JP5167983B2 - めっき前処理方法及び表面処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理物の被処理面、例えばエンジンのシリンダブロックのシリンダ内周面にめっきのためのめっき前処理を施すめっき前処理方法、及びこのめっき前処理方法を実施する表面処理装置に関する。
従来、シリンダブロックのシリンダ内周面にめっき前処理を施す際に、シリンダブロックを加熱する方法が特許文献1に開示されている。この加熱方法では、シリンダブロックのシリンダボア内にヒータを配置して、シリンダボア内に滞留した処理液を加熱している。
特開平9−3687号公報
ところが、シリンダヘッド一体型のシリンダブロックにおいて、シリンダボアを形成するシリンダ内周面に、めっき前処理として陽極電解エッチング処理を施す場合には、シリンダボアに電極が配置されているため、このシリンダボア内に特許文献1の如くヒータを配置することができない。
このようにシリンダボア内にヒータを配置できない場合には、シリンダブロックにおいて、温度の低いワーク載置台(ワーク支持台)近傍部分や、冷却効果の高い肉厚の薄い部分、冷却フィンが形成された部分にそれぞれ対応するシリンダ内周面の各箇所では、温度が低下し易い。このため、めっき前処理として陽極電解エッチング処理を上記シリンダ内周面に施すと、温度が低い箇所でエッチング深さが減少してしまい、めっき密着性の低下やめっき均一性の低下が生ずる恐れがある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、被処理物の被処理面をめっき前処理の反応温度に均一化して、めっき前処理を最適化できるめっき前処理方法及び表面処理装置を提供することにある。
本発明に係るめっき前処理方法は、被処理物の被処理面に電極を対向して配置させ、これらの電極と被処理面間に処理液を導き、前記電極と前記被処理物に通電することで、前記被処理面をめっき前処理するめっき前処理方法において、めっき前処理時に前記被処理物の外部からこの被処理物へ温風を吹き付け、この被処理物の前記被処理面をめっき前処理の反応温度まで加熱することを特徴とするものである。
また、本発明に係る表面処理装置は、被処理物の被処理面に電極を対向して配置させ、これらの電極と被処理面間に処理液を導き、前記電極と前記被処理物に通電することで、前記被処理面をめっき前処理する表面処理装置において、前記被処理物の外部からこの被処理物へ温風を吹き付けて、この被処理物の前記被処理面をめっき前処理の反応温度まで加熱する温風を発生する、温風吹出し口を備えた温風発生手段を有することを特徴とするものである。
本発明に係るめっき前処理方法及び表面処理装置によれば、被処理物の外部からこの被処理物へ吹き付けられる温風により、被処理物の被処理面をめっき前処理の反応温度まで加熱するので、この被処理面をめっき前処理の反応温度に均一化できる。この結果、被処理面のめっき前処理を最適化でき、被処理面のめっきの密着性や、めっきの均一性を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1の実施の形態(図1〜5)
図1は、本発明に係る表面処理装置における第1の実施の形態を示す全体構成図である。図2は、図1の電極及びワーク載置台などの周囲を示す側断面図である。
図1及び図2に示す表面処理装置10は、エンジンのシリンダブロック100におけるシリンダ内周面106に処理液(めっき前処理液またはめっき処理液)を強制的に導いて流動させ、筒状電極12及びシリンダブロック100に通電することで、シリンダ内周面106を高速でめっき前処理またはめっき処理するものである。この表面処理装置10は、筒状電極12及び第1シール部材11を備えた電極ユニット13と、位置決めピン14、接続部材としてのコネクタピン15、及び第2シール部材16を備えたワーク載置台17と、ワーク押え治具18と、第3シール部材19を備えた閉塞機構20と、処理液供給手段28と、電源装置29と、温風発生手段としての温風器30とを有して構成される。
前記シリンダブロック100は、図3に示すように、シリンダヘッド104が一体化されたアルミニウム合金鋳物製である。このシリンダブロック100は、シリンダ101、クランクケース102及びシリンダヘッド104を備え、シリンダ101に中空形状のシリンダボア103が形成される。シリンダヘッド104は、内側に燃焼室105が形成されると共に、シリンダボア103の一端部(上端部)を閉塞する。従って、シリンダ101のシリンダボア103とシリンダヘッド104の燃焼室105とが連通する。シリンダボア103を形成するシリンダ101のシリンダ内周面106が、表面処理装置10によりめっき前処理またはめっき処理される。
また、このシリンダブロック100は、特にシリンダ101及びシリンダヘッド104の外壁に冷却フィン114を備えた空冷エンジンのシリンダブロックである。冷却フィン114が、シリンダ101及びシリンダヘッド104内の熱を空気中へ放出する。逆に、この冷却フィン114は、外部からの熱を効果的に取り込む機能も果たす。
更に、シリンダヘッド104には、吸排気バルブ口107が形成され、この吸排気バルブ口107に、バルブシート108と呼称される吸排気バルブの弁座が設置される。このバルブシート108は、例えば鉄材にて構成され、シリンダブロック100及びシリンダヘッド104の鋳造時に一体化され(鋳ぐるみ)、またはシリンダブロック100及びシリンダヘッド104の鋳造後に圧入される。このバルブシート108は、バルブシート面109が燃焼室105に臨んで設置される。
シリンダブロック100には、一端がシリンダ内周面106に連通し、他端がクランクケース面110に連通し、外部開放部111を備えたオイル通路112が形成されている。エンジン運転時にオイル通路112からシリンダボア103内へ供給されるオイルが、シリンダ内周面106を摺動するピストン(不図示)とシリンダ内周面106とを潤滑する。
さて、図1及び図2に示すように、筒状電極12は、内部に処理液を導いて流動させる内側処理液流路21が形成されると共に、後述のように電源装置29に接続される。この筒状電極12は、ワーク載置台17にシリンダブロック100が載置されたときに、このシリンダブロック100のシリンダボア103内に、シリンダブロック100のクランクケース面110側から挿入されて配置可能に設けられる。この状態で、筒状電極12の外周面23とシリンダブロック100のシリンダ内周面106との間に外側処理液流路22が形成される。内側処理液流路21と外側処理液流路22は、筒状電極12のシリンダヘッド104側端部である上端部24側において連通すると共に、ポンプ33A、33Bを介して処理液タンク34(共に後述)に接続されて、処理液が強制的に循環して導かれる。
筒状電極12の上部に螺合された取付ボルト27を介して、第1シール部材11が筒状電極12の上部に取り付けられる。この第1シール部材11は、筒状電極12がシリンダブロック100のシリンダボア103内に配置された状態でシリンダヘッド104の燃焼室105内に配設されて、シリンダヘッド104に設置されたバルブシート108のバルブシート面109(図3)をシール可能とする。
筒状電極12は、ワーク載置台17を設置する載置台取付プレート35を貫通して下方へ延び、円筒形状の電極ホルダ部材36に着脱可能に取り付けられる。この電極ホルダ部材36は、ホルダ部材取付治具37に固着され、このホルダ部材取付治具37が基台プレート40を介して基台41に支持される。
電極ホルダ部材36とホルダ部材取付治具37との間に、外側処理液流路22に連通する外側処理液流路39が形成される。また、電極ホルダ部材36の内部に、内側処理液流路21に連結する内側処理液流路38が形成される。この内側処理液流路38が、前記ポンプ33Aを介して処理液タンク34に接続され、外側処理液流路39がポンプ33Bを介して処理液タンク34に接続される。これらの内側処理液流路21、38、外側処理液流路22、39、ポンプ33A、33B及び処理液タンク34を有して処理液供給手段28が構成される。
ポンプ33Bの起動により処理液タンク34内の処理液(例えばめっき前処理液)が外部処理液流路39、22、内部処理液流路21、38、ポンプ33A、処理液タンク34の経路で流動して循環する。また、ポンプ33Aの起動により、処理液タンク34内の処理液(例えばめっき処理液)が内側処理液流路38、21、外側処理液流路22、39、ポンプ33B、処理液タンク34の経路で流動して循環する。
図2に示すように、ワーク載置台17は、シリンダブロック100のクランクケース面110に接触してこのシリンダブロック100を載置する。この際、ワーク載置台17に植設された位置決めピン14が、シリンダブロック100のクランクケース面110に形成されたノックピン穴115に係合することで、シリンダブロック100がワーク載置台17に位置決めされる。またこのとき、ワーク載置台17に立設された、例えば円筒形状樹脂製の第2シール部材16が、シリンダブロック100のシリンダ内周面106の下端部Sに当接して、この下端部Sをシールする。
更に、シリンダブロック100がワーク載置台17に載置されたとき、ワーク載置台17に設置されたコネクタピン15が、シリンダブロック100におけるオイル通路112のクランクケース面110側の他端部内に嵌合される。このコネクタピン15は、中空構造であり、外周にOリング等のシール部材が装着されて、オイル通路112の前記他端部に液密に嵌合する。そして、このコネクタピン15は、洗浄水または空気が供給可能なホース機構(不図示)に接続され、オイル通路12内と、外側処理液流路22及び内側処理液流路21内へ洗浄水または空気を供給する。
ワーク押え治具18は、図示しないエアシリンダなどの作用で昇降し、シリンダヘッド104のシリンダヘッド頂面113をワーク載置台17側へ押圧して、シリンダヘッド104一体型のシリンダブロック100をワーク載置台17との間で挟持する。先端部に第3シール部材19を備えた閉塞機構20は、ワーク押え治具18にスライド可能に配設され、ワーク押え治具18とワーク載置台17との間に挟持されたシリンダヘッド104一体型のシリンダブロック100のオイル通路112における外部開放部111を閉塞する。
図1に示す電源装置29は、一端が、ホルダ部材取付治具37及び電極ホルダ部材36を介して、前述の如く筒状電極12に接続される。電源装置29の下端はワーク載置台17に接続されて、このワーク載置台17に載置されたシリンダブロック100に接続される。表面処理装置10がめっき前処理装置として機能する場合には、電源装置29は、シリンダブロック100がプラス極、筒状電極12がマイナス極となるように、筒状電極12及びシリンダブロック100に通電する。また、表面処理装置10がめっき処理装置として機能するときには、電源装置29は、筒状電極12がプラス極、シリンダブロック100がマイナス極となるように筒状電極12及びシリンダブロック100に通電する。
表面処理装置10がめっき前処理装置として機能し、めっき前処理として陽極電解エッチング処理(例えば特開2005−206948号公報記載)を実施する場合には、この陽極電解エッチング処理によるシリンダ内周面106のエッチング深さは、シリンダ内周面106の温度に依存する。前記温風器30は、シリンダブロック100のシリンダ内周面106に陽極電解エッチング処理を施す際に、温風を吹き付けてこのシリンダ内周面106を加熱するものである。
つまり、温風器30は、50〜200℃の温風を発生する温風器本体31と、この温風器本体31にて発生した温風をシリンダブロック100の外部からこのシリンダブロック100へ直接吹き付ける温風吹出し口32とを有して構成される。シリンダブロック100のシリンダ内周面106は、温風吹出し口32からの温風によって、めっき前処理(つまり陽極電解エッチング処理)の反応温度まで加熱される。この温風吹出し口32からの温風が、シリンダ内周面106の温度が低い箇所に対応するシリンダブロック100の外部(外壁)へ吹き付けられることによって、シリンダ内周面106の温度は、陽極電解エッチング反応温度に均一化され、この結果、シリンダ内周面106のエッチング深さが均一化される。
この温風器30によるシリンダブロック100への温風の吹き付けは、シリンダブロック100が表面処理装置10にセットされた直後から表面処理装置10による陽極電解エッチング処理が完了するまで実施される。シリンダブロック100が表面処理装置10に装着(セット)された直後から短時間(例えば100秒間)については、シリンダブロック100のシリンダ内周面106は、温度の低いワーク載置台17に最も近い下端部A(図3)が、シリンダ内周面106の中央部B及び上端部C(図3)側に比べて温度が低くなるので、このシリンダ内周面106の下端部Aに対応するシリンダブロック100の外壁へ温風吹出し口32から温風が吹き付けられる。
また、シリンダブロック100が表面処理装置10にセットされた直後から前記短時間が経過した後には、シリンダブロック100のシリンダ内周面106は、冷却フィン114が形成された箇所や肉厚の薄い箇所に対応するシリンダ内周面106の中央部B及び上端部Cの温度が低くなるので、温風吹出し口32からの温風は、シリンダブロック100において冷却フィン114が形成された箇所や肉厚の薄い箇所に吹き付けられる。
尚、温風吹出し口32は、一部が撓み変形可能に形成されると共に、図1の1点鎖線に示すモータ42、スクリュー43及びナット44等による移動手段を用い、陽極電解エッチング処理の処理時間に対応して移動可能に構成されてもよい。即ち、基台プレート40に設置されたモータ42にスクリュー43が連結され、ナット44が温風吹出し口32に取り付けられると共にスクリュー43に螺合し、陽極電解エッチング処理の当初には、シリンダ内周面106の下端部Aに対応するシリンダブロック100の外壁に温風吹出し口32を位置づける、その後モータ42を駆動させ、シリンダブロック100において冷却フィン114が形成された箇所等へ温風吹出し口32を移動させてもよい。
次に、作用を説明する。
図2に示すように、シリンダヘッド104一体型のシリンダブロック100を、クランクケース面110を鉛直下向きにしてワーク載置台17に載置する。このとき、シリンダブロック100は、ワーク載置台17の位置決めピン14がシリンダブロック100のノックピン穴115に嵌合することで位置決めされ、ワーク載置台17のコネクタピン15が、シリンダブロック100におけるオイル通路112のクランクケース面110側端部に液密に嵌合された状態で、クランクケース面110がワーク載置台17に接触する。更にこのとき、筒状電極12がシリンダブロック100のシリンダボア103内に配置されると共に、第1シール部材11が、シリンダヘッド104に設置されたバルブシート108のバルブシート面109(図3)に接触し、第2シール部材16がシリンダ内周面106の下端部Aに接触する。
次に、ワーク押え治具18をエアシリンダの動作で下降させ、このワーク押え治具18によりシリンダヘッド104一体型のシリンダブロック100におけるシリンダヘッド頂面113を押圧する。これにより、シリンダブロック100がワーク押え治具18とワーク載置台17との間に挟持される。このとき、筒状電極12の上端部24に設置された第1シール部材11が、シリンダヘッド104に設置されたバルブシート108のバルブシート面109に圧接して、このバルブシート面109をシールする。と同時に、ワーク載置台17に立設された第2シール部材16が、シリンダ内周面106の下端部Aに圧接して、この下端部Aをシールする。
その後、閉塞機構20がワーク押え治具18に対してスライドして、閉塞機構20に取り付けられた第3シール部材19が、シリンダブロック100のオイル通路112における外部開放部111を閉塞する。上述の一連の動作によって、シリンダヘッド104一体型のシリンダブロック100が表面処理装置10にセットされる。
この表面処理装置10にシリンダブロック100をセットした状態で、シリンダブロック100のシリンダ内周面106に対してめっき前処理、洗浄処理を順次実施し、他の表面処理装置10にシリンダブロック100をセットした状態で、シリンダブロック100のシリンダ内周面106に対してめっき処理、洗浄処理を順次実施する。
めっき前処理では、前述の陽極電解エッチングが実施される。この陽極電解エッチングでは、処理液としてリン酸、硫酸、スルファミン酸などの電解液が用いられ、この処理液がポンプ33B(図1)の作用で、外側処理液流路22から内側処理液流路21へ向かって流動する。この状態で、筒状電極12がマイナス極、シリンダブロック100がプラス極となるように、電源装置29から筒状電極12及びシリンダブロック100に通電する。すると、シリンダブロック100のシリンダ内周面106がエッチング(浸食)作用で凹凸加工され、そのアンカー効果によってシリンダ内周面106におけるめっき皮膜との密着性が向上する。
めっき処理は、所定の処理液と通電条件を選定することにより、めっき前処理の場合と同様な表面処理装置10を用いて、シリンダブロック100のシリンダ内周面106にめっき皮膜を形成する。但し、このめっき処理では、処理液経路と電極のプラス、マイナスがめっき前処理の場合と逆である。つまり、ポンプ33Aの作用で、処理液を内側処理液流路21から外側処理液流路22へ向かって流動させると共に、筒状電極12がプラス極、シリンダブロック100がマイナス極となるように通電する。
めっき前処理(陽極電解エッチング)とめっき処理とで処理液の経路が異なる理由は次の通りである。即ち、めっき前処理では、シリンダブロック100のシリンダ内周面106の反応温度を上げてエッチングを促進させるために、処理液の流動速度を可能な限り遅くする必要があり、このため、処理液をシリンダ内周面106に確実に接触させる方法として、外側処理液流路22から内側処理液流路21へ向けて処理液を流動させるのである。これに対し、めっき処理では、めっき皮膜の成膜速度を促進させるために、シリンダ内周面106に対して処理液の流動速度を可能な限り速くする必要があり、このため、内側処理液流路21から外側処理液流路22向かって処理液を流動させるのである。
洗浄処理は、めっき前処理とめっき処理のそれぞれの後において、処理液供給及び電気供給(通電)を停止し、シリンダブロック100を表面処理装置10にセットしたままの状態で実施する。シリンダブロック100にオイル通路112が形成されていない場合には、内側処理液流路21及び外側処理液流路22へ給水ポンプの作用で給水タンク(共に図示せず)から直接洗浄水を供給して、シリンダブロック100のシリンダ内周面106を洗浄するが、シリンダブロック100にオイル通路112が形成されている場合には、このオイル通路112を利用して洗浄水を供給する。
つまり、めっき前処理またはめっき処理後に給水ポンプ(不図示)を起動して、給水タンクからホース機構(共に図示せず)を介してコネクタピン15及びオイル通路112へ洗浄水を供給し、この洗浄水をオイル通路112から外側処理液流路22、内側処理液流路21へ順次流して、オイル通路112及びシリンダ内周面106を同時に洗浄する。洗浄後の洗浄水は、外側処理液流路22、39及び内側処理液流動21、38を経て処理液タンク34へ導かれる。このとき供給される洗浄水の水量は、加温による処理液の蒸発分の水量に等しくなるように調整される。このため、処理液タンク34の液濃度は一定に保持される。また、洗浄終了後には、バルブ(不図示)が切り換えられてオイル通路112内へ空気が供給され、このオイル通路112内に溜まった洗浄水が吐き出される。
尚、めっき前処理時及びめっき処理時においては、ホース機構からコネクタピン15まで洗浄水が満たされているため、処理液がオイル通路112へ侵入してきても、コネクタピン15までに至った洗浄水の水圧の作用で、処理液がコネクタピン15及びホース機構へ侵入することがない。
前述のめっき前処理(陽極電解エッチング処理)時には、温風器30の温風吹出し口32からシリンダブロック100の外壁、特にシリンダ内周面106の下端部Aに対応する外壁へ温風を吹き付けて、シリンダブロック100のシリンダ内周面106の温度を、陽極電解エッチング処理の反応温度まで加熱する。図4及び図5は、シリンダブロック100のシリンダ内周面106に陽極電解エッチング処理を施した際に、処理開始直後から100秒間のシリンダ内周面106における下端部A、中央部B、上端部Cの温度変化を測定した結果である。
図5は、温風器30によってシリンダブロック100へ温風を吹き付けずに陽極電解エッチング処理を行った結果である。このときの処理液温度は85℃、処理液流速は20cm/秒であり、電源装置29から筒状電極12及びシリンダブロック100へ供給される電流密度は70A/dmであった。このときには、シリンダブロック100へ温風が吹き付けられていない結果、このシリンダブロック100におけるシリンダ内周面106の下端部Aの温度が他の中央部B及び上端部Cに比べて低くなり、このシリンダ内周面106の下端部Aのエッチング深さが他の中央部B及び上端部Cに比べて減少していた。
これに対し図4は、温風器30の温風吹出し口32を、シリンダ内周面106の下端部Aに対応するシリンダブロック100の外壁であって、この外壁から約10cm離れた位置に位置づけ、この温風吹出し口32から180℃で風量1.75m/分の温風を、シリンダブロック100の上記外壁に吹き付けつつ、陽極電解エッチング処理を施した結果である。このときの処理液温度、処理液流速、電流密度は図5の場合と同様である。この場合には、シリンダブロック100におけるシリンダ内周面106の下端部Aの温度が上昇して、他の中央部B及び上端部Cと同等な温度になり、シリンダ内周面106の温度が均一化された。このため、シリンダブロック100のシリンダ内周面106におけるエッチング深さは、下端部A、上端部B、上端部Cにおいて同等となった。
従って、本実施の形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
(1)めっき前処理として陽極電解エッチング処理をシリンダブロック100のシリンダ内周面106に施す場合、温風器30の温風吹出し口32によって、シリンダブロック100の外部からこのシリンダブロック100へ吹き付けられる温風により、シリンダブロック100のシリンダ内周面106を陽極電解エッチング処理の反応温度まで加熱するので、このシリンダ内周面106を前記反応温度に均一化できる。この結果、シリンダ内周面106に対する陽極電解エッチング処理を最適化でき、シリンダ内周面106のエッチング深さが均一化されるので、シリンダ内周面106のめっきの密着性や、めっきの均一性を向上させることができる。
(2)シリンダブロック100が表面処理装置10にセットされた直後から温風器30がシリンダブロック100に対して温風を直接吹き付けるので、このめっき前処理の前工程の脱脂処理にて用いられて、シリンダブロック100の外壁に付着している脱脂処理液を乾燥させることができる。この結果、上記脱脂処理液によるシリンダブロック100の腐食を防止できる。
[B]第2の実施の形態(図6)
図6は、本発明に係る表面処理装置における第2の実施の形態を示す全体構成図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態のめっき処理装置50が前記第1の実施の形態の表面処理装置10と異なる点は、温風器30の温風吹出し口32が、めっき処理装置50に装着(セット)されたシリンダブロック100の周囲の複数箇所、例えば対向する2箇所に配置されて、これらの温風吹出し口32からシリンダブロック100に対して同時に温風が吹き付けられるよう構成された点である。
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏する他、次の効果(3)を奏する。
(3)温風器30の温風吹出し口32がシリンダブロック100の周囲の複数箇所に配置されて、これら複数の温風吹出し口32からシリンダブロック100に対して同時に温風を吹き付けて加熱するので、めっき前処理である陽極電解エッチング処理時に、シリンダブロック100におけるシリンダ内周面106を均一温度まで迅速に加熱することができる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、被処理物が空冷エンジンのシリンダヘッド一体型のシリンダブロックの場合を述べたが、空冷エンジンにおいてシリンダヘッドが別体のシリンダブロックまたはシリンダであってもよい。
本発明に係る表面処理装置における第1の実施の形態を示す全体構成図。 図1の電極及びワーク載置台などの周囲を示す側断面図。 図1の被処理物としてのシリンダヘッド一体型のシリンダブロックを示す側断面図。 シリンダブロックに温風が吹き付けられたときのシリンダ内周面の各部位の温度変化を示すグラフ。 シリンダブロックに温風が吹き付けられなかった場合のシリンダ内周面の各部位の温度変化を示すグラフ。 本発明に係る表面処理装置における第2の実施の形態を示す全体構成図。
符号の説明
10 表面処理装置
12 筒状電極
17 ワーク載置台
30 温風器(温風発生手段)
31 温風器本体
32 温風吹出し口
42 モータ
43 スクリュー
44 ナット
100 シリンダブロック(被処理物)
106 シリンダ内周面(被処理面)
114 冷却フィン

Claims (7)

  1. 被処理物の被処理面に電極を対向して配置させ、これらの電極と被処理面間に処理液を導き、前記電極と前記被処理物に通電することで、前記被処理面をめっき前処理するめっき前処理方法において、
    めっき前処理時に前記被処理物の外部からこの被処理物へ温風を吹き付け、この被処理物の前記被処理面をめっき前処理の反応温度まで加熱することを特徴とするめっき前処理方法。
  2. 前記めっき前処理が電解エッチング処理であることを特徴とする請求項1に記載のめっき前処理方法。
  3. 被処理物の被処理面に電極を対向して配置させ、これらの電極と被処理面間に処理液を導き、前記電極と前記被処理物に通電することで、前記被処理面をめっき前処理する表面処理装置において、
    前記被処理物の外部からこの被処理物へ温風を吹き付けて、この被処理物の前記被処理面をめっき前処理の反応温度まで加熱する温風を発生する、温風吹出し口を備えた温風発生手段を有することを特徴とする表面処理装置。
  4. 前記めっき前処理が電解エッチング処理であることを特徴とする請求項3に記載の表面処理装置。
  5. 前記被処理物が、冷却フィンを備えた空冷エンジンのシリンダブロックまたはシリンダであり、被処理面が、前記シリンダブロックまたは前記シリンダのシリンダ内周面であることを特徴とする請求項3に記載の表面処理装置。
  6. 前記温風吹出し口からシリンダブロックへの温風の吹き付けは、シリンダブロックが前記表面処理装置に装着された直後から短時間については、シリンダブロックのシリンダ内周面は、温度の低いワーク載置台に最も近い下端部が、シリンダ内周面の中央部及び上端部側に比べて温度が低くなるので、このシリンダ内周面の下端部に対応するシリンダブロックの外壁へ温風吹出し口から温風が吹き付けられるとともに、また、シリンダブロックが前記表面処理装置に装着された上記短時間が経過した後には、シリンダブロックのシリンダ内周面は、冷却フィンが形成された箇所や肉厚の薄い箇所に対応するシリンダ内周面の中央部及び上端部の温度が低くなるので、温風吹出し口からの温風は、シリンダブロックにおいて冷却フィンが形成された箇所や肉厚の薄い箇所へ吹き付けるべく移動可能に構成されたことを特徴とする請求項3に記載の表面処理装置。
  7. 前記温風吹出し口は、被処理物の周囲の複数箇所に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の表面処理装置。
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