JP5168566B2 - 飲料用ディスペンサ - Google Patents
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Description
また外国においては、河川や井戸から飲用に適する水を取水することが困難な地域もある。
そこで、いわゆる銘水や、イオン交換等によって飲用に適する様に処理した水を大型のボトルに詰めて販売する事業が近年盛んである。
即ち加熱状態で飲料水タンクに溜置かれる場合は、熱による滅菌が期待できるが、冷水状態で飲料水タンクに溜置かれる場合は、雑菌の繁殖を防ぎ得ない。
この問題を解決するために、飲料水タンク内に紫外線灯等の殺菌灯を挿入し、冷水に紫外線等を照射して滅菌する構成が特許文献1に開示されている。
ここで特許文献1に開示された飲料用ディスペンサでは、飲料水タンクの飲料水に均等に紫外線が照射される様に紫外線灯が配されているが、前記した様に出水部は凹穴状であってその内部が影になり易いから、紫外線の照射が充分に行われない。そのため特許文献1に開示された飲料用ディスペンサでは、出水部の近傍の殺菌が充分であるとは言えず、初期に排出される部分については、滅菌が充分でない場合がある。
即ち紫外線灯には寿命があり、定期的に取り替える必要があるが、特許文献1に開示された飲料用ディスペンサは、飲料水タンクの側面から紫外線灯が挿入されているので、紫外線灯を取り替える際に飲料用ディスペンサの筐体の側面を開放しなければならない。
しかしながら、例えば飲料水タンクの前側(需要者が立つ位置側)の側面に紫外線灯を取り付ける場合は、電磁弁や制御盤等が邪魔になり、紫外線灯の取り替えに手間どる。
一方、左右の側面に紫外線灯を取り付ける構成を採用する場合には、紫外線灯の取り替えの際に飲料用ディスペンサの左右に作業空間を確保しなければならないという不満がある。
即ち飲料用ディスペンサを市街地の事務所等に設置する場合は、事務所内の空間を有効に活用するため、棚やキャビネットの間の隙間に飲料用ディスペンサが置かれる場合が多い。この様な場合には、飲料用ディスペンサの左右側面に棚やキャビネットが密接しており、紫外線灯の取り替えの際に飲料用ディスペンサの左右に作業空間を確保することが困難となる。
即ち飲料水タンクの出水部は、当然に本体部分に比べて断面積が小さいので、出水部にはタンクの本体部に比べて強力に滅菌光が略均等に照射され、注水直前の飲料水を強力に殺菌する。
また本発明の飲料用ディスペンサでは、殺菌灯が飲料水タンクの上部側から挿入されるので、殺菌灯の取り替えも容易である。即ち本発明の飲料用ディスペンサは、飲料水タンクの上部に給水用のボトルが取り付けられ、当該ボトルは取り外し可能なものである。従って、例えば本発明の飲料用ディスペンサを市街地の狭い事務所に設置したとしても、飲料水タンクの上に物を置くという事態は考えられない。またボトルは日常的に取り外すものであるから、殺菌灯を取り替える際にボトルは取り外すことは造作のないことである。 そして飲料用ディスペンサでは、ボトルを取り外すことによって飲料水タンクの上部に作業空間が確保され、殺菌灯を飲料水タンクの上部側から抜き出して取り替えることができる。
また飲料用ディスペンサでは、保護管が天面板から立ち下げ部に至っているので、天面板を外すことなく殺菌灯を取り替えることができる。
図1は、本発明の実施形態の飲料用ディスペンサの正面図である。図2は、飲料用ディスペンサの上部の分解斜視図である。図3は、図1の飲料用ディスペンサの装置構成図である。図4は、図3の飲料用ディスペンサの飲料水タンク(低温タンク)の拡大図である。図5は、図1の飲料用ディスペンサで採用する冷水注出弁73の構成図である。
筐体2は、大きく、土台部5、注水部6、操作部7及びタンク内蔵部8に分かれている。注水部6は、図2の様に大きく窪んでおり、コップ等を設置する設置台10が形成されている。
操作部7には高温用スイッチ群15と、冷水用スイッチ群16が設けられている。高温用スイッチ群15には給湯ボタン14がある。冷水用スイッチ群16には、注水ボタン(スイッチ)20と、準備ボタン(スイッチ)21がある。また注水ボタン20の近傍には注水中であることを示す注水ランプ22があり、準備ボタン21の近傍には準備ランプ23が配されている。準備ランプ23は、注水が可能であるか否かを示すものであり、注水が可能である場合は、青色に点灯し、注水ができない場合は赤色に点灯する。準備中である場合は、青色が点滅する。
接続筒30は、凹部29にボトル3の接続口を差し込んだ際にボトル3の内側に向けて差し込まれた状態となる部分である。また、接続筒30の上端側には、流入口24(図3)が設けられている。接続筒30の構造は公知のそれと同一であり、凹部29にボトル3の接続口を接続した時に、ボトル3内にエアが入ればボトル3内の飲料が流入口24を介して接続筒30内に流入する。
本実施形態では、給水部28は、図示しない係合部によって低温タンク35に固定され、給水部28を半回転程度回転させることによって容易に係合を解くことができ、給水部28を低温タンク35から取り外すことができる。
給水部28を取り外すと、図2の様に低温タンク35の天面板40が露出する。
即ち飲料用ディスペンサ1は、低温タンク35と高温タンク41を持つ。飲料用ディスペンサ1は、飲料を冷却するための冷却装置や、飲料を加熱するための加熱装置44も備えている。
低温タンク35の外周であって、底部側領域47に相当する位置には、熱交換器43が取り付けられている。熱交換器43は、図示しない冷却装置の蒸発器をなすものであり、低温タンク35内にある飲料を冷却するものである。
低温タンク35内には、仕切板45が設けられている。仕切板45は、略水平となるように設置されている。低温タンク35の内部空間は、仕切板45を境として頂部側の頂部側領域46と底部側領域47とに分かれている。仕切板45と低温タンク35の内壁49との間には連通部48があり、この連通部48を介して頂部側領域46と底部側領域47とが連通している。
仕切板45の略中央には、流出口52が設けられており、これを介して連通管51が連通している。連通管51は、低温タンク35の内部を貫通し、低温タンク35の底部から外部に突出し、高温タンク41の底部に接続されている。
2本の保護管67,68は、いずれも低温タンク35の天面板40側から底面42側に向かって垂下されている。
即ち一方の保護管67は、天面板40から底板に渡って垂直に設置されており、上端側は天面板40よりも上部にあって開放されている。保護管68の上部には蓋70が設けられている。蓋70の内面にはコネクタ(図示せず)が取付けられており、殺菌灯61の口金64に設けられた端子(図示せず)が接続される。
また保護管68の底は閉塞されており、もう一つのコネクタ(図示せず)が取付けられている。底側のコネクタには殺菌灯61の他端側の口金64に設けられた端子(図示せず)が接続される。
殺菌灯61は、低温タンク35の上部側から保護管68内に挿入され、下側の端子が底側のコネクタに接続され、上側の端子が蓋70側のコネクタに接続されている。
即ち本実施形態では、低温タンク35の底面に出水部50が設けられている。なお出水部50は、低温タンク35に対して一体的に成形されていてもよく、低温タンク35の本体に対して他の配管を接続して形成してもよい。
立ち下げ部72は大きく3つの領域に分かれている。即ち低温タンク35の底面から長さLの領域は、太管部66である。太管部66の太さは、後述する排水管71よりも太く、さらに保護管67よりも太い。
Lの長さは、10mmから40mm程度である。
そして長さLの領域の最も下部の位置に分岐部75があり、当該分岐部75から排水管71が分岐されている。排水管71の先端には冷水注出弁73が設けられているが、前記した分岐部75から冷水注出弁73に至るまでの間は、直線である。またこの間の排水管71の姿勢は、水平である。言い換えるとこの間の排水管71は立ち下げ部72に対して垂直である。
保護管67と殺菌灯端部収納部76との間は水密状態であって水が進入する余地がない。
さらに立ち下げ部72の殺菌灯端部収納部76と保護管67の間には図示しないシールが施され、両者の間はシールで埋められている。
また保護管67の底は閉塞されており、もう一つのコネクタ(図示せず)が取付けられている。底側のコネクタには殺菌灯60の他端側の口金64に設けられた端子が接続される。
ここで本実施形態における殺菌灯60と低温タンク35の位置関係を説明すると次の通りである。
なお本実施形態では、口金64及び電極63の一部が、テーパ部69と重なっているが、口金64及び電極63とテーパ部69との重なりは、少ないほうがよい。最も望ましい態様は、口金64及び電極63の全てが殺菌灯端部収納部76内にあり、口金64等とテーパ部69との重なりが無い構成である。
本実施形態の飲料用ディスペンサ1は、天面部にボトル3が接続されて使用される。即ちボトル3の接続口に飲料用ディスペンサ1の接続筒30が挿入され、ボトル3が飲料用ディスペンサ1内に導入される。そして水は低温タンク35に流れ込み、その一部が連通管51を介して高温タンク41に入る。
そして給湯ボタン14をオンすることによって給湯弁54が開き、湯が供給される。また注水ボタン20をオンすることによって冷水注出弁73が開き、冷水が供給される。
この内の一方の殺菌灯61は、定期的に一定時間点灯するものであり、他方の殺菌灯60は、給水直前に点灯されるものである。
本実施形態の飲料用ディスペンサ1では、通常、準備ランプ23は赤色に点灯しており、注水ができない状態で待機している。準備ランプ23は赤色に点灯している状態においては、注水ボタン20を押しても無視され、冷水注出弁73は開かない。
なお準備ボタン21は、みだりに押圧されることがないように、オンされにくい構造や回路構成とすることが望ましい。たとえば、準備ボタン21は、注水ボタン20よりも強く押す必要があったり、深く押す必要があるという様に機械的にオンされにくい構造や、一定時間押しつづけた場合にオン状態となる回路を採用することが推奨される。
そして一定時間が経過すると、準備ランプ23が青色の連続点灯に変わり、注水可能な状態となる。そこで注水ボタン20をオンすると冷水注出弁73が開き、冷水用ノズル11から注水が行われる。
本実施形態では、注水可能な状態となってもさらに一定時間は殺菌灯60が点灯を続ける。
また注水可能な状態は、殺菌灯60が消灯したのちも、一定時間に渡って維持される。即ち雑菌が新たに繁殖するまでの時間は注水をしても安全性が確保されるから、殺菌灯60が消灯したのちも、例えば1時間程度は注水可能となる。
即ち本実施形態の飲料用ディスペンサ1では、ステップ1で準備ボタン(スイッチ)21がオンされるのを待っており、ステップ1で準備ボタン21がオンされなければ次のステップに進まない。
そしてステップ1で準備ボタン21がオンされたことが確認されると、ステップ2に進み、タイマが計時を開始する。続いてステップ3に進み、準備ランプ23を青色点滅状態として準備中であることを使用者に報知する。なおランプの表示に代わって、「準備中」等の文字を表示したり、準備中であることを連想させる図形表示を行ってもよい。
さらにステップ4に移行して、前記した殺菌灯60を点灯する。
即ち殺菌灯60の中には発光しない部位(口金64)及び発光しても紫外線が弱い部位(電極63)があるが、これらの部位は通水流路を外れた位置にあり、注水に際して水が通過する流路は全て紫外線が照射される。逆に言えば、最初に注水される水に紫外線が照射され、滅菌される。
なお殺菌灯60の全長の内、多くの部分は、低温タンク35の本体部分の水に対して紫外線を照射するから、殺菌灯60を点灯することによって低温タンク35の本体部分に貯留された水も滅菌される。
即ち殺菌灯60の点灯時間が一定時間を経過すると、初期に注水されるべき水が充分に殺菌されるから、ステップ6に移行して準備ランプ23を青の点滅から青の常時点灯に切り換え、使用者に殺菌が完了したことを知らせ、ステップ7で注水ボタン20がオンされるのを待つ。
ただし本実施形態では、この段階では殺菌灯60を消灯しない。
本実施形態では、この段階では、殺菌灯60の点灯状態を維持している。そのため低温タンク35内の冷水が、出水部50に入り、出水部50の立ち下げ部72を通過する際に強い紫外線を照射され、殺菌される。即ち冷水は、保護管67の下部の周囲と立ち下げ部72との間の通水空間80を通過する際に殺菌される。
即ち本実施形態では、出水部50の立ち下げ部72の内、低温タンク35の底面から長さLの領域(太管部66)に冷水が通過するが、本実施形態では、太管部66の長さを比較的長く設計している。そのため低温タンク35内の水が排出されるまでの間に、冷水は相当の長さLに渡って、殺菌灯60に近接した流路を通過する。そのため低温タンク35内の滅菌が例え充分でなくとも、冷水用ノズル11から排出されるまでの間で充分に滅菌処理が行われる。
従って、ステップ9で第2の時間が経過したことが判明すれば、ステップ10に移行して殺菌灯60を消灯し、ステップ11に移行する。
またステップ9で第2の時間が経過していないならばステップ7に戻り、注水ボタン20を確認する。注水ボタン20がオンであるならば冷水注出弁73を開き続け、オフであるならば冷水注出弁73を閉じてステップ9に移行する。
要するに、ステップ7,8,9で注水ボタン20のオンオフ状態と、殺菌灯60の点灯時間の経過を待つこととなる。
そしてステップ11で当該タイマによる計時時間が完了したか否かを判断し、計時時間が経過していなければステップ7に戻り、注水ボタン20のオンオフ状態を確認する。要するに、殺菌灯60が消灯してから、一定の時間が経過してステップ11でタイマによる計時時間が完了したことが確認されるまでの間は、注水可能な状態が維持される。
前記した様に、注水ボタン20のオンオフを確認するのはステップ7であり、その間にステップ1があって準備ボタン21のオンオフを確認する工程があるから、準備ボタン21を押すこと無く注水ボタン20を押しても冷水注出弁73は開かない。
図7は、本発明の他の実施形態における注水時における一連の動作を示すフローチャートであり、殺菌灯60の消灯と共に注水ができない構成を採用したものである。
本実施形態によると、ステップ9で第2の時間が経過したか否かを判断し、第2の時間が経過しておればステップ10に移行して殺菌灯60を消灯し、直ちに準備ランプ23を赤色の点灯に変え(ステップ11)ステップ1に戻る。
前記した様に、注水ボタン20のオンオフを確認するのはステップ7であり、その間にステップ1があって準備ボタン21のオンオフを確認する工程があるから、準備ボタン21を押すこと無く注水ボタン20を押しても冷水注出弁73は開かない。即ち本実施形態では、殺菌灯60が消灯した後は、注水することができない。
本実施形態によると、注水される水は注水直前に保護管67の下部の周囲と立ち下げ部72との間の通水空間80を通過し、注水の直前に強い紫外線が照射されるから、殺菌効果が高い。
また本実施形態では、二灯の殺菌灯は、いずれも低温タンク35の全高に及ぶ長さを持つが、短いものであってもよい。例えば、端部が低温タンク35の出水部50に至っている殺菌灯60は、その上端が低温タンク35の中心程度の高さにあったり、あるいはより低い位置にあるものであってもよい。他方の殺菌灯についても同様である。
さらに本実施形態では、両端に口金64を有するものを採用したが、一方だけに口金64を有するものであってもよい。殺菌灯の形状は任意である。
3 ボトル
35 低温タンク(飲料水タンク)
40 天面板
50 出水部
60,61 殺菌灯
63 電極(電極部)
67,68 保護管
71 排水管
72 立ち下げ部
73 冷水注出弁
74 弁体(ダイヤフラム)
75 分岐部
76 殺菌灯端部収納部
80 通水空間
Claims (8)
- 飲料水タンクを備え、前記飲料水タンク内に殺菌灯が設けられた飲料用ディスペンサであって、飲料水タンクの上部に給水用のボトルが取り付けられ、当該ボトルは取り外し可能である飲料用ディスペンサにおいて、前記飲料水タンクの底部に出水部が設けられ、前記出水部は縦方向に下がる立ち下げ部を有し、前記殺菌灯は、飲料水タンクの上部側から飲料水タンク内に挿入され、その一端が立ち下げ部に至っていることを特徴とする飲料用ディスペンサ。
- 飲料水タンクは天面板を備え、前記天面板から前記立ち下げ部に至る保護管を有し、前記保護管の下部の周囲と立ち下げ部との間には通水空間があり、前記保護管内に前記殺菌灯が挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の飲料用ディスペンサ。
- 排水管を有し、当該排水管は需要者に湯水を供給する注水口に連通するものであり、前記排水管は立ち下げ部から分岐され、前記殺菌灯の端部は排水管の分岐部よりも下部に至っていることを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料用ディスペンサ。
- 前記殺菌灯の端部の電極部が排水管の分岐部よりも下部に至っていることを特徴とする請求項3に記載の飲料用ディスペンサ。
- 排水管に注出弁が設けられ、前記排水管は分岐部から注出弁に至る間が直線状であり、前記注出弁の弁体として排水管の先端を塞ぐ隔膜式の弁体が用いられることを特徴とする請求項3又は4に記載の飲料用ディスペンサ。
- 保護管を有する構成であり、立ち下げ部の軸線上であって分岐部の下部側に殺菌灯端部収納部が設けられ、殺菌灯端部収納部に保護管の端部が至り、保護管と殺菌灯端部収納部との間は水密状態であって水が進入する余地がないことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の飲料用ディスペンサ。
- 飲料水タンクの底部に飲料水取り出し配管が接続され、前記飲料水取り出し配管によって前記立ち下げ部が構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の飲料用ディスペンサ。
- 保護管を有し、前記保護管内に前記殺菌灯が挿入されている構成であって、前記保護管は、フッ素系樹脂を素材とするものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の飲料用ディスペンサ。
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