JP5167004B2 - 光パルス発生装置及びその設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は光通信等においてフェムト秒領域の超短光パルス光を発生するための光パルス発生装置及びその設計方法に関する。
従来のフェムト秒領域(10-15s)の超短光パルス発生装置としては、その利得媒質の広帯域性を生かしたチタンサファイアレーザ発生装置がある(参照:特許文献1)。
チタンサファイアレーザ発生装置の動作原理は、チタンサファイアレーザ結晶自体に存在する光カー効果による自己位相変調効果を利用する。尚、光カー効果とは、レーザ光強度が弱いときには屈折率が低く、逆に、レーザ光強度が強いときには屈折率が高くなる効果である。
特表2003−500861号公報 福井萬壽夫他,"光ナノテクノロジーの基礎",オーム社,p.39-41,2003年11月
しかしながら、上述のチタンサファイアレーザ発生装置においては、装置が大型化し、かつ製造コストが高いという課題があった。
従って、本発明の目的は、小型化できかつ低製造コストの光パルス発生装置及びその設計方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明に係る光パルス発生装置は、入射光を入射しその反射光を光パルスとして発生するための光入射かつ反射面を有する金属層と、金属層の光入射かつ反射面の反対面に被覆された誘電体層と、誘電体層を時間的変化する励起状態にする誘電体層励起手段とを具備し、金属層において入射光により表面プラズモン共鳴光を励起すると共に、誘電体層の励起状態の時間的変化に応じて誘電体層の消衰係数を負にし、表面プラズモン共鳴光と誘電体層の励起状態とが共振状態を有するようにしたものである。これにより、光パルスのパルス幅は励起状態のパルス幅より小さくなる。
誘電体層励起手段は光パルスのパルス幅より大きいパルス幅を有する第2の光パルスを発生する光パルス発生器を具備し、第2の光パルスを誘電体層に照射する。
あるいは誘電体層励起手段は光パルスのパルス幅より大きいパルス幅を有するパルス電流を発生するパルス電流発生器を具備し、パルス電流を前記誘電体層に注入する。
入射光の金属層の光入射かつ反射面での入射角は、誘電体層が非励起状態のときに、全反射領域において入射光の金属層の光入射かつ反射面での反射率が最小となる光吸収ディップ角度である。これにより、表面プラズモン共鳴光の励起量は大きくなる。
金属層の厚さは、誘電体層が非励起状態のときに、光吸収ディップ角度で入射した入射光の金属層の光入射かつ反射面での反射率が最小となるように選択されたものである。これにより、表面プラズモン共鳴光の励起量は大きくなる。
誘電体層は有機色素層あるいは半導体層である。
さらに、誘電体層の金属層と反対側に被覆された共振器層を具備する。この共振器層は銀(Ag)層あるいは誘電体多層鏡構造である。
また、本発明は、入射光を入射しその反射光を光パルスとして発生するための光入射かつ反射面を有する金属層と、金属層の光入射かつ反射面の反対面に被覆された誘電体層と、誘電体層を時間的変化する励起状態にする誘電体層励起手段と、誘電体層の金属層と反対側面に被覆された入射光に対する共振器層とを具備し、金属層において入射光により表面プラズモン共鳴光を励起すると共に、誘電体層の励起状態の時間的変化に応じて誘電体層の消衰係数を負にするようにした光パルス発生装置の設計方法であって、共振器層の透過率に応じて共振器層の厚さを選択する工程と、誘電体層の厚さを選択する工程と、誘電体層が非励起状態のときに、全反射領域において入射光の金属層の光入射かつ反射面での反射率が最小となるように、入射光の金属層の光入射かつ反射面での入射角及び金属層の厚さを選択する工程と入射光の入射角での反射率が所定値より大きくなるように入射光の金属層の光入射かつ反射面での入射角及び誘電体層の厚さを決定する工程とを具備するものである。
本発明によれば、小型化でき、また、低製造コストとすることができる。
図1は本発明に係る光パルス発生装置の第1の実施の形態を示す断面図である。
図1において、光パルス発生装置は、透明基材としての屈折率n1=1.535、頂角90°の三角柱形状のBK-7プリズム1、BK-7プリズム1の稜部11に対向する面12に蒸着等により被覆された金属層として金(Au)層2、及び金層2の光入射かつ反射面の反対面に被覆された誘電体層としてたとえばローダミンB(rhodamine B)の有機色素層3を備えている。金層2の長さはたとえば1cm程度であり、また、厚さは10nm〜10μmの範囲である。金層2の厚さ(断面における底辺の長さ)が10nm未満では、金層2で発生するエバネッセント光を金層2が十分に吸収できないことがあり、また、金層2の厚さが10μmを超えると、金層2で発生するエバネッセント光の減衰が大きくなり金層2の表面プラズモン共鳴光を励起できないことがある。尚、金層2とBK-7プリズム1との密着性を高めるために、BK-7プリズム1の表面に1〜2nm程度のCr等の金属を蒸着してもよい。また、金層2の代りに、銀、銅、Al、Ir、Mo、Ni、Pt、Rh、W、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Nb、Pdまたはそれら及び金の合金よりなる金属層を用いてもよい。
また、BK-7プリズム1の稜部11を挟む2つの面13、14の一方の面13には無反射(AR)コート4が被覆されている。尚、BK-7プリズム1の反射率たとえば8%による入射損失が無視できれば、無反射コート4は省略できる。
さらに、He-Neレーザ源5及び波長板6が設けられ、これによりHe-Neレーザ源5から発生した可視レーザ光Vが波長板6、無反射コート4及びBK-7プリズム1を介して金層2に入射する。この場合、金層2にエバネッセント光を発生させ、このエバネッセント光により表面プラズモン共鳴光を励起させるためには、可視レーザ光Vの金層2の光入射かつ反射面に水平な偏光いわゆるTM偏光もしくはP偏光をBK-7プリズム1に入射させる必要があり、このために、波長板6を回転調整する。尚、He-Neレーザ源5の可視レーザ光Vの偏光は直線偏光を有しているので、波長板6を設けずに、He-Neレーザ源5の筐体を回転させて上記のP偏光を形成してもよい。
金層2において入射光により表面プラズモン共鳴光を励起すると共に、有機色素層3において光パルス発生器7からの光パルスP7の照射により励起して反転分布状態にし、これにより、有機色素層3の消衰係数k3を負にする。この結果、消衰係数k3の負の値に応じて金層2の光入射かつ反射面の出力光、つまり、パルスP1の強度Ioutは入力光強度Iinの107倍程度となる。これは表面プラズモン共鳴光と有機色素層3の励起状態つまり反転分布状態とが共振状態となるからと考えられる。尚、光パルス発生器7はYAGレーザまたは半導体レーザ等であり、比較的低製造コストである。
ここで、有機色素層3はたとえばレーザ発振をするローダミンB(rhodamine B)と呼ばれる有機系材料をドープしたBN-POF[binaphthyl-poly(9,9-dioctylfluorene)]と呼ばれるホスト材料を、スピンコーティング技術等により被覆したものである。
図1の光パルス発生装置の動作原理は、可視レーザ光Vによって金層2にエバネッセント光を発生し、このエバネッセント光により金層2の光入射かつ反射面と反対面に表面プラズモン共鳴光を励起させる。この場合、可視レーザ光VはP偏光なので金層2の表面に平行な電界成分及び垂直な電界成分を有し、それぞれの電界成分が増大する。たとえば、この表面プラズモン共鳴光により金層2の上記反対面での入射光の電界強度は20倍程度となり、従って、金層2の入射光の光強度はその電界成分の2乗なので400(=20×20)倍程度となる。表面プラズモン共鳴光については非特許文献1を参照されたし。
尚、図1の光パルス発生装置において、He-Neレーザ源5の可視レーザ光Vの波長はλ=632.8nmとすれば、金の表面プラズモン共鳴波長は600〜1000nmであるので、表面プラズモン共鳴光が励起される。
図2は図1の光パルス発生装置の設計フローを示すフローチャートである。
始めに、ステップ201にて金層2の最適の厚さt2を選択する。図1の金層2の光入射かつ反射面の反対面における表面プラズモン共鳴光の励起量を最大とする可視レーザ光Vの入射角θは、臨界角θcより大きい範囲で、金層2の光入射かつ反射面での反射率Rが最小となる光吸収(プラズモン)ディップ角度である。つまり、BK-7プリズム1に対して可視レーザ光Vを相対的に角度スキャンして金層2からの反射光を利用してシミュレーションした結果である全反射減衰(ATR)信号スペクトルを図3に示してある。尚、このシミュレーションソフトとしてはマックスプランク研究所開発のWinSpall(商標名)もしくはトランスファマトリクス法を利用した解析を用いる。波長λ=632.8nmのレーザ光Vの基における条件は次のごとくである。
BK-7プリズム1について、
屈折率n1=1.535
消衰係数k1=0
である。金層2について、
厚さt2=可変
屈折率n2=0.18
消衰係数k2=3
である。有機色素層3について、
厚さt3=0
である。つまり、有機色素層3が形成されていない状態である。
図3においては、金層2の厚さt2に応じた複数のATR信号スペクトルのうち、金層2の厚さt2=53nmのATR信号スペクトルのみを図示してある。金層2の厚さt2が10nm未満では、金層2で発生するエバネッセント光を金層2が十分に吸収できないことからプラズモンディップが発生しない。また、金層2の厚さt2が60nmを超えると、金層2で発生するエバネッセント光の減衰が大きくなり、金層2の表面プラズモン共鳴光の励起ができなくなり、プラズモンディップにおける反射率Rは大きくなる。図3においては、金層2の厚さt2≒53nmでのATR信号スペクトルが反射率R=0の鋭いプラズモンディップを有することが分かる。従って、金層2の厚さt2を53±1nmの範囲で選択することにより表面プラズモン共鳴光の励起量は最大となる。
次に、ステップ202に進み、組合せ(入射角θ、有機色素層3の厚さt3)の検出をする。この組合せの検出は有機色素層3の非励起状態(k3=0)で行う。金層2の厚さt2を53nmに維持すると共に、有機色素層3の厚さt3を0〜50nmの範囲で変化させた場合のそれぞれの全反射減衰(ATR)信号スペクトルを図4に示してある。尚、図4においては、代表として、有機色素層3の厚さt3=25, 50nmの場合のみを図示してある。波長λ=632.8nmの可視レーザ光Vの基における条件は次のごとくである。
BK-7プリズム1について、
屈折率n1=1.535
消衰係数k1=0
である。金層2について、
厚さt2=53nm
屈折率n2=0.18
消衰係数k2=3
である。有機色素層3について、
厚さt3=可変
屈折率n3=1.4
消衰係数k3=0
である。
図4に示すように、有機色素層3は吸収損失(k3=0)を生じないので、有機色素層3の厚さt3が増大すると、プラズモンディップ角度は高角側にシフトするが、プラズモンディップの深さは反射率R=0点と同一である。つまり、非励起状態の有機色素層3の厚さt3に関係なく、効率のよい表面プラズモン共鳴光を励起できる。説明を簡単にするために、ここでは、次の2つの組合せ(θ,t3)を検出したものと仮定する。
(49.5°,25nm)
(59.5°,50nm)
次に、ステップ203、204において、(θ,t3)候補のうち1つの検出された組合せ(θ,t3)を1つ選択する。
次に、ステップ205〜209のフローに進み、選択された組合せ(θ,t3)を維持した状態で、所望の反射率Rが得られるように有機色素層3の消衰係数k3を決定する。つまり、組合せ(θ,t3,k3)を決定する。尚、有機色素層3の消衰係数k3は有機色素層3に光パルス発生器7の光パルスP7の代りに第2のレーザ光(ポンプ光)を当てることによって励起状態つまり反転分布状態の強度によって一義的に定まる。つまり、k31I、但し、Iはポンプ光のエネルギー等、η1は定数、である。以下、ステップ205〜209について詳述する。
ステップ205において、消衰係数k3を-kmin(kminは正の値たとえば0.001)とし、ステップ206にて、ATR信号スペクトルをシミュレーションソフトを用いて演算し、ATR信号スペクトルから選択入射角での反射率Rmaxを求める。尚、ATR信号スペクトルを求めず、反射率Rmaxを直接求めてもよい。次いで、ステップ207にて、選択入射角での反射率Rmaxが所定値Rth(たとえば6E4)より大きいか否かを判別する。この結果、Rmax>Rthの場合のときのみステップ210に進み、他方、Rmax≦Rthの場合には、ステップ208、209により消衰係数k3をΔk(たとえば0.001)だけ小さくしてステップ206、207のフローを繰返す。つまり、消衰係数k3を-kminから-kmax(kmaxは正の値たとえば1.0)まで変化させ,その間に、選択入射角での反射率Rmaxが所定値Rthに到達したときの消衰係数k3を選択する。尚、ステップ203にて検出された組合せ(θ,t3)がすべて選択済であれば、ステップ211に進み、エラーとなる。
たとえば、ステップ204にて(θ,t3)=(49.5°,25nm)を選択し、k3=-0.05の場合にステップ206にて演算されたATR信号スペクトルが図5の(A)に図示され、k3=-0.077の場合にステップ206にて演算されたATR信号スペクトルが図5の(B)に図示されている。いずれの場合も、選択入射角での反射率RmaxはRthに到達していないので、ステップ208、209にて消衰係数k3は更新され、ステップ206に戻る。
また、ステップ204にて(θ,t3)=(59.5°,50nm)を選択し、k3=-0.05の場合にステップ206にて演算されたATR信号スペクトルが図6の(A)に図示され、k3=-0.077の場合にステップ206にて演算されたATR信号スペクトルが図6の(B)に図示されている。k3=-0.05の場合は、選択入射角での反射率RmaxはRthに到達していないので、ステップ208、209にて消衰係数k3は更新されてステップ206に戻るが、k3=-0.077の場合には、選択入射角での反射率RmaxはRthに到達しているので、ステップ207からステップ208に進み、k3=-0.077が選択されることになる。つまり、(θ,t3,k3)として(59.5°,50nm,-0.077)が選択されることになる。
図6においては、波長λ=632.8nmの可視レーザ光Vの基における条件は次のごとくである。
BK-7プリズム1について、
屈折率n1=1.535
消衰係数k1=0
である。金層2について、
厚さt2=53nm
屈折率n2=0.18
消衰係数k2=3
である。有機色素層3について、
厚さt3=50nm
屈折率n3=1.4
消衰係数k3=-0.05, -0.077
である。
図6に示すように、有機色素層3の厚さt3が50nmにおいては、消衰係数k3=-0.05である場合には、選択入射角での反射率は大きくなるも所定値Rthに到達せず、消衰係数k3=-0.077である場合には、選択入射角での反射率は非常に大きくなって所定値を超える。従って、組合せ(θ,t3)=(59.5°,50nm)を決定することになる。
他方、有機色素層3の消衰係数k3は、上述のごとく、有機色素層3の励起状態の強度Iで変化できる(k31I)。従って、光パルス発生器7の光パルスP7は時間的変化を有するので、図7に示すごとく、有機色素層3の消衰係数k3をたとえば0〜-0.1の範囲で変化でき、この結果、k3=-0.077のときのみ大きい強度Ioutの反射光つまり光パルスP1を発生することができる。尚、図7の(A)は消衰係数k3を0〜-0.1に変化させた場合のグラフ、図7の(B)は(A)のk3=-0.077の近傍の拡大図であり、半値全幅(FWHM)Δk3は0.0001である。
図8の(A)に示すごとく、光パルス発生器7の光パルスP7の光強度が三角パルスで変化して消衰係数k3が0〜-0.1の範囲で変化すると仮定し、その周期Tを2nsとし、消衰係数k3の変化量K=0.1とすれば、光パルスP1の半値全幅(FWHM)Δtは次のごとくなる。
K : T/2 = Δk3 : Δt
∴ Δt = Δk3・(T/2)/K
= 0.0001・1ns/0.1
= 0.001ns
= 1ps
つまり、図8の(A)に示す周期2nsの光パルスP7を利用して図8の(B)に示すFWHM=1psの光パルスP1を得ることができる。このとき、He-Neレーザ源5の入射光強度Iinを10mWとすれば、約107倍増強されるので、光パルスP1の尖頭値Ioutは100kW程度となる。
尚、上述の第1の実施の形態では、光パルス発生器7の光パルスP7の光強度が三角パルスで変化すると仮定したが、これに限定されるものでなく、正弦波パルスで時間的変化させてもよい。
図9は本発明に係る光パルス発生装置の第2の実施の形態を示す断面図である。
図9において、図1の有機色素層3の代りに、高い利得係数αを有する半導体層たとえばGaAs層3aを設け、また、図1のHe-Neレーザ源5の代りに、GaAsのバンドギャップに合せて900nmの赤外レーザ光IRを発生する赤外レーザ源5aを設けてある。
金層2において入射光により表面プラズモン共鳴光を励起すると共に、GaAs層3aにおいて光パルス発生器7からの光パルスP7の照射により励起して反転分布状態にし、これにより、GaAs層3aの消衰係数k3を負にする。この結果、消衰係数k3の負の値に応じて金層2の光入射かつ反射面の反射光強度Ioutは入射光強度Iinの1012倍程度となる。これは表面プラズモン共鳴光とGaAs層3aの励起状態つまり反転分布状態とが共振状態となるからと考えられる。また、後述のごとく、小さなビーム発散角を有する。
図9の光パルス発生装置の動作原理も、図1の光パルス発生装置の動作原理と同一である。
尚、図9の光パルス発生装置において、赤外レーザ光IRはλ=900nmとすれば、金の表面プラズモン共鳴波長は600〜1000nmであるので、表面プラズモン共鳴光を励起する。
図10は図9の光パルス発生装置の設計フローを示すフローチャートである。
始めに、ステップ1001にて金層2の最適の厚さt2を選択する。図10の金層2の光電面における表面プラズモン共鳴光の励起量を最大とするレーザ光IRの入射角θは臨界角θcより大きい範囲で、金層2の光入射/反射面での反射率Rが最小となる光吸収(プラズモン)ディップ角度である。つまり、BK-7プリズム1に対して赤外レーザ光IRを相対的に角度スキャンして金層2からの反射光を利用してシミュレーションした結果である全反射減衰(ATR)信号スペクトル(図示せず)により最適の厚さt2を選択する。この場合、波長λ=900nmの赤外レーザ光IRの基における条件は次のごとくである。
BK-7プリズム1について、
屈折率n1=1.535
消衰係数k1=0
である。金層2について、
厚さt2=可変
屈折率n2=0.22
消衰係数k2=6
である。GaAs層3aについて、
厚さt3=0
である。つまり、GaAs層3aが形成されていない状態である。この結果、金層2の厚さt2≒39nmで反射率R=0の鋭いプラズモンディップを有し、金層2の厚さt2を39±1nmの範囲で選択することにより表面プラズモン共鳴光の励起量は最大となる。
次に、ステップ1002に進み、組合せ(入射角θ、GaAs層3aの厚さt3)を検出する。この組合せの検出はGaAs層3aの非励起状態(k3=0)で行う。金層2の厚さt2を39nmとすると共に、GaAs層3aの厚さt3を0〜50nmの範囲で変化させた場合のそれぞれの全反射減衰(ATR)信号スペクトルを図11に示してある。尚、図11においては、代表として、GaAs層3aの厚さt3=10nmの場合のみを図示してある。波長λ=900nmの赤外レーザ光IRの基における条件は次のごとくである。
BK-7プリズム1について、
屈折率n1=1.535
消衰係数k1=0
である。金層2について、
厚さt2=39nm
屈折率n2=0.22
消衰係数k2=6
である。GaAs層3aについて、
厚さt3=可変
屈折率n3=3.57
消衰係数k3=0.00013
である。
図11に示すように、GaAs層3aは少し吸収損失(k3=0.00013)を生じるが、t3=10nmで効率のよい表面プラズモン共鳴光を励起できる。説明を簡単にするために、ここでは、次の1つの組合せ(θ,t3)を検出したものと仮定する。
(41.5°,10nm)
次に、ステップ1003、1004において、(θ,t3)候補のうち1つの検出された組合せ(θ,t3)を1つ選択する。
次に、ステップ1005〜1009のフローに進み、選択された組合せ(θ,t3)を維持した状態で、所望の反射率Rが得られるようにGaAs層3aの消衰係数k3を決定する。つまり、組合せ(θ,t3,k3)を決定する。尚、GaAs層3aの消衰係数k3はGaAs層3aに光パルス発生器7の光パルスP7の代りに第2のレーザ光(ポンプ光)を当てることによって励起状態つまり反転分布状態の強度によって一義的に定まる。つまり、k32I、但し、Iはポンプ光のエネルギー等、η2は定数、である。以下、ステップ1005〜1009について詳述する。
ステップ1005において、消衰係数k3を-kmin(kminは正の値たとえば0.001)とし、ステップ1006にて、ATR信号スペクトルをシミュレーションソフトを用いて演算し、ATR信号スペクトルから選択入射角での反射率Rmaxを求める。尚、ATR信号スペクトルを求めず、反射率Rmaxを直接求めてもよい。次いで、ステップ1007にて、選択入射角での反射率Rmaxが所定値Rth(たとえば6E4)より大きいか否かを判別する。この結果、Rmax>Rthの場合のときのみステップ1010に進み、他方、Rmax≦Rthの場合には、ステップ1008、1009により消衰係数k3をΔk(たとえば0.001)だけ小さくしてステップ1006、1007のフローを繰返す。つまり、消衰係数k3を-kminから-kmax(kmaxは正の値たとえば1.0)まで変化させ,その間に、選択入射角での反射率Rmaxが所定値Rthに到達したときの消衰係数k3を選択する。尚、ステップ1003にて検出された組合せ(θ,t3)がすべて選択済であれば、ステップ1011に進み、エラーとなる。
たとえば、ステップ1004にて(θ,t3)=(41.5°,10nm)を選択し、k3=-0.636の場合にステップ1006にて演算されたATR信号スペクトルが図12に図示されている。この場合には、選択入射角での反射率RmaxはRthに到達しているので、ステップ1007からステップ1010に進み、k3=-0.636が選択されることになる。つまり、(θ,t3,k3)として(41.5°,10nm,-0.636)が選択されることになる。
図12においては、波長λ=900nmの赤外レーザ光IRの基における条件は次のごとくである。
BK-7プリズム1について、
屈折率n1=1.535
消衰係数k1=0
である。金層2について、
厚さt2=39nm
屈折率n2=0.22
消衰係数k2=6
である。GaAs層3aについて、
厚さt3=10nm
屈折率n3=3.57
消衰係数k3=-0.64587
である。
尚、図12の反射スペクトルは、図13に示すごとく、非常に鋭いデルタ関数スペクトルである。このように、図12、図13に示すように、GaAs層3aの厚さt3が10nmにおいては、図11のプラズモンディップ角度θ=41.5°(実際には少しずれた角度41.45°)で消衰係数k3が負の値-0.636のときに、金層2の光入射かつ反射面における反射光強度Ioutは入射光強度Iinの1012倍程度となる。このようにして、組合せ(θ,t3)=(41.5°,10nm)を決定する。
他方、GaAs層3aの消衰係数k3は、上述のごとく、GaAs層3aの励起状態の強度Iで変化できる(k32I)。従って、光パルス発生器7の光パルスP7は時間的変化を有するので、図14に示すごとく、GaAs層3aの消衰係数k3をたとえば0〜-1.0の範囲で変化でき、この結果、k3=-0.636のときのみ大きい強度Ioutの反射光つまり光パルスP1を発生することができる。尚、図14の(A)は消衰係数k3を0〜-1.0に変化させた場合のグラフ、図14の(B)は(A)のk3=-0.636の近傍の拡大図であり、半値全幅(FWHM)Δk3は0.00002である。
図15の(A)に示すごとく、光パルス発生器7の光パルスP7の光強度が三角パルスで変化して消衰係数k3が0〜-1.0の範囲で変化すると仮定し、その周期Tを2nsとし、消衰係数k3の変化量K=1.0とすれば、光パルスP1の半値全幅(FWHM)Δtは次のごとくなる。
K : T/2 = Δk3 : Δt
∴ Δt = Δk3・(T/2)/K
= 0.00002・1ns/1.0
= 0.00002ns
= 20fs
つまり、図15の(A)に示す周期2nsの光パルスP7を利用して図15の(B)に示すFWHM=20fsの光パルスP1を得ることができる。このとき、赤外レーザ源5aの入射光強度Iinを10mWとすれば、約1010倍増強されるので、光パルスP1の尖頭値Ioutは100MW程度となる。
尚、上述の第2の実施の形態においても、光パルス発生器7の光パルスP7の光強度が三角パルスで変化すると仮定したが、これに限定されるものでなく、正弦波パルスで時間的変化させてもよい。
また、上述の消衰係数k3=-0.636における反射光強度Iout/入射光強度Iinが1012倍程度というのは、最大値ではなく、理論的には、レーザ発振における自励発振状態に相当し、反射光強度は無限大である。しかし、実際には、反射光強度Ioutが増大するに従って誘導吸収、誘導散乱等の非線形損失のために反射光強度は無限大とならない。
さらにまた、小さなビーム発散角を有している。通常、小さなビーム発散角を達成するためには、非常に長い共振器構造を必要とするが、100nmと非常に短い共振器構造においても小さなビーム発散角が可能となる。
図16は本発明に係る光パルス発生装置の第3の実施の形態を示す断面図である。
図16においては、図1の光パルス発生装置に共振器層としての銀(Ag)層4を付加してある。銀層4は有機色素層3の金層4と反対側面に被覆されている。
有機色素層3をλ=320nmの紫外レーザ光(ポンプ光)で励起すると仮定すると、銀層4はHe-Neレーザ源5の可視レーザ光V(λ=623.8nm)に対しては高い反射率を有し、他方、紫外レーザ光(λ=320nm)に対しては低い反射率つまり、高い透過率を有する。従って、このような反射率選択性を有する銀層4は共振器層として作用することになる。
図16の光パルス発生装置の動作原理は、可視レーザ光Vは金層2に入射し、有機色素層3を通過しても銀層4によって反射される。他方、有機色素層3は銀層4を通過したポンプ光によって励起される。この結果、入射及び反射された可視レーザ光Vによって金層2にエバネッセント光を発生し、このエバネッセント光により金層2の光入射かつ反射面と反対面に表面プラズモン共鳴光を励起させる。この場合、可視レーザ光VはP偏光なので金層2の表面に平行な電界成分及び垂直な電界成分を有し、それぞれの電界成分が増大する。たとえば、この表面プラズモン共鳴光により金層2の上記反対面での入射光の電界強度は20倍程度となり、従って、金層2の入射光の光強度はその電界成分の2乗なので400(=20×20)倍程度となる。
尚、図16の光パルス発生装置においても、He-Neレーザ源5の可視レーザ光Vの波長はλ=632.8nmとすれば、金の表面プラズモン共鳴波長は600〜1000nmであるので、表面プラズモン共鳴光が励起される。
図17は図16の光パルス発生装置の設計フローを示すフローチャートである。
始めに、ステップ1701にて銀層4の厚さt4を選択する。たとえば、銀層4の厚さt4を10nmとすれば、紫外レーザ光(λ=320nm)に対して銀層4の透過率は70〜80%となる。従って、t4=10nmとする。
次に、ステップ1702にて有機色素層3の厚さt3を選択する。たとえば、第1の実施の形態を参照してt3=50nmとする。つまり、有機色素層3は吸収損失(k3=0)を生じないので、有機色素層3の厚さt3が増大すると、プラズモンディップ角度は高角側にシフトするが、プラズモンディップの深さは反射率R=0点と同一である。従って、プラズモンディップ角度が90°以内であればよい。尚、t3>200nmとなると、プラズモンディップ角度は90°を超える。
次に、ステップ1703にて組合せ(入射角θ,金層2の最適の厚さt2)を選択する。図15の金層2の光入射かつ反射面の反対面における表面プラズモン共鳴光の励起量を最大とする可視レーザ光Vの入射角θは、臨界角θcより大きい範囲で、金層2の光入射かつ反射面での反射率Rが最小となる光吸収(プラズモン)ディップ角度である。つまり、BK-7プリズム1に対して可視レーザ光Vを相対的に角度スキャンして金層2からの反射光を利用してシミュレーションした結果である図18に示す全反射減衰(ATR)信号スペクトルにより最適の厚さt2を選択する。この場合、波長λ=632.8nmのレーザ光Vの基における条件は次のごとくである。
BK-7プリズム1について、
屈折率n1=1.535
消衰係数k1=0
である。金層2について、
厚さt2=可変
屈折率n2=0.18
消衰係数k2=3
である。有機色素層3について、
厚さt3=50nm
屈折率n3=1.4
消衰係数k3=0
である。銀層4について、
厚さt4=10nm
屈折率n4=0.135
消衰係数k4=4
である。
次に、ステップ1704〜1710のフローに進み、所望の反射率Rが得られるように有機色素層3の消衰係数k3を決定する。尚、この場合も、有機色素層3の消衰係数k3は銀層4に第2のレーザ光(ポンプ光)を当てることによって励起状態つまり反転分布状態の強度によって一義的に定まる。つまり、k33I、但し、Iはポンプ光のエネルギー等、η3は定数、である。共振器構造の場合、η3は前述のη1、η2より大きい。
以下、ステップ1705〜1710について詳述する。
ステップ1704において、消衰係数k3を-kmin(kminは正の値たとえば0.001)とし、ステップ1705にて、ATR信号スペクトルをシミュレーションソフトを用いて演算し、ATR信号スペクトルから選択入射角での反射率Rmaxを求める。尚、ATR信号スペクトルを求めず、反射率Rmaxを直接求めてもよい。次いで、ステップ1706にて、選択入射角での反射率Rmaxが所定値Rth(たとえば6E4)より大きいか否かを判別する。この結果、Rmax>Rthの場合のときのみステップ1709に進み、他方、Rmax≦Rthの場合には、ステップ1707、1708により消衰係数k3をΔk(たとえば0.001)だけ小さくしてステップ1705、1706のフローを繰返す。つまり、消衰係数k3を-kminから-kmax(kmaxは正の値たとえば1.0)まで変化させ,その間に、選択入射角での反射率Rmaxが所定値Rthに到達したときの消衰係数k3を選択する。尚、ステップ1708にてk3<-kmaxであれば、ステップ1710に進み、エラーとなる。
たとえば、k3=-0.211の場合にステップ1705にて演算されたATR信号スペクトルが図19に図示されている。この場合には、選択入射角での反射率RmaxはRthに到達しているので、ステップ1706からステップ1709に進み、k3=-0.211が決定されることになる。
図19においては、波長λ=632.8nmの可視レーザ光Vの基における条件は次のごとくである。
BK-7プリズム1について、
屈折率n1=1.535
消衰係数k1=0
である。金層2について、
厚さt2=39nm
屈折率n2=0.18
消衰係数k2=3
である。有機色素層3について、
厚さt3=50nm
屈折率n3=1.4
消衰係数k3=-0.211
である。銀層4について、
厚さt4=10nm
屈折率n4=0.135
消衰係数k4=4
である。
図19に示すように、図18のプラズモンディップ角度θ=46.5°(実際には少しずれた角度46.3°)で消衰係数k3が負の値-0.211のときに、金層2の光入射かつ反射面における反射光強度Ioutは入射光強度Iinの106倍程度となる。
他方、有機色素層3の消衰係数k3は、上述のごとく、有機色素層3の励起状態の強度Iで変化できる(k33I)。従って、光パルス発生器7の光パルスP7は時間的変化を有するので、図20に示すごとく、有機色素層3の消衰係数k3をたとえば0〜-0.4の範囲で変化でき、この結果、k3=-0.211のときのみ大きい強度Ioutの反射光つまり光パルスP1を発生することができる。尚、図20の(A)は消衰係数k3を0〜-0.4に変化させた場合のグラフ、図20の(B)は(A)のk3=-0.211の近傍の拡大図であり、半値全幅(FWHM)Δk3は0.0001である。
図21の(A)に示すごとく、光パルス発生器7の光パルスP7の光強度が三角パルスで変化して消衰係数k3が0〜-0.4の範囲で変化すると仮定し、その周期Tを2nsとし、消衰係数k3の変化量K=0.4とすれば、光パルスP1の半値全幅(FWHM)Δtは次のごとくなる。
K : T/2 = Δk3 : Δt
∴ Δt = Δk3・(T/2)/K
= 0.0001・1ns/0.4
= 0.00025ns
= 250fs
つまり、図21の(A)に示す周期2nsの光パルスP7を利用して図21の(B)に示すFWHM=250fsの光パルスP1を得ることができる。このとき、He-Neレーザ源5の入射光強度Iinを10mWとすれば、約106倍増強されるので、光パルスP1の尖頭値Ioutは10kW程度となる。
尚、上述の第3の実施の形態においても、光パルス発生器7の光パルスP7の光強度が三角パルスで変化すると仮定したが、これに限定されるものでなく、正弦波パルスで時間的変化させてもよい。
尚、共振器層としては反射率選択性を有するSiO2/TiO2等の誘電体多層鏡構造を設けることができる。
図22は本発明に係る光パルス発生装置の第4の実施の形態を示す断面図である。
図22において、図9のGaAs層3aの代りに、半導体レーザ素子、つまり、正孔注入層(p-Al0.25Ga0.75As)31、活性層(p-GaAs)32、電子注入層(n-Al0.25Ga0.75As)33、n型GaAs基板34及び電極(Au)35を設ける。また、図9の光パルス発生器7の代りに、電流パルス発生器7aを設けてある。電流パルス発生器7aはAu層2と電極35との間に接続され、電流パルスP7’を発生して活性層32に注入する。尚、電流パルス発生器7aは三角波電流発生回路等であり、比較的低製造コストである。
金層2において入射光により表面プラズモン共鳴光を励起すると共に、活性層32において電流パルス発生器7aからの電流パルスP7’の注入により励起して反転分布状態にし、これにより、活性層32の消衰係数k3を負にする。この結果、消衰係数k3の負の値に応じて金層2の光入射かつ反射面の反射光強度Ioutは入射光強度Iinの105倍程度となる。これは表面プラズモン共鳴光と活性層32の励起状態つまり反転分布状態とが共振状態となるからと考えられる。
図22の光パルス発生装置の動作原理も、図1の光パルス発生装置の動作原理と同一である。
図10は図22の光パルス発生装置の設計フローをも示すフローチャートである。ここでは話を簡単にするために、正孔注入層31、電子注入層33、GaAs基板34の厚みについては、各々、50nm、50nm、950nmと固定し、フローチャートにおけるステップ1002は活性層32の厚さt3を考察することにする。
始めに、ステップ1001にて金層2の最適の厚さt2を選択する。図10の金層2の光電面における表面プラズモン共鳴光の励起量を最大とするレーザ光IRの入射角θは臨界角θcより大きい範囲で、金層2の光入射かつ反射面での反射率Rが最小となる光吸収(プラズモン)ディップ角度である。つまり、BK-7プリズム1に対して赤外レーザ光IRを相対的に角度スキャンして金層2からの反射光を利用してシミュレーションした結果である全反射減衰(ATR)信号スペクトル(図示せず)により最適の厚さt2を選択する。この場合、波長λ=900nmの赤外レーザ光IRの基における条件は次のごとくである。
BK-7プリズム1について、
屈折率n1=1.535
消衰係数k1=0
である。金層2について、
厚さt2=可変
屈折率n2=0.22
消衰係数k2=6
である。活性層32について、
厚さt3=0
である。つまり、活性層32が形成されていない状態である。正孔注入層31、電子注入層33、GaAs基板34及び電極35も存在しないものとする。この結果、金層2の厚さt2≒39nmで反射率R=0の鋭いプラズモンディップを有し、金層2の厚さt2を39±1nmの範囲で選択することにより表面プラズモン共鳴光の励起量は最大となる。
次に、ステップ1002に進み、組合せ(入射角θ、活性層32の厚さt3)を検出する。この組合せの検出は活性層32の非励起状態(k3=0)で行う。金層2の厚さt2を39nmとすると共に、活性層32の厚さt3を0〜50nmの範囲で変化させた場合のそれぞれの全反射減衰(ATR)信号スペクトルを図23に示してある。尚、図23においては、代表として、活性層32の厚さt3=25nmの場合のみを図示してある。波長λ=900nmの赤外レーザ光IRの基における条件は次のごとくである。
BK-7プリズム1について、
屈折率n1=1.535
消衰係数k1=0
である。金層2について、
厚さt2=39nm
屈折率n2=0.22
消衰係数k2=6
である。活性層32について、
厚さt3=可変
屈折率n3=3.57
消衰係数k3=0.00013
である。正孔注入層31について、
厚さ=50nm
屈折率=3.4
消衰係数=0
である。電子注入層33について、
厚さ=50nm
屈折率=3.4
消衰係数=0
である。GaAs基板34について、
厚さ=950nm
屈折率=3.57
消衰係数=0.00013
である。尚、正孔注入層31、電子注入層33の消衰係数は0であるので、理論上は吸収損失は生じないが、実際は少し生じる。従って、ここでは、正孔注入層31、電子注入層33の厚さは50nmとする。
図23に示すように、活性層32並びにGaAs基板34は少し吸収損失(k3=0.00013)を生じるが、t3=25nmで効率のよい表面プラズモン共鳴光を励起できる。説明を簡単にするために、ここでは、次の1つの組合せ(θ,t3)を検出したものと仮定する。
(43.0°,25nm)
次に、ステップ1003、1004において、(θ,t3)候補のうち1つの検出された組合せ(θ,t3)を1つ選択する。
次に、ステップ1005〜1009のフローに進み、選択された組合せ(θ,t3)を維持した状態で、所望の反射率Rが得られるように活性層32の消衰係数k3を決定する。つまり、組合せ(θ,t3,k3)を決定する。尚、活性層32の消衰係数k3は活性層32に電流パルス発生器7aの電流パルスP7’の代りに一定電流を注入することによって励起状態つまり反転分布状態の強度によって一義的に定まる。つまり、k34I、但し、Iは注入電流のエネルギー等、η4は定数、である。以下、ステップ1005〜1009について詳述する。
ステップ1005において、消衰係数k3を-kmin(kminは正の値たとえば0.001)とし、ステップ1006にて、ATR信号スペクトルをシミュレーションソフトを用いて演算し、ATR信号スペクトルから選択入射角での反射率Rmaxを求める。尚、ATR信号スペクトルを求めず、反射率Rmaxを直接求めてもよい。次いで、ステップ1007にて、選択入射角での反射率Rmaxが所定値Rth(たとえば12E3)より大きいか否かを判別する。この結果、Rmax>Rthの場合のときのみステップ1010に進み、他方、Rmax≦Rthの場合には、ステップ1008、1009により消衰係数k3をΔk(たとえば0.001)だけ小さくしてステップ1006、1007のフローを繰返す。つまり、消衰係数k3を-kminから-kmax(kmaxは正の値たとえば1.0)まで変化させ,その間に、選択入射角での反射率Rmaxが所定値Rthに到達したときの消衰係数k3を選択する。尚、ステップ1003にて検出された組合せ(θ,t3)がすべて選択済であれば、ステップ1011に進み、エラーとなる。
たとえば、ステップ1004にて(θ,t3)=(43.0°,25nm)を選択し、k 3 =-0.147187の場合にステップ1006にて演算されたATR信号スペクトルが図24に図示されている。この場合には、選択入射角での反射率RmaxはRthに到達しているので、ステップ1007からステップ1010に進み、k3=-0.147187が選択されることになる。つまり、(θ,t3,k3)として(43.0°,25nm,-0.147187)が選択されることになる。
図24においては、波長λ=900nmの赤外レーザ光IRの基における条件は次のごとくである。
BK-7プリズム1について、
屈折率n1=1.535
消衰係数k1=0
である。金層2について、
厚さt2=39nm
屈折率n2=0.22
消衰係数k2=6
である。活性層32について、
厚さt3=25nm
屈折率n3=3.57
消衰係数k3=-0.147187
である。正孔注入層31について、
厚さ=50nm
屈折率=3.4
消衰係数=0
である。電子注入層33について、
厚さ=50nm
屈折率=3.4
消衰係数=0
である。GaAs基板34について、
厚さ=950nm
屈折率=3.57
消衰係数=0.00013
である。
尚、図24の反射スペクトルは、非常に鋭いデルタ関数スペクトルである。このように、図24に示すように、活性層32の厚さt3が25nmにおいては、図23のプラズモンディップ角度θ=42.9°で消衰係数k3が負の値-0.147187のときに、金層2の光入射/出射面における反射光強度Ioutは入射光強度Iinの104倍程度となる。このようにして、組合せ(θ,t3)=(42.9°,25nm)を決定する。
他方、活性層32の消衰係数k3は、上述のごとく、活性層32の励起状態の強度Iで変化できる(k34I)。従って、電流パルス発生器7aの電流パルスP7’は時間的変化を有するので、図25に示すごとく、活性層32の消衰係数k3をたとえば0〜-0.3の範囲で変化でき、この結果、k3=-0. 147187のときのみ大きい強度Ioutの反射光つまり光パルスP1を発生することができる。尚、図25の(A)は消衰係数k3を0〜-0.3に変化させた場合のグラフ、図25の(B)は(A)のk3=-0.147187の近傍の拡大図であり、半値全幅(FWHM)Δk3は0.0001である。
図26の(A)に示すごとく、電流パルス発生器7aの電流パルスP7’の強度が三角パルスで変化して消衰係数k3が0〜-0.3の範囲で変化すると仮定し、その周期Tを2nsとし、消衰係数k3の変化量K=0.3とすれば、光パルスP1の半値全幅(FWHM)Δtは次のごとくなる。
K : T/2 = Δk3 : Δt
∴ Δt = Δk3・(T/2)/K
= 0.0001・1ns/0.3
= 0.00033ns
= 330fs
つまり、図25の(A)に示す周期2nsの電流パルスP7’を利用して図25の(B)に示すFWHM=1psの光パルスP1を得ることができる。このとき、赤外レーザ源5aの入射光強度Iinを10mWとすれば、約105倍増強されるので、光パルスP1の尖頭値Ioutは1kW程度となる。
尚、上述の第4の実施の形態では、電流パルス発生器7aの電流パルスP7’の光強度が三角パルスで変化すると仮定したが、これに限定されるものでなく、正弦波パルスで時間的変化させてもよい。
次に、図22の光パルス発生装置の製造方法を説明する。
始めに、300〜500μm厚さのn型GaAs基板(n=3.57, k=0.00013)34上に、50nm厚さの電子注入層(n-Al0.25Ga0.75As, n=3.4, k=0)33、25nm厚さの活性層(p-GaAs, n=3.57, k=0.00013)32、及び50nm厚さの正孔注入層(p-Al0.25Ga0.75As, n=3.4, k=0)31を有機金属化学的気相成長(MOCVD)法を用いて順次エピタキシャル成長させる。この場合、n層の形成にはn型不純物たとえばSiの添加を行い、また、及びp層の形成にはp型不純物たとえばZnの添加を行い、導電率調整を行う。
次に、正孔注入層31上に、20nm厚さの金(Au)層を形成する。このとき、正孔注入層31とAu層との密着性を上げるために、Ti、Pt等の金属をいずれかに予め薄く蒸着することもできる。
他方、プリズム1の面12に30nm厚さの金(Au)層を予め蒸着させておく。
次に、直角プリズム1の金属とGaAs基板34上に形成された金属を拡散接合によって接合させる。この拡散接合の結果、2つの金属は互いに完全に接合し、その圧力により厚さが減少して39nm厚さの金層2が得られる。
次に、GaAs基板34において、表面プラズモンを利用した光増幅及び光パルスを発生するために、化学機械加工(CMP)法等に、GaAs基板34を薄膜化させる。たとえば950nm厚さとする。
最後に、GaAs基板34側にn型Au電極35を中央を囲むように形成する。このとき、電極35とGaAs基板34との密着性を上げるために、Ge、Ni等の金属を予め薄く蒸着させることもできる。
上述の実施の形態における光パルス発生装置においては、表面プラズモンを発生させるための金属薄膜として、特別な構造を有しない2次元の金属薄膜を考察した。しかしながら、表面プラズモンを効率良く発生させるための金属構造として、単純な2次元の金属薄膜に限定されるものではなく、以下に述べるような種々の形態を利用可能である。例えば、図27に示すように、金属層としての金層2にHe-Neレーザ源5の可視レーザ光Vあるいは赤外レーザ源5aの赤外レーザ光IRの波長λより小さい直径の孔部21を形成する。これにより、可視レーザ光Vもしくは赤外レーザ光IRの一部は金層2の孔部21に入射する。このとき、孔部21の直径は波長λより小さいので、孔部21に入射した光は孔部21の外部に放射されることはなく、その一方でエバネッセント光を発生する。この現象は、微小開口によるエバネッセント光の発生として知られている。そして、孔部21の1つに発生したエバネッセント光は、図27の(B)に矢示するように、孔部21の配列に従って縦横斜めに、次々に隣接する孔部21に伝播することによって強度が増大される。この結果、強度が増大されたエバネッセント光により金層2の光入射かつ反射面の反対面に表面プラズモン共鳴光がさらに容易に励起される。

また、上述の第1、第2及び第3の実施の形態においても、表面プラズモン共鳴光を形成するための金層2を電極とすることができるので、誘電体層を励起させるためのパルス電流注入を容易に行うことができる。特に、図16の光パルス発生装置のAu/誘電体/Agの共振器構造は電流注入を行う構造と同一である。
上述の図2、図10、図17のルーチンはプログラムとして記憶媒体に記憶される。例えば、記憶媒体がROM等の不揮発性メモリであれば予め組込まれ、記憶媒体がRAM等の揮発性メモリであれば必要に応じて書込まれる。
本発明に係る光パルス発生装置の第1の実施の形態を示す断面図である。 図1の光パルス発生装置の設計フローを示すフローチャートである。 図2の金層の厚さt2を選択するステップ201を説明するための全反射減衰(ATR)信号スペクトル図である。 図2の組合せ(入射角θ、有機色素層の厚さt3)の選択をするステップ202を説明するためのATR信号スペクトル図である。 図2の選択入射角での反射率Rmaxを演算するステップ206を説明するためのATR信号スペクトル図である。 図2の選択入射角での反射率Rmaxを演算するステップ206を説明するためのATR信号スペクトル図である。 図1における有機色素層の消衰係数k3と光パルスP1の強度Ioutとの関係を示すグラフであって、(B)は(A)の拡大図である。 図1における有機色素層の消衰係数k3及び光パルスP1の強度Ioutの時間的変化を示すタイミング図である。 本発明に係る光パルス発生装置の第2の実施の形態を示す断面図である。 図9の光パルス発生装置の設計フローを示すフローチャートである。 図10の組合せ(入射角θ、GaAs層の厚さt3)の選択をするステップ1002を説明するためのATR信号スペクトル図である。 図10の選択入射角での反射率Rmaxを演算するステップ1006を説明するためのATR信号スペクトル図である。 図12の拡大図である。 図9におけるGaAs層の消衰係数k3と光パルスP1の強度Ioutとの関係を示すグラフであって、(B)は(A)の拡大図である。 図9におけるGaAs層の消衰係数k3及び光パルスP1の強度Ioutの時間的変化を示すタイミング図である。 本発明に係る光パルス発生装置の第3の実施の形態を示す断面図である。 図16の光パルス発生装置の設計フローを示すフローチャートである。 図14の(入射角θ、GaAs層の厚さt2)の選択をするステップ1703を説明するためのATR信号スペクトル図である。 図17の選択入射角での反射率Rmaxを演算するステップ1705を説明するためのATR信号スペクトル図である。 図16における有機色素層の消衰係数k3と光パルスP1の強度Ioutとの関係を示すグラフであって、(B)は(A)の拡大図である。 図16における有機色素層の消衰係数k3及び光パルスP1の強度Ioutの時間的変化を示すタイミング図である。 本発明に係る光パルス発生装置の第4の実施の形態を示す断面図である。 図10の組合せ(入射角θ、活性層の厚さt3)の選択をするステップ1002を説明するためのATR信号スペクトル図である。 図10の選択入射角での反射率Rmaxを演算するステップ1006を説明するためのATR信号スペクトル図である。 図22における活性層の消衰係数k3と光パルスP1の強度Ioutとの関係を示すグラフであって、(B)は(A)の拡大図である。 図22における活性層の消衰係数k3及び光パルスP1の強度Ioutの時間的変化を示すタイミング図である。 図1、図9、図16、図22の金層の変更例を示し、(A)は断面図、(B)は平面図である。
符号の説明
1:BK-7プリズム
2:金層
3:有機色素層
3a:GaAs層
4:無反射コート
5:He-Neレーザ源
5a:赤外レーザ源
6:波長板
7:光パルス発生器
7a:電流パルス発生器
31:正孔注入層
32:活性層
33:電子注入層
34:GaAs基板
35:電極

Claims (12)

  1. 入射光を入射しその反射光を光パルスとして発生するための光入射かつ反射面を有する金属層と、
    該金属層の光入射かつ反射面の反対面に被覆された誘電体層と、
    該誘電体層を時間的変化する励起状態にする誘電体層励起手段と
    を具備し、
    前記金属層において前記入射光により表面プラズモン共鳴光を励起すると共に、前記誘電体層の励起状態の時間的変化に応じて前記誘電体層の消衰係数を負にし、前記表面プラズモン共鳴光と前記誘電体層の励起状態とが共振状態を有するようにした光パルス発生装置。
  2. 前記誘電体層励起手段は前記光パルスのパルス幅より大きいパルス幅を有する第2の光パルスを発生する光パルス発生器を具備し、該第2の光パルスを前記誘電体層に照射する請求項1に記載の光パルス発生装置。
  3. 前記誘電体層励起手段は前記光パルスのパルス幅より大きいパルス幅を有するパルス電流を発生するパルス電流発生器を具備し、該パルス電流を前記誘電体層に注入する請求項1に記載の光パルス発生装置。
  4. 前記入射光の前記金属層の光入射かつ反射面での入射角は、前記誘電体層が非励起状態のときに、全反射領域において前記入射光の前記金属層の光入射かつ反射面での反射率が最小となる光吸収ディップ角度である請求項1に記載の光パルス発生装置。
  5. 前記金属層の厚さは、前記誘電体層が非励起状態のときに、前記光吸収ディップ角度で入射した前記入射光の前記金属層の光入射かつ反射面での反射率が最小となるように、選択された請求項に記載の光パルス発生装置。
  6. さらに、前記金属層の前記光入射かつ反射面に付着された透明基材を具備する請求項1に記載の光パルス発生装置。
  7. 前記透明基材はプリズムである請求項6に記載の光パルス発生装置。
  8. 前記金属層は金、銀、銅、Al、Ir、Mo、Ni、Pt、Rh、W、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Nb、Pdまたはそれらの合金よりなる請求項1に記載の光パルス発生装置。
  9. 前記誘電体層は有機色素層及び半導体層の1つである請求項1に記載の光パルス発生装置。
  10. 前記金属層に前記入射光の波長より小さい径を有する複数の孔部を設けた請求項1に記載の光パルス発生装置。
  11. 前記複数の孔部が規則性を有する請求項10に記載の光パルス発生装置。
  12. 入射光を入射しその反射光を光パルスとして発生するための光入射かつ反射面を有する金属層と、
    該金属層の光入射かつ反射面の反対面に被覆された誘電体層と、
    該誘電体層を時間的変化する励起状態にする誘電体層励起手段と、
    該誘電体層の前記金属層と反対側面に被覆された前記入射光に対する共振器層と
    を具備し、
    前記金属層において前記入射光により表面プラズモン共鳴光を励起すると共に、前記誘電体層の励起状態の時間的変化に応じて前記誘電体層の消衰係数を負にするようにした光パルス発生装置の設計方法であって、
    前記共振器層の透過率に応じて該共振器層の厚さを選択する工程と、
    前記誘電体層の厚さを選択する工程と、
    前記誘電体層が非励起状態のときに、全反射領域において入射光の前記金属層の光入射かつ反射面での反射率が最小となるように、前記入射光の前記金属層の光入射かつ反射面での入射角及び前記金属層の厚さを選択する工程と
    前記入射光の前記入射角での反射率が所定値より大きくなるように前記入射光の前記金属層の光入射かつ反射面での入射角及び前記誘電体層の厚さを決定する工程と
    を具備する光パルス発生装置の設計方法。
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