JP5167797B2 - 演奏端末コントローラ、演奏システムおよびプログラム - Google Patents
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Description
(A−1;全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る演奏システム100の構成を示すブロック図である。演奏システム100は、ピアノプレーヤ10と、演奏端末コントローラ20とにより構成される。ピアノプレーヤ10と演奏端末コントローラ20は、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)ケーブル30で接続されている。
図2に示すように、ピアノプレーヤ10は、88の鍵(演奏操作子)で構成される鍵盤を有し7オクターブの音域の演奏が可能である。
図3は、ピアノプレーヤ10の主要部について、アコースティックピアノとしての構成(上段)と、電子ピアノとしての構成(下段)とを関連付けて示す。同図においては、上記複数の鍵1から1つの鍵に係る構成を取り出してその断面図を示している。
鍵センサ14は、鍵1の前端側(図の右側)に、各鍵ごとに設けられている。各鍵センサ14は、対応する鍵1の操作状態をリアルタイムに検出し、鍵1の操作状態を表す押鍵検出信号をA/D(Analog / Digital)変換器13に出力する。
A/D変換器13は、鍵センサ14から受取った押鍵検出信号をA/D変換して、デジタルデータ(押鍵検出データ)をコントローラ11に出力する。
上記のMIDI IF部12は、演奏端末コントローラ20から演奏データを受取る。演奏データとは、ピアノプレーヤ10において自動演奏すべき内容が書き込まれたMIDIデータである。なお、本実施形態において、ピアノプレーヤ10が受信可能なチャンネル数は1である。MIDI IF部12は、演奏端末コントローラ20から受取ったMIDIデータのチャンネル1を受信するよう設定されている。
コントローラ11は、MIDI IF部12から受取った演奏データを音源17に出力する。音源17には各種の波形データが格納されており、受取った演奏データに基づいて該波形データが読み出される。波形データが種々の態様で読み出されることにより生成された音信号は放音手段18に出力される。
放音手段18は、音源17から受取った音信号に基づいて放音する。
図4は、演奏端末コントローラ20の構成を示すブロック図である。演奏端末コントローラ20は、例えばパーソナルコンピュータなどにより構成される。
図示するCPU(Central Processing Unit)21は、RAM(Random Access Memory)23をワークエリアとしてROM(Read Only Memory)22に格納された制御プログラムを実行することにより、演奏端末コントローラ20の各部の制御を行う。
表示部25は、CPU21の制御下で各種の情報を表示する。
MIDI IF部27は、ピアノプレーヤ10から供給されるMIDIデータ(鍵操作データ)を受信し、CPU21に出力する。
図5に示すように、各演奏データには、イベント間の時間間隔を示すタイミングデータとイベントデータとが組になり、イベントの発生順に書き込まれている。そして演奏データには、各楽音を指定するイベントデータに加えて、演奏の拍のタイミングが「拍タイミング」として書き込まれている。この「拍タイミング」は、楽音を指定するデータではないため、読み出されても発音がなされることはない。
MIDI IF部27は、MIDIデータを送信チャンネル1でピアノプレーヤ10に送信する。
次に、演奏システム100の動作を説明する。ピアノプレーヤ10には、2つの動作モードが設定可能である。
「手動演奏モード」においては、ピアノプレーヤ10はアコースティックピアノとして機能する。すなわち、鍵1が押下されると、所定のメカニズムにより弦4が打撃されることにより発音がなされる。
一方、「自動演奏モード」においては、鍵1の駆動を弦4の打撃に変換するメカニズム(例えば、アクションメカニズム3の構成やハンマ2と弦4との位置関係など)が変更されることにより鍵1の押下に応じて弦4は打撃されなくなり、アコースティックピアノとしての発音はなされない。
以下では、「自動演奏モード」が選択された場合の発音の仕組みについて説明する。
演奏者により演奏が開始される前の準備として演奏システム100において実行される前処理について説明する。図7は、前処理の流れを示すフローチャートである。
ステップSA10において、操作者により、楽曲を指定する識別子が演奏端末コントローラ20の入力部24に入力されると、該識別子を含む操作信号がCPU21に出力される。
ステップSA20において、CPU21により、該操作信号に含まれる識別子から、演奏者が演奏を希望する楽曲が特定され、該楽曲を表す楽曲データが記憶部26からRAM23に読み出される。
ステップSA40において、演奏端末コントローラ20のCPU21は、ピアノプレーヤ10から受信した鍵操作データにより特定されるノートナンバをRAM23に書き込む。
以上で前処理が完了し、演奏可能となる。
図8に示すフローチャートは、ピアノプレーヤ10において実行される自動演奏処理の流れを示している。なお、以下で説明する処理は、鍵域Rと鍵域Lとで独立にかつ並行して実行される。
まず、演奏者は、ピアノプレーヤ10の鍵1をタッピング(複数回押下を繰り返すこと)する。例えば、演奏者は右手パート(演奏データ1)の自動演奏を希望しているとすると、対応テーブルにおいて演奏データ1が対応付けられている鍵域Rに含まれるいずれか1つの鍵1をタッピングする。
上記演奏者により押下された鍵1に設けられた鍵センサ14からは、押下・離鍵されたことを表す押鍵検出信号が各操作タイミングで出力される。該出力された押鍵検出信号は、A/D変換器13において押鍵検出データに変換され、コントローラ11に出力される(ステップSB10)。
なお、異なる鍵域に属する複数の鍵1において並行して操作がなされた場合においても、各鍵操作についてそれぞれ独立して並行に鍵操作データが生成され、演奏端末コントローラ20に出力される。
また、同じ鍵域で複数の鍵が誤って押鍵される誤押鍵(チャタリング)が検出された場合には、最初に押鍵された操作に対応する処理のみが行われる。前記誤押鍵の検出アルゴリズムは別途実行されるが、本実施例では説明を省略する。
図9に示すフローチャートは、演奏端末コントローラ20において実行される演奏データ提供処理の流れを示している。
ステップSC10において、演奏端末コントローラ20は、MIDI IF部27を介してピアノプレーヤ10からタッピングに応じて生成された鍵操作データをリアルタイムに受信する。
ステップSC20において、受信された鍵操作データに含まれるメッセージの種類(ノートオン又はノートオフ)、および内容(ノートナンバ及びベロシティ情報)がRAM23に書き込まれる。
ステップSC60において、CPU21は、残りの(演奏していない)楽曲データがあるか否か判定する。残りの楽曲データがなければ、演奏を終了し(ステップSC60;“Yes”)、CPU21は処理を終了する。残りの楽曲データがある場合(ステップSC60;“No”)は、ステップSC10以降の処理が再び実行される。すなわち、ピアノプレーヤ10から鍵操作データを受信し、楽曲の後続部分について上記の処理が繰り返し実行される。
再び、ピアノプレーヤ10で行われる自動演奏処理について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。ピアノプレーヤ10は、上述したステップSB20において、演奏者によりなされたタッピングに応じて鍵操作データを出力したが、続けてステップSB30以降の処理が行われる。
コントローラ11は、該受信した演奏データ(MIDIデータ)に書き込まれた各イベントのイベント時刻を特定する。該イベント時刻が到達すると、イベント内容を音源17に出力する。
ステップSB40において、音源17は、イベントデータに含まれる音の強弱(ベロシティ)に応じた波形データからなる音信号を生成し、放音手段18に供給する。
ステップSB50において、放音手段18は、受取った音信号に従い音を放音する。
以上に説明した処理が、ピアノプレーヤ10及び演奏端末コントローラ20において繰り返されることにより、以下のような作用、効果が得られる。
このとき、複数の鍵域の鍵1が同時に又は並行してタッピングされた場合には、それぞれの鍵1のタッピングに応じたタイミングで演奏データが読み出され、それらの演奏データが並行してピアノプレーヤ10に出力されるため、複数の演奏者による合奏も可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように種々の態様で実施することができる。また、以下の変形例を適宜組み合わせてもよい。
ピアノプレーヤ10において、最高音および最低音に対応する鍵1(以下、それぞれ鍵1R、鍵1L)においては、弦4が設けられていないか、又は打撃されても音を発しない弦形状の構造が設けられており、鍵1Rおよび鍵1Lを押鍵してもアコースティックピアノとしての発音はなされないようにする。そして、上記実施形態においては鍵域Rおよび鍵域Lを右手および左手パートの演奏データに対応づけていたが、ここでは対応テーブルにおいて、鍵1Rおよび1Lをそれぞれ右手および左手パートの演奏データと対応付けておく。このような構成において、鍵1Rおよび1Lを除く他の鍵1を用いてアコースティックピアノとしての演奏をすると共に、該ピアノ演奏と並行して鍵1Rおよび1Lがタッピングされた場合には、上述した自動演奏処理を実行するようにしても良い。
なお、この場合、鍵1Rおよび1Lを除く他の全ての鍵1には、いずれの演奏データも対応付けられていないが、そのようにいずれの演奏データにも対応付けられない鍵1が存在しても良く、また、いずれの鍵域にも対応付けられない演奏データがあっても良い。
以上のような実施形態は、例えば左手パートの練習を望んでいる生徒が左手で通常のピアノ演奏を行い、その右横で教師が鍵1Rを適切なタイミングで押下して右手パートを自動演奏させるといった教習連弾において用いることができる。
なお、前述の鍵1Rおよび鍵1Lはそれぞれ、最高音および最低音に対応する一つの鍵を設定したが、それぞれ複数の鍵1を設定しても良い。
また、例えば1回のタッピングに対して、演奏データから1つのノートオンのイベントが読み出されるようにしても良い。その場合、演奏端末コントローラ20は、鍵操作データを受取ると、特定された鍵域に対応付けられた演奏データから、「次のノートオンイベント」を読出しピアノプレーヤ10に出力する。そして、ピアノプレーヤ10は、受取ったMIDIデータに基づいて再生する。
また、上述した実施形態においては、スプリットポイントSPを指定することにより、各鍵域の範囲を指定する場合について説明した。しかし、各鍵域について、含まれる鍵1の全てを逐一押下することにより指定するようにしても良い。その場合、各鍵域に対して押下された鍵1に対応するノートナンバをRAM23に書き込んでおけば良い。
例えば、その対応付けは、図10に模式的に示すようにすれば良い。図10には、複数のピアノプレーヤ10(ピアノプレーヤ10―1〜3)の各々について、設定された鍵域に対応させて演奏データを割り当てる割り当て態様が示されている。
例えば、ピアノプレーヤ10―1においては、1つ目及び2つ目の鍵域(鍵域1及び鍵域2)としてノートナンバ21〜59及び60〜108の鍵1が指定され、それぞれの鍵域には演奏データ1及び2が割り当てられている。また、ピアノプレーヤ10―2においては、鍵域1及び鍵域2としてノートナンバ21及び108の鍵1が指定され、それぞれの鍵域には演奏データ2及び3が割り当てられている。また、ピアノプレーヤ10―3においては、鍵域1、2、3、4としてそれぞれノートナンバ21〜42、43〜64、65〜86、87〜108の鍵1が指定され、それぞれの鍵域には演奏データ2、3、4、5が割り当てられている。
例示したように各ピアノプレーヤ10において個別に鍵域が設定されると共に、各鍵域に対して演奏データが対応付けられている場合のデータの流れを、図11に模式的に示す。ピアノプレーヤ10−1、10−2、および10−3は、例えば鍵がそれぞれ2つ、2つ、4つの鍵域に分割されており、各鍵域はそれぞれが記憶部26に格納された演奏データに対応付けられている。そして、各ピアノプレーヤ10においてタッピングされた鍵1から鍵域が特定され、該鍵域に対応する1または複数の演奏データが読み出され、それぞれ対応するピアノプレーヤ10に出力される。
なお、複数のピアノプレーヤ10が接続されている場合には、演奏端末コントローラ20は、受取った鍵操作データがいずれのピアノプレーヤ10から出力されたものであるかを判定することが必要となるが、各ピアノプレーヤ10から入力された鍵操作データに、該ピアノプレーヤ10を識別可能な識別子を含ませるようにし、該識別子に基づいてピアノプレーヤ10を識別しても良いし、各鍵操作データが入力された入力端子に基づいて該処理を行っても良い。
以上のように、複数のピアノプレーヤ10が演奏端末コントローラ20に接続されている場合には、各ピアノプレーヤ10において互いに異なる態様で鍵域の設定や演奏データの割り当てをしても良い。
また、対応テーブルにおいて、1つの鍵域が複数の演奏データにまたがって対応付けられるとしても良い。また、1つの演奏データが、複数の鍵域1に対応付けられていても良い。これらの場合においても、上記実施形態と同様に、タッピングされた鍵1に対応付けられた演奏データが複数ある場合には、それら複数の演奏データを読出して、該読み出された演奏データを並行して出力するようにすれば良い。
Claims (6)
- 特定の音高に対応付けられた第1演奏操作子と楽曲のパート毎の演奏内容を楽曲の進行に沿った時系列データとして示すパートデータの出力のタイミングを指示するための第2演奏操作子と前記第2演奏操作子の操作状況に応じた操作信号を順次出力する操作信号出力手段とを有する演奏端末から、前記操作信号を受信する受信手段と、
前記パートデータを複数記憶するパートデータ記憶手段と、
前記第2演奏操作子と前記パートデータとを対応付ける対応テーブルを記憶する対応テーブル記憶手段と、
前記受信手段が前記演奏端末から前記操作信号を受信すると、該操作信号に対応するパートデータを、前記対応テーブルを参照して特定するパート特定手段と、
前記パート特定手段により特定されたパートデータを、前記受信手段が操作信号を受信したタイミングに基づいて、前記パートデータ記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記各パートデータを出力する出力手段と
を具備することを特徴とする演奏端末コントローラ。 - 前記対応テーブル記憶手段内の対応テーブルは、複数の前記演奏端末の各々について前記第2演奏操作子と前記各パートデータとを対応付ける
ことを特徴とする請求項1記載の演奏端末コントローラ。 - 演奏端末と演奏端末コントローラとを有する演奏システムであり、
前記演奏端末は、
特定の音高に対応付けられた第1演奏操作子と、
楽曲のパート毎の演奏内容を楽曲の進行に沿った時系列データとして示すパートデータの出力のタイミングを指示するための第2演奏操作子と、
前記第2演奏操作子の操作状況に応じた操作信号を順次出力する操作信号出力手段と
を有し、
前記演奏端末コントローラは、
前記演奏端末から、前記操作信号を受信する受信手段と、
前記パートデータを複数記憶するパートデータ記憶手段と、
前記第2演奏操作子と前記パートデータとを対応付ける対応テーブルを記憶する対応テーブル記憶手段と、
前記受信手段が前記演奏端末から前記操作信号を受信すると、前記操作信号に対応するパートデータを、前記対応テーブルを参照して特定するパート特定手段と、
前記パート特定手段により特定されたパートデータを、前記受信手段が操作信号を受信したタイミングに基づいて、前記パートデータ記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記各パートデータを前記演奏端末に出力する出力手段と
を有する
ことを特徴とする演奏システム。 - 複数の演奏端末と演奏端末コントローラとを有する演奏システムであり、
前記各演奏端末は、
特定の音高に対応付けられた第1演奏操作子と、
楽曲のパート毎の演奏内容を楽曲の進行に沿った時系列データとして示すパートデータの出力のタイミングを指示するための第2演奏操作子と、
前記第2演奏操作子の操作状況に応じた操作信号を順次出力する操作信号出力手段と
を有し、
前記演奏端末コントローラは、
前記各演奏端末から、前記操作信号を受信する受信手段と、
前記パートデータを複数記憶するパートデータ記憶手段と、
前記複数の演奏端末の各々について前記第2演奏操作子と前記パートデータとを対応付ける対応テーブルを記憶する対応テーブル記憶手段と、
前記受信手段が前記各演奏端末から前記操作信号を受信すると、該操作信号に対応するパートデータを、前記対応テーブルを参照して特定するパート特定手段と、
前記パート特定手段により特定されたパートデータを、前記受信手段が操作信号を受信したタイミングに基づいて、前記パートデータ記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記パートデータを前記各演奏端末に出力する出力手段と
を有する
ことを特徴とする演奏システム。 - コンピュータを、
特定の音高に対応付けられた第1演奏操作子と楽曲のパート毎の演奏内容を楽曲の進行に沿った時系列データとして示すパートデータの出力のタイミングを指示するための第2演奏操作子と前記第2演奏操作子の操作状況に応じた操作信号を順次出力する操作信号出力手段とを有する演奏端末から、前記操作信号を受信する受信手段と、
前記パートデータを複数記憶するパートデータ記憶手段と、
前記第2演奏操作子と前記パートデータとを対応付ける対応テーブルを記憶する対応テーブル記憶手段と、
前記受信手段が前記演奏端末から前記操作信号を受信すると、該操作信号に対応するパートデータを、前記対応テーブルを参照して特定するパート特定手段と、
前記パート特定手段により特定されたパートデータを、前記受信手段が操作信号を受信したタイミングに基づいて、前記パートデータ記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記各パートデータを出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。 - 特定の音高に対応付けられた第1演奏操作子と楽曲のパート毎の演奏内容を楽曲の進行に沿った時系列データとして示すパートデータの出力のタイミングを指示するための第2演奏操作子とを有する演奏端末を制御するコンピュータを、
前記第2演奏操作子の操作状況に応じた操作信号を順次出力する操作信号出力手段と、
前記パートデータを複数記憶するパートデータ記憶手段と、
前記第2演奏操作子と前記パートデータとを対応付ける対応テーブルを記憶する対応テーブル記憶手段と、
前記操作信号出力手段が前記操作信号を出力すると、該操作信号に対応するパートデータを、前記対応テーブルを参照して特定するパート特定手段と、
前記パート特定手段により特定されたパートデータを、前記操作信号出力手段が操作信号を出力したタイミングに基づいて、前記パートデータ記憶手段から読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記各パートデータを出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。
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