm付近に吸収線(吸収ピーク)がある二酸化炭素を使用した場合、変調周波数は数百MHzから数GHzである。
以上のように実施の形態1のレーザ波長安定化装置においては、レーザ光を出射側と波長制御側に分岐する光カプラを設け、波長制御側にレーザ波長に位相変調を与える位相変調器を設けることによって、レーザ光の出力側に注入電流の直接変調成分の制限がなく、連続的に安定したレーザ波長が供給することができる。
また、実施の形態1におけるレーザ波長安定化装置おいて、フィードバック回路10において、誤差信号をゼロに合わせるような帰還信号を出力して制御するならば、レーザ光波長と吸収線のピーク位置が等しくなり、誤差信号をゼロからずれた値に合わせるように帰還信号を出力して制御するならば、レーザ光の波長は吸収線のエッジ部分に設定される等、安定化させるレーザ光の波長を調整することができる。
実施の形態2.
実施の形態1で使用する位相変調器13は理想的な動作では、レーザ光の位相に変調を加える装置であるが、実際には構造上の問題から、位相変調器13と光導波路を構成している光ファイバケーブルとの結合部分等で共振が生じ、エタロン効果が発生する。この効果は波長に対する強度変化となるため、位相変調器の透過率が変化し、元々想定していたガス封入セルでのガスの吸収以外の強度変化が生じることにより、レーザ波長安定化装置において制御誤差を生む。これを改善したレーザ波長安定化装置を実施の形態2で示す。
図3はこの発明の実施の形態2によるレーザ波長安定化装置の構成図である。図3において上記実施の形態で示したものと同一もしくは相当部分は同一もしくは相当符号で示し、詳細な説明は一部省略する。図3では、位相変調器13の後段に位相変調を加えたレーザ光を分岐する光カプラ14を設けた。分岐した一方には、ガス封入セル4を介して第1の光検出器5A、第1のフィルタ6A、第1のアンプ7A及び第1のミキサ8A(図1の5,6,7,8と同じ)からなる組を設け、分岐した他方には光カプラ14から直接、第2の光検出器5B、第2のフィルタ6B、第2のアンプ7B及び第2のミキサ8Bからなる組を設けた。またさらに、ミキサ8Aと8Bの出力の差分を求めてフィードバック回路10に出力する差分器17を設けた。なお、光カプラ14と光検出器5Bとの間には、ガスが入ってないセルを設けてもよい。
光カプラ14は、位相変調を加えられたレーザ光を分岐する。光検出器5A、5Bは、受信した光を電気信号に変換し、フィルタ6A、6Bは得られた電気信号のサイドバンド(変調周波数)付近の成分の信号を透過する。アンプ7A、7Bはフィルタ6A、6Bを透過した電気信号を所定の値まで増幅し、ミキサ8A、8Bは電気信号と信号発生器9の変調信号を合波し、サイドバンド成分(変調周波数成分)の振幅を得る。
ミキサ8A、8Bからの出力は、ガスの吸収と位相変調器13のエタロン効果を含んだ誤差信号15と、ガスの吸収を含まないエタロン効果を含んだ参照信号16である。
差分器17は、誤差信号15と参照信号16を規格化した後に差分をとり、エタロン効果を補正した補正誤差信号を得る。フィードバック回路10は補正誤差信号に適当な利得を掛け、半導体レーザ素子1を駆動するドライバ11への帰還信号を発生する。
なお、光カプラ14は第2の光分岐部を構成し、ガス封入セル4と光検出器5A,5Bとフィルタ6A,6Bとアンプ7A,7Bとミキサ8A,8Bと信号発生器9と位相変調器13、光カプラ14、差分器17は波長誤差検出手段を構成する。ガス封入セル4と光検出器5Aとフィルタ6Aとアンプ7Aとミキサ8Aが誤差信号生成部を構成し、光検出器5Bとフィルタ6Bとアンプ7Bとミキサ8Bが参照信号生成部を構成する。また、半導体レーザ素子1、光分岐部12、位相変調器13、第2の光分岐部14、ガス封入セル4、光検出器5A,5Bの間でレーザ光を伝送する光ファイバケーブルが光導波路を構成する。また、差分器17が出力する補正誤差信号が波長制御信号を構成する。
次に、図3のレーザ波長安定化装置の動作を説明する。実施の形態1と同様に、ドライバ11は半導体レーザ素子1が所望波長及び出力のレーザ光を発生するように温度制御と電流制御を行うように電圧値と電流値を出力し、半導体レーザ素子1はその電圧値と電流値の信号に対応した波長と出力でレーザ発振を行う。発振したレーザ光は光カプラ12で出力側と波長制御側に分岐し、出力側から出力レーザ光3を取り出す。
波長制御側のレーザ光には、位相変調器13で信号発生器9からの変調信号の周波数に従って位相変調が加えられ、ベースバンドに対して変調周波数分シフトした周波数に逆相のサイドバンドが発生する。さらに光カプラ14でガスによる吸収を含む誤差光伝送路とガスによる吸収を含まない参照光伝送路に分岐する。
誤差光伝送路ではレーザ光がガス封入セル4を透過し、位相変調器13によるエタロン効果とガス封入セル4でのガスによる吸収を受けて強度が変化する。一方、参照光伝送路では位相変調器13によるガス封入セル4でのガスによる吸収を含まないエタロン効果でレーザ光の強度が変化する。より正確には、誤差光伝送路ではレーザ光がガス封入セル4を透過し、位相変調器13によるエタロン効果とガス封入セル4でのガスによる吸収を含む影響を受けて強度が変化し、参照光伝送路ではガス封入セル4でのガスによる吸収を含まない位相変調器13によるエタロン効果を含む影響を受けてレーザ光の強度が変化する。
そしてガスによる吸収のある誤差光伝送路と、ガスの吸収のない参照光伝送路のレーザ光はそれぞれ光検出器5A、5Bで電気信号に変換され、フィルタ6A、6Bでサイドバンド付近の信号が透過され、アンプ7A、7Bで所定の値まで増幅される。さらに、ミキサ8A、8Bによってサイドバンドの電気信号と信号発生器9の変調信号をミキシングし、ダウンコンバートすることによってサイドバンド成分の振幅を取得し、ガスの吸収とエタロン効果を含んだ誤差信号15とガスの吸収を含まないエタロン効果を含んだ参照信号16を得る。
位相変調器13のエタロン効果による強度変調効果を受けた場合の誤差信号の光周波数(光波長)に対する特性を図4に示す。図4は光周波数に対する誤差信号を示し、実線がガス封入セル4におけるガスによる吸収を受けた誤差信号、破線がガスによる吸収以外の影響を含んだ誤差信号で、例えば位相変調器13によるエタロン効果を含んだ誤差信号である。
このエタロン効果は波長や温度によって変化するため、サイドバンドの振幅が変化し、誤差信号が変化する。従って実施の形態1では、フィードバック回路10が入力する誤差信号にその変化が含まれるため、レーザ光の波長安定度がその分、低下してしまうことがある。
そこで、前記エタロン効果を含んだ誤差信号15の補正を行うため、ガスによる吸収を受けない参照光伝送路でエタロン効果の強度変化を測定して参照信号16を同時に受信し、ミキシング時の位相差による出力比を補正するため差分器17で適当な利得を掛けられた後、誤差信号15から参照信号16を差し引き、補正誤差信号を出力する。
図5の(a)に誤差信号15と参照信号16、(b)に補正誤差信号の例を示す。(a)は時間に対する誤差信号15と参照信号16、(b)は差分器17によってそれらの信号の差分を求めた補正誤差信号である。このように、ガス封入セル4でのガスによる吸収を含まないエタロン効果の参照信号16を、ガスによる吸収とエタロン効果を含んだ誤差信号15から差し引くことにより、ガスによる吸収の補正がされた補正誤差信号を得る。
フィードバック回路10は実施の形態1と同様に、差分器17から得られた補正誤差信号に基づき、半導体レーザ素子1が発生するレーザ光、ひいては出力側からの出力レーザ光3の所望波長からのずれをなくすために、ベースバンド両側のサイドバンドの振幅の差を小さくするための(補正誤差信号の絶対値が小さくなるように)帰還信号をドライバ11送る。ドライバ11は帰還信号に基づき、レーザ光の所望波長からのずれをなくすように半導体レーザ素子1への電流値及び電圧値を与えて半導体レーザ素子1の電流制御又は温度制御を行う。
以上のように実施の形態2のレーザ波長安定化装置においては、位相変調器13にエタロン効果が存在した場合、ガスによる吸収を含まないエタロン効果の参照信号16とガスの吸収とエタロン効果を含んだ誤差信号15を取得し、差分器17によって補正した補正誤差信号得ることによって、位相変調器13のエタロン効果、さらには位相変調器13のエタロン効果以外の強度変化をもつ光学部品が存在しても、エタロン効果を除去して、連続的に安定したレーザ波長を供給することができる。
実施の形態3.
実施の形態2におけるレーザ波長安定化装置では、光カプラ14は理想的な動作として光分岐比が一定値であるとしているが、実際には温度特性や波長特性を持つ場合が多い。この影響は、差分器17によって誤差信号15と参照信号16の規格化係数が変化することにより、レーザ波長安定化装置において、制御誤差の要因となる得る。そこでこれを解消するためのレーザ波長安定化装置を実施の形態3で示す。
図6はこの発明の実施の形態3によるレーザ波長安定化装置の構成図である。図6において上記実施の形態2で示したものと同一もしくは相当部分は同一符号で示し、詳細な説明は一部省略する。図6では、フィルタ6Aとアンプ7Aとミキサ8Aからなる回路に並列にフィルタ18Aとアンプ19Aからなる回路が設けられ、フィルタ6Bとアンプ7Bとミキサ8Bからなる回路に並列にフィルタ18Bとアンプ19Bからなる回路が設けられ、ミキサ8Aの誤差信号15とアンプ19Aの誤差強度信号20は除算器22Aで除算され、ミキサ8Bの参照信号16とアンプ19Bの参照強度信号21は除算器22Bで除算される。
フィルタ18A、18Bは直流成分の信号のみを透過し、アンプ19A、19Bはフィルタ18A、18Bを透過した電気信号を所定の値まで増幅する。アンプ19A、19Bの信号はガスによる吸収のある誤差光伝送路の誤差強度信号20と、ガスの吸収のない参照光伝送路の参照強度信号21である。
除算器22Aと22Bはそれぞれ誤差信号15と誤差強度信号20の比、参照信号16と参照強度信号21の比を取得する。さらに差分器17は、2つの比の差分をとり、ガスによりる吸収以外の影響を補正した誤差信号を得る。
なお、フィルタ18Aとアンプ19Aと除算器22Aは誤差信号生成部に含まれ、フィルタ18Bとアンプ19Bと除算器22Bは参照信号生成部に含まれる。
次に、図6のレーザ波長安定化装置の動作を説明する。実施の形態2と同様に、ドライバ11は半導体レーザ素子1が所望波長及び出力のレーザ光を発生するように温度制御と電流制御を行うように電圧値と電流値を出力し、半導体レーザ素子1はその電圧値と電流値の信号に対応した波長と出力でレーザ発振を行う。発振したレーザ光は光カプラ12で出力側と波長制御側に分岐し、出力側から出力レーザ光3を取り出す。
波長制御側のレーザ光には、位相変調器13で信号発生器9からの変調信号の周波数に伴う位相変調が加えられ、基本(中心)周波数すなわちベースバンドに対して変調周波数分シフトした周波数に逆相のサイドバンドが発生する。さらに光カプラ14でガスによる吸収を含む誤差光伝送路とガスによる吸収を含まない参照光伝送路に分岐する。
誤差光伝送路ではレーザ光がガス封入セル4を透過し、位相変調器13によるエタロン効果とガス封入セル4でのガスによる吸収を受けて強度が変化する。一方、参照光伝送路ではガスによる吸収を含まず、位相変調器13によるエタロン効果で強度が変化する。
そしてそれぞれ、光検出器5A、5Bによって受信した光を電気信号に変換し、フィルタ6A、6Bでサイドバンド付近の信号を透過し、アンプ7A、7Bで所定の値まで増幅される。さらに、ミキサ8A、8Bによってサイドバンドの電気信号と信号発生器9の変調信号をミキシングし、ダウンコンバートすることによってサイドバンドの振幅を取得し、ガスの吸収とエタロン効果を含んだ誤差信号15とガスの吸収を含まないエタロン効果の参照信号16を得る。
一方、光検出器5A、5Bの電気信号出力は分岐され、フィルタ18A、18Bでベースバンドの信号を透過し、アンプ19A、19Bで所定の値まで増幅され、光カプラ14を分岐してきた誤差強度信号20と参照強度信号21を得る。
光カプラ14の光分岐比は、温度や波長に対して変化するため、差分器17において一定値で規格化することはあまり好ましくない。そこで、除算器22A、22Bによって誤差信号15と誤差強度信号20の比、参照信号16と参照強度信号21の比をとり、正確に分岐比を取得する。具体的には、光カプラ14における誤差光伝送路の光分岐比が大きい場合、誤差信号15と誤差強度信号20の双方が大きくなり、同様に、参照信号16と参照強度信号21の双方が小さくなり、除算器22A、22Bで光分岐比を補正することができる。
除算器22A、22Bによって分岐比で規格化された信号は、ミキシング時の位相差による出力比を補正するため差分器17で適当な利得を掛けられた後、ガスの吸収以外の強度変化を差分し、波長制御信号である補正誤差信号を出力する。
フィードバック回路10は、差分器17から得られた補正誤差信号に基づき、半導体レーザ素子1が発生するレーザ光、ひいては出力側からの出力レーザ光3の所望波長からのずれをなくすために、ベースバンド両側のサイドバンドの振幅の差を小さくするための(補正誤差信号の絶対値が小さくなるように)帰還信号をドライバ11送る。ドライバ11は帰還信号に基づき、レーザ光の所望波長からのずれをなくすように半導体レーザ素子1への電流値及び電圧値与えて半導体レーザ素子1の電流制御又は温度制御を行う。
一例として、レーザ光の波長が制御したい所望波長に比べて大きくなり、誤差信号が正の値をとった場合、フィードバック回路10は、この値を基に特定の利得をかけ、帰還信号を半導体レーザ素子1を駆動しているドライバ11に出力し、ドライバ11は帰還信号に従って、半導体レーザ素子1への電流信号の電流値を減少させ、レーザ光の波長を小さくするような制御を行う。レーザ光の波長が制御したい所望波長と同じ場合、誤差信号はゼロとなり、フィードバック回路10は半導体レーザ素子1を駆動しているドライバ11の電流信号を保持するような帰還信号をドライバ11に出力する
以上のように実施の形態3のレーザ波長安定化装置においては、光カプラ14の光分岐比が時間的に変動しても、ガスの吸収の誤差信号を正確に取得することができ、連続的に安定したレーザ波長を供給する効果が得られる。
この発明の実施の形態1によるレーザ波長安定化装置の構成図である。 この発明によるレーザ波長安定化装置の各部での光周波数に対する各種特性図である。 この発明の実施の形態2によるレーザ波長安定化装置の構成図である。 この発明の実施の形態2における位相変調器のエタロン効果による強度変調効果を受けた場合の誤差信号の特性を示す図である。 この発明の実施の形態2における誤差信号、参照信号、補正誤差信号の例を示す図である。 この発明の実施の形態3によるレーザ波長安定化装置の構成図である。
符号の説明
1 半導体レーザ素子、3 出力レーザ光、4 ガス封入セル、5 光検出器、5A,5B 光検出器、6,6A,6B フィルタ、7,7A,7B アンプ、8,8A,8B ミキサ、9 信号発生器、10 フィードバック回路、11 ドライバ、12 光カプラ(第1の光分岐部)、13 位相変調器、14 光カプラ(第2の光分岐部)、15 誤差信号、16 参照信号、17 差分器、18A,18B フィルタ、19A,19B アンプ、20 誤差強度信号、21 参照強度信号、22A,22B 除算器。

Claims (1)

  1. レーザ光を発生する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子からのレーザ光を出力側と波長制御側に分岐する光分岐部と、
    前記波長制御側のレーザ光に所望変調周波数の位相変調を与えてベースバンド両側に前記変調周波数に従ったサイドバンドを発生させ、前記出力側からの出力レーザ光の所望波長の帯域の光を吸収する波長吸収特性の波長吸収を与えて前記ベースバンド及びサイドバンドの振幅に前記所望波長からのずれに従った変化を与え、ベースバンド両側の前記サイドバンドの振幅の大小関係およびその差を示す波長制御信号を発生する波長誤差検出手段と、
    前記波長制御信号に従って前記サイドバンドの振幅の差を小さくする帰還信号を発生するフィードバック回路と、
    前記帰還信号に基づき前記半導体レーザ素子を駆動制御するドライバと、
    を備え
    前記波長誤差検出手段が、
    前記位相変調の周期を示す前記所望変調周波数を発生する信号発生器と、
    前記信号発生器の変調周波数に従って前記波長制御側のレーザ光に位相変調を与え前記位相変調の変調周波数に従ってベースバンド両側にサイドバンドを発生させる位相変調器と、
    前記位相変調器で位相変調されたレーザ光を入力させて前記出力レーザ光の前記所望波長の帯域の光を吸収する前記波長吸収特性の波長吸収を行うガス封入セルと、
    前記ガス封入セルを透過したレーザ光を電気信号に変換する光検出器と、
    前記光検出器で変換された電気信号のサイドバンド成分の信号を透過するフィルタと、
    前記信号発生器の変調信号と前記フィルタを透過した電気信号をミキシングしダウンコンバートしてサイドバンド成分の振幅を取り出し、ベースバンド両側の前記サイドバンドの振幅の大小関係およびその差を示す前記波長制御信号を生成するミキサと、
    を含む
    ことを特徴とするレーザ波長安定化装置。
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