JP5170060B2 - 基礎ボルトの交換方法 - Google Patents
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Description
前記のような大型構造物6を分解撤去した状態では、下端部に係止部3を備えた基礎ボルト4でも、大型構造物6またはこれを支持しているソールプレート5等の円形のボルト挿通孔15が、基礎ボルト4の上部に存在しないので、基礎ボルト4を下記のような工程により上方に引き上げて交換することが可能であることは知られている。
前記のような逆T字状の基礎ボルト4を交換する場合には、基礎ボルト4にねじ込まれているナット等の雌ねじ部材11を取り外すと共に前記基礎ボルト4を支持しながら下降し、その基礎ボルト4の下端係止部3を被係止金具2から下方に離反させた状態で、前記基礎ボルト4をその軸周りに90°回転させることで、平面視で、被係止金具2の孔内に基礎ボルト4の係止部3を位置させ、前記基礎ボルト4を引き上げることで、係止部3を被係止金具2から上方に引き抜き、基礎ボルト4を撤去できる。また、前記と逆の操作により基礎ボルト4の係止部3側を挿入して被係止金具2に係止させることも可能である。
しかし、図16に示すように、長期の使用により、基礎ボルト4の係止部3を収容している下部キャップ10内に塵埃等が堆積した場合には、基礎ボルト4を下降させて係止部4を被係止金具3から離反させることが困難になる。
このような場合に、基礎ボルト4の周囲の基礎コンクリート(被定着体)1を大掛かりに破砕して基礎ボルト4を交換させるのでは、工場における稼動(加工または生産ライン)を長期間停止させて交換するようになり、工場の稼動率が低下することになる。
前記のような基礎ボルトの交換にあたっては、工場の稼動を極力停止させないことが望まれる。
基礎ボルトの一部を切断して新たなボルトを溶接することは知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、下部構造物に埋め込み固定されるアンカーボルト等の基礎ボルトにより支承を固定する構造では、鉄筋コンクリート製の下部構造物の上部を破砕撤去すると共に基礎ボルトの一部を撤去することは知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、アンカーボルトからなる基礎ボルトにより支承を固定することは知られている(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、工場の稼動を停止することなく、基礎ボルトを交換することが可能な基礎ボルトの交換方法を提供することを目的とする。
第2発明の基礎ボルトの交換方法においては、構造物を固定するための基礎ボルトの交換方法であって、前記基礎ボルトが設けられている基礎など被定着体の下側の地盤を掘削して、前記被定着体の下側に作業空間を形成した後、基礎ボルト直下の被体着体の部分を切削して、前記基礎ボルトの下端側を前記作業空間側に開放し、基礎ボルトの上部にねじ込まれている雌ねじ部材を取り外し、前記基礎ボルトを作業空間側から抜いた後、新たな基礎ボルトを作業空間側から前記被定着体に挿入することを特徴とする。
第3発明では、第1発明または第2発明の基礎ボルトの交換方法では、前記の作業空間側において基礎等の被定着体の下側に、新たに被係止部を設けた後、撤去された基礎ボルトよりも長い寸法の新たな基礎ボルトを作業空間側から挿入して、その新たな基礎ボルトの係止部を前記新たな被係止部に係止させることを特徴とする。
また、第2発明によると、構造物を固定するための基礎ボルトの交換方法であって、前記基礎ボルトが設けられている基礎など被定着体の下側の地盤を掘削して、前記被定着体の下側に作業空間を形成した後、基礎ボルト直下の被体着体の部分を切削して、前記基礎ボルトの下端側を前記作業空間側に開放し、基礎ボルトの上部にねじ込まれている雌ねじ部材を取り外し、前記基礎ボルトを作業空間側から抜いた後、新たな基礎ボルトを作業空間側から前記被定着体に挿入するので、工場の稼動を長期に停止することなく、基礎ボルト直下の基礎の部分を切削して、前記基礎ボルトの下端側を前記作業空間側に開放することで、基礎ボルトをその下側の作業空間側から撤去・挿入して容易に交換することができる等の効果が得られる。
第3発明によると、前記の作業空間側において基礎等の被定着体の下側に、新たに被係止部を設けた後、撤去された基礎ボルトよりも長い寸法の新たな基礎ボルトを作業空間側から挿入して、その新たな基礎ボルトの係止部を前記新たな被係止部に係止させるので、既設側の被係止部を使用できない場合でも、単に鉄筋コンクリート製の基礎下面側に被定着部を設けるだけで、新たな基礎ボルトに交換・設置することができる等の効果が得られる。
基礎ボルト4の下方に設ける作業空間14は、交換する基礎ボルト4の数および位置によって、適宜広さ等は設定される。
図1あるいは図2に示すように、左右あるいは前後に間隔をおいた立坑13相互を作業空間14により接続するようにしてもよく、交換すべき基礎ボルト4が図1または2において片側のみの場合には、一方の立坑13を省略し、作業空間14も、コンクリート製基礎など被定着体1の幅方向の端部あるいは中間部までの巾寸法となるようにしてもよい。
この場合、図示省略のクレーン等により、吊りボルト17に連結されているワイヤーロープあるいはチェーン18は支持され、また、ワイヤーロープあるいはチェーン18は前記アンカースリーブ9内を降下され、また、緩められたワイヤーロープあるいはチェーン18下端の吊りボルト17は取り外して、搬送用の吊りボルトに適宜付け替えて既設の基礎ボルト4を作業空間14から搬出撤去する。
前記の基礎ボルト4の作業空間14側への引き出しにあたっては、基礎ボルト4の上部を下方に向かって押圧する押圧力を付加するようにしてもよい。
なお、アンカースリーブ9内に合成樹脂あるいは粘弾性体が充填されている場合には、基礎ボルト4を作業空間14側に降下させる前に、合成樹脂あるいは粘弾性体を適宜の手段(切削あるいは掻き出し等)により除去する。
前記第1実施形態の場合は、既設の被係止金具2に新たな基礎ボルト4の係止部3を係止させる場合の形態であるが、既設の被係止金具2を利用しない形態も考えられるので、次に、鉄筋コンクリート製の基礎など被定着体1の下側に新たな被係止金具2を設けて、基礎ボルト4の係止部3を係止させる形態について説明する。
この場合は、新たな被係止金具2aが、鉄筋コンクリート製の基礎など被定着体1の下側に配置されてレベル低下しているので、この長さ分を見込んだ長さの新たな基礎ボルト4aを、作業空間14側から吊り上げて、図10に示すように、新たな被係止金具2に対して基礎ボルト4の係止部3を回動不能に、また、上昇不能に係止した状態で、雌ねじ部材11により締め込んで、ソールプレート5を固定すればよい。
また、図11に示すように、新たな係止金具2aの下面側に、鋼製の新たな下部キャップ10aをボルト等により固定して、新たな基礎ボルト4aの防錆を図る。基礎ボルト5の交換作業が終了した後、作業空間14および立坑13には、掘削土が埋め戻され、矢板等の土留め部材は撤去される。
また、作業空間を形成した状態で、鉄筋コンクリート製の基礎など被定着体1下側の地盤強化を図る必要がある場合には、地盤改良工法あるいは杭を増設する増杭工法により、鉄筋コンクリート製の基礎など被定着体1下側の地盤強化を図るようにしてもよい。
また、図示の形態では、鉄筋コンクリート製の基礎など被定着体1の下側に横方向に貫通する横孔を形成するようにして作業用空間14を形成する形態を示したが、被定着体1の下側を横方向に貫通しない形態の作業用空間(立坑等の出入り口が1箇所の形態の作業用空間)であってもよい。
2 被係止金具(アンカープレート)
2a 新たな被係止金具
3 係止部
4 基礎ボルト
4a 新たな基礎ボルト
5 ソールプレート
6 大型構造物
7 (係止部を通過させる)貫通孔
8 (係止部を格納する)溝
9 アンカースリーブ
10 鋼製キャップ
11 雌ねじ部材
12 地盤
13 立坑
14 作業空間
15 ボルト挿通孔
16 塵埃
17 吊りボルト
18 ワイヤーロープあるいはチェーン
19 ボルト挿通孔
20 被係止金具固定部
21 被係止金具固定用孔
22 被係止金具固定用ボルト
23 雌ねじ孔
24 切削孔
25 均しモルタル
26 土留め壁
27 床スラブ
28 止水モルタル
Claims (3)
- 構造物を固定するための基礎ボルトの交換方法であって、前記基礎ボルトが係止されている基礎など被定着体の下側の地盤を掘削して、前記被定着体の下側に作業空間を形成し、前記基礎ボルトを作業空間側から抜いた後、新たな基礎ボルトを作業空間側から前記被定着体に挿入することを特徴とする基礎ボルトの交換方法。
- 構造物を固定するための基礎ボルトの交換方法であって、前記基礎ボルトが設けられている基礎など被定着体の下側の地盤を掘削して、前記被定着体の下側に作業空間を形成した後、基礎ボルト直下の被定着体の部分を切削して、前記基礎ボルトの下端側を前記作業空間側に開放し、基礎ボルトの上部にねじ込まれている雌ねじ部材を取り外し、前記基礎ボルトを作業空間側から抜いた後、新たな基礎ボルトを作業空間側から前記被定着体に挿入することを特徴とする基礎ボルトの交換方法。
- 前記の作業空間側において基礎等の被定着体の下側に、新たに被係止部(アンカープレート)を設けた後、撤去された基礎ボルトよりも長い寸法の新たな基礎ボルトを作業空間側から挿入して、その新たな基礎ボルトの係止部を前記新たな被係止部に係止させることを特徴とする請求項1または2に記載の基礎ボルトの交換方法。
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