JP5169929B2 - 微生物数測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば口腔内の被検査物(細菌)を測定するための微生物数測定装置に関するものである。
口の中を管理する口腔ケアは、歯周病等の口腔疾患の予防、誤嚥性肺炎の予防等を目的に行われており、日常的には、うがいや歯磨きから始まって、本格的な病院の口腔ケアにいたるまで、様々な場所で活用されている技術である。
さらに、近年の研究では、病院で患者の手術前後に口腔ケアを行うと、例えばガンの手術後の患者の在院日数が減少したり、手術後の発熱の頻度が減少したりする等、患者にとって手術後の負担が大きく軽減されることが判明してきており、口の中の細菌を減らすことと手術後の各種症状の予防軽減との関連が指摘されている。
すなわち、口の中の細菌の数を減らすことは、病院における手術においても効果が大きいとして、口腔ケアの重要性がさらに認識されつつある。
しかしながら、これらの口腔ケアが好ましい物であると徐々に認識されてきたにも関わらず、それらが、未だ十分に継続的に行われない理由の一つとして、口腔ケアにより細菌を減らすことができることが、数値として明確にされていないことが上げられる。そこで、近年これらの細菌の数を数値化するものが提案されている(たとえば、下記特許文献1)。
特開2000−125846号公報
上記従来例における機器は、口の中の細菌の総菌数を測定し数値化できるという点において、画期的な機器であり、たとえば、病院における手術においては、口腔ケアの一環として口の中の総菌数を数値化できるものであり、手術後における患者の回復度合いを判定できる物であった。
しかしながら、従来の機器では、口の中の細菌の総菌数を測定できるものの、菌の種類までもは判定できず、その点ではまだ改良の余地を残す物であった。
すなわち、従来の機器では口の中の総菌数を測定して患者の回復度合いを判定することは出来るが、菌の種類が特定できないため、特定の菌に対する疾病の治療や、菌に合わせた各種疾病の予防軽減はできなかった。つまり、その菌に対応した治療環境を提供することができなかった。
そこで本発明は、菌に対応した適切な治療環境を提供することを目的とする。
そしてこの目的を達成するために本発明は、検体を収容する容器と、この容器内に設けた液体と、この容器内で前記液体の水面下に設けた第1、第2の測定電極とを備え、前記第1の測定電極の対向電極間を、前記第2の測定電極の対向電極間よりも小さくするとともに、これらの第1、第2の測定電極には、測定部を接続し、この測定部には、前記第1の測定電極における被検査物の測定値と第2の測定電極における被検査物の測定値から、第1の被検査物と、この第1の被検査物よりも小径の第2の被検査物の構成比を算出する構成比算出部を接続した構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、検体を収容する容器と、この容器内に設けた液体と、この容器内で前記液体の水面下に設けた第1、第2の測定電極とを備え、前記第1の測定電極の対向電極間を、前記第2の測定電極の対向電極間よりも小さくするとともに、これらの第1、第2の測定電極には、測定部を接続し、この測定部には、前記第1の測定電極における被検査物の測定値と第2の測定電極における被検査物の測定値から、第1の被検査物と、この第1の被検査物よりも小径の第2の被検査物の構成比を算出する構成比算出部を接続したものであるので、例えば被検査物として口腔内の菌を測定した場合には、菌に起因するより適切な治療環境を提供することができる。
すなわち本発明の微生物数測定装置は、対向電極間(ギャップ長)の異なる第1、第2の測定電極を用いて菌の静電容量の変化量を測定し、この2つの電極での2つの測定値(菌数)を求め、その差を予め計測保存しておいた菌構成テーブルと比較することで、大径の菌と小径の菌の構成比を求める構成としたものである。
そして、菌は独自の大きさを持っていることから、大径の菌あるいは小径の菌が何であるかを予め調べることによって、その大きさから菌の種類と数を特定できるようになり、その結果として、特定の菌に対する疾病の治療や、菌に合わせたの各種疾病の予防軽減のための治療環境、つまり、その菌に対応した適切な治療環境を提供することができるようになった。
以下本発明の一実施形態を添付図面を用いて説明する。
図1は、口腔内の被検査物(細菌)を測定するための微生物数測定装置を示し、その上面には、図3に示す細菌測定用セル1を装着する装着部2と、図3に示す細菌測定用セル1の測定電極3に接続される図7に示す測定部4とを備えた構成となっている。
前記装着部2は、上面が開口部5となった円筒状の構成となっており、この開口部5から図2のごとく細菌測定用セル1が、その下部から挿入される。
図3は、細菌測定用セル1の断面図である。
まずこの細菌測定用セル1は、上面が開口したポリカーボネート製の有底筒状の容器6と、この容器6内を、下方の測定空間7と上方の液体収納空間8に仕切る第1の薄膜9と、この容器6の前記液体収納空間8上を覆った第2の薄膜10とを備え、前記測定空間7には、上述した測定電極3を設け、前記液体収納空間8内には、測定用の液体として純水11を設けた構成となっている。
図3において、容器6に、第1の薄膜9の外周を固定し、次に、この第1の薄膜9上の液体収納空間8に測定用の純水11を入れ、その後、この容器6の液体収納空間8上に第2の薄膜10の外周を固定することにより、細菌測定用セル1を形成する。
なお、これら第1の薄膜9、第2の薄膜10は、金属箔、具体的にはアルミニウム箔によって構成したものである。
そこで、この第1の薄膜9、第2の薄膜10の外周部の固定強度を高めるために、まず、容器6の測定空間7の開口は、液体収納空間8の開口よりも小さくすべく、容器6の液体収納空間8の下部の開口を、この液体収納空間8の上部の開口よりも小さく絞って、この下部の開口絞り部に段部12を形成し、この段部12に第1の薄膜9の外周を固定している。具体的には、ポリカーボネート製の容器6の一部である段部12と、アルミニウム箔製の第1の薄膜9を熱溶着している。
また、容器6の液体収納空間8の上部開口部には、外方に広がるフランジ13を形成し、このフランジ13に第2の薄膜10の外周を固定している。これも、具体的には、ポリカーボネート製の容器6の一部であるフランジ13と、アルミニウム箔製の第2の薄膜10を熱溶着している。
このため、第1の薄膜9および第2の薄膜10は、容器6に対して、強固に固定(溶着)されることとなり、この容器6から剥がれることなどはない。
ここで、測定電極3について図4、図5を用いて説明する。
図4において、14、15は、端子で、これらの端子14、15間には、図5で示す櫛歯状の電極16、17が接続されている。
櫛歯状の電極16、17は、図5に示すごとく、長い経路に渡って、両者が極めて接近した対向状態となっており、これにより、両者間で静電容量が発生することになっている。
そして、細菌の数が多いとこれら電極16、17間の静電容量も大きくなり、この静電容量から細菌数を測定するようになっている。
図6は、装着部2に図3に示す細菌測定用セル1を装着後に、キャップ18を被せたものであり、このキャップ18には、検体採取用担体19を構成する棒体20が貫通する貫通孔21Aを設けている。
検体採取用担体19は、図7に示すごとく、その下端に綿を丸めた採取部21を設けたものであり、本実施形態においては、まず、この検体採取用担体19の棒体20を持って、採取部21により、口腔内をなぞり、これにより口腔内から細菌を採取部21によって採取する。
次に、この検体採取用担体19の採取部21を、装着部2に装着された図3に示す細菌測定用セル1の第2の薄膜10の中央部上にのせ、その後、この検体採取用担体19の棒体20を、キャップ18の貫通孔21Aに下から上方へと貫通させ、この状態で、キャップ18を装着部2の所定部分にセットする。
この状態で、次に図7のごとく、検体採取用担体19の棒体20をキャップ18の貫通孔21Aに沿って、真下に突き降ろすこととなる。
すなわち、検体採取用担体19の採取部21で、第2の薄膜10が突き破られ、次に、図7のごとく、検体採取用担体19の採取部21で、第1の薄膜9が突き破られ、この結果として、液体収納空間8内の純水11は、採取部21と共に測定空間7へと流れ込むこととなり、測定電極3は、純粋11の水面下に配置されることになる。
なお、本実施形態においては、図7に示すごとく第1の測定電極3Aと第2の測定電極3Bが、容器6の測定空間7に並んで配置されている。測定電極3Aと測定電極3Bは、図5の対向する電極16、17間の距離(ギャップ長)が異なっており、第1の測定電極3Aの電極間距離は、第2の測定電極3Bの電極間距離よりも小さくなっている。
また、この純水11の上方への飛び出しは、キャップ18によっても防ぐことができ、これら両方の飛び出し防止は、衛生面における効果も奏するものとなる。
さて、図7は、電気的なブロック図を示し、容器6の底面下方には、ロータ22が配置され、このロータ22には、磁石23、24が配置されている。
すなわち、ロータ22を、モータ25で回転させれば、図7に示した容器6の底部に可動自在に配置した、攪拌体(金属棒)26が、回転し、これにより測定空間7内の純水11は、大きく攪拌され、また、攪拌体26により、採取部21は、叩きつけるような衝撃を受け、これによって、採取部21で採取した口腔内の細菌は、純水11内へと流出されることとなる。
そして、この取り出された菌の数は、図7の測定部4にて測定される。
この測定について図7を用いて説明を続けると、純水11内へと取り出された細菌を集めるために、電源部27によって高周波の交流電圧が図4の測定電極3Aの電極14、15、および測定電極3Bの電極14、15に印加される。すると、純水11内の細菌は、電圧印加による誘電泳動力により、プラスとマイナスに分極され、その結果として、その細菌は図5に示す櫛歯状の電極16、17部分に吸引される。この時、電極16、17間に集まる細菌の数が多ければ、静電容量が大きくなる。
ここで、測定部4は、制御部28の指示により、測定電極3A、3Bの印加された電圧、電流、位相角を測定し、この測定電極3A、3B双方の測定値を演算部29に送る。演算部29では、送られてきた2つの測定値から、それぞれの静電容量の大きさを算出し細菌の数を算出する。
なお、測定部4で行う測定と、演算部29で行う細菌の数の算出方法は、従来と同じであるので詳細な説明は省略する。
また、演算部29は、求まった2つの細菌の数を構成比算出部30に送る。この構成比算出部30が、送られてきた2つの細菌の数を比較して細菌の構成比を求め、細菌数や種類を算出して、その結果を制御部28を介して表示部31へと表示することになる。
図7の操作部32は、以上の一連の動作に対する指示入力をするためのものである。
以上の構成において基本的な構成と動作が理解された所で、本実施形態の最も特徴となる、2つの細菌数の差から大径の菌と小径の菌の構成比を算出する方法について説明する。
以下の説明では、まず、大径の菌と小径の菌を、本実施形態の微生物数測定装置で測定した場合、なぜ大径の菌と小径の菌の判別ができるのか、を説明する。
つぎに、大径の菌と小径の菌が混在した検体を、ギャップ長の異なる図7の測定電極3A、3Bで測定し、2つの測定値を求めた場合、大径の菌はギャップ長の影響を強く受け測定値に差が出ることを説明する。
その後、大径の菌はギャップ長の影響を強く受け測定値に差が出ることを利用して、大径の菌と小径の菌の構成比を算出する方法と、この構成比から菌の種類と菌数を求める方法を説明することとする。
まず、大径の菌と小径の菌を、本実施形態の微生物数測定装置で測定した場合、なぜ大径の菌と小径の菌の判別ができるのかを、図8を用いて説明する。
図8は、様々な菌を、菌毎に本微生物数測定装置で測定した結果を表した図であり、図7の純水11に含まれる実菌数を横軸33に配し、本測定装置の測定値の菌数を縦軸34に配している。純水11に含まれる菌数は、たとえば従来の培養法により予め菌数を測定した物を用いる。
この時、菌は、カンジタ菌、大腸菌、ミュータンス菌、ブドウ球菌を用いており、菌径はそれぞれ、カンジタ菌が10μm、大腸菌が1μm、ミュータンス菌が0.5〜1μm、ブドウ球菌が1μmである。つまり、カンジタ菌は、他の3つの菌に比べて大径であるといえる。
ここで、線35は実菌数と計測結果の菌数が同値になる線であり、菌を本測定器で測定すると、この線35上に測定値がくるように図7の演算部29が補正をかけていくことになる。
さて、この補正であるが、菌に対応した補正が必要であることがわかってきた。たとえば大腸菌を測定するときには、演算部29で大腸菌に対応した補正を行い、カンジタ菌を測定するときには演算部29でカンジタ菌に対応した補正を行う必要があるのである。
図8は、大腸菌、カンジタ菌、ミュータンス菌、ブドウ球菌の測定に対して、演算部29で、あえて大腸菌の補正を行い、装置で測定された菌数をそのままプロットした物であり、それぞれカンジタ菌線35a、ミュータンス菌線35b、ブドウ球菌線35cで表されている。なお、大腸菌線35dは、大腸菌の補正を実施したため線35と同じになる。
さてここで、図8の小径の菌である、ミュータンス菌線35b、ブドウ球菌線35c、大腸菌線35dに着目すると、これらは、実菌数に対して、ほぼ同一の測定値が得られることがわかる。
一方、大径の菌であるカンジタ菌線35aは、大腸菌の補正の下では、実菌数よりも多く測定されることがわかる。測定は静電容量の変化率を測定しており、静電容量の変化率が大きいと細菌の数も多いと判定するので、大径のカンジタ菌は、小径菌に比べて静電容量の変化が大きいことが分かる。
これは、小径の菌(1μm)はギャップ長に対して十分に小さいためにギャップ長の大きさ(15μm)による影響を受けにくく、大径のカンジタ菌(10μm)は、ギャップ長に対して影響が無視できない大きさであるため、小径の菌に比べて、静電容量の変化率が大きくなる、つまり菌数が多いと測定されるものと思われる。
すなわち、本実施形態の微生物数測定装置においては、大径の菌と小径の菌はギャップ長による影響度の違いから、同じ補正を行えば、大径の菌と小径の菌との測定値に差がでてくる。そして、小径の菌の測定値は、小径の菌同士でほぼ同一の測定値になり、大径の菌の測定値も、大径の菌同士でほぼ同一の測定値になる(図示せず)。
つまり、本装置においては、菌径毎に測定値に差がでることと、菌径毎に測定値が一定であることを利用して、大径の菌と小径の菌の判別ができるのである。
つぎに、大径の菌と小径の菌が混在した検体を、ギャップ長の異なる図7の測定電極3A、3Bで測定し、2つの測定値を求めた場合、大径の菌はギャップ長の影響を強く受け測定値に差が出ることを、図8、図9を用いて説明する。
ここで、図8はギャップ長15μmの図7の測定電極3Aを用いて測定した結果を示し、図9はギャップ長20μmの図7の測定電極3Bを用いて測定した結果を示している。ギャップ長以外の測定条件は、図8、図9ともに同じである。
まず、小径の菌とギャップ長の関係を、図8と図9を用いて説明する。小径の菌であるミュータンス菌線35bとブドウ球菌線35cは、図8、図9の測定点36aから測定点36bまでの間では、図8でも図9でも計測結果はほとんど同じ菌数値であり、結果として、小径の菌はギャップ長が変わっても、どの菌も同じ結果が得られることが分かる。
すなわち、小径の菌はギャップ長の影響を受けにくく、ギャップ長が変わっても、測定値には差が出てこないのである。
これは、前述のとおり、小径の菌はギャップ長に対して十分に小さいために、静電容量の測定は、ギャップ長の変化による影響を受けにくいのではないかと思われる。
つぎに、大径の菌とギャップ長の関係を図10を用いて説明する。図10は、図8のカンジタ菌線35aと図9のカンジタ菌線35aを同時に示した物で、37aは図8のカンジタ菌線35a、つまりギャップ長が15μmの測定値を表し、37bは図9のカンジタ菌線35a、つまりギャップ長が20μmの測定値を表す。
ここで、図10の測定点38aから測定点38b間では、測定値が大きく異なっていることがわかる。つまり、大径の菌は、ギャップ長が変わると測定値が違ってくることが分かる。
これは、大きさ10μmである大径のカンジタ菌は、ギャップ長15μm、20μmに対して影響が無視できない大きさであるため、ギャップ長が変わると、その影響を受け静電容量の変化率が変化する、つまり測定値の菌数も変化するものと思われる。
一方、この測定点38aから測定点38b間では、ギャップ長15μm(図10の37a)の測定値の菌数のほうが、ギャップ長20μm(図10の37b)の測定値の菌数よりも数が少なくなっている、すなわち静電容量の変化率が小さくなっていることがわかる。カンジタ菌の大きさは10μmなので、ギャップ長15μm(図10の37a)の方が菌の影響を大きく受けて静電容量の変化率が大きくなり、菌数が多く測定されそうなのであるが、実際の測定では反対であり菌数は少なく測定される。
これは、現在その理由は、まだ十分には解明できていないが、おそらくギャップ長が短いと電泳動力の影響が及ぶ領域が小さくなり、その結果、単位時間当たりに集められる菌の数が少なくなり、結果として容量変化量の変化率も小さくなり、菌数が少なく測定されるのではないかと思われる。
したがって、上述のごとく大径の菌はギャップ長の影響を受け易く、ギャップ長が変わると、測定値に差が出てくるのである。
すなわち、大径の菌と小径の菌が混在する純水11を、ギャップ長の異なる測定電極3A、3Bで測定した場合、大径の菌が小径の菌に比べて多いときには、大径の菌はギャップ長による影響を受けやすいので、2つの測定値の差は大きくなる。
一方、大径の菌が小径の菌に比べて少ないときには、小径の菌はギャップ長による影響を受けにくいので、2つの測定値の差は小さくなるのである。
最後に、大径の菌はギャップ長の影響を強く受け測定値に差が出ることを利用して、大径の菌と小径の菌の構成比を算出する方法と、この構成比から菌の種類と菌数を求める方法を図7を用いて説明する。
まず、大径の菌と小径の菌の構成比を変えた検体を、ギャップ長の異なる測定電極3A、3Bを用いて測定部4で測定を行い演算部29で菌数を算出し、この時の菌の構成比と算出された2つの菌数の差を関連づけて構成比算出部30に菌構成テーブル(図示せず)として保存する。
このテーブルを使えば、たとえば、演算部29で算出された2つの菌数の差が大きいときは、大径の菌がギャップ長による影響を受けて差が大きくなっていると分かり、この時は大径の菌が小径の菌よりも多いことになる。
逆に、この菌数の差が小さいときは、ギャップ長の影響を受ける大径の菌が少なくなっていると分かり、この時は小径の菌が大径の菌よりも多いことになる。つまり、この菌構成テーブルを使えば、大径の菌と小径の菌の菌構成が分かるものとなっているのである。
つぎに、実際に検体を測定する。検体の測定は、ギャップ長の異なる測定電極3A、3Bを用いて測定部4が測定を行い、演算部29がそれぞれの菌数を算出し、この菌数の差を、構成比算出部30が前記菌構成テーブルと比較することによって、大径の菌と小径の菌の存在する割合、つまり、菌の構成比が求まることになる。
その後、大径の菌と小径の菌の構成比が判明したので、この構成比と、細菌の従来の方法で求まる総菌数から、構成比算出部30が、大径の菌の数と小径の菌の数を算出するのである。
結果として、菌は独自の大きさを持っているので、大径の菌あるいは小径の菌が何であるかを予め調べておくと、この本実施形態の微生物数測定装置で検体を測定することにより、その大きさから菌の種類が分かり、また菌の数も直ちに分かるものとなるのである。
このように、菌の種類と数を特定できるようになったので、その結果として、口の中に存在する特定の菌に対する疾病の治療や、菌に合わせたの各種疾病の予防軽減のための治療環境、つまり、その菌に対応した適切な治療環境を提供することができる。
以上のように本発明は、検体を収容する容器と、この容器内に設けた液体と、この容器内で前記液体の水面下に設けた第1、第2の測定電極とを備え、前記第1の測定電極の対向電極間を、前記第2の測定電極の対向電極間よりも小さくするとともに、これらの第1、第2の測定電極には、測定部を接続し、この測定部には、前記第1の測定電極における被検査物の測定値と第2の測定電極における被検査物の測定値から、第1の被検査物と、この第1の被検査物よりも小径の第2の被検査物の構成比を算出する構成比算出部を接続したものであるので、例えば被検査物として口腔内の菌を測定した場合には、菌に起因するより適切な治療環境を提供することができる。
すなわち本発明の微生物数測定装置は、対向電極間(ギャップ長)の異なる第1、第2の測定電極を用いて菌の静電容量の変化量を測定し、この2つの電極での2つの測定値(菌数)を求め、その差を予め計測保存しておいた菌構成テーブルと比較することで、大径の菌と小径の菌の構成比を求める構成としたものである。
そして、菌は独自の大きさを持っていることから、大径の菌あるいは小径の菌が何であるかを予め調べることによって、その大きさから菌の種類と数を特定できるようになり、その結果として、特定の菌に対する疾病の治療や、菌に合わせたの各種疾病の予防軽減のための治療環境、つまり、その菌に対応した適切な治療環境を提供することができるようになった。
従って、治療環境の環境整備に大きく貢献するものとなる。
本発明の一実施形態の微生物数測定装置の斜視図 本発明の一実施形態の微生物数測定装置の斜視図 それに用いる細菌測定用セルの断面図 その測定電極3の正面図 その測定電極3の拡大正面図 本発明の一実施形態の微生物数測定装置の斜視図 その電気的なブロック図 本発明の一実施形態の微生物数測定装置を用いた測定値を示す図 本発明の一実施形態の微生物数測定装置を用いた測定値を示す図 本発明の一実施形態の微生物数測定装置を用いた測定値を示す図
1 細菌測定用セル
2 装着部
3 測定電極
3A 測定電極
3B 測定電極
4 測定部
5 開口部
6 容器
7 測定空間
8 液体収納空間
9 第1の薄膜
10 第2の薄膜
11 純水
12 段部
13 フランジ
14 端子
15 端子
16 電極
17 電極
18 キャップ
19 検体採取用担体
20 棒体
21A 貫通孔
21 採取部
22 ロータ
23 磁石
24 磁石
25 モータ
26 攪拌体(金属棒)
27 電源部
28 制御部
29 演算部
30 構成比算出部
31 操作部
33 横軸
34 縦軸
35 線
35a カンジタ菌線
35b ミュータンス菌線
35c ブドウ球菌線
35d 大腸菌線
36a 測定点
36b 測定点
37a カンジタ菌線
37b カンジタ菌線
38a 測定点
38b 測定点

Claims (1)

  1. 検体を収容する容器と、この容器内に設けた液体と、この容器内で前記液体の水面下に設けた第1、第2の測定電極とを備え、
    前記第1の測定電極の対向電極間を、前記第2の測定電極の対向電極間よりも小さくするとともに、これらの第1、第2の測定電極には、測定部を接続し、
    この測定部には、前記第1の測定電極における被検査物の測定値と第2の測定電極における被検査物の測定値から、第1の被検査物と、この第1の被検査物よりも小径の第2の被検査物の構成比を算出する構成比算出部を接続した微生物数測定装置。
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