JP5170399B2 - 携帯用液体容器 - Google Patents

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本発明は、ワンタッチで蓋状の中栓キャップを開閉する携帯用液体容器に関するものである。
従来、携帯用液体容器としては、外装体に囲まれた内容器の口元に中栓と中栓に被さったコップとをそれぞれ着脱自在に装着し、外装体の肩部に把手又はハンドルを装着し、内容器の液体を飲む時、液体容器本体よりコップを取り外した後に、中栓を緩めコップに液体容器本体内の液体を注ぎ、コップに口を付けて飲む注ぎタイプであった。ところがこの注ぎタイプに変わって、コップを不要とし液体容器本体の中栓キャップを開放した後、液体容器本体に備えた飲み口に口を直接付けて飲む口付けタイプが特開2005−193944号公報(特許文献1、図1参照)として存在する。
特開2005−193944号公報(図1参照)
以下、特許文献1の図1により従来の携帯用液体容器について説明する。
この特許文献1の携帯用液体容器である飲料用容器、特にその栓体のロック構造は、蓋部材の回動端に設けられた係合片に係脱可能な係合部を上部に有すると共に、係合部を係止片との係合方向に付勢する付勢手段を有したロックボタンと、該ロックボタンの下部と口栓部材の外周壁との間に挿入されたときにロックボタンのロック解除方向への動きを規制する一方、下方へスライドされ非挿入位置に位置したときにロックボタンのロック解除方向への動きを許容するスライド式ストッパを有するものである。このスライド式ストッパがロックボタンの内側に位置するときにはロックが行え、スライド式ストッパがロックボタンの内側から外れた時にロックが解除されるという構造である。
ところが、このような構成によれば、スライド式ストッパを指先で一旦押し下げてからその指先若しくは他の指でロックボタンの下部を内側に押した時に蓋部材を開くことができる。
しかし、上記のように、スライド式ストッパを上下動させる操作とロックボタンを押圧する操作とを一連の動作として行うことができない。つまり蓋部材を開く時には2っの全く異なる動作をしなければならず、操作の簡単性に欠け、しかも飲み口に近く狭い個所でのスライド式ストッパ、ロックボタン等の各部材の構造が複雑で、各部材やスプリング等の取り付けが非常に煩雑であるという問題点があった。
本発明は、外装体に囲まれた内容器2の口元に着脱自在に装着し、内容器2と連通する飲み口5を備え、天面とその周りの側壁とからなる蓋状の中栓キャップ4と、中栓キャップに枢支し、飲み口を開閉自在とするキャップカバー6と、キャップカバーの前後回動を規制するキャップレバー7と、キャップレバーの前後回動を規制するキャップロック8とを備え、開放時キャップロック8を操作してキャップレバー7の規制を解除した後、キャップレバーを操作してキャップカバー6の規制を解除し、中栓キャップ4の飲み口5を開放する携帯用液体容器1に於いて、
上記蓋状の中栓キャップ4には、正面部に左右突出壁16、17と下方突出壁18とからなるU字状壁19が形成され、このU字状壁内には、天面に近い前面壁に当接突出片22と、下方突出壁18に近い前面壁に爪状の突起片20とが設けられている。
又、中栓キャップ4の後方に枢支されたキャップカバー6には、中栓キャップの飲み口5を開閉する飲み口押え突部25と、中栓キャップのU字状壁19上方に位置する前面開口の嵌合溝24と、キャップカバー6を前後回動自在に付勢するキャップカバースプリング27とが設けられ、
キャップレバー7は、U字状壁19の左右突出壁16、17間にキャップレバーピン29を介して枢支され、上方にキャップカバー6の嵌合溝24内に嵌合する爪30と、下方にキャップロックピン33を介してキャップロック8を枢支し、キャップレバー7の枢支点とキャップロック8の枢支点との間でキャップレバー7内壁と中栓キャップ4のU字状壁19内表面との間にキャップレバースプリング32を設け、このキャップレバー7は、側面視において、U字状壁19に覆われている。
更に、キャップロック8には、キャップレバー7の下端にキャップレバーの前面より当接する指掛け部34と、キャップロックピン33後方で中栓キャップ4の突起片20と当接する弾性部35とが一体的に形成され、側面視において、U字状壁19に覆われている。
更に又、中栓キャップ4の飲み口5開放時のみ、キャップロック8に掛ける指先の押圧動作にて、キャップロックの上下回動とキャップレバー7の前後回動とを同時に操作可能とする構成としている。




本発明は、従来の問題点を解決したものであって、中栓キャップをワンタッチで開放できると共に確実に開閉することができ、しかも落下時等の場合でも破損の恐れを確実に防ぎ、各部品の構造も至って簡単で、取り付け作業も極めて容易である携帯用液体容器を提供するにある。
携帯用液体容器1は、液体を収容する内容器2と、内容器2と間隔を隔てて内容器を囲んだ外装体3と、内容器の上端に螺着する中栓キャップ4と、中栓キャップの飲み口5を開閉するキャップカバー6と、キャップカバーの回動を阻止するキャップレバー7と、キャップレバーの回動を阻止するキャップロック8と、携帯用液体容器本体を持ち運びするハンドル9とから構成している。
内容器2は、図3に示すように、合成樹脂材料にて円筒状に形成されており、上端口元外側に中栓キャップ4を螺着する雄ネジ10を刻設している。
内容器2の雄ネジ10下部には、外装体3と接触する肩本体部11を設け、この肩本体部と内容器外壁との間に外装体の上端を結合する環状凹部12を設けている。この環状凹部は、ネジであってもよい。
外装体3は、図3に示すように、合成樹脂材料にて内容器2と間隔を隔てて囲んだ筒状に形成されており、中央胴体13を窪ませて、上端口元外側壁に内容器の環状凹部12と嵌合する環状凸部14を設けている。この環状凸部14は、環状凹部をネジとすればそれに螺着するネジであっても何ら支障をきたすものではない。
外装体3の中央胴体13を窪ませることにより、携帯用液体容器1を持って内容器内の液体を飲む際、手が窪んだ中央胴体に馴染み、非常に飲み心地のよいものとなる。
中栓キャップ4は、図3に示すように、合成樹脂材料にて天面と天面の周りより下端に延びた周側壁とからなる蓋状に形成されており、天面の前方に近い部分に飲み口5を設け、周側壁の内側には内容器2の雄ネジ10と螺着する雌ネジ15を刻設している。
中栓キャップ4の周側壁の前面部には、後述のキャップレバー7やキャップロック8を周りより覆うように、左右突出壁16,17と下方突出壁18とを備えたU字状壁19を設けている。このU字状壁19は、側面視において、中栓キャップの前面に飛び出したキャップレバー7やキャップロック8よりも更に飛び出して、万一携帯用液体容器1を落としたり、倒したりしたとき、キャップレバーやキャップロックに直接当たらないように覆っている。
中栓キャップ4の左右突出壁16,17と下方突出壁18とにて囲まれる前面部の周側壁表面には、図3乃至図6に示すように、後述のキャップロック8の後端の弾性部35を係止及び飛び越えさせる突起片20を備えている。
中栓キャップ4の天面の後部には、後述のキャップカバー6を支える軸部21を備え、天面に近い前面側壁に後述のキャップレバー7と当接する当接突出片22を設けている。
23は、肩シールパッキンで、内容器2の口元上端と中栓キャップ4天面内側との接触個所に配置して内容器2口元からの水漏れを防いでいる。
キャップカバー6は、図3乃至図6に示すように、合成樹脂材料にて中栓キャップ4の天面中央を前後方向に覆うように形成されており、前部に後述のキャップレバー7の爪30を嵌合する嵌合溝24を備え、内側に飲み口5と嵌合する飲み口押え突部25を備え、後部で中栓キャップ4の軸部21に貫通したキャップカバーピン26を介してキャップカバースプリング27を配置している。
このキャップカバースプリング27は、常時キャップカバーピン26を支点としてキャップカバー6を上方へ回動するように働きかけている。
キャップカバー6の飲み口押え突部25には、飲み口5からの液漏れを防ぐキャップカバーゴム28を張設している。
キャップカバー6の嵌合溝24は、図3乃至図6に示すように、前方を開放して後述のキャップレバー7の爪30が嵌合できるようにしている。
キャップレバー7は、合成樹脂材料にて形成されており、図3乃至図6に示すように、中栓キャップ4の左右突出壁16,17と下方突出壁18とにて囲まれたU字状壁19内に納まり、ほぼ中央内側に軸部を設け、この軸部に中栓キャップ4の左右突出壁16,17を通ったキャップレバーピン29を通して枢支されており、上部内側にキャップカバー6の嵌合溝24に収まる爪30を備え、下部に後述のキャップロック8に接触する係合端31を備えている。
このキャップレバー7の軸部下方の内壁と中栓キャップ4のU字状壁19内表面との間にキャップレバースプリング32を張設して、常時キャップレバー7の爪30がキャップカバー6の嵌合溝24側に押しつけられている。このキャップレバースプリング32は、キャップレバー7の枢支点とキャップロック8の枢支点との間に設けている。
キャップロック8は、合成樹脂材料にて形成されており、図3乃至図6に示すように、キャップレバー7の軸部下方のキャップロックピン33にて軸支されており、キャップレバー7下部の係合端31に当接する指掛け部34と、キャップロックピン33の後方で中栓キャップ4の当接突出片22に対して上下摺動自在とする弾性部35とを一体的に形成している。このキャップロックピン33は、キャップレバー7のキャップレバースプリング32よりもさらに下方に配置している。
次ぎに、操作について説明する。
内容器2の口元外周壁にある雄ネジ10に対して、中栓キャップ4の雌ネジ15を緩めて内容器2の口元より中栓キャップ4を取り外し、内容器内に液体(水、コーヒー等)を注入する。更に、場合によっては、氷を入れても何ら支障をきたすものではない。
その後、中栓キャップ4を螺着した後、屋外等に持ち運びして、内容器内の液体を飲む場合には、先ず指先をキャップロック8の指掛け部34に当て、キャップロック8を下方へ押し下げる。キャップロックは、キャップロックピン33を支点として下方内側に回動し、キャップロックの後方の弾性部35が中栓キャップ4の突起片20を飛び越えて突起片20上方に位置する。
すると今までキャップロック8にてキャップレバーピン29を支点として前後回動を規制されていたキャップレバー7が前後回動可能となる。しかしながら通常はキャップレバーピン29よりも下方に存在するキャップレバースプリング32によってキャップレバー7の上方の爪30は、キャップカバー6の嵌合溝24内に収まっており、キャップカバースプリング27に抗してキャップカバー6がキャップレバーピン29を支点として上部後方へ跳ね上がることはない。
けれどもキャップロック8に掛かる指先にキャップロック8を押し下げる力と同時にわずかに中栓キャップ4の周側壁の前面部に向けて押し圧する力を加えることにより、キャップレバー7の前後回動を可能とすると共にキャップカバー6の前後回動を可能とする。(この力の加減は、指先にて大きく感じるものではなく、ワンタッチで指先にキャップロック8を押し下げたと思われる程度の感触しか伝わらないものである。)
このキャップロック8の押し下げと同時にキャップレバーピン29よりも下方のキャップレバー7下部が中栓キャップ4の前面部側に押しつけられて、キャップレバー7の爪30を前方へ回動させるために、キャップカバー6は、キャップカバーピン26を支点としてキャップカバースプリング27により中栓キャップ4の後方に回動して跳ね起こす。これにより外装体3の中央胴体13に手を当てて携帯用液体容器本体を傾け、飲み口5に口を持って行けば内容器2内の液体を飲むことができる。
このように中栓キャップ4の飲み口5の開放には、キャップレバー7の規制を開放するキャップロック8の上下回動動作と、その後のキャップレバー7の前後回動動作と、キャップカバー6の前後回動動作とが順次行われるが、特にこのキャップロック8の上下回動動作とキャップレバー7の前後回動動作とは、明らかに別動作でありながら、指先による操作時の操作はこの二つの動作を同時に行い得、しかも指先ではその違いがわからず、あたかも一つの動作とみることができる極めて斬新なものである。
次ぎに、キャップカバー6をセットするには、キャップカバースプリング27に抗して、キャップカバー6を前方へ倒せば、キャップレバー7の爪30がキャップカバー6の嵌合溝24を形成する下壁に当たった後、キャップレバースプリング32に抗して、一旦前方へ傾倒後キャップカバー6の嵌合溝24を形成する下壁を通り越して嵌合溝24内に入りすぐに復帰してキャップカバー6の嵌合溝24内にキャップレバー7の爪30を嵌合すると同時にキャップカバー6の飲み口押え突部25が中栓キャップ4の飲み口5を閉鎖する。
その後、キャップロック8をキャップロックピン33を支点として上方へ回動し、弾性部35を中栓キャップ4の突起片20下方へ移動させれば、キャップカバー6の後方回動とキャップレバー7の前方回動を同時に阻止することができる。
更に、中栓キャップ4の飲み口5の閉鎖では、手にてキャップカバー6の先を前方へ回動し押さえつけて、キャップレバー7の爪30をキャップカバー6の嵌合溝24内に嵌合した後、指先にてキャップロック8を上方へ回動してキャップレバー7の前後回動を阻止し、同時にキャップカバー6の前後回動をも阻止している。
このようにキャップロック8は、単に後部に弾性部35を備え、キャップレバー7に支えられたキャップロックピン33に枢支し、キャップレバー7は、中栓キャップ4に支えられたキャップレバーピン29に枢支し、しかもこのキャップレバーピンよりも下方に配置したキャップレバースプリング32にて常時キャップレバー7の上部の爪30が中栓キャップ4の前面側に向けて押圧されており、キャップレバー7の爪30を嵌合する嵌合溝24を備えたキャップカバー6が中栓キャップ4に支えられたキャップカバーピン26に枢支するだけなので、部品点数も非常に少なく、構造も簡単で確実に中栓キャップの飲み口を開閉することができる。
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもこれら実施例構造のみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ、本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
本発明実施例の正面図。 本発明実施例の斜視図。 本発明実施例の中央縦断面図。 本発明他実施例の要部を示す一部縦断面図。 本発明他実施例のキャップカバーの開放状態を示す一部縦断面図。 本発明他実施例の要部のロック前を示す一部縦断面図
符号の説明
1…液体容器
2…内容器
3…外装体
4…中栓キャップ
5…飲み口
6…キャップカバー
7…キャップレバー
8…キャップロック
16…左突出壁
17…右突出壁
18…下方突出壁
19…U字状壁
20…突起片
22…当接突出片
24…嵌合溝
25…飲み口押え突部
27…キャップカバースプリング
29…キャップレバーピン
30…爪
32…キャップレバースプリング
33…キャップロックピン
34…指掛け部
35…弾性部

Claims (1)

  1. 外装体に囲まれた内容器(2)の口元に着脱自在に装着し、内容器(2)と連通する飲み口(5)を備え、天面とその周りの側壁とからなる蓋状の中栓キャップ(4)と、中栓キャップに枢支し、飲み口を開閉自在とするキャップカバー(6)と、キャップカバーの前後回動を規制するキャップレバー(7)と、キャップレバーの前後回動を規制するキャップロック(8)とを備え、開放時キャップロック(8)を操作してキャップレバー(7)の規制を解除した後、キャップレバーを操作してキャップカバー(6)の規制を解除し、中栓キャップ(4)の飲み口(5)を開放する携帯用液体容器(1)に於いて、
    上記蓋状の中栓キャップ(4)には、正面部に左右突出壁(16)、(17)と下方突出壁(18)とからなるU字状壁(19)が形成され、このU字状壁内には、天面に近い前面壁に当接突出片(22)と、下方突出壁(18)に近い前面壁に爪状の突起片(20)とが設けられ、
    中栓キャップ(4)の後方に枢支されたキャップカバー(6)には、中栓キャップの飲み口(5)を開閉する飲み口押え突部(25)と、中栓キャップのU字状壁(19)上方に位置する前面開口の嵌合溝(24)と、キャップカバー(6)を前後回動自在に付勢するキャップカバースプリング(27)とが設けられ、
    キャップレバー(7)は、U字状壁(19)の左右突出壁(16)、(17)間にキャップレバーピン(29)を介して枢支され、上方にキャップカバー(6)の嵌合溝(24)内に嵌合する爪(30)と、下方にキャップロックピン(33)を介してキャップロック(8)を枢支し、キャップレバー(7)の枢支点とキャップロック(8)の枢支点との間でキャップレバー(7)内壁と中栓キャップ(4)のU字状壁(19)内表面との間にキャップレバースプリング(32)を設け、このキャップレバー(7)は、側面視において、U字状壁(19)に覆われ、
    キャップロック(8)には、キャップレバー(7)の下端にキャップレバーの前面より当接する指掛け部(34)と、キャップロックピン(33)後方で中栓キャップ(4)の突起片(20)と当接する弾性部(35)とが一体的に形成され、側面視において、U字状壁(19)に覆われ、
    中栓キャップ(4)の飲み口(5)開放時のみ、キャップロック(8)に掛ける指先の押圧動作にて、キャップロックの上下回動とキャップレバー(7)の前後回動とを同時に操作可能としたことを特徴とする携帯用液体容器。
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